2018年01月06日

僕がマンガを読まなくなった理由

まず宣言しておかなければならないのは、ここで書きたいことは別にもうマンガを読まない宣言ではないということで。
なんとも女々しい話ではあるが、別にマンガが嫌いになったわけではないし、マンガをディスるつもりもない。
まして、マンガを卒業したつもりもない。

ただ、明らかに昨年はマンガに割く時間が激減しており、それは自分の加齢だけでは説明がつかないのではないかと常常思ってはいたのだ。
で、その自分の加齢以外の、思い当たる一つの理由を軽く整理したいというのが、この文の趣旨である。

端的に言うと、最近のマンガ・・・特に面白いマンガが長すぎるという話。
いや、長いということ、それ自体が問題ではない。
長くなければ語りきれない物語は当然あるし。
長いからこそ、熟成されていく物語の細部というものもある。

とはいえ、連載マンガに於いて長いということは、「終わりが見えない」ということでもあるわけで。
今の自分にとっては、この「終わりが見えない」マンガってのはわりときつい。
ここで問題なのは物語そのものの長さ(単行本の多さ)よりも、連載の長さが問題だ。
小説を読むとき、ついつい「あと何頁かな?」と残りのページ数を気にするような人間にとっては、このいつ終わるのかわからない物語を追いかけることが年々きつくなってきた。
まして、それを同時並行的に何作も・・・・となると、これはまあ、どうしたって息切れしちまう。

思えば、このブログでもたくさんのマンガを紹介してきた。
面白いマンガは星の数ほどある。
ただ、その綺羅星の如く輝くマンガ群の中でも、所謂世間的にも大ヒットした、「確実に面白いマンガ」の終わらなさは異常だ。
なぜならそこにはメディアミックス的な大人の事情が絡んでくるからで。
もはやマンガ単体では語りきれない大きな作品になればなるほど終わらないし、終われない。

ベルセルクとか、ワンピースは言うに及ばず。
宇宙兄弟、ちはやふる、リアル、三月のライオン、キングダム、進撃の巨人・・・・・ヒストリエはちょっと意味が違うか?

とにかく挙げていけばキリがない。
しかも、この作品達がタチが悪いのは、この長期連載の間、ずっとおもしろいということで。
そうなると、これらを追いかけるのに手一杯で、他のマンガに手を伸ばす気力はどんどん萎えてくる。

まあ、気力の衰えを単に自分のライフスタイルの変化だとか加齢だとかのせいにしてもいいのだけれども。

昨年、ついにワンピースの新刊を買わなくなった。
買わなくなったというよりも、正確には「前巻を読む前に新しいのが出ちゃった。」ってことなのだけども。
その時点で、なんというか自分の中のマンガ熱が折れたのを感じた。
小学校のマラソン大会で、ずっと走っていたのが、ある段階で歩いてしまった感じ。
一回、歩いてしまうと、再び走り出すのは容易ではない。

で、頭に浮かんだのが「連載が終わったらまとめて読もう・・・」
この、悪魔の囁き。
勿論ワンピースはまだまだまだまだ終わらない。
そしておそらく、終わった時、自分には今以上に読む気力が衰えている。

ちなみに、この「連載が終わったら・・・・・」の悪魔の囁きによって追いかけるのを中断して、結局まだ読めていないマンガの多いこと多いこと。(へうげものとか、まだ読み終わってませんよ。とほほ・・・・)

多かれ少なかれ、マンガを継続的に大量に読んできた人なら、これに似た瞬間を感じたことはあるのではなかろうか。
はじめの一歩とかさ。1〜20巻辺りを連載から読んでいた人間の何人が今もついて行っているのだろう・・・・。

そうやって、積み残した連載中のマンガが増えれば増えるほど、マンガというジャンルへの熱は冷めていく。

終わらない煉獄。
終わらないだけなじゃく、増え続ける煉獄。

それに対して、ほとんどの小説はちゃんと一冊ないし上下巻程度で終わってくれるのだ。
こりゃあありがたい!
映画なんて、長くても3時間あれば一応は終わってくれるのだもの。(シリーズ化して煉獄と化していくものもありますが。)
なんてありがたい!!
どうしたって、ちゃんと終わってくれる物語の方に手が伸びてしまう。

おそらくこれは自分のような単行本派の人間に限った話なのだろう。
週刊誌で追いかけている人にとったら、毎週、同時並行で連載を読むことがマンガのペースになっているわけだから。
あるいは、こんなレビューブログを書いているのも影響しているのかもしれない。
だって、終わっていない物語のレビューって、やっぱりなんだか書きにくいから。

ただ、まあとにかくそういうわけで、昨年の自分は映画と小説ばかり享受してましたという言い訳。

マンガという表現手段の可能性はまだまだ信じているし。
おもしろいマンガがなくなったなんて言う気は毛頭ない。
長期連載故の面白さを否定するつもりもない。
ただ、ちょっと疲れちゃったという話。

前からわかっていたことだけども、俺はやっぱり単行本1冊〜3冊くらいでまとまっているマンガが好きだよ。

マンガを読むのをやめるという話ではないので、勿論2018年もきっとマンガは読みます。
場合によったらレビューもするかもしれません。
でも、マンガよりも映画とか本のことを書くことが増えるなら、このブログは「マンガソムリエ」という看板は下ろさないといけないだろうなというのが、昨年末につらつらと考えたことです。

というわけで、今年はなんというかますます迷走するような気もしますが、昨年よりは雑文自体を書く時間は増やすつもりなので、お付き合いいただけると嬉しいです。

captainsummer at 06:44│Comments(8)

この記事へのコメント

1. Posted by 根岸鴨   2018年01月08日 19:37
こんばんは。
最近更新が少なかったので心配しておりました。長編を読むのがしんどくなるというのはよくわかります。ワンピースが完結してる頃には自分は還暦迎えてるのかも? と思うと複雑ですね。
小説も大好きですが、若い頃に比べて上下巻とか分厚い本は手が出にくいです。
短くまとまった漫画ということで、昨年ジャンプ+で完結した彼方のアストラが全5巻になるようです。名作11人いる! の現代版という感じのSFで大好きでした。
ではまた!
2. Posted by ろむせん   2018年01月09日 11:45
初めまして、こんにちは。

書き込みは初めてですが、実は8年前くらいからブログを楽しく拝見させていただいている者です。僕の知らなかったマンガを高く評価されているときには、読んでみて面白くて知らなかったことに悔しがったり。反対に、読むのが遅くなったと悔しがられていた宮崎夏次系のコミックを先に読んでいて勝ち誇ったりを一人でしていました。

僕は作品レビューが好きでいろんなサイトを巡回してきましたが、マンガソムリエさんのレビューが一番、紹介されている作品を読み(返し)たくなるレビューでした。

ここのところ僕もほとんど漫画を読まなくなっていて、理由はおそらく違うのですが、そういう時期ってあるよなあと思いました。淡々とした雑文、応援しています。
3. Posted by 名無し   2018年01月11日 22:27
自分もコナンは随分前から追いかけてないな。読む気分になったら一気読みする予定だけど。完結したら読むとか別に悪魔の囁きだなんて考えないけどな。
4. Posted by 夏男   2018年01月12日 05:57
コメントありがとうございます。

>鴨さん
おひさしぶりです。
分厚い本に手がでなくなるの、わかります。
でも、最近はそういうのに敢えて手を出すのがブームだったりします。
歯ごたえみたいなのを求めているのかもしれません。
それはそれとして、彼方のアストラ、おすすめしていただきありがとうございます。
機会を見つけて、読んでみます!

>ろむせんさん
涙が出る程うれしいコメント、ありがとうございます。
こんなコメントをいただけるなら、この無益なブログにも少しくらいは意味があったんだなと思うことができます。
雑文は引き続き書いていきますので、また遊びにきていただけると嬉しいです。

>名無しさん
読む気分になったときに一気読みできる分量かってのが問題ですよね。
コナンは、あきらめています。
完結したら読むって言葉自体は勿論悪魔の囁きではないですが、完結しても本当に読むのか?と自問自答すると・・・・・って感じですかね。
5. Posted by 暗くても   2018年01月18日 12:51
私は新しい巻を読むときに前の話を覚えていない事が増えました。老いもですか、面白いのに読み返さないものと面白くてなんども読み返すの二極化があって、
面白くてなんども読み返すマンガが長期連載に、伴って面白い映画のに読み返さないマンガになる。
そういうのが増えたようにおもいます。
6. Posted by 夏男   2018年01月20日 05:35
>暗くてもさん
お久しぶりです。
僕も、前の話を覚えていなくて読み返すことが増えました。
その読み返すのが面倒で読まなくなってきたってのもあります。
逆に、読み返すのは短くまとまっているものか、どこから読んでどこでやめてもいいグルメマンガですね。
なんともかんとも・・・
7. Posted by NOKTON   2018年01月24日 04:02
お久しぶりです!

実は久しぶりにお邪魔させていただきましてこんな時間にこの記事を知りまして…今更になってしまいますが驚いています。

今回決断した理由をできるだけ論理立てて説明してくれるところに、個人的に自分が夏男さんに感じている"夏男さんらしいところ"が見れて嬉しかったです(失礼な感じの表現かもしれません、ごめんなさい)!

趣味も人づきあいも経年変化っていうのはあると思いますので、一読者として夏男さんの今回の決定を尊重したいと思いますし、ご無沙汰することもあるかもしれませんが引き続き応援しています!

形は違えどブログは続いていくみたいなのでまたお邪魔させてください。

そしてあけましておめでとうございます(詰め込みすぎですね笑)
8. Posted by 夏男   2018年01月25日 05:23
>NOKUTONさん

お久しびりです。
コメントありがとうございます。
論理的に説明できていたかどうかはイマイチ自信ないのですが、なるべくそうありたいとは思っているので、そこを自分らしさと言っていただけるとありがたいです。
形を変えた分なのか、今年はいまの所昨年よりは文章を書きたい欲求が増している感じがしますので、ここに何か書く回数は増えると思います。
また、お付き合い願えたらと思います。

というわけで明けましておめでとうございます(笑)

コメントする

名前
URL
 
  絵文字