June 06, 2015

なにつまらん話でさ -海賊と秘密の箱1-

前回の航海で、派手にぶっぱなして砲身の焼けちまった大砲の修理を終え、新たな航海に出ようと出航準備していた。

今夜は無限ラジオの日だとわかってたから、放送を聞きながらの作業。

さっきから良い風が吹いてて、さざめく波にたたかれる船底の音が、『早く来いよ』って聞こえてしかたない。

索具の点検も終え、あとは錨を揚げ、帆を張るばかりって時に、『船頭の話』が始まった。

俺は結構これが気に入ってる。なんたって海の話だから。

今夜の物語は、残酷な運命に引き裂かれた兄妹の話だった。

ラムを呷りつつ、物語を聞いてるうちに気が付いたら作業の手が止まってた。

過酷な逃走の末、海の女神の力で白いイルカに姿を変え、海底に消えていった妹。

その妹を悪党になり下がってまで探し続ける兄。

俺の手が止まったのはそんな兄妹に同情したからじゃない。

ちょいと状況は違うが、俺自身、この兄と似た経験があるからだ。

そいつを思い出しちまったのさ。

あの時の航海日誌はたしか・・・

そう、あの箱の中だったな。

俺は、めったに開けることのない『秘密の箱』を取りにアジトに戻った______つづく




captainzaki at 02:56│Comments(0)TrackBack(0)clip!

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