葦の髄から循環器の世界をのぞく

訪問ありがとうございます。 このブログは医療関係者を対象としています。 老境に入った内科開業医が、昔専門とした循環器科への熱い思い断ちがたく一人でお勉強した日記です。 内容は循環器科に限定しています。 他に「井蛙内科開業医/診療録」「ふくろう医者の診察室」のブログもあります。

術後転帰は僧帽弁形成術が置換術より優れる

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0224506449/

退行性僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術は僧帽弁置換術に比べて周術期死亡率が低く長期生存率も良好であると、欧州と米国の共同研究グループがCirculation(2017; 135: 410-422)に発表した。

 
臨床ガイドラインでは、退行性僧帽弁閉鎖不全症には僧帽弁形成術が推奨されている。
しかし、推奨のエビデンスレベルは低く、最近ではその妥当性が疑問視されている。

<私的コメント> 
退行性はdegenerative?
リウマチ性変化のみならず粘液性変化などを含有する表現なのでしょうか。

 
同グループは、高度の逆流を呈する退行性僧帽弁閉鎖不全症患者1,922例(僧帽弁形成術1,709例、僧帽弁置換術213例)を登録。
術後転帰を患者全体および傾向スコアマッチングと治療の逆確率加重(IPTW)法により解析した。
登録時点で僧帽弁形成術群は僧帽弁置換術群より若年で、併存症が多く、後尖逸脱が多く見られた。
傾向スコアマッチングとIPTW法後の両群のバランスは良好で、絶対標準差は適切なマッチングとされる10%未満だった。

 
解析の結果、僧帽弁形成術群は僧帽弁置換術群と比べ術後30日以内の周術期死亡率が有意に低く、患者全体で1.3%対4.7%、傾向スコアマッチ集団で0.2%対4.4%(いずれもP<0.001)であった。

 
平均9.2年間の追跡で552例が死亡し、うち207例は心血管死だった。20年生存率は僧帽弁形成術群が有意に良好で、患者全体で46%対23%、傾向スコアマッチ集団で41%対24%(いずれもP<0.001)であった。



<関連サイト>

弁形成術

http://www.benmakusho.jp/cure/05-operation01/index.html

・弁置換術に比べ、弁形成術のほうが術後に感染症や血栓塞栓症の危険性が低く、手術からの回復も早いというメリットがある。

通常は、術後2ヶ月間程度の抗血液凝固療法が必要だが、その後は不要となる。


・弁形成術か弁置換術かは、どの弁がどのように悪くなっているのかを確認して、医師が判断する。

どちらの手術を行なうかは、術前の検査で必要な情報を得て判断することもできるが、最終的には、手術時に実際に弁を見て決定する。


・僧帽弁閉鎖不全症の場合は、最近の傾向として多くの医師や医療機関で、まず弁形成術が可能かどうかを検討する傾向にある。

しかし、症状が進行してしまっていたり、病変の形状が弁形成術ではきちんと治せない場合は、弁置換術が選択される。


PDF 僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術スライド

http://www.teikyo-cvs.com/public/seminar_doc/cvs_seminar03/cvs03_slide.pdf


僧帽弁形成術について

http://www.cardio-vasc.com/plasty.html

・人工物をまったく使わない訳ではなく、人工弁輪や、人工腱索、異種心膜パッチなどを使うことがある。


形成術の主な適応疾患は、僧帽弁閉鎖不全を引き起こす僧帽弁逸脱症

また、逸脱症以外にも虚血性僧帽弁閉鎖不全症など、狭窄を伴わない閉鎖不全はすべて対象となり得る。


・通常の弁置換術に比べ、時に長時間の手術となる。

また、どうしても計画通りに形成が進まないときや、形成しても逆流が残る時は人工弁置換術に切り替えざるを得ないこともある。

また、術直後から術後数ヶ月、あるいは数年してから逆流が再発することがあり、こまやかな経過観察が必要となる


弁形成術について

http://doctorblackjack.net/heart/heart_04-02.html


低侵襲僧帽弁形成術【小切開心臓手術(MICS・ポートアクセス手術)】

https://www.keio-cardiovascular-surgery.com/disease/mis/mis01


僧帽弁形成術について

http://www.shinzougekashujutsu.com/web/2009/03/mitral_valve_repair.html

http://www.shinzougekashujutsu.com/web/2011/11/redomvp.html

http://www.shinzougekashujutsu.com/web/2011/07/micsmvp.html


僧帽弁閉鎖不全の説明

http://www.nagasaki-cvs.com/explanation04.html


僧帽弁閉鎖不全症(逆流)の原因と診断 ~

http://midori-hp.or.jp/valvular-disease/mitralregurgitation1/



<きょうの一曲>  

Bach Chaconne for Four Cellos

https://www.youtube.com/watch?v=NGBU2DOL-yQ



<きょうの一枚の絵> 

161027-001

石垣定哉「New York」油彩 6F

http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2016/11/artist-today-2016.html






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『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017』最終案を読み解く

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201702/550272_3.html

1月末、最終案に至った『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017』の概要が公表された。
ガイドラインの主なターゲットは冠動脈疾患であることを再確認し、絶対リスクの予測ツールに吹田スコアを採用した。
さらに、小児も含めた家族性高コレステロール血症(FH)では、新たに診断や治療のフローチャートが盛り込まれた。


日本動脈硬化学会は1月29日、宮崎県で開催した第17回動脈硬化教育フォーラムにおいて、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017』の概要を明らかにした。
最終案は、「動脈硬化の臨床診断」「包括的リスク評価」「包括的リスク管理」「家族性高コレステロール(FH)」「その他の原発性高脂血症」「高齢者」「女性」「小児」の8章で構成。今後、若干の調整を経たうえで、7月の日本動脈硬化学会学術集会の場で正式に発表される。


絶対リスク予測ツールに吹田スコアを採用

動脈硬化性疾患の予防において、まず冠動脈疾患に着目するという姿勢を鮮明にした。
最終案では、ガイドラインの「主たるターゲット」が冠動脈疾患であることを強調する一方、絶対リスクの予測ツールに吹田スコアを採用したからだ。


改訂のポイントとして4点が挙げられる。
1つ目は、クリニカルクエスチョンとシステマティックレビューを導入した点。
最近のガイドラインはこの2つを重視しており、動脈硬化性疾患予防ガイドラインもその流れに倣う格好となった。
今回は第一歩として、危険因子の評価(脂質異常症)、絶対リスク評価、食事療法、薬物療法の項目で導入する。


2点目は、絶対リスクの評価方法を変更した点だ。
評価の視点を「死亡」から「発症」に改め、冠動脈疾患の発症を予測するツールを導入した。
2012年版ガイドラインでは、2006年に発表されたNIPPONDATA80のリスク評価チャートを採用していた。
このコホート研究は、冠動脈疾患の死亡並びに脳卒中を含む全循環器疾患の死亡が予測対象のイベント(アウトカム)だった。
2017年最終案では、冠動脈疾患の発症をアウトカム指標とした吹田研究が採択された。


なぜ、吹田研究なのか。
その理由としては、
(1)より新しいデータに基づいたものにする
(2)リスク評価のポイントを「死亡」から「発症」に変更する
(3)脂質関連のデータがそろっている
の3点が挙げられる。


前述のように、NIPPONDATA80のリスク評価チャートが発表されたのは2006年。
これに対して吹田研究に基づく「吹田スコア」が発表されたのは2014年だった。
また、死亡から発症へ変更したのは、より現実に即したガイドラインにするという方針による。
一般の人は、例えば心筋梗塞で死ぬかどうかではなく、心筋梗塞を発症するのかどうかを気にしている。
より手前のアウトカムにする方が、予防ガイドラインとして実情にあったものになる、と作成に関係した医師はいう。


3つ目の脂質データに関しては、吹田研究では総コレステロールやLDL-Cのほか、HDL-Cも評価指標に用いられていた。
脂質データがそろっているという点では久山町研究も候補に挙がったが、アウトカムが脳卒中を含めた発症だったことから、採用されなかった。


吹田スコアを用いたフローチャートの実際

最終案に盛り込まれた吹田スコアを用いたフローチャートに沿って、冠動脈疾患を予防するためのLDL-C管理目標を設定することになる。


本ガイドラインでは、吹田スコアは、
(1)年齢
(2)性別
(3)喫煙
(4)血圧
(5)HDLコレステロール
(6)LDLコレステロール
(7)耐糖能異常
(8)早発性冠動脈疾患家族歴
の8項目の合計点で求める。
その得点に基づき、低リスク、中リスク、高リスクの3つのリスク区分に分類し、それぞれの区分ごとに脂質管理の目標を定める。


脂質管理目標値は、LDL-Cを優先し、LDL-C目標値を達成した場合にNon-HDL-Cの管理目標値を目指すことになる。
なお、その際はHDL-C、TGの管理も重視することが注記されている。


吹田スコアの算出が煩雑との指摘があることから、臨床現場で、パソコンや携帯端末を使って計算できるソフトの開発も進められている。
また、危険因子の個数によってリスク区分を求める「簡易版」も盛り込むことになっている。


改訂のポイントの3点目に挙がったのは動脈硬化危険因子の追加。
最終案では、考慮すべき病態として、新たに腹部大動脈瘤、腎動脈狭窄、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群が加わる。


小児を含むFHの項を拡充

最後の4点目は、高リスク病態の拡充だ。二次予防の層別化を明確にしたほか、小児を含めたFHでは診断や治療のフローチャートが盛り込まれ。


このほか、診断基準やLDL-C測定法、薬物療法などにも改訂点がある。
診断基準では、Non-HDL-Cが新たに盛り込まれ、またLDL-C測定法では、Friedewald式に加えて直接法での測定も追加される。
なお、診断には空腹時採血を用いることになっているが、最終案では「10~12時間以上の絶食」を「10時間以上の絶食」と時間を明確にしている。


薬物療法では新たに、2016年に登場したPCSK9(プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)阻害薬とMTP(ミクロソームトリグリセライド転送蛋白)阻害薬が盛り込まれる。


今後の調整の段階では、家族性III型高脂血症の注記が追加される方向だ。
1月末の概要発表の際に、吹田スコアを用いたフローチャートでは対応できない疾患として、参加者から指摘があった。
これに対して、「家族性III型高脂血症は別扱いとして記述するなど、何らかの対応をしなければならないと考えている」と作成委員会は話している。




<きょうの一曲>

John Coltrane - Trane's Comin' (Not Now Music) [Full Album]

https://www.youtube.com/watch?v=mC7VT-ee114




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4種配合降圧薬Quadpill、初回治療で有効性示す/Lancet

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/43490

 4種の降圧薬(イルベサルタン、アムロジピン、ヒドロクロロチアジド、アテノロール)を標準用量の4分の1ずつ、1つのカプセルに配合したQuadpillによる降圧療法は、降圧薬のクラスを超えて相加的な効果を発揮し、臨床的に重要な血圧の低下をもたらす可能性があることが明らかとなった。オーストラリア・シドニー大学のClara K Chow氏らが、有効性と安全性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験(Quadpill試験)の結果を報告した。世界的に高血圧治療はほとんど単剤で行われているが、コントロール率は低く、単剤療法では平均してわずか9/5mmHg程度しか低下しない。そのため、新たな血圧コントロール戦略の開発が喫緊の課題となっている。低用量での併用療法は、副作用は少なく効果は維持されることが示唆されていたが、超低用量での有用性は不明であった。Lancet誌オンライン版2017年2月9日号掲載の報告。


無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験で検討

 研究グループは、2014年11月~2015年12月の間に、オーストラリアのニューサウスウェールズ州、シドニー西部地域の一般診療所4施設において、スクリーニングした未治療高血圧患者55例のうち21例を、イルベサルタン37.5mg、アムロジピン1.25mg、ヒドロクロロチアジド6.25mg、アテノロール12.5mg(いずれも標準用量の4分の1)を含有するカプセル製剤Quadpillを投与する群と、プラセボを投与する群にコンピュータで無作為に割り付け、それぞれ4週間投与した。その後、2週間の休薬期間を置き、それぞれもう一方の治験薬(プラセボまたはQuadpill)を投与した。試験スタッフ、被験者は治療割り付けを知らされなかった。治験薬はいずれも、中身が見えない同一のカプセルが用いられた。


 主要アウトカムは、4週間後のプラセボで補正した24時間自由行動下収縮期血圧の低下で、intention-to-treat解析とした。また、標準用量の4分の1用量での降圧療法の有効性と安全性をプラセボと比較検討した臨床試験について、システマティックレビューも行った。


Quadpillにより24時間自由行動下収縮期血圧と外来血圧が有意に低下

 被験者21例の患者背景は、平均年齢58歳(SD±11)、平均外来血圧154(±14)/90(±11)mmHg、平均24時間収縮期/拡張期血圧140(±9)/87(±8)mmHgであった。


 21例中、1例は割り付け後に試験への参加を辞退し、2例は管理上の理由で脱落したため、18例が主要評価項目の解析対象となった。


 結果、Quadpill投与により、プラセボ補正後24時間自由行動下収縮期血圧は19mmHg(95%CI:14~23)、外来血圧は22/13mmHg低下した(p<0.0001)。Quadpill投与時は18例全例(100%)が外来血圧140/90mmHg未満を達成したのに対して、プラセボ投与時は18例中6例(33%)であった(p=0.0013)。重篤な有害事象は認められず、全例がQuadpillは服用しやすいと報告した。


 システマティックレビューでは、4分の1用量の降圧薬1種をプラセボと比較した臨床試験が36件(4,721例)、4分の1用量の降圧薬2種に関する試験が6件(312例)特定された。プラセボで補正した降圧効果は、それぞれ5/2mmHgおよび7/5mmHg(いずれもp<0.0001)で、いずれのレジメンでも副作用はみられなかった。


 著者は研究の限界として症例数の少なさ、追跡期間の短さなどを挙げつつ、今回の結果を踏まえて「標準的な治療と比較した場合の有効性や、長期安全性についてさらに調査する必要がある」とまとめている。


Quarter-dose quadruple combination therapy for initial treatment of hypertension: placebo-controlled, crossover, randomised trial and systematic review.

Clara K Chow, et al.

Lancet (London, England). 2017 Feb 09; pii: S0140-6736(17)30260-X.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28190578&keiro=journal




ランダム化試験としては不十分、実用化にはさらなる検討が必要(解説:桑島 巖 氏)

近年の高血圧治療の傾向として、降圧目標値が低くなっており、その達成のためには多剤併用は避けられなくなっている。そこで、RAS阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬、β遮断薬の標準用量の4分の1ずつを4剤組み合わせたQuadpillという薬剤を作り、その降圧効果をプラセボと二重盲検法で比較したのがこの論文である。

 その結果、プラセボに比べて外来血圧は22/13mmHg、24時間血圧は19/14mmHg下降したという。


 しかし、症例数が55例、追跡期間がたった4週間と、ランダム化試験としてはかなり不十分である。それをシステマティックレビューを追加して補っている。システマティックレビューといっても本試験と同じく4分の1用量を4剤組み合わせた論文は1論文に過ぎず、これも不十分である。Lancet誌に掲載されるレベルの論文ではないが、話題作りとしては悪くはない。

 高齢者では降圧薬以外にも多くの薬を服用している例が多いことを考慮すると、配合剤で服薬錠数を減らすという発想は必要かもしれない。

 本試験では症例数が不十分ながら18例中18例(100%)が140/90mmHgの降圧目標値を達成できたと述べている。

 配合剤の問題点は、副作用が発現したときのさじ加減が困難なことであるが、おのおのが標準量の4分の1量であれば問題ないであろうというのがQuadpillである。


 少量とはいっても、利尿薬、β遮断薬には有害事象の発現の懸念はある。さじ加減を重んじ、病態に応じた高血圧治療を推奨している専門家としては、この論文の結果を臨床医に推奨するには抵抗を感じる。単剤を増量した場合との降圧効果の比較データも欲しいところである。症例数を十分に増やし、もう少し追跡期間も延長して安全性を確認するなど、今後の慎重な研究が望まれる。



<きょうの一曲>

John Coltrane - My Favorite Things

https://www.youtube.com/watch?v=sTNlFb6Xj6M



<きょうの一枚の絵>

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内田晃「雨のグラナダ」6号

http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f200750767





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NOAC登場で変わる世界の心房細動の脳卒中予防

http://www.carenet.com/news/general/carenet/43465


心房細動(AF)は世界中で最もよく遭遇する不整脈で、脳卒中のリスクが5倍に高まる危険性がある。
抗凝固薬、とりわけビタミンK拮抗薬が長い間、心房細動患者の基礎であり、過去の臨床試験において、コントロール群やプラセボと比較して、虚血性脳卒中を64%、全死亡率を26%減少させることが明らかになっている。
Gloria-AF(Global Registry on Long Term Oral Antithrombotic Treatment in Patients with AF)は、脳卒中のリスクがあり、新規に診断された非弁膜症性心房細動に対する前向きのグローバルレジストリである。
オランダのHuisman氏らは、このレジストリを用いて、ダビガトラン登場前後における世界全体での抗凝固療法の種類と割合を比較、検討した。
(Journal of the American College of Cardiology誌 2017.2)


86.1%がCHA
2DS2-VAScスコア2以上のハイリスク患者、79.9%が抗凝固薬を使用

最初の非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(NOAC)であるダビガトランが使用可能となり、フェーズ2の研究が開始された。
本研究では、フェーズ2のベースラインにおける患者データを、NOAC以前(フェーズ1)に集められたデータと比較した。
 
フェーズ2では、1万5,641例の患者がレジストリに登録され(2011年11月~2014年12月)、このうち1万5,092例が研究基準を満たした。
横断的分析には、研究基準を満たした患者の特徴を示し、それによりAFの特徴、医学的転帰、併存疾患、薬剤の情報が集められた。
解析には記述統計学の手法が用いられた。
 
全体の45.5%は女性で、平均年齢中央値は71歳(四分位範囲:64~78歳)であった。
患者の47.1%はヨーロッパ、以下、北米(22.5%)、アジア(20.3%)、ラテンアメリカ(6.0%)、中東/アフリカ(4.0%)であった。
また、86.1%の患者が、CHA
2DS2-VASc スコア2以上の脳梗塞ハイリスク患者であった。
13.9%はCHA
2DS2-VASc スコアが1で、脳梗塞のリスクは中等度と考えられた。
 
全体の79.9%が経口抗凝固薬を使用しており、47.6%はNOAC、32.3%がビタミンK拮抗薬(VKA)、12.1%が抗血小板薬を使用し、7.8%は抗凝固療法を受けていなかった。
比較対象のフェーズ1(1,063例)における割合は、VKA32.8%、アセチルサリチル酸41.7%、無投薬20.2%であった。

ヨーロッパ、北米では半数以上がNOAC、アジアでは27.7%にとどまる

ヨーロッパでは、フェーズ2においてNOACがVKAよりも頻繁に使用されており(52.3% vs.37.8%)、6.0%の患者が抗血小板薬を内服し、3.8%が抗血栓療法を受けていなかった。 
 
北米ではNOAC、VKA、抗血小板薬がそれぞれ、52.1%、26.2%、14.0%であり、7.5%は抗血栓療法を受けていなかった。
 
アジアでは、ヨーロッパや北米と比較するとNOACは27.7%で、それほど頻繁に使われておらず、VKA27.5%、抗血小板薬25.0%で、19.8%は抗血栓療法を受けていなかった。
 
GLORIA-AF試験で示された、新たに診断された非弁膜症性心房細動の患者のベースラインデータにおいて、NOACが実臨床で広く使用されており、ヨーロッパや北米ではVKAよりも頻繁に使用されていることが明らかになった。
しかしながら、世界全体をみると、かなりの割合の患者が依然として十分な治療を受けておらず、その傾向はとくに北米とアジアで顕著であった。




<自遊時間>
久しぶりに日本内科学会から循環器専門医向けの特集が組まれました。



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<きょうの一曲>

Bond Viva Live In Japan

https://www.youtube.com/watch?v=cE5nKGYOvFk




<きょうの一枚の絵> 

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大森朔衛 「丘・集落」1980 富山県立近代美術館所蔵

http://www.lares.dti.ne.jp/dmko0118/toyama1.html




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前糖尿病スクリーニング、HbA1c・空腹時血糖値は有効か/BMJ

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/43303

2型糖尿病に進行するリスクが高い前糖尿病状態のスクリーニングとして、HbA1cは感度も特異度もどちらも不十分であり、空腹時血糖値は特異度が高いものの感度が低いことが示された。
英国・オックスフォード大学の研究グループが、前糖尿病状態のスクリーニングと介入に関するシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにした。
前糖尿病患者を対象とした試験で、生活習慣病の評価やメトホルミンが2型糖尿病の発症を遅延または予防する可能性が示唆されていたが、前糖尿病状態をどう定義し検出するのが最も良いかについて統一した見解はこれまでなかった。
著者は、「スクリーニングは不確かであり、不必要な予防的介入を受ける患者や、逆に必要であるにもかかわらず介入を受けていない患者が多くいるかもしれない」と指摘した上で、「早期発見・早期治療の方針は、糖尿病のハイリスク者すべてに有効というわけではなく、この方針だけでは2型糖尿病の世界的流行に実質的な影響はないだろう」とまとめている。
(BMJ誌 2017.1.4)


スクリーニングの診断精度と予防的介入の有効性をメタ解析で検証

研究グループは、Medline、PreMedline、Embaseを用い、前糖尿病状態の診断精度(耐糖能異常、空腹時血糖異常、HbA1c高値)を評価した実証的研究、ならびにスクリーニングで特定された集団で介入群と対照群を比較した研究(無作為化試験や介入試験)について、言語は制限せず検索するとともに、研究プロトコルおよび影響力が大きな論文についてはGoogle Scholarで引用追跡を行って試験の詳細と追加論文を調査し、システマティックレビューを行った。


2,874報(titles)が精査され、138試験(計148論文)が本レビューに組み込まれた。
メタ解析は、前糖尿病状態を特定するスクリーニングの診断精度の検討、ならびに生活習慣改善とメトホルミン療法による2型糖尿病発症の相対リスクの検討の2部構成とし、スクリーニングに関する研究49件および介入試験50件が最終解析の対象となった。


HbA1cは感度・特異度とも低く、空腹時血糖値は感度が低い

前糖尿病状態のスクリーニングに関しては、それぞれの研究で異なるカットオフ値を使用していたが、HbA1cの感度は0.49、特異度は0.79、空腹時血糖値の感度は0.25、特異度は0.94であった。
スクリーニング法の違いによって、特定される部分集団が異なった。
例えば、HbA1cで前糖尿病状態と診断された人の47%は、空腹時血糖や耐糖能の評価では正常であった。


2型糖尿病の発症リスクについては、6ヵ月~6年間の追跡調査で生活習慣への介入により相対リスクが36%低下し、追跡調査後には20%(95%CI:8~31%)となった。


英文抄録

Efficacy and effectiveness of screen and treat policies in prevention of type 2 diabetes: systematic review and meta-analysis of screening tests and interventions.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28052845&keiro=journal



前糖尿病prediabetesスクリーニングは地域住民にとって有益か?(解説:住谷 哲 氏)

http://www.carenet.com/news/clear/journal/43393

DPP(Diabetes Prevention Program)は、2型糖尿病発症の高リスク群に対するライフスタイルへの介入またはメトホルミンの投与が2型糖尿病への移行を抑制することを初めて明らかにした


現在「2型糖尿病発症の高リスク群」はさまざまに定義されているが、その1つに前糖尿病(prediabetes)がある。prediabetesは、ADAの診断基準によれば、
(1)空腹時血糖値(FPG)100~125mg/dL、
(2)75gOGTT2時間値140~199mg/dL、
(3)HbA1c 5.7~6.4%のいずれかを満たした場合と定義されている。

一方、WHOの診断基準は
(1)FPG 108~125mg/dL、
(3)HbA1c 6.0~6.4%
であり、一致していない。
なるほど「旅行で大西洋を越えるだけで糖尿病になったり治癒したりする」と揶揄されるのも当然である。


本論文は、75gOGTT2時間血糖値140~199mg/dL(IGTに相当する)をprediabetes診断のゴールドスタンダードとした場合の、FPGおよびHbA1cの診断精度(感度または特異度)、prediabetesと診断された患者に対するライフスタイルへの介入による2型糖尿病発症予防効果をメタ解析により検討したものである。
その結果、FPGの感度は0.25、特異度は0.94、HbA1cの感度は0.49、特異度は0.79であった。
つまり、prediabetesの診断において、HbA1cは感度・特異度ともに不十分であり、FPGは感度が低いことが明らかとなった。
2型糖尿病発症予防効果は、6ヵ月~6年間の追跡調査でライフスタイルへの介入により相対リスクが36%低下し、追跡調査後には20%となった。


ライフスタイルへの介入または薬物投与(メトホルミン、ピオグリタゾン、α-GI)により、IGTから2型糖尿病への進展が抑制されることはすでに証明されている。
さらに近年、IGT患者への6年間にわたるライフスタイル介入により長期的には心血管死および総死亡が抑制できる可能性がDa Qing研究において明らかにされた

しかし、地域住民(population)のスクリーニングにより発見されたprediabetes患者へ介入(ライフスタイルまたは薬物)することで、地域住民の心血管死および総死亡を減少させること(これが真のアウトカムに相当する)ができるかは現時点で不明である。
ADDITION-Cambridgeは地域住民スクリーニングにより発見された2型糖尿病患者に対して強力に介入することで、地域住民の心血管死および総死亡を減少させうるかを検討したが、結果は否定的であった


2型糖尿病をはじめとする非感染性疾患(NCDs:non-communicable diseases)の予防には、疾患の高リスク患者を拾い上げて介入するハイリスクアプローチ(本論文ではscreen and treat policiesと呼ばれている)と、リスクの有無によらず地域住民に介入するポピュレーションアプローチの2つの方法がある。
本論文で議論されている、prediabetes患者を拾い上げて介入する手法はハイリスクアプローチに相当する。
われわれは、なんとなくこの方法が有益であるように考えているが、FPGまたはHbA1cでスクリーニングされたprediabetes患者は、本論文で述べているようにきわめてheterogeneousであり、多くの偽陽性患者が含まれ、逆に多くの偽陰性患者がスクリーニングからもれている。
さらに前述したように、スクリーニングで発見されたprediabetes患者へ介入することで、地域住民の心血管死および総死亡を減少させることが出来るか否かは現時点では不明である点を考慮すると、地域住民に対する有益性はあるとしてもきわめて小さいと考えられる。
より有益なのは、本論文の著者らも指摘するように、公園などの緑を増やすこと、もっと歩行が快適になるような環境を増やすこと、だれもが出来る安価なレジャーを増やすこと、食品表示をもっとわかりやすくすること、栄養摂取基準の設定に独立性を持たせること、食品広告を規制すること、果物や野菜を手に入りやすくすること、公教育でもっと情報を与えること、のように“upstream”に介入する、政府の介入を前提としたsoft-regulation strategyと呼ばれるポピュレーションアプローチと思われる。



<きょうの一曲>

ANNE-SOPHIE MUTTER ~ Mozart Violin Concerto # 3 in G major - Camerata Salzburg

https://www.youtube.com/watch?v=KX4cYb3fw1Y



<きょうの一枚の絵>

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大森朔衛 「陸」1960 神奈川県立近代美術館所蔵

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日本人にメトホルミンをいかに使うか

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2016/1201505808/?adlpo_rcc=1

メトホルミンは、血糖降下作用だけでなく心血管イベント抑制作用を有することがUKPDSで示され、欧米では2型糖尿病の第一選択薬に位置付けられている。
そのため新規糖尿病治療薬の臨床試験では、基礎治療薬としてメトホルミンが用いられている。
にもかかわらず「日本ではメトホルミンの使用頻度が低い」と指摘する日生病院(大阪市)糖尿病・内分泌センター部長の住谷哲氏に、エビデンスに基づいた同薬の有効性、増量のこつや安全に使用するためのポイントについて聞いた。


基礎治療薬の条件を満たす

日本では2型糖尿病に対し個々の患者のインスリン分泌能やインスリン抵抗性の程度に応じて経口血糖降下薬を選択することが推奨されているが、住谷氏は「最初に投与する薬剤、つまり基礎治療薬としてメトホルミンは条件が整っている」と話す。

 
同氏が考える基礎治療薬の条件とは、血糖降下作用をはじめとする6項目。

 

特に、糖尿病治療の目的である心血管イベント抑制といった真のアウトカムのエビデンスを重視するという。
メトホルミンのエビデンスというと、同薬が欧米で第一選択薬に位置付けられる根拠となったUKPDS 34がまず思い浮かぶだろう(Lancet 1998; 352: 854-865)。

 
UKPDS 34は、新規に2型糖尿病と診断された肥満患者を従来療法群(基本的に食事療法のみ)、メトホルミン群、スルホニル尿素(SU)薬・インスリン群の3群にランダムに割り付け、約10年間観察したランダム化比較試験(RCT)。
メトホルミン群では、従来療法群およびSU薬・インスリン群に比べて、糖尿病関連エンドポイントや総死亡が有意に低かった。
二次エンドポイントについても、メトホルミン群で心筋梗塞や脳卒中の有意な低下が認められた。

 
さらに、その後の検討から、メトホルミンの有効性は肥満患者に限定されないことが明らかになり、同薬が欧米のガイドラインで第一選択薬として推奨されるに至った。


「UKPDS 34はUKPDSのサブ解析であり、エビデンスレベルは低い」と解釈されることがある。
しかし同氏は、UKPDSに登録された患者を体重で層別化した後にランダムに割り付けているため、その解釈は誤りだと指摘。
またRCTとしては初期のものだが、2型糖尿病患者を対象に心血管イベントの初発予防効果が得られた血糖降下薬は、UKPDS 34のメトホルミンのみであるという。


日本人などの東アジア人でも再発予防のエビデンスが

住谷氏は「メトホルミンによる心血管イベント抑制効果は、欧米人だけでなく日本人を含む東アジア人でも同じく認められる」と話す。

 
2013年に報告された冠動脈疾患を有する中国人2型糖尿病患者(平均年齢63歳)を対象としたSPREAD-DIMCADでは、メトホルミンによる再発予防効果が明らかになった(Di­abetes Care 2013; 36: 1304-1311)。
平均5年の追跡期間で、メトホルミン群(1,500mg/日)とSU薬(glipizide)群との間に総死亡の有意差はなかったものの、メトホルミン群では複合心血管イベントが46%有意に抑制された。


さらに、日本のレセプトデータに基づく後ろ向き観察研究において、メトホルミンが投与された心血管疾患既往例を含む2型糖尿病患者では、心血管イベントが約40%有意に抑制されたことが示された〔BMC Endcr Disord 2015; 15: 49〕。


非肥満患者での有効性を再確認

メトホルミンの血糖降下作用は用量依存的に得られるとされている。
その一方で、増量時に下痢などの消化器症状が見られるため、増量の際はこつがいる。

 
住谷氏が行っている増量スケジュールは、500mg/日、分2の少量から投与を開始し、1カ月間隔で1,000mg/日、1,500mg/日まで緩徐に増量するというもの。
同氏によると、服薬アドヒアランスを保つ上で、患者が医師の説明をきちんと聞いてくれる治療開始時が大切だという。


メトホルミンを段階的に増やし、最終的には国際標準量の1日6錠(1,500mg)を服用する予定であること、1,000mgに増量したときに下痢を来す場合があるが、多くは3日程度で治まることなどを最初に説明する。

下痢が発現すると同薬の投与を中止することが多いようだが、下痢が止まらなければ増量前の用量に戻せばほぼ止まる。
治まれば昼食後に1錠増やすなどして、最終的に増量に成功する患者は少なくない。

 
同氏らは、日本人の新規2型糖尿病患者23例(男性20例、平均年齢53歳、BMI 25.7、HbA1c 9.1%)の前向き観察研究EMINENTにおいて、生活習慣の介入とメトホルミン投与による有効性を検討した(J Med Invest 2012; 59: 166-173)。
なお、メトホルミンは500mg/日から投与を開始し、最終的に1,500mg/日に増量した。

 
その結果、投与16週後のHbA1cは平均2.5%低下した(図2)。しかし、HbA1cの低下とベースラインのBMIに有意な関連はなく、メトホルミンは肥満の有無にかかわらず有効であることが再確認された。
またメトホルミンはLDLコレステロール(LDL-C)とnon-HDL-Cを有意に低下させた。


投与されずに恩恵が受けられない患者も

EMINENTの対象は人間ドックや健康診断で診断された新規2型糖尿病患者であるため、比較的HbA1cが管理しやすかったのではないか。

 
こうした疑問に対し、住谷氏は「当センターに紹介される罹病期間が長い2型糖尿病患者には、慢性心不全合併患者や痩せた高齢患者も多いが、いずれもメトホルミンでHbA1cの改善が得られている」と答えた。
2型糖尿病では血糖降下薬を投与したにもかかわらず進行的に血糖コントロールが悪化し、追加薬が必要になることも多い。
しかし、安全性や薬剤費などを考慮すると、長期の安全性が担保され安価であるメトホルミンで治療を開始し、可能な限り単剤で管理するのが合理的だ、と同氏は考える。

 
ただし、メトホルミン投与時の注意点として、推算糸球体濾過量(eGFR)30mL/分/1.73m
2未満や低酸素状態の患者、アルコール依存症患者などに投与しないことが前提。
「禁忌とされるこれらの患者に投与しない限り、メトホルミンによる乳酸アシドーシスのリスク上昇はほぼないと考えてよい」と同氏は説明する。

 
今年(2016年)5月、日本糖尿病学会が「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation」を改訂した。
同薬投与時は、従来のクレアチニン値ではなくeGFRで腎機能を評価し、同値が30~45mL/分/1.73m
2の例では慎重投与となった。
また年齢制限(75歳以上)は撤廃された。

 
しかし日本でのメトホルミンの評価は十分でなく、使用頻度は低いと同氏はいう。
「メトホルミンが投与されず、恩恵を受けられない患者が多いと考えている。欧米で第一選択薬とされるメトホルミンの重要性をもっと知ってもらいたい」と訴えた。


<きょうの一曲>

Mozart - Clarinet Concerto [Sharon Kam]

https://www.youtube.com/watch?v=o_gm0NCabPs&t=682s

 


<きょうの一枚の絵>


s-okawa_sekkei 

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低血糖を来さない高齢者の血糖管理

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2016/1203505847/

2016年5月、日本糖尿病学会と日本老年医学会は「高齢者の血糖コントロール目標」(以下、管理指針)を発表した。
私的コメント;
記事中の「表」を参照下さい。

管理指針の特徴は、患者の状態や薬物療法の内容によってきめ細かなHbA1c目標値を設定し、重症低血糖が危惧される薬剤の使用例では「下限値」を設定したことだ。

無自覚性低血糖を来しやすい

両学会が管理指針を策定した背景には、高齢者では合併症予防を目的とした高血糖の是正とともに、低血糖の回避が重要なことがある。一般に血糖値70mg/dL未満を低血糖、50mg/dL未満を重症低血糖と定義することが多い。
それは70mg/dL前後で交感神経が、60mg/dL前後で中枢神経が活発になり人によっては意識障害を起こし、50mg/dL前後になると昏睡のリスクも高まるためだ。
高齢者では寒気、動悸など交感神経系症状発現の閾値が低下している場合が少なくないため、無自覚性低血糖が遷延し、突然重症低血糖を発症することもある。

 
実際、重症低血糖は救急医療の現場で重大な問題となっており、搬送される患者の多くが高齢者である。
また、無自覚性を含め低血糖は、高齢者において転倒・骨折、認知症、うつ病などのリスクとなりQOLを低下させる。
一方、認知症やうつ病は低血糖のリスクとなる。


HbA1c不相応な血糖高値例は「食前低血糖」を疑え

管理指針では認知機能、日常生活動作(ADL)などによって患者をカテゴリーⅠ~Ⅲに分類した上で、重症低血糖が危惧される薬剤使用の有無と年齢によってHbA1c 7.0~8.5%未満の範囲できめ細かく管理目標値を設定。
重症低血糖が危惧される薬剤を使用している場合は、6.5~7.5%の範囲で下限値も設定している。
重症低血糖が危惧される薬剤としてはインスリン製剤、SU薬、グリニド薬が挙げられているが、横手氏は特に前2者に注意すべきだという。
中でも注意すべきは、古いタイプのSU薬であろう。
SU受容体への結合が強力でインスリンを分泌し続けるため、低血糖リスクが遷延する。
ただし、高齢者でもインスリン分泌低下型の患者の中には、SU薬が適する患者も存在する。
その場合には少量投与にとどめることが重要だ。

 
低血糖のリスクはHbA1cが低いほど高まるのは事実であり、そのため管理指針では低血糖リスクの高い患者層ほどより高いHbA1c値を目標に設定している。
しかし、持続血糖モニター(CGM)を用いた研究から、同じレベルのHbA1cでも低血糖のリスクは一様ではないことが明らかにされている。
CGMが使えない実地臨床でそのリスクをどのように見抜くのか。
近年外来では食後(随時)採血が一般的になったが、HbA1c値と食後血糖値の関係である程度は推測できる。


HbA1cはあくまで血糖管理の平均を示す値。
診療時に測定した血糖値がHbA1cのレベルに対し不相応に高い場合は、どこかで不相応に低い値が出現している可能性を疑うべきだ。
例えばHbA1cが7%と良好にもかかわらず随時血糖値が200mg/dLを超える場合。

私的コメント;
相応の数字のようにも思われます。

反対にHbA1cが(空腹時)血糖値に対し不相応に高い場合は「食後高血糖」を想起していました。
低血糖の持続時間は高血糖の持続時間よりはるかに短時間のため、HbA1c値にそれほど反映されるものなのでしょうか。

そのような症例では、可能なら血糖自己測定(SMBG)により食前や早朝の値を把握し、SMBGが困難な場合は一度空腹で受診してもらい、食前の値を測るようにする。
少量でもSU薬を使用している場合などは、特にこの食前採血が勧められるという。

 

実地診療上の評価スケールを開発中

実地臨床で管理指針を運用する上では、認知機能とADLの評価が障壁になりそうだ。
日本老年医学会の公式サイトではそれぞれの評価スケールを紹介しているが、研究用に開発されたもので煩雑さは否めない。
前期高齢者ではカテゴリーⅠ~Ⅱの割合が高く、高齢になるほどⅡ~Ⅲの割合が増加することは推測されるが、具体的な数値を提示してくれる実態調査は存在しない。

 
カテゴリーが明らかにⅠあるいはⅢの患者は判別しやすいはずだ。
問題はⅠかⅡ、ⅡかⅢかの評価を下しにくい場合だが、低血糖のリスクの点から後者により留意すべきだ。
インスリンやSU薬の使用例では、煩雑でもADLや認知機能の評価を行いたい。
なお日本糖尿病学会と日本老年医学会では、実地臨床で使用しやすい評価スケールを開発中だ。
7項目程度の○×式の質問に答えることでADLと認知機能を同時に評価し、患者や介護者でもカテゴリーを判別できるものを目指しているという。


糖尿病罹病期間にも配慮

管理指針では注釈として言及するのみで、具体的な方針を明示していない事柄もある。
その1つが糖尿病罹病期間だ。
同年齢で同カテゴリーだとしても、糖尿病を高齢になって発症した患者と若年期や壮年期に発症した患者では、おのずと治療の考え方が異なる。


糖尿病を発症してから合併症が出現するまで網膜症や腎症で約10年、動脈硬化で約15年というのが一般的な糖尿病の自然史。
高齢発症の糖尿病(罹病期間が短期)の場合は、このタイムスパンと患者の余命とのバランスで治療を考えるべきで、緩めの血糖管理が容認される場合もある。

 
一方、若年・壮年期発症の糖尿病(罹病期間が長期)の場合は、合併症の有無も治療の参考になる。
具体的には
①合併症が既に出現している場合:進行を抑制するため血糖低下が必要だが、合併症のためADLが低下している場合は管理を緩めにする②合併症がない場合:ADLが良好なら厳格に血糖管理する
余命が限られている場合は緩めの管理でもよい。

 
また管理指針は、高齢者でも7.0%未満よりさらに厳格なHbA1cを目指す場合もありうる。
その条件はカテゴリーⅠであり、かつ食事・運動療法のみ、あるいは治療薬1剤のみ(インスリン製剤、SU薬、グリニド薬を除く)で管理されていることだ。
これは、言い換えると低血糖のリスクが低い場合となる。
それ以外の場合はやはり低血糖に配慮し、7.0%未満までの管理にとどめるべきだ。



<「ブログ」でお勉強>

非ビタミンK阻害抗凝固薬の低用量とワルファリンの効果比較

http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13

・今年のBritish Medical Journal誌に掲載された、心房細動の脳梗塞予防に対して主に使用されている経口抗凝固剤剤を、低用量で使用した際の有効性と安全性についての論文紹介。


・現在国内で処方可能なのは直接トロンビン阻害剤のダビガトラン(商品名プラザキサ)、Ⅹa因子阻害剤のリバーロキサバン(商品名イグザレルト)、アピキサバン(商品名エリキュース)、

エドキサバン(商品名リクシアナ)。


・通常より低用量が設定されていて、ダビガトランについては通常量が1日300mgであるのに対して、低用量が1日220mg、リバーロキサバンについては通常量が1日20㎎に対して、低用量が15㎎、アピキサバンについては通常量が1日10㎎に対して、低用量が5㎎ということになっている。


・低用量のアピキサバンで、血栓症のリスクが高い傾向が認められた。


 

<今朝の一曲>

AVE MARIA in good sound by Mirusia Louwerse with André Rieu (2008).

https://www.youtube.com/watch?v=sZoZwdesumY




<きょうの一枚の絵>


160905-002

小林雅英 アルザス ワイン村 リクヴィル」油彩 50P

http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2016/09/post-353.html

 

 


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リスク予測ツールが痛風患者の心血管リスクを過小評価

http://www.carenet.com/medscape/cardiology/000357.html

新たな研究により、現在のリスク評価方法では、痛風患者の心血管(CV)リスクを少なく見積もってしまう可能性があることが見出された。

「痛風患者の大多数は非常に高いCVリスクを有している可能性があり、このことは、この段階で最適な予防戦略を開始する必要性を示している」と、Hospital General Universitario de Alicante(スペイン)の筆頭著者は記している。

病院内のリウマチ科クリニックを受診した、結晶により診断された新規の痛風患者237例を評価した。
(Annals of the Rheumatic Diseases誌 2017.1.16オンライン版)

すべての患者は2014年1月1日~2016年6月30日の間に診察を受け、身体診察、問診、従来のCVリスク因子調査、身体計測、検査値からCVリスクを評価された。
さらに、
Systematic Coronary Evaluation(SCORE)およびFramingham Heart Studyによるリスク予測が全患者に実施された。

2011年の欧州のガイドラインを使用し、研究者らはCVリスクを以下のように層別化した。

低リスク(SCORE:1%未満)、中等度リスク(SCORE:1%~4%)、高リスク(合併症を伴わない糖尿病、推定糸球体濾過量:30~59mL/分、内膜中膜複合体肥厚[IMT]:0.9mm超、SCORE:5%~9%のいずれか)、非常に高リスク(CV疾患歴、頸動脈アテローム性プラーク、合併症を伴う糖尿病、推定糸球体濾過量:30mL/分未満、SCORE:9%超)。


研究開始時に非常に高リスクのカテゴリーに分類されなかった142例(59.9%)には、訓練を受けたリウマチ医による、
マンハイム国際コンセンサス診断基準に従った頸動脈超音波検査が実施された。
この群の患者は、頸動脈超音波検査を受けなかった群と比較し、より若年で、CVリスク因子の数が少なく(喫煙を除く)、脂質値が低かった。

頸動脈超音波検査群の64例(45.1%)でIMTが増加しており、66例(46.5%)に頸動脈アテローム性プラークが認められた。
44例(31.0%)でIMT増加とアテローム性プラークの両方が認められた。

頸動脈超音波検査の結果によると、80例(56.3%)がより高いリスクカテゴリーに変更され、当初のリスク評価との有意な差が示された。


「CV予防戦略は、とくにリスクのある患者では合併症の治療よりも費用が少ない。そして、リスク予測ツールや無症候性アテローム性動脈硬化症のスクリーニングを通じて高リスク集団を特定するという試みを支持するものだ」と、著者は記している。

私的コメント
「CV予防戦略は、とくにリスクのある患者では合併症の治療よりも費用が少ない」ことは十分に理解出来ます。
しかし、この考え方んはしっかりしたエビデンスが必要となります。
例を挙げれば、「糖尿病患者に
CVの発生頻度が高い。血糖をコントロールすればCV予防になる」。
この考え方には大きな落とし穴があるのです。

さらに、本研究の長所の1つは、「今後の研究や実臨床において容易に再現することができる、体系化されたCV評価法」を使用していることである、と同氏らは続けて指摘し、頸動脈超音波検査のような無症候性アテローム性動脈硬化症のスクリーニングを含めたことによって、「痛風患者におけるCVリスクの層別化が強化された」と記している。


本研究の患者の大多数(86.5%)は男性であり、平均年齢は63.7歳であった。
参加者の痛風期間の中央値は4年であったが、一方で30例(14.2%)は初発の痛風発作の評価であった。

筆者らは、従来のリスク因子に加え、ほかの問題が痛風患者のCVリスク増大に寄与している可能性があるという仮説を立てている。
その問題には、結晶誘発性炎症や非ステロイド性抗炎症薬使用の増加が含まれる可能性がある。


今回の知見がどのように現行の臨床診療を変える可能性があるだろうか。
あるコメンテーターは、「この知見は、仮説を生み出すものであって、日常診療を変えるものではないと私は捉えている」と述べた。
 

これらの知見からは、現在のツールが予測するよりも高いCVリスクを痛風患者が有する可能性があることを示唆しているものの、本研究からはスクリーニングと従来のリスク因子に対する治療を増やすことによって、この特定の患者集団にベネフィットがもたらされるのかという疑問に対する回答は得られていない。
 

著者らは、併存疾患を有する率の高い、より重度で難治性の例を組み入れていることなどの、試験の限界を認めている。
とくに特定された頸動脈プラークの有病率について、対照群を欠いていることが結果に影響している可能性があると記している。


英文記事

Gout: Risk Prediction Tools Underestimate CV Risk

http://www.medscape.com/viewarticle/874962





<きょうの一曲>

JS Bach Cantata BWV60 Rilling

https://www.youtube.com/watch?v=7myp5oE8Mtk


J.S. Bach Cantata O Ewigkeit du Donnerwort BWV 60

https://www.youtube.com/watch?v=TzwYKsNwYyk


Bach - Cantate BWV 60 - O Ewigkeit, du Donnerwort

https://www.youtube.com/watch?v=nSs4ZhlhUSA


カンタータ第60番《おお 永遠、そは雷のことば》

http://www.kantate.info/60.htm

http://blog.livedoor.jp/raimund-neko/archives/1015965841.html



<きょうの一枚の絵>


 t_sgallery-img600x600-1433664970vf6ks830108

内田 晃 サントロペ

http://tvt6myvszt.yokochou.com/f10.html





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80歳以降の高血圧は認知機能を保護する可能性

http://www.carenet.com/news/general/hdn/43358

超高齢での高血圧の発症は、認知症に対していくらかの予防効果をもつ可能性があることが、米カリフォルニア大学アーバイン校神経学・疫学の研究グループが発表した。
「Alzheimer's & Dementia」オンライン版(2017.1.16)


中年期の高血圧は晩年の認知症リスクや、心臓発作・脳卒中のリスクを高めるが、80代または90代で発症すると90代での認知機能低下リスクが低減することが判明した。


今回の研究では、90歳以上の対象者559人を3年近く追跡調査した。
研究開始時、対象者に認知症は認めなかった。
血圧の推移を確認し、6カ月ごとに認知症について評価したところ、追跡調査中に40%が認知症を発症した。


高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)を80歳以降に発症した人は、90代で認知症を発症する可能性が正常血圧の人に比べて42%低かった。
また、90歳以降に高血圧を発症した人は、認知症を発症する可能性が高血圧を認めなかった人よりも63%低かった。
この関連性は、患者が降圧薬を服用していても変わらなかった。


この研究グループの代表は、「超高齢での高血圧はメンタルヘルスに有害でない。今回の研究は高血圧と認知症リスク低下の因果関係は証明していないが、年齢が問題であることは明らかだ。認知機能の低下リスクは経時的に変化することを理解することが重要である」と話している。


英文抄録

Corrada MM, et al. Alzheimers Dement. 2017 Jan 6. [Epub ahead of print]


私的コメント;
アルツハイマー型認知症などと脳血管性認知症を「認知症」 として一括りにしていいのか些か疑問です。
この記事からは認知症の定義付けがはっきりしません。
脳血管性認知症が血圧の影響を受けやすいことは論を待ちません。
また「高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)」という定義もいかがなものでしょうか。
80歳以降で「収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上」は正常(生理的)な可能性があります。
もっともこの年齢で「拡張期血圧90mmHg以上」はほとんどありえません。
高血圧の程度により四分位に分けるような解析も必要ではなかったのでしょうか。
 


<きょうの一曲>

Perry Como "It's Impossible”

https://www.youtube.com/watch?v=BKQ9--_ZgB4


It's Impossible - PERRY COMO - With lyrics

https://www.youtube.com/watch?v=iFgHUYEx4lY





<きょうの一枚の絵>

s-06

大森朔衞 街 Cityscope 1968

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「SGLT2阻害薬で下肢切断リスク増」警告 欧州で添付文書への追記を勧告

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0214506432/

(MT 2017.2.14)

欧州医薬品庁(EMA)の医薬品安全性監視・リスク評価委員会(PRAC)は2月10日、現在進行中のカナグリフロジンを用いた2件の臨床試験(CANVAS、CANVAS-R)の中間解析データに基づき、「2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬の使用で下肢切断リスクが上昇する可能性がある」とする警告を発出した。
カナグリフロジン以外のSGLT2阻害薬についても「これまでにリスク上昇を示す報告はないが、データが限定的である」として、全てのSGLT2阻害薬について同リスク上昇の可能性があるとの警告を添付文書に追記するよう勧告している。


メカニズムは不明、米国でもカナグリフロジンで安全性情報

CANVAS試験は、カナグリフロジンの心血管安全性を検証する目的で現在進行中のランダム化比較試験(RCT)。
心血管リスクが高い糖尿病患者約4,000例に対し、同薬を100mg投与する群、200mg投与する群、プラセボを投与する群にランダムに割り付けた。
同試験は現在も進行中だが、中間解析の結果、プラセボ群に比べて実薬群における
下肢切断リスクの上昇が認められたとしている。

 
一方、同じく心血管リスクが高い糖尿病患者を対象に、カナグリフロジンによる腎機能への影響を検討する目的で現在進行中のCANVAS-R試験においても、有意ではないが下肢切断リスクのわずかな上昇が認められたとしている。

 
PRACは「糖尿病患者、特にコントロール不良であったり、心血管疾患が併存したりする患者では、もともと感染や潰瘍のリスクが高い。また、カナグリフロジンによる切断リスク上昇のメカニズムは現時点では不明」と説明。
また、ダパグリフロジンやエンパグリフロジンなど他のSGLT2阻害薬を用いた臨床試験では下肢切断リスクの上昇は認められていないが、データが限定的であり、他のSGLT2阻害薬でも同様にリスクが上昇する可能性はあるとの見解を示している。

 
以上を踏まえ、PRACは全てのSGLT2阻害薬について、添付文書に下肢切断リスクの情報とフットケアの重要性について追記することを勧告。
医師はカナグリフロジンを使用している患者の下肢において、感染や潰瘍などの重大な合併症が見られた場合には、同薬の使用を中止することを考慮するよう求めている。
ただし、「カナグリフロジン使用例における下肢切断の発生頻度は1,000例当たり1~10例と低く、同薬の副作用としてはまれである」としている。

 
なお、昨年(2016年)5月には米国でも米食品医薬品局(FDA)がカナグリフロジンによる下肢切断リスクに関する安全性情報を発出しているが、同薬以外のSGLT2阻害薬については警告の対象に含められていない。



<きょうの一曲>

Charlie Parker, Lennie Tristano & Kenny Clarke in August 1951

https://www.youtube.com/watch?v=zB7ad5sEp-8


<きょうの一枚の絵>


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ヴラマンク 赤い屋根のある風景

http://blog.livedoor.jp/gonzaemon2007/archives/cat_50096991.html






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CAD患者対象のDOAC 試験、早期中止に

中間解析でリバーロキサバンがMACEリスクを有意に抑制

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0214506452/

(MT 2017.2.14)

 ドイツ・Bayer社と米・Janssen Research & Development社(以下、Janssen社)は2月8日、冠動脈疾患(CAD)および末梢動脈疾患(PAD)の患者約2万7,000例を対象とした直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)リバーロキサバン(商品名イグザレルト)の第Ⅲ相試験であるCOMPASS試験を予定よりも早期に中止したと発表した。中間解析の結果、主要評価項目〔心血管死、心筋梗塞、脳卒中を含む主要心血管イベント(MACE)〕が達成され、アスピリン単剤と比べたリバーロキサバンを含む治療レジメンの優越性が示されたため、独立データモニタリング委員会(DMC)の勧告を受け中止を決定したとしている。最終解析の結果は年内に関連学会で発表される予定だとして、今回は具体的なデータは明らかにされていない。


日本を含む約30カ国で実施

COMPASS試験は、Bayer社とJanssen社がPopulation Health Research Institute (PHRI)の協力を得て日本を含むアジアや欧州、北南米など30カ国以上で実施したランダム化比較試験で、600超の施設でCADまたはPADの患者計2万7,402例が登録された。

 同試験の主な目的は、心血管リスクの高いCADおよびPADの患者におけるリバーロキサバン(2.5mg 1日2回)+アスピリン(100mg 1日1回)の併用またはリバーロキサバン単剤(5mg 1日2回)によるMACEのリスク低減効果を、アスピリン単剤(100mg 1日1回)と比較検討すること。2013年に開始され、来年(2018年)3月まで実施される予定だったが、中間解析で主要評価項目における「リバーロキサバンを含む治療レジメン」の優越性が示されたため、DMCが中止を勧告したという。

 なお、両社ともに優越性を示した「リバーロキサバンを含む治療レジメン」が「リバーロキサバン+アスピリン併用」と「リバーロキサバン単剤」のどちらなのかについては明らかにしていない。

 両社の関係者はプレスリリースで「確立された有効な治療法があるにもかかわらず、世界的にCADやPADの有病率は上昇している。今回、CADやPADの患者がリバーロキサバンをMACEリスク低減のために使用できるようになる可能性が示されたことを喜ばしく思う」とするコメントを発表している。

※Cardiovascular OutcoMes for People using Anticoagulation StrategieS




<きょうの一曲>

New Year's Concert 2017 Vienna Philharmonic - Gustavo Dudamel (HD ZDF Broadcast)

https://www.youtube.com/watch?v=8hK1ryq-iZU




<きょうの一枚の絵>

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「家と庭」 ラウル・デュフィ(「Maison et jardin」 Raoul Dufy)

http://blog.livedoor.jp/gonzaemon2007/archives/cat_50096991.html





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冠動脈疾患患者における心房細動の危険因子は?

http://www.carenet.com/news/risk/carenet/43409

一般集団における心房細動の危険因子は明らかだが、特定の疾患を持つ患者への影響は不明である。
今回、札幌医科大学の研究グループが、冠動脈疾患(CAD)患者と非CAD患者における心房細動の危険因子を調べた結果、CADの有無により心房細動の主要な危険因子が異なることが示唆された。
CAD患者では血清尿酸値高値、非CAD患者ではスタチン非使用で心房細動が発症しやすいことが示された。
(Open heart誌オンライン版 2017.1,16に掲載)


著者らは、BOREAS-CAGレジストリにおいて、2014年8月~2015年1月にCAD症状の評価のために冠動脈造影を実施した1,871例を連続して登録した。
心臓弁膜症患者とPCI/心臓手術歴のある患者を除外した1,150例(非CAD群576例、CAD群574例)について、多変量ロジスティック回帰分析により心房細動の危険因子を同定した。
また、2013年4月~2014年7月に札幌医科大学病院に入院したCAD患者361例のうち、BOREAS-CAGレジストリと同じ組み入れ基準と除外基準に合う166例のデータを分析した。


主な結果は以下のとおり。

・意外にも、CADが独立して「心房細動なし」に関連した。

・CADの有無にかかわらず、脳性ナトリウム利尿ペプチドレベルが心房細動と強い関連を示した。

・非CAD群では「スタチン非使用」が独立して心房細動に関連し、CAD群では「血清尿酸値高値」が心房細動の独立した説明変数となった。

・札幌医科大学病院のCADコホートに登録された患者群(166例)で、心房細動と血清尿酸値との関連が確認された。


私的コメント
 BNP上昇は心房細動の結果ではないのでしょうか。
 

英文抄録

Distinct risk factors of atrial fibrillation in patients with and without coronary artery disease: a cross-sectional analysis of the BOREAS-CAG Registry data.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28123767



<きょうの一曲>

Nat King Cole "These Foolish Things (Remind Me Of You)”

https://www.youtube.com/watch?v=biNNbvnxCM8



<きょうの一枚の絵>

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ヴラマンク 「花束」 1905年

http://ameblo.jp/chroc/entry-10734591911.html




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左心耳閉鎖術用デバイス、実臨床で成績良好

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0211506376/

非弁膜症性心房細動(NVAF)患者に対するデバイス(Watchmanデバイス)を用いた左心耳閉鎖術(LAAC)の米国における承認後の成績を、Ichan School of Medicine at Mount SinaiなどのグループがJ Am Coll Cardiol(2017; 69: 253-261)に発表した。
リアルワールドでの同デバイスを用いたLAACの成功率は高く、合併症発生率は低いことが示された。

 
同デバイスはNVAF患者の脳梗塞予防を目的に、2015年3月に米食品医薬品局(FDA)の承認を得た。
承認後の同デバイスを用いたLAACの全米レジストリはないが、全てのLAACに製造会社の臨床専門家の立ち合いが必要で、手技のパラメータと合併症に関するデータが収集されている。

 
承認から2016年5月までに、3,822例のNVAF患者に同デバイスを用いたLAACが施行されていた。
うち3,653例(95.6%)でデバイスの留置が成功し、手技に要した時間の中央値は50分(範囲10~210分)であった。

 
同デバイスを用いたLAACは382人の医師によって行われていた。
このうち71%は同デバイスの臨床試験参加経験はなく、全LAACの50%がこうした医師によって行われていた。

 
手技に関連する合併症として39例(1.02%)に心タンポナーデが発生し、24例は経カテーテル的、12例は外科的に治療されたが、3例(0.078%)は死亡した。
3例(0.078%)に手技関連の脳卒中、9例(0.24%)にデバイス血栓症が発生した。

私的コメント;
少数例とはいえ死亡例や重篤な合併症の併発がみられたことは、一定の習熟度を達成したドクターに限定して行う制度が必要なように思います。
「製造会社の臨床専門家」って日本国内と同じように医療機器メーカーの社員のことでしょうか。



<きょうの一枚の絵>

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内田 晃「ポピー」 油彩画・キャンバス SM号 

http://arttomnog.exblog.jp/page/2/  




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糖尿病の食事療法、結局何がいい?

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0209506375/

(MT 2017.2.9)
Lancet(2014; 383: 1999-2007)に「2型糖尿病の食事療法」の総説があった。

この総説の最重要点は以下の4点だ。

 
糖尿病ではトータルのカロリーを抑えた上で、

控えるべきは、加工肉(ソーセージ、ベーコン、ハム)、赤い肉、砂糖入り飲料

摂取すべきは、全粒穀物(玄米、全粒粉の小麦)、魚類、果物、野菜、ナッツ、豆、オリーブ油

適量のアルコール(男性で22g/日以下、女性で24g/日以下、ビール換算で400~500mL)は糖尿病の予防効果あり

食塩制限6g/日以下
 

6つの食事を比較、結論は「個人の好み」

著者はハーバード大学の栄養学科、ジョスリン糖尿病センターのドクター達だ。

 
現在、日本では糖尿病食に「低炭水化物食(ローカーボ)」を提唱する人たちが現れ、片や「栄養素をバランスよく取ってトータルのカロリーを下げる主義」の日本糖尿病学会との間で激しい論争が続いている。

 
この総説では下記の6つのダイエット法を比較している。

地中海食:地中海周辺の食事

中等度低炭水化物食(いわゆるローカーボ食)

DASH diet(dietary approaches to stop hypertension, 地中海食に似る)

AHEI Dietary guideline (Alternate Healthy Eating Index、地中海食に似る)

Prudent dietary pattern (地中海食に似る)

Vegetarian、Vegan diet(菜食主義:これは推奨しない)

 
この総説の結論は「色々なダイエット法があるが、どれもそれなりに有効なので個人の好みで選べばよい」というものだ。
しかし最後のVegan diet(菜食主義)だけは推奨していない。

 
注意すべきは低炭水化物ダイエット(ローカーボ)を選択する場合、動物由来の脂肪、蛋白質を摂ると全死亡率、心血管疾患死亡率ともに上昇し高リスクになる。
ローカーボをやる場合は、必ず脂肪、蛋白質は動物由来でなく魚や植物由来中心にすることが重要で、患者さんに説明する必要がある
また
炭水化物制限は夕食のみとするべきで、朝、昼も制限すると大変危険だ。

 
しかしさまざまなダイエット法のうち、
血糖コントロール、インスリン感受性の改善に最も有効だったのは地中海食だった。

 
これらさまざまなダイエット法の共通項は次の4つだ。
太った人はトータルのカロリーを制限した上で、下記4つを守ればよい。

 
なかなかおおらかで、実行可能なダイエットだ。

控えるべきは、加工肉(ソーセージ、ベーコン、ハム)、赤い肉、砂糖入り飲料

摂取すべきは、全粒穀物(玄米、全粒粉の小麦)、魚類、果物、野菜、ナッツ、豆、オリーブ油

適量のアルコール(男性で22g/日以下、女性で24g/日以下、ビール換算で400~500mL)は糖尿病の予防効果あり

食塩制限6g/日以下

 
日本食も糖尿病食として優れているとは思うが、日本からの食事療法のランダム化比較試験の成果は発信されていないので、一切触れられていない。


1. 脂肪摂取は、動物脂肪でなく植物脂肪(オリーブ油)、魚介類に変えよ

 驚くべきことに「脂肪摂取量は糖尿病リスクと関係がない」うえに「高脂肪食自体はインスリン感受性を悪化させない」ということが
 明らかになった。
血糖を上昇させるのは炭水化物であり脂肪ではない!」のです。

 また「脂肪の種類が重要であり糖尿病予防には動物脂肪でなく植物脂肪 (特にオリーブ油)や魚介類に変えよ」というのだ。


この総説では特に赤い肉、加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン)が敵視されている。
加工肉より非加工肉の方がまだましなのだ。

 
2型糖尿病での食物、飲料の相対リスク(Relative risk:治療群の発症率を対象群の発症率で割ったもの。1より大きければ有害、1より小さければ有効)は次の通りだ。


【2型糖尿病での食物、飲料の相対リスク】

1.4~1.6 加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン):最悪であることに注意!

1.0~1.2 砂糖入り飲料、非加工肉、魚介類、白米

0.8~1.0 乳製品、緑黄野菜、コーヒー、全粒穀物、アルコール


2. 白米でなく玄米に、白いパンでなく茶色のパンを食べよ!

全粒穀物(玄米、全粒粉の小麦粉)を精製して白米、白い小麦粉にすると、その過程で食物繊維、栄養、微量元素などが失われてしまう。
食物繊維があることにより糖の吸収が穏やかになる。
つまりパンは白いパンでなく全粒粉の入った茶色のパンに変えよというのだ。

 
わが家も現在は、玄米と茶色のパンで、宮沢賢治のような生活だ。

 
フルーツ、野菜の摂取は低糖尿病リスクだ。
特にブルーベリー、ブドウ、リンゴは3つの cohort(前向き比較研究)で低糖尿病リスクだった。

 
しかしジュースにすることはあまり推奨できないという。
果物をジュースにすると食物繊維が少なくなり果糖の吸収が速くなるということだろうか。

 
また砂糖入り飲料は重税を課すべきだと言う。
自動販売機の前に立ったら一瞬考えたい。

 
砂糖入り飲料はできるだけ、水、茶、コーヒー(コーヒー摂取と糖尿病リスクは逆相関)に代えよという。

 
まとめ 

糖尿病ではトータルのカロリーを抑えた上で、

控えるべきは、加工肉(ソーセージ、ベーコン、ハム)、赤い肉、砂糖入り飲料

摂取すべきは、全粒穀物(玄米、全粒粉の小麦)、魚類、果物、野菜、ナッツ、豆、オリーブ油

適量のアルコール(男性で22g/日以下、女性で24g/日以下、ビール換算で400~500mL)は糖尿病の予防効果あり

食塩制限6g/日以下

 



<きょうの一曲>

Paul Anka My Way ポールアンカ マイ・ウェイ

https://www.youtube.com/watch?v=TtSicB7oNdc

<きょうの一枚の絵>

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大森朔衛  パンジー 油彩3号

http://44hod3yzl0.shin-gen.jp/d36.html 



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エンパグリフロジンでイベント減、アジア人でも EMPA-REG OUTCOME試験サブグループ解析

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0203506353/

(MT2017.2.3)

日本べーリンガーインゲルハイムは2月2日、同社が販売しているSGLT2阻害薬のエンパグリフロジン(商品名ジャディアンス)の心血管安全性を検証するために実施されたEMPA-REG OUTCOME試験のアジア人のサブグループ解析から、プラセボ群に比べエンパグリフロジン群において主要評価項目である複合心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)のリスクは32%低下した他、心血管死および全死亡のリスク低下も示されたと発表した。
解析結果の詳細はCirc J(2017; 81: 227-34)に掲載。

心血管死、全死亡はそれぞれ56%、36%低下

EMPA-REG OUTCOME試験は、米食品医薬品局(FDA)が新規糖尿病治療薬について実施を義務付けている心血管安全性の検証を目的としたランダム化比較試験(RCT)の1つ。
同試験では、42カ国590施設で登録された18歳以上の心血管疾患(CVD)の既往がある2型糖尿病患者約7,000例を、エンパグリフロジン10mg群、同25mg群、プラセボ群のいずれかにランダムに割り付けた。
主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の3ポイント複合心血管イベント、副次的評価項目は主要評価項目に不安定狭心症による入院を加えた4ポイント複合心血管イベントで、全例を対象とした解析では、3ポイント複合心血管イベントのリスクがエンパグリフロジン群ではプラセボ群と比べて14%有意に低下。
心血管死リスクは38%、全死亡リスクは32%、それぞれ有意に低下することが示された。
この成績に基づき、米国では昨年(2016年)12月、2型糖尿病患者で心血管疾患(CVD)を有する患者の心血管死リスク減少を目的としたエンパグリフロジンの使用が追加承認されている。

 
今回報告されたサブグループ解析の対象は、同試験に参加したアジア人1,517例(全体の22%)。解析の結果、エンパグリフロジン群ではプラセボ群と比べて主要評価項目である3ポイント複合心血管イベントのリスクが32%低下することが示された。
また、エンパグリフロジン群ではプラセボ群と比べて心血管死リスクが56%低下、全死亡リスクが36%低下することも示された。

 
一方、アジア人における有害事象の頻度はプラセボ群26.6%、エンパグリフロジン10mg群27.1%、同25mg群28.5%で、エンパグリフロジン群におけるおもな有害事象は低血糖(10mg群26.5%、25mg群24.2%)だった。


東アジア人限定の解析でも一致した結果に

今回のサブグループ解析について、筆者は「2型糖尿病の有病率、特に心血管イベントリスクには人種差があると報告されているが、今回のサブグループ解析からはエンパグリフロジンによる心血管リスクの低下はアジア人にも認められ、その結果は全体集団の結果と一致していた」と説明。
また、アジア人のうち東アジア地域(日本、香港、台湾、韓国)から参加した587例の解析でも同様の結果が得られたことなどにも触れ、「日本における心血管イベントを考慮した糖尿病治療を考える上で重要な知見だと考えられる」とコメントしている。



<きょうの一曲>

Victory - Andre Rieu & BOND

https://www.youtube.com/watch?v=AbaNGU1CrXI



<きょうの一枚の絵> 

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大森朔衞  上流 Upstream 1970

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コーヒーは心臓の健康にも良い?

http://www.carenet.com/news/general/hdn/43342

カフェインは心疾患のリスク因子につながる炎症の抑制にも役立つ可能性があるという論文が、米スタンフォード大学の研究グループから発表され、「Nature Medicine」オンライン版に掲載された。
(2017.1.16 )


彼らは成人100人超を対象とした調査で、過去10年間にわたり血液検体を採取し、病歴を精査。若齢者群と高齢者群の血液検体を比べ、高齢者でのほうが「活性化」する遺伝子を調べた。
IL-1-βという強力な炎症性蛋白の産生に関わる2つの遺伝子クラスタに着目した結果、高齢者は一方または両方のクラスタの活性化が高い群と低い群に分けられた。


「高活性化」群では12人中9人、「低活性化」群では11人中1人のみに高血圧を認めた。
高活性化群では動脈硬化の可能性も高く、血液検査ではIL-1-βと核酸代謝産物の値が高かった。
低活性化群のほうがカフェイン入りコーヒーの摂取量が多かった。


高活性化群の血液にみられた核酸代謝産物を用いて免疫系細胞を培養したところ、炎症性遺伝子クラスタの1つでこの代謝産物が活性化し、IL-1-βが大量に生成された。
これをマウスに注射すると、広範囲の炎症と高血圧が生じた。


次に、核酸代謝産物とカフェインの両方で免疫細胞を培養すると、カフェインがこれらの炎症誘発物質を阻害することが判明した。
研究グループは、「人体にはおそらく、慢性炎症やさまざまな疾患に寄与する経路が数多くあるが、われわれはその1つを特定した」とコメントしている。


英文文献

Expression of specific inflammasome gene modules stratifies older individuals into two extreme clinical and immunological states.

David Furman, et al.

Nature medicine. 2017 Jan 16; doi: 10.1038/nm.4267.

私的コメント
IL-1-βと高血圧発症の関連はどのように説明されるのでしょうか。
興味深いところです。
 



<きょうの一曲>

ダスティ・スプリングフィールド - この胸のときめきを

https://www.youtube.com/watch?v=g_0V0NfeRqo



<きょうの一枚の絵>
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大森朔衞 「市邑」(しゆう)油彩画・キャンバス F4号 

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メタ解析が生体吸収性スキャフォールドの晩期の安全性懸念を映し出す

http://www.carenet.com/medscape/cardiology/000350.html

新たなメタ解析において、2年間の追跡調査間のAbsorb GT1生体吸収性スキャフォールド(BVS)(Abbott Vascular)のステント/スキャフォールド血栓症(ST)リスクは、エベロリムス溶出ステント(EES)と比べ、より高かった。

しかしながら、心筋梗塞と心臓死の複合で定義される標的病変不全(TLF)の発生率は、両デバイスで同様であった。


「BVS留置を検討する際には、報告されている、スキャフォールドが完全に吸収されるまでのBVSの血栓リスクについて患者は適切な説明を受けるべきである」と、筆頭著者である京都大学(日本)の豊田俊彬氏は語った。

本メタ解析はABSORB II試験を含むが、Absorb GT1 BVSでSTが増加し、またXience EES(Abbott Vascular)と比べ血管運動反応性を向上しなかったという驚くべき結果となった同試験の最新の3年時アウトカムは含んでいない。


「BVS留置後2年以内と2年以後のBVS吸収プロセスの度合いの違いを考慮すると、とくにBVSのストラットに内膜の被覆がない病変に関しては、結果は分けて解釈されるべきである」と豊田氏は述べた。
「EESと比較したBVSの真の効果を理解するには、5年あるいはそれ以上の、より長期の追跡調査が必要である」。


過去に行われた無作為化比較試験のメタ解析では、BVSはTLFについては同程度のリスクを示したが、STについてはより高い1年時リスクと関連したことが明らかになっている。


2017年1月9日付のJACC:Cardiovascular Interventions誌に掲載された今回のメタ解析は、1年時以降の超遅発性ST(VLST)のリスクを調査した初めての例である。


本解析は、3つの無作為化試験、4つの比較観察研究、17の単一群研究における、BVSによる治療を受けた2,567例と、EESによる治療を受けた1万9,806例からの2年間の追跡調査データによって構成されている。
本メタ解析においてEESの種類は限定しなかったが、含まれた研究の大部分でXienceシリーズが用いられ、また3つの単一群試験ではBoston ScientificのPROMUSまたはPROMUS Elementが用いられた。


7つの比較研究において、1年時から2年時の間のBVS のVLSTリスクは、EESと比べより高い傾向が見られ、また2年間の追跡調査期間全体ではBVSのほうが有意に高かった。

全24件の研究を含めた場合、BVS群におけるSTおよびVLSTの統合発生率は、EES群と比べ、1年時から2年時の間、2年間全体の両方で有意に高かった。


「スキャフォールドのストラットの継続的な圧着不良が、BVSにおける超遅発性ステント血栓症の重要なメカニズムかもしれない。したがってAbsorb GT1 BVSに対しては、デバイスの適切なサイズ選択と、OCTガイドによる緻密な留置技術がきわめて重要である」と豊田氏は述べた。


注目すべきことに、BVSおよびEESにおけるTLFの統合発症率は、1年時から2年時の間、2年の追跡調査期間全体の両方について同様であった。

7つの比較研究におけるTLFリスクも、1年時から2年時の間、2年の追跡期間全体ともに両デバイス間で同様であった。


現代のPCIに関する研究において心臓死と心筋梗塞は比較的発生率の低いイベントであると豊田氏は述べ、「EESの単一群研究はBVS研究と比べより複雑な患者とより複雑な病変を含み、そのことが標的病変血行再建術/標的血管血行再建術の発生率の高さにつながり、ST発生率の低さがもたらす影響を相殺している可能性がある」と述べた。


本解析は、BVSをEESと比較した無作為化試験からの2年時アウトカムが不十分であることと、BVSのVLSTイベントの患者数が比較的少ないことによる限界を有し、それがBVSにおけるVLST発生率を正確に推定することを困難にした。


本解析では、血管造影関連の重要な有効性アウトカムの測定項目についても分析されていない、と付随論説
において注記されている。
「初期獲得径、晩期損失内腔径やその他の血管造影関連の晩期パラメータを含む標準的な血管造影関連の代替評価項目は、EESと比較しBVSでわずかではあるが有意に劣っている可能性があることを、いくつかの侵襲的調査を必須とした過去の研究が示唆しており、この問題は依然として重要である」。


患者らはBVSが完全に吸収されるまでのSTおよびVLSTのリスクを知らされるべきだ、と論説委員らは同意する一方で、より薄いストラットと柔軟なプラットフォームを有する新世代のポリマーBVSは、第一世代のBVSが直面した限界の大半を克服するかもしれない、と記している。


「しかしながら、われわれはこれまでの経験から学ぶべきであり、またこれらの新規デバイスの臨床成績について厳重な批判的検証を維持するべきである。科学、そしてより重要なこととして、責任を持った患者ケアは、予測を超えるものに基づくべきである」と同氏らは付け加えた。


英文記事

Meta-Analysis Echoes Late Safety Concerns With Bioabsorbable Scaffold

http://www.medscape.com/viewarticle/874515




<きょうの一曲>

Joni Mitchel - Both sides now

https://www.youtube.com/watch?v=zIYu4EHq0Lo


Joni Mitchell - Both Sides, Now [Original Studio Version, 1969]

https://www.youtube.com/watch?v=Pbn6a0AFfnM


Joni Mitchell - Both Sides Now (Live, 1970)

https://www.youtube.com/watch?v=bcrEqIpi6sg


Joni Mitchell - Both Sides Now 2000 lives

https://www.youtube.com/watch?v=tKQSlH-LLTQ


ジョニ・ミッチェルの哲学的な歌詞、「Both Sides Now / 青春の光と影

http://www.tapthepop.net/song/6300


60歳過ぎたら聴きたい歌(56) ~青春の光と影/Both Sides Now ~
http://premiumage.com/oyaji/tag/ジョニ・ミッチェル、青春の光と影%EF%BC%8Fboth-sides-now、バン/
(歌詞が掲載されています) 



<きょうの一枚の絵>


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ピカソ 十五歳の自画像 1896年

http://labaq.com/archives/51864908.html

 


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血清尿酸高値が末期腎不全リスクに

代理エンドポイントを傾向スコア分析による検討

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0203506341/

腎機能が低下している患者では、経過観察中の血清尿酸値が末期腎不全(ESRD)のリスク因子になる。経過観察中の慢性腎臓病(CKD)ステージ3~4の患者を対象にESRDの代理エンドポイントを用いた傾向スコア分析を行った結果、明らかになったと、帝京大学内科学講座教授の内田俊也氏らが第51回日本成人病(生活習慣病)学会(1月14~15日)で報告した。


年間でeGFR 30%低下を代理エンドポイントに

 CKD進行のリスク因子を早期に発見し、治療介入することで腎機能障害の進行を抑制することが期待できる。ESRDの主なリスク因子には、貧血、蛋白尿、高血圧がある他、男性、糖尿病、低アルブミン血症、高リン血症、代謝性アシドーシスなどが考えられている。高尿酸血症に関しては十分なエビデンスが得られておらず、その原因として、他の交絡因子が調整できていないこと、血清尿酸値が変動することなどが影響している可能性がある。

 これまでに内田氏らは、傾向スコア分析で追跡期間中の血清尿酸がESRD進展の危険因子であること、時間平均尿酸(TA-UA)値6.5mg/dL未満に抑制することでESRD進展を抑制できることを報告している〔図、Uchida S, et al. PLoS One 2015; 10 (12): e0145506〕。


 また最近、2年間で推定糸球体濾過量(eGFR)が30%低下することがESRD代理エンドポイントとして注目されている。代理エンドポイントを使用することで、より少ない症例およびより少ない観察期間でリスクを解析することが可能となる。そこで、同氏らは、追跡期間中の尿酸値と代理エンドポイントを用い、高尿酸血症がCKD進行リスク因子であるかどうかを、傾向スコア分析によって検討した。

尿酸高値で生存率が低下

 内田氏らは同大学病院を受診した血清クレアチニン値が測定されているCKDステージ3~4の701人(年齢20~84歳)を対象に、経過観察期間2年間のTA-UA値を算出し、ベースライン23項目による傾向スコアをロジスティック解析により求め、TA-UA値の境界値(6.0、6.5、7.0 mg/dL)が代理エンドポイント(2年間でのeGFR 30%低下)に及ぼす影響について検討した。除外基準は、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍、閉塞性腎症、急性腎障害、痛風であり、死亡や打ち切り例は除外した。

 2年間でeGFRが30%低下したのは126例。傾向スコアの五分位で層別化してCox比例ハザード解析を行った結果、TA-UA値は単変量解析では2年間でのeGFR 30%低下の有意なリスク因子であることが示され、多変量で調整しても有意差が認められた。傾向スコアマッチング後のKaplan-Meier解析の結果、TA-UA値の境界値(6.0、6.5、7.0mg/dL)のいずれにおいても、境界値以上群と未満群で生存率に有意差が認められた。

 以上から、同氏は「2年間でeGFR 30%低下をエンドポイントとしても、追跡期間中の血清尿酸値がESRDのリスク因子であることが示唆された」と結論付けた。



傾向スコア(Propensity Score)分析

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0203506342/index.html

傾向スコア(Propensity Score)分析では、観察研究において結果に影響する交絡因子となる数多くの共変量を「傾向スコア」という変数に一元化して調整することで、極力交絡を取り除くことができるとされる。ランダム化比較試験(RCT)の実施が難しい臨床医学や疫学の分野において観察研究のデータを用いて傾向スコア分析をすることで、ベースラインの交絡因子の影響を最小限にし、RCTと同様に介入やリスク因子とエンドポイントとの因果関係を見ることができるという利点がある。その一方で、検討していない残存交絡因子の影響については分からないという欠点も存在する。



<きょうの一枚の絵>

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パブロ・ピカソ 科学と慈愛

http://musey.net/489



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原因不明の失神を見直そう! 超小型デバイスで心原性失神を拾い上げ

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0201506312/

失神は脳全体の血流量が一過性に低下することで起こるが、その原因は多岐にわたる。
そのため診断には複数の検査を要するものの、原因を特定できない場合も多い。
原因不明の失神が再発すれば患者は医療機関を再受診し、再検査が行われることから、欧米や日本ではガイドラインを作成し、診断を後押ししている。
産業医科大学不整脈先端治療学教授の安部治彦氏は、1月25日に東京で開かれたメディアセミナー(主催:日本メドトロニック)で失神診療への認知を呼びかけた。
同氏は、原因不明の失神の中には心臓突然死を招く心原性失神も存在すると指摘。
昨年(2016年)承認された
、超小型の植え込み型長時間心電計(ICM)を原因不明の失神患者の心臓皮下に植え込んで検討したところ、そのうち64%が心原性失神と判明したと報告した。 

転倒時に手足を付けず顔面・頭部に受傷

日本の失神患者数は年間約80万人と推定されており、一般内科、循環器内科、神経内科、脳神経外科、救急科、心療内科などで診療されるが、専門は循環器内科である。

 
失神とは、脳全体の一過性低灌流によって生じる一過性の意識消失である。
意識を失うことで立位が維持できずに転倒するが、筋肉が弛緩しているため手を突くことができずに、患者の多くが顔面や頭部に外傷を受け、意識消失時間は1分以内といった特徴がある。
失神を原因別に見ると、
①自律神経反射異常による「反射性失神」、
②立位直後の血圧低下による「起立性低血圧」、
③主として不整脈に起因し、心臓突然死を来す可能性がある「心原性失神」、
④「その他」
―に分けられる。
反射性失神が最も多く、起立性低血圧と心原性失神は同じくらいの頻度とされている

 
原因疾患によって失神時の体位は異なり、
反射性失神の疑いがある場合は動かずに立っているまたは座っている状況で起こりやすい。
起立性低血圧は立位直後、心原性失神は労作中または臥床時とされている。


原因不明例ではいつ起こるか分からない失神を捉える必要性

失神の基本的検査として、病歴、身体所見、起立時の血圧測定、心電図、胸部X線撮影がある。
治療法は原因疾患によって全く異なるため、これらの検査で特定の疾患が疑われれば、その原因疾患に応じた検査を行う。

 
反射性失神が疑われればhead-up tilt検査、長時間心電図などを、起立性低血圧では臥位と立位での血圧測定、心エコーなどを実施。
また心原性失神の場合は心電図、ホルター心電図といった長時間心電図、心エコーなどを行う。

 
しかしさまざまな検査を行っても、原因疾患の特定にたどり着けないことが多い。
脳梗塞のように画像診断で明らかになる器質的な病態とは異なり、一過性に機能的異常を呈する失神では、いつ起こるか分からない発作時を適切に捉える必要がある。


最新のICMは従来型に比べて87%小型化

「失神の診断・治療ガイドライン(2012年改訂版)」では、発作時の状況を把握する方法として、失神の頻度に応じてホルター心電計、体外式長時間イベント心電計、ICMの実施を挙げている。

「失神の診断・治療ガイドライン(2012年改訂版)」
日本循環器学会、日本救急医学会、日本小児循環器学会、日本心臓病学会、日本心電学会、日本不整脈学会の合同研究班による作成(日本心電学会と日本不整脈学会は2015年に日本不整脈心電学会として統合)
 

 
日本における施行率は、循環器専門医によるホルター心電計と心エコーは高いものの、体外式長時間イベント心電計は低く、ICMではさらに施行率が下がる。
しかしICMのモニタリング期間は3年間と長く、発生頻度が低いまたは不定期に繰り返す失神を拾い上げることが可能だ。

 
原因不明の失神を来しICMが植え込まれた86例(平均年齢69.5歳、男性54例)を観察したところ、71%が平均7.2カ月で確定診断に至り、うち心原性失神は64%(42例)に認められたという。


原因不明とされる失神はいまだ多く、ICMを確定診断の最後の砦となる。
心臓突然死を来すような重症例を見逃さないためにも、原因を明らかにする必要がある。

 
昨年、従来型のICMに比べて体積比で87%小型化された「Reveal LINQ」が登場した。


従来型(縦62mm×横19mm×厚さ8mm)に対し、Reveal LINQは縦45mm×横7mm×厚さ4mmと小型化されている。


Reveal LINQは局所麻酔下で、専用ツールを用いて胸部皮下に約10分で植え込むことができる。
製造販売する日本メドトロニックのリリースによると、Reveal LINQは患者自身も気付かない不整脈を検出し、そのデータは自動的に医師に送信されるという。

 
また近年、十分な精査にもかかわらず原因が特定できない潜在性脳梗塞患者では、不整脈の検出にICMによるモニタリングが有効であることが明らかになった。
Reveal LINQは原因不明の失神だけでなく、原因が特定できない潜在性脳梗塞患者への使用も保険適用となる。






<きょうの一曲>

Scott Ross - Les barricades mystérieuses (François Couperin)

https://www.youtube.com/watch?v=Hj33HliB5v0


Matthew McAllister The Mysterious Barricades

https://www.youtube.com/watch?v=d5GAoVMc888


Couperin - "Baricades mistérieuses" - Sylviane Deferne

https://www.youtube.com/watch?v=JeJClooBYqY




神秘的なバリケード

http://fuji-san.txt-nifty.com/osusume/2010/03/post-3bd6.html



<きょうの一枚の絵>

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保多棟人 《裸婦》 1981年

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/musashifuchu5.html



<自遊時間> 「自主規制 」
トランプ米国大統領が大統領令(Executive Order、EO)を乱発している。
そこで思いついたことがある。 
製薬業界が我々に対して一方的に突きつけてくる得体の知れない「自主規制」。
今まで彼らの求める面会に真っ当な時間を割いて付き合って来た。
しかし、これはちょっとおかしいとやっと気づいたのだ。
m3のサイトにもしばしばドクターが書き込んでいることだが、われわれが彼らに割く時間はすべて持ち出しなのだ。
つまり彼らに利益供与をしていることになる。
バイトをしているドクターならピンと来ることだが我々の時間単価は高い。
まさに「Time is money」。
そこで昨日のMRの面会では新手(あらて)を使ってやった。

「当院の『自主規制』で一人当たりの面会時間は10分です」


 



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動脈硬化GL改訂案、管理目標値据え置きも     日本動脈硬化学会

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0130506323/

日本動脈硬化学会は、改訂中の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2017年版」(以下、2017年版)の概要を、昨日(1月29日)宮崎市で開かれた動脈硬化教育フォーラムで発表した。
今回、脳・心血管イベントの一次(初発)予防に対するLDLコレステロール(LDL-C)の管理目標値は、低・中・高リスクに応じてそれぞれ160 mg/dL未満、140mg/dL未満、120 mg/dL未満に据え置かれた。
また、冠動脈疾患既往例での二次(再発)予防についても100mg/dL未満とすることに変更はないが、糖尿病や慢性腎臓病(CKD)などを有する高リスク例では補足的な一文が本文中に入る予定だ。


リスク区分の評価基準は現行の死亡から発症へ

今回の主な改訂点は、
①クリニカルクエスチョン(CQ)とシステマチックレビューを部分的に導入、
②絶対リスク評価方法の変更、
③動脈硬化性疾患の危険因子の追加、
④高リスクの病態の追加
―である。

 
脂質異常症の診断基準は現行GL(2012年版)と同様、高LDL-C血症はLDL-C値140mg/dL以上(境界型は120~139mg/dL)、低HDL-C血症は40mg/dL未満、高トリグリセライド(TG)血症は150mg/dL以上となる。
ただし、
TG400mg/dL以上や食後採血の場合の基準値としてnon-HDLコレステロール値が付記された。

 
初発予防におけるリスク区分の評価は、現行GL(2012年版)のNIPPON DATA 80に基づく「冠動脈疾患の
死亡」から、吹田研究に基づく「発症率」に変更。
リスク評価は吹田スコアを用いて行うが、
簡易版のリスク評価ツールが用意される予定で、次のような手順で行う。

私的コメント 
死亡は(死因の問題はあるものの)間違いなくハードエンドポイントです。
一方、「発症」は各々の疾患の定義付けが大切となり、かつ発症時期も確定困難であるため(
エンドポイントという表現には問題があるものの)いわゆるソフトエンドポイントです。

 

 
まずLDL-C 120 mg/dL以上で
①糖尿病、
②CKD、
③非心原性脳梗塞、
④末梢動脈硬化症
のいずれかがあれば「高リスク」となる。

一方、これらの危険因子がない場合は、
①喫煙、
②高血圧、
③低HDL-C血症、
④耐糖能異常、
⑤早発性冠動脈疾患家族歴
といった危険因子の個数、性、年齢によって「低リスク」「中リスク」「高リスク」に層別するというもの。
ただし、LDL-C 180mg/dL以上では、危険因子の数にかかわらず「高リスク」とし、家族性高コレステロール血症(FH)にはこのフローチャートは用いない。

 
なおLDL-C 120 mg/dL以上で、冠動脈疾患の既往があれば、再発予防の対象となる。


再発予防の一部病態では「70mg/dL未満が妥当」の補足も

リスク区分別の初発予防に対する脂質管理目標値についても現行GLと変わりはなく、低リスク:LDL-C 160 mg/dL未満、中リスク:140 mg/dL未満、高リスク:LDL-C 120 mg/dL未満をそれぞれ目指す。
高リスク患者における初発予防に関するメタ解析はないものの、LDL-C 120 mg/dLを境に発症リスクが顕著に上昇するというデータから同値による管理の妥当性が示された。

 
再発予防の管理目標値についても現行GLのLDL-C 100 mg/dL未満であることに変わりはない。
しかし、より厳格な管理が必要な病態として、冠動脈疾患、糖尿病、CKD、非心原性脳梗塞・末梢動脈疾患(PAD)、メタボリックシンドローム、主要危険因子の重複、FHを列挙。
その上で、これらを有する既往例では、目標値LDL-C 70mg/dL未満が妥当と考えられるとする一文を、本文に入れる予定だという。

 
薬物療法については、現行GLにあるスタチン、陰イオン交換樹脂、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、フィブラート、ニコチン酸誘導体、プロブコール、EPA製剤に加え、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬が付記される。
ただしMTP阻害薬については、ホモ接合体FH患者やスタチンで効果不十分なヘテロ接合体FH患者が対象と成ることから、一般的に用いられる脂質異常症治療薬とはならない。


<きょうの一曲>

ラデツキー行進曲 ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート

https://www.youtube.com/watch?v=YWNRIkGhbos


<きょうの一枚の絵>


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戸嶋靖昌 《アルバイシンの男―ミゲールの像―》 1990年 

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/musashifuchu5.html


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食後高血糖は心血管疾患の発症や全死亡と関連―日本人2型糖尿病患者で検証

http://www.carenet.com/news/general/hdnj/43285

2型糖尿病患者の食後高血糖は、心血管疾患(CVD)の発症や全死亡と関連することが、朝日生命成人病研究所糖尿病代謝科の高尾淑子氏らの検討でわかった。
これらの関連は、HbA1cの平均値とは独立して認められたという。
(「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版  2016.12.15)


同氏らは、実臨床下で、外来受診時の食後高血糖がCVDの発症率や全死亡率に及ぼす影響について検討するため、2型糖尿病患者を対象に後ろ向きのコホート研究を行った。


対象患者は、1995~1996年に初診し、通院回数が4回以上あり、1年間以上通院した2型糖尿病患者のうち、朝食後2時間の血糖値を測定した646例と、彼らのうちでCVDの既往がない618例である。
追跡調査は2012年6月まで行い、追跡期間の中央値はCVDコホートでは15.6年、死亡率コホートでは15.9年であった。


その結果、追跡期間中に78例がCVDを発症し、56例の死亡例が確認された。
平均HbA1c値、朝食後2時間血糖値の測定回数、年齢、性、古典的リスク因子を調整後の解析で、朝食後2時間の平均血糖値はCVD発症と全死亡の有意なリスク因子であることがわかった。


以上の結果から、同氏らは「2型糖尿病患者では、外来診察時の朝食後2時間血糖値で評価した食後高血糖は、HbA1cの平均値とは独立して、CVDの発症や死亡率と関連することがわかった」と結論づけるとともに、前向きの介入研究によるさらなる検討の必要性を指摘している。


The impact of postprandial hyperglycemia at clinic visits on the incidence of cardiovascular events and all-cause mortality in patients with type 2 diabetes.

Toshiko Takao, et al.

Journal of diabetes investigation. 2016 Dec 15; doi: 10.1111/jdi.12610.





<今朝の一曲>

Fried Pride-君の瞳に恋してる

https://www.youtube.com/watch?v=mvZk7ZtoaS0&list=RDGtzVyyFekMg&index=4




<きょうの一枚の絵>

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高森明 《橋》 1990年

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/musashifuchu5.html




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2型糖尿病における早期の強化インスリン療法

http://www.carenet.com/medscape/diabetes_endocrinology/000347.html

Q:早期の強化インスリン療法は、2型糖尿病を寛解させるのか?

2型糖尿病(T2D)は、インスリン抵抗性と、β細胞機能障害が引き起こす糖毒性とインスリン不足を特徴とした進行性疾患である。

現在のガイドラインは、第1選択薬としてメトホルミンまたは別の経口血糖降下薬を投与し、疾患が進行した場合にインスリンを含むほかの薬剤を追加するよう推奨している
インスリンは第1選択薬としては推奨されておらず、大抵の場合、医師と患者はインスリンを、高くなったHbA1cをコントロールするための最終手段であると見なしている。

T2D患者のβ細胞機能障害は、疾患が臨床的に明らかとなる15年前から始まっていることもある
T2Dの家族歴がある場合はとくに顕著だが、肥満と座りがちな生活習慣によってインスリンの必要量が増し、インスリン分泌量の低下・肝臓による糖新生の増加およびインスリン抵抗性という悪循環が発生する


新たに診断された、あるいは診断されたばかりのT2D患者において強化インスリン療法を行うと、糖毒性を防ぐことができる、もしくは進行を遅らせることができる可能性があると、一部の研究で示唆されている。

<私的コメント>

一番知りたい初期段階のT2Dにしばしば見られる

インスリン抵抗性、高インスリン血症」といった状態での

強化インスリン療法についてが触れられていません。


インスリン分泌量の低下、糖新生の増加、そしてインスリン抵抗性というサイクルを遮断すれば、残りのβ細胞機能を温存し、高血糖を寛解に導いて、通常の疾患進行を修正することもできるかもしれない


<私的コメント>

「インスリン抵抗性→

インスリン分泌量増加」と今まで理解していました。

 

United Kingdom Prospective Diabetes Study(UKPDS)は、T2Dの診断後、迅速に血糖を正常化することの重要性を証明した
Outcome Reduction With Initial Glargine Intervention(ORIGIN)試験は、糖尿病前症患者の治療レジメンへ基礎インスリングラルギン(正常空腹時血糖値の達成を目指した用量で投与)を追加した場合と、追加しない場合とを比較して、中央値で6.2年間前向きに評価した

計1,456例の参加者は、無作為化時点で糖尿病前症であったが、T2Dではなかった。
インスリングラルギンによって低血糖リスクが増加し、体重もやや増加したものの、インスリングラルギン群の糖尿病発症リスクは標準ケア群よりも28%低かった。

<私的コメント>

糖尿病前症患者に

インスリングラルギンを投与することにより

「低血糖リスクが増加する」こと自体が大きな問題ではないでしょうか。


 

ここ数十年間の研究の多くは、アジア人集団を対象に実施されたものだが、T2D診断を受けたばかりの患者に短期間の強化インスリン療法を行うと、外からインスリンを与えることで「膵臓を休ませる」ことができ、抗糖尿病薬の必要性を効果的に遅延させる、もしくは防ぐことができる可能性があることを示唆している。


ほとんどの研究が、基礎インスリンの送達にインスリンポンプを用いており(一部の研究では日に数回の皮下注射が行われた)、食事

前にインスリンを追加投与した研究もあった。
また、多くの研究における治療期間は2~4週間とさまざまで、それより長い治療期間を設けている研究もあった。
T2D患者における早期の強化インスリン療法を評価した研究を対象に、あるメタアナリシスが実施されたが、薬剤を必要としない寛解に至った参加者の割合は、追跡3ヵ月時点で約66%、6ヵ月時点で約60%、12ヵ月時点で約46%、そして24ヵ月時点で約42%となった
。T2D診断後2年以内の早期介入が、強化インスリン療法の有効性の鍵であるように見受けられる

高血糖を寛解に導き、抗糖尿病薬なしに正常血糖を維持するという発想は、T2D患者にとって興味をかきたてるものである。
研究者らは、T2D患者に対するインスリンを用いた早期介入のベネフィットを、30年以上に渡って示唆してきた。
しかし現在のガイドラインでは、このアプローチが是認も言及もされていない

ORIGIN試験から得られた経済データからは、早期インスリン治療で用いられるインスリングラルギンの高額な費用は、新たに診断されたT2D患者の経口薬の使用が減少することにより、長期的に見れば相殺できる可能性があることが見て取れる

著者らは、インスリングラルギンのコストは、糖尿病前症患者における治療薬および医療費の減少によって相殺できると推測したが、実際に費用面でどの程度の影響が生じるのかは不明である。


糖尿病前症患者と新たに診断されたT2D患者における早期の強化インスリン療法には、メリットがあるように見受けられる。
しかし、インスリン療法の実施は時間がかかる上に高額である。
第三者支払機関は、早期の強化インスリン療法を研究段階にあるものと見なし、インスリンと関連費用の補償を拒否することだろう。
やる気の旺盛な患者と医師を除き、現在はインスリン投与と、集中的に学ばなければならないこと(インスリンポンプおよび日に数回行う注射の使用、継続的または頻回の血糖モニタリング、食事など)に対する患者の受け入れが、早期の強化インスリン療法の実用性を制限している。
早期の強化インスリン療法については、引き続き活発な研究が行われている。


英文記事

Early Intensive Insulin in Type 2 Diabetes

http://www.medscape.com/viewarticle/874182




<きょうの一曲> 

Glenn Gould-J.S. Bach-The Art of Fugue (HD)

https://www.youtube.com/watch?v=4uX-5HOx2Wc




<きょうの一枚の絵> 

omori

大森朔衞 《'60海峡》 1960年

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2型糖尿病におけるインスリン投与量と死亡についての新たな知見

http://www.carenet.com/medscape/diabetes_endocrinology/000333.html

新たな研究によると、潜在的交絡因子についての慎重な調整後、より高用量のインスリン投与は、2型糖尿病患者で、死亡や主要有害心血管イベント(MACE)のリスクを増加させないことが示された。

この知見は、英国の臨床診療研究データリンクのプライマリケア記録を対象としたコホート研究によるもので、ニューファンドランド・ラブラドール州、セント・ジョンズの研究グループが Lancet Diabetes & Endocrinology誌オンライン版11月16日号に発表した。
 

本試験は、インスリンは2型糖尿病で用量依存的に心血管リスクを増加させる可能性があることを示唆する先行観察研究と、インスリンは心毒性を示さないと示唆する無作為化臨床試験(UK Prospective Diabetes Study [UKPDS]や Outcome Reduction With Initial Glargine Intervention [ORIGIN]など)との間にある知見の対立について、少なくともある部分は説明している。


本知見は、2型糖尿病でのインスリン療法の総合的安全性および心血管の安全性に関して、追加的なエビデンスを示すものであり、本研究が完全な裏付けを与えるものではない。
というのは、交絡が、インスリンと死亡の間に認められる用量依存的関連の原因となっている可能性を示すような、説得力のあるエビデンスを示す研究が1つもないからである。


本知見は、インスリン処方に対するアプローチを変えるものではないが、2型糖尿病管理のためのインスリン使用に関する現在の診療ガイドラインを裏付ける、さらなるエビデンスを与えてくれる。

しかしながら、(いつも通り)低血糖などの既知のリスクを考慮して、インスリンで過剰な治療を行わないことが依然として重要である。


インスリンを投与されている2型糖尿病患者の早期死亡は、インスリンが原因か?

本試験では、生データおよび調整済みデータの両方において、2型糖尿病患者でのインスリン投与増加に関連して、死亡およびMACEが増加していることを実際に示唆していた。
しかしながら、「周辺構造モデル」と呼ばれる統計的手法を適用すると、このような関連は認められなくなった。
「周辺構造モデル」では、低血糖イベント、体重、血糖管理など、時間と共に変化しインスリン用量に影響される因子について調節がなされる。

これらの同じ因子は、逆にインスリン用量にも影響を与え、調査対象となっている(この場合は死亡のアウトカムとの関連)。
したがって、インスリン用量と死亡の疑似的関連の原因となっている可能性がある。

付随論説では、「インスリンが投与されている2型糖尿病患者は、そうでない2型糖尿病患者に比べ、より早期に死亡する。これは認められている。認められていないのは、インスリンが原因かどうかである」と指摘している。

<私的コメント>
インスリン療法を行っているグループが「罹病期間が長くかつ重症」であれば当然の帰結です。

この新たな研究は、周辺構造モデルを適用した点がユニークであるだけでなく、metforminにインスリンを追加した患者を対象とすることで、インスリン単剤療法の患者を対象とした先行研究よりも、「より一般化できる」ものであるが、ほかの治療レジメンの患者には当てはまらない可能性がある、とコメントしている。

しかし、周辺構造モデルは、測定されない交絡はないという前提に依拠しており、残念ながらこれは実験的に検証できない。

同時に、この疑問に答える無作為化臨床試験を実行することは、倫理的問題とインスリンを増量しながら投与する場合の盲検化の難しさを考慮すると、おそらく不可能だろう。
 

継続的調整によるインスリン投与リスクの減少

試験の対象者は、2001~12年に、metformin療法に新たにインスリンを追加された患者6,072例で、追跡期間中の平均1日用量に基づいて4群に分けられた。

死亡およびMACE(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管関連死亡)の相対差を評価した。
患者3,599例のサブグループは、病院と死亡診断データがリンクされていた。追跡調査期間の中央値は3.1年であった。

1,000人日当たりの1日のインスリン投与量による未分析の死亡率は、1日当たり25単位未満で46、25~49単位で39、50~74単位で27、75~99単位で34、100単位以上で32であった。追跡期間中の、未分析の全死亡率は1,000人年当たり31であった。

インスリン投与開始時の年齢、性別、喫煙、HbA1c、BMI、血圧、インスリン投与開始前の1年間の通院回数、薬剤使用、併存疾患などの、ベースライン時の共変量について調整後、より高用量のインスリン投与は依然として死亡率増加(傾向のp=0.006)と有意に関連していた。感度分析の結果は一貫していた。

しかし、血糖管理、体重、低血糖イベントの頻度、心血管イベントの発生の変化について、さらに時間依存性を調整した後、死亡率増加との関連の程度は、インスリン投与量が最も高い2つのカテゴリーのみが、依然として死亡率の増加と有意に関連しているというレベルに低下した。 

1日当たり25単位未満と比較して、1日当たり25~49単位と50~74単位のハザード比は、それぞれ1.25と1.23で有意ではなかった。

より高用量の2用量については依然として有意な関連があり、1日当たり75~99単位と100単位以上のハザード比は、それぞれ1.71と1.88であった。

しかし、周辺構造モデルを適用後、インスリン投与と全死因死亡との関連は完全に認められなくなった。


これは断定的な証明なのか:なぜインスリンは生存期間を延長しないのか?

論説では、ハザード比がすべて1.0を超えていたので、「より大規模な試験で有意な関連が認められ、有害性が示唆されるかもしれないが、残差交絡も引き続きあるかもしれない」と指摘している。

「交絡が干渉せず、試験が十分大きな規模で行われる場合にのみ…インスリンは2型糖尿病患者に有害ではないと結論付けることができる」。

論説は熟慮して書かれており、当面の問題は、インスリン療法の強度が異なる群間での盲検化は実施可能ではないことを考慮すると、(無作為化比較試験)のデザインを使用して答えるのは難しい。
これにより、観察法を使いインスリンの安全性を評価する重要性が強化されている。

本試験がさまざまなタイプのインスリンを区別していないことを認めており、基礎インスリンや食前インスリン、および上市された、あるいは上市予定の、より新しいインスリン製品間でアウトカムに差が出る可能性を評価するため、今後の研究が必要である。

2型糖尿病患者でのインスリンの安全性を明確に証明するデータがあるとするならば、「なぜインスリンの増量が2型糖尿病患者の延命につながらないのか」ということも、疑問の対象になるだろう。


英文記事

New Insight Into Insulin Dose and Mortality in Type 2 Diabetes

http://www.medscape.com/viewarticle/872664



<きょうの一曲> Rachmaninoff - Vocalise

Mischa Maisky. Rachmaninoff - Vocalise

https://www.youtube.com/watch?v=6rrkae_ok8Y


Dame Kiri Te Kanawa sings "Vocalise" - Rachmaninoff

https://www.youtube.com/watch?v=fW630zFA93Y



<きょうの一枚の絵>


 sorimachi

反町博彦 《滞船》 2001年

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冠動脈カルシウムは降圧治療の個別化に有用 他の理由でCAC検査を受けた患者に意義

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201701/549919.html

推定心血管疾患リスクが5~15%で、高血圧前症または軽症高血圧を有する人に治療を開始するべきか、厳格な目標血圧を設定するべきかを判断する際に冠動脈カルシウム(CAC)を考え併せると、治療を個別化するのに役立つ可能性があることが、ジョンズ・ホプキンス大学附属心血管研究所の研究者によって見出された。
(Circulation 2017.1.10)


最近、至適収縮期血圧(SBP)の閾値について議論が高まっている。
SPRINT試験によって、SBP目標値を120mmHgに厳格化したところ、糖尿病を有していない50歳超の高リスク者のアウトカムが有意に改善したことが報告された。
ただし、高血圧前症患者や軽度高血圧症患者については、まだ十分に解明されていない。


今回の多施設多民族プロスペクティブ観察コホート研究では、一次予防候補者(目標値を120mmHgに設定して治療を開始したり、治療を強化したりすることでベネフィットを受ける可能性が高い人)を特定するにあたって、CACが役立つ可能性があるのかを調査した。


Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)研究から対象者3733人(SBP=120~179mmHg、平均65歳)を採用した。
対象者は2000年7月~2002年8月の間に異なる6地域の4つの民族群(白人、黒人、中国系米国人およびヒスパニック系)から採用された。


対象者の中からSPRINTの基準を満たした1394人を抽出してサブサンプルとし、二次解析を実施した。


対象者を5分以上安静にした後、自動血圧計を用いて座位血圧を3回測定し、最後の2回の平均値を採用した。


主要評価項目は、CVDまたは入院を要する心不全の複合とし、副次評価項目は総CVD(脳血管疾患、CVD/脳血管疾患による死亡)、心不全、冠動脈疾患、脳卒中とした。


SBP(120~139mmHg、140~159mmHg、160~179mmHg)と推定10年ASCVDリスク(15%未満、15%以上)で対象者を分類し、さらにCACで層別化した後、初発ASCVD/心不全複合アウトカムの多変量調整後ハザード比を比較した。


さらに、降圧治療を開始する、あるいは目標値を厳格化して120mmHgにすることで主要評価項目を1例予防するのに必要な10年治療例数(NNT10)を推定した。


調査の結果、中央値で10.2年の間に複合イベント642例が発生した。


ASCVDリスクが15%未満かつSBP=120~159mmHgの人の場合、CAC>1であった人のイベントリスクはCAC=0の人より高いことが判明した。例えば、ASCVDリスク<15%かつSBP=120~139mmHgかつCAC=1~100の人のイベント・ハザード比(HR)は、1.7(95%信頼区間[95%CI]: 1.0-2.6)だった。
ASCVDリスク<15%かつSBP=140~159mmHg かつCAC=1~100の人のHRは、2.0(95%CI:1.1-3.8)だった。
CAC>100の人ではHRがそれぞれ3.0(1.8-5.0)、5.7(2.9-11.0)に増大していた。


ただし、SBP=160~179mmHgの人の場合、ASCVDリスクとは関係なく、CACとイベントの間に統計学的関連性は存在しないと考えられた。


ASCVDリスク<15%かつSBP<160mmHgの人の場合、NNT10にはCACのレベルによって大きな差があった。
例えば、SBP=120~139mmHgかつCAC=0であればNNT10=99、CAC>100であればNNT10=24だった。


NNT10低値(4~8)と推定されたのは、ベースラインのASCVDリスクとは関係なく、CAC>100超かつSBP≧140~179mmHgの人だった。SBP <140mmHgかつASCVDリスク<15%かつCAC=0の人のNNT10が99と最も高かった。


特にCACを考え合わせることでベネフィットを得る可能性があるのは、ASCVDリスク=5~15%かつ高血圧前症または軽度高血圧症を有する人だ、と著者は述べている。


さらに、CAC検査を新たに行うよりも、すでに他の理由でCAC検査を受けた患者に意義があること、ならびにCACを単独で使用するべきではないことを著者は指摘している。


今回の解析の限界として著者は、仮説生成型であること、数多くの過程に基づいてNNTを推定していることなどを挙げている。


論文

McEvoy JW, et al. Coronary Artery Calcium to Guide a Personalized Risk-Based Approach to Initiation and Intensification of Antihypertensive Therapy. Circulation. 2017;135:153-165.



<きょうの一曲>

ラデツキー行進曲 ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート

https://www.youtube.com/watch?v=YWNRIkGhbos



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60歳以上の降圧、「SBP 150mmHg未満」を推奨 米国内科学会など

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0126506288/

MT2017.1.26)

米国内科学会(ACP)と米国家庭医学会(AAFP)は1月17日、両学会が合同で策定した60歳以上の成人の降圧目標値に関するガイドライン(GL)をAnn Intern Med(2017年1月17日オンライン版)で発表した。同GLでは、一部の高リスク例を除き、心血管イベントや死亡のリスク低減を目的とした収縮期血圧(SBP)の目標値として150mmHg未満を推奨。60歳以上のSBPと拡張期血圧(DBP)の目標値を150/90mmHg未満としたJNC 8(JAMA 2014; 311: 507-520)との足並みをそろえる形となった。一方、今回の発表を受け、米国心臓協会(AHA)会長は公式サイトで「より緩やかな降圧療法を行えば、国民に健康上の問題をもたらす可能性がある」と懸念を表明。AHAが米国心臓病学会(ACC)や米疾病対策センター(CDC)とともに推奨する140/90mmHg未満を目標値とすべきとの見解を示している。

「脳卒中の既往歴あり」「心血管リスク高」では140mmHg未満に

 今回発表されたGLは、60歳以上の成人で降圧目標値を高く設定した場合と低く設定した場合の降圧療法による利益と害について検討したランダム化比較試験(RCT)や観察研究のシステマチックレビューとメタ解析(Ann Intern Med 2017年1月17日オンライン版)に基づき策定された。 GLの主な推奨項目は以下の通り。

推奨1:SBP 150mmHg以上の状態が続いている60歳以上の成人に対して、死亡、脳卒中、心イベントのリスクを低下させるために、同150mmHg未満を目標値として治療を開始することを推奨する(推奨度:強、エビデンスの質:高)

推奨2:60歳以上で脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往歴を有する成人に対しては、脳卒中の再発リスクを低下させるため、SBP 140mmHg未満を目標値として薬物療法を開始または強化することを推奨する(推奨度:弱、エビデンスの質:中等度)

推奨3:60歳以上で心血管リスクが高い成人に対しては、脳卒中および心イベントのリスクを低下させるため、SBP 140mmHg未満を目標値として薬物療法を開始または強化することを推奨する(推奨度:弱、エビデンスの質:低)

 なお、いずれの場合も「目標値を目指した治療を行うことによる利益と害について、患者と定期的に話し合った上で、治療目標を定めるべき」とする推奨が付記されている。また、DBPについては「エビデンスが不十分」だとして明確な目標値は示されていない。

 この他、GLでは「臨床で考慮すべき点」として、①治療を開始する前に正確な血圧値を把握するため、一定期間にわたって複数回、血圧測定を行う②減量や食事、運動の指導など非薬物療法も考慮する③ブランド薬ではなくジェネリック薬を選択する④多剤使用者では治療による負担や薬物相互作用についても考慮する―ことなどが挙げられている。

「SPRINT試験とACCORD試験で結果が不一致」を指摘

 今回のGLの根拠とされているRCT21件と観察研究3件のデータを用いたメタ解析では、降圧目標値を150/90mmHg未満とすることによって死亡リスク〔相対リスク(RR)0.90、95%CI 0.83~0.98〕、心血管イベント(同0.77、0.68~0.89)、脳卒中(同0.74、0.65~0.84)のリスクが低下することが示されたという。

 では、SBP 120mmHg未満という現行GLと比べて大幅に低い降圧目標値を目指した降圧療法による心血管イベントのリスク低下を示したSPRINT試験(関連記事)は、今回のGLでどのように位置付けられているのだろうか。 システマチックレビューとメタ解析を実施した米・Oregon Health & Science UniversityのJessica Weiss氏らは「より低い降圧目標値を目指した降圧療法の利益を支持する知見のほとんどが、SPRINT試験のみから得られている」と指摘。今回、同試験のデータを除外してメタ解析を実施したところ、除外する前の解析結果に比べ、目標値を低く設定することによる死亡リスクの低減効果は減弱し(RR 0.96、95%CI 0.80~1.15、 I 2=0%)、心血管イベントリスクの有意な低下は認められなかった(同0.88、0.74~1.04、I 2=4.0%)と説明している。ただ、より低い降圧目標値とすることによる脳卒中リスクの有意な低下は引き続き認められたとしている(同0.74、0.56~0.99、I 2=25.8%)。

 さらに同氏らは、ACCORD試験(関連記事)では厳格な降圧による利益が示されなかったことにも言及。同試験は糖尿病患者を対象としたものである他、試験規模や対象者の平均年齢などSPRINT試験との相違点があることを認めた上で「両試験の結果が一致しない中では、より低い目標値を目指した降圧療法の真の効果は不明なままだ」との見解を示している。

 この他、同氏らによるメタ解析からは、より低い降圧目標値を目指した治療は認知機能の低下や骨折、QOL低下のリスク上昇には関連していなかった一方で、低血圧や失神、使用薬剤増加のリスク上昇に関連することが示されたとしている。

AHA会長「年内発表のAHA/ACCガイドラインで議論に決着」

 一方、今回のACPなどによるGLの降圧目標値について、AHA会長のSteven Houser氏は公式サイトで懸念を表明。「2014年にAHAがACC、CDCと合同で発表した勧告(Hypertension 2014; 63: 878-885など)で示したように、80歳以上の高齢者に対しては目標値を150/90mmHg未満とすることも考慮してよいが、基本的に心血管イベントのリスクを低下させるためには140/90mmHg 未満を目指すべき」としている。

 また同氏は、「降圧目標値を緩和することによって、医学的なリスクだけでなく、高血圧の危険性に関する国民の意識の低下を招く可能性がある」と指摘した上で、「今後も60歳以上における降圧目標値をめぐる議論は続くだろう」と予測。さらに、AHAとACCの諮問委員会による包括的高血圧GLが現在、作成作業の最終段階に入っており、年内に公表予定であることを明らかにし、同GLの発表によって議論に終止符を打つことになるとの見方を示している。

※血管疾患や糖尿病、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病(CKD)、高齢などの因子を有する成人



<今朝の一曲>

Moon River - Stringspace - Violin & Guitar Duo

https://www.youtube.com/watch?v=xF2WhUXQUpA




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CHA2DS2-VAScスコアと重大な出血リスク

http://www.carenet.com/medscape/cardiology/000344.html

CHA2DS2-VASc Scores and Major Bleeding in Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation Who Are Receiving Rivaroxaban

Peacock WF, Tamayo S, Patel M, Sicignano N, Hopf KP, Yuan Z

Ann Emerg Med. 2016 Nov 29. [Epub ahead of print]

心房細動(AF)は最も一般的な心臓不整脈であり、その診断と管理は救急医にとってきわめて重大な任務である。
AF患者を治療する際に重要となる観点は、患者の脳卒中リスクを低減することである。


CHA
2DS2-VAScスコアは、AF患者に対する抗凝固療法のベネフィットがリスクを上回るかどうかを見極める助けとなる、
検証されたリスク層別化ツールである。
しかしながら、患者の抗凝固療法開始を決定する際にCHA
2DS2VAScスコアを使用するとき、臨床医はしばしば自分が困難な状況にあることに気付く。
それは重大な出血の潜在的リスク増大のためである。
このジレンマに関して、CHA
2DS2-VAScスコアと重大な出血リスクの直接的な関連についての調査はこれまでに実施されてこなかった。

研究者らはこの観察的後ろ向きコホート研究において、rivaroxabanによる治療を受けている非弁膜症性AF患者におけるCHA2DS2-VAScスコアと非外傷性の重大な出血の発生との間に存在する可能性のある、あらゆる関連を明らかにすることを試みた。
米国の国防総省の軍医療システムからの患者1,000万例の記録が、本研究の一環として分析された。


組み入れ基準は、非弁膜症性AFと診断されていること、2013年1月1日から2015年6月30日の間にrivaroxabanによる治療を受けていることとした。合計4万4,793例が解析において特定された。

主要アウトカムは、Cunninghamアルゴリズムによって定義される重大な出血とした。
Cunninghamアルゴリズムは、入院中の重大な出血を管理データから特定するために使用される、検証されたデータベースアルゴリズムである。
研究者らは、年齢、性別、出血イベントに関する詳細、使用したrivaroxabanの用量、入院の詳細を含む、試験対象となった患者集団の構成を分析した。


1,293例の患者において、計1,352件の重大な出血イベントが特定された。
全体の重大な出血発生率を、それぞれの患者の初回の重大な出血イベントから算出すると、100人年当たり2.84であった。
41例において、致死的アウトカムに関連する重大な出血が発生した。
さらにサブグループ解析を実施し、総CHA
2DS2-VAScスコアおよびスコアの項目別に出血リスクを特定した。

全体として、より高いCHA2DS2-VAScスコアが重大な出血のリスク増大と相関があること、また血管疾患を有する患者が最高リスクにあったことを研究者らは見いだした。
 

Viewpoint

本研究にはいくつかの重要な限界が存在する。
今回の後ろ向き研究は、調剤データに基づいており、これはそもそも会計に使用するために保存されているものであるため、本研究が示唆することができるのは、因果関係ではなく一時性の関連のみである。
加えてコーディングデータを使用したことから、研究者らは出血イベントの臨床的重要性についてコメントを加えることができず、おそらく臨床的に重要でない出血が出血アウトカムのデータに含まれている可能性がある。

読者の方々は、なぜ研究者らはHAS-BLEDスコア(高血圧、腎/肝機能異常、脳卒中、出血歴または出血傾向、不安定な国際標準化比[INR]、高齢、薬剤/アルコールの併用からなるスコア)について調査しなかったのかと疑問に思うかもしれないが、今回のデータセットにはINRが含まれていなかった。
この点についてはさらなる研究の重要な可能性がある。

限界はあるものの、本研究は確かに救急医に対し重要なデータと情報を提供するものである。
AFの診断件数と共にrivaroxabanおよび他の抗凝固薬の使用が増加し、それに伴い出血リスクの高い患者は救急部門に来ることになる。
われわれ全員がこのリスク増大を認識することが賢明であり、これはおそらく臨床医の間ですでに議論されていることではあるが、本研究はAF患者に対し抗凝固療法を開始する際に直面する懸念を支援するデータを実際に提供するものである。

これまで私自身の救急部門での診療においては、CHA2DS2-VAScスコアが高い患者に対して、血栓塞栓症リスク低減のために抗凝固療法を開始してきた。
今後は、著しく高いスコアを有する患者について、患者および患者のプライマリケアチームと重大な出血やその他の合併症のリスクについて最初に話し合いをすることなく抗凝固療法を開始することに対しては、私は慎重になるだろう。
そして本研究は、AF患者において、われわれが抗凝固療法のリスクとベネフィットを慎重に天秤にかけるサポートしてくれるデータを提供するものである。


英文記事

CHA2DS2-VASc Score and Risk for Major Bleeding

http://www.medscape.com/viewarticle/873534




<きょうの一曲>

Can't Help Falling In Love - Elvis Presley - Stringspace Guitar & Violin Duo

https://www.youtube.com/watch?v=Wyk5em_cQ_c



<きょうの一枚の絵> 

160216-001

蛯子善悦「白い港 ノルマンディー」1987年 40S

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高齢者糖尿病ではHbA1c7.5~9.0%を厳守!

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0124506216/

JAMA(2016; 315: 1034-1045)に「高齢者の2型糖尿病(DM)の血糖コントロール」、JAMA(2015; 314: 1052-1062)に「糖尿病・診断と治療の進歩」の総説がありました。

最大のポイントは下記4点です。

2型DMの第一選択はメトホルミン。追加薬に何が妥当か不明

男性は、65歳以上ではHbA1cを7%以下にするな!

女性は、70歳以上ではHbA1cを7%以下にするな!

高齢者でHbA1cを7%以下にすると死亡率が上昇する

 
最近、2型糖尿病治療薬にはDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など多彩な薬剤が出回り、製薬会社は特に高価な薬剤を推奨することが多いようです。
薬価は例えば下記のような具合です。

メトグルコ(メトホルミン)は19円/500㎎ですが、

ジャヌビア(シタグリプチン、DPP-4阻害薬)224.8円/100㎎

フォシーガ(ダパグリフロジン、SGLT2阻害薬)202.5円/5㎎

1. 高齢者はHbA1c 7.5~9%の間で利益は最大で、害が最も少ない

JAMA総説「高齢者の2型DMの血糖コントロール」は、Cochrane、UKPDS、ACCORD、ADVANCE、VADTの5件のランダム化比較試験(RCT)をまとめたものです。

 
これらRCTの結果は次の2点に要約されます。

① 高齢者で強化血糖コントロール(HbA1c 7%未満)により10年間は脳心血管イベント(脳卒中、心筋梗塞)は減少しない。ただし、80歳以上は除外されており分からない


② 強化血糖コントロール8年以内で微小血管障害(腎障害、網膜症)に 有意な効果はない(unlikely)! 8年から15年でも微小血管障害に有効か不明(uncertain)、15年以上なら微小血管障害改善は可能(possible)

 
ですから、余命が15年ないときは強化血糖コントロール(HbA1c 7%未満にすること)の意味がないのです。
高齢者がHbA1c 7.5~9.0%の間で利益は最大で、害が最も少ないのです。HbA1cが9.0%を超えると多尿、脱水を起こしますのでこれも「ペケ」です。

 
2015年の日本人の平均寿命は男性が80.79歳(世界第4位)、女性が87.05歳 (世界第2位)です。
寿命があと15年になるのは、女性はまあだいたい、70歳以上、男性は65歳以上です。それを超えたらHbA1c を7%以下にするなというのです。

 
そして何とACCORD試験では「高齢者でHbA1cを7%以下にする強化血糖コントロールを行なうと死亡率が増加する」ことが分かりました! よかれと思ってしたことで逆に命を縮めてしまったのです。

 
すなわち、
「男性は介護保険開始年齢の65歳からはHbA1cを7%以下にするな!」
「女性は70歳以上ではHbA1cを7%以下にするな!」
です。

 
総説「高齢者の2型DMの血糖コントロール」 の中に症例提示があります。
85歳女性、認知症で高齢者施設入所中のDM患者です。メトホルミン、SU薬、DPP-4阻害薬、チアゾリジンを処方されてHbA1c 7.1%になっています。
しかしこの総説によると、85歳でHbA1c 7.1%は低過ぎで、7.5%以上にせよというのです。
眠剤に限らず老人で4~5種類以上の多薬剤投与(polypharmacy)は転倒リスクになりますので薬剤を極力減らせとのことです。

 
SU薬と違いメトホルミンなら低血糖を起こしませんから、私は今まで高齢者のHbA1cが6%代だったら、「まあいいんじゃないの」と思っていたのですが、7.5%以上に上げるべきだというのです。
これにより薬の種類を減らせ転倒リスクも減ります。

 
まずチアゾリジンは体重増加、浮腫、心不全、骨粗鬆症リスクなど多彩な副作用があるので中止します。
そして、DPP-4阻害薬は薬価が高い割にはそれに見合った血糖降下作用が期待できないので、これも中止とします。
メトホルミンとSU薬は継続しますが、低血糖を起こすようならSU薬も中止してメトホルミンのみとせよというのです。

 
メトホルミンとSU薬はHbA1cを1~2%低下させます。
一方、DPP-4阻害薬のHbA1c低下は0.5~0.8%、SGLT2阻害薬は0.5~0.7%と両者とも薬価が高い割には血糖降下作用の費用効果が優れるわけではありません。
 

2. 2型DMの第一選択はメトホルミン、第二選択に何が妥当か不明

また、「 糖尿病・診断と治療の進歩」の総説で強調されているのは「2型DM治療の第一選択はあくまでもメトホルミンであり、決してSU薬やDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬などではない!!」という点です。

 
DMでメトホルミンの次の第二選択薬に何が妥当なのか現在、分かっていません!
現在、GRADE study (Glycemic Reduction Approaches in Diabetes)が進行中です。
この研究は、メトホルミンに追加して第二選択薬に何が妥当なのか、各種糖尿病治療薬を head-to-head(1対1のガチンコ対決)で比較する最初の研究です。
この結果が出るまで第二選択薬には不十分なevidenceしかないのです!!!

 
調べているのはグリメピリド (SU薬)、シタグリプチン (商品名ジャヌビア、グラクティブ、DPP-4阻害薬)、リラグリプチン(ビクトーザ、SGLT2阻害薬)、グラルギン (インスリンアナログ)の4つです。

 
繰り返しますが現在、RCTではっきりしているのは「2型DMの第一選択はメトホルミン、それに追加して第二選択に何が妥当かは分かっていない」ということだけです。

 
DPP-4阻害薬を第一選択に推奨する専門家もいらっしゃいますが、あくまでもそれは expert opinion (専門家の意見)です。
RCTで確認されていれば文句なく推奨レベルはAですが、expert opinion はエビデンス的には最低ランクの Eです。
臨床は決して理論通りにはいかないのです。

 
ただ注意すべきは、メトホルミンは第一選択ですが、クレアチニンが1.5mg/dL以上だと乳酸アシドーシスのリスクが出てきますので、そうした症例では避けます。また、造影剤使用時も一時中止です。


では最後に最重要点4つの怒涛の反復です!

2型DMの第一選択はメトホルミン。追加薬に何が妥当か不明

男性は65歳以上ではHbA1cを7%以下にするな!

女性は70歳以上ではHbA1cを7%以下にするな!

高齢者でHbA1cを7%以下にすると死亡率が上昇する


私的コメント

仲田和正先生はスペシャリティーは整形外科で、以前からケアネットTVや多くの著作で斯界では有名な方です。その方が糖尿病について語られているのはちょっとした驚きです。




<きょうの一枚の絵>


160905-002

「アルザス ワイン村 リクヴィル」油彩 50P

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アルコール使用障害で心血管疾患リスクが上昇

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201701/549780.html

アルコール使用障害により、心房細動、心筋梗塞、うっ血性心不全のリスクが高まることが、地域住民ベースの疫学研究から明らかになった。
アルコール使用障害によるリスク上昇の程度は、既に確立している他の危険因子と同程度だった。
(J Am Coll Cardiol誌 2017.1.3)


心血管疾患はいうまでもなく健康や生存にとって最大の脅威の1つであり、米国では死因の四分の一以上を占める。
その米国では1000万~1500万人がアルコール使用障害者であり、アルコール使用障害による様々な害が取り上げられてきたが、地域住民を対象としてアルコール使用障害の心血管への影響を調べた研究はこれまでになかった。

私的コメント
アルコール使用障害(乱用者 の定義についてはこの記事では知ることが出来ません。


この疫学研究では、Healthcare Cost and Utilization Projectデータベースを利用し、2005年1月1日から2009年12月31日までの間に、米カリフォルニア州の外来手術施設、救急科、入院施設を受診した21歳以上のカリフォルニア州住民を特定して解析対象とした。


Cox比例ハザードモデルを用い、アルコール使用障害と心房細動、心筋梗塞、うっ血性心不全との関連を調べた。
また、これらの疾患に対し、アルコール使用障害や他の危険因子の人口寄与危険割合(ある危険因子による疾患リスク上昇が集団全体の疾患リスクに占める割合)を算出して比較した。


解析対象とした1472万7591人のうち、アルコール使用障害者は26万8084人(1.8%)だった(1000人・年につき6.3事象)。


心房細動は、すでに罹患していた患者を除く1437万8483人のうち、35万8887人(2.5%)に発生した(1000人・年につき7.4事象)。
アルコール使用障害者の心房細動リスクは非使用障害者の2倍以上だった。
各危険因子のうち、アルコール使用障害は心房細動リスク上昇の程度が、CHFに次いで2番目に大きかった。

私的コメント
心房細動リスクの上昇は容易に想像が出来るところですが、CHFリスクの上昇は興味深いところです。


心筋梗塞は1428万6427人中15万7254人(1.1%)で診断された。
心筋梗塞のリスクもアルコール使用障害により有意に上昇していた。
アルコール使用障害による心筋梗塞リスクの上昇は、糖尿病や肥満による上昇と同程度だった。


うっ血性心不全は1404万3590人のうち41万1983人(2.9%)に発生した。
アルコール使用障害によるリスク上昇は2倍を超えており、高血圧や糖尿病などと同程度だった。


特定の危険因子の有無により対象者を二分し、アルコール使用障害の有無別に各心血管疾患のリスクを調べたところ、危険因子がない人の方がアルコール使用障害によるリスク上昇の程度が大きかった。

私的コメント
このロジックはアルコール使用障害は危険因子ではないということでしょうか。


各危険因子の人口寄与危険割合は、心房細動および心筋梗塞に対してはうっ血性心不全が最も高くうっ血性心不全に対しては高血圧が最も高かった
アルコール使用障害の人口寄与危険割合は、どの心血管疾患についてもうっ血性心不全や高血圧ほど高くはなかったが、肥満や喫煙などの矯正可能な他の危険因子と同程度だった。

私的コメント
各危険因子に他の危険因子がどの程度関与しているかという切り口は新鮮な気もしますが、正直少し混乱もします。

 

心筋梗塞については、軽度から中等度のアルコール摂取が有益としている観察研究もある。
これについて著者らは、今回の研究でアルコール使用障害により有意な心筋梗塞リスク上昇が示されたため、アルコール摂取量と心筋梗塞リスクとの関係はU字型になる可能性がある、とした。
また、軽度から中等度の飲酒者で見られた死亡率低下には、身体活動性や健康状態が交絡していたとする最近の解析結果を紹介。
中等度の飲酒に関するエビデンスに基づき「多ければなおよい」と推定することは、心筋梗塞リスクについては明らかに不適切だと述べている。


著者らは、今回のデータを米国の推定罹患率に外挿した場合、アルコール使用障害を根絶することにより、米国だけで心房細動患者は7万3000人、心筋梗塞患者は3万4000人、CHF患者は9万1000人減少することになると説明している。


Whitman IR, et al. Alcohol abuse and cardiac disease.
J Am Coll Cardiol. 2017;69:13-24.




<きょうの一枚の絵> 

160905-001

小林雅英 「レマン湖畔のヨットハーバー」 油彩 120F 

http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2016/09/post-353.html 

連日内服の生涯投与にサヨナラ? 高血圧ワクチンの安全性と有効性

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1102505514/

大阪大学大学院健康発達医学寄附講座教授の中神啓徳氏らは、アンジオテンシン(Ang)Ⅱに対する抗AngⅡ抗体を誘導して降圧作用を発揮するAngⅡワクチンを開発し、現在、臨床応用を目指している。
標的が内在性であるが故に安全性が懸念されたが、動物実験によりこの問題が払拭された。
連日内服での生涯投与が基本の高血圧治療が、年に数回の接種に置き換わるかもしれない。
同ワクチンの降圧・臓器保護効果について同氏は、第39回日本高血圧学会(2016.9.10 ~ 10.2)で解説した。


免疫寛容を解除して抗AngⅡ抗体を産生

今回開発されたAngⅡワクチンは、AngⅡのペプチドとペプチドを発現するDNAを用いた高血圧治療ワクチンである。
免疫寛容を解除し、生体内のAngⅡを抗原と認識して、ヘルパーT細胞を活性化させるために、キャリア蛋白(KLH)とアジュバント(自己免疫活性化)を同時に投与する手法を用いた。
すると主としてKLHによって活性化されたヘルパーT細胞がB細胞を活性化し、AngⅡに対する抗AngⅡ抗体を産生させるのがAngⅡペプチドワクチンの仕組みである。

私的コメント
本文中の図参照 


モデルマウスにAngⅡペプチドワクチンを2週間ごとに3回投与すると、抗体価が上昇し、数カ月後に低下する持続期間を示した。
抗体による降圧効果を確認するため、マウスにAngⅡを持続投与したモデルで検証した結果、血圧が用量依存的に低下。
またAngⅡによって誘導された心筋細胞の肥大と線維化は、ワクチン投与によって抑制されることが確認された。
また同氏らは、キャリア蛋白としてHBcを用いてアジュバント効果を高めたDNAワクチンについても、免疫寛容を解除して抗AngⅡ抗体を産生することを確認している。

 
感染症や子宮頸がんなどのワクチンとは異なり、AngⅡワクチンの標的は内在性の蛋白であるため、自己免疫疾患を惹起させる可能性が懸念されていた。
しかし、抗原であるAngⅡを投与してもT細胞の活性化を介した抗体価は上昇せず、追加免疫効果は見られなかった。
そのため、「いわゆる自己免疫疾患は回避できるのではないか」と考察した。


脳・心保護効果を確認

さらにAngⅡワクチンによる臓器保護作用に関しては、東京大学、東京医科歯科大学との共同研究を展開しているという。

 
AngⅡワクチンを投与したラットで心筋梗塞(MI)モデルを作製し、心機能(心収縮能、左室収縮末期径)、心筋細胞の肥大および単球の浸潤などを評価した。
ワクチン群では、AngⅡ受容体拮抗薬(ARB)ロサルタンを投与したMIモデルラット群と同様に、ベヒクル群に比べていずれも有意に改善。
AngⅡワクチンは、MIモデルに対してもARBとほぼ同様の効果が得られることが分かった。

 
また、脳梗塞モデルSDラットにAngⅡワクチンを投与したところ、血中AngⅡ濃度と抗AngⅡ抗体は有意に相関した。
脳梗塞病変作製前には認められなかった脳内の抗AngⅡ抗体は、作製後6時間以降に確認された。脳内のAngⅡ濃度と抗体力価は相関関係を示すことから、脳梗塞後は血液脳関門(BBB)が破綻して抗体が関門を通過し、脳保護効果を発揮すると考えられた。

 
後、AngⅡワクチンの治験をベンチャー企業のアンジェスMGと共同で行うという。
寿命の延伸はペットにも見られ、イヌの心不全例が増えていることから、AngⅡワクチンはペット用医薬品としても開発が進められる予定である。




<高血圧ワクチン・関連サイト>

乳酸菌技術とのコラボで経口タイプの高血圧ワクチン開発へ

https://medical-tribune.co.jp/mtpronews/1204/1204043.html

大阪大学の研究成果を基に,遺伝子医薬の開発と実用化を目指すアンジェスMGは,韓国のBioLeaders Corporationと新たな高血圧治療用経口ワクチンの開発を目指し,共同研究開発契約に基本合意したことを2012年4月12日に発表した。

同社によると,共同開発するのは,同大学大学院臨床遺伝子治療学教授の森下竜一氏らのグループが開発したアンジオテンシンを標的とした世界初の高血圧DNAワクチンと,BioLeaders Corporationの乳酸菌をキャリアとする技術を融合させた高血圧治療用経口ワクチンだという。


「高血圧ワクチン」の治験開始へ 1回注射するだけで血圧を下げる効果が数年間持続か

https://news.nifty.com/article/item/neta/12180-474943/


一度の注射で数年の降圧効果! 高血圧用ワクチン開発中

http://no-shukketsu.com/antihypertensive_vaccines/


代表取締役並びに役員の異動に関するお知らせ

https://www.anges-mg.com/pdf.php?pdf=100492.pdf






<きょうの一曲> 

Somewhere Over The Rainbow - Stringspace String Quartet cover - made famous by Judy Garland

https://www.youtube.com/watch?v=jQM9cM_EpSI&index=40&list=PL10F75379CC07FBDB




きょうの一枚の絵> 
170104-001

マルク・シャガール「日没と二つの顔の鶏」グアッシュ・紙 56.79cm 1971年

http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2017/01/post-358.html





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新規アンチセンス阻害薬の第III相試験においてトリグリセリドが減少

http://www.carenet.com/medscape/cardiology/000343.html

2016年12月にAkcea Therapeuticsは、volanesorsenの第III相臨床試験であるCOMPASS試験において、主要評価項目である重症高トリグリセリド血症患者における平均トリグリセリド値の有意な減少を達成したと発表した

volanesorsenは、アポリポ蛋白C-IIIを標的とすることによって、トリグリセリド値を低下させることを目的としてデザインされたアンチセンス薬である。
AkceaはIonis Pharmaceuticals(カリフォルニア州、カールスバッド)の完全子会社であり、まれな代謝障害である家族性カイロミクロン血症症候群(FCS)および家族性部分型リポジストロフィーを治療する薬を開発している。


Akceaは公式文書において、75例の患者におけるvolanesorsenを用いた13週間の治療により、ベースラインからトリグリセリド値が平均71.2%減少したと述べた(p<0.0001)。
この値は、試験開始時に平均トリグリセリド値が1,261mg/dLであった患者における、869mg/dLの絶対的減少に相当する。

それに対して、プラセボ群の38例では0.9%の減少であった。


同社はまた、患者5例からなるFCSのサブセットにおいて、13週間の治療により、volanesorsen群のトリグリセリド値がベースラインから平均73%減少したと述べた。
この値は、試験開始時に平均トリグリセリド値が2,280mg/dLであった患者における、1,511mg/dLの絶対的減少に相当する。

それに対して、プラセボ群の2例では平均70%の増加であった。


治療の効果は26週の試験期間中、両疾患群で持続した。

volanesorsen群の大部分(82%)で13週間後にトリグリセリド値が500mg/dL未満となったのに比べ、プラセボ群では14%であった(p<0.0001)。


volanesorsen群において最もよくみられた有害事象は注射部位反応であり、これにより患者の13%が試験を中止した。
また、患者の7%がその他の重篤でない事象により試験を中止したが、試験期間中に死亡した患者はいなかった。血小板に関する重篤な有害事象の発生はなかった。


COMPASS試験は、第III相volanesorsen臨床試験プログラムにおける4つのグローバル臨床試験の1つである。
同社は2017年と2019年にも他の試験からデータを得る計画である。


英文記事

Triglycerides Fall in Phase 3 Trial of Novel Antisense Inhibitor

http://www.medscape.com/viewarticle/873454


<私的コメント>

HDL-Cの動向はどうだったのでしょうか。

 


<きょうの一曲> When I fall in love

"When I fall in love" - Blue Mitchell - HD

https://www.youtube.com/watch?v=9UMvT8F6zWw


Lovisa - When I Fall In Love

https://www.youtube.com/watch?v=UXTRdpqFV6g


The Carpenters "When I Fall in Love”

https://www.youtube.com/watch?v=2rXqo3wfxKs




<きょうの一枚の絵>
170119-001 

梅原龍三郎 「牡丹 マジョリカ壺」1975年 油彩15号F




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ADA、糖尿病の標準治療2017を発表 2型糖尿病治療、個別の薬剤費を一覧提示

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/dmns/report/201612/549484.html

米国糖尿病学会(ADA)は12月15日、米国における糖尿病治療ガイドラインと位置付けられる「Standards of Medical Care in Diabetes」の2017年版を発表した。
2017年版では、2016年にADAが発表した新しいガイドラインを反映するとともに、メンタルケア、医療へのアクセス、治療の個別化の推進、低血糖の監視などに重点を置いたという。
2型糖尿病の薬物治療に関しては、治療薬ごとの薬剤費を一覧表で提示した。
ADAのウェブサイトからダウンロードできる。


2型糖尿病の薬物療法に関しては、新たに2つの勧告が加えられた。
1つはメトホルミン長期投与時のビタミンB12(VB12)欠乏に関するもの。
ライフスタイル改善またはメトホルミン投与が糖尿病発症予防に有効であることを示したDPP試験の延長試験「DPPOS」の解析結果を踏まえ、「メトホルミン長期投与患者、特に貧血や末梢神経障害を合併している患者では、定期的なVB12の測定を考慮すべき」とした。


もう1つは、罹病期間が長くコントロール不良で動脈硬化性疾患の既往を持つ患者に対しては、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンまたはGLP-1受容体作動薬リラグルチドの投与を検討すべきというもの。
エンパグリフロジンを被験薬としたEMPA-REG OUTCOME試験およびリラグルチドを被験薬としたLEADER試験から、標準治療にこれらの薬剤を上乗せすることで、心血管死亡および総死亡の有意なリスク減少が示されたためだ。
ただし、この2剤で認められた効果が他の同系薬でも期待できるか、また心血管リスクが低い患者でも期待できるかについては、まだ不明としている。


基本的な薬剤選択の考え方は変わっていない。
第1選択はメトホルミンで、3カ月間の治療でHbA1cが9%以上であれば、SU薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、インスリン(持効型)の中から選択しメトホルミンとの併用を考慮、それでも治療目標に達しない場合は3剤併用、さらには注射剤の併用と治療を強化する。


2016年版では、薬剤選択の基本方針を示すフローチャートとインスリン治療のフローチャートをそれぞれ別項で独立して解説していたが、2017年版では初期治療の項で両図とも引用、言及している。
これは、メトホルミン単剤による初期治療から強化インスリン療法やインスリンとGLP-1受容体作動薬との併用まで、薬物治療の連続性を強調する狙いがあるとみられる。


インスリン治療のフローチャートは、2017年版では「注射剤併用療法」とタイトルが変更され、インスリンとGLP-1受容体作動薬の併用がインスリンの持効型と速効型の併用などと同等に推奨されたほか、解説もより詳細になった。


また2017年版では、インスリン以外の糖尿病治療薬では毎月の薬剤費を、インスリン製剤では1000単位あたりの薬剤費を、薬剤ごとに一覧表で提示した。
インスリン治療では、持効型インスリンであるインスリングラルギンのバイオシミラー発売に言及。
さらに、インスリン治療のコストが近年高くなっているとして、治療の選択にあたり費用対効果も重要であるとした。


これ以外には、高血圧合併糖尿病患者に対する降圧薬として、2016年版ではACE阻害薬またはARBを第一選択としていたが、2017年版ではアルブミン尿が陰性であれば、ACE阻害薬、ARB、サイアザイド類似利尿薬、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬の4剤を同列で推奨した


<私的コメント>
催糖尿病作用のあるサイアザイド類似利尿薬がどうして第一選択になるのでしょうか。

 


 

<今朝の一曲>

Can't Get You Out of My Head - Stringspace String Quartet - Kylie Minogue cover

https://www.youtube.com/watch?v=e2Gq5GUvYW4&list=PL10F75379CC07FBDB&index=18



<きょうの一枚の絵>

E4BD90E4BCAFE7A590E4B889E3808CE6B1BDE888B9E3808D1927 

佐伯祐三 『汽船』

http://chinchiko.blog.so-net.ne.jp/2015-01-06




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off-pump CABG vs.on-pump CABG、5年後も有意差なし/NEJM

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/42888

off-pump冠動脈バイパス術(CABG)は、on-pump CABGと比較して5年後の死亡・脳卒中・心筋梗塞・腎不全・再血行再建術の複合アウトカムに差はなく、両手法の有効性や安全性が同等であることが示された。カナダ・マクマスター大学のAndre Lamy氏らが、CABG Off or On Pump Revascularization Study(CORONARY)試験の最終結果を報告した。CORONARY試験では、off-pump CABGとon-pump CABGとで、30日後および1年後のいずれも臨床アウトカム(死亡・脳卒中・心筋梗塞・腎不全)に有意差はないことが報告されていた。NEJM誌オンライン版2016年10月23日号掲載の報告。


19ヵ国79施設で約4,800例をoff-pump群とon-pump群に無作為化

 CORONARY試験は、2006年11月~2011年10月に19ヵ国79施設で単独CABGが予定されている患者4,752例を登録し、off-pump CABG(off-pump群:2,375例)とon-pump CABG(on-pump群:2,377例)を比較した大規模無作為化試験である。


 長期予後の主要評価項目は、死亡・非致死的脳卒中・非致死的心筋梗塞・透析を要する非致死的腎不全新規発症・再血行再建術(CABGまたは経皮的冠動脈インターベンション[PCI])の複合アウトカムで、intention-to-treat集団におけるCox回帰を用いたtime to event解析により評価が行われた。


5年後の複合アウトカム発生率やQOLは両群で有意差なし

 平均追跡期間4.8年において、複合アウトカム発生率はoff-pump群23.1%、on-pump群23.6%で、両群に有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.87~1.10、p=0.72)。


 再血行再建術の施行率はoff-pump群2.8%、on-pump群2.3%(HR:1.21、95%CI:0.85~1.73、p=0.29)で有意差はなく、このほかの複合アウトカムの各イベントの発生率も両群で有意差はなかった。


 また、副次評価項目である患者1人当たりの医療費も、群間差は認められなかった(off-pump群1万5,107ドル、on-pump群1万4,992ドル、群間差:115ドル、95%CI:-697~927ドル)。QOLも両群で差はなかった。


 著者は研究の限界として、医療費解析にCABG専用の備品(off-pumpの開創器または人工心肺回路)が含まれていないことや、QOL評価が任意であったことなどを挙げている。





CORONARY試験:冠動脈バイパス術後5年目成績はオフポンプとオンポンプでは同等(解説:大野 貴之 先生)

http://www.carenet.com/news/clear/journal/43168

オフポンプ冠動脈バイパス手術(CABG)は、人工心肺を使用した心停止下CABGと比較すると、熟達するまでの執刀経験は多く必要であることは否定できない。しかし、“心臓を動かしたまま”手術するといっても、スタビライザーを使用し、冠動脈末梢吻合部は静止した状態で吻合施行するので、慣れればそんなに難しい手技ではない。


 オンポンプCABGとオフポンプCABGを比較した最初のランダム試験は、2,203例を対象としたROOBY試験である1)。この試験では、執刀医の資格はオフポンプCABG経験数20例以上と少なく(平均50例)、レジデントも含まれていた。追跡期間1年で心臓死はオフポンプ群で有意に高値であった。これは、オフポンプ群の12.4%が術中オンポンプに移行(conversion)しており、平均吻合数もオンポンプ群と比較して少ないことから、オフポンプCABGの手技が未熟であったことが影響している。一方、CORONARY試験は4,752例を対象としたオンポンプCABGとオフポンプCABGを比較したランダム試験で、執刀医の資格はレジデント終了後2年以上かつオフポンプCABGを100例以上経験していることである。


 術後早期成績の報告では、輸血率、再開胸率、腎不全率および呼吸器合併症はオフポンプ群において低率であったが、再血行再建率はオフポンプ群ではやはり高率(0.7% vs.0.2%:p=0.01)であった2)


 2015年、Deppe氏らは51本のランダム試験を統合した1万6,904例のメタ解析でオフポンプCABGはオンポンプCABGと比較して、脳梗塞発症、腎機能障害、縦隔炎発症は低いが、グラフト不全、再血行再建術は高いと報告している。心筋梗塞、死亡に関しては有意差を認めなかった3)


 今回、CORONARY試験の追跡期間5年結果を報告した論文では、オフポンプ群とオンポンプ群で死亡・脳梗塞・心筋梗塞・腎不全・医療費、QOLは両群で同等であった。再血行再建術もオフポンプ群66例(2.8%)、オンポンプ群52例(2.3%)と同等であった。


 オフポンプCABGは、技術的に熟達するために多くの経験数は必要であるが、慣れればオンポンプCABGと同等に安全で有効な手術である。




<きょうの一曲>

In My Life - The Beatles - Stringspace - String Quartet cover

https://www.youtube.com/watch?v=2nClc-kbMoE



<きょうの一枚の絵>

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安井曾太郎    薔薇

http://www.polamuseum.or.jp/collection/002-0071/




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10年追跡もアスピリンにCV一次予防効果認めず

日本人糖尿病患者を対象としたJPAD2試験の結果

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/dmns/report/201611/549062.html

日本人2型糖尿病患者に対する低用量アスピリンの心血管一次予防効果を検討したJPADの延長試験である、JPAD2の結果がまとまった。ランダム割り付けしたJPADの期間と合わせた計10.3年の追跡でも、アスピリンによる心血管イベントの一次予防効果は認められなかった。
米国心臓協会学術集会(AHA2016、11.12~16、ニューオリンズ)で、奈良県立医科大学第一内科の斎藤能彦氏らが発表した。


JPADは心血管イベントの既往がない30~85歳の2型糖尿病患者2539例を対象に、低用量アスピリン(81~100mg/日)投与による心血管イベントの一次予防効果を検証した多施設共同前向きランダム化比較試験。
4.4年(中央値)の追跡で、主要評価項目である心突然死、致死的・非致死的冠動脈疾患、致死的・非致死的脳卒中、末梢血管疾患、大動脈解離の複合エンドポイントの発生は、アスピリン投与群で20%低下したが、有意な減少とはならなかった。


JPAD2では、JPADの追跡完了から最初の心血管イベントの発生または2015年7月まで、必要な場合以外はアスピリンの割り付けを変えずに、JPADと同じ複合心血管イベントをエンドポイントとして追跡した。
JPAD2の追跡完了症例は1621例だった。


JPADでアスピリン群に割り付けられた1262例中782例が追跡完了、480例が途中脱落し、延長期間中に270例がアスピリンを中止した。
また、非投与群に割り付けられた1277例中839例が追跡完了、438例が途中脱落し、延長期間中に109例がアスピリンを開始した。
そこで有効性はper-protocol解析とし、アスピリン群992例(1262-270)、非投与群1168例(1277-109)を対象とした。


両群の患者背景は、平均年齢64~65歳、男性比率54~57%、BMI 24、糖尿病罹病期間6.7~7.6年、血圧134-136/76-77mmHg、高血圧57~59%、脂質異常症52~55%、喫煙19~23%、HbA1c 7.4~7.5%などだった。
平均年齢、血圧値、喫煙率、HbA1cなどでは群間差を認め、アスピリン群の方がやや心血管リスクが高い集団となっていた。


JPADと合わせ10.3年(中央値)の追跡で、アスピリン群152例(15.2%)、非投与群166例(14.2%)に複合心血管イベントが発生した。
非投与群を基準としたアスピリン群のHRは1.14で、有意な群間差を認めなかった。


主要評価項目を構成する各イベントについても、有意なリスクの群間差は見られなかった。
多変量解析で心血管イベントの予測因子となる患者背景は、年齢(65歳以上)、HbA1c(7.2%以上)、男性、脂質異常症であり、アスピリン投与の有無は有意とならなかった。年齢、性、高血圧、脂質異常症、喫煙状況、HbA1c、腎機能などで層別しても、両群のリスクに差がない傾向は一貫していた。


intention-to-treat(ITT)解析でも、アスピリン群に有意なリスク減少は見られなかった。


ITT集団で両群の安全性を比較したところ、出血性脳卒中は同等だったが、消化管出血はアスピリン群1262例中25例(2.0%)、非投与群1277例中12例(0.9%)と、アスピリン群に多かった(P=0.03)。
この消化管出血リスクの有意なリスク上昇は、年齢、高血圧の合併、抗潰瘍薬併用の有無で調整後も残存した。
JPADでは消化管出血の有意な増加は観察されておらず、JPAD2で有意差が出たのは、アスピリン投与期間の長期化と登録患者の加齢が原因と見られる。


斎藤氏は「JPADから引き続く10年間の追跡でも、低用量アスピリンは心血管疾患の既往がない日本人糖尿病患者の心血管イベントリスクを減らさず、消化管出血は増加した」と結論した。
日本人糖尿病患者に対する、心血管疾患の一次予防を目的とした低用量アスピリンの投与は推奨されないとのことだ。



<きょうの一曲>

The Way You Look Tonight - Stringspace Guitar + Violin Duo

https://www.youtube.com/watch?v=vUzcT6kexl0




<きょうの一枚の絵> 

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若葉の頃

http://www.polamuseum.or.jp/collection/002-0070/

 


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遺伝子多型の情報でPCI後の抗血小板薬を選択

CYP2C19機能喪失型の患者へのクロピドグレル常用量は高リスク

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/dmns/report/201611/549065.html

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の抗血小板療法に際し、クロピドグレルを代謝活性化するCYP2C19遺伝子が機能喪失型の患者に同薬を常用量で投与した場合、この遺伝子多型の影響を受けない抗血小板薬を投与した場合に比べて複合心血管イベント(MACE)のリスクは2.2倍に上ったと、米フロリダ大学のLarisa H. Cavallari氏らが米国心臓協会学術集会(AHA2016、11.12~16、ニューオリンズ)で報告した。


クロピドグレルは薬物代謝酵素CYP2C19による代謝を受けて活性化される。
CYP2C19遺伝子には機能喪失型の多型が存在し、その多型を持つ患者では抗血小板作用が減弱して心血管イベントやステント血栓症のリスクが有意に上昇するとの報告もある。
だが、遺伝子多型の情報に基づいて抗血小板薬を選択すればリスク回避が可能かは、明らかではなかった。


そこで米フロリダ大学、バンダービルト大学、ノースカロライナ大学、メリーランド大学など中東部の9施設からなるNIH Implementing Genomics in Practice(IGNITE)のファーマコゲノミクスワーキンググループは、PCI後の抗血小板薬の選択をCYP2C19遺伝子多型の情報に基づいて行う戦略の有用性を検証する、前向きの多施設共同試験を行った。


試験ではPCI施行時にCYP2C19遺伝子の多型を調べ、機能喪失型であればプラスグレルやチカグレロルなど多型の影響を受けない抗血小板薬か、クロピドグレルの増量投与を推奨した。
機能喪失型でなければ、抗血小板薬の選択は自由とした。
主要評価項目は、PCIから12カ月後までの複合心血管イベント(MACE:死亡、心筋梗塞、脳卒中)の発生とした。


7施設から登録された1815例中572例(31.5%)が、機能喪失型と判定された。
内訳は、poor metabolizerが54例、intermediate metabolizerが518例だった。


572例中346例(60.5%)は、プラスグレル、チカグレロル、クロピドグレル増量のいずれかが選択された(LOF-ALT群)。
薬剤の内訳はプラスグレルが6割を超え、クロピドグレルを増量投与した患者はわずかだった。


一方、572例中226例(39.5%)は、通常量(75mg/日)のクロピドグレルが投与された(LOF-CLOP群)。
機能喪失型ではなかった1243例には、その84.5%で通常量のクロピドグレルが投与された(非LOF群)。


3群の患者背景は平均年齢61~64歳、男性比率66~71%、糖尿病32~41%、脳卒中7~16%、PCIの原因疾患は急性冠症候群65~69%、安定狭心症29~31%などだった。


MACEの累積発生率はLOF-CLOP群8.0%、LOF-ALT群4.6%、非LOF群6.0%で、LOF-ALT群に比べLOF-CLOP群では有意に高率だった(P=0.016)。
一方、LOF-ALT群と非LOF群の間には有意差はなかった。


Cox比例ハザードモデルでMACEの発生リスクを比較したところ、LOF-ALT群に比べLOF-CLOP群では、傾向スコアで調整したハザード比(HR)が2.21と、有意な上昇を認めた。
非LOF群に比べたLOF-ALT群のHRは0.81で、有意差はなかった。


本研究の限界としてCavallari氏は、ランダム割り付けした試験ではないこと、抗血小板薬の選択は最終的には医師の判断に任されていたこと、死亡も電子カルテ情報に基づいたことを挙げた。


その上で同氏は、「CYP2C19遺伝子が機能喪失型の場合はクロピドグレル常用量ではなくプラスグレルやチカグレロルなど同遺伝子多型の影響を受けない抗血小板薬を選択することで、PCI後の予後のさらなる改善が期待できる。遺伝子型の情報に基づいた抗血小板薬の選択は冠動脈疾患の実臨床でも有用と考えられる」と結論した。現在、参加施設を増やし、得られた仮説の検証を進めているという。


<きょうの一曲>

ウィーンの街角-ポルカ・マズルカ「とんぼ」-

https://www.youtube.com/watch?v=gbs8iGoXCgI



<きょうの一枚の絵>

20
 鈴木信太郎・春の瀬戸内海 1969年 



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【新薬】チカグレロル(ブリリンタ) 

速やかに効果が発現・消失する新規抗血小板薬

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201701/549753.html

2016年11月18日、抗血小板薬チカグレロル(商品名ブリリンタ錠60mg、同錠90mg)が薬価収載された。
本薬は、9月28日に製造販売が承認されている。
適応および用法用量は、規格によって以下の2種類に分けられる。


ブリリンタ錠60mg

リスク因子を1つ以上有する陳旧性心筋梗塞のうち、アテローム血栓症の発症リスクが特に高い場合。

1回60mg、1日2回投与する。

リスク因子; 

65歳以上、薬物療法を必要とする糖尿病、2回以上の心筋梗塞の既往、血管影で確認された多枝病変を有する冠動脈疾患、または末期でない慢性の腎機能障害

ブリリンタ錠90mg

経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)。ただしアスピリンを含む抗血小板薬2剤併用療法が適切である場合で、アスピリンと併用する他の抗血小板薬の投与が困難な場合に限る。
初回用量として180mgを、2回目以降は維持用量として90mgを1日2回投与する。
 


なお、いずれの場合にも必ずアスピリンと併用する(維持用量として81~100mg/日)。
使用に際しては、規格により適応が異なること、90mg錠では併用療法が副作用などで困難な場合にのみ考慮することに十分注意しておかなければならない。
また、イトラコナゾール(イトリゾール他)などの強いCYP3A阻害薬、リファンピシン(リファジン他)などの強いCYP3A誘導薬との併用は、チカグレロルの血中濃度に影響を及ぼすので禁忌となっている。

PCI施行後の再梗塞予防において、国内外のガイドラインでは抗血小板療法が推奨されているが、単剤のみの治療では心血管イベントを更に増加させることが報告されている。
このことから、近年ではクロピドグレル(プラビックス)などのチエノピリジン系抗血小板薬とアスピリンを投与する2剤抗血小板療法(DAPT)が行われている。

チカグレロルは、シクロペンチルトリアゾロピリミジン群に分類される新規化合物であり、チエノピリジン系薬剤と同様に血小板のアデノシン二リン酸(ADP)受容体(P2Y12受容体)に対して選択的、直接的な阻害作用を有し、ADPによる血小板凝集を抑制する。

チカグレロルによるP2Y12受容体阻害は、既存のチエノピリジン系P2Y12受容体阻害薬とは異なり可逆的であるため、投与終了後には速やかに作用が消失する特徴がある。
また、肝臓での代謝活性化を必要とせずに作用が発現し、投与後早期に血小板凝集阻害作用が得られる。
血小板凝集抑制作用による出血等を防ぐため、既存の薬剤では手術前に10~14日以上の休薬が必要であったが、チカグレロルでは血小板凝集抑制作用の消失が早いことから手術前5日以上の休薬となっている。

3つの臨床試験[急性冠症候群患者を対象とした国際共同第3相臨床試験(PLATO試験)、日本を含むアジア人を対象としたアジア共同第3相臨床試験、心筋梗塞の既往を有する患者を対象とした国際共同第3相臨床試験(PEGASUS試験)]において、アスピリンとの併用療法による有効性と安全性が確認されている。海外では、2010年12月の欧州(英国)、2011年7月の米国をはじめとして、2016年9月までで世界100の国および地域で承認されている。

国内外の臨床試験では、副作用として出血傾向(皮下出血、内出血の増加など)、呼吸困難、高尿酸血症などが認められており、重大な副作用は出血(頭蓋内出血、消化器系出血など)、アナフィラキシー、血管浮腫が報告されている。



<きょうの一曲>

バラキレフ :  邦題が登録されていない場合は原題を表示 東洋風幻想曲「イスラメイ」

Berezovsky plays Islamey

https://www.youtube.com/watch?v=O5raMK4Z9co


Vladimir Horowitz plays Balakirev´s Islamey (audio only)

https://www.youtube.com/watch?v=yJAHIE272Wo


Pogorelich plays Islamey

https://www.youtube.com/watch?v=cepieLOSu24


コーカサス地方への旅行中、トルコ・イスラム系諸民族の民俗音楽に接したバラキレフは、その音楽をもとに作曲を行った。その一つが《イスラメイ》である。

《イスラメイ》は名ピアニスト、ハンス・フォン・ビューローが、「あらゆるピアノ曲の中で一番難しい」と言ったとされるほど技巧的に難易度が高い。

民俗舞曲で8分の6拍子風のリズムで、速いテンポをもつ。 


<きょうの一枚の絵>

161027-005 

福島唯史「サン・クルーのパドック」油彩50P

http://www.nichido-garo.co.jp/exhibition/2016/11/-gris-chic.html 


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健康的な生活習慣で遺伝的冠動脈リスクはある程度打ち消せる

新たな研究によると、冠動脈イベントの遺伝的リスクが高かったとしても、健康的な生活習慣を順守することにより、冠動脈疾患リスクを劇的に減少させられるとのことだ。


「少なくとも心臓発作に関しては、DNAによって運命が決まるということはない」と、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(ボストン)のSekar Kathiresan氏が語った。
「たとえ遺伝的リスクが高くとも、健康的な生活習慣を順守することによって、そのリスクの一部をコントロールすることが可能である」。


「遺伝的リスクが高く、かつ望ましくない生活習慣である場合、本研究における心臓発作の10年リスクは約11%であった」。
「しかし、遺伝的リスクが高くても、望ましい生活習慣である場合には、10年リスクはわずか5%であり、このことは、健康的な生活習慣の順守によって遺伝的リスクを50%以上も相殺しうることを示唆している」。


彼らは、3件の前向きコホート(Atherosclerosis Risk in Communities、Women's Genome Health Study、Malmo Diet and Cancer Study)および横断的コホート(BioImage Study)における6万例近い参加者の、冠動脈疾患の遺伝的リスクを定量化した。


また、現在喫煙習慣がないこと、肥満がないこと、定期的な身体活動、健康的な食事の4つの因子に基づく生活習慣スコアを作成した。
参加者がこれらの因子のうち3つ以上を有する場合は望ましい生活習慣、2つの場合は中間的な生活習慣、0~1つの場合は望ましくない生活習慣に分類した。


「初回評価から、これら6万例を、遺伝的高リスク、中等度リスク、低リスクのカテゴリーに分類し、同時に生活習慣についても、望ましい生活習慣、中間的な生活習慣、望ましくない生活習慣のカテゴリーに分類した」
 

本結果は、2016年12月15日付の New England Journal of Medicine誌に掲載された。

遺伝的リスクが最高であった群における冠動脈イベント発生の相対リスクは、遺伝的リスク最低群と比べ、91%高いことが研究者らにより見いだされた。

しかしながら、現在喫煙習慣がない、肥満がない、定期的な身体活動、健康的な食事といった健康的な生活習慣の各因子は、冠動脈イベントのリスク減少と関連することも明らかになった。

生活習慣因子は、それぞれの遺伝的リスクカテゴリーにおいて、冠動脈イベントの強力な予測因子となることが見いだされ、望ましい生活習慣は、望ましくない生活習慣と比較し、低遺伝的リスク群では45%、中等度遺伝的リスク群では47%、高遺伝的リスク群では46%の相対リスク低下と関連した。


「(心臓発作の)強力な家族歴を有する多くの患者は、コントロール不能な問題を有する運命にあると感じている。われわれのデータは、家族性リスクが高い場合であっても、自身の健康状態はコントロールできるのだと患者に安心感を与えるものであると私は考える」
「これは、遺伝的リスクが高い人々にとっても生活習慣は依然として大事な要素であるという、良い公衆衛生的メッセージである」。


これとは対照的な例として、「たまたま良い遺伝子を受け継いでいる場合、悪い生活習慣がそれを相殺するのだろうか? 実はそうであるということをわれわれは発見した。良好な遺伝子で悪い生活習慣であった場合の心臓発作の発生率も、また5%であった」。


「この研究における新規性は、生活習慣と遺伝的特徴の相互関係を調査したことだ。われわれの研究の独自性としては、これら2点の相互作用を調査した点である」と要約した。


英文記事

Healthy Lifestyle Can Partly Counter Genetic Coronary Risk

http://www.medscape.com/viewarticle/873253



<きょうの一曲>

Helene Fischer & Peter Maffay “Du"

https://www.youtube.com/watch?v=y8KP_sMgZsU




<きょうの一枚の絵>

shinryoku

服部譲司 「安曇野夏ぐれ」油彩P8号
http://www.ichimainoe.co.jp/gallery/20120501.html

 


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左冠動脈主幹部はCABGが好成績

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0112506138/

左冠動脈主幹部(LMT)病変に対する長期治療成績は、冠動脈バイパス術(CABG)が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)より優れていることを示す試験結果が、国際共同研究グループによりLancet(2016; 388: 2743-2752)に発表された。

 
LMT病変の標準的血行再建術はCABGだが、近年はPCIの施行が増加している。
同グループは、LMT病変に対する治療法として薬剤溶出ステント(DES)を用いたPCIがCABGに非劣性であるかどうかを検討する多施設非盲検下ランダム化比較試験を実施した。

 
対象は安定狭心症、不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞(MI)患者の計1,201例。CABG群とPCI群に1:1でランダムに割り付け、主要評価項目は全死亡、手技に関連しないMI、冠動脈血行再建術の再施行と脳卒中を複合した主要心脳血管イベント(MACCE)とした。
PCIのCABGに対する非劣性は、5年間の追跡でハザード比(HR)の95%CI上限値が1.35を超えないこととした。

 
解析対象は1,184例(各群592例)であった。
その結果、Kaplan-Meier法による5年間の推定MACCE発生率はPCI群が29%、CABG群が19%で、HR 1.48(95%CI 1.11~1.96)とPCIの非劣性は認められず、結果としてCABGがPCIより有意に優れていることが示された(P=0.0066)。

 
両群の5年推定全死亡率と脳卒中発症率に有意差はなかったが、PCI群はCABG群と比べ手技に関連しないMI発症率(7%対2%、HR 2.88、95%CI 1.40~5.90、P=0.0040)と、冠動脈血行再建術の再施行率(16%対10%、同1.50、1.04~2.17、P=0.032)が有意に高かった。




<きょうの一曲>

Johann Strauss - Morgenblätter

https://www.youtube.com/watch?v=T8K3tnzcF0Q




<きょうの一枚の絵> 
azuminoharumeku_f100

服部譲司「安曇野春めく」 F100号                   

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AF患者への適切な抗凝固療法は6割のみ  AHA 2016で米実態調査を報告

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1128505726/

(MT2016.11.28)

直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)の導入により抗凝固療法は大きく進歩し、脳梗塞発症リスクを予測するCHA2DS2-VAScスコアなどの簡便なリスク評価ツールの開発も進められている。
一方で、実臨床では適切な抗凝固療法が行われているケースは依然として低いとの指摘がある。
そこで、米国の研究グループは、実臨床における心房細動(AF)患者に対する抗凝固薬の適正使用の実態について診療記録を基に後ろ向きに検討。
その結果、AF患者への適切な抗凝固療法が行われていたのは6割のみであったことが分かった。
米国心臓協会年次集会(AHA 2016.11.12~16.、ニューオリンズ)


1,200例の診療記録を後ろ向きに解析

2012~15年に米国イリノイ州北東部の地域病院で治療を受けたAF患者1,200例の診療記録をランダムに抽出し、後ろ向きに解析した。

 
ベースライン時の患者背景は、平均年齢が78.3歳、男性の割合が49.3%。
AFについては、初発AFが12.8%、発作性AF (PAF)が37.0%、永続性AFが47.1%、分類不明が8.1%であった。
患者の多くが高血圧(86.1%)、冠動脈疾患(CAD)(37.2%)、慢性心不全(CHF)(31.3%)、糖尿病(30.0%)など、なんらかの併存疾患を有していた。
なお、18歳以下およびAF以外の治療を受けていた患者は除外した。

解析した結果、過去にAFの診断を受けた患者は78.2%、平均在院日数は5.5日であった。


脳梗塞発症リスクスコアの記録率は15%以下

CHA2DS2-VAScスコアが記録されていたのは1,200例中174例(14.5%)にとどまった。
抗凝固療法が行われなかった患者のうち、明確な理由が記録されていたのは20.4%のみであった。
主な理由は転倒(9.2%)、消化管出血(8.2%)、悪性腫瘍(6.0%)、頭蓋内出血(2.3%)であった。

 
治療内容を精査した結果、適切な治療が行われていたのは716例(59.7%)であった。
CHA
2DS2-VAScスコアが記録されていなかった患者についてもリスク因子に基づくサブセット解析により同スコアを算出した結果、抗凝固療法を要すると判断された患者のうち225例(18.8%)では抗凝固薬の投与が開始されていなかった。
14例(1.2%)は治療を拒否した。CHA
2DS2-VAScスコアと治療選択の間には、正の有意な相関が認められた(P<0.001)。

 
CHA
2DS2-VAScスコアの記録率には有意P=0.003)経時的変化が認められたが、適切な治療を受けた患者の割合には有意な経時的変化は認められなかった。

 
これらの結果を受け、研究グループ代表は「CHA
2DS2-VAScスコアのようなシンプルで、簡便なリスク評価ツールがあるにもかかわらず、DOACによる適切な抗凝固療法を受けているAF患者の割合は依然として低いのが実情である」と指摘。
抗凝固薬の適正使用率を向上させ、適切なアセスメントや抗凝固療法につなげるための方策の必要性を強調した。





<きょうの一曲>

Mein Lebenslauf ist Lieb und Lust - Neujahrskonzert / New Year's Concert 2011 Vienna HD

https://www.youtube.com/watch?v=k-LzTGjg8TM







<きょうの一枚の絵>
08_hattori

服部譲司「朝陽上高地」油彩P10号

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新機序の「PCSK9合成阻害薬」有効性確認 年2回投与も視野に、第Ⅱ相試験の中間解析結果

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1024505053/?adlpo_rcc=1

(MT 2016.10.24)

米・The Medicines Companyは10月18日、新規クラスの脂質低下薬であるPCSK9合成阻害薬(PCSK9si、またはALN-PCSsc)の第Ⅱ相試験として進行中のORION-1試験において、有効性と安全性が確認されたとする中間解析の結果を同社の公式サイトで発表した。PCSK9siはRNA干渉という新たなメカニズムに基づく皮下注射製剤。
同社は「年2~3回の投与でも強力かつ持続的なLDL-C低下作用が期待できる」としている。
今回発表されたのは90日間の追跡結果だが、今年11月に米ニューオーリンズで開催される米国心臓協会学術集会(AHA 2016)では180日間の追跡結果が発表されるという。
 

第Ⅰ相試験では最大83.0%のLDL-C低下示す

PCSK9siはPCSK9に結合して作用を阻害するエボロクマブやアリロクマブといった抗PCSK9抗体とは異なり、RNA干渉 (RNA interference ; RNAi)という新たなメカニズムに基づき、肝細胞で直接PCSK9の合成を阻害する。
同薬の第Ⅰ相試験の単回投与用量漸増試験では同薬(25,100,300,500,800mg)の投与によりLDL-Cが最大で78.1%低下し、投与から180日後も最大で53%のLDL-C低下が示されたという。
また、同試験の複数回投与試験では、最大で83.0%のLDL-C低下が確認されたとしている。

 
今回報告されたのは、ORION-1試験の90日間の追跡データに基づく中間解析結果だ。
同試験は動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)または糖尿病や家族性高コレステロール血症などの心血管危険因子を有し、従来治療ではLDL-Cの低下が不十分な患者501例を対象としたプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験で、さまざまな用量および投与回数(年1~3回)で有効性と安全性が検証された。

 
同社は同試験の具体的な成績については明らかにしていないが、「第Ⅰ相試験の成績と一致した有意かつ持続的なLDL-Cの低下が認められた」と説明。
また、「治療薬に関連した肝機能マーカーの異常や神経障害、腎機能低下といった安全性における問題も認められなかった。注射部位反応の頻度も低く、発生したとしても軽度~中等度の反応で、短時間で消失した」としている。

 
なお、今年のAHAのLate breaking trial sessionでは、同試験に登録された200例を対象に180日間追跡した解析結果が報告されるという。
 

RNA干渉(RNAi):標的蛋白の遺伝子と相補的な塩基配列を持つ低分子の二本鎖RNA(small interfering RNA; siRNA)を細胞内に導入すると,mRNAが特異的に切断され,標的蛋白の合成が阻害される現象。



<きょうの一曲> 

Johann Strauss - Viennese Spirit (Viennese Blood - Wiener Blut)

https://www.youtube.com/watch?v=V1vk3LcOsc4



<きょうの一枚の絵> 


08_kobayashi

小林正二「初夏の三ツ峠山」油彩4号

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冠動脈疾患患者ではIGTの段階からプラーク脆弱性が高まる

http://www.carenet.com/news/general/hdnj/43202

耐糖能異常(IGT)を伴う冠動脈疾患(CAD)患者では、耐糖能が正常な場合に比べて冠動脈プラークの容積が大きく、その脆弱性は糖尿病患者と同程度であることが、日本医科大学循環器内科の研究グループの検討でわかった。
CAD患者では
IGTの段階から心血管イベントリスクが高まっている可能性があるという。


IGT患者は心血管イベントリスクが高く、予後が不良だとされている。
研究グループは今回、CAD患者を正常耐糖能(NGT)、IGT、糖尿病の3群に分けて、冠動脈プラークの性状を光干渉断層法(optical coherence tomography;OCT)を用いて評価し、比較検討した。


対象は、2013~2014年に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行したCAD患者101人(平均年齢67.9歳、約8割が男性)。
75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の結果により、対象患者をNGT群(27人)、IGT群(30人)、糖尿病群(44人)の3群に分けた。
PCI施行中に、治療標的血管と治療部位以外の血管(non-target vessels)にOCTを実施し、冠動脈プラークの性状を評価した。なお、
IGTはOGTT2時間値が140~200mg/dL未満と定義した。


その結果、対象患者全体では、治療部位以外の血管における残存プラークは136カ所が確認され、このうち72カ所には脂質コア(NGT群が16カ所、IGT群および糖尿病群はそれぞれ28カ所)が認められた。


脂質コアを含むプラークに絞って解析した結果、脂質性プラークの平均角度(脂質スコアのサイズ)は、NGT群に比べてIGT群および糖尿病群で有意に大きかった(P<0.05)。
また、脂質コアを被う線維性被膜(fibrous cap)の厚さは、NGT群に比べてIGT群で有意に薄いこともわかった(P=0.040)。


英文
Plaque Characteristics in Coronary Artery Disease Patients with Impaired Glucose Tolerance.

K Suzuki,et al.

PloS one. 2016;11(12);e0167645. doi: 10.1371/journal.pone.0167645.


私的コメント
NGT群、IGT群、糖尿病群の3つ群間で血圧値、脂質直などに差はなかったのでしょうか。


 

<きょうの一曲>

New Year's Concert 2017 Vienna Philharmonic - Gustavo Dudamel (HD ZDF Broadcast)

https://www.youtube.com/watch?v=8hK1ryq-iZU


<きょうの枚の絵>

08_himeno

姫野裕一「白馬夕景」油彩P8号

http://www.ichimainoe.co.jp/cover/1608.html 







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"あべこべ" になった食事療法の今後

時代の変化を問うInterviewee | 北里研究所病院糖尿病センター長 山田 悟氏

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0106506114/

この10年で臨床栄養学の領域では多くの研究成果が蓄積され、公的指針も改訂を重ねた。山田悟氏は、この間の変化を"あべこべ"になったと形容する。"あべこべ"とはカロリー(エネルギー)制限食あるいは脂質制限食が標準的食事療法の地位から転落する一方、糖質制限食が健康的な食事の1つとして認知されるようになった米国の状況を意味する。
(カロリー制限と脂質制限は別の概念だが、カロリー制限食においては通常、脂質を中心に総カロリーの摂取制限が行われるので、ここでは両者を「カロリー制限食」でまとめる)


日米で脂質摂取制限が見直し

――この10年の臨床栄養学の変化をどう見るか。

2015年に米国保健福祉省と米国農務省が食事療法のガイドラインを発表しているが、それに対する論評では、同ガイドラインにより40年来の米国の栄養政策が"reverse"されたとしている。
公的指針の改訂では"revise"などがよく用いられるが、"reverse"は珍しい。"reverse"とはゲームのリバーシ(オセロ)からの連想で分かるように、白黒が逆転する状況を意味する。"あべこべ"になったのである。

 
1980年以来、米国はカロリー制限食を推奨してきたが、2015年版ガイドラインでは脂質の摂取量を制限しても心血管疾患のリスクが減らないことを明言。
脂質摂取量に関する制限が撤廃された。
同じ年に改訂された厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、脂質の摂取制限が25%から30%に緩和され、コレステロール摂取制限は撤廃された。
日本動脈硬化学会もこのコレステロールの指針について、健常者においては賛同している(高LDLコレステロール患者には当てはまらないとしている)。

 
一方、米国では糖質制限食への評価が高まっている。
米国糖尿病学会(ADA)の食事療法に関する勧告を見ても、2006年には「糖質制限食は推奨されない」だったが、2008年には肥満治療の選択肢の1つに格上げした。
ただし、この時は腎機能、脂質プロファイルのモニターを課していたが、2013年にはそうした記載もなくなり、各種食事療法が糖尿病治療食として受容可能とされた。


8年までの安全性・有効性は証明

――糖質制限食の評価を高める根拠となったエビデンスは。

2007~08年に発表された、肥満者を対象とする2件のランダム化比較試験(RCT)がきっかけだ。
AtoZ試験では1年の介入により、糖質制限食がカロリー制限食などに比べ減量に有効であることが示された。
DIRECT試験では2年の介入により、糖質制限食は地中海食とともに、カロリー制限食よりも減量効果、トリグリセライドやHDL-Cなどの脂質改善効果が高いことが判明した。
HbA1cの改善は糖質制限食が最も優れていた。
介入解除後4年の追跡研究(計6年の追跡)でも、糖質制限食のカロリー制限食に対する優位性は維持されていた。

 
2型糖尿病への介入としては、カロリー制限食と糖質制限かつ地中海食の2群を比較した介入期間4年のRCTがある。
後者は前者よりHbA1c改善効果が優れていたが、その効果は介入解除後4年でも維持されていた。
糖質制限食の有効性・安全性は8年までは証明されたことになる。

 
日本のエビデンスとしては、観察研究ではNIPPON DATA80の解析研究が代表的だ。
1万人を29年追跡し、糖質の摂取量が少ない群で死亡率が低いという結果だった。
介入試験はわれわれ、順天堂大学のグループが2型糖尿病を対象にそれぞれRCTを行っている。介入期間は数カ月だが、糖質制限食はカロリー制限食に比べ血糖改善効果が優れていた。


70~130g/日の糖質を推奨

――推奨する糖質制限食は。

 糖質摂取量1食20~40g、間食10g、1日70~130gを緩やかな糖質制限食「ロカボ」として推奨している。DIRECT試験で採用された食事(1日120g未満)に近い。カロリー制限食のように煩雑なカロリー計算を行わなくて済み、糖質以外の食事制限はないので、継続しやすいと考えているが患者次第だ。食事療法によってQOLが著しく低下するようではいけない。指導は一律70~130gだが、その患者なりの糖質制限が実践できればよいと考えている。それで血糖コントロール不良なら、薬物療法を併用する。

――より厳格なケトン体産生レベルの糖質制限食(1日50g未満)については。

 ケトン産生食はてんかん治療食として古くから実践されている。がんや認知症の治療食としても期待が大きくなっているようであり、メリットを享受できる患者がいると確信する。ただし、幅広い患者に無条件に推奨することは現時点では賛同できない。国際スタディグループが推奨するように(Epilepsia 2009; 50: 304-317)、カルシウムやビタミンDのサプリメント服用、尿アルカリ化の促進、アシルカルニチンなどのモニタリングが必要かもしれないからである。


――糖質制限食以外に糖尿病患者などに適する食事療法はないのか。

地中海食やDASH食も優れた食事療法だと思う。
ただし、大量のオリーブオイルは現在の日本人の味覚に適さないことがある。
ごま油の代用など日本人向けのメニューを考える必要があるだろう。


カロリー制限食こそ安全か

――糖質制限食の安全性を疑問視する研究もあるが。

そのような研究は欧米人を対象とした観察研究か動物実験にしか存在しない。
例えば、能登洋氏らが欧米の観察研究9件・計27万人のメタ解析を行い、糖質制限により死亡リスクが上昇するとしている。
NIPPON DATA80と真逆の結果で解釈に困るが、少なくとも日本人においてはNIPPON DATA80の結果を優先すべきだろう。

 
そもそも観察研究にはバイアスが付きもので、ADAは観察研究を基に食事療法のガイドラインを作成しないと明言しているほどだ。
食事療法の介入試験は、DIRECT試験でさえ1群100例程度だが、数万人を対象とした観察研究より信頼性が高いと考えられる。
 

――糖質制限食は長期的安全性が確立されていない、という批判には。

前述のように、8年までは糖質制限食の安全性を示した研究がある。
むしろ、カロリー制限食こそ長期的安全性が科学的に証明されていない。
日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2016」では、身体活動量に応じた摂取カロリーを示しているが、専門家のコンセンサスにすぎず、身体活動量が少ない患者に標準体重1kg当たり25~30kcalのカロリー制限は相当に過酷だ。
低栄養やサルコペニアのリスクが懸念され、その安全性は検証されてすらいない。

 
また、カロリー制限食の減量に対する有効性は証明されているが、血糖改善のエビデンスは乏しく、長期罹病糖尿病患者に対しては無効かもしれない。糖尿病の食事療法としては糖質制限食の方が優れている。


――糖質制限食は糖尿病腎症などにも適応できるのか。

以前は糖尿病腎症への適応を懸念していた。それは蛋白制限食との両立が困難だからだ。
しかし、慢性腎臓病患者に対して蛋白制限食は末期腎不全を予防しないどころか、死亡率を上昇させることが分かった。
われわれの施設では、原則として糖尿病腎症への蛋白制限食を中止し、糖質制限食を解禁している。

 
1型糖尿病では、応用カーボカウントの知識を得た患者であれば問題なく適応できる。
SGLT2阻害薬服用者ではケトン体産生が必発となるが、EMPA-REG OUTCOME試験のサブ解析から、SGLT2阻害薬の臓器保護作用の機序はむしろケトン体にあるとの仮説が出てからは勧めている。


「糖質制限食の優位性を固めたい」

――今後の取り組みは。

 日本糖尿病学会などで、糖質制限食の是非が議論されるようになったのは、5年ほど前だ。ディベートなどの機会も増えてきた。学会の主流はカロリー制限食を支持する立場だが、糖質制限食への理解者も徐々に増えてきている。私にとって、これまではカロリー制限食の地位まで糖質制限食を高めることが目標だったが、2017年は糖質制限食の優位性を固める元年としたい。ガイドラインにそのことを明記することが目標だ。

 社会への浸透にも取り組みたい。私が2013年に立ち上げた食・楽・健康協会は「ロカボ」の普及を目指している。徐々にだが、賛同する企業、料理家、自治体が増えている。ガイドラインが変われば、「ロカボ」食の開発も一気に加速し、社会全体がその価値を享受しやすくなるだろう。



糖質制限食

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0106506135/

 糖質制限食の先駆者によると、その定義は1日糖質摂取量が、20~40g(Atkins氏)、130g未満(Bernstein氏)、50~150g(Westman氏)などとされている。Atkins dietの導入期はケトン体が産生されるレベルで「ケトン産生食」と呼ばれる。米国糖尿病学会(ADA)は、糖質由来カロリーが全摂取カロリーの40%未満、あるいは1日糖質摂取量130g未満の食事を糖質制限食としている。日本人の1日糖質摂取量は平均約300gである。

なお、糖類=単糖類+二糖類,糖質=糖類+多糖類+糖アルコール+合成甘味料、炭水化物=糖質+食物繊維の関係にある。





<きょうの一枚の絵>

imgrc0069555020

石垣定哉『風景』油絵・油彩画 P8

http://item.rakuten.co.jp/garou/10004779?scid=af_pc_etc&sc2id=280489893 




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「前糖尿病」状態と心血管障害の関連

http://www.carenet.com/news/clear/journal/43195


私的コメント

昨年 BMJ誌に掲載された

Association between prediabetes and risk of cardiovascular disease and all cause mortality: systematic review and meta-analysis.

Yuli Huang, et al.

BMJ (Clinical research ed.). 2016 Nov 23;355;i5953. doi: 10.1136/bmj.i5953.

に対する中納言クリニック (副院長J-CLEAR会員)員小川 大輔先生の解説です。 



参考

前糖尿病状態と心血管疾患リスク

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/67590408.html


前糖尿病状態と心血管障害の関連の有無についてはこれまで議論があったが、最近161万例もの前糖尿病状態を含む前向きコホート研究のメタ解析が行われ、前糖尿病状態は心血管疾患リスクの増加と関連することが報告された。


そもそも「前糖尿病状態」とはどういう状態であるのか、実のところその定義は曖昧である。
空腹時の高血糖、食後の高血糖、糖負荷試験の負荷後の高血糖、HbA1cの高値など、前糖尿病であると判断する状態には種々あり、必ずしもこれらがすべてそろうわけではない。
また、前糖尿病状態を「耐糖能異常」あるいは「境界型糖尿病」と別の用語で表現することもあるし、患者さんは「以前に糖尿病の『け』があると言われた」と表現したりもする。
さらに、糖尿病の診断は国や地域により診断基準が異なるため、どの診断基準を用いるかにより前糖尿病に判定されたり、正常型に判定されたりする。
そのためこの研究では、空腹時血糖は米国糖尿病学会とWHOの基準別に、HbA1cは米国糖尿病学会と英国立臨床評価研究所の基準別に分けて解析が行われている。


以前に、前糖尿病状態は心血管障害リスクを増加するという報告がある一方、増加しないという報告もあった
今回の研究では、前糖尿病状態は心血管疾患リスクを高めることが示されたが、問題点は平均9.5年の経過中に糖尿病を発症した症例を把握できていないことである。
この研究では、全症例のどの程度が糖尿病を発症したか特定できていないため、糖尿病症例が含まれて心血管障害リスクが高くなった可能性が否定できない。
また、米国糖尿病学会の空腹時血糖の基準による前糖尿病状態では総死亡、冠動脈疾患、脳卒中のリスクはそれぞれ1.13倍、1.10倍、1.06倍とそれほど顕著ではなく、糖尿病を発症せずに前糖尿病状態であり続けることで心血管イベントが本当に増加するかどうかは依然として不明である。


前糖尿病状態であると、わずかに心血管疾患のリスクが増加することが今回示されたが、それでただちにイベント抑制のために前糖尿病状態でも薬物療法を開始するかというと、そうはならない。
当然ながら前糖尿病状態では、食事や運動などの生活習慣の改善が最も重要である。
生活習慣の改善により、前糖尿病状態から正常な状態に戻ることは日常臨床でしばしば経験するところである。
また、過去に行われたDPP試験で、生活習慣強化介入群のほうが薬物療法介入群よりも糖尿病の発症をより強く抑制することが証明されている
3)

私的コメント
診断基準で完全に「糖尿病」 と診断されるケースで原因が判明して、「ごく簡単な」食事指導の結果正常化したケースを3例経験しました。
①入浴後のアイスクリームにはまっていた中年男性。原因がはっきりしたため
アイスクリームを中止させた。
②長野県から当地に引っ越ししてきたばかりの30代の女性。実家からリンゴが段ボール箱に送られて来たため毎日3〜4個毎食べていたことが判明。 話を聞くと知人もなく「お裾分け」する相手がいなかったとのこと。
③ 夏に1日3回、自販機の缶入りのアイスコーヒーを飲んでいた初老の男性。
 



<きょうの一曲>

Rachmaninoff: Piano Concerto no.2 op.18 - Anna Fedorova - Complete Live Concert - HD

https://www.youtube.com/watch?v=rEGOihjqO9w&t=5s


<きょうの一枚の絵>

takita 

滝田一雄「窓辺にて」水彩

http://www.ichimainoe.co.jp/cover/1104.html




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中等度リスク患者のTAVIの死亡率はSAVRよりも高い:GARYレジストリ

http://www.carenet.com/medscape/cardiology/000332.html

米国心臓協会(AHA)2016年学術集会で発表された研究によると、ドイツの手術リスク中等度の大動脈狭窄患者のレジストリにおいて、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)施行群の1年時の調整死亡率は、外科的大動脈弁置換術(SAVR)施行群に比べ有意に高かった。

それでもなお、「リアルワールドの状況では、患者は4%を下回る比較的低い院内死亡リスクでTAVIを受けることが可能である」と、Klinikum Ludwigshafen(ドイツ)のNicholas Werner氏はコメントしている。


Werner氏らは、2011年~2013年に89施設でTAVI(n=4,101)またはSAVR(n=1,896)を受けた患者約6,000例に関する、German Aortic Valveレジストリ(GARY)からのデータを解析した。
TAVI群はより高齢で、女性率が高く、またリスクスコアがより高かった。

TAVI手技実施の強力な予測因子には、高齢(81.8歳 vs.75.9歳)、心不全の既往、中等度~重度の弁逆流が含まれた。

TAVIの実績は、0%~100%と施設間でかなりの差があった。

未調整の1年時死亡率はTAVI群で16.6%、SAVR群で8.9%であった(p<0.001)。
傾向スコア解析後の死亡率は、TAVI群では15.5%、SAVR群では10.9%であり、群間差は4.6%であった(p=0.002)。

経大腿動脈アプローチのTAVIのみをSAVRと比較した場合、死亡率はそれぞれ14.3%および10.8%であった(p=0.021)。

「傾向スコア解析からの結果により、TAVI患者は外科手術を受けた患者と比べ、1年後の追跡調査時の死亡率が一貫して高かったことが示されるが、われわれが扱っているのは非常に異質な2集団である」とWerner氏は heartwireに述べた。
「データの解釈には非常に注意深くならねばならない。われわれの意見では、傾向スコア解析後も依然として維持されるこの差は、調整できないさらなる交絡因子が原因である可能性が最も高いだろう」。

Werner氏は、データの汎用性について確信が持てずにいると述べた。
「われわれはドイツにおいて非常に早くからTAVIプログラムを開始し、多くのTAVI手技を実施してきた。そのため、われわれのデータをほかの国にどのように適応できるかについては不明である」と同氏は警告した。

発表の討論者であるコロンビア大学(ニューヨーク)のCraig Smith氏は、「本試験の全体的なリスクは、とくに外科手術群においてPARTNER II試験の値よりも低かったため、比較は難しい。死亡率は両群ともに優れた低さであり、脳卒中の発生率はPARTNER II試験と同程度であった」。

本試験における脳卒中の発生率は、TAVI群では1.5%、SAVR群では1.3%であった。


実施施設に依存する影響が大きな交絡因子である可能性がある。
この点を調整するために実施したことの1つが傾向スコア解析であった。
今回使用された傾向スコア法は、その調整を試みるための最良の方法だったと考えられる。


英文記事

TAVI Mortality Higher vs SAVR in Intermediate-Risk Patients: GARY Registry

http://www.medscape.com/viewarticle/871863



<きょうの一枚の絵>


img_1

黒田保臣 「ユジノサハリンスク」 10号 
http://blogs.yahoo.co.jp/soraorimo/20823705.html



<きょうの一曲>

Bruch: Violin Concerto No. 1 - Akiko Suwanai

https://www.youtube.com/watch?v=f3Z3acOzvmo



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心血管領域の論文、今年のトップ10は

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1229506119/

(MT2016.12.29)

米国心臓協会(AHA)は12月22日、2016年に医学誌に掲載された研究論文の中から同学会が選んだ「心血管領域における研究の進歩に最も貢献した論文」のトップ10を発表した。
毎年、年末に発表されるトップ10だが、今年は例年のように順位付けはされていない。


■頭蓋内動脈狭窄への積極的内科治療、再発リスク高い患者の特徴は?

Factors Associated With Recurrent Ischemic Stroke in the Medical Group of the SAMMPRIS Trial(JAMA Neurol 2016; 73: 308-315), Michael F. Waters, et al.

頭蓋内主幹動脈の狭窄による一過性脳虚血発作(TIA)および脳卒中を発症した患者を対象に、血圧、脂質、血糖を薬物療法などにより厳格に管理する「積極的内科治療」と、頭蓋内動脈ステント治療による再発予防効果を比べたランダム化比較試験(RCT)、SAMMPRIS試験の事後解析。
同試験の主解析では、積極的内科治療群に比べて
頭蓋内動脈ステント治療群で脳卒中や死亡のリスクが有意に高いことが示されたが、積極的内科治療群でも一部の患者(15%)で脳卒中や死亡が発生していた

 
積極的内科治療を行ってもリスクが高い集団の特徴を明らかにするために実施された事後解析からは、「
ベースライン時に脳画像検査で狭窄動脈における陳旧性脳梗塞の所見あり」「試験登録時にスタチンを使用していない」などの因子が関連することが明らかにされた。
AHAは「一部の再発リスクが高い患者には、
内科治療以外の新たな治療が必要なことを示す研究結果」と紹介している。


女性の冠動脈疾患の治療向上につながる知見

Sex Differences in Nonculprit Coronary Plaque Microstructures on Frequency-Domain Optical Coherence Tomography in Acute Coronary Syndromes and Stable Coronary Artery Disease(Circ Cardiovasc Imaging 2016年8月10日オンライン版), Yu Kataoka, et al.

高解像度の画像が得られる光干渉断層診断法(OCT)を用いた研究で、冠動脈疾患患者のプラークの構造に性差があることが明らかになった。
男性に比べ女性では、責任病変だけでなく血管全体が脆弱な傾向にあったが、脂質やカルシウムの含まれる量は少ないことが示されたという。
AHAは、「こうした(冠動脈プラークの)性差について理解が深まることで、女性の冠動脈疾患の診断や治療を向上させられる可能性がある」としている。


高齢患者の大動脈弁置換術で選択肢広がる

Transcatheter or Surgical Aortic-Valve Replacement in Intermediate-Risk Patients(N Engl J Med 2016; 374: 1609-1620), Martin B. Leon, et al.

中等度リスクの重症大動脈弁狭窄症を有する高齢患者(平均82歳)約2,000例を対象に、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)または外科的大動脈弁置換術(SAVR)を実施したランダム化比較試験(RCT)、PARTNER 2試験の成績。
術後2年の全死亡および機能障害を伴う脳卒中のリスクは、TAVR群とSAVR群で同等だった。
これを受け、AHAは「高齢患者の大動脈弁置換術で選択肢が広がった」との見解を示している。


頸動脈狭窄へのより低侵襲な治療法、長期成績も良好

Long-Term Results of Stenting versus Endarterectomy for Carotid-Artery Stenosis(N Engl J Med 2016; 374: 1021-1031), Thomas G. Brott, et al.

無症候性の重度頸動脈狭窄患者(平均69歳)を対象に、頸動脈ステント留置術または頸動脈内膜剝離術を実施したCREST試験の長期追跡結果。
同試験では、主要評価項目(周術期の脳卒中、心筋梗塞、死亡および割り付け後4年間の同側脳卒中の複合)のリスクは両群で同等との結果が得られたが、さらに10年間追跡した結果からも、主要評価項目について両群間に有意差はないことが示された。
この長期追跡に基づく成績を踏まえ、AHAは「より侵襲性の低い治療であるステント留置術の妥当性が確認された」としている。
私的コメント
「無症候性の重度頸動脈狭窄患者」を内科的にフォローする選択肢はないのでしょうか。

 

心血管イベント予防には脂質低下療法と降圧療法を併用

Blood-Pressure and Cholesterol Lowering in Persons without Cardiovascular Disease(N Engl J Med 2016; 374:2032-2043), Salim Yusuf, et al.

Blood-Pressure Lowering in Intermediate-Risk Persons without Cardiovascular Disease(N Engl J Med 2016; 374:2009-2020), Eva M. Lonn, et al.

Cholesterol Lowering in Intermediate-Risk Persons without Cardiovascular Disease(N Engl J Med 2016; 374:2021-2031), Salim Yusuf, et al.

心血管疾患の既往がない中等度リスクの1万例超を対象に、脂質低下療法と降圧療法、さらにこれらの併用療法による心血管イベントの予防効果をプラセボと比較した3つの臨床試験(HOPE-3試験)。
これらの試験からは、心血管イベントのリスクを低減させるためには脂質低下療法と降圧療法を併用することが、それぞれを単独で行うよりも有効であることが示された。

 
また、降圧療法単独をプラセボと比べた試験では、降圧療法による有意な心血管イベントのリスク低下は認められなかった一方、脂質低下療法単独について検討した試験では、プラセボと比べ有意なリスク低下が示された。
後者の試験は対象者の約50%がアジア系、約28%がヒスパニックだったことから、AHAは「
アジア系およびヒスパニックの人種におけるスタチン治療の有益性を支持する、さらなるエビデンスが得られた」としている。


遺伝的リスク高くても生活習慣の是正でリスク半減

Genetic Risk, Adherence to a Healthy Lifestyle, and Coronary Disease(N Engl J Med 2016; 375:2349-2358), Amit V. Khera, et al.

禁煙や運動、健康的な食事などの生活習慣が心血管疾患リスクに関連することは知られているが、遺伝的に同リスクが高い人でも生活習慣の是正が重要であることを明らかにした研究。
4つの研究(ARIC
研究、WGHS、MDCS、BioImage研究)に登録された約5万5,000人を対象に調査した結果、遺伝的にリスクが高い集団において、生活習慣の是正は心血管疾患リスクの約50%低下に関連することが示されたという。
これについて、AHAは「
遺伝的に高リスクという不利な状況にあっても、改善の余地があることを示す研究結果」と評している。

ARIC    Atherosclerosis Risk in Communities
WGHS  Women's Genome Health Study
MDCS  Malmö Diet and Cancer Study


■女性や人種的マイノリティーの心不全患者、十分なICDによる治療受けられず

Sex and Race/Ethnicity Differences in Implantable Cardioverter-Defibrillator Counseling and Use Among Patients Hospitalized With Heart Failure: Findings from the Get With The Guidelines-Heart Failure Program(Circulation 2016; 134: 517-526), Paul L. Hess, et al.

2011年1月~2014年3月に登録された心不全患者約2万1,000例を対象とした解析。
植え込み型除細動器(ICD)の適応となるにもかかわらず、ICDの使用について説明があった患者の割合は5例中4例にとどまり、特に女性や人種的マイノリティーではその割合が特に低いことが明らかになったという。

私的コメント
「無症候性の重度頸動脈狭窄患者」を内科的にフォローする選択肢はないのでしょうか。

2015年1月から始まった米国の国民皆保険制度「オバマケア」。

政権が変わると米国の医療はどうなっていくのだろうか。

マイケル・ムーア監督の医療ドキュメンタリー映画「シッコ」は、米国では同時期に上映された『ダイ・ハード4』よりも観客が入ったという。

カナダ、英国、フランス、キューバなどは医療費が無料。

フランスの医療制度は世界第1位と言われている(2位はイタリア)。

日本(政府や日本医師会)が自画自賛している「国民皆保険制度」が世界一というわけではなさそうだ。

われわれ臨床医は、世界の医療情勢に目を向けている暇などない。

「適切な医療を実現する医師国会議員連盟」は超党派の議員連盟の1つらしい。

日本医師会のコントロール下にある議員、そうでない議員。

はたしてどちらが期待できるのだろうか。


アメリカの国民皆保険制度「オバマケア」の施行から約1年…

https://matome.naver.jp/odai/2141917748231088101


 
「失神」は肺塞栓症の兆候である可能性も

Prevalence of Pulmonary Embolism among Patients Hospitalized for Syncope(N Engl J Med 2016; 375:1524-1531), Paolo Prandoni, et al.

イタリアの11施設で実施されたPESIT研究
失神で救急外来を受診した2,584例のうち、入院した560例を対象に調査したところ、97例に肺塞栓症が認められ、失神で入院した患者の6人に1人に肺塞栓症があることが明らかになったという。
AHAは「血栓に関連する兆候として失神が注目されることはなかったが、失神による入院患者の18%に認められたことから、こうした患者には肺塞栓症の検査基準を定めることで救命できる可能性がある」としている。


急性期脳梗塞治療のさらなる進展

Endovascular thrombectomy after large-vessel ischaemic stroke: a meta-analysis of individual patient data from five randomised trials(Lancet 2016; 387: 1723-1731), Mayank Goyal, et al.

急性期脳梗塞に対する血管内治療について検討したランダム化比較試験(RCT)5件(MR CLEAN、ESCAPE、REVASCAT、SWIFT PRIME、EXTEND IA)のメタ解析。
患者特性や地域にかかわらず、前方循環の近位部閉塞による脳梗塞患者のほとんどに有益であることが明らかになったとして、「血管内治療が有効な急性期脳梗塞患者にタイムリーに治療を行える医療体制を整備する必要性を全世界に示した解析結果」と紹介している。


心血管疾患の予防に貢献する2件の研究

Intensive vs Standard Blood Pressure Control and Cardiovascular Disease Outcomes in Adults Aged ≥75 Years: A Randomized Clinical Trial(JAMA 2016; 315: 2673-2682), Jeff D. Williamson, et al.

Inactivating Variants in ANGPTL4 and Risk of Coronary Artery Disease(N Engl J Med 2016; 374: 1123-1133), Frederick E. Dewey, et al.

これらはAHAが「心血管疾患の予防に貢献する2件の研究」として挙げているもの。
このうち1件は、SPRINT試験の75歳以上の高齢者を対象としたサブ解析。
同年齢層でも収縮期血圧の降圧目標値が120mmHg未満の群では、140mmHg未満の群に比べ致死性および非致死性の主要心血管イベントと、全死亡のリスクが有意に低いことが示された。
AHAは「医師によって高齢者の降圧目標値にばらつきがある中、この解析結果がそれを解消する一助になるかもしれない」としている。

 
もう1件は、血管新生因子であるアンジオポエチンと構造的に類似する
アンジオポエチン様蛋白質(ANGPTL)4の遺伝子変異が冠動脈疾患リスクに関連することを示した研究。
ANGPTL4遺伝子の機能喪失型変異の保有者は、非保有者に比べてトリグリセライド値が低く、HDLコレステロール値が高く、冠動脈疾患リスクが低いことが示されたという。
この研究結果について、AHAは「心血管疾患の新たな予防法や治療法の開発につながるかもしれない」と期待を寄せている。




<きょうの一曲> These Foolish Things (Remind Me of You)

Emmy Rossum - "These Foolish Things (Remind Me of You)" Vignette

https://www.youtube.com/watch?v=wS_NpTClXhA


Thelonious Monk - These Foolish Things (Remind Me of You)

https://www.youtube.com/watch?v=1Uv1iIQEiqk


Nat King Cole ~ These foolish things

https://www.youtube.com/watch?v=YqgwfIxlih8


THESE FOOLISH THINGS - STAN GETZ

https://www.youtube.com/watch?v=O5r9hyzQdiY





<きょうの一枚の絵>

isigakiharu01 

石垣定哉 春 F6号 

http://art1.sakura.ne.jp/collectionmain/isigakiharu.htm 




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DES留置後の抗血小板薬2剤併用療法,至適期間は?

https://medical-tribune.co.jp/news/2015/0827024007/

薬剤溶出ステント(DES)による経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後は,血栓予防のためにアスピリンとチエノピリジン系薬による抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)が標準的に行われている。
しかし,その至適期間は確立していないのが現状である。
米・Mount Sinai HospitalのRoxana Mehran氏は第24回日本心血管インターベンション治療学会(2016.7.30~8.1)で講演を行い,患者ごとに出血リスクと虚血リスクを慎重に評価し,DAPT期間を決定する重要性を指摘した。


長期DAPT:出血リスクの増加が虚血リスク減少の利益を相殺

DESの臨床導入により,ベアメタルステント(BMS)で問題となる再狭窄リスクは大幅に低下した。
一方,第1世代DESでは留置後1年以降に生じるステント血栓症リスクが上昇することが判明。BMS使用時よりも長期にDAPTを行う必要性が指摘され,12カ月が推奨されるようになった。
しかし,その後登場した第2世代DESは,第1世代DESに比べ遅発性ステント血栓症の発生を有意に減少させることが分かり,第2世代DESではDAPT期間を短縮してもよいのではないかという見方が広がった。
一方,心血管イベント高リスク患者では長期DAPTによる虚血イベントの有意な抑制は得られず,出血リスクが上昇したとする試験結果も示されるなど,長期DAPTの有用性に疑問符を打つ見解も目立つ。 

 
果たして,冠動脈DES留置後のDAPT期間は短くてよいのか,長い方が好ましいのか。
これを明らかにするために実施されたのが,12カ月,30カ月の2つのDAPT期間の有効性と安全性を検討した大規模ランダム化比較試験DAPT(2014)である。
同試験は第1世代と第2世代の両方のDESが含まれている点が特徴であり,「現代のPCIの実情を反映した試験になっている」とMehran氏は指摘した。 

 
試験の結果,30カ月群では12カ月群に比べ,ステント血栓症,主要有害心血管イベントの発生率が有意に低かった。
一方30カ月群では中等度~重度の出血が有意に多く,DES留置後1年超のDAPTは虚血性イベントリスクを減少させるものの,そのベネフィットは出血性イベントリスクの増加により低減したと結論付けられた。


必須期間は3~6カ月,その後の継続は患者ごとに判断

このように,DAPT試験では長期DAPTのベネフィットとリスクの双方が示される結果となった。
結局のところ,DES留置後はどれくらいの期間DAPTを行えばよいのか。
この疑問を解決すべくMehran氏らは,DAPT試験を含むRCT 10件,総症例数3万2,135例のメタアナリシスを行った(J Am Coll Cardiol 2015; 65: 1298-1310)。
その結果,長期DAPT(平均23.2カ月)はステント血栓症および心筋梗塞のリスク低下に関連。短期DAPT(平均8.5カ月)は臨床上重大な出血および総死亡のリスク低下と関連することが示された。
また,短期DAPTによるステント血栓症リスクは第1世代で顕著だったが,第2世代DESで減弱することも分かった。 

 
こうした知見を踏まえて同氏は,DES留置後のDAPT必須期間は3~6カ月とし,その後継続するか否かは,患者ごとに出血リスクと虚血リスクのいずれを重視するかを注意深く評価して決定すべきと指摘。
「これまで多くの試験が行われてきたものの,DAPT期間に関する明確な答えは残念ながら見つかっていない。しかし,患者の臨床的プロフィールやステントの種類,合併症などを踏まえながら,個々の患者に見合ったDAPT期間を設定することが大切である」と強調した。



<きょうの一曲>

Anna Netrebko - Puccini -Quando Me'n Vo

https://www.youtube.com/watch?v=uZzC6e6olCY


<きょうの一枚の絵>

slide1

松井ヨシアキ 「流れ星の街」 2015年 油彩 

http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/20160525matsui.html

 


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糖尿病の新指針を公表、ADA エンパグリフロジンとリラグルチドの位置付け明示

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1226506083/

米国糖尿病学会(ADA)は12月15日、糖尿病ガイドライン2017年度版"Standards of Medical Care in Diabetes-2017"(以下,GL)をDiabetes Care(2017)に公表した。
全般的な改訂ポイントとして挙げられているのは、糖尿病の自己管理や合併症、併存症の管理など、さまざまな領域において、心理社会的な問題が考慮されたことだ。
一方、新規糖尿病治療薬の心血管への安全性について検討した臨床試験の報告が相次いだことを背景に注目されていた2型糖尿病患者への薬物療法に関しては、EMPA-REG OUTCOME試験およびLEADER試験の成績に基づき「アテローム硬化性心血管疾患(ASCVD)を有する血糖コントロール不良例に対し、心血管死および全死亡のリスク低減のため標準治療にエンパグリフロジンまたはリラグルチドの追加を考慮すべき」とする推奨項目が新たに追加された。


メトホルミン使用者ではビタミンB12値の測定を推奨

ADAのプレスリリースによると、今回発表されたGLの改訂ポイントは、糖尿病管理のさまざまな領域において、心理社会的な問題を考慮した推奨が示されたことだ。
例えば、糖尿病患者では心理的・感情的なストレスおよび障害のリスクが高いとして、糖尿病患者の不安や抑うつなどのスクリーニングを推奨するとともに、精神科の専門家に紹介すべき基準が示された。
また、年々増加する治療費への懸念が高まる中、GLでは初めて米国で承認されている全ての糖尿病治療薬について、月当たりの薬剤費(中央値および最大用量を使用した場合の費用)が一覧表にまとめられるなど、経済的な視点から治療を選択する上で有用な情報も提供されている。

 
一方、EMPA-REG OUTCOME試験(2015)およびLEADER試験(2016)で標準治療への上乗せによる心血管イベント抑制を示したSGLT2阻害薬エンパグリフロジンとGLP-1受容体作動薬リラグルチドの新GLにおける位置付けも注目されていたが、これについては第8章の「血糖コントロールにおける薬物療法」で「ASCVDを有する血糖コントロール不良の2型糖尿病患者に対し、心血管死および全死亡のリスク低減のため標準治療へのエンパグリフロジンまたはリラグルチドの追加を考慮すべき」とする新たな推奨項目が追加されている。
ただし、「これらの薬剤の心血管へのベネフィットがクラスエフェクトなのか否か、またCVDのない患者にも同様の効果が期待できるのか否かについては現時点では不明」としている。

 
また、2型糖尿病の第一選択薬には、これまでのGLと同様「メトホルミンが望ましい」とされているが、長期のメトホルミン使用とビタミンB
12欠乏との関連を示す研究結果が報告されたことを受け、「メトホルミンを使用している患者、特に貧血または末梢神経障害を有する患者に対しては、定期的にビタミンB12値を測定することを考慮すべき」とする推奨項目が追加された。


新たに1型糖尿病の進行分類や「低血糖」の基準も盛り込まれる

この他、今回のGLには2015年10月にADAや米国内分泌学会などが合同ステートメント(2015)で提唱した1型糖尿病のステージ分類が盛り込まれた。
これは、1型糖尿病では発症前から膵島関連自己抗体が検出され、かつ発症時期が近づくにつれて陽性となる抗体数が増え、続いて血糖値の上昇が見られるとする近年の研究結果を踏まえたもの。
このステージ分類を指標とすることで1型糖尿病の早期発見、治療につなげられると期待されている。

 
また、「血糖目標値」に関する第6章では、低血糖の重症度を3つのレベルに分類。
症状の有無にかかわらず70mg/dL以下を「警戒レベル(レベル1)」、54mg/dL未満を「臨床的に意義のある低血糖(レベル2)」、重度の認知機能障害を伴う低血糖(血糖値の閾値はなし)を「重症低血糖(レベル3)」とすることを提唱している。
また、「臨床試験で報告すべき低血糖の基準は54mg/dL未満だが、臨床的には警戒レベル(70mg/dL以下)も治療の調整を行うべき基準として重要」としている。
なお、この低血糖の新たな分類については今年11月にADAと欧州糖尿病学会(EASD)からの合同ステートメント(2016)で発表されている。
 

手術の適応、アジア系はBMI 27.5まで拡大

さらに、「2型糖尿病治療における肥満管理」に関する第7章では、血糖コントロール不良の2型糖尿病患者に対する手術の適応がBMI 30(アジア系米国人はBMI 27.5)まで拡大された。
なお今回のGLより、手術の呼称が従来の「肥満手術(bariatric surgery)」から「代謝改善手術(metabolic surgery)」に変更されている。

 
その他の改訂ポイントとしては、身体活動に関する推奨において「
坐位時間が長い人は、30分ごとに短時間の身体活動を行うべき」とする今年10月に発表されたステートメントの内容が盛り込まれたこと、睡眠の質と血糖コントロールとの関連を示す研究報告に基づき睡眠パターンの評価を行うべきとする推奨が追加されたこと、高血圧合併例に対する降圧薬の第一選択薬としてACE阻害薬、ARB、サイアザイド系利尿薬、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬の4種類が選択肢として示されたことなどが挙げられている。


<きょうの一曲>

ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)

https://www.youtube.com/watch?v=-LeuKxFsij4


Great performance by Mao Asada (Sochi Olympic Games 2014 free program)
https://www.youtube.com/watch?v=TjEoBfmn1SU


<きょうの一枚の絵>


C0oi17HVIAEX3D0

ムンク イプセン『幽霊』からの一場面」
愛知県内の女性から寄せられた寄付金5億5000万円で県が最近購入。




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