葦の髄から循環器の世界をのぞく

訪問ありがとうございます。 このブログは医療関係者を対象としています。 老境に入った内科開業医が、昔専門とした循環器科への熱い思い断ちがたく一人でお勉強した日記です。 内容は循環器科に限定しています。 他に「井蛙内科開業医/診療録」「ふくろう医者の診察室」のブログもあります。

高齢者では抗血栓薬で血尿リスク増大

高齢者、抗血栓薬で血尿リスク増大/JAMA
http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44810

抗血栓薬は、最も頻度が高い処方薬の1つである。
高齢者の抗血栓薬服用では、血尿関連合併症による泌尿器科処置のリスクが約1.4倍に、入院や救急外来受診のリスクは2倍以上に増大
することが示された。
なかでも、
抗凝固薬と抗血小板薬併用での血尿関連合併症リスクは、約10倍に上るという。
カナダの研究グループによる、同国オンタリオ州の高齢者250万例超を対象に行った住民ベースの後ろ向きコホート試験の結果で、JAMA誌2017年10月3日号で発表された。


カナダ・オンタリオ州の66歳以上が対象の後ろ向きコホート試験

研究グループは2002~14年にかけて、カナダ・オンタリオ州居住の66歳以上を対象にコホート試験を行い、抗血栓薬服用者の血尿関連合併症の発生について検証した。


血尿関連合併症の発生は、救急外来受診、入院、または肉眼的血尿の検査・管理を目的とした泌尿器科処置の施行と定義した。


血尿関連泌尿器科処置リスクは1.4倍、入院リスクは2.0倍に

被検者251万8,064例のうち、抗血栓薬の処方を1回以上受けたのは80万8,897例(平均年齢72.1歳、女性53%)だった。


中央値7.3年の追跡期間中、血尿関連合併症発生率は、抗血栓薬非服用者80.17件/1,000人年に対し、同服用者は123.95件/1,000人年だった。


それぞれの血尿関連合併症の発生率についてみると、血尿関連の泌尿器科処置は、服用者105.78件/1,000人年 vs.非服用者80.17件/1,000人年で、IRRは1.37(95%CI:1.36~1.39)だった。
入院は、11.12 vs.5.42回/1,000人年でIRRは2.03(95%CI:2.00~2.06)、救急外来受診は7.05 vs.2.51回/1,000人年でIRRは2.80(95%CI:2.74~2.86)だった。


抗血栓薬非服用者との比較で、抗凝固薬・抗血小板薬の併用服用者は、血尿関連合併症のIRRが10.48で、抗凝固薬のみ服用者は1.55、抗血小板薬のみ服用者は1.31だった。


また、抗血栓薬服用者は非服用者と比べて6ヵ月以内に膀胱がんと診断される可能性が高かった


英文抄録

Association Between Use of Antithrombotic Medication and Hematuria-Related Complications.

hristopher J D Wallis et al.

JAMA. 2017 10 03;318(13);1260-1271. doi: 10.1001/jama.2017.13890.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28973248&keiro=journal


私的コメント
高齢者の抗血栓薬服用者は膀胱がんが発見されやすいというのは些か皮肉です。



<関連サイト>

血尿よ、お前もか!-抗血栓薬は慎重に

http://www.carenet.com/news/clear/journal/44852

最近、循環器領域の疾患では、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)や抗血小板薬を処方する傾向が顕著になっている。
確かに脳卒中や心筋梗塞予防効果はあることはあるが、そのウラ側にある有害事象のことも考えてほしいというのが本研究のメッセージである。
抗血栓薬処方の爆発的な増加には企業の激しい宣伝合戦も影響しているかもしれないが、ここで一歩立ち止まって考える必要がありそうだ。言うまでもないことではあるが、抗血栓薬は血栓を予防して梗塞性イベントを防ぐ一方で、大出血という重大な有害事象を発生することも、あらためて認識する必要がある。


すでに、JAMA誌(Gaist D, et al. JAMA. 2017;317:836-846.)では、抗血栓薬で明らかに硬膜下血腫リスクが増大しているというデータを示しているが、今回の本論文は血尿である。


カナダ・オンタリオ州における66歳以上の一般住民の追跡調査であるが、抗凝固薬や抗血小板薬などの抗血栓薬服用者の肉眼的血尿発現率は、123.95イベント/1,000人年であり、これは非服用者の80.17人年に比べて1.44倍高かったという。
この調査での血尿は、入院と救急外来受診者に限定され、一般診療での血尿は含まれておらず、一般臨床での血尿を含めるとさらに多くなると思われる。


本研究はあくまでも一般住民での追跡調査成績であり、いくつかのlimitationはあるとしても、抗血栓薬の安易な処方傾向に一石を投じる報告である。


抗血栓薬服用者では、泌尿器科処置に伴う合併症や、入院、救急外来受診率などの頻度も、非服用者に比していずれも有意に高かった。
これらは医療行為による医師の負担を増大させ、医療経済の点から言ってもマイナスの要因であろう。


抗血栓薬処方の裏では、消化管出血、血尿、硬膜下血腫などの副作用で、消化器科医師、泌尿器科医師、脳外科医師がその後始末に四苦八苦している事情も知っておくべきである。


近年では、脳卒中の急性期治療の進歩により、脳卒中死は著しく減少したが、消化管出血、硬膜下血腫などは死亡に直結する有害事象であることは、あらためて認識する必要がある。
とくにDOACは効果のマーカーがないだけに、高齢者では慎重な処方が必要である。


経口抗血栓薬使用で血尿関連合併症が増加

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1022511168/

経口抗血栓薬(抗凝固薬、抗血小板薬)の使用が血尿と関連する救急受診や入院などの合併症の増加と関係すると、カナダのグループがJAMA(2017; 318: 1260-1271)に発表した。

同グループは、同国・オンタリオ州在住で2002~14年に66歳以上だった全住民を2014年12月31日まで追跡。
経口抗血栓薬使用と血尿関連合併症(肉眼的血尿の精査・管理のための救急受診、入院、泌尿器科的処置)との関係を検討した。

 
中央値7.3年の追跡期間中に、解析対象251万8,064例のうち80万8,897例(平均年齢72.1歳、女性53%)が経口抗血栓薬を1回以上使用していた。

 
解析の結果、1,000人・年当たりの血尿関連合併症の発生は経口抗血栓薬使用群が123.95件で、非使用群の80.17件に比べて有意に多く(群間差43.8件、P<0.001)、罹患率比(IRR)は1.44(95%CI 1.42~1.46)であった。
経口抗血栓薬使用群と非使用群で最も差が大きかった血尿関連合併症は、泌尿器科的処置だった(群間差33.5件、P<0.001、IRR 1.37、95%CI 1.36~1.39)。

 
経口抗血栓薬非使用群と比較した経口抗凝固薬+抗血小板薬併用群、経口抗凝固薬または経口抗血小板薬単独使用群の1,000人・年当たりの血尿関連合併症リスクはいずれも有意に高かった。

 
また、経口抗血栓薬使用群は非使用群に比べ、6カ月以内に膀胱がんが診断される割合が高かった(0.70%対0.38%、オッズ比1.85)。




<brush up corner>

NOACでは高齢者の消化管出血に注意





http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/41148273.html 

・米国での9万例超を対象に行った後ろ向き傾向スコア適合コホート試験で、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)やリバーロキサバン(同:イグザレルト)は、ワルファリンに比べ、心房細動の有無にかかわらず、消化管出血リスクを増大しないことが示された。

ただし76歳以上の高齢者の場合には、ダビガトランでは心房細動患者について、リバーロキサバンは心房細動の有無にかかわらず、ワルファリンに比べ消化管出血リスクを増大することが明らかにされた。


・両NOACの消化管出血リスクは、76歳以上では明らかに増加した。

このことはまさに、出血リスクや腎機能障害を有することの多い高齢者では、INRをみながら微調整が可能なワルファリンのほうが、調整マーカーのないNOACよりも適していることを示した貴重なデータである。(桑島 巌先生)


 

 

<きょうの一枚の絵>  

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石踊達哉『星河』

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NOAC併用で注意すべき薬剤

NOAC併用で大出血リスクが増大する薬/JAMA

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44834

非弁膜症性心房細動で非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)を服用する患者において、アミオダロン、フルコナゾール、リファンピシン、フェニトインの併用は、NOAC単独と比較して、大出血リスクの増大と関連する。
台湾の研究グループが、台湾の全民健康保険データベースを用いて非弁膜症性心房細動患者計9万1,330例について後ろ向きに分析した結果を報告した。
NOACは、代謝経路を共有する薬物と併用して処方される頻度が高く、大出血リスクを高める可能性がある。今回の結果を踏まえて著者は、「NOACを処方する臨床医は、他剤との併用によるリスクの可能性を考慮しなければならない」とまとめている。
(JAMA誌 2017.10.3)


私的コメント
台湾に健康保険制度があること、そして全民健康保険データベースというビッグデータがあることを知りました。 


台湾の非弁膜症性心房細動患者9万1,330例について分析

研究グループは、台湾の全民健康保険データベースを用いて、2012年1月1日~2016年12月31日(最終フォローアップ)の間に、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンのNOAC処方を1種以上受けた非弁膜症性心房細動患者9万1,330例を対象に、後ろ向きコホート研究を行った。
被験者は、NOAC単独または併用(アトルバスタチン、ジゴキシン、ベラパミル、ジルチアゼム、アミオダロン、フルコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、posaconazole、シクロスポリン、エリスロマイシンまたはクラリスロマイシン、dronedarone、リファンピシン、フェニトイン)投与を受けていた。


主要アウトカムは大出血で、頭蓋内出血、消化管、泌尿器またはその他部位での出血と診断を受けて入院または緊急部門を受診した症例と定義した。


NOAC単独または他剤併用のperson-quarter(暦年の各四半期における各被験者の曝露時間)における大出血の補正後発生率の差を、Poisson回帰分析を用いた推算で評価。
また、傾向スコアを用いて治療重み付けの逆数を算出し評価した。


アミオダロン、フルコナゾール、リファンピシン、フェニトイン併用で有意に増大

対象の9万1,330例は、平均年齢74.7歳(SD 10.8)、男性55.8%、NOACの処方内訳は、ダビガトラン4万5,347例、リバーロキサバン5万4,006例、アピキサバン1万2,886例であった。


大出血を呈したのは、NOAC処方44万7,037 person-quarterにつき4,770件であった。
全person-quarterにおいて、最も併用が多かったのはアトルバスタチン(27.6%)で、ジルチアゼム(22.7%)、ジゴキシン(22.5%)、アミオダロン(21.1%)と続いた。


NOACとアミオダロン、フルコナゾール、リファンピシン、フェニトインとの併用は、NOAC単独と比較し、大出血の補正後発生率比(1,000人年当たり)が有意に増大した。
NOAC単独38.09 vs.アミオダロン併用52.04、NOAC単独102.77 vs.フルコナゾール併用241.92、NOAC単独65.66 vs.リファンピシン併用103.14、NOAC単独56.07 vs.フェニトイン併用108.52であった(すべての比較のp<0.01)。


大出血の補正後発生率比は、NOAC単独と比較して、アトルバスタチン、ジゴキシン、エリスロマイシンまたはクラリスロマイシンの併用群では有意に低下した。


ベラパミル、ジルチアゼム、シクロスポリン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、posaconazole、dronedaroneの併用群では有意な差は認められなかった。


英文抄録

Association Between Use of Non-Vitamin K Oral Anticoagulants With and Without Concurrent Medications and Risk of Major Bleeding in Nonvalvular Atrial Fibrillation.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28973247&keiro=journal



<自遊時間>

ハエが止まるスローボール‼ 遅すぎて・・打てない・・・

https://www.youtube.com/watch?v=5pS3dNkfOsw


<きょうの一曲> 

André Rieu - Emperor Waltz (Kaiser-Walzer)

https://www.youtube.com/watch?v=EBLaMmxyibE




<きょうの一枚の絵>  


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東山魁夷『行く秋』

https://item.rakuten.co.jp/garou/10004914/ 



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OSAS治療 次の一手

OSAS治療の次なる一手は?

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1016511190/

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は多因子疾患であり、中等~重症患者に対する治療の第一選択は持続陽圧呼吸(CPAP)療法である。
しかし、CPAPを中心とする治療法においてはアドヒアランスの問題などで限界があり、新たな治療法が求められている。
スイスの研究チームは、世界睡眠会議(World Sleep 2017.10.7~11、プラハ)で、「OSAS治療のための非CPAP療法の現在、そして将来の進路」と題して講演。
現在欧米で利用可能な治療法を総括し、開発が進む幾つかの有望な新規治療法を紹介した。


非CPAP療法に反応する可能性  解剖学的OSASに分類されない群で 

OSASに対する易罹患性の体質は、咽頭気道内圧を示すpassive pharyngeal critical closing pressure (Pcrit)で定義される解剖学的特性と、非解剖学的特性に分けられる。
後者には①覚醒閾値②呼吸調節系の反応性(loop gain)③上気道筋反応性─が含まれる。
OSASへの易罹患性はPcritの値により、
①正常(Pcrit -5cmH
2O未満)
②中間群(同-5~2cmH
2O)
③OSA(同2cmH
2O超)の3群に分類される。

 
研究代表者は「解剖学的にはOSASに分類されない中間群の50%がOSASの非解剖学的特性を有し、非CPAP療法に反応する可能性がある」と指摘した。
 

その他はRCTによる長期アウトカムが不明 OSASやMADのエビデンスは確立

現在、OSAS治療においては、CPAP療法と下顎前方維持装置(MAD)が、彼らのメタ解析などにより、症状、QOLおよび血圧の改善を示す良好なエビデンスが蓄積されている。

 
彼は次に、Positional Therapy(体位アラームなどで側臥位を維持する体位療法)を紹介し主として仰臥位でのOSASを有する患者に有効との報告もあるが、患者ニーズに焦点を当てたアウトカムを検討したランダム化比較試験(RCT)のデータが必要との見解を示した。

 
さらに、植え込み型デバイスによる舌下神経刺激は、無呼吸低呼吸指数(AHI)など睡眠時呼吸障害のパラメータ改善における有効性が示されている一方、現時点でRCTは実施されておらず、患者中心のアウトカムはほとんど報告されていないという。

 
加えて、生活習慣の改善による体重の減量は実行可能であり、睡眠時呼吸障害や合併症、死亡の抑制に対する有効性が期待されるものの、OSASでの患者中心の長期アウトカムは示されていないと指摘した。


酸素補充+エスゾピクロン併用療法やカリウムチャネル阻害薬が有望

今後、CPAP療法やMADに代わるOSAS治療(代替治療)の有望株について解説するとともに酸素補充+エスゾピクロン併用療法とカリウムチャンネル阻害薬の2つを例に挙げた。


代替治療のコンセプト

咽頭スペースの増大

・減量

・下顎前方維持

・外科療法


上気道筋緊張/反応性の増大

・舌下神経刺激

・カリウムチャネル阻害薬(AVE0118)、デシプラミン


覚醒閾値の上昇

・アセタゾラミド、エスゾピクロン


換気コントロール感受性(loop gain)の低下

・酸素補充+エスゾピクロン併用療法


刺激因子の回避

・仰臥位(Positional Therapy)

・アルコール

・喫煙

・筋弛緩薬、ベンゾジアゼピン系薬

(World Sleep 2017発表資料より作表)

 
まず、酸素補充+非ベンゾジアゼピン系睡眠薬エスゾピクロン(商品名ルネスタ)の併用療法については、酸素補充療法がOSAS患者のloop gainを低下(改善)させ、エスゾピクロンとの併用により、OSASの重症度を改善させることが報告されている。
同併用療法については、予備研究の段階ではあるが、loop gainの高いOSAS患者における治療アプローチとなる可能性があるとした。

 
次に、カリウムチャネル阻害薬は動物実験において、カリウムチャネル阻害薬であるAVE0118が、4時間以上にわたって虚脱発現率を抑制することが確認されている。
AVE0118などのカリウムチャネル阻害薬は、上気道筋反応性が低下したOSAS患者の治療アプローチとなる可能性があるとの見解を示した。

 
以上から、彼は「OSASを消失させるには単一の薬剤による治療では十分でなく、併用療法が有効である可能性が示されている。これらの仮説を検証する臨床試験が求められる」と結論した。

 


<brush up corner>

中枢性睡眠時無呼吸用デバイスと心不全

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/42399127.html

慢性心不全(CHF)患者にはCSA合併が多く,ASVが心不全予後を改善するとの期待の下,2008年に第IV相試験SERVE-HFが開始された。

しかし,今年(2015年)5月,同試験にASV機器を提供するResMed社が,中間解析でASV群の心血管死亡率が高かったことを発表。

このほど発表された最終解析でも,全死亡を含めASV群の死亡リスクが増大したことが明らかにされた。



<自遊時間>  最近のMRの質の劣化を嘆く

新薬が発売されても情報がほとんど入って来ない。

こちらでアンテナを張っていないと、ピカ新のいい薬剤を知らないままに時が過ぎていく。

ただでさえ情報が限られている開業医はガラパゴス化しやすい。

 最近も、患者が持って来た「お薬手帳」で皮膚科で処方され抗アレルーギー剤の新薬(2018.11 新発売)を初めて知った。

https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/Q8f6I 



ちょっと前なら、出入りする卸業者(MS)がMRから依頼されてパンフレットぐらい届けてくれたが、それすらない。

要するに食いつきが悪いのだ。


いつの間にやらクルマのように訪問販売から店頭販売に変わったのかも知れない。

これはこれでいいこともある。

最近流行のオーソライズ・ドジェネリック(AG)に,院長の裁量で変えやすくなった。

それこそ「当院の自主規制」だ。

先発メーカーに泣きつかれても、泣きつかれる筋合いのものでもない。

先日、MRとの面会の際に1日の行動をちょっと尋ねてみた。

正直なMRで、結構赤裸々に教えてくれた。

「まずは朝、卸業者の営業所に顔を出して、会社に帰って事務的な仕事をします。昼前に面会に出かけて食事をして夕方また面会に・・・」

「昼から夕方の間は?」

ちょっと口を濁らせて

「木陰で昼寝をしたり、書店や電気店など・・・。同業者にもよく会います」


大体、クスリの話をする仕事でMR(medical representative、医薬情報担当者)と命名すること自体が烏滸(おこ)がましい。

medicalとは医学の、医療の、内科の」という意味であって、「医薬」という意味はない。

medicaでは、ドクターが彼らから「医学」の情報を得るという意味になる。

この業種も、正しくいうならpharmaceutical representative(薬品情報担当者)、つまりPRと言うべきだろう。

実際は「使って下さいよ、もっと処方して下さいよ」と縋り付いてくるわけだからよりふさわしい。


そもそも、薬学出身のMRなど約1割しかいないのだ。
文系出身のMRが最も多く約5割、次いで、理系出身が約3割といわれている。
差し出された自己紹介の名刺に「◯◯体育大学、特技バック転」と書かれたいたケースもあった。
これにはちょっとびっくりした。
残りの1割に入るのはこういったMRかも知れない。
(確かに理系でも文系でもない) 



<きょうの一曲>

Music-in-Motion: Vivaldi Winter from Four Seasons 27 June 2013, St Martin-in-the-Fields

https://www.youtube.com/watch?v=keIfiAnq2YY
 


<きょうの一枚の絵> 

imgrc0069969012

後藤純男 『秋の談山神社 多武峰』

https://item.rakuten.co.jp/garou/10004865/




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低用量アスピリンの中止による心血管リスク

低用量のアスピリンを中止することによる心血管リスクの上昇

http://www.carenet.com/news/general/carenet/44836

大手術や出血がないにもかかわらず、アスピリンを中止することに伴うリスクへの懸念が高まっている。
そこでスウェーデンの研究グループが、長期の低用量アスピリンを中止および治療の中断に伴う心臓血管リスクの増加に関して検証を行った。
(Circulation誌 2017.9.26日)


スウェーデンの処方データを用いて60万人以上を解析

研究はスウェーデンの処方データを用いて行われ、2005~09年、低用量アスピリンを1次もしくは2次予防として内服する40歳以上で、悪性腫瘍の既往がなく、観察期間の最初の1年で80%以上内服を順守していた60万1,527例が対象。
心血管イベントはスウェーデンの入院および死亡原因のデータベースを使って同定された。大出血もしくは外科的処置から3ヵ月間は、イベント発生のリスク期間から除外された。


アスピリンの中断で心血管イベントが30%以上も上昇

3年間(中央値)のフォローアップ期間で、6万2,690件の心血管イベントが発生した。
アスピリンを中止した患者では、継続した患者に比べて高い確率で心血管イベントが発生した。
これは、アスピリンを中止すると毎年74例に1例の割合で、さらなる心血管イベントが起こるという計算となる。
また、心血管イベントのリスクは、内服中止後すぐに上昇し、その後も改善しなかった。


低用量のアスピリンを長期間使用している患者にとって、大手術や出血などがないにもかかわらず内服を中止することは、心血管イベントが30%以上増加することがわかった。
検証の結果、大手術や出血がない患者において、低用量アスピリン内服の順守は重要な目標であるといえる。


<関連サイト>

低用量アスピリン中止で心血管リスクが上昇 

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/72498611.html


アスピリン、2度目のリポジショニング進行中

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/69507443.html


アスピリンのCV一次予防効果は?

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/68511865.html


アスピリンにCV一次予防効果認めず

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/67777699.html


アスピリンの評価とコントロバーシー

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/54343259.html


低用量アスピリンで心血管イベント一次予防せず

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/18157953.html


1次予防にアスピリンを使うな!?

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/15077779.html


<brush up corner>
アスピリン、2度目のリポジショニング進行中

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/69507443.html

・アスピリンはCVDの一次予防に関していえば、副作用となる出血のリスクに勝る利益を明示できてはいない。
一方で近年、大腸癌予防効果が注目され始めた。
アスピリンは近い将来、CVD予防薬から大腸癌予防薬に変わるかもしれない。

・JPAD2(2016.11、AHA)の結論;

「CVDのリスクを減らさず出血のリスクは増やすというのでは、投与する意味がない。CVDのリスクが高い糖尿病患者であっても、一次予防を目的としたアスピリン投与は推奨されない」

・JPPP(2014.11、AHA)でも、アスピリン群における有意なリスク減少は観察されなかった。

・JPAD2、JPPPともに「CVDのリスクが中程度上昇した日本人集団に対する、一次予防としてのアスピリン投与に利益なし」という結論は一致。

・一次予防ではCVDの発生率が低く、アスピリンによるリスク減少も10%程度なので、治療必要数は1000人以上投与してやっと1人のCVD発症を防げるというレベルになる。一方で出血のリスクは確実に1.5~2倍高まる。CVD一次予防では、アスピリンの投与で出血のリスクに勝る利益が期待できる集団はないと考えるべきである。

・ベースとなる薬物治療の進歩でCVDの発生率そのものが低下し、アスピリンによる予防効果を証明しにくくなっている。CVDイベントの発症機序の中で、血小板の活性化はかなり下流で起こっている現象と考えられる。高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙といった、より上流で関与していると考えられる諸因子への介入に重点を移す必要がある。

・CVD一次予防とは対照的に、大腸癌予防薬としての期待は高まっている。

大腸癌予防薬として、アスピリンは実用化に最も近い位置にある。



<自遊時間>

半数が「プラス改定すべき」―衆院選医師候補者アンケート

https://www.m3.com/news/iryoishin/563111

私的コメント;ちなみに、本来受益者負担が原則であるべき消費税が医療機関にかかることについては誰も踏み込んではいない。
当然、推薦する政党の「オーム返し」をしているだけでしょうが、とても医師の代表とも思えない。 
日本医師会自体も増税賛成というのは、 医療機関の経営圧迫を招くわけだから承服できない。



<きょうの一曲>

Tomaso Albinoni - Adagio (best live version)

https://www.youtube.com/watch?v=_eLU5W1vc8Y




<きょうの一枚の絵> 
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長谷川利行《赤い汽罐車庫》1928年

http://www.nichido-museum.or.jp/exhibition_archive_1503.html



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脳梗塞再発予防の比較試験 CLOSE試験

潜因性脳卒中患者におけるPFO閉鎖術 vs 抗血小板療法 vs 抗凝固療法: CLOSE試験

https://www.tcross.co.jp/node/7913

CLOSE試験より、卵円孔開存(PFO)に起因すると考えられる脳卒中を経験した患者において、経皮的PFO閉鎖術と抗血小板療法の併用による治療は、抗血小板療法単独と比較し、脳卒中の再発リスクが有意に低かったことが報告された。
The New England Journal of Medicine誌(2017.9.14)


CLOSE試験では、多施設より登録した、心房中隔瘤、又は大きな内シャントを有し、最近PFOに起因すると考えられる主要評価項目に設定した脳卒中を発症した16歳-60歳の663人を、経皮的PFO閉鎖術+長期抗血小板療法(PFO閉鎖術群)、抗血小板療法単独(抗血小板療法群)、又は経口抗凝固薬単独(抗凝固薬群)で治療を行う群に1:1:1の比率で無作為に割り付けた(無作為化グループ1)。
抗凝固薬、又はPFO閉鎖術が禁忌の患者は、それぞれ禁忌ではない代替治療群、又は抗血小板療法群に割り付けた(無作為化グループ2と3)。

平均5.3年の追跡が行われ、無作為化グループ1と2の解析で、脳卒中はPFO閉鎖術群(238人)では0であり、抗血小板療法群(235人)では14人に認められた)。
PFO閉鎖術群の5.9%で手技に関連する合併症が認められ、心房細動の発現率はPFO閉鎖術群で抗血小板療法群よりも高かった。
重篤な有害事象の割合に有意差はなかった。
無作為化グループ1と3の解析では、脳卒中は抗凝固薬群(187人)で3人、抗血小板療法群(174人)で7人に認められた。

発表者は、「心房中隔瘤、又は大きな内シャントを有し、最近PFOに起因すると考えられる潜因性脳卒中を経験した患者において、経皮的PFO閉鎖術と抗血小板療法の併用による治療は、抗血小板療法単独と比較して脳卒中の再発のリスクを低下させた。一方で、PFO閉鎖術は心房細動のリスク上昇に関連していた」と、まとめている。
 

文献
Mas JL, et al. N Engl J Med. 2017; 377: 1011-1021



<関連サイト>

卵円孔閉鎖術と脳梗塞再発リスク

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/72548712.html


潜因性脳梗塞とPFO閉鎖術

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/72498597.html



<brush up corner>

潜因性脳梗塞の検出に植え込み型心電図記録計

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/70588219.html




<自遊時間>
今、教育の無償化が話題になっている。 
たまたま当院の職員が、患者の途絶えた時間に高校の授業料の話をしていたので「そういえば大学でいくらかかっていたんだろう」 と思ってパソコンで調べてみた。(診察室にあるパソコンは、電子カルテのためではなく患者説明用の普通の
パソコン


歳バレを承知で公開

入学金    4,000円

年間授業料 12,000円(月額1,000円)
 

結局、6年間の合計76,000円で医者になっていたことがわかった。

確か親の毎月の仕送りがこれに近かったような・・・。

参考

大学入試「戦後のあゆみ」

http://rgoto.at.webry.info/201310/article_1.html


<きょうの一曲> 

チャイコフスキー: 《10月 : 秋の歌》 アシュケナージ

https://www.youtube.com/watch?v=hTXEJ2O1x1M




<きょうの一枚の絵> 


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村田省蔵「木曽路盛秋」油彩6号

http://www.ichimainoe.co.jp/cover/1304.html



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CKDを合併する糖尿病患者の腎不全発症リスク

CKDを合併する糖尿病患者の3人に1人に腎不全リスク-米CDC調査

http://www.carenet.com/news/general/hdn/44784

米国では慢性腎臓病(CKD)を併存する成人糖尿病患者は490万人に上り、このうち3分の1以上が糖尿病網膜症も来していることが米疾病対策センター(CDC)の研究で明らかにされた。
糖尿病網膜症の存在はCKDの進展リスクが高いことを表しており、「糖尿病とCKDが併存する180万人の患者は腎不全に進行する可能性が高い」と研究を行ったCDCのMeda Pavkov氏らは結論づけている。

私的コメント;
糖尿病網膜症と糖尿病性腎症が「細小血管障害」という「くくり」で考えると両者の合併は可能性が高いと思われます。
また「糖尿病性神経障害」 も「細小血管障害」の一つという考え方もあるわけですから同様かも知れません。


研究グループは、2005~2008年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いて、40歳以上でCKDを併存する糖尿病患者387人を抽出し、糖尿病網膜症の有病率を調べた。
なお、この387人は米国の成人人口に換算すると490万人に相当するという。


また、糖尿病網膜症の中でも重度の非増殖糖尿病網膜症や増殖糖尿病網膜症、臨床的に重要な黄斑浮腫がみられる場合を「失明の恐れがある糖尿病網膜症」と判定した。
CKDは尿中アルブミン/クレアチニン比が30mg/g超または推算糸球体濾過量(eGFR)値が60mL/分/1.73m2以下と定義した。


その結果、糖尿病網膜症の有病率は36.2%で、このうち8.2%は失明の恐れがある重度の糖尿病網膜症であることが分かった。
糖尿病網膜症がない患者と比べて、糖尿病網膜症患者は高齢で、HbA1cと血圧の平均値が高かったほか、糖尿病罹患期間が長く、インスリン治療を受ける頻度が高かった。


また、糖尿病網膜症の発症リスクはHbA1c値が1%上昇するごとに50%増加し、糖尿病罹患期間が5年延長するごとに40%増加していた。
その他にもインスリンを使用する患者では糖尿病網膜症リスクは13倍に上ることも分かった。
一方で、糖尿病網膜症リスクへの血圧上昇の影響は小さく、収縮期血圧10mmHg上昇ごとのリスク増加率は3%に止まっていた。


さらに、年齢や性、人種/民族、血圧やHbA1cの平均値を調整した解析によると、糖尿病網膜症の有病率は前回調査よりも高かったが、失明の恐れがある糖尿病網膜症の有病率には大きな変化はみられなかった。


専門家の1人、米モンテフィオーレ医療センター臨床糖尿病センター長のJoel Zonszein氏は「糖尿病の合併症は生活習慣の是正と適切な薬物治療を行うことで予防や進行の抑制が可能だが、早期から介入を行い、きちんと血糖コントロールを行うことが不可欠となる」と強調している。


同じく専門家の米レノックス・ヒル病院のGerald Bernstein氏も「患者や医療者は心筋梗塞や脳卒中だけでなく、腎臓病や網膜症といった細小血管合併症のリスクについても十分に知るべきだ。糖尿病になってからではなく、血糖値に異常がみられる早期の段階から定期的に血液検査や尿検査、眼科検診を受けて経過をみることが大切であることを知って欲しい」と合併症予防の重要性を訴えている。


この研究結果は、第53回欧州糖尿病学会(EASD 2017、9月11~15日、ポルトガル・リスボン)で報告された。
なお、学会で発表された知見は、査読を受けた専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。



<brush up corner>

糖尿病性腎症早期に腎イベントは予測可能か

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/70943487.html



<きょうの一曲> 

Proms 2017 - Bach: The Well-Tempered Clavier, Book 1 [András Schiff]

https://www.youtube.com/watch?v=RNCuPAgG9eo



<きょうの一枚の絵> 


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村田省蔵「紅葉する湖畔(箱根芦ノ湖)」 油彩6号

http://www.ichimainoe.co.jp/cover/1109.html 




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第一選択薬はメトホルミンか、GLP-1薬か

第一選択薬はメトホルミンか、GLP-1薬か 糖尿病薬物療法にパラダイムシフトは生じる?

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0906510596/index.html

(山田悟先生の書かれた記事)
研究の背景:各国のガイドラインでメトホルミンが第一選択薬とされている

米国糖尿病学会の臨床機関誌Diabetes Careでは時々誌上ディベートを行うことがあり、以前にもスルホニル尿素(SU)薬は今後不要になるか否かについてのディベートが行われた。
関連記事「SU薬は今も必要な薬か,消え去るべき薬か」

今年(2017年)8月号の誌上では、糖尿病薬物療法の第一選択薬としてメトホルミンが良いのか、GLP-1受容体作動薬が良いのか、というディベートが展開された(Diabetes Care 2017;40:1121-11271128-1132)。

 
確かに米国糖尿病学会/欧州糖尿病学会(Diabetes Care 2015;38:140-149)、国際糖尿病連合など多くの機関のガイドラインでメトホルミンが第一選択薬とされている。
日本糖尿病学会は、糖尿病薬物療法についていずれの薬剤も第一選択薬として指定しておらず、患者の病態に応じてどれを選択してもよいとしている。
逆に言えば、日本では何を第一選択薬とするか、1人1人の臨床家の判断に委ねられているという状況である。


ディベートのポイント1:第一選択薬はGLP-1受容体作動薬に変更すべき

糖尿病薬物療法の第一選択薬はGLP-1受容体作動薬である。(米・テキサス大学のDeFronzo)
(1) GLP-1受容体作動薬は糖尿病の病態を改善するが、メトホルミンはしない

彼らは2型糖尿病の病態として、以下の8つの特徴を挙げている。
①β細胞のインスリン分泌低下、
②α細胞のグルカゴン分泌増加、
③肝臓の糖産生の増加、
④筋肉の糖取り込みの低下、
⑤脂肪組織の脂肪分解の増加、
⑥腸管のGLP-1産生低下、
⑦脳の神経伝達物質の機能不全、
⑧腎臓の尿糖再吸収の亢進。
その上で、GLP-1受容体作動薬は⑤と⑧を除く6つの病態を改善できるが、メトホルミンでは肝臓の糖産生の増加しか是正できないとしている(記事中の表参照)



(2)GLP-1受容体作動薬の血糖改善効果は維持されるが、メトホルミンでは維持されない

GLP-1受容体作動薬は糖尿病の病態の多くを1剤で改善できるためなのか、長期に安定してHbA1cを改善させ続けることが可能であるのに対し、メトホルミンではナイキカーブと呼ばれるようなHbA1cの投与直後の低下と、その後の緩徐な悪化を認める。
このような変化はSU薬と同様のものである。
(記事中の図参照)


(3)GLP-1受容体作動薬は心血管イベントを抑制するが、メトホルミンは抑制しない

GLP-1受容体作動薬はLEADER試験、SUSTAIN-6試験において心血管イベントの抑制効果を示している。
一方、メトホルミンではUKPDS34試験において心血管イベントの抑制効果を示したことになっているものの、症例数は342例と小規模な試験であり、その2倍の症例数(818例)であるADOPT試験ではそのような効果が認められていない。
UKPDS34試験では、対照が食事・運動療法群であれば血糖管理状況が悪過ぎており、対照がSU薬・インスリン群であればこれらの群での低
血糖が悪いアウトカムを生じていた可能性がある。

 
つまり、現在の臨床試験のように、血糖管理状況を同等にするように努力した中で当該薬剤を他剤と比較しているわけではなく、その観点からはUKPDS34試験はメトホルミンの心血管イベント抑制効果を十分に実証したとは言えない。

 
上記の点からGLP-1受容体作動薬とメトホルミンを比較すると、多くの点で前者の方が第一選択薬として優れている。
(記事中の表参照)


ディベートのポイント2:第一選択薬はやはりメトホルミンである

糖尿病薬物療法の第一選択薬は、やはりメトホルミンである。(米・イェール大学のInzucchi)

(1) メトホルミンも多くの糖尿病の病態を改善する

メトホルミンは今なお、その作用機序が解明され続けている特異な薬剤である。
その作用は
①肝臓の糖産生の減少
②腸管のGLP-1をはじめとする腸管ペプチド産生・分泌の改善
③末梢のインスリン抵抗性の減弱、
④腸管での糖質吸収の抑制、
⑤腸管でのブドウ糖抽出の増加(?)
⑥脂肪酸酸化の増加
―と多岐に及んでいる。


(2) メトホルミンは心血管イベントを抑制する

メトホルミンはUKPDS34試験において心血管イベントを抑制した。
その後もHOME試験やSPREAD-DIMCAD試験において心血管イベント抑制効果を示しており、これは揺るぎのない作用と言える。

(記事中の表参照)

(3) GLP-1受容体作動薬が心血管イベントを抑制するかは不明である

確かにLEADER試験やSUSTAIN-6試験ではGLP-1受容体作動薬による心血管イベント抑制効果が示されているが、その多くは心血管イベントの既往のある患者に対する再発予防である。
心血管疾患リスクは持っていても既往のない患者に対する初発予防の観点に立つと、いずれの試験でもGLP-1受容体作動薬による心血管イベント初発予防効果は認められない。(記事中の図参照)
そもそも、いずれの試験でも背景の治療薬として多くの患者にメトホルミンが使用されており、メトホルミンなしでGLP-1受容体作動薬が心血管イベント再発予防効果を発揮できるかどうかも不明である。


(4) 治療費は大切な選択ポイントである

メトホルミン治療は年間の医療費が50ドル未満である一方、GLP-1受容体作動薬では年間の医療費が9,300ドル程度かかる。
この相違は極めて大きい。

 
上記の点からメトホルミンにGLP-1受容体作動薬が取って代わって第一選択薬になることはない。


山田悟先生の考察:がんの抑制効果を中心に糖尿病薬物療法を組み立てるべきか

日常臨床の中では、ガイドラインで複数の選択肢を与えられて悩むことがしばしばある。
例えば、糖尿病患者に対する降圧薬の第一選択薬はACE阻害薬かアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)とされているが、どういうときにどちらを選べばよいのかは記載がない。
結局、臨床家が、冠動脈疾患の予防を図りたいからACE阻害薬を優先するとか、腎臓保護の論文がしっかりしているからARBを優先するといった形で、なんらかの理由付けをしていずれかを選択している。

 
糖尿病の薬物療法についても、これだけ選択肢が多いとかえってどうしてよいか分からなくなりがちである。

 
米国では、糖尿病患者の死因の第1位が心血管イベントであるが故に、今回のディベートでも心血管イベント抑制作用をどう評価するかが議論のポイントになっていた。
一方、わが国では糖尿病患者の死因の第1位はがんである(糖尿病 2016;59:667-684)。
今後、われわれはがんの抑制効果を中心に糖尿病薬物療法を組み立てていくべきなのかもしれない。

 
現在のわが国の臨床の現場では、しっかりHbA1cを下げ、低血糖のリスクが小さく、体重を増加させにくいということから、DPP-4阻害薬が第一選択薬とされることが多い。
がんの抑制という観点に立つと、DPP-4阻害薬は中立的だとの報告がある一方で(Sci Rep 2017; 7:8273)、メトホルミンにはがん抑制効果や死亡率低減の報告もあり、それはなんと非糖尿病者よりも優れていたという(Ageing Res Rev 2017;40:31-44)。
何を第一選択薬とするのか、あらためて考える必要があろうし、SGLT2阻害薬も含め、今後大いに国内での議論を活性化すべきである。



<brush up corner>

高齢者糖尿病のHbA1c目標値は7.5~9.0%

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/68532223.html

2型DMの第一選択はメトホルミン。追加薬に何が妥当か不明

男は、65歳以上ではHbA1cを7%以下にするな!

女性は、70歳以上ではHbA1cを7%以下にするな!

高齢者でHbA1cを7%以下にすると死亡率が上昇する


<きょうの一曲>

Daniel Barenboim: Beethoven Piano Concerto No. 5 in E flat major Op. 73

https://www.youtube.com/watch?v=pEYajsa8NeM




<きょうの一枚の絵>
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村田省蔵「秋たける上高地」油彩F10号

http://ichimainoe.shop-pro.jp/?pid=85654501



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厳格降圧によりCKDの発症増加

厳格降圧によりCKDの発症増加

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1014511028/

米国で行われたSPRINT試験のサブグループ解析から、厳格な降圧により全死亡と心血管イベントが減少する一方で、慢性腎臓病(CKD)のリスクが高まることが示された。
米国の研究グループがAnn Intern Med(2017; 167: 375-383)に発表した。


同試験では、心血管リスクが高い50歳以上の高血圧患者を目標収縮期血圧120mmHg未満の厳格降圧群と同140mmHg未満の標準降圧群にランダムに割り付けた。
今回のサブグループ解析では、登録時の推算糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m
2以上の6,662例を対象とした。

 
平均3.26年間追跡し、両群の平均eGFRの差、CKD発症(eGFRが30%超の低下または60mL/分/1.73m
2未満の低下と定義)、全死亡および心血管イベントの発生を3カ月ごとに調査した。

 
その結果、厳格降圧群は標準降圧群に比べeGFRの低下が大きく、補正後の平均差は追跡6カ月時点が-3.32mL/分/1.73m
2、18カ月時点が-4.50mL/分/1.73m2で、その後は比較的安定していた。
追跡3年時点のCKD発症率は厳格降圧群が3.7%、標準降圧群が1.0%で、ハザード比(HR)は3.54(95%CI 2.50~5.02)であった。
対応する追跡3年時点の全死亡と心血管イベントの複合発生率はそれぞれ4.9%、7.1%(HR 0.71、同0.59~0.86)だった。

 
同グループは「厳格降圧によりCKD発症リスクは高まるが、相対的には全死亡と心血管イベント減少のベネフィットが上回る」としている。



<関連サイト>

厳格降圧は有益 SPRINT試験の事後解析

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/71001224.html


拡張期血圧の下げ過ぎに警鐘

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/67654824.html

・ACCORD-BP試験では、糖尿病患者を対象に収縮期血圧(SBP)120mmHg未満を目指した介入を行い、心血管イベントに大きな差異が生じなかった。

このことは、それまでの"The lower, the better"の考え方を揺るがし、2014年まで130/80mmHg未満を糖尿病患者の降圧目標としていた米国糖尿病学会をして、2015年以降、140/80mmHg未満に目標を緩める方向に向かわせしめた。

・しかし、2015年に報告されたSPRINT試験は、糖尿病のない心血管疾患高リスクの高血圧患者を対象に、SBPを120mg/dL未満にすべく強力に降圧する介入を行うことで、140mg/dL未満にしようとしたコントロール群と比較して複合心血管イベントや総死亡率を抑制することができた。

この結果は、治療目標を緩める方向に向かっていた諸学会のガイドラインに再変更を迫るものであり、この研究以降の高血圧治療は"post-SPRINT era(SPRINT試験後の時代)”と呼ばれるようになっているらしい。

・2016年に報告されたのがHOPE3試験であり、心血管疾患の既往のない中等度リスク者(平均血圧138.1/81.9mmHg;糖尿病患者は5.8%)を対象に、SBPの降圧目標を130mmHgとする介入群とプラセボ群を比較したところ、3ポイント MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)をはじめとするエンドポイントに有意差は得られなかった。


75歳以上もSBP120mmHg未満が有益  SPRINT試験サブ解析

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/60774020.html

・米国の研究グループは、収縮期血圧(SBP)治療目標値を120mmHg未満と140mmHg未満で比較する多施設ランダム化試験SPRINTの75歳以上患者を対象としたサブ解析を実施。

120mmHg未満を目標とする群で、致死的および非致死的な主要心血管イベントと全死亡の発生率が有意に低かった。



<きょうの一曲>

Daniel Barenboim: Beethoven Piano Concerto No. 4 in G major Op. 58

https://www.youtube.com/watch?v=HqyusM6sogM



<きょうの一枚の絵>

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上野豊「菊池市隈府 御所通り」油彩6号

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卵円孔閉鎖術と脳梗塞再発リスク

卵円孔閉鎖術は脳梗塞再発リスクを減らす 5.9年の追跡で再発率の差が有意に

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/nejm/201710/553193.html

米国の研究チームは、原因不明の脳梗塞を発症した患者に対する卵円孔開存(PFO)閉鎖術が、脳梗塞の再発リスクを減らすどうかを調べるために行われたRESPECT試験を当初の計画よりも長く追跡し、PFO閉鎖術は薬物療法よりも再発リスクを減らしていたと報告した。
NEJM  2017.9.14


脳梗塞患者の20~30%は、発症原因を特定できないとされる。
PFO患者では静脈の血栓が卵円孔経由で左室から脳へ移動する奇異性脳塞栓が疑われるため、PFO閉鎖術は脳梗塞再発リスクを減らすことがと期待される。
米国とカナダの69施設が参加したオープンラベルの多施設ランダム化対照試験RESPECTでは、中央値2.1年の追跡で薬物療法に対してPFO閉鎖術が有利な傾向を示したものの、統計的には有意ではなかった。
そこで著者らは、さらに長期追跡して結果を比較することとした。


RESPECTの参加者は、原因不明の脳梗塞を経験した18~60歳の患者で、経食道エコーでPFOを確認した人。初発の脳梗塞から270日以内にランダム割り付けを行った。
心原性の血栓、凝固亢進状態、血管の異常など、奇異性脳塞栓の有力な原因が特定できた場合は除外した。
患者は1対1の割合で、PFO閉鎖術または薬物療法に割り付けられた。


PFO閉鎖群には、割り付けから21日以内にSt Jude Medical社のAMPLATZER PFO Occluderデバイスを用いた閉鎖処置を実施した。
術後1カ月間はアスピリンとクロピドグレルを連日投与し、それ以降はアスピリンを単剤で5カ月間投与した。
それ以後の抗血栓療法は担当医の判断に任せた。
薬物療法群はアスピリン、ワルファリン、クロピドグレル、またはアスピリンとジピリダモール徐放薬のいずれかで治療することとした。
当初はアスピリンとクロピドグレルの併用も許可されていたが、2006年のガイドラインの変更に伴い、この治療は終了した。


有効性の主要評価項目は、非致死的脳梗塞の再発、致死的脳梗塞の再発、割り付け後の早期死亡を併せた複合イベントとした。
早期死亡は、PFO閉鎖群では、閉鎖術から30日以内または割り付けから45日以内のあらゆる原因による死亡とし、薬物療法群では、割り付けから45日以内のあらゆる原因による死亡とした。


2003年8月23日から2011年12月28日までの間に、980人(平均年齢は45.9歳)がオリジナルの試験に参加し、499人をPFO閉鎖群に、481人を薬物療法群にランダムに割り付けた。
オリジナル試験後の長期追跡は2016年5月31日まで行い、中央値5.9年(四分位範囲4.2~8.0年)となった。
有効性は5688人・年のデータで評価し、安全性は5810人・年のデータで評価した。
長期追跡による離脱率は、薬物療法群33.3%、PFO閉鎖群20.8%で、薬物療法群に有意に多かった。


複合イベントは全体では46人、PFO閉鎖群の18人と薬物療法群の28人に発生し、全て非致死的脳梗塞の再発だった。
発生率は100人・年当たり0.58人と1.07人で、ハザード比は0.55(95%信頼区間0.31-0.999)だった。


脳梗塞の再発を経験した46人のうち、13人はPFOとは無関係の原因によると見なされ、33人は原因不明だった。
原因不明の脳梗塞は、それぞれ10人と23人に発生、ハザード比は0.38(0.18-0.79)になった。一方、原因が特定された脳梗塞のハザード比は1.34(0.44-4.11)で有意差は見られなかった。


重篤な有害事象の発生率は、PFO閉鎖群が40.3%、薬物療法群が36.0%で、差は有意では無かった。
薬物療法群に比べPFO閉鎖群には、静脈血栓塞栓症が多く見られた。
肺塞栓症のハザード比は3.48(0.98-12.34)、深部静脈血栓症のハザード比は4.44(0.52-38.05)だった。
PFO閉鎖群の7人と薬物療法群の11人が死亡したが、すべて、早期死亡に該当する期間を過ぎており、死因は試験とは関係ないと判定された。


PFO閉鎖群にはデバイス関連または閉鎖術関連の重篤な有害事象が25件発生した。
PFO群には周術期に7件の心房細動(重篤または非重篤)が発生したが、すべて退院前には回復した。


これらの結果から著者らは、原因不明の脳梗塞を発症した患者に対するPFO閉鎖術は、薬物療法単独に比べ、長期的な脳梗塞の再発リスクを減らしていたと結論している。
なお、この研究はSt Jude Medical社の支援を受けている。


英文抄録

Long-Term Outcomes of Patent Foramen Ovale Closure or Medical Therapy after Stroke

Jeffrey L. Saver, et al.

http://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1610057




<きょうの一曲>

Daniel Barenboim: Beethoven Piano Concerto No. 3 in C minor Op. 37

https://www.youtube.com/watch?v=8m0JMErygG0



 <きょうの一枚の絵>


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田代 晃三『天草・崎津にて』

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米国で待機的PCIが半減

米国では待機的PCIが半減、日本でも標準化の動き その安定狭心症へのPCI、適切ですか

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201710/553156.html

米国では近年、安定狭心症に対するPCIの施行数が急減した。
循環器関連学会がPCI適応
の「適切性基準(AUC:appropriate use criteria)」を策定、同基準で「不適切」と判定される症例へのPCIの減少が、全体を押し下げた。
我が国でも学会主導でPCIの標準化が動き出しており、今後の施行件数の変化が注目される。

全米1049施設の退院記録データベースに基づいた推計では2008年から2011年にかけて、安定狭心症に対するPCIの施行件数は、実に51.7%も減少した。
同じ期間、急性心筋梗塞や不安定狭心症などの急性冠症候群(ACS)に対するPCIの減少は、1割程度にとどまる。
もちろん、安定狭心症の患者そのものが減ったわけではない。


事の始まりは、2007年のCOURAGE試験の発表だった。
同試験の対象は、安定狭心症でいずれかの冠動脈に70%以上の狭窄があり、心電図などで虚血が客観的に証明された患者(2287例)。
これを、至適薬物治療のみを行う群(OMT群)または至適薬物治療にPCIを追加する群(PCI群)にランダムに割り付け、中央値で4.6年(最長7.0年)追跡した。
主要評価項目は、総死亡と心筋梗塞の複合。


誰もがPCI群の有意なリスク低下を予想したが、結果は主要評価項目をはじめ脳卒中の発生やACSによる入院でも、有意な群間差を示すことができなかった。
しかも1年後の2008年に発表されたQOL解析では、PCI直後こそ自覚症状のない患者の比率はPCI群の方が有意に高かったが、3年後には有意差が消失していた。


「安定狭心症に対して、冠動脈に有意狭窄があるというだけでPCIを行っても予後は改善しないことは、当時既に小規模の研究で示されていた。だがNIHが資金を提供し、多施設が参加した大規模なCOURAGE試験で、そのことが誰の目にも明らかになった。もはや欧米のPCI医は、目をそらすことができなくなった」

慶應義塾大学循環器内科専任講師の香坂俊氏は、COURAGE試験が及ぼした影響の大きさを、こう説明する。


当然、当時のPCIガイドラインにも「軽度の症状があっても虚血の範囲が狭かったり客観的な虚血がなければPCIは推奨しない」と書いてはあった。
しかし、患者背景が多様な実臨床でガイドラインの推奨をそのまま適用できる患者は少なく、多くの場合は現場の医師の判断が優先されることになる。


もっと分かりやすい指針が必要

そこで、もっと細かくクリニカルシナリオを設定して、各条件下でのPCIが適切かを分かりやすく示した指針を作るべきという機運が生まれた。
これが2009年の、米国心臓病学会(ACC)、胸部外科領域の2学会(AATS、STS)、米国心血管造影インターベンション学会(SCAI)、米国心臓協会(AHA)、米国心臓核医学会(ASNC)の連名による「再灌流療法の適切性基準(Appropriateness Criteria for Coronary Revascularization)」の発表につながった。
AUCという表現は、2012年の第2版から使われている。

 
2017年春に発表された第3版では、59のクリニカルシナリオを設定。
それぞれで、虚血の自覚症状の有無、薬物治療の状況、狭窄の部位、心筋虚血リスク、糖尿病の有無などで類別して、再灌流療法の施行が適切かどうかを示した。


評価は9点満点でスコア化されており、1~3点と低ければ「R(rarely appropriate)」、4~6点なら「M(may be appropriate)」、7~9点と高ければ「A(appropriate)」で表される。アルファベットの後の数字はスコアの点数だ。


虚血の自覚症状があっても、狭窄が左前下行枝や左回旋枝の近位部にはなく、負荷心筋シンチなどの非侵襲的検査で心筋虚血が低リスクと判定されれば、判断は「R」、つまり「適切であることは稀」となる。(記事中の図2を参照)


第2版までは、「R」は「inappropriate(不適切)」の「I」が使われていた。
この方が分かりやすいが、「不適切なのにPCIを行った」として患者から訴訟の動きがあったため、第3版から表現を変えたのだという。
ちなみにMも、第2版までは「uncertain(不明)」の「U」だった。
なお本稿では以降、分かりやすさを優先し、第2版までの表現を用いて説明していく。


「不適切」症例は大きく減少

AUCが臨床現場に与えた影響は大きかった。
例えば2009~2014年の追跡で緊急PCIの件数は一定だったが、待機的PCIの件数は3割以上も減少したというデータもある。
待機的PCI施行例の後解析で、AUCに照らして不適切と判定された症例は、2009年の26%から2014年には13%に減少する一方、適切とされた症例は30%から54%に増加した。
不適切率の施設間での差も、徐々に小さくなった。


米国でこのような医療行為の適正化は放射線科の画像診断の領域で先行し、不必要と判定された検査に対しては保険償還額を減らすといったペナルティーが伴うものもある。
これに対してPCIに対するAUCは、自施設の中でPCIの適切性を判断するための指標と位置付けられ、保険償還とはリンクしていない。


とはいっても、ニューヨーク州当局がAUCによる評価結果を各施設にフィードバックするとともに、州が管理するメディケイドで安定狭心症に対する不適切例は保険償還を拒む方針を示したところ(実際には行われなかった)、不適切例は全国平均より大きく減ったとの報告もある。


福岡山王病院循環器センター長の横井宏佳氏は、「AUCの発表後、米国のPCI医は皆、やりにくくなったと言っていた。だが米国では循環器領域にかかる医療費は大きく、社会や保険者の目を無視できなくなった。であれば外部から規制される前に、自ら適正化に取り組むことを選んだということ。我々PCI医から見ると過剰規制と思われる部分も、改訂とともに徐々に改善されている」と話す。


このAUCを我が国に適用したらどうなるか、香坂氏らは慶應義塾大学循環器内科の関連16施設で行っているKiCs-PCIレジストリーを使って調べてみた。
対象症例は、2008年9月~2013年3月に登録された全1万1258例中、データ欠落例などを除く1万50例(緊急PCI:5100例、待機的PCI:4950例)。


2012年のAUC第2版に基づく検討では、緊急PCIでの不適切症例は2.9%と低かったが、待機的PCIでは30.7%が不適切と判定された。
不適切とされた待機的PCI症例の中で最も多かったケースは、「1枝または2枝病変、左前下行枝近位部を含まず、虚血に伴う症状なし、非侵襲的術前虚血評価は未実施」というもので、18.4%を占めた。
(記事中の図3を参照)


「心筋の灌流領域が狭い右冠動脈や左回旋枝だけの狭窄でも、虚血の判定を行わずにPCIが施行されており、総じて解剖学的な狭窄の存在がいまだ重視されていると考えられる。今後軽症例こそ、PCI施行の判断には心筋虚血の評価が必要だろう」と香坂氏は指摘する。


また冠動脈CTの普及と共に負荷心筋シンチの施行率が減ったこと、圧ワイヤーを使った心筋血流予備量比(FFR)による虚血リスクの評価がAUC第2版では採用されていないことも、不適切率を高めた要因だった。
この冠動脈CTとFFRは、今年発表されたAUC第3版では採用された。ちなみに冠動脈CTによる虚血リスクの評価を許容すると、不適切率は5ポイントほど低くなるという。


我が国でも「PCIの標準化」始まる

我が国でも社会は医療資源の適正な分配を求めており、米国と同様に医療界は対応を迫られている。
だが、医療環境が大きく異なる米国のAUCをそのまま導入することは困難だ。そこで日本インターベンション治療学会(CVIT)はこの秋から、PCIレジストリーであるJ-PCIに基づいた「PCIの標準化」に取り組み始めた。


専門医制度とリンクしていることから、J-PCIは我が国のPCI症例の85%をカバーしており、登録症例は年間24万例を超える。
登録事項が限られているのでAUCのような詳細な分析はできないが、一部追加の入力項目を設定した上で、低用量アスピリンの投与率、緊急PCIでは病院到着からPCIまでの時間、待機的PCIでは虚血評価の実施率、予後との関連が低い冠動脈末梢へのPCI件数などについて、個々の施設の値と全国平均を開示することにした。


現状では参加施設への開示にとどまるが、個々の施設に全国平均との差を示すことで、施設自らの評価と改善を促すことが狙いだ。
全国の平均値を適正なPCIが行われた結果と捉え、これをベンチマークとした標準化を進める。AUCとはアプローチが異なるが、どちらもPCIの適正化という同じ目的を持つといえる。


日本循環器学会が集計している循環器疾患実態調査(JROAD)では、2015年の待機的PCIの件数は19万2774件。2011年の18万1991件から微増している。標準化の進行により、我が国でも件数の減少が予想される。


PCI件数が多いハイボリュームセンターでは死活問題ともなるが、横井氏は「AUCをPCI医の裁量権を縛るものと考えるのではなく、PCIの新たな価値を作っていく手段として捉えてほしい」と強調する。


PCIが登場してから今年で40年が経過し、手技はどんどん複雑になっているが、それが技術料にほとんど反映されていない。
「手技の対価を件数でまかなうのではなく、自らを律して、バイパス手術と同等な予後の改善がPCIでも可能であることをまず示す必要がある。それを根拠に、質の高いPCIに対する評価を得ることを目指す。PCIの評価指標が、量(件数)から質(予後)に変わるということだ」と横井氏は話す。




<番外編>

LDL-Cが低い人へのスタチン投与

http://yaplog.jp/hurst/archive/367




<きょうの一曲>

Daniel Barenboim: Beethoven Piano Concerto No. 2 in B flat major Op. 19

https://www.youtube.com/watch?v=mp7xXwPOShM   



<きょうの一枚の絵> 

1511_6

中川一政 獨逸の壺

https://matome.naver.jp/odai/2136980711148618401/2136980721848637303

 




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HDL-C値が高過ぎても総死亡リスクが上昇

HDL-C値が高過ぎても総死亡リスクが上昇

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/etc/201709/552754.html 

一般集団を対象としたデンマークの大規模観察研究の結果 高密度リポ蛋白(HDL)コレステロール値と総死亡率との関連はU字型であり、男女ともHDL-C値が極めて高い場合は総死亡リスクが高かったことが、観察研究で示された。
(European Heart Journal誌 2017.8.21)


この研究はHDL-C値が高過ぎると総死亡率が高くなるという仮説を検証する目的で行われた。
一般集団を対象とした2研究(Copenhagen City Heart Study:CCHSおよびCopenhagen General Population Study:CGPS)から、デンマーク人の白人を組み入れた(1991年から1994年のCCHSから9387人、2003年に開始したCGPSから10万7121人)。


主要評価項目は総死亡で、デンマーク市民登録システムで確認した。
死因については癌、心血管疾患、その他の3つに分類した。
副次評価項目は虚血性心疾患、心筋梗塞、虚血性脳卒中とした。
HDL-Cと各評価項目との関連を、制限3次スプラインを組み込んだCox比例ハザード回帰モデルにより評価した。


対象は、男性5万2268人および女性6万4240人だった。
一般集団におけるHDL-C値の範囲は男性より女性の方が広く、平均するとHDL-C値は女性の方が高かった(中央値[四分位範囲]は、男性:52mg/dL[42-64mg/dL]、女性:67mg/dL[55-81mg/dL])。


追跡期間は74万5452人年であり、この間に男性5619人および女性5059人が死亡した(死亡率は、男性:17.1/1000人年、95%信頼区間[95%CI]:16.7-17.6、女性:12.1/1000人年、95%CI:11.8-12.4)。


HDL-Cと総死亡リスクとの関係は男女ともU字型であり、総死亡率はHDL-C値が低い患者だけでなく高い患者でも上昇していた。
総死亡率が最低となったHDL-C値は、男性が1.9mmol/L(95%CI:1.4-2.0)または73mg/dL(95%CI:54-77)、女性が2.4mmol/L(95%CI:1.8-2.5)または93mg/dL(95%CI:69-97)だった。


多因子で補正した男性の総死亡のハザード比(HR)は、リスクが最も低かったHDL-C値1.5-1.99mmol/L(58-76mg/dL)の男性を基準とした場合、2.5-2.99 mmol/L(97-115 mg/dL)の男性で1.36(95%CI:1.09-1.70)、3.0 mmol/L(116mg/dL)以上の男性で2.06(95%CI:1.44-2.95)だった。


女性の総死亡のHRは、リスクが最小だったHDL-C値2.0-2.49mmol/L(77-96mg/dL)の女性を基準とした場合、3.0-3.49mmol/L(116-134mg/dL)の女性で1.10(95%CI:0.83-1.46)、3.5mmol/L(135mg/dL)以上の女性で1.68(95%CI:1.09-2.58)だった。


死因別では、HDL-C値と心血管死との間にも男女ともにU字型の相関がみられ、HDL-C値が最も高い群は心血管死の発生率が高かった。男性では、リスクが最小だったHDL-C値1.5-1.99mmol/L(58-76mg/L)群を基準とした場合、HDL-C値3.0mmol/L(116mg/L)以上の男性のHRは2.53(95%CI:1.24-5.18)だった。
また女性では、リスクが最小だったHDL-C値2.0-2.49mmol/L(77-96mg/L)を基準とした場合、HDL-C値3.5mmol/L(135mg/L)以上の女性で2.89(95%CI:1.33-6.24)だった。


心血管評価項目については、虚血性心疾患と心筋梗塞でHDL-Cが低値の場合にリスク上昇を認めた。
HDL-C値が高くなるにつれてリスクは低下したが、HDL-C値が男性で1.5mmol/L(58mg/dL)、女性で2.0mmol/L(77mg/dL)前後になると、それ以上のリスク低下はみられなくなった。
HDL-C値が極めて高い患者に有意なリスク上昇はみられなかった。虚血性脳卒中も同様のパターンだった。


著者らは今回の結果の臨床的意義として、「HDL-Cは高値であるほどよい」という概念が極めて高いHDLコレステロール値にはあてはまらないこと、そして現在開発されているコレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害薬はHDL-C値を大きく上昇させる可能性があり、総死亡リスクの上昇が懸念されることの2つを挙げている。


英文抄録

Madsen CM, et al. Extreme high high-density lipoprotein cholesterol is paradoxically associated with high mortality in men and women: two prospective cohort studies.
 Eur Heart J. 2017;38:2478-86.



<関連サイト>

HDLは量より機能?

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/17535581.html


「機能不全HDL」

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/21854410.html


HDL-C超高値と冠動脈疾患リスク

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/57358306.html


HDL-Cは「抗動脈硬化」?

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/57634078.html





<自遊時間>

41人の医師資格保持者が立候補、衆院選

希望17、自民12、維新4、立憲3、共産1人(2017年10月10日午後5時半更新)

https://www.m3.com/news/iryoishin/562101?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD171010&dcf_doctor=true&mc.l=252294730&eml=31ef79e7aaf65fca34f0f116a57fd65d

私的コメント;
どんな候補者でもプータローでもない限り何らかの職業について生計を立てているはずです。
その点、医師は落選しても人生設計はあまり狂わないと思われます。
しかし、どんな「世直し」を考えて立候補するのでしょうか。
「希望17、自民12・・・」ということだけでも何となくわかります。
それにしても、医師連盟はおとなしいですね。
不気味なほどです。

模様眺めを決め込んでいるのでしょうか。




<きょうの一曲>

Daniel Barenboim: Beethoven Piano Concerto No. 1 in C major Op. 15

https://www.youtube.com/watch?v=zns6-njnqB8 



<きょうの一枚の絵> 

99bed86c-s

リャド アルハンブラ(王妃の中庭)

http://www.oida-art.com/buy/detail/12416.html



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FFR-CTでの虚血のカットオフ値

FFR-CTでの虚血のカットオフ値は0.72が適切

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201710/553064.html

冠血行再建術施行の指標となる心筋血流予備量比(FFR)のカットオフ値は、圧ワイヤーを使って観血的に計測する場合は0.8とされている。
だが冠動脈CTのデータに基づいて算出するFFR-CTでは0.72が適切であるとする検討結果を、日本大学循環器内科の研究チームが第65回日本心臓病学会学術集会(9.29~10.1、大阪市)で発表した。


安定狭心症に対する冠血行再建術の適応は、有意な心筋虚血が存在する場合に限定される。
その判断のためには冠動脈造影(CAG)や冠動脈CTでの形態的評価だけでなく、SPECTやFFRによる機能的な虚血評価が必要となる。
だがSPECTは核医学検査、FFRはカテーテル室での観血的検査であり、どちらも実施率は低いのが現状だ。


FFR-CTとは、我が国で広く普及している冠動脈CTのデータを使って、非観血的にFFRを算出する解析法。
ハートフロー社が開発したFFR-CTは我が国でも2016年11月に承認されたが、保険償還価格が折り合わずまだ健康保険は適用されていない。しかしCTの普及度から大手CTメーカーも注目しており、それぞれ独自にCTデータからFFRを算出する方法を開発している。


研究チームは今回、安定冠動脈疾患の患者で同時期に冠動脈CTと心筋血流SPECTを行い、冠動脈CTで中等度以上の狭窄を認めた72例を対象に、FFR-CTとSPECTの結果を比較、冠血行再建術の施行を判断する上でFFR-CTをどう活用すべきか検討した。
72中43例でCAGを施行、うち35例では観血的FFRも施行され、29例が冠血行再建術を受けていた。


FFR-CTで有意な虚血があると判断するカットオフ値を観血的FFRと同じ0.8とした場合、72例中51例が虚血陽性と判定されたが、うち15例(29%)はSPECTでは虚血陽性とならなかった。
一方、SPECTで虚血陽性と判定された42例中6例(14%)は、FFR-CTでは虚血陰性となった。
この6例のSDS(負荷によって誘発された虚血心筋量)の平均値は5.0%で、虚血が軽度なケースでSPECTとFFR-CTのミスマッチが発生していることが分かった。


SPECTで5%以上の虚血心筋量の存在を予測するFFR-CTの至適カットオフ値をROC法により求めたところ0.72となり、そのときの感度は72%、特異度は78%だった。
カットオフ値を0.8にすると感度は89%になるが、特異度が39%まで低下した。
なお、実際の冠血行再建術の施行を予測する至適カットオフ値は、0.71だった(感度80%、特異度79%)。


SPECTでSDSが5%未満だった虚血陰性群36例におけるFFR-CTの最小値は0.76で、FFR-CTのカットオフ値を0.80としたときの虚血陽性率は53%、0.72としたときは22%だった。
同様にSDSが5~10%だった軽度虚血群25例のFFR-CTの最小値は0.65で、FFR-CTのカットオフ値が0.80なら虚血陽性率は84%、0.72なら60%だった。
SDSが10%以上の中等度/高度虚血群11例でのFFR-CTの最小値は0.58で、FFR-CTのカットオフ値が0.80なら虚血陽性率100%、0.72なら91%となった。


実際に冠血行再建術を受けた患者は、虚血陰性群では11%、軽度虚血群では64%、中等度/高度虚血群では91%だった。
また、軽度虚血群の中で冠血行再建術を受けた患者(16例)のFFR-CT最小値は0.59、内科治療に回った患者(9例)では最小値は0.77で、冠血行再建術を受けた患者の方が有意に低値だった。


以上の検討から、FFR-CTのカットオフ値を0.8とした場合は虚血陰性例を多く拾ってしまうほか、虚血が軽度な患者ではSPECT単独による判断も難しいことなどが明らかになった。
従って、安定狭心症の治療方針決定に関して、以下のような検査手順を提案した。


(1)心血管リスクが軽度の患者であれば、まず冠動脈CTを撮り、中等度以上の狭窄がなければ内科治療、存在すればFFR-CTによる解析を行う。責任病変のFFR-CT値が0.71以下であればカテーテル室でCAGや観血的FFRを行い、その後の治療を判断する。FFR-CT値が0.72~0.75の場合はSPECTを追加して、虚血心筋量が5%以上ならカテーテル室での精査、5%未満ならそのまま内科治療。FFR-CT値が0.76以上の場合は、カテーテル検査を行わずに内科治療とする。


 (2)心血管リスクが中等度以上の患者では、まずSPECTを行い、虚血心筋量が5%未満であればカテーテル検査は行わず内科治療、虚血心筋量が10%以上であればカテーテル室での精査を行う。虚血心筋量が5~10%の場合はさらに冠動脈CTを行って、責任病変のFFR-CT値が0.71以下ならカテーテル室での精査、0.72以上なら内科治療とする。


考察
観血的FFRよりFFR-CTの方が、カットオフ値はやや低めと考えられる。
この違いは症例数を増やしてさらに検討する必要があるが、心筋虚血が軽度、つまりボーダーラインのケースでは、SPECTとFFR-CTを上手に組み合わせることで、冠血行再建が不要な患者に対するカテーテル検査を回避できる。
これは、冠血行再建治療の適正化という観点からも重要だである。 



<きょうの一曲>
Rubinstein-Chopin-Piano Concerto No.2 (HD)

https://www.youtube.com/watch?v=T_GecdMywPw



<きょうの一枚の絵>

1909_xl

リャド カサ フラゴナール

(ジヴェルニーにあるクロード・モネの庭)

http://www.oida-art.com/buy/detail/1909.html

 


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血圧Jカーブの機序 CLARIFY Registry

血圧Jカーブの機序は説明できず

CAD合併高血圧3万例超のCLARIFY Registry

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0901510572/?adlpo_rcc=1

45カ国で安定冠動脈疾患(CAD)を合併する高血圧患者3万2,703例を登録したCLARIFY Registry研究では、拡張期血圧(DBP)70~79mmHgを底辺として、それより高値でも低値でも心血管イベントのリスクが上昇するというJカーブの関係が示されていた。フランス・Université Paris DiderotのEmmanuelle Vidal-Petiot氏は、動脈硬化症例ではDBPが低下して脈圧(PP)が上昇することから、DBP低値での心血管リスク上昇はPP上昇が原因(動脈スティフネスがJカーブに関与する)との仮説をCLARIFY Registryのデータで検証。しかし、PP上昇は心血管リスク上昇と独立した関連が認められるものの、DBP低値におけるリスク上昇の主な決定要因ではないことが示されたと欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日、バルセロナ)で報告した。

脈圧45~64mmHgが底辺のJカーブを確認

 今回の解析対象は、CLARIFY Registryに登録された患者のうち標準の高血圧治療を受けているCAD患者2万2,672例(平均年齢65±10歳、男性75%、糖尿病患者33%)。Cox比例ハザードモデルを用いて、年1回の血圧測定により5年間追跡したデータを解析した。主要評価項目は心血管死と心筋梗塞の複合とした。

 DBPと主要評価項目との間には70~79mmHgを底辺とするJカーブの関係が認められ、70mmHg未満のDBP低値におけるリスク上昇はPPで調整後も維持されていた。また、PPと主要評価項目との間にも45~64mmHgを底辺とするJカーブが認められた。

 次に、これらのJカーブに基づきDBPを3群〔①70mmHg未満②70~79mmHg(DBP対照群)③80mmHg以上〕、PPを3群〔①45mmHg未満②45~64mmHg(PP対照群)③65mmHg以上〕に分類し、9群のクロス分類により血圧と主要評価項目との関連を検討した。

 その結果、最低リスクとなるPP対照群においてもDBPと主要評価項目のJカーブが認められた。具体的には、DBP対照群に対する70mmHg未満群のハザード比(HR)は1.53(95%CI 1.24~1.83、P<0.001)、80mmHg以上群では同1.54(同1.34~1.75、P<0.001)であった。Vidal-Petiot氏は「各DBP群の平均PPは53.4~55.2mmHgとほぼ同等だったので、PP上昇によりDBPと主要評価項目のJカーブを説明することはできない」と解説した。

過剰降圧の有害性証明にはRCTが必要

 DBPとPPの間には有意な相互作用が認められ(相互作用のP=0.005)、PPが上昇するにつれてDBP低値でのリスク上昇度は小さくなった。Vidal-Petiot氏は「DBP低値の有害作用が収縮期血圧(SBP)低値の有益作用により相殺された可能性がある」との見解を示した。

 さらに、前述のDBP 3群とSBP 3群〔①120mmHg未満②120~139mmHg(SBP対照群)③140mmHg以上〕の9群のクロス分類による検討でも、最低リスクとなるSBP対照群においてJカーブの関係が維持されていた(DBP 70mmHg未満群のHR 1.48、95%CI 1.22~1.79、80mmHg以上群のHR 1.46、95%CI 1.26~1.70、ともにP<0.001)。DBPとSBPの有意な相互作用は認められなかった(相互作用のP=0.24)。

 以上の結果から、同氏は「PP上昇と心血管リスク上昇との間に独立した関連が認められ、PPとDBPの有意な相互作用は認められるものの、PP上昇はDBP低値における心血管リスク上昇の主たる決定要因ではない。仮説は否定された」と結論。「今回の検討は観察研究なので因果関係について結論を導くことはできない。過剰な降圧治療の有害性を証明するには、70mmHg未満を含むさまざまなDBP目標値を設定したランダム化比較試験(RCT)が必要だ」と付言した。





<自遊時間 ①>

「高齢者高血圧を診る~そこに希望はあるのか~」 
ある講演会の演題。
 今や「絶
望の党」と揶揄されている「希望の党」が立ち上がる前に作られた演題名と思われる。
その点では先見の明あり。
しかし、その希望は誰が何を望んでいるのか分からない。 
この演題名も一見アトラクティブなようだが、ちょっと乱暴では。
「希望の党」も「当選を希望する候補者集団の党」のような気がする。
すくなくとも「
希望実現の党」 あるいは以前あったが「幸福実現党」がわかりやすく責任感を感じる。

 結局、尻すぼみになって「希望してただけなんです」ということになりそう。



<自遊時間 ②> 薬価を考える

クレストール錠 2,5mg「DSEP」 1錠  6点


ロスバスタチン錠2,5mg「DSEP」 1錠  3点  (オーソライズド・ジェネリック)


タケキャブ錠  10mg  2錠     32点

バイアスピリン錠100mg                      1錠
ファモチジンOD錠20mg「ファイザー」 1錠  
                              2点         (この際
バイアスピリン錠はおまけ)


ファモチジンOD錠20mg「ファイザー」 1錠 
                              2点


タケルダ配合錠             8点   (この際バイアスピリン錠はおまけ)

タケプロン0D錠15                8点 



<きょうの一曲>

Mozart: Piano concerto n. No. 21 in C major, K.467 Pollini-Muti

https://www.youtube.com/watch?v=i2uYb6bMKyI&t=35s 




<きょうの一枚の絵>

20100509_1502731

http://zazi.jugem.cc/?cid=40

大器晩成の本当の意味とは - 心が楽になる老子の言葉

http://www.roushiweb.com/category3/entry42.html

「大きな器は出来上がるのに時間がかかる」

 

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スタチン 2017

スタチンにエゼチミブ、レジンが追加された患者

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/feature/f170901/201709/552686.html

・5年ぶりに『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』が改訂された。PCSK9阻害薬やMTP阻害薬の登場により、家族性高コレステロール血症の治療方針が大きく変わっている。


・脂質異常症の新機序薬であるプロ蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害薬のレパーサ(一般名エボロクマブ[遺伝子組換え])とプラルエント(アリロクマブ[遺伝子組換え])が2016年4月、9月にそれぞれ発売された。

12月にはミクロソームトリグリセリド転送蛋白(MTP)阻害薬でホモ接合体家族性高コレステロール血症を適応とするジャクスタピッド(ロミタピドメシル酸塩)も登場した。



家族性高コレステロール血症はどんな疾患?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/feature/f170901/201709/552690.html

・家族性高コレステロール血症(FH)は、LDL受容体とその関連遺伝子の変異による遺伝性疾患だ。対立遺伝子の両方に変異がある場合(ホモ接合体)と、片方だけに変異がある場合(ヘテロ接合体)がある。ヘテロ接合体患者はこれまで500人に1人程度といわれていたが、最近、日本の一般人口で約200人に1人の割合で存在することが明らかになった。一方、ホモ接合体は100万人に1人程度とされる。


・成人(15歳以上)FHヘテロ接合体の診断基準は、(1)未治療時のLDL-C値が180mg/dL以上、(2)腱黄色腫(手背、肘、膝などまたはアキレス腱肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫、(3)FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)──のうち、2つ以上を満たす場合。つまり、遺伝子診断は必須ではない。


・FH患者のLDL-C管理目標値は、一次予防が100mg/dL未満あるいは未治療時の50%未満、二次予防が70mg/dL未満だ。


・近年、LDL-C値と年数の積である累積LDL-C値が閾値を超えると、冠動脈疾患を発症すると考えられている。

FH患者は、通常の脂質異常症患者と異なり、幼少期からLDL-C高値のため、若くして冠動脈疾患を発症しやすい。


・児期にFHと診断され、生活習慣の改善によっても、LDL-C値が180mg/dL以上の状態が続く場合、薬物療法を考慮する。2015年にリバロ(一般名ピタバスタチンカルシウム水和物)が10歳以上の小児におけるFHへの適応を取得した。

新しいガイドラインには、小児FHの第一選択薬はスタチン、LDL-C管理目標値は140mg/dL未満と明記された。

 

PCSK9阻害薬がLDL-Cを強力に下げる訳

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/feature/f170901/201709/552692.html

・血中LDL-Cは、肝細胞表面に存在するLDL受容体が血中からLDLを取り込むことで減る。このとき、PCSK9と結合していないLDL受容体は、LDLを取り込んだ後、肝細胞の表面に戻り、再利用される。


・一方、PCSK9と結合したLDL受容体は、LDLを取り込んだ後、肝細胞内でリソソームに運ばれLDLとともに分解される。その結果、肝細胞表面のLDL受容体が減少し、血中LDLが増加することになる。


・スタチンを増量してもLDL-C低下作用が一定のレベルにとどまるメカニズムにも、PCSK9が関与していると考えられている。

スタチンが肝細胞内のコレステロール生合成を抑制すると、転写因子のSREBPが活性化し、LDL受容体を増加させるとともにPCSK9の合成を促進する。

つまり、LDL受容体の増加とともに、PCSK9とLDL受容体の結合も増えるため、LDL受容体の増加にブレーキが掛かる形となり、LDL-Cの低下が抑制されてしまうというわけだ。


・スタチンとPCSK9阻害薬を併用すると、スタチン投与でLDL受容体を増やしつつ、PCSK9阻害薬でPCSK9の働きを阻害できるため、スタチンの単独投与に比べ、強力なLDL-C低下作用が得られる。


・しかし、FHの中でも重症なホモ接合体患者では、LDL受容体活性が失われているため、PCSK9阻害薬の効果は期待できない。

つまり、PCSK9阻害薬が有効であればヘテロ接合体、無効であればホモ接合体の可能性がある。


・ホモ接合体では、MTP阻害薬のロミタピドも治療選択肢となる。MTPは脂質転送蛋白の一種で、肝臓や小腸で超低比重リポ蛋白(VLDL)やカイロミクロンを形成する。

MTP阻害薬がそれらを阻害するため、結果的に血中LDLが減少する。


・ロミタピドを服用する際は、飲食が一部制限される。

肝臓からトリグリセリドが排出されなくなるため、脂肪肝になりやすく、アルコール摂取を控えなければならない。

小腸でも脂肪吸収ができなくなり下痢を発症しやすくなるので低脂肪食にする必要がある。



動脈硬化性疾患予防GL、ここが変わった  日本動脈硬化学会理事長・山下静也氏に聞く

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/feature/f170901/201710/552750.html

・5年ぶりの改訂となった『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』では、家族性高コレステロール血症(FH)治療におけるPCSK9阻害薬やMTP阻害薬の位置付けが明確に示された。


・このほかの改訂ポイントとして、

(1)絶対リスクの算出方法を変更、

(2)二次予防の中でも急性冠症候群やFHなど高リスク患者の管理目標値を70mg/dL未満と明記、

(3)睡眠時無呼吸症候群や高尿酸血症などを高リスク病態に追加

──したことなどが挙げられる。


・これまで絶対リスクは、NIPPON DATA80による冠動脈疾患の10年間の死亡率に基づき算出されていたが、今回、吹田研究による同疾患の発症率に変更。

その理由は、NIPPON DATA80の患者登録の時はまだスタチンが承認されていなかった。

その後に登場したスタチンにより冠動脈疾患の死亡が減ったため、NIPPON DATA80を用いると死亡率を高めに評価する恐れがあった。

また、冠動脈疾患の死亡率は下がっており、発症率を重視すべきと判断した。


・リスク評価は、年齢、性別、喫煙、血圧、LDL-Cなどの得点を合計して求める。

これがやや煩雑であることから、パソコンや携帯端末で計算できるソフト(アプリ)が開発された(無料)。



<きょうの一曲>

Mozart Concerto D Minor K466 Freiburger Mozart-Orchester, Michael Erren,Valentina Lisits

https://www.youtube.com/watch?v=FBVITUka_30



<きょうの一枚の絵>


12375_m 

リャド 「薄明かりのヘネラリフェ」

(ヘネラリフェは、ムハンマド3世の時代、スペインのグラナダに建設されたイスラム建築)

http://www.oida-art.com/buy/detail/12375.html


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低用量アスピリン中止で心血管リスクが上昇 

低用量アスピリン中止で心血管リスクが上昇 スウェーデン60万人超のコホート研究

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1003510977/

心疾患または脳卒中既往者では再発予防に低用量アスピリンが用いられるが、3年後までに10~20%が服用を中止するとの報告もある。
スウェーデンの60万人超を対象としたコホート研究の結果、低用量アスピリン服用者では服用中止により心血管リスクが30%以上上昇することが明らかになった
Circulation 2017; 136: 1183-1192


再発予防目的の服用者では中止後のリスクがさらに上昇

研究チームは、スウェーデン医薬品処方登録のデータを用いて2005~09年に低用量アスピリン(75~160mg/日)による治療を処方開始から1年以上継続した患者を抽出。
処方1年目のアドヒアランスが80%以上で、がんの既往がない40歳以上の患者60万1,527例を追跡対象とした。

 
主要評価項目は、追跡開始後初回の心血管イベント(心筋梗塞による入院、脳卒中、心血管死)とし、スウェーデン入院患者および死因登録を用いて特定した。なお、大出血あるいは手術後3カ月はリスク時間(time at risk)から除外した。

 
対象の男女比は約1:1、年齢は73歳で、16%が糖尿病を罹患し、約半数に心血管疾患による入院歴があった。
処方開始から3年後には、約15%がアスピリンの服用を中止していた。

 
中央値3.0年(149万1,369人・年)の追跡期間中に、心血管イベントが6万2,690件発生(発生率42.0/1,000人・年)、7万3,636人が死亡した。

 
心血管イベント発生率は、アスピリン継続群と比べてアスピリン中止群で高く、37%のリスク上昇が認められた。
これは、絶対リスクで13.5イベント/1,000リスク人・年の増加に相当し、アスピリンを中止した74例に1例では中止しなかった例に比べてイベント発生が1年当たり1回多いことを意味している。

 
再発予防を目的としたアスピリン服用者で同様の解析を行ったところ、アスピリン中止群で心血管イベントのリスクが46%上昇、アスピリンを中止した36例に1例でイベント発生が1年当たり1回多く、初発予防目的の服用者ではアスピリン中止群で心血管イベントのリスクが28%上昇、アスピリンを中止した146例に1例でイベント発生が1年当たり1回多いことが示された。


服用中止直後にリスク上昇 

サブグループ解析において、他の抗血小板薬や経口抗凝固薬を使用している患者では心血管イベントリスクが高い傾向があるにもかかわらず、アスピリン中止による有意なリスク上昇は認められなかった。

 
さらに、アスピリン中止後の心血管イベント発生時期を検討したところ、4回目のアスピリン処方を受け取った後に服用を中止し、5回目のアスピリン処方を受け取らなかった群における初回心血管イベント発生までの時間(中央値)は5回目のアスピリン処方を受け取った群よりも短かった。

 
発表者は「今回示されたアスピリン中止後における心血管イベントのリスク上昇は、抗血小板作用の消失による血小板凝集作用の上昇(リバウンド現象)によるものと考えられる。アスピリン服用者の多さと中止率の高さから、その臨床上の重要性は大きい」と考察している。さらに「低コストで利用できるアスピリンのような薬剤による治療継続は、公衆衛生上重要なベネフィットをもたらす」とまとめている。




<番外編>

ボルタレンサポの処方上の注意点

「消化性潰瘍」「心不全」の病名記載のある場合は査定を受ける可能性あり。


添付文書より

禁忌

1. 消化性潰瘍のある患者
 [消化性潰瘍を悪化させる]

6. 重篤な心機能不全のある患者
 [プロスタグランジン合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがある]
 



<自遊時間>

アスピリンの低薬価の魅力にかまけてPPIの併用はほとんど行って来ませんでした。

一抹の不安と罪悪感もあり、ずっと悩んで来ました。

アスピリンとの併用は「PPIである必要がなくHRAでもよい」という論文も散見されます。


選択肢として考えられるのは
・アスピリン単独

・アスピリン+PPI その際、PPIは先発品or後発品orタケルダ?

・適応の問題があるものの(アスピリン+PPI)ならクロピドグレル(PPIは先発品or後発品?)のほうがよいか?

ただクロピドグレルにもPPIなどの併用が必要かも、その際にはタケプロンよりネキシウムの方が競合阻害の面でいい?


悩みはつきません。


院内調剤をしている当院としては、大いに悩んだ末び清水の舞台から飛び降りる覚悟で昨日「タケルダ」をついに発注してしまいました。


 

<きょうの一曲>

Sabine Meyer Mozart Clarinet Quintet - Carmina Quartet

https://www.youtube.com/watch?v=Ulk6h3MaJyI 




<きょうの一枚の絵> 

113_3-thumb-300x257-755

丸山直文 Garden 1 acrylic on cotton 2003年 東京国立近代美術館蔵

http://profile.musabi.ac.jp/page/MARUYAMA_Naofumi.html 



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ACS患者の死亡率予想スコア

ACS患者の死亡率予想スコアは日本人でも有効

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201710/552614.html

病歴や身体所見などから急性冠症候群(ACS)患者の院内死亡リスクを算出するGRACEリスクスコアは、日本人においても有用であることが示された。三井記念病院循環器内科医長の小宮山浩大氏らが、第65回日本心臓病学会学術集会(9月29日~10月1日、大阪市)で発表した。


 GRACEリスクスコアとは、入院時に確認した8つのリスクファクター(年齢、心拍数、収縮期血圧、初期血清クレアチニン値、Killip分類、心停止による入院の有無、心筋マーカーの上昇の有無、ST部分の偏位の有無)からACS患者の院内死亡率を算出する予後予測方法。スコアが高いほど予想される院内死亡率が高く、欧州心臓病学会のガイドラインはGRACEリスクスコア140点超を院内死亡のハイリスク所見としている。しかしGRACEリスクスコアは欧米の大規模レジストリー研究から導き出されたものであり、日本を始めアジア地域が含まれていないため、日本人での有用性は不明だった。


 今回小宮山氏らは、2011年1月~2014年12月までに東京都CCUネットワーク67施設に入院したACS患者9460例を対象に、GRACEリスクスコアが欧米人と日本人で相関するか検討した。ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)は5961例、非ST上昇型急性心筋梗塞(NSTEMI)は1464例、不安定狭心症(UA)は2035例で、それぞれGRACEリスクスコアを算出して多項ロジスティック解析を行った。


 院内死亡は、STEMI 376例、NSTEMI 73例、UA 21例の計470例が確認された。主な死亡原因は心原性ショック、多臓器不全、心不全などだった。GRACEリスクスコアと院内死亡率の関係について、欧米人を対象とした結果と今回の結果が相関するか検討したところ、STEMIとNSTEMIでは相関が認められた(r=0.988、P<0.001)。一方、UAの院内死亡率は低く、相関は認めなかった(r=0.354、P=0.126)。


 次に、GRACEリスクスコアについて受診者動作特性曲線(ROC曲線)を作成した。欧州心臓病学会はGRACEリスクスコア140点超を院内死亡のハイリスクとしており、感度96.6%、特異度48.1%となっている。今回の結果を基にGRACEリスクスコア140点超をハイリスクとすると、感度は97.0%で、特異度は41.8%となった。GRACEリスクスコア140点超は独立した院内死亡の予測因子だった(オッズ比:10.79、95%信頼区間:6.52-17.84、P<0.001)。


 これらの結果から小宮山氏は、「UAについてはGRACEリスクスコアが相関しなかったものの、STEMIとNSTEMIでは強い相関関係が見られた。GRACEリスクスコア140点超は日本人においてもハイリスクなACS患者と定義でき、適正なトリアージとマネジメントに繋げることができる」と結論付けた。






<番外編 ①>

シングレア細粒4mg

1歳以上6歳未満の小児

シングレアチュアブル錠

6歳以上の小児(15歳未満)

誕生月まで厳密に査定することあり。

<番外編 ②>

Eguchi K and kario K et al.Am J Hypertens. 17(2):112,2004より改変


<きょうの一枚の絵>

113_1

丸山直文 
Color of Liver 2003年 金沢21世紀美術館蔵

http://profile.musabi.ac.jp/page/MARUYAMA_Naofumi.html




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潜因性脳梗塞とPFO閉鎖術

潜因性脳梗塞、PFO閉鎖術の長期的効果は?/NEJM

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44746

原因不明の潜因性脳梗塞を発症した成人患者において、卵円孔開存(PFO)閉鎖術群は薬物療法単独群より脳梗塞の再発が低率であったことが、980例を登録して行われた多施設共同無作為化非盲検試験「RESPECT試験」の、延長追跡期間中(中央値5.9年)の解析で示された。
PFO閉鎖術の無作為化試験での主要解析は、平均2~4年の期間をベースに行われている。
RESPECT試験も、追跡期間中央値2.1年時点で主要解析が行われ、PFO閉鎖術群で脳梗塞の再発率が低かったことが示されたが、有意なベネフィットは示されなかった(N Engl J Med. 2013;368:1092-1100.)
RESPECT研究グループは、長期的な影響を探索的に評価するため、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJeffrey L. Saver氏らが延長フォローアップデータの解析を行った。
(NEJM誌2017.9.14)


追跡期間中央値5.9年のアウトカムを評価

RESPECT試験は米国とカナダの69施設で、2003年8月23日~2011年12月28日に潜因性脳梗塞を発症した18~60歳の患者980例(平均年齢45.9歳)を登録して行われた。
被験者は、PFO閉鎖術を受ける群(499例)または薬物療法(アスピリン、ワルファリン、クロピドグレル、アスピリン+ジピリダモール徐放薬)のみを受ける群(481例)に無作為に割り付けられ追跡を受けた。


主要有効性エンドポイントは、無作為化後の非致死的脳梗塞・致死的脳梗塞・早期死亡の複合で、エンドポイントイベントの判定は盲検下で行われた。


研究グループは、2016年5月31日時点で延長フォローアップのデータベースをロックし解析を行った。
追跡期間中央値は5.9年。
脱落率が薬物療法群で高く、安全性フォローアップの期間中央値は、2群間で有意な差があった。


主要複合エンドポイントのハザード比0.55、原因不明の脳梗塞再発は0.38

有効性解析には、PFO閉鎖術群3,080患者年、薬物療法群2,608患者年が包含された。
intention-to-treat集団において、脳梗塞の再発は、PFO閉鎖術群18例、薬物療法群28例で、発症率(100患者年当たり)は、それぞれ0.58、1.07であった。
また、原因不明の脳梗塞の再発は、PFO閉鎖術群10例、薬物療法群23例であった。


安全性の解析では、重篤有害事象の総発現率は、PFO閉鎖術群40.3%、薬物療法群36.0%であったが、個別にみると、静脈血栓塞栓症(肺塞栓症と深部静脈血栓症を含む)の発現頻度が、PFO閉鎖術群が薬物療法群よりも高かった。
肺塞栓症のHRは3.48(有意)、深部静脈血栓症のHRは4.44(有意差なし)であった。


英文抄録

Long-Term Outcomes of Patent Foramen Ovale Closure or Medical Therapy after Stroke.

Jeffrey L Saver, et al.

The New England journal of medicine. 2017 09 14;377(11);1022-1032. doi: 10.1056/NEJMoa1610057.





<番外編>

Choosing Wisely、大阪では既に浸透?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201710/552958.html


(1)その薬ほんまに飲まなあかんの?

(2)その薬、副作用あるんちゃうの?

(3)そんな怖い話されたらかなわんなあ。もっと安全なやつないの?

(4)それ飲まへんかったらどないなるん?

(5)その薬、高いんちゃうの?





<きょうの一曲>

Bach Piano Concerto BWV 1055 A major David Fray

https://www.youtube.com/watch?v=FRyLYtBLIOE


<きょうの一枚の絵>


丸山−2HP 

「水辺の風景」/2015

http://aburae.musabi.ac.jp/pa/05staff/01/maruyama.html

 



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治療抵抗性高血圧に新たな血管内デバイス

新たな血管内デバイス、治療抵抗性高血圧を著明に改善?/Lancet

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44700

治療抵抗性高血圧の新たな治療デバイスとして開発された血管内圧受容器増幅デバイス「MobiusHD」(米国Vascular Dynamics社製)について、持続的な降圧効果と安全性が確認されたことを、オランダの研究チームが、ヒトでは初となる前向き非盲検臨床試験「CALM-FIM_EUR試験」の結果、発表した。
MobiusHDは、頸動脈洞を再構築(reshape)する血管内インプラントで、頸動脈の圧反射活性が血圧を低下するという原理を応用して開発された。
(Lancet誌オンライン版 2017.9.1)


片側頸動脈内に留置し6ヵ月時点で安全性と有効性を評価

CALM-FIM_EURはproof-of-principle試験で、欧州の6施設(オランダ5、ドイツ1)にて治療抵抗性高血圧の成人患者(18~80歳)を集めて行われた。


患者の適格要件は、利尿薬を含む3剤以上の降圧薬併用治療にもかかわらず診察室血圧が≧160mmHg、平均24時間ABPが130/80mmHg以上であった。
主な除外基準は、高血圧が睡眠時無呼吸症候群以外に起因している患者、頸動脈または大動脈弓のプラークまたは潰瘍の形成あり、頸動脈の内径が5.00mm未満または11.75mm超、BMIが40以上、慢性心房細動、2剤併用抗血小板療法の禁忌あり、長期に経口抗凝固薬を服用中、過去3ヵ月に心筋梗塞または不安定狭心症、前年に脳血管系の発作、推定糸球体濾過量45mL/分/1.73m
2以下、イミダゾリン受容体薬やその他の中枢性に作用する降圧薬の服用者などであった。


MobiusHDデバイスを片側の頸動脈内に留置。主要エンドポイントは6ヵ月時点の重篤有害事象の発現率とした。
副次エンドポイントは、診察室血圧および24時間ABPの変化などであった。


留置後半年で、診察室血圧24/12mmHg、24時間ABPは21/12mmHg降圧

2013年12月~2016年2月に、患者30例が登録されデバイスを成功裏に留置した。
被験者の平均年齢は52歳(SD 12)、15例(50%)が男性、降圧薬の平均服用数は4.4剤(SD 1.4)であった。

Hg(SD 18/14)であったが、6ヵ月時点で24/12mmHg(SD 13~34/6~18)の降圧が認められた(収縮期p=0.0003、拡張期p=0.0001)。


また、ベースラインの24時間ABPは166/100mmHg(SD 17/14)であったが、6ヵ月時点で21/12mmHg(SD 14~29/7~16)の降圧が認められた(収縮期、拡張期ともp<0.0001)。


6ヵ月間で重篤有害事象の発生は、患者4例(13%)において5件が報告された。
低血圧症が2例、高血圧症の悪化が1例、間欠性跛行1例、創感染1例であった。




高血圧治療法の新たな展開?(解説:冨山 博史先生/椎名 一紀先生)

http://www.carenet.com/news/clear/journal/44744

1. 背景

腎除神経の有意な降圧効果が確認され、高血圧発症・進展における交感神経の重要性が再注目されている。
生体における循環動態は一定でなく体位や環境要因などで変動するが、恒常性を維持するために圧受容体反射が重要な役割を有する。
圧受容体反射は、血圧上昇に伴う頸動脈伸展刺激が求心刺激となり、延髄循環調節中枢を介して徐脈・降圧に作用するオープンループシステムである。
基礎実験にて、デバイスによる頸動脈伸展刺激は降圧効果を示すことが報告されている。


2. 目的

上記の背景に基づき、内頸動脈へのステントデバイス留置が降圧作用を示すかを検証した。
ただし、本研究では、降圧作用の検証はSecondary endpointであり、Primary endpointはステントデバイス留置に伴う合併症発生である。


3. 方法

3-1 対象の選択条件の概要:難治性高血圧(利尿薬を含む3剤で血圧コントロールが不十分)30例(対照群なし)。
問診にて服薬アドヒアランス80%以上の症例を選択。
ステント植え込みに際してCTまたはMRAで内頸動脈径が5.00~11.75mmであり、かつ同部位に粥状硬化(plaque/ulceration)を認めない。腎機能障害、不整脈、心不全を合併しない。


3-2 手技:左右いずれかの内頸動脈にステントを留置(ステントサイズは5.00~7.00、6.25~9.00、8.00~11.75mmの3サイズから選択)。ステントデバイス留置は、トレーニングを受けた術者が実施。


3-3 診療経過:基本、研究期間中、降圧薬は変更しない。


3-4 評価項目:重症合併症、治療後7日、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月の外来血圧・24時間平均血圧。


4. 結果

4-1 合併症:低血圧(2例:7%)、高血圧増悪(2例:7%)、一過性脳虚血発作(2例:7%)など。


4-2 降圧効果:24時間平均血圧(収縮期血圧/拡張期血圧)が3ヵ月後で15/8mmHg、6ヵ月後で21/12mmHg低下した。


5. コメント

前回、SPYRAL HTN-OFF MED研究のコメントで述べさせていただいたが、こうしたデバイスによる降圧療法の有用性評価には、降圧薬服薬アドヒアランス、治療手技の確実性、血圧の評価方法などを吟味する必要がある。


5-1 降圧薬服薬アドヒアランス:本研究は問診にて服薬アドヒアランスを確認している。
しかし、研究期間中、降圧薬は変更せずに継続しており、服薬アドヒアランスの変化の影響は除外できない。
今後、SPYRAL HTN-OFF MED研究のように、降圧薬を中止してステントデバイスの降圧効果を検証する研究が必要である。
現在、CALM-START研究として進行中である。


5-2 治療手技の確実性:本治療では内頸動脈径に合わせて3種類のサイズから適切なサイズのステントを選択し留置している。
理論的には頸動脈内径が拡大することが刺激となり降圧効果を示すと考えられるが、術後の頸動脈内径の変化はCTや超音波検査では評価されていない。このように手技の確実性は検証されていない。


5-3 血圧の評価方法:血圧の評価は24時間平均血圧で評価している。
しかし、対照群が存在しないため経時的血圧変化の影響を除外できていない。


6. 本結果の臨床的意義

上述のごとく、降圧薬服薬アドヒアランス、治療手技の確実性、血圧評価方法のいずれにも限界を有する研究である。
しかし、治療後6ヵ月の24時間平均血圧の低下度は収縮期血圧21mmHg/拡張期血圧12mmHgである。
この結果は、軽症・中等症高血圧を対象としたSPYRAL HTN-OFF MED研究での結果(24時間平均血圧が対照群に比べて収縮期血圧5mmHg/拡張期血圧4.4mmHg低下した)に比べると大きな降圧作用を示している。
ゆえに、上記の問題点を解決する新たな研究の成果(現在進行中)を待つ必要がある。


一方、合併症に関しては重大な合併症はないが、2/30例(7%)に一過性脳虚血発作を認めたことは、今後も発生する合併症の種類・頻度に注意を要する治療法であろう。



<番外編>

アセトアミノフェンとアスピリンが在庫切れへ

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/trend/201709/552971.html

・ファイザーとマイラン製薬はこのほど、アスピリン「ホエイ」アセトアミノフェン「ファイザー」原末の500g包装品について、2017年10月中旬頃には在庫がなくなり、卸へ出荷できなくなる可能性が高いと発表した。原薬を調達していた山本化学工業(和歌山市)の供給停止が続いており、再開時期が未定のため。

・山本化学工業は国内大手の原薬製造業者であり、アスピリンやアセトアミノフェン(表2)、サリチルアミド、ゾニサミド、エテンザミドなどを製造し、多くの医薬品の原薬調達先となっている。


<私的コメント>

インフルエンザワクチンも供給不足のようです。

アセトアミノフェンと同じく、これからの季節に向かってあまりにもタイミングが悪すぎます。

PL配合顆粒、SG配合顆粒、トラムセット配合錠も、これからの供給不足が予測されます。

アスピリンに関しては、低薬価が一社寡占を招いたのではないでしょうか。

ワクチンの不足問題が起きるたびに、厚生行政の「お粗末ぶり」を感じてしまいます。

 

アセトアミノフェンの原薬問題で考えたこと

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201706/551800.html?ref=RL2

(本文よりコメントが参考になります)

 



<きょうの一曲>

George Szell & Wiener Philharmoniker - Orchestra Concert of 1966 Wiener Festwochen

https://www.youtube.com/watch?v=vuXODojyfME&list=RDvuXODojyfME&t=1737


ジョージ・セルの指揮をとらまえて、「肌触りこそ確かにひんやりとしているが、滑らかで底光する光沢がある。かたちはあくまで厳しい均整美に徹している点、宋代の陶磁器の名品に共通する。緩みも、前のめりの急ぎすぎもなく端然と進む。あんな気品に満ちた演奏は聴いたことがない」(吉田秀和氏)



<きょうの一枚の絵>

12134_xl2

小絲源太郎  水ぬるむ

http://www.oida-art.com/buy/detail/12134.html





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血糖の日間変動と総死亡リスク

血糖の日間変動が大きいと総死亡リスクが上昇  DEVOTE試験のサブ解析結果

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201709/552955.html

持効型インスリンを使っている2型糖尿病患者において、血糖日間変動が大きいと重症低血糖および総死亡のリスクが、また重症低血糖の既往があると総死亡リスクが、それぞれ有意に上昇していたという。
インスリンデグルデクの心血管安全性を評価したDEVOTE試験のサブ解析結果で、カナダの研究チームが第53回欧州糖尿病学会学術集会(EASD2017、9.11~15、リスボン)で発表した。


DEVOTEは米食品医薬品局(FDA)が定めたガイドラインに準じて行われた大規模ランダム化比較試験。
対象は日本人を含む心血管リスクの高い2型糖尿病患者7637例で、これを基礎インスリンとしてデグルデクを使う群とグラルギンを使う群に無作為に割り付け、2年間(中央値)追跡した。
心血管安全性に関して、デグルデクのグラルギンに対する非劣性を認めたとする主結果は、今年6月に行われた第77回米国糖尿病学会学術集会(ADA2017)で報告された。


今回発表されたサブ解析では、まず空腹時血糖の日間変動とアウトカムの関係が検証された(DEVOTE2)。
デグルデク群とグラルギン群で両者の関連に差を認めなかったため、2群を併合して解析した。
追跡期間中、来院した週に3回測定した朝食前の血糖自己測定(SMBG)値の標準偏差から、高変動群(2528例)、中変動群(2530例)、低変動群(2528例)に三分位した(変動性を算出できなかった51例を除く)。
評価期間(1カ月)は、患者ごとに無作為に割り振った。


ベースラインの患者背景として、糖尿病罹病期間は高変動群18.8年、中変動群16.3年、低変動群14.1年、HbA1cはそれぞれ8.8%、8.4%、8.1%、空腹時血糖はそれぞれ9.9mmol/L、9.5mmol/L、9.2mmol/Lであり、変動が大きい群で数値は大きかった。


重症低血糖は高変動群237例(5.00%/年)、中変動群116例(2.38%/年)、低変動群83例(1.69%/年)、MACE(心血管死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合)は高変動群267例(5.48%/年)、中変動群219例(4.49%/年)、低変動群187例(3.84%/年)、総死亡は高変動群171例(3.40%/年)、中変動群131例(2.61%/年)、低変動群115例(2.30%/年)、それぞれ発生した。


空腹時血糖の日間変動との関連性について検討したところ、補正前のハザード比(HR)は重症低血糖で4.11(95%信頼区間[95%CI]:3.15-5.35、P<0.001、以下同様)、MACEで1.36(1.12-1.65、P=0.0023)、総死亡でHR 1.58(1.23-2.03、P<0.001)となり、3指標とも有意なリスク上昇となった。
ただしMACEについては、HbA1cとベースライン特性で補正するとHRは1.21となり、有意差は消失した。


これらの結果からZinman氏は、「空腹時血糖の日間変動は、重症低血糖や総死亡と関連することが示された」と結論した。


また、同じシンポジウムの中でオーストリア・グラーツ大学のThomas Pieber氏は別のサブ解析(DEVOTE3)として、重症低血糖の既往は総死亡リスクの上昇と関連していたと報告した。この解析でも、関連に差がなかったことからデグルデク群とグラルギン群を併合して全患者を対象にした。


DEVOTEで発生した総死亡423例中、重症低血糖を経験した患者は38例だった。
重症低血糖の経験のない385例に対する死亡のリスクは、全期間で2.5倍(HR:2.51、95%CI:1.79-3.50、P<0.001)と、有意に高率だった。重症低血糖の発生から死亡した期間を15日、30日、60日、90日、180日、365日で区切って検討すると、HRはそれぞれ4.20、3.66、2.74、3.28、3.13、2.78となった。


MACEについては、681例中32例に重症低血糖の既往があった。重症低血糖の既往のない649例に対するHRは1.38(95%CI:0.96-1.96、P=0.080)となり、有意差は認めなかった。


この結果から発表者は「重症低血糖は死亡のリスクを高めているだけでなく、時間的な関連性があることを示唆する結果になった」と指摘した。





<関連サイト>

持効型インスリン2剤を比較したDEVOTE試験の結果 デグルデクとグラルギン、心血管安全性に差なし

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201706/551699.html

・インスリンデグルデクの心血管安全性に関して、インスリングラルギンを対照薬として行われたDEVOTE試験の結果、グラルギンに対するデグルデクの非劣性が示された。重症低血糖はデグルデクの方が低頻度だった。

・グラルギンは2型糖尿病患者1万2537例を6.2年追跡したORIGIN試験によって、心血管リスクを上昇させないことが示されている。

・今年秋に開催される欧州糖尿病学会で、血糖の変動性とイベントとの関連や重症低血糖とイベントとの関連についての検討を発表する予定という。

私的コメント;

これが今回の発表です。



<きょうの一曲>

ベートーヴェン:交響曲第6番:クリュイタンス/ベルリン・フィル

https://www.youtube.com/watch?v=jRFIJhPfCz8

Beethoven: Symphony No. 6, Furtwängler & VPO (1952) ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」フルトヴェングラー

https://www.youtube.com/watch?v=6bv1qxzCPVQ


ベートーヴェン:交響曲 第6番 「田園」ワルター/コロンビア響 Beethoven Symphony No.6

https://www.youtube.com/watch?v=byayR-OnN3U


ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 「田園」 Op. 68 / カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1971年5月

https://www.youtube.com/watch?v=j1aFymVu2qU


ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 作品68『田園』 /小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラ 1998年9月

https://www.youtube.com/watch?v=k2FxQ0tBLZg


クリュイタンス

http://kirakuossa.exblog.jp/15692294/




<「きょうの一曲 」番外編>

50年近く連れ添ったドイツ人の妻、バーバラさんを亡くしたあと、辛くて仕事をする気がなくなって何も手が着かない時期が続いた。しかし考え直して、これからはほんの少しでも人の役に立つことをしようということに考えが及んだ。バッハの「平均律クラヴィール曲集」を聴いて、私はこの不条理の世界にも何かの秩序があり得るのではないかという気がしてきた。この音楽が続く限り、心は静まり、世界には何もないかもしれないがその空虚の中で、一つの宇宙的秩序が存在するのかもしれないという気がしてきた。

そういうとき、どういう音楽が一番に上げられるかと言うと、やはりバッハであり、モーツアルト、ベートーヴェンだね。この3人だなあ。

女房が死んだあと、しばらくして寂しくなって音が欲しくなった時、いろんなものをかけては邪魔になったが、バッハは邪魔しなかったなあ 。

 
<きょうの一枚の絵>

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村田省蔵

じゃがいもの花咲く頃 油彩8号

http://seikougarou.co.jp/sakka/profile/351.html


 



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90代はTAVIの「ふさわしい」対象

90代はTAVIの「ふさわしい対象」
http://www.carenet.com/medscape/cardiology/000426.html 

増加し続けている90代の患者集団は、重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)を安全かつ効果的に受けることができると、レジストリ研究の結果が示唆している

2017年欧州心臓病学会(ESC)学術集会においてポスター発表された、7年超の期間に治療を受けた800例を超える患者における「リアルワールド」での観察研究によって、術直後の期間における有害アウトカムは増加していた一方で、2年時の脳卒中発生率、全死因死亡率、主要有害心イベント(MACE)発生率はほぼ同様であったことが明らかになった。
 

本学会での記者会見において発表者は、「90代患者は、より重症であったにもかかわらず、2年時の全死因死亡率およびMACE発生率がそれ以外の患者とほぼ一致、もしくは類似していたことに驚いた」と述べた。
 

しかし、臨床試験においては、90代の患者数が少ないため何人の90歳超の患者が安全かつ効果的にTAVIを受けることができるのか、それゆえ何人が本施術の対象となりうるかについては「言及しかねる」ことを指摘した。

たとえば欧州や米国にこの結果をどのように適用できるかという問いに対しては、ブラジルは開発途上国であり、「ブラジルにおける平均余命はわずか70年である」、そのため90代の患者は同氏らのレジストリにおいてわずか10%余りであり、比較すると米国の集団ではこの値は16%と予想される、とした。


それゆえ、開発途上国と先進国の両方と協力し、この種の施術による治療を受けた90代の患者において結果が再現されるかどうか調査することが期待される。

また本研究において、より新しい第3世代の人工弁ではなく第2世代の人工弁が使用されたことから、「もう1つの非常に重要な点は、使用した人工弁に関することである」とした。


「ブラジルにおいてわれわれは概して局所麻酔と意識下鎮静法を用いて治療している。そのため、将来的には90代の患者での結果はより良好なものになると予想している」と付け加えた。


「少なくともスペインの人口において、新生児の平均余命は85年であり、すでに90歳である人の平均余命は5~6年である」と、本研究に関与していないスペインの専門家はコメントした。

これらの患者には依然として先の人生がある。
それが、この種の施術を高齢者が受けることをわれわれが制限すべきではない理由である。


TAVIは、大動脈弁狭窄症患者の大多数にとって確立された標準治療であるものの、本技術を、90代の患者を含む、従来非常に高リスクであるとみなされてきた集団に対し使用すべきかどうかについては、議論が続いている。

この年齢集団におけるTAVIによる早期および長期の臨床アウトカムを明らかにするため、研究者らは、Brazilian TAVIレジストリに組み入れられた、2008年1月~2015年2月の間に重症大動脈弁狭窄症に対し本施術を受けた819例の患者を調査した。

それらの患者のうち735例は90歳未満であり、84例は90代であった。
その両群の平均年齢はそれぞれ80.12歳 vs.92.45歳であり、予想通り有意差がみられた。
加えて、90代群は90歳未満の若年患者群と比較し、腎機能不全の有病率が高く、またSociety of Thoracic Surgeonsスコアの平均値が有意に高かった。

90代群はまた、若年患者群と比べ平均BMIが有意に低く、Euroスコアが有意に高かった。

しかしながら両群間で心エコー結果に有意差はなかった。

両群で用いられた人工弁の種類も類似しており、90代群の69.0%、若年患者群の73.3%がCoreValve(Medtronic)の移植を受け、両群の残りの患者はSapien XT(Edwards Lifesciences)の移植を受けた。

患者は5年間の追跡調査を受けた。
予想通り、90代群における5年時の全死因死亡率、心血管死亡率、主要有害心イベント(MACE)発生率はより高い値であった。

しかしながら、研究チームが追跡調査の最初の2年間に注目したところ、有害アウトカムの発生率は90代群と若年患者群の間で非常に類似していたことが明らかになった。

たとえば、30日時の全死因死亡率は、90代群および若年患者群においてそれぞれ15.6%および8.4%であり、1年時には20.9%および21.8%に上昇し、2年時には27.3%および30.7%)となった。(いずれも有意差なし)

また30日時の脳卒中発生率は、90代群および若年患者群においてそれぞれ2.4%および4.0%であり、1年時にはそれぞれ5.3%および7.4%、2年時には5.3%および8.5%となった。(いずれも有意差なし)

30日時のMACE発生率は、90代群および若年患者群においてそれぞれ19.1%および12.0%であり、1年時には27.0%および25.8%、2年時には33.7%および34.4%となった。(いずれも有意差なし)

全体的にみると、5年間の追跡期間後の若年患者群に対する90代群の全死因死亡のハザード比[HR]は1.72であった。
心血管死のHRは1.99(95%CI:1.25~5.02、p=0.03)であり、一方で重大な出血のHRは0.83であった。
(いずれも有意差なし)

脳卒中については、5年時の若年患者群に対する90代群のHRは1.02であり、一方で5年時のMACEのHRは1.37であった。

90代群は若年患者群よりもTAVI後の短期アウトカムが悪いが、長期臨床アウトカムは同様であり、このような患者集団で症候性重症大動脈弁狭窄症の治療にTAVIを使用することは「無益なアプローチではない」、と結論づけた。


英文記事

Nonagenarians 'Good Candidates' for TAVI Surgery

http://www.medscape.com/viewarticle/885139



<きょうの一曲>

Schubert, Trio op. 100 - Andante con moto

https://www.youtube.com/watch?v=e52IMaE-3As



<きょうの一枚の絵>


2

村田省蔵 「大島遠望」

http://aucview.com/yahoo/e213603372/ 

 




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非ST上昇型ACSの侵襲治療のタイミング

非ST上昇型ACSの侵襲治療、適切なタイミングは?/Lancet

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44443

非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)の患者に対し、早期侵襲治療は待機的侵襲治療と比べて全死因死亡リスクを有意に低下しなかった。
ただし、糖尿病患者や75歳以上の患者などハイリスク患者については、早期侵襲治療が待機的侵襲治療に比べ有益である可能性が示された。
ドイツ・リューベック大学心臓センターのAlexander Jobs氏らが、8件の無作為化試験をメタ解析した結果で、Lancet誌オンライン版2017年8月1日号で発表された。
NSTE-ACSの患者に対しては、臨床ガイドラインでルーチンの侵襲治療を推奨しているものの、その最適なタイミングについては明確に定義されていない。
これまでに行われた臨床試験では、治療のタイミングが及ぼす死亡への影響を検出する力が不足しており、研究グループはメタ解析にて評価を行った。


無作為化試験8試験をメタ解析し30日以降の全死因死亡率を比較

検討は、MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Embaseから、NSTE-ACSに対する侵襲治療のタイミングに関して、早期戦略と待機的戦略を比較していた無作為化試験を検索して行われた。
また、院内無作為化から30日以上経過後の全死因死亡率を報告しており、試験研究者の了解(個々の患者データや標準化した一覧データの提供など)を得られた試験を包含した。


ランダム効果モデルを用いてプール解析を行い、ハザード比(HR)を求めた。


75歳以上では早期侵襲治療群で死亡リスクが35%減

メタ解析に包含されたのは無作為化試験8件(被験者総数5,324例)で、追跡期間の中央値は180日だった。


早期侵襲治療群は待機的侵襲治療群と比較し、有意な全死因死亡率の低下はみられなかった。


しかしながら事前規定のハイリスク患者グループの解析で、早期侵襲治療群の全死因死亡率が待機的侵襲治療群に比べ、より低率であったグループが認められた。
具体的には、ベースラインで心臓バイオマーカー上昇が認められた患者グループで、ハザード比は0.761、また、糖尿病患者群で0.67、 GRACEリスクスコア140以上群で0.70、75歳以上の患者群では0.65だった。
ただしいずれのサブグループでも、交互作用検定で有意差は確認できなかった。




<関連サイト>

NSTE-ACS症例に対するPCI施行の適切なタイミングは?(解説:上田 恭敬 先生)

非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)症例に対してはルーチンに侵襲的治療をうことが推奨されているが、その適切なタイミングについては必ずしも明確にされていない。


そこで著者らは、早期侵襲的治療(early invasive strategy)と待機的侵襲的治療(delayed invasive strategy)の2群に無作為化して、その成績を比較している8つの臨床試験から、共同研究として、症例の個別データ(合計5,324症例)を入手してメタ解析を行った。公表されているデータだけでなく、個別の症例データを使用したことで、高リスク群での解析が可能となった点が、過去に報告されているメタ解析に比して本研究が優れている点であるとしている。


その結果、中央値で180日のフォローアップ期間において、死亡率(全死亡)の有意な差を認めなかったと報告している。
また、非致死性心筋梗塞の発生頻度においても、同様に有意差を認めなかったとしている。


しかし、事前に定義された高リスク症例である、心筋逸脱酵素陽性症例、糖尿病症例、75歳以上の症例においては、統計的有意ではないものの、早期侵襲的治療においてより低い死亡率を認めている。


そのため、結論としては、「一般的に待機的侵襲的治療に比して早期侵襲的治療が死亡率を低下させなかったが、高リスク症例では死亡率を低下させるかもしれない」としている。


本研究は、NSTE-ACSであってもSTEMI同様に、夜間や休日に緊急心臓カテーテル検査のチームを招集してまで早急に心臓カテーテル検査を施行する必要があるのかどうかを知るために非常に重要である。
各群においてどのようなタイミングで心臓カテーテル検査が行われたかをみると、早期侵襲的治療群では、多くは数時間以内に行われているが、待機的侵襲的治療群では、24~96時間あたりで行われている症例が混在している。
群間の時間差は1~4日程度で、実際に週末に入院となった患者を想定すると現実的な内容といえる。
早期侵襲的治療を行うメリットのある高リスク症例が存在するという本研究の結果は重要である。
とくに、医師の時間外労働や働き方改革が大きな問題となっている現在の日本においては、平日の勤務時間内まで待って心臓カテーテル検査をすればよい症例と、緊急心臓カテーテル検査が必要な症例に、合理的に振り分けることが社会的にも重要であろう。



<きょうの一曲>

Schubert (Perenyi, Schiff) - Sonata en a minor Arpeggione D821.avi

https://www.youtube.com/watch?v=NNcQuY1isEI

 


<きょうの一枚の絵>


20120716100423e32

ルフィーノ・タマヨ(1899-1991) SANDIA(スイカ) 

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AFの二次イベントリスク

AFの二次イベントリスクが明らかに 男性はAMI、女性はISが最も高い

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0906510579/?adlpo_rcc=1

スウェーデンにおける初発心房細動(AF)患者約50万例の登録データを基に、発症後10年間の二次性イベントの発症リスクを検討したところ、男性では致死性または非致死性の急性心筋梗塞(AMI)、女性では虚血性脳卒中(IS)の発症リスクが最も高く、これらのリスクは年々増加傾向にあることが明らかとなった。
スウェーデンの研究チームが欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日、バルセロナ)で報告した。


1年後、5年後、10年後の二次性イベント発症率を検討

AFは全身性塞栓症のリスク因子であり、AMI発症リスクの増加と関係することが知られているが、これらの二次性イベントのうち、いずれの血栓イベントを最初に発症するかは明らかになっていない。
そこで、スウェーデンにおけるAFの大規模患者登録データを用いて、初発AF患者の致死性または非致死性AMI、IS、静脈血栓塞栓症(VTE)の初発イベントの長期発症リスクを検討された。

 
対象は、1987~2012年にSwedish Inpatient Registerに登録されたAMI、IS、VTEの既往歴がない初発AF患者49万6,173例。2013年12月31日まで追跡し、1年後、5年後、10年後の致死性または非致死性AMI、IS、VTE〔深部静脈血栓症(DVT)または肺塞栓症(PE)〕の初発イベントを記録し、イベント発症率を算出した。


女性でより高い二次性イベント発症リスク

対象の年齢は18~84歳と幅広く、男性が53%(平均年齢70.2歳)、女性が47%(同76.6歳)を占めた。

 
ベースライン時の併存疾患は、高血圧(26.5%)、心不全(25.2%)が高率で、AMI以外の虚血性心疾患(16.7%)、がん(12.5%)、糖尿病(11.3%)、心弁膜症(7.0%)、一過性脳虚血発作(TIA、4.0%)が続いた。
脳内出血、先天性心疾患、末梢血管障害の既往例は1%未満であった。


また、1年後、5年後、10年後における致死性または非致死性AMI、IS、VTEの二次性イベントについて男女別に検討したところ、男性では致死性または非致死性AMI、女性ではISが一貫して最も頻度が高く、これらのイベント発症率は、男女とも経時的に増加する傾向にあった。


以上の結果から、研究チームは「初発AF後、最初に発症する二次性イベントは、男性では致死性または非致死性AMIとISがほぼ同率で、女性ではISが最も多かった。VTEは長期的な発症率は高くはなかったが、女性では男性よりも高率であったことから、総合的なリスクは男性より女性の方が高いと考えられた」と結論。さらに、「相対的に二次性イベントの発症リスクが男性よりも女性で高い理由は不明であり、今後さらなる研究が必要」と付言した。

私的コメント;
対象者の男女の平均
年齢に差(女性の方が高齢)があるようですが、有意差はなかったのでしょうか。
Age matchすれば違う結果になっていたかも知れません。 
併存疾患(糖尿病、高血圧、心不全など)の有無による検討も望まれます。 



<きょうの一曲>

Mozart: Piano concerto n. No. 21 in C major, K.467 Pollini-Muti

https://www.youtube.com/watch?v=i2uYb6bMKyI&t=16s    


<きょうの一枚の絵>

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安井曾太郎 霞沢岳 1938年(昭和13) 油彩/カンヴァス

http://www.polamuseum.or.jp/collection/006-0449/   




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ASTRAL試験 心原性脳梗塞と血圧

心原性脳梗塞のみ血圧高値で予後不良に ASTRAL試験

https://medical-tribune.co.jp/mtpronews/1209/1209071.html

これまで急性期脳卒中における血圧管理レベルについては,規模は小さいながらも数多くの検討が重ねられてきた。

その中で,急性期脳卒中における血圧と予後はU字カーブの関係にあることが複数の研究で示されているが,至適血圧レベルについては一定の見解が得られていない。
ギリシャの研究グループは,スイスの急性期脳卒中患者対象のASTRAL
試験登録者の入院時血圧レベル,発症から24~48時間以内の血圧の変化と機能的予後との関連について検討。
心原性脳梗塞例のみ,入院時の血圧高値やその後の血圧上昇と機能的予後不良は有意に関連していたことを明らかにした。
Neurology 2012年9月19日オンライン版


ラクナ梗塞,アテローム血栓性脳梗塞では有意な関連なし

昨年(2011年),急性期脳卒中患者の入院時収縮期血圧(SBP)レベルが120~180mmHgだと入院中の死亡が少なく,退院後の予後が良好であることがGIFA試験で示された。
Int J Cardiol 2011; 151: 318-322

 
今回は,急性期脳卒中患者の入院時血圧レベル,発症24~48時間の血圧変動と機能的予後不良〔修正ランキンスケール(mRS)>2〕の関連が検討された。

 
対象は,2003~09年にASTRAL試験に登録された発症から24時間以内の急性期脳卒中患者のうち,ラクナ梗塞(16%,平均年齢68.3歳,女性22.6%),アテローム血栓性脳梗塞(13%,同71.1歳,41.0%),心原性脳梗塞(32%,同74.6歳,46.8%),その他(39%)の791例。

 
ラクナ梗塞例における各SBPレベルの機能的予後不良発生率は,140mmHg未満は15.3%,140~160mmHgは12.1%,160mmHg以上では20.8%であり,いずれも有意な関連は認められなかった。

 
アテローム血栓性脳梗塞例については,140mmHg未満は41.0%,140~160mmHgは41.5%,160mmHg以上では45.5%であり,いずれも差はなかった。

 
さらに,発症から24~48時間の間に血圧が上昇した例と逆に低下した例についても評価。

 
ラクナ梗塞例で血圧が上昇した場合の機能的予後不良の発生率は18.7%であったのに対し,低下した場合は18.0%であり,両者に差は認められなかった。

 
また,アテローム血栓性脳梗塞で血圧が上昇した場合の機能的予後不良の発生率は43.4%,低下した場合は43.6%であり,差はなかった。

 
一方,
心原性脳梗塞例の機能的予後不良発生率は,各SBPレベルで有意差が生じた

 
さらに,
発症から24~48時間の間に血圧が上昇していた例における機能的予後不良の割合は,低下していた例に比べて有意に高かった


側副血行路による違い?

ラクナ梗塞例およびアテローム血栓性脳梗塞例では,慢性高血圧の合併頻度が高く,それに伴い脳血流自動調節域が右方へシフトし,側副血行路を経由し虚血領域に血流が集まって予後改善につながる可能性がある

 
したがって,ラクナ梗塞例およびアテローム血栓性脳梗塞例では,入院時の血圧レベルが高い例や発症から24~48時間以内の血圧上昇例が機能的予後不良の増加と結び付かなかったと考えられた

 
一方,心原性脳梗塞では,入院時の血圧レベルが高く,その後の血圧上昇が高い例で機能的予後不良となった例が多かったのはラクナ梗塞およびアテローム血栓性脳梗塞とは異なる病因による結果だと著者は指摘する。

 
同じ脳梗塞でも,急性期の血圧管理では病因の違いを考慮する必要性を示唆した結果となった。




<きょうの一曲>

DAVID FRAY & MARIN ALSOP Mozart Piano Concerto No.22 1st mov.

https://www.youtube.com/watch?v=xPLw6RUa4sY


<きょうの一枚の絵>

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安井曾太郎  枇杷図   1950-1955年(昭和25-30)頃 油彩/カンヴァス

http://www.polamuseum.or.jp/collection/002-0069/

 


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GLP-1週1回製剤の安全性と有効性

GLP-1週1回製剤の安全性と有効性 安全性証示すも優越性は有意に至らず、エキセナチドの第IIIb/IV相試験EXSCEL

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0920510827/

2型糖尿病患者に対するGLP-1受容体作動薬エキセナチド週1回投与の効果を検討した第Ⅲb/Ⅳ相国際共同二重盲検プラセボ対照心血管アウトカム試験EXSCELの結果が、英国からが第53回欧州糖尿病学会(EASD 2017、9.11~15、リスボン)で発表した。
プラセボ群に対しエキセナチド群で3ポイントMACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)の非劣性が証明されたものの、優越性では有意に至らなかった。 
       N Engl J Med 2017年9月14日オンライン版


クラス最大規模1万4,500人対象の心血管アウトカム試験

2型糖尿病患者の心血管死亡リスクは一般人口の約4倍とされる。
血糖コントロールは微小血管系のアウトカムを改善するものの、大血管系アウトカムに対する効果は明らかではない。
しかし近年、新規糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬(リラグルチド、semaglutide)やSGLT2阻害薬による心血管イベント抑制効果が報告されており、EXSCEL試験の結果に注目が集まっていた。

 
同試験の対象はHbA1c 6.5%以上10.0%以下の2型糖尿病患者(18歳以上、年齢の上限なし)で、心血管疾患の既往の有無が約70%と30%になるように設計された。
対象は経口血糖降下薬を0~3剤使用、またはインスリンを単独使用もしくは2剤以下の経口血糖降下薬と併用する通常治療を受けることが認められた。

 
2010年6月~15年9月に35カ国687施設の2型糖尿病患者1万4,752例がエキセナチド徐放性製剤2mgまたはプラセボを週1回皮下注射する群に1:1でランダムに割り付けられ、intention to treat(ITT)解析に組み入れられた。
主要複合評価項目は3ポイントMACEとした。

 
対象の糖尿病罹患期間は中央値で12.0年、HbA1cの中央値は8.0%だった。
心血管イベントの既往が73.1%にあり、心不全の既往は16.2%だった。

 
96.2%が試験を完了。
追跡期間は中央値3.2年(四分位範囲2.2~4.4年)で、試験レジメンへの曝露期間はエキセナチド群が2.4年、プラセボ群が2.3年だった。


HbA1c、体重、トリグリセライドが改善、心拍は増加

試験開始6カ月後のHbA1cはエキセナチド群でプラセボ群より0.7%低く、その差は漸次縮小した。
全試験期間中の最小二乗平均値はプラセボ群と比べてエキセナチド群で、HbA1cが0.53%、体重が1.27kg、収縮期血圧が1.57mmHgそれぞれ低下していたが、心拍数については2.51回/分増加していた。

 
MACEの発生はエキセナチド群では7,356例中839例(11.4%、3.7例/100人・年)、プラセボ群では7,396例中905例(12.2%、4.0例/100人・年)だった。
ITT解析の結果、安全性についてプラセボに対するエキセナチド群の非劣性が確認された。
しかし、有効性については両群間に統計学的有意差はなかった。

 
事前に規定した二次解析では、エキセナチド群における全死亡の減少が認められた。

 
両群間で心血管死、致死的または非致死的心筋梗塞、致死的または非致死的脳卒中、心不全による入院、急性冠症候群による入院、急性膵炎、膵がん、甲状腺髄様がんの発生率に差はなかった。
深刻な低血糖の発生率も同等で、エキセナチドの使用による安全性の問題は観察されなかった。


心血管イベント抑制の傾向や効果のサイズは他の同クラス薬と一貫

以上の結果から、通常治療へのエキセナチド週1回追加投与は、広範な心血管リスクを有する2型糖尿病患者において同リスクを増大させないことが確認された。


一方で、期待されたプラセボ群に対する3ポイントMACEの優越性を示すには至らなかった。
この点について演者は、EXSCEL試験で観察されたエキセナチドの心血管イベント抑制の傾向や効果のサイズは他のGLP-1受容体作動薬の試験結果と一貫していると指摘した。

 
有意差が付かなかった理由として、リラグルチドの優越性を示したLEADER試験よりも試験期間が短く(3.2年 vs. 3.8年)、対象のHbA1c値が低く(8.0% vs. 8.7%)、試験薬の中断率が高かったこと、プラセボ群における心血管イベント抑制効果を持つSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬などの不均衡な使用など、複数の要因が関連した可能性があると考察している。



<関連サイト>

アストラゼネカの 2型糖尿病治療薬GLP-1受容体作動薬「ビデュリオン®」が 心血管イベントの発症リスクを有する2型糖尿病患者さんにおいて 安全性の主要評価項目を達成

https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2017/201705251.html

・EXSCEL試験は、広範な心血管イベントの発症リスクを有する2型糖尿病患者さんに、通常の糖尿病治療にビデュリオン(一般名:エキセナチド)週1回投与を追加投与した場合と、プラセボを追加投与した場合との比較で、心血管死、非致死性心筋梗塞ならびに非致死性脳卒中の複合エンドポイントである主要心血管イベント(以下、MACE)発生を評価した試験です。


・EXSCEL試験は、MACEの発生において非劣性を示し、安全性の主要評価項目を達成しました。

MACEを軽減させるという有効性については統計上の有意差は示さなかったものの、ビデュリオン群ではプラセボ群に比べて心血管イベントの発生が少数でした。

なお、安全性データは既知のビデュリオンの安全性プロファイルと同様でした。


私的コメント

コントロールという表現なので本当のプラセボのようです。

「MACEを軽減させるという有効性については統計上の有意差は示さなかったものの、ビデュリオン群ではプラセボ群に比べて心血管イベントの発生が少数でした」・・・理解しがたい文章です。



「リラグルチド」が主要な心血管イベントのリスクを低下させる適応症をもつ唯一の2型糖尿病治療薬として米国で承認

http://dm-rg.net/news/2017/09/018266.html

「LEADER試験」試験で標準治療に追加投与した場合、リラグルチドは、心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のリスクをプラセボと比較して統計学的に有意に13%低下させ、絶対リスクの差は1.9%だった。

この全体のリスク低下は、リラグルチドが、心血管死をプラセボと比較して統計学的に有意に22%低下させ、絶対リスクの差が1.3%だったことに起因している。また、統計学的に有意ではないものの、非致死性心筋梗塞ならびに非致死性脳卒中のリスクを低下させた。


週1回投与セマグルチド群では、対照群よりも多くの患者が血糖降下と体重減少をともに達成

http://dm-rg.net/news/2017/09/018267.html

SUSTAIN 1~5試験の事後解析から、週1回投与のセマグルチド群では、対照群よりも多くの成人2型糖尿病患者が、臨床的に意義のあるHbA1c低下と体重減少をともに達成したことが示された。対照群はプラセボ、シタグリプチン、インスリン グラルギンU100、および持続性エキセナチドのいずれかだった。同解析結果は、第53回欧州糖尿病学会で発表された。


「ビデュリオン」は心血管(CV)イベントのリスクを上げない EXSCEL試験

http://dm-rg.net/news/2017/05/018118.html


私的コメント

「上げない」ということは「下げない」ということですね。
 


<今朝の一曲>

Julie London – If I Should Lose You

https://www.youtube.com/watch?v=alG53t8_ZT0



<きょうの一枚の絵>

koito_gentarou-300x221

小絲源太郎 「花」

https://www.art-information.ne.jp/hanada/japanese_painting_YOUGA/koito_gentarou/ 



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J-DOIT3

日本発、糖尿病の多因子介入で新エビデンス J-DOIT3

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0919510824/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

2型糖尿病の治療目標値が変わるかもしれない、そんな新たなエビデンスが日本から発信された。
国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター・センター長の植木浩二郎氏、東京大学病院糖尿病・代謝内科教授の門脇孝氏らはJ-DOIT3
試験の結果を第53回欧州糖尿病学会(EASD 2017、9.11~15、リスボン)で発表した。
血糖・血圧・脂質に対して、従来のガイドラインよりも厳格な目標を設定した統合的治療が2型糖尿病に伴う血管合併症をさらに減らせることを、世界で初めて見いだした。


平均8.5年の長期介入

2型糖尿病が引き起こす血管合併症は大きな社会問題にもなっているが、合併症予防に有効な治療法はいまだ確立されていない。
J-DOIT3試験は、2型糖尿病の大血管合併症を30%抑制する介入方法の検証を目的に、厚生労働省の戦略研究の一環として2006年に始動した。
大血管合併症を起こすリスクが高い2型糖尿病患者を対象に、
大血管合併症の発症および進行の抑制について強化療法と従来療法の有効性をランダム化比較試験で検討した。

 
方法は、全国81施設に登録された高血圧または脂質異常症を有する45~69歳の2型糖尿病(HbA1c 6.9%以上)患者2,542例を対象に、強化療法群と従来療法群に1:1でランダムに割り付け、2016年3月まで介入を継続した。

私的コメント;

患者の同意もなくランダムに割り付けることに問題はないのでしょうか。
治療側は当然どちらの群かは把握しているわけですが、患者には知らされているのでしょうか。
従来群で強化療法の数値に達してしまった場合には「手綱」を緩めるのでしょうか。 

 
主要評価項目は死亡、冠動脈イベント(心筋梗塞、冠動脈血行再建術)、脳血管イベント(脳卒中、脳血管血行再建術)のいずれかの発生、副次評価項目は腎イベント(腎症の発症・進行)、眼イベント(網膜症の発症・進行)、下肢血管イベント(下肢の切断・血行再建術)の発生とした。

 
強化療法群はHbA1c 6.2%未満、血圧120/75mmHg未満、LDL-コレステロール(LDL- C) 80mg/dL未満という、より厳格な目標値の達成を目指し、段階的に治療を強化した。
従来療法群では現行の糖尿病診療ガイドラインに従い、HbA1c 6.9%未満、血圧130/80mmHg、LDL-C 120mg/dL未満を目標とした。
両群とも生活習慣の指導と薬物療法が行われたが、強化療法群ではより厳格な管理と指導がなされた。

私的コメント;

強化療法群はHbA1c のみならず血圧値、LDL-コレステロール(LDL- C) 値の目標値も厳格化されています。

これでは糖尿病治療の大血管障害の有効性を、強化療法群と従来療法群で比較することは出来ません。
降圧療法、脂質低下療法のバイアスがあまりにも多いからです。 
どうしてこのような「相乗り」 のプロトコールを作ったのでしょうか。

 

解析対象は、強化療法群が1,269例、従来療法群は1,271例で、介入期間は平均8.5年であった。

平均HbA1cは強化療法群では介入開始時の8.0%が介入終了後には6.8%に、従来療法群では8.0%が7.2%にそれぞれ改善した。
平均血圧は強化療法群で134/79mmHg→123/71mmHgに、従来療法群では134/80mmHg→129/74mmHgに、平均LDL-Cはそれぞれ126mg/dL→85mg/dL、126mg/dL→104mg/dLに改善した。
糖尿病の治療でしばしば問題となる体重増加については、両群ともBMIはおおむね横ばいで推移した。


主要評価項目は19%の抑制、脳血管イベントは58%の有意な抑制

主要評価項目は従来療法群に比べ、強化療法群で有意ではなかったものの19%抑制され、登録時の危険因子を補正後は24%有意に抑制された。

さらに事後解析を行ったところ、全死亡、冠動脈イベントは両群間で有意差はなかった。
しかし、脳血管イベントについては、脳卒中が強化療法群15例、従来療法群37例、脳血管血行再建術がそれぞれ2例、3例で認められ、強化療法群では58%有意に抑制された。

 
糖尿病患者の死因は、特に欧米では大血管合併症が多いといわれているが、強化療法群では心筋梗塞や脳卒中による死亡は1例もなく、
両群とも死因の約60%ががんであった。
このため、強化療法群では心血管死が1例もなかったにもかかわらず、死亡率は両群間に有意差がなかったものと考えられた。


私的コメント;
糖尿病患者にがん死が多いことは最早常識です。
試験期間中、がんの早期発見にどれだけ注視されたのでしょうか。
今回の試験の結果から学ぶべきことは、糖尿病専門医はHbA1cの数値に一喜一憂するのではなく、「がんの併発を見落とさないように気をつけよう」という皮肉な教訓です。

腎症、網膜症の発症・進行を有意に抑制

副次評価項目については、強化療法群で有意ではないが26%抑制した。
イベント別に見ると、強化療法によって腎イベントが32%有意に抑制され、眼イベントは14%の有意な抑制が認められたが、下肢血管イベントは両群間で有意差はなかった。

 
サブ解析において、重篤なイベントの発生は、従来療法群で末期腎不全への進行が5例に認められたが、強化療法群では1例もなく、失明、下肢切断は両群ともなかった。


重篤な低血糖は両群とも年0.1%未満

安全性に関しては、強化療法群で低血糖の発生件数が多かったが、第三者の介助や入院を要する重篤な低血糖は強化療法群7例、従来療法群4例で、強化療法群においても発生率は年0.1%未満と極めて低率であった。
したがって、強化療法により重篤な低血糖の発生を増加させることなく、厳格な血糖コントロールを達成できることが示された。

 
以上から、門脇氏らは「2型糖尿病に対するより厳格かつ安全な
多因子介入により、危険因子による補正後の大血管合併症や死亡の発生率が、有意に抑制されることが明らかとなった。
中でも、脳血管イベントが有意に抑制されることが示された。
また細小血管合併症も、特に腎イベントの発生が抑制された。
なお、補正前の合併症発症率の抑制に強化療法群と従来療法群で有意差が見られなかった原因は、1つには、従来療法群でも血糖・血圧・脂質が良好にコントロールされたため、予想以上にイベント発生が少なかったことなどが考えられる。
しかし、厳格な統合的治療を行うことで合併症の発症は従来療法よりもさらに抑制できるといえる」と結論付けた。
さらに「国内外でさまざまな糖尿病診療ガイドラインが発表され、治療の目標値が定められているが、本研究の結果が明らかになったことで、より厳格な治療を目指す方向で、見直しが進む可能性がある」と述べた。

 
現在、介入期間終了後5年間の追跡研究が日本医療研究開発機構(AMED)の循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業において進行中である。
これにより、合併症に対する厳格かつ統合的治療の長期的効果も明らかになることが期待される。


Japan Diabetes Optimal Integrated Treatment study for 3 major risk factors of cardiovascular diseases


私的コメント;
「2型糖尿病の大血管合併症を30%抑制する介入方法の検証」することが目的であって、血糖コントロールの有用性を検討したものではないということのようです。
冠動脈イベントについて両群間で有意差はなかったのはちょっと拍子抜けでした。
2006年の時点でエントリーを終了していたとすれば2016年までの10年間の経過観察ということになります。
この間に「
強化療法群では心血管死が1例もなかった」ということは、(人種差も大きいと思われますが)対象が軽症例だった可能性があります。

10年間に及ぶこの試験の途中では、ACCORD試験の結果発表があり試験を継続するかどうかという話もありました。
 


<関連サイト>

強化治療で心血管リスク19%減、J-DOIT3試験

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201709/552867.html


わが国の糖尿病の実像が明るみに

大規模臨床試験J-DOIT3の結果公表時期は?

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0623509054/




<きょうの一曲>

Anne-Sophie Mutter plays Johannes Brahms [HD] Violin Sonata Nº 2 in A major, Op. 100 #2

https://www.youtube.com/watch?v=d7E2RYqI6wg

 


<きょうの一枚の絵> 

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小絲源太郎  「花」

http://seikougarou.co.jp/item/1407.html 



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SGLT1+SGLT2阻害薬

SGLT1+SGLT2阻害薬でHbA1cを改善

ファーストインクラス経口薬sotagliflozinの国際第Ⅲ相試験inTandem3

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0919510812/

世界33カ国で登録された1型糖尿病患者を対象にSGLT1とSGLT2の両トランスポーターを阻害するsotagliflozinの安全性および有効性を評価した第Ⅲ相試験inTandem3の結果が第53回欧州糖尿病学会(EASD 2017、9.11~15、リスボン)で発表された。
米国の研究チームによると、インスリン療法にsotagliflozin 400mg/日を追加した群では、24週時点で重症低血糖または糖尿病ケトアシドーシス(DKA)を発症せずHbA1c値7.0%未満を達成した患者の割合がプラセボ追加群の約2倍であった。
N Engl J Med(2017年9月13日オンライン版


体重、インスリン量、血圧も低下

対象は、世界133施設でインスリン療法を受けている1型糖尿病患者(HbA1c値7.0~11.0%)1,402例。
全例にプラセボを投与する2週間のrun-in期間後に、対象をインスリン療法に加えてsotagliflozin 400mg/日を経口投与する群(699例)またはプラセボを投与する群(703例)に1:1でランダムに割り付けて24週間治療した。

 
主要評価項目は、ランダム化後24週時点の重症低血糖またはDKAを発症せずにHbA1c値7.0%未満を達成した割合とした。
副次評価項目は、ベースラインからのHbA1c値、体重、収縮期血圧、インスリン投与量の変化などとした。

 
検討の結果、sotagliflozin群はプラセボ群に比べて主要評価項目の達成率が有意に高かった。
また、sotagliflozin群はプラセボ群に比べて副次評価項目の低下幅が有意に大きかった。


ケトアシドーシスの懸念は払拭できず

有害事象の発現率はsotagliflozin群とプラセボ群でほぼ同等であったが、sotagliflozin群はプラセボ群に比べて重篤な有害事象の発現率が高かった。

 
重症低血糖の発現率はsotagliflozin群とプラセボ群でほぼ同等であったが、sotagliflozin群はプラセボ群に比べて血糖値が55mg/dL以下となる低血糖の発現率が低かった。
また、sotagliflozin群はプラセボ群に比べてDKA発症率が高かった。


演者は「インスリン療法へのsotagliflozin追加は、プラセボ追加に比べて1型糖尿病患者の血糖コントロールを改善した」とする一方で、「24週間の試験ではsotagliflozinの長期有効性は評価できない。
また、試験開始時には人工膵臓システムがまだ承認されていなかったので、今後は、人工膵臓使用者に対するsotagliflozin投与を評価する必要があるかもしれない」と述べている。

 
同誌の付随論評(2017年9月13日オンライン版)では「残念ながら、この試験結果はDKAリスクの上昇がHbA1c値7%未満の達成率上昇という効果を相殺することを示している」と述べている。
また「インスリン自動注入システムの開発がさらに進めば、1型糖尿病に対する補助療法は不要になる可能性がある。改良型のシステムでは補助療法に比べて低血糖の発症を抑えながらHbA1c値の低下が可能と考えられ、患者の苦労も軽減できるだろう。1型糖尿病に対する補助療法のいかなるベネフィットも、そのリスクおよびコストを慎重に比較しなければならない」との見解を示している。



<きょうの一曲>

Anne-Sophie Mutter plays "Lullaby op.49,no.4”

https://www.youtube.com/watch?v=GcqTxDsrMyo 



<きょうの一枚の絵>


dsc5512

小絲 源太郎  「 三色菫 」 油彩 3号(F)

http://www.a-aa.co.jp/list1246.htm




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ドラッグフリーの高血圧治療

ドラッグフリーの高血圧治療

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0917510640/

【未解決の背景】求められる残余リスクへの対応

高血圧症は最も多くの国民が罹患している疾患であり、健康寿命の延伸のためには血圧のより厳格なコントロールが求められる。
基本となるのは、塩分制限をはじめとする生活習慣の改善であり、食事・運動の適切な指導・実践による疾患予防効果は大きい。
高血圧症の根治のためには本態性高血圧と呼ばれる高血圧症の発症原因の解明が必須であるが、高血圧症はゲノムワイドな遺伝子解析の結果からも推察されるように多因子疾患であること、環境因子に対する適応現象でもあることから発症機序を解明することが極めて困難である。一方で、降圧薬は非常に完成度の高い薬剤が複数存在するため、薬物治療によって血圧を下げるという対症療法が脳心血管イベントを有意に減少させるなどの有効な成績を得てきたが、さらなる残余リスクへの対応が求められている。
近年、薬物治療に頼らない降圧治療の新しい試みが検討されており、その効果が期待されている。


1つは、カテーテルを用いた腎除神経術によって腎臓への神経を切断する治療法である。
腎機能に対する交感神経系コントロールの抑制および血圧上昇に寄与している腎臓の求心性交感神経系における抑制の2つの機序により降圧が期待されている。
もう1つの治療法として、高血圧ワクチンが開発されている。
 

薬物に依存しない社会的メリットは大きい

超高齢社会に突入するわが国において、社会保障費の増加が問題とされており、その解決のためには右肩上がりに増加する医療費を医療の質を保ちながらも抑制していく方策が求められている。
予防や早期の治療介入により降圧に必要な薬剤数を少しでも減らせれば、医療費削減に大きく寄与できる。
また、特に高齢者における多剤併用(ポリファーマシー)により飲み忘れや服薬管理の対策が必要な患者が増加している。
薬物療法において腎機能や肝機能の低下などによる薬物動態の変化、合併症によるポリファーマシーの増加とそれに伴う副作用の増強など多くの問題が顕在化しており、薬剤数を減らすことによる社会的なメリットは大きい。


高血圧ワクチンの開発

高血圧症に対する治療ワクチンの開発は、レニン・アンジオテンシン系を標的分子として活発に研究されてきた。
その中で、アンジオテンシン(Ang)Ⅰに対するワクチンは高血圧自然発症ラットを用いた検討で抗体価の有意な上昇と血圧の有意な低下を認め、同様のワクチン(PMD-3117)を用いてヒト臨床試験を行ったが、抗体価の上昇は見られたものの有意な降圧は認められなかった。


次に、AngⅡに対するワクチン〔キャリア蛋白であるVLP(Virus Like Particle)とAngⅡを融合したワクチン:CYT006-AngQb〕は、高血圧自然発症ラットを用いた動物実験で有意な抗体価の上昇と血圧の有意な低下を認めた。
ヒト臨床試験においては、このワクチンを高血圧患者に低濃度(100μg)と高濃度(300μg)の2種類の濃度で0、4、12週の3回の投与を行い、投与14週後(3回目ワクチン接種2週後)の24時間血圧の平均値で評価したところ、高濃度群では無治療群に比べて収縮期血圧9mmHg、拡張期血圧4mmHgの低下を認めた。
有害事象も軽度の注射部位での反応のみで、重大な事例は認めなかった。これは少数の軽症~中等症高血圧を対象にした短期間での限られた成績ではあるが、高血圧ワクチンの治療効果を初めてヒトで確認した画期的な報告であった。

 
しかし、その後行われた第Ⅱ相試験(高血圧患者69例を対象とした二重盲検プラセボ対照試験)では、CYT006-AngQbによる有意な血圧の低下を示すことができなかった。

 
われわれも同様にAngⅡをキャリア蛋白であるKLHに結合したペプチドワクチンあるいはB型肝炎コア蛋白とAngⅡとの融合配列を用いたDNAワクチンをマウスおよびラットに投与したところ、抗体価の有意な上昇と降圧効果を確認している。
これらの結果を基にして、2017年から海外での企業治験(フェーズⅠ)が実施される予定である。


<未解決課題>

①その課題が未解決であることが当該領域の大きな支障になっている

②その課題を解決することで当該領域の状況を大きく改善できる

③現在ある、または近々に導入が決まっている医療資源だけでその課題を解決できる

④臨床医が中心になって取り組むことで達成できる




<きょうの一曲>

Mutter - Brahms - Violin Sonata No.3 - Movt.II

https://www.youtube.com/watch?v=_Ls7oSWdARY


<きょうの一枚の絵> 

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小山敬三 『ばら』

https://www.nagano-museum.com/info/detail.php?fno=63

 
 

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複合血管スクリーニングで死亡リスク低下 VIVA試験

複合血管スクリーニングで死亡リスク低下/Lancet

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44651

腹部大動脈瘤(AAA)、末梢動脈疾患および高血圧に関する複合血管スクリーニングは、5年全死因死亡率を有意に低下させることが、デンマークの研究チームによる、複合血管スクリーニングの有効性とその後の介入を検証した無作為化比較試験「VIVA試験(Vibrog Vascular trial)」で明らかになった。
これまで地域住民を対象とした集団スクリーニングに関する文献で、このような死亡リスクの低下が確認されたことはない。
そのため著者は「主に薬物療法の開始と関連している可能性がある」と指摘したうえで、「健康政策立案者は、現在スクリーニングを実施していない、あるいはAAAのみを対象としたスクリーニングを実施しているのなら、複合血管スクリーニングの実施を考慮すべきである」とまとめている。
AAAは、集団スクリーニングの対象となる唯一の心血管疾患であるが、AAAのみのスクリーニングは広範なリスク因子の管理には適していないとされている。
Lancet誌オンライン版 2017.8月.28


65~74歳の男性約5万例で、スクリーニング実施と非実施を比較

研究グループは、デンマークの中央ユラン地域に在住する65~74歳のすべての男性を対象として、AAA・末梢動脈疾患・高血圧の複合スクリーニングを受けるスクリーニング群と、スクリーニングを受けない対照群のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付けた。
割り付けは、ブロックサイズ1,067~4,392でコンピュータ生成乱数(1~100)配列法を用い、また19の市で層別化した。対照群および評価者は盲検化された。


AAAまたは末梢動脈疾患が疑われた患者に対しては、確定診断の受診について案内し、適切な薬物療法を開始した。
また、AAA患者には、年1回の検査または外科的治療を行った。
高血圧が疑われた場合は、一般開業医へ紹介した。


主要評価項目は、無作為化後5年時の全死因死亡率であった。


2008年10月8日~2011年1月11日の間に、5万156例が割り付けられた(スクリーニング群、対照群それぞれ2万5,078例)。スクリーニング群の4例は、追跡不能となった。


複合血管スクリーニングで、約5年間の全死因死亡リスクが7%有意に低下

追跡期間中央値4.4年(IQR:3.9~4.8)において、スクリーニング群では2万5,074例中2,566例(10.2%)、対照群では2万5,078例中2,715例(10.8%)が死亡し、スクリーニング群で有意な死亡リスク低下が示された。
糖尿病、脳内出血、腎不全、がんの発症、または心血管外科手術後30日死亡については、両群で有意差は確認されなかった。


なお著者は、結果を一般化するには喫煙が重要なリスク要因であることを考慮する必要があるが、喫煙者を除外した事後解析でも結果はほぼ同じであったことから、スクリーニングの有用性に喫煙は影響しないと思われるとしている。


英文抄録

Population screening and intervention for vascular disease in Danish men (VIVA): a randomised controlled trial.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28859943&keiro=journal



<自遊時間>

勤務医の我が子(循環器内科)が「スタチン(使用薬剤はロスバスタチン)による皮膚症状が出る副作用が結構多い」と話していた。

SGLTiではよく聞く話だが、気になってちょっと検索してみた。

しかし、あまりヒットしなかった。



 <きょうの一曲> 

Anne-Sophie Mutter plays Johannes Brahms [HD] Violin Sonata Nº 2 in A major, Op. 100 #1

https://www.youtube.com/watch?v=p2H-5Pd_R_I

彼女自身も十分美しいが、ヴァイオリンの音色がむせび泣くような、えも言われぬ音を紡ぐ。
ウイキペディアでちょっと調べてみた。


「彼女は2丁の
ストラディヴァリウスを所有している。1つは1703年製『エミリアーニ(Emiliani)』、もう1つは1710年製『ロード・ダン=レイヴン(Lord Dunn-Raven)』。その他に、ドイツ・ブレーメンにあるFinnigan-Klaembt工房作(1999年)、イタリアボローニャの弦楽器製作者レガッツィ作(2005年)などを所持している」

新しい
ヴァイオリンも所有しているのが少し意外だったが、各演奏の際にどの楽器を使用しているのか是非知りたいものだ。
演奏そのものを聴いて欲しいという気持ちからなのか、他の演奏家も意外と使用楽器いついては余り触れようとしない。
ただし高嶋ちさ子は例外。
使用楽器の紹介をしばしばしている。
諏訪内
子のストラディヴァリウス(世界三大ストラディヴァリウスの一つである「ドルフィン(Dolphin)」)はハイフェッツが使用していたことで有名。




<きょうの一枚の絵> 


30

『古城のほとり』 中澤嘉文

http://www.city.komoro.lg.jp/institution/2014022504871/ 




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STEMIに対する血栓溶解療法

STEMIに対する血栓溶解療法の成績比較 PCIができない場合の次善の選択はどれか?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/201709/552738.html

医療リソースが十分ではない地域では、ST上昇心筋梗塞(STEMI)患者に、機械的再灌流法の代替として血栓溶解療法が適用されている。
タイの研究チームは、ランダム化対照試験を抽出して系統的レビューとネットワークメタアナリシスを行い、血栓溶解薬ベースの再灌流療法の有効性と安全性はレジメンごとに異なっていたと報告した。
(Lancet誌電子版 2017.8.19日)


アフリカ、ラテンアメリカ、中東の19カ国が参加した急性冠症候群のACCESS登録では、STEMIと診断された患者の20%しか、血管造影と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)による治療を受けていなかったことが報告されている。
そこで著者らは、機械的再灌流法ができない場合の最善の代替療法を探るべく、いろいろな血栓溶解薬による治療成績を比較する系統的レビューとネットワークメタアナリシスを計画した。


対象はSTEMI患者を登録し、異なる血栓溶解薬ベースの再灌流療法を受けた患者のアウトカムを比較していたランダム化対照試験。PubMed、Embase、コクランライブラリ、ClinicalTrials.gov、WHOの国際臨床試験登録(ICTRP)に2017年2月28日までに登録されていた試験の中から、STEMIの成人患者に対する再灌流療法として、血栓溶解薬単独または他の抗血栓治療薬を併用していた場合と、他の血栓溶解薬、プラセボ、もしくは無治療と比較していた研究を選んだ。


血栓溶解薬として、ストレプトキナーゼ、テネクテプラーゼ、アルテプラーゼ、レテプラーゼを用いていた研究を選んだ。
併用する他の抗血栓療法は、抗凝固薬非経口投与(未分画ヘパリン、低分子ヘパリン、抗Xa阻害薬、直接トロンビン阻害薬)、糖蛋白IIb/IIIa阻害薬(アブシキシマブ、チロフィバン、エプチフィバチド)、抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン)とした。


有効性の主要評価項目は30~35日間の総死亡とし、安全性の主要評価項目は、大出血に設定した。大出血は、BARC出血基準のタイプ3a、3b、3cと定義した。


条件を満たした40件の研究(12万8071人を登録)を分析対象にした。
うち20件は1995~2009年に主に欧州と北米で行われており、3件はアジア系の患者のみを対象にしていた。
登録患者の平均年齢は58.5歳で、13.6%は心筋梗塞の既往歴を有していた。
血栓溶解療法は受診から12時間以内に行われており、平均値は2.9時間だった。40件中36件(90%)はアスピリンを併用していた。


40件の試験は、12通りの血栓溶解レジメン(血栓溶解薬単剤、血栓溶解薬+抗凝固薬の非経口投与、血栓溶解薬+抗凝固薬の非経口投与+GPIなど)の比較を行っていた。


アルテプラーゼの迅速静注と抗凝固薬の非経口投与を加えたレジメンと比較した総死亡リスクが有意に高かったのは、ストレプトキナーゼ+抗凝固薬非経口投与でリスク比1.14(95%信頼区間1.05-1.24)、アルテプラーゼ非迅速静注+抗凝固薬非経口投与はリスク比1.26(1.10-1.45)だった。
アルテプラーゼ迅速静注、テネクテプラーゼ、レテプラーゼのそれぞれと抗凝固薬の非経口投与を組み合わせたレジメンの死亡リスクには差は見られなかった。


大出血のリスクは反対の傾向を示した。アルテプラーゼの迅速静注と抗凝固薬の非経口投与を加えたレジメンに比べ、ストレプトキナーゼ+抗凝固薬非経口投与のリスク比は0.92(0.70-1.21)、アルテプラーゼ非迅速静注+抗凝固薬非経口投与はリスク比0.63(0.44-0.92)だった。


一方で、レジメンに糖蛋白IIb/IIIa阻害薬(GPI)を追加すると、大出血リスクは上昇した。
アルテプラーゼ迅速静注+抗凝固薬非経口投与と比較した、テネクテプラーゼ+抗凝固薬非経口投与+GPIのリスク比は1.47(1.10-1.98)、レテプラーゼ+抗凝固薬の非経口投与+GPIでは1.88(1.24-2.86)だった。


クラスターランクプロット解析を行ったところ、テネクテプラーゼ+抗凝固薬非経口投与が、大出血リスクを増やさずに30~35日の総死亡リスクが最も低い組み合わせであることが示唆された。


これらの結果から著者らは、STEMIに対する血栓溶解療法では、アルテプラーゼ迅速静注、テネクテプラーゼ、レテプラーゼを検討すべきで、糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の追加は推奨されないと結論している。


英文抄録

「Comparative efficacy and safety of reperfusion therapy with fibrinolytic agents in patients with ST-segment elevation myocardial infarction: a systematic review and network meta-analysis」

http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(17)31441-1/fulltext



<自遊時間>

以前、高血圧でかかっていた50代男性がひょこっと来院。
「久しぶりですね。どうされたんですか」
「遠隔地に単身赴任でたまたま自宅に帰ったんですが、クスリが切れたのでちょっと貰いたくて」
「そうなんですか。ちょっと『お薬手帳』をみせてもらっていいですか」 

  処方; アンソブロキソール、モンテルカスト、イミダプリル
 

「あれ、喘息ってありましたっけ」
「いや、血圧の薬が変わってからやたら咳が出るようになって先生も首をかしげて。咳喘息かなあっていわれているんです」
「とりあえず以前に当院で出していた降圧剤(アムロジピン)に換えますから咳が止まるかみてください。もし止まったら血圧のくすりが原因かもって今かかっている先生に・・・」


<きょうの一曲>

Anne-Sophie Mutter: Kreisler: Liebesleid

https://www.youtube.com/watch?v=e-x9jZ4Lxa0
 


<きょうの一枚の絵>


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小山敬三 「風景」油彩画 P8号
http://aucview.aucfan.com/yahoo/j445573389/




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動脈硬化へのカナキヌマブ、がん発症への影響は?

動脈硬化へのカナキヌマブ、がん発症への影響は/Lancet

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44649

インターロイキン‐1β(IL-1β)抗体カナキヌマブを、心筋梗塞歴があり、高感度CRP(hsCRP)値が2mg/L以上のアテローム性動脈硬化症患者に投与することで、肺がん発症リスクと同死亡リスクが有意に低下する可能性が示された。
米国の研究チームが、カナキヌマブの血管イベント再発抑制に関する無作為化二重盲検プラセボ対照試験「CANTOS試験」の、事前に規定していた2次(探索的)解析を行い明らかにした。
(Lancet誌オンライン版 2017.8月25日号掲載)


1万例超を中央値3.7年で追跡

研究グループは、心筋梗塞歴があり、hsCRP値が2mg/L以上のアテローム性動脈硬化症患者で、がんの診断を受けたことがない1万61例を対象に試験を行った。


用量依存的な有効性を評価するため、被験者を4群に分け、カナキヌマブ50mg、150mg、300mg、プラセボをそれぞれ3ヵ月ごとに皮下投与した。
追跡期間の中央値は3.7年だった。


2次解析のエンドポイントは、がん発症・死亡で、カナキヌマブ投与の割り付けをマスクされたがんエンドポイント委員会が判定を行った。解析はintention to treatにて行った。


カナキヌマブ300mg群でがん死亡0.49倍、肺がん死亡0.23倍

ベースラインのhsCRP値とインターロイキン-6値の中央値は、追跡期間中に肺がんを発症した患者でいずれも高かった。
どのがんも発症しなかった患者との比較で、それぞれ6.0 vs.4.2mg/L、3.2 vs.2.6ng/Lだった(いずれも有意)。


カナキヌマブ投与により、追跡期間中のhsCRP値とインターロイキン-6値には用量依存的抑制効果が認められ、それぞれ26~41%、25~43%の低下がみられた(いずれも有意)。


がんによる死亡は全体で196例であり、カナキヌマブ投与プール群がプラセボ群に比べ有意に少なかった。
カナキヌマブ投与量別にみると、300mg群でのみプラセボ群に比べがん死亡率が有意に低率だった(有意)。


肺がんを発症したのは129例だった。
同発症率は、150mg群と300mg群でプラセボ群に比べ有意に低かった(有意)。


肺がん死亡率は、300mg群ではプラセボ群に比べ大幅に低く、カナキヌマブ投与群全体でも有意に低かった(有意)。


致死的感染症や敗血症は、カナキヌマブ群でプラセボ群に比べ高率だった。
全死因死亡率は、両群で同等だった。


これらの結果を踏まえて著者は、「肺がんは事前に規定した正式なエンドポイントではなかったが、発症および死亡が有意に低下する可能性が示された。これらのデータが、正式ながんスクリーニングや治療設定の下でも示されるかを調べる必要がある」とまとめている。
 

英文抄録

Effect of interleukin-1β inhibition with canakinumab on incident lung cancer in patients with atherosclerosis: exploratory results from a randomised, double-blind, placebo-controlled trial.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28855077&keiro=journal






<きょうの一枚の絵>

006
加藤美千代 「プロチダ島にて」
http://www.travelplan.co.jp/vita/2013-08/05kayano/index.htm



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生体吸収性と非生体吸収性ステントとの比較

広範なPCI施行例で、生体吸収性と非生体吸収性ステントを比較/Lancet

http://www.carenet.com/news/journal/carenet/44630

待機的か緊急を問わずPCI施行患者を対象とした試験で、新たな技術が用いられている超薄型ストラット生体吸収性ポリマー・シロリムス溶出ステント(Orsiro)は、非生体吸収性ポリマー・エベロリムス溶出ステント(Xience)と比較して、臨床的アウトカムに関する非劣性が100%見込まれることが発表された。
米国の研究チームは13ヵ国90の病院で行われた無作為化試験「BIOFLOW V試験」の結果で、研究代表者は「今回の試験結果は、次世代薬剤溶出ステント技術の改善に新たな方向性を示すものであった」と述べている。


これまでに冠動脈薬剤溶出ステントは、新たなメタル合金を含むもの、ステント構造を変化したもの、そして生体吸収性ポリマーを含むものが開発されてきた。
研究グループは、これらの臨床的安全性および有効性改善の向上について先行の無作為化試験では示されていないとして、広範なPCI施行患者集団で、生体吸収性ポリマー・シロリムス溶出ステントと非生体吸収性ポリマー・エベロリムス溶出ステントの臨床的アウトカムを比較する検討を行った。
(Lancet誌オンライン版2017.8.25)


13ヵ国90の病院で待機的または緊急PCI施行患者を対象に無作為化試験

BIOFLOW V試験は、13ヵ国(オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、オランダ、ニュージーランド、韓国、スペイン、スイス、米国)にある90の病院で、待機的または緊急にPCIを受ける患者を登録して行われた。
適格とされたのは、18歳以上の新規未治療の冠動脈病変にステント留置予定である虚血性心疾患の患者で、超薄型(60μm)生体吸収性ポリマー・シロリムス溶出ステントまたは非生体吸収性ポリマー・エベロリムス溶出ステントを用いる群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。


主要エンドポイントは、12ヵ月時点の標的病変不全の発生であった。
また、ベイズ法を用いて、両ステントの2つの無作為化試験のデータと複合し非劣性に関する比較を行った。
解析は、intention to treatにて行った。


12ヵ月時点の標的病変不全の発生率は6% vs.10%

2015年5月8日~2016年3月31日に、4,772例の患者が本研究に登録された。
1,334例が包含基準を満たし、無作為に割り付けられた(生体吸収性ステント群884例、非生体吸収性ステント群450例)。


生体吸収性ステント群は52/883例(6%)、非生体吸収性ステント群では41/427例(10%)で、12ヵ月時点の評価による標的病変不全の発生が認められた(有意)。
標的血管心筋梗塞の発生に関しても、有意な差が認められた(有意)。


生体吸収性ステントの非生体吸収性ステントに対する非劣性は、100%と見込まれた。
ベイズ分析(2,208例)で、標的病変不全の発生頻度の差は-2.6%(95%確信区間[credible interval]:-5.5~0.1)であった(非劣性マージンは3.85%)。


英文抄録

Ultrathin, bioresorbable polymer sirolimus-eluting stents versus thin, durable polymer everolimus-eluting stents in patients undergoing coronary revascularisation (BIOFLOW V): a randomised trial.

Lancet (London, England). 2017 Aug 25; pii: S0140-6736(17)32249-3.

David E Kandzari et al.

http://pmc.carenet.com/?pmid=28851504&keiro=journal





<自遊時間>

医師の過労死

http://yaplog.jp/hurst/archive/363



<きょうの一曲>

山中千尋 Live In New York ~TakeFive~

https://www.youtube.com/watch?v=f7f46zoYT6Q



<きょうの一枚の絵>

020

茅野吉孝 「回想」

http://www.travelplan.co.jp/vita/2013-08/05kayano/index.htm





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DOACとアスピリンの併用でMACE低減

DOACとアスピリンの併用でMACE低減 リバーロキサバンの第Ⅲ相試験COMPASS

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0905510594/

カナダ・McMaster UniversityのJohn W. Eikelboom氏らは、冠動脈疾患(CAD)および末梢動脈疾患(PAD)患者を対象に直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)リバーロキサバンの心血管イベント再発予防効果を検証した第Ⅲ相試験COMPASSの最終解析結果を欧州心臓病学会(ESC 2017、8.26~30、バルセロナ)で報告した。
リバーロキサバンとアスピリンの併用により主要心血管イベント発症率と死亡率が低下し、ネットクリニカルベネフィットが認められたが、リバーロキサバン単独では有意なベネフィットは認められなかった。 
N Engl J Med(2017年8月27日オンライン)に掲載。


併用投与でアウトカムが有意に改善

CADまたはPAD患者では心血管死、脳卒中、心筋梗塞のリスクが高く、それらの予防目的でアスピリンが広く処方されているが、その効果は限定的である。

 
そこで、COMPASS試験では安定CAD、安定PAD患者に対してアスピリンとリバーロキサバンの併用、またはリバーロキサバン単独投与を行った場合の主要心血管イベント予防効果をアスピリン単独群と比較検討した。

 
対象は、日本を含む33カ国602施設のCADまたはPAD患者2万7,395例(平均年齢68.2歳、女性22.0%)。
90.6%がCAD、27.3%がPADを有していた(重複例あり)。
対象を
①リバーロキサバン(2.5mg 1日2回)+アスピリン(100mg 1日1回)併用群
②リバーロキサバン(5mg 1日2回)単独群
③アスピリン(100mg1日1回)単独群
にランダムに割り付けた。
主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中を含む複合主要心血管イベント(MACE)とした。平均追跡期間は23カ月であった。

 
その結果、主要評価項目であるMACEの発生率はアスピリン単独群と比べてリバーロキサバン+アスピリン併用群で有意に低下した。
一方、リバーロキサバン単独群とアスピリン単独群に有意差は認められなかった。


対処可能な消化管出血などが増加

全死亡率もアスピリン単独群に比べてリバーロキサバン+アスピリン併用群で有意に低下した。

 
重大な出血イベント(急性期治療施設の受診または入院が必要となる全ての出血イベント)の発生率は、アスピリン単独群よりもリバーロキサバン+アスピリン併用群で高かった。

 
MACE低減のベネフィットと重篤な出血イベントのリスクを総合的に評価したネットクリニカルベネフィットはアスピリン単独群よりもリバーロキサバン+アスピリン併用群で有意に改善した。

 
以上の結果から、Eikelboom氏は「低用量リバーロキサバンとアスピリンの併用は、アスピリン単独投与と比べてMACEリスクが24%低減し、死亡リスクを18%低下させた。一方で、重大な出血イベントの発生率も高かったが、致死的な出血や脳出血の有意な増加は認められなかった。近年、他の疾患領域では複数薬の低用量での併用が大きなベネフィットにつながるとの報告が寄せられており、今回の結果もこれを支持するものだ」と指摘した。

 
COMPASS試験運営委員会委員長を務めるカナダ・Population Health Research Institute(PHRI)のSalim Yusuf氏は「
リバーロキサバン+アスピリン併用のベネフィットは卓越しており、同併用療法が広く採用された場合の潜在的ベネフィットは極めて大きい。全世界の心血管疾患患者3億人の10%に同併用療法を適用すれば、毎年約10万人の死亡、約20万件の血管イベント早期発生を予防できる計算となる」と述べている。


心血管・下肢複合アウトカムが有意に改善

さらにPHRIのSonia Anand氏がCOMPASS試験に参加したPAD患者のみの解析結果であるCOMPASS PADを報告。
PAD患者7,470例の検討から、リバーロキサバン+アスピリンの併用により主要心血管評価項目であるMACEだけでなく、主要下肢評価項目である下肢有害事象(MALE:インターベンションを必要とする重症下肢虚血、血管不全による下肢切断)もアスピリン単独群と比べて低下することが示された。

 
MACEはリバーロキサバン+アスピリン併用群の5.1%、リバーロキサバン単独群の6.0%、アスピリン単独群の6.9%で生じ、アスピリン単独群に対する同併用群のHRは0.72(有意)であった。

 
MALEは同併用群の1.2%、リバーロキサバン単独群の1.4%、アスピリン単独群の2.2%で生じ、アスピリン単独群に対する同併用群のHRは0.54(有意)であった。

 
MACE、MALEまたは下肢切断は同併用群の6.3%、アスピリン単独群の9.0%で生じ、アスピリン単独群に対する同併用群のHRは0.69(有意)であった。

 
PAD患者における安全性について、同氏は「重大な出血イベントはリバーロキサバン+アスピリン併用群で増加していたが、致死性あるいは重大な臓器出血の有意な増加は示されていない」と述べた。

COMPASS
Cardiovascular OutcoMes for People using Anticoagulation StrategieS




<きょうの一曲>

PROKOFIEV - Romeo et Juliette - Ballet.

https://www.youtube.com/watch?v=-mjPmSadubI


プロコフィエフ: バレエ音楽「ロメオとジュリエット」第2組曲:モンタギュー家とキュピレット家

https://www.youtube.com/watch?v=BXPb2CPG7ss



<きょうの一枚の絵>


019

戸田格 「煙るマテーラ」

http://www.travelplan.co.jp/vita/2013-08/05kayano/index.htm



<「マテーラ」関連サイト>

南イタリア旅行①マテーラ編(マテーラ・バーリ・アルベロベッロ・レッチェ)

http://4travel.jp/travelogue/10764028


マテーラ(Matera)について

http://www.amoitalia.com/matera/


マテーラの町

http://www.italia.gr.jp/citta/basilicata/matera.html


マテーラの洞窟住居

http://www.hankyu-travel.com/heritage/italy/matera.php

https://ja.wikipedia.org/wiki/マテーラの洞窟住居


https://ja.wikipedia.org/wiki/マテーラ




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新TAVIデバイス、ACURATE neo

進化を遂げる新TAVIデバイス、ACURATE neoの特徴とは?
http://www.carenet.com/series/cvfl/useful/kaneko/cg001701_014.html

自己拡張型TAVIデバイスであるACURATE neo(Symetis社/Boston Scientific社)のCEマーク取得に向けた臨床研究に関する論文を紹介)した記事です。

自己拡張型TAVIデバイスACURATEは当初、2011年に経心尖部アプローチ用の「ACURATE TA」が開発され、その良好な成績から新たに経大腿アプローチデバイス「ACURATE neo」へと発展した。
本デバイスの特徴は、
自己弁よりも高い位置に留置される設計(Supra-annular Valve Design)のため残存圧較差が小さくなること、
デバイス上部のStabilization Archによって固定してから弁が開放されるシステムを採用していること、
またSelf-Centering機能を有することでポジショニングが良好であること、
さらにはデバイスの金属量が少ないことから刺激伝導系への障害も少なく、術後のペースメーカー留置率も低くなること
などだ。

今回の研究では、重症大動脈弁狭窄症の89症例に、経大腿アプローチによるTAVIでACURATE neoの植え込みを行った。
平均年齢は84歳、平均logistic EuroSCOREは27%、STS-SCOREは7%だった。
手技成功率は94%で術後30日の死亡率は3%、術後のペースメーカー留置率は10%だった。
また、術後1年の死亡率は23%で、治療後1年の有効大動脈弁口面積は1.8cm
2、平均大動脈弁圧較差は8mmHgで、中等度の大動脈弁逆流は5%のみだった。

ACURATE neoは本試験を通して2014年9月にCEマークを取得し、すでに欧州の日常臨床では広く用いられている。
Outer Skirtをさらに追加したACURATE neo ASの開発も進んでおり、欧州で第II相試験が開始される予定だ。
本デバイスは小径の大動脈弁輪を持つ症例にも良いパフォーマンスを示すことから、体格の小さい日本人に有効なデバイスと考えられる。
またペースメーカー留置率が低いことも、今後のTAVIの適応拡大を見据えて注目すべき点だ。
TAVIのデバイス開発はまさに日進月歩の状況であり、今後も次々に登場するであろう新デバイスの動向から目が離せない。

英文記事

Transfemoral TAVI using the self-expandable ACURATE neo(TM) prosthesis: one-year outcomes of the multicenter "CE-approval-cohort".

http://pmc.carenet.com/?pmid=28804056

<番外編>

果物、野菜は心血管疾患の予防に直結せず

http://yaplog.jp/hurst/archive/362



<自遊時間>

不足地域で一定期間勤務を

http://osler.jugem.jp/?day=20170911





<きょうの一曲>

Bruckner Symphony No 5 B flat major Concertgebouw Orchestra Nikolaus Harnoncourt

https://www.youtube.com/watch?v=pFzcmb2SKNo



<きょうの一枚の絵>



018

中村愛 3月のマテーラ

http://www.travelplan.co.jp/vita/2013-08/05kayano/index.htm




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DAPT ESC/EACTSが改訂GL発表

抗血小板2剤併用は「個別を重視」 ESC/EACTSが改訂GL発表

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0908510601/

欧州心臓病学会(ESC)は、欧州心臓胸部外科学会(EACTS)と共同で、冠動脈疾患(CAD)患者における抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)に関するガイドライン(GL)のフォーカスアップデートを発表した。
今回の改訂では、患者特性やリスクに応じた個別アプローチに重点が置かれ、最新の知見を反映したリスク評価やDAPTの至適期間などが盛り込まれた。
今年(2017年)の学術集会(ESC 2017、8.26~30、バルセロナ)最終日には、改訂GLの査読メンバーの1人であるベルギー・Hartcentrum HasseltのPascal Vranckx氏が今回の改訂ポイントについて概説した。
同フォーカスアップデートはEur Heart J (2017年8月26日オンライン版)に発表されるとともに、ESCの公式サイトでも全文が公開されている。


血栓リスクと出血リスクのバランスを重視

アスピリンとP2Y12阻害薬によるDAPTは、ステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後の血栓予防を目的として広く行われている。
近年、DAPTの安全性や有効性、至適期間に関する知見が多数報告されていることを受け、今回の改訂では、ステントの種類と至適DAPT期間、DAPT期間を決定する際の指針となる新たなリスクスコア指標、P2Y
12阻害薬の切り替え、抗凝固薬とDAPTの併用などに関する記述が新たに盛り込まれた。


DAPTはステント血栓リスクを低減させるが、投与期間に比例して出血リスクを高めることから、今回の改訂では、個々の患者の血栓リスクと出血リスクのバランスを考慮して治療期間を決定する重要性が強調されている。
 

主な改訂ポイントや新たな記載内容は下記の通り。

・DAPT期間の決定に際しては、PRECISE-DAPTスコアなどの出血リスクスコアを用いてリスク評価を行う

・PCI施行後の安定CAD患者や経口抗凝固薬(OAC)との併用が適応となる患者、チカグレロルおよびプラスグレルが禁忌の患者に対するP2Y12阻害薬は、クロピドグレルを基本とする

・PCI施行後の安定CAD患者に対するDAPT期間は、金属ステントの種類にかかわらず、出血リスクに応じて1~6カ月とする。血栓リスクが出血リスクを上回る患者については、DAPT期間の延長を考慮する(図1)


急性冠症候群(ACS)患者に対するDAPT期間は、PCIあるいは冠動脈バイパス術(CABG)などの血行再建術の種類を問わず、12カ月を基本とする。
出血性合併症がなくDAPTに忍容性を示す患者には延長を考慮するが、出血リスクの高い患者については6カ月とする

・OAC+DAPTの併用(3剤併用抗血栓療法)では、OAC単剤に比べて出血性合併症リスクが2~3倍に上昇することから、出血高リスク患者と見なす。
OACの適応を見直すとともに、3剤併用抗血栓療法の継続はやむをえない場合に限る

・3剤併用抗血栓療法の期間は最長6カ月を基本とし、血栓リスクと出血リスクを踏まえ、退院後は併用の中止を検討する

・DAPT+OACの3剤併用抗血栓療法におけるP2Y12阻害薬は、クロピドグレルを基本とする

・DAPT期間中に出血性合併症を来した場合、DAPTを継続するか否かは、血栓イベントと再出血および出血の遷延化リスクのバランスに応じて、使用薬剤、用量、およびDAPT期間の再評価を行う

 
なお、ESC 2017期間中に「末梢動脈疾患(PAD)の診断と治療」「ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者の管理」「心臓弁膜症(VHD)の管理」に関する改訂GLも同時に公表された。
ESCの公式サイトでは、同フォーカスアップデートを含め、これらのGL全文が閲覧・ダウンロードできる。



<関連サイト>

抗血小板2剤併用は「個別を重視」 ESC/EACTSが改訂GL発表

http://yaplog.jp/hurst/archive/361




<きょうの一曲>

Chet Baker & Bill Evans (Alone together) チェット・ベイカー&ビル・エヴァンス(アローン一緒に)

https://www.youtube.com/watch?v=c6AOxr3esz8



<きょうの一枚の絵>

013
鈴木幹男  「洞窟 教会」
http://www.travelplan.co.jp/vita/2013-08/05kayano/index.htm 


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ダビガトラン+抗血小板薬の2剤併用 PCI施行AF患者の出血リスク低減

PCI施行AF患者の出血リスク低減 ダビガトラン+抗血小板薬の2剤併用で

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0907510551/

ステント留置を伴う経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における2剤併用抗血栓療法(ダビガトラン+抗血小板薬)と3剤併用抗血栓療法〔ワルファリン+抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)〕による安全性および有効性を比較した初の試験であるRE-DUAL PCI試験。欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日、バルセロナ)で、同試験を主導した米・Brigham and Women's Hospitalの心臓専門医で Harvard Medical School教授のChristopher P. Cannon氏が結果を発表した。同氏によると、3剤併用抗血栓療法に比べ、2剤併用抗血栓療法で出血リスクが有意に低減し、血栓イベントの発現リスクについても同程度であることが明らかになったという。詳細は、同日にN Engl J Med(2017年8月27日オンライン版)にも掲載された。



日本を含む41カ国が参加、PROBE法を採用

AFを合併したPCI施行例に対しては、ステント血栓症の予防を目的として抗凝固薬+DAPTによる3剤併用抗血栓療法が広く行われ、主なガイドラインでも推奨されている。
しかし、3剤併用抗血栓療法に伴う出血リスクの増大が問題となっている。

 
そこでCannon氏らは、現在の標準治療であるワルファリン+DAPT(3剤併用抗血栓療法)と、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)ダビガトラン(110mg×2回/日または150mg×2回/日)+抗血小板薬(P2Y
12阻害薬)の2剤併用療法による安全性と有効性を比較する多施設共同オープンラベルランダム化試験(RCT)として、RE-DUAL PCI試験を実施した。
2014年7月~16年10月に、日本を含む41カ国・414施設が参加。試験デザインは、対象患者をランダムに割り付け、介入治療を非盲検下で、評価を盲検下で行うPROBE法を採用した。



NVAF合併PCI施行患者2,725例が対象

対象は、18歳以上の発作性、持続性または永続性のNVAF患者で、安定冠動脈疾患(CAD)または急性冠症候群(ACS)に対しステント留置〔ベアメタルステント(BMS)または薬剤溶出ステント(DES)〕を伴うPCIを施行した2,725例。

 
米国の全患者と米国以外の国の80歳未満(日本は70歳未満)の患者(非高齢コホート)を2剤併用群〔ダビガトラン110mg×2回/日+P2Y
12阻害薬のクロピドグレルまたはチカグレロル群(769例)、ダビガトラン150mg×2回/日+クロピドグレルまたはチカグレロル群(763例)〕と3剤併用群〔ワルファリン+クロピドグレルまたはチカグレロル+アスピリン群(766例)〕に1:1:1の割合で、米国以外の80歳以上(日本は70歳以上)の高齢患者は、ダビガトラン110mg×2回/日の2剤併用群(212例)と、ワルファリン3剤併用群(215例)に1:1の割合でランダムに割り付けた。
ダビガトラン150mgの2剤併用群の比較対照は、非高齢コホートのワルファリン3剤併用群とした。
平均追跡期間は約14カ月だった。P2Y
12阻害薬は治験責任医師の裁量により選択された。入院中に心原性ショックを発症した患者や、出血リスクが高い患者などは除外した。

 
主要評価項目は、国際血栓止血学会(ISTH)基準による大出血もしくは臨床的に問題となる出血が発現するまでの時間(期間)とした。副次評価項目として、死亡または血栓イベント(心筋梗塞、脳卒中、全身性塞栓症)およびPCI/冠動脈バイパス術(CABG)による予定外の再血行再建術などから成る複合有効性評価項目を設定し、ダビガトランを含む2剤併用抗血栓療法によるワルファリンを含む3剤併用抗血栓療法に対する非劣性を検討した。

 
主な患者背景は、全対象患者で平均年齢70.8歳、男性が7割以上を占めた。
PCIの適応疾患はACSが50.5%を占めており、82.6%がDESを施行していた。
P2Y
12阻害薬の内訳は、大多数がクロピドグレルで、チカグレロルは12.0%だった。ワルファリン3剤併用群のTime in therapeutic range(TTR)は64%であった。


ダビガトランの用量を問わず、2剤併用群で出血リスクが有意に低減

解析の結果、追跡期間における主要評価項目であるISTH基準による大出血もしくは臨床的に問題となる出血の発現率は、2剤併用(110mg)群で15.4%であったのに対し、3剤併用群では26.9%〔ハザード比(HR)0.52、95%CI 0.42~0.63、P<0.001〕、2剤併用(150mg)群では20.2%であったのに対し、3剤併用群では25.7%(同0.72、0.58~0.88、P=0.002)と、2剤併用群の方がダビガトランの用量を問わず3剤併用群に比べ出血リスクが有意に低く、それぞれ48%、28%のリスク低減が示された。


ISTH基準による大出血のみで検討しても、2剤併用群の出血リスクは3剤併用群に比べて有意に低かった(110mg群のHR 0.52、95%CI 0.37~0.74、P<0.001/150mg群のHR 0.64、95%CI 0.43~0.94、P=0.02)。
頭蓋内出血例はまれであったが、発現率は2剤併用群の方がいずれの用量群でも3剤併用群に比べて低かった。


2剤併用抗血栓療法は標準療法に対して非劣性

死亡または血栓イベントおよびPCI/CABGによる予定外の再血行再建術などから成る複合有効性評価項目の発現率は、2剤併用群(110m群および150mg群)では13.7%、3剤併用群では13.4%(HR 1.04、95%CI 0.84~1.29、非劣性のP=0.005)と、ダビガトラン2剤併用療法のワルファリン3剤併用療法に対する非劣性が示された。
重篤な有害事象の発現率に有意な群間差は認められなかった。

これらの結果から、Cannon氏は「ダビガトランとP2Y12阻害薬による2剤併用抗血栓療法は、標準治療である3剤併用抗血栓療法に比べて出血リスクを有意に低減させ、血栓イベントの発現率は同等であることが明らかとなった」と結論。
「世界各国で脳卒中予防を適応として広く承認されている標準用量のダビガトランを用いた2剤併用抗血栓療法は、PCIを施行したNVAF患者に対する新たな治療選択肢となるだろう」との展望を示している。
<番外編>

New-Onset AF Risk Seen to Rise With Longer Work Hours

http://www.carenet.com/medscape/cardiology/000414.html

週に55時間以上という著しい長時間労働を続けている人は、週の労働時間が35~40時間の人と比較し、心房細動(AF)発症の長期リスクが約40%高いことが、欧州の8つの観察コホートから統合された8万5,000人超に関する患者レベルのデータによって示唆されている。



<自遊時間>

最近、循環器関連の講演会が少ない。

MRが案内しないだけかも知れないが、NOACも一息ついた感じがするしPCSK9も処方が限定されているためか関連した講演会も息切れしている。

一方、糖尿病関連の講演会は花盛りだ。

SGLT2阻害薬がEMPA-REG OUTCOME試験(エンパグリフロジン)やCANVASプログラム(カナグリフロジン)でCVリスクの減少が証明され、DECLARE-TIMI 58試験(ダパグリフロジン)の結果が2019年ということで勢い付いている。

われわれ循環器医は糖尿病という疾患や病態にも大いに興味を持っている(はずだ)が、糖尿病専門医に今更「大血管イベント抑制」を語って欲しくないという気持ちも少しある(はずだ)。

ARB、NOACやSAB(エプレレノン)の熱狂や過去のものとなりつつあり、CKDもすっかり影を潜めてしまった。

これらの栄枯盛衰を振り返るにつけ、新薬に引きづられて(製薬メーカーの思惑で)講演会は開催されているのだとつくづく思う。


最近の傾向として開業医が司会し、同じく開業医が発表する講演会の形式がやたら増えている。

いかにも出身大学の同窓がやっている場合も多い。

こういった会は、「講演会のおままごと」のような気がして私は出席しないが、この手の講演会にはつい製薬メーカーの「思惑」を感じとってしまう。

 


<きょうの一曲>

Pachelbel Canon in D Major - the original and best version

https://www.youtube.com/watch?v=JvNQLJ1_HQ0



<きょうの一枚の絵> 

005

加藤美千代 「マテーラを描く」
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AFの二次イベントリスク

AFの二次イベントリスクが明らかに 男性はAMI、女性はISが最も高い

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0906510579/

スウェーデンにおける初発心房細動(AF)患者約50万例の登録データを基に、発症後10年間の二次性イベントの発症リスクを検討したところ、男性では致死性または非致死性の急性心筋梗塞(AMI)、女性では虚血性脳卒中(IS)の発症リスクが最も高く、これらのリスクは年々増加傾向にあることが明らかとなった。
スウェーデンの研究チームが欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日、バルセロナ)で報告した。


1年後、5年後、10年後の二次性イベント発症率を検討

AFは全身性塞栓症のリスク因子であり、AMI発症リスクの増加と関係することが知られているが、これらの二次性イベントのうち、いずれの血栓イベントを最初に発症するかは明らかになっていない。
そこで、Björck氏らはスウェーデンにおけるAFの大規模患者登録データを用いて、初発AF患者の致死性または非致死性AMI、IS、静脈血栓塞栓症(VTE)の初発イベントの長期発症リスクを検討した。

 
対象は、1987~2012年にSwedish Inpatient Registerに登録されたAMI、IS、VTEの既往歴がない初発AF患者49万6,173例。2013年12月31日まで追跡し、1年後、5年後、10年後の致死性または非致死性AMI、IS、VTE〔深部静脈血栓症(DVT)または肺塞栓症(PE)〕の初発イベントを記録し、イベント発症率を算出した。


女性でより高い二次性イベント発症リスク

対象の年齢は18~84歳と幅広く、男性が53%(平均年齢70.2歳)、女性が47%(同76.6歳)を占めた。

 
ベースライン時の併存疾患は、高血圧(26.5%)、心不全(25.2%)が高率で、AMI以外の虚血性心疾患(16.7%)、がん(12.5%)、糖尿病(11.3%)、心弁膜症(7.0%)、一過性脳虚血発作(TIA、4.0%)が続いた。脳内出血、先天性心疾患、末梢血管障害の既往例は1%未満であった。


また、1年後、5年後、10年後における致死性または非致死性AMI、IS、VTEの二次性イベントについて男女別に検討したところ、男性では致死性または非致死性AMI、女性ではISが一貫して最も頻度が高く、これらのイベント発症率は、男女とも経時的に増加する傾向にあった。


以上の結果から、Björck氏は「初発AF後、最初に発症する二次性イベントは、男性では致死性または非致死性AMIとISがほぼ同率で、女性ではISが最も多かった。
VTEは長期的な発症率は高くはなかったが、女性では男性よりも高率であったことから、総合的なリスクは男性より女性の方が高いと考えられた」と結論。
さらに、「相対的に二次性イベントの発症リスクが男性よりも女性で高い理由は不明であり、今後さらなる研究が必要」と付言した。




<きょうの一曲>

Mozart Divertimento D-Dur K334 Sandor Vegh, Salzburg, 1988.

https://www.youtube.com/watch?v=Yj5ie1vU5GM





<きょうの一枚の絵>

002-1
大原悦子  「一瞬一泰明」
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AF患者へのDOAC処方が急増 欧州の大規模レジストリ研究から

AF患者へのDOAC処方が急増 欧州の大規模レジストリ研究から

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0905510554/

欧州における心房細動(AF)診療に関する大規模前向きレジストリ研究により、AF患者に対する抗血栓療法として8割以上で経口抗凝固薬(OAC)が処方されており、中でも直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)の割合が急増している実態が浮き彫りになった。
イタリア・University of BolognaのGiuseppe Boriani氏が、欧州心臓病学会(ESC 2017、8.26~30、バルセロナ)で報告した。


1万1,096例のAF患者を登録

今回発表されたのは、欧州におけるAF診療の実態を調査するために2012年2月~13年3月に実施された約3,000例を対象としたパイロット研究EURObservational Research Programme Atrial Fibrillation(EORP-AF)を引き継いだ長期研究(Long-Term General Registry)のデータ。
欧州における1万例超のAF患者の登録データを基に、AF診療の実態およびビタミンK拮抗薬(VKA)やDOACなどの処方状況を検証した。

 
患者登録は、2013年10月~16年9月にESCに加盟する欧州27カ国・250施設で行われた。
適格基準は、登録前12カ月以内に心電図検査によりAFが確認された18歳以上の患者とし、薬理学的な介入研究の参加者は除外した。

 
登録患者数は1万1,096例。ベースライン時の年齢の中央値は71歳、女性が40.7%を占めた。
68.5%が専門医療機関を受診しており、52.2%が入院患者であった。
脳梗塞発症リスクの指標であるCHA
2DS2-VAScスコアの中央値は3.0。
AFの内訳は、永続性AFが33.5%と最多を占め、発作性AFが25.7%、持続性AFが19.1%、初発AFが15.6%、長期持続性AFが4.3%、不明が1.7%の順であった。


血栓塞栓症の高リスク患者にはDOACを積極処方

AF患者の93.6%がなんらかの抗血栓療法を受けており、そのうち84.9%がOACの処方を受けていた。
OAC投与患者の内訳は、VKAが50.2%、DOACが34.8%であった。抗血栓療法の種類をCHA
2DS2-VAScスコア別に見ると、0点で6割以上、1点以上で8割以上がOACの処方を受けていた。

 
多変量解析の結果、OAC処方の独立した予測因子としては、年齢、高血圧、狭心症、虚血性脳卒中の既往など、血栓塞栓症のリスク上昇に関する項目が有意な因子として認められた。

 
入院または診察理由の疾患別に解析したところ、AFと比べて、急性冠症候群(ACS)、高血圧、その他の非心血管疾患(CVD)などでは、OACの処方率が有意に低いことが認められた。


抗凝固薬の処方状況には地域差も認められ、北欧および南欧、西欧地域における抗凝固薬の処方率は、東欧地域よりも有意に高かった。


DOACの処方割合は3年間で3倍

さらに、OACをVKAとDOACに分けて処方の独立した予測因子を解析した結果、冠動脈疾患(CAD)および心臓弁膜症、薬理学的除細動例などで、DOACに比べVKAの処方割合が有意に高率であった。

 
入院または診察理由の疾患別に解析したところ、AFと比べて、ACSおよび心不全の他、その他のCVD、その他の非CVD、心臓弁膜症では、DOACに比べてVKAの処方割合が有意に高率であった。


VKAとDOACの処方割合の推移を見ると、2013~16年の3年間に約3倍に急増していた。
しかし、DOACの処方状況は地域によって大きく異なり、北欧および西欧地域ではVKAとDOACの処方割合は同等またはDOACの方が高かったものの、東欧および南欧地域ではVKAがDOACの2倍以上処方されていることが分かった。

 
以上の結果から、Boriani氏は「今回の研究により、欧州では抗血栓療法としてOACが84.9%と高率に処方されている実態が明らかとなった。OACの処方には臨床症状が大きく関係しており、地域によって処方パターンが異なる実態が浮き彫りになった」と総括した。



<関連サイト>

非弁膜症性心房細動の非弁膜症性とは

http://yaplog.jp/hurst/archive/358





<自遊時間>
「近所の歯医者に抗生剤を近くの内科で出してもらうように言われました」
初診の患者さんでしたが最初、何を言っているのかわかりませんでした。
「歯ぐきが腫れているのに気付いたので歯医者さんにいったら歯肉炎といわれました」
「どうしてそこで出してもらえなかったんですか?」
「さあ、わかりません」

「念のため、ちょっと見てみましょう」

舌圧子で叩いてみると硬い感じで、本人は全く痛がりません。
赤くも何ともなく、第一小臼歯の内側が腫れているだけです。
要するにケルススの4徴である
発熱(局所熱)、発赤、腫脹、疼痛(加えて5徴は機能障害)が全くないのです。

骨隆起(外骨症)と診断し、抗生剤は無用の旨、説明して帰っていただきました。
幸い、私自身かかっていない歯科医でしたが、「こんな歯科医もいるんだ」と勉強になりました。
それにしても、歯肉炎だったとしても内科医としてどのような病名をつければいいのでしょうか。
随分迷惑な話ですし、何よりも無礼です。
(歯科に限らずマイナー科のドクターもそうですが、紹介状も書かずに「近くの内科に行ってくれ」と言うことがしばしばあります)
https://mushiba-labo.com/?p=12719


<きょうの一曲>

Mozart Divertimento in E Flat, K. 563 Grumiaux Trio

https://www.youtube.com/watch?v=2N4hHhTu4pw


<きょうの一枚の絵> 
001
大原悦子 「いしだたみの街」
http://www.travelplan.co.jp/vita/2013-08/05kayano/index.htm 


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SGLT2阻害薬が2型糖尿病の安静心拍数を減少

SGLT2阻害薬が2型糖尿病の安静心拍数を減少

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0904510266/

SGLT2阻害薬の投与により2型糖尿病患者の安静時心拍数が低下するという研究結果を慶應義塾大学循環器内科の研究チームがまとめた(J Diabetes Investig 2017; in press)。
安静時心拍数が高いことは死亡・心血管疾患リスクとなることから注目される研究結果だ。


2型糖尿病患者において、安静時心拍数が高いほど、死亡や心血管疾患の発症リスクが上昇することが知られている
新規血糖降下薬として承認されたSGLT2阻害薬は心拍数に影響を与えないとされてきた。
しかし、治療前の安静時心拍数ごとにSGLT2阻害薬の心拍数に及ぼす影響が層別解析されたことはなかった。

 
食事療法と運動療法だけで管理されていた日本人の2型糖尿病患者(HbA1c 6.9~10.5%)を対象にして行われたルセオグリフロジンの第Ⅱ相、第Ⅲ相のプラセボ対照、ランダム化二重盲検群間比較試験の結果をプール解析して、治療前と治療12週後の心拍数の変化を検討した。


SGLT2阻害薬の心不全に対する抑制作用の機序解明に手がかり

治療前の安静時心拍数が70bpm以上の群において、ルセオグリフロジン2.5mg投与群はプラセボ投与群と比べて治療12週後の心拍数が有意に低下した。
治療12週後の心拍数減少の程度は、治療前の安静時心拍数が高い患者ほど大きく、治療前の安静時心拍数が80bpm以上の患者では実に10bpm近く心拍数が減少していることが明らかになった。
反対に治療前の安静時心拍数が70bpm未満の患者に対しては、ルセオグリフロジンによる心拍数の減少効果は観察されなかった。
安静時心拍数以外のパラメーターについては、治療12週後の心拍数の変化に対して臨床的に意義のある変化はみられなかった


2型糖尿病患者の中には、延髄の血管運動中枢の活動が亢進している患者が存在していることが知られている。
圧受容体反射の機能不全は血管運動中枢の活動亢進をより増長させている。
これらが、心臓交感神経を刺激して心拍数を上昇させている。
ルセオグリフロジンが安静時心拍数の高い患者に限って、安静時心拍数が高いほど心拍数を下げたという結果は、ルセオグリフロジンが血管運動中枢の活動が亢進している患者において、その活動を鎮めている可能性を示唆する。

 
血管運動中枢の活動が亢進して全身への交感神経系アウトプットが亢進すると腎臓におけるナトリウムの再吸収が亢進して心臓に対する静脈灌流量が増えて前負荷が増える、さらに動脈が収縮すると血圧が上昇し後負荷が増える、拡張機能の低下した心臓に対して心拍数増加は1回拍出量を低下させる。
これら全てが血行動態的に器質的心疾患を持った2型糖尿病患者に心不全を引き起こすことになる。

 
本解析結果は、SGLT2阻害薬が血行動態に影響を与えて心不全入院を抑制する
機序を考察する手がかりを与えるもので大変興味深い。


<私的コメント>
SGLT2阻害薬の使用開始時点でのBNPは測定されているのでしょうか。
BNP高値例が心拍数の低下度が大きくBNP値自体も下がっていれば、心不全改善に伴う「安静心拍数の減少」かも知れません。
 
 

<関連サイト>

これでSGLT2阻害薬の心腎保護効果は確定 2件目の心血管アウトカム試験CANVAS Program

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0616509004/?adlpo_rcc=1

・EMPA-REG OUTCOMEは、世界初のSGLT2阻害薬による心血管アウトカム試験であり、中央値3年の試験で、3ポイント複合心血管イベント(3ポイント MACE;心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)のみならず、総死亡も抑制したことで世界を驚かせた。


・それから1年半が経過し、SGLT2阻害薬の2本目の心血管アウトカム試験であるCANVAS(第Ⅱ相RCT)およびCANVAS-R(第Ⅲ相RCT)がCANVAS Programとして米国糖尿病学会(ADA2017.9~13)で報告され、N Engl J Medに同時掲載された。

EMPA-REG OUTCOMEと異なり、心血管イベント抑制効果についての事前のプレスリリースがなされておらず、あまり良い結果ではないかもしれないとの予測もあったが、ものの見事に心血管イベントを抑制していた。

しかし、多くの点でEMPA-REG OUTCOMEとは異なっていた。


・登録基準は、①推算糸球体濾過量(eGFR)30mL/分/1.73m
2以上②HbA1c 7.0%以上10.5%以下―のいずれにも合致し、かつ①30歳以上で心血管イベントの既往がある②50歳以上で5つの心血管危険因子のうち、2つ以上を有する―のいずれかに合致する2型糖尿病患者。

5つの心血管危険因子とは、罹病年数10年以上、降圧薬内服下で収縮期血圧140mmHg以上、喫煙者、アルブミン尿、HDL-C 38.7mg/dL未満。


・心血管疾患既往のない人でのHRは0.98で(有意でなく)、既往のある人での0.82よりも効果は小さかった。また、興味深いことに、65歳未満よりも65歳以上で有効性が高かった(同 0.91 vs. 0.80)ことはEMPA-REG OUTCOMEと同様だが、同試験と異なり、アジア人よりも白人や黒人で有効性が高く(同 1.08 vs. 0.84 vs. 0.45)、BMIも30未満よりも30以上で有効性が高かった(同 0.97 vs. 0.79)。


・EMPA-REG OUTCOMEでは3ポイント MACEの中でも心血管死の抑制が強く表れ(HR 0.62)、非致死性脳卒中(同 1.24)や非致死性心筋梗塞(同 0.87)の抑制効果はさほどではなかったが、CANVAS Programにおいては、心血管死、非致死性脳卒中、非致死性心筋梗塞に大きな差異はなかった。


・EMPA-REG OUTCOMEでは総死亡率の低減効果が見られていたが(HR 0.68)、CANVAS Programでは総死亡のHRは0.87とカナグリフロジン群で低かったものの、ぎりぎり統計学的には有意ではなかった(95%CI 0.74-1.01)。

一方、心不全による入院はカナグリフロジン群で有意に抑制されていた。


・EMPA-REG OUTCOMEでは、SGLT2阻害薬による腎保護効果が示されたが、CANVAS Programにおいてもアルブミン尿の進展はカナグリフロジン群で抑制された)。

また、アルブミン尿の消退もカナグリフロジン群で多く生じた。


・全ての重篤な有害作用についてはカナグリフロジン群の方が有意に少なかった。

(EMPA-REG OUTCOMEではアンプテーションの記載はない)

しかし、アンプテーションはプラセボ群に比較してカナグリフロジン群で有意に多く、骨折もカナグリフロジン群で有意に多かった。


・ダパグリフロジンのDECLARE-TIMI58の結果が待たれる。

SGLT2阻害薬の心腎保護効果 CANVAS Program

http://blog.livedoor.jp/cardiology_reed/archives/71041680.html 



<自遊時間>
第一三共、英製薬大手の買収案を拒否…株価急上昇〔読売新聞〕

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0901510593/

・大手製薬会社では難病向けを中心に新薬開発に巨額の資金が必要で、開発技術の取得や経営規模拡大のため、今後もM&A(合併・買収)の動きが活発化する可能性もある。

私的コメント

どうでもいいことですが「株価急上昇」の理由が今ひとつわかりません。

 

<きょうの一曲>

[HD] Khatia Buniatishvili Chopin Prelude Op. 28 No. 4 (BEAUTIFUL ENCORE)

https://www.youtube.com/watch?v=R_SxJMWfzcg

 


<きょうの一枚の絵>

004
加藤瑞恵 「マテーラ風景」
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リバーロキサバンでCVD再発リスクが減少

リバーロキサバンでCVD再発リスクが24%減

COMPASS試験、末梢動脈疾患合併例の主要下肢イベントも半減

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201708/552524.html

スペイン・バルセロナで開催されている欧州心臓病学会(ESC2017、会期:8月26~30日)でカナダの研究チームは、アスピリンに低用量のリバーロキサバンを上乗せすることで、心血管疾患(CVD)の再発リスクが24%、有意に減少したと発表した。
CVDの既往がある2万7395例を対象にリバーロキサバンの第3相試験として行われたCOMPASS試験の結果だ。
さらに同じグループが、末梢動脈疾患(PAD)に限定した7470例でのサブ解析を報告。
主要下肢イベント(MALE)のリスクも46%の大幅な減少となった。


COMPASSの対象は、安定した冠動脈疾患(CAD)または末梢動脈疾患(PAD)の既往がある患者(両疾患の合併例を含む)。
これを、リバーロキサバン(2.5mg×1日2回)+アスピリン(100mg/日)投与群(R+A群)、リバーロキサバン(5mg×1日2回)投与群(R群)、アスピリン(100mg/日)投与群(A群)の3群に無作為に割り付けた。


主要評価項目は心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合イベント(MACE)とした。
当初は3~4年の追跡が計画されていたが、R+A群でのリスク減少が明らかとしてデータ安全性評価委員会により早期中止が勧告され、平均23カ月間の追跡で中止され結果が発表された。
日本からの1556例を含む33カ国602施設から登録された2万7395例が、解析対象となった。追跡完了率は99.8%と良好だった。


患者背景は、平均年齢68歳、血圧136/78mmHg、総コレステロール4.2mmol/L(162mg/dL)、90%にCADの既往、27%にPADの既往があった。
38%が糖尿病を合併し、90%が脂質異常症治療薬を、71%がレニン・アンジオテンシン系抑制薬を服用していた。


主要評価項目となるMACEの発生はR+A群の4.1%(9152例中379例)に対してA群は5.4%(9126例中496例)で、A群に比べてR+A群の発生リスクは24%、有意に減少していた。
R群も4.9%(9117例中448例)とA群よりは低率だったが、A群との間に有意な差はなかった。


R+A群におけるリスク減少の傾向は、各評価指標である心血管死亡(HR:0.78、95%CI:0.64-0.96、P=0.02)、脳卒中(HR:0.58、95%CI:0.44-0.76、P<0.0001)、心筋梗塞(HR:0.86、95%CI:0.70-1.05、P=0.14)で一貫していた。


一方、出血のリスクはR+A群とR群で増加した。
国際血栓止血学会(ISTH)の修正基準による大出血(入院または救急施設に一晩滞在しない状況も含む)の発生は、R+A群3.1%(288例)、R群2.8%(255例)、A群1.9%(170例)で、R+A群のHRは1.70、R群のHRは1.51と、それぞれA群に比べ有意に上昇していた。
ただし、致死的な出血では、どちらもA群との間に有意差を認めなかった。


net clinical benefitとして主要評価項目と重篤な出血の複合イベントを比較すると、R+A群4.7%(431例)、R群5.5%(504例)、A群5.9%(534例)となり、R+A群とA群の間では有意差を認めた。

 

カナダ・マクマスター大学のSonia Anand氏

またAnand氏は、COMPASSに登録された患者の中で、PADの既往がある7470例を対象としたサブ解析(COMPASS-PAD)の結果を発表した。
主要な有効性の評価項目は、COMPASSと同じMACEと、下肢複合イベント(MALE:治療的介入が必要な重度の下肢虚血+大切断)とした。


MACEはR+A群5.1%(2492例中126例)、R群6.0%(2474例中149例)、A群6.9%(2504例中174例)で、R+A群とA群の間には有意な群間差があった。
またMALEもR+A群1.2%(30例)、R群1.4%(35例)、A群2.2%(56例)で、A群に比べたR+A群のHRは0.54と、大幅なリスク減少となった。


抗凝固薬で血栓性疾患が抑制できた機序について、COMPASS試験のディスカッサントとして登壇した米国ハーバード大学のEugene Braunwald氏は、血栓形成過程には凝固系のトロンビンも関与していることを指摘。
Xa因子の活性化を阻害することでトロンビン合成を抑制し、出血リスクがワルファリンより低く使いやすいXa阻害薬の登場により、Xa阻害薬とアスピリンまたはXa阻害薬とチエノピリジン系抗血小板薬との併用が、抗血小板薬併用療法(DAPT)の代替レジメンになる可能性を示唆した。



<自遊時間>

生と死の狭間で循環救急医療を考える

https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/0903510581/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

・高度な医療機器や薬剤が使用される現在の循環器救急医療では患者の尊厳を維持し、家族らの気持ちに配慮しつつ”never give up”の理念の下で診療することが重要であると考える。

私的コメント;

少々難解なエッセイでした。

もし、同じような局面に遭遇したらどのような対処が正しいのかわかりません。

つくづく、「医療は不確定なもの」と思い知らされました。




<きょうの一曲>

Khatia Buniatishvili Chopin Piano Concerto No. 2 Op. 21 in F minor

https://www.youtube.com/watch?v=z63g6bTBclE&t=400s

 




<きょうの一枚の絵>

008

日下部俊之  マテーラ風景

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PCI後のAF患者 RE-DUAL PCI試験

PCI後のAF患者、NOAC+抗血小板薬1剤が可能 RE-DUAL PCI試験

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201709/552560.html

経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)後の心房細動(AF)合併患者に対する非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)ダビガトランと抗血小板薬(P2Y12阻害薬)1剤の併用は、ワルファリンと抗血小板薬2剤による抗血栓薬3剤併用よりも出血のリスクは有意に低く、血栓塞栓性イベントのリスクは同等であることが明らかになった。
RE-DUAL PCI試験の結果で、米国ハーバード大学のChristopher Cannon氏らが発表した。

    欧州心臓病学会(ESC2017、2017.8.26~30、バルセロナ

 

経口抗凝固療法を行っているAF患者が虚血性心疾患を発症しPCIを施行した場合、ステント留置後の一定期間は抗血小板薬併用療法(DAPT)の実施が求められているため、その間は抗血栓薬を3剤併用することになる。
だが3剤併用は出血のリスクが高く、より安全なレジメンが求められていた。
そこでNOACを用いた新たなレジメンを探索すべく、日本を含む41カ国414施設が参加してRE-DUAL PCIが行われた。


対象は、PCIを施行しステントを留置した非弁膜症性AF患者(2725例)。
これを、ダビガトラン(150mg×1日2回)+P2Y12阻害薬1剤投与群(D300+SAPT群、763例)、低用量ダビガトラン(110mg×1日2回)+P2Y12阻害薬1剤投与群(D220+SAPT群、981例)、ワルファリン+P2Y12阻害薬1剤+アスピリン(100mg/日以下)投与群(VKA+DAPT群、981例)の3群に無作為に割り付け、平均14カ月間追跡した。
なお、米国以外の高齢患者(80歳以上、日本のみ70歳以上)は、D220+SAPT群とVKA+DAPT群の2群間で無作為割り付けを行った。


P2Y12阻害薬はクロピドグレルまたはチカグレロルを主治医の判断で選択し、12カ月間投与した後は同薬の中止またはアスピリンへの変更を許容した。
VKA+DAPT群のアスピリンは、ベアメタルステント留置症例は1カ月間、薬剤溶出ステント留置症例は3カ月間で中止した。


主要評価項目は安全性とし、国際血栓止血学会(ISTH)の定義による大出血または大出血ではないが臨床的に問題となる出血事象とした。
副次評価項目は有効性とし、総死亡、心筋梗塞、脳卒中、全身性塞栓症、予定外の再灌流療法の施行の複合とした。


患者は平均年齢70.8歳、半数(50.5%)は急性冠症候群で、82.6%が薬剤溶出ステントを留置した。
VKA+DAPT群でワルファリンのPT-INRが2.0~3.0に収まっている期間の割合(TTR)は64%だった。CHA2DS2-VAScスコアは各群で3.3~3.8、modified HAS-BLEDスコアは2.6~2.8だった。


主要評価項目である出血性イベントの発生はD220+SAPT群15.4%、VKA+DAPT群26.9%で、VKA+DAPT群に比べたD220+SAPT群の出血リスクは48%減少し、有意な群間差を認めた(ハザード比[HR]:0.52、95%信頼区間[95%CI]:0.42-0.63、非劣性のP<0.001、優越性のP<0.001)。


D300+SAPT群での出血性イベントの発生は20.2%で、150mg1日2回のダビガトラン投与が許容される患者に限定したVKA+DAPT群(764例)での発生率25.7%よりも、有意に低かった(HR:0.72、95%CI:0.58-0.88、非劣性のP<0.001、優越性のP=0.002)。


副次評価項目である総死亡と血栓塞栓症の複合イベントは、ダビガトランを投与した2群の統合解析では13.7%に発生した。
これに対してVKA+DAPT群では13.4%で、ダビガトラン投与群での非劣性が認められた(HR:1.04、95%CI:0.84-1.29、非劣性のP=0.005)。


発生件数が少なく統計的検出力は限られるが、血栓塞栓症の評価項目を個別に見ると、D220+SAPT群ではVKA+DAPT群に比べステント血栓症(15例対8例、HR:1.86、95%CI:0.79-4.40、P=0.15)、心筋梗塞(44例対29例、HR:1.51、95%CI:0.94-2.41、P=0.09)などでリスクが増加傾向にあった。
D300+SAPT群では、このような傾向は見られなかった。


Cannon氏は、「ダビガトランとP2Y12阻害薬の2剤併用は、ワルファリン+DAPTの3剤併用に比べて出血リスクを有意に減らし、血栓塞栓症のリスクは非劣性だった。AFに伴う脳卒中の予防を適応症として国際的に承認されている用量のダビガトランとP2Y12阻害薬の併用は、PCI後のAF患者を対象とした抗血栓療法の選択肢になるだろう」と結論した。



<きょうの一曲>

Mozart Oboe Quartet K370 Rachel Bullen,Ernst Kovacic,Michel Camille,Anssi Karttunen,Esbjerg,Denmark

https://www.youtube.com/watch?v=wotuS1vZWYs





<きょうの一枚の絵> 


011-1

佐々木恵 「プロチダの朝」

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急性心筋梗塞への酸素投与

急性心筋梗塞に酸素投与の効果なし 6,000例超のRCT、DETO2X-AMI試験

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0831510555/

心筋梗塞が疑われる患者に対する酸素療法の是非をめぐっては、AVOID試験で酸素投与群の梗塞サイズが空気投与群より大きいことが示されてから、その有害性に関する懸念が生じた(Circulation 2015; 131: 2143-2150、関連記事「急性心筋梗塞の酸素は"AVOID"する?」)。
このほどスウェーデン・Karolinska InstituteのRobin Hofmann氏は、AVOID試験を大きく上回る6,000例超の大規模ランダム化比較試験(RCT)DETO2X-AMI
※1を実施した結果、酸素療法は低酸素状態でない急性心筋梗塞疑い例の1年全死亡率を低下せず、AVOID試験結果を追認するものだったと欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日、バルセロナ)で報告した。試験結果はN Engl J Med(2017年8月28日オンライン版)に同時掲載された。


国民登録との連携で短期間・低費用の大規模RCTを実現

DETO2X-AMI試験の対象は、息切れなどの古典的な急性心筋梗塞の症状があり、酸素飽和度90%以上で虚血を示唆する心電図上の変化またはトロポニン値上昇が認められる30歳以上の患者。在宅酸素療法を受けている患者および登録前に心停止となった患者は除外した。

 
スウェーデンの心疾患に関する大規模ウェブ登録SWEDEHEART
※2を用いて6,629例(年齢中央値68歳)を登録し、オープンフェイスマスクを用いて6L/分で6~12時間酸素を投与する群(3,311例)または空気投与群(3,318例)に1:1でランダムに割り付けた。主要評価項目はランダム化後1年以内の全死亡率とした。

 
ランダム化と症例の記録および追跡にSWEDEHEARTを含む国民登録を利用した今回の臨床試験プロトコルについて、Hofmann氏は「このデザインにより、3年未満で6,629例を登録して質の高いデータを得ることができ、費用は従来のRCTの数分の1に抑えられた」と説明した。


1年全死亡率、トロポニンT値に空気投与と有意差なし

酸素療法の実施時間の中央値は11.6時間、治療終了時の酸素飽和度の中央値は酸素群が99%、空気群が97%であった。
退院時の最終診断は両群とも約75%が心筋梗塞であった。

 
ランダム化後1年以内の全死亡率は酸素群が5.0%、空気群が5.1%とほぼ同等であった(ハザード比0.97、95%CI 0.79~1.21、P=0.80)。
喫煙、高齢、糖尿病などの危険因子や、梗塞のタイプ、最終診断で層別化した全てのサブグループでも両群間の有意差は認められなかった。

 
また、トロポニンT値による心筋傷害の評価でも、入院中の最大トロポニンT値の中央値は酸素群が946.5ng/L、空気群が983.0ng/Lと同等であった(P=0.97)。

 
以上の結果から、Hofmann氏は「低酸素状態でない心筋梗塞疑い例において、1年全死亡率に対する酸素療法の効果は認められなかった」と結論。
「今回の結果は、心筋梗塞が疑われる全ての患者にルーチンで酸素療法を行う現在の診療に疑問を呈するものだ」と述べた。


討論者としてDiscussant Reviewに登壇した英・University of EdinburghのDavid Newby氏は「DETO2X-AMI試験は心筋梗塞疑い例に対する酸素療法の是非という患者管理に関するやっかいな問題に簡潔に答えた素晴らしい研究で、今後のガイドライン改訂につながるものと思われる」と評価した。 
 

※1 DETermination of the role of OXygen in suspected Acute Myocardial Infarction

※2 Swedish Web System for Enhancement and Development of Evidence-Based Care in Heart Disease Evaluated According to Recommended Therapies




<きょうの一曲>

Horowitz Rachmaninoff 3rd Concerto Mehta NYPO 1978

https://www.youtube.com/watch?v=D5mxU_7BTRA&t=832s 



<きょうの一枚の絵> 

003

大原悦子 「朝焼け」

http://www.travelplan.co.jp/vita/2014-08/07kayano/003.jpg 





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