食塩過剰摂取は夜間頻尿の要因

https://medical-tribune.co.jp/news/2015/1110037759/

高血圧と夜間頻尿など排尿症状との関連についてはさまざまな報告があるが,高血圧の原因となりうる食塩摂取量と排尿症状との関連を詳細に検討した報告はほとんどない。

食塩摂取量と排尿症状(特に夜間頻尿)との関連を調べた研究結果が第22回日本排尿機能学会(2015.9.9~11)で発表された。


高食塩摂取群で排尿回数,排尿量ともに多い

自覚症状は主要下部尿路症状スコア(CLSS)を用いて評価し,推定食塩摂取量は随時尿を採取して尿中のナトリウム値とクレアチニン値を基に算出。

排尿回数と排尿量は排尿日誌を基に評価した。


推定食塩摂取量の中央値(9.21g)により低食塩摂取群(L群,7.3g),高食塩摂取群(H群,11.4g)の2群に分けて検討。

H群ではL群と比べてBMIが高い患者,高血圧患者が多かった。

 

その結果,排尿回数,排尿量ともに昼間,夜間を問わずL群よりH群で多く,夜間尿量率もH群で高かった。

CLSSに関しては,H群で有意に昼間,夜間の排尿回数が多く,QOLが悪かった。

しかし,他の排尿症状に関しては,2群間で差は認められなかった。


食塩制御で過活動膀胱の原因も遮断

この結果を基に,推定の食塩摂取量と昼間,夜間の排尿回数の相関を調べたところ,昼間より夜間で有意に排尿回数が推定食塩摂取量と相関していることが分かった。

排尿量についても昼間,夜間ともに推定食塩摂取量との有意な相関が認められた。

夜間頻尿と関連因子について単変量解析,多変量解析を用いて評価したところ,性,腎機能障害,高血圧と並び食塩摂取量が夜間頻尿と有意な関連があることが分かった。

 

今回の研究で,高食塩摂取群で夜間排尿回数も夜間排尿量も多く,食塩摂取量は独立した夜間頻尿の増悪因子であることが分かった。

これは,塩分の取り過ぎにより飲水過多になったことや組織の間質液の増加が夜間多尿や夜間頻尿の原因になったかもしれない。


食塩摂取量は高血圧,全身の血管疾患,腎機能障害などの危険因子の1つだといわれている。

また,高血圧をはじめとするメタボリックシンドロームは夜間頻尿や過活動膀胱などの危険因子だと考えられるため,高血圧と密接に関連した食塩摂取過多に関しても,これら排尿症状の間接的,直接的な危険因子になるのではないか推測される。

 

演者は、高血圧の原因となる食塩摂取過多自体によって水分摂取量の増加および交感神経系のバランスの乱れを来し,今回の結果(夜間多尿)につながったのではないか、

と考えており,塩分の制限が食塩摂取量過多による頻尿,多尿の患者の治療や予防,また,さまざまな薬剤耐性の夜間頻尿患者の症状改善に結び付くのではないかと思う、と述べた。


メタボリックシンドロームと食塩摂取量とは関連性が強いため,食塩摂取の制御により過活動膀胱の原因となるメタボリックシンドロームとの関連を遮断できるのではないかとし,食塩過剰摂取は夜間頻尿の要因の1つと考えられる、と結論付けた。



<関連サイト>

減塩と高血圧(特に夜間高血圧)

http://medical.radionikkei.jp/medical/Jshp/final/pdf/110718.pdf


食塩感受性・腎内レニン―アンジオテンシン(RA)系・ 交感神経系を意識した降圧療法

http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/igak.dir/P123-134_hukuda.pdf


体内塩分を保つアルドステロンの重要性 適切な食塩摂取量は?

http://www.geocities.jp/t_hashimotoodawara/salt6/salt6-09-02.html


高血圧

http://seisan.server-shared.com/623/623-59.pdf


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