※ 2011年4月3日 Myspaceブログ投稿分

カシオペア結成10周年記念作「Sun Sun」は、ニューヨークでレコーディングされ、前年の「Halle」のヒット効果により「Sun Sun」もゴールドディスクを受賞しました。
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但し、サウンド面では大きな変化がありました。当時の野呂さんの知人経由でカルロス・アロマーをプロデューサーに迎え、一部の曲でジョン・ウェイトやフランク・シムズを迎えてボーカル曲も制作。カルロスは元々デヴィッド・ボウイ・バンドのギタリストで、前年85年には高橋幸宏さんのツアーでも来日、既にカシオペアのサウンドもチェック済みだったそうです。

勿論、変化はボーカルだけではなく、NYらしいダンスビートに重点を置き、ドラムに深いデジタルリバーブが掛けられました。最近初めて聴いた人は驚かれたでしょうが、当時は本当にこの音が最先端だったのです。結局90年以降はドライなドラムサウンドが主流になった為、深いデジリバ・サウンドは姿を消してしまいましたが…。

ちなみにフランクが歌った「Sun」は12インチ・シングル盤のリミックス・ダンスバージョンで、ジョンが歌った「Something Is Wrong」は7インチ・シングル盤でそれぞれ発売されました。「その1」で述べた「Zoom」リミックス・ダンスバージョン等と併せて、これらのシングル音源は後に「CASIOPEA SINGLE COLLECTION」として1枚のCDにコンパイルされました。なんと宮住先生がライナー解説を書かれていますよ。
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更に10周年記念ツアーでは、野呂さん繋がりでもあり櫻井さんのソロ作にも参加していた楠木勇有行さんをゲストボーカルに迎え、大盛況のうちに幕を閉じました。この模様は翌1987年に「Casiopea Perfect Live」としてCD・LD・ビデオで発売され、タイトル通りに演奏曲全曲が完全収録されました。

ちなみにLDとビデオは、初回購入特典として未発表曲「Asian Dreamer」の7インチ・シングルレコード(ホワイトビニール・片面収録)が貰えるという嬉しいサービスがありましたが、この音源は後にPionnerLDCより発売された「Best Selection」のラストにも収録されています。
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そして1987年は、カシオペアが初めてレコード会社を移籍した年でもあります。

当初カシオペアの所属事務所はアルファレコードの子会社でしたが、その事務所の社長様がカシオペアを引き連れる形でアルファから独立、新事務所を設立し、所属レコード会社もポリドール(現・ユニヴァーサル)へ移籍となりました。今思えば、それまで順風満帆だったカシオペアもアルファを離れた瞬間から波乱万丈な歴史が始まったのかも知れませんね…。

1987年の移籍第一弾「Platinum」は前作「Sun Sun」に続くNYレコーディングで、楠木さんを準メンバーとして迎えて全面的にボーカル・アルバムとして制作されました。

神保さんの曲ではブラジルの英雄・ジャバンをボーカルに迎えたり、サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」をファンク・アレンジでレコーディングしたりと見所もありましたが、全面インスト・スタイルだったカシオペアのアルバムとしては、激しい変化となりました。

更にアルバム発売記念ツアーに於いても、メンバー自身のシンクロ・ステップや手品が取り入れられたりして、以前とは方向性が大きく変化した為、一部ファンの間でも戸惑いが生じる現象がありました。この微妙な空気はメンバーにも伝わったようです。

ちなみに同じ頃、楠木さんもカシオペアの新事務所に所属していたのですが、この年に楠木さんの1stソロアルバム「Choose Me」も発売されました(H33P-20217)。プロデューサーは勿論野呂さん(一部の曲はカルロスアロマー)で、自らギターも演奏、他にも沢井原兒さんや青山純さん等が参加、ホーンセクションも入っています。


1988年、前年のカシオペアの活動を見直したメンバーは、「昔の曲に似てもいいから、自然体で作りたい。」という方針を立て、スタジオ・ジャイヴで再びインスト・アルバムのレコーディングに着手し、「ユーフォニー」を制作しました。
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当時ライブでも「全曲インストゥルメンタル、ゲスト無しです。」と徹底的に告知されたところを見ると、メンバーも相当気にしておられたのですね。(^^;) ファンの間でも概ね好評だったようです。電車の走行音をイメージしたシーケンス音を機軸リズムに据えた 「Bayside Express」はチューハイのCM曲に採用され、「太陽風」とのカップリングでシングルカットされました。

そして国内ツアーでは、「ユーフォニー」のジャケットに使用されている各カラーをメンバー各々が違う色を選んで製作されたワンカラーの衣装を着用して、観客の度肝を抜き、ワールドツアーでも地球の裏側のブラジルを含め、文字通り地球を一周するかのごとく、手広く横断しました。

更に夏の「よみうりEASTランド」での二部制の野外ライブでは、第一部はカシオペアの全アルバムから1曲ずつ遡る「鮭の川登りメドレー」が演奏され、第二部は新田一郎氏率いるホーン・スペクトラムやトップス・ホーンズと共演しました。これらの日本を含めた各国のライブの模様はCDでは「World Live '88」として発売され、映像ソフトでは翌1989年に「JOIA」と言うタイトルでLDとVHSが発売されました。
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ところが…数々の栄光を築いた4人の演奏作品もこれで最後となってしまいました…。

(その3へ続く)