※ 2011年7月17日, 24日 Myspaceブログ投稿分

1994年秋、ポニーキャニオンに移籍したカシオペアは、移籍第1弾として、まず東南アジアのファンの要望に応えるべく、現地で売られている旧メンバー時代のアルバム(日本で言えばアルファ時代)よりベスト曲をピックアップした、現行メンバーでのリメイク演奏による新譜が現地でリリースされる事になりました。つまり当初この企画盤は、現地向けのアイテムだったのですが、せっかくなので日本でも発売しましょうという事になったそうです。

ただ、カシオペアの事ですから、ストレートなベストアルバムという訳ではなく、野呂さん曰く「ベスト盤ではなく、実験作です。」との事でした。全20曲のうち、鳴瀬さんはその半数近くが実質上の新曲でしたが、他の3人にとっては体に染み込んでいる曲ばかりだった為、一旦、旧メンバー時代のアレンジを白紙にして、一から新たなアレンジを施す事になったのです。レコーディングはスタジオ・ジャイヴで行われましたが、野呂さんも実際にギターソロを弾くと過去のと同じフレーズを弾いてしまったりして、曲に対する固定観念をどのように崩すかで悩んでおられたようです。(^^;)

中でも一番やりづらかったのは、熊谷氏のようです。それこそ彼の体内には神保さんのドラミング・パターンが染み込んでいましたので(^^;)、それらを全部白紙にするのは相当難しかったようですね。熊谷氏が「神保さんソックリに叩けますよ。」なんて言うと、野呂さんは「いや、ソックリに叩かないようにしてよ。」と頼んだそうですから(苦笑)。

だからといって、この20曲が全然違う曲に変わっているかと言えば……決してそんな事はありません(笑)。何よりギターのメロディラインは不変のものですし、パッと聴いた感じはそんなに大きな変化を感じないのですが、そのバッキングのアレンジが色々と多彩な変化を遂げている訳です。ちなみに晩年のカシオペアで、向谷さんが「Asayake」の後半のキーボードのテーマ中でチャッチャッチャラ・チャーーと音を伸ばす部分を、前に突っ込んで演奏するように変えられた事に気付いた方もおられるでしょうが、あれもこのレコーディングが始まりでした。

又、カシオペアが歴代のライブで新たにアレンジを加えてきた「Space Road」のユニゾン演奏も、「Domino Line」の間奏ギミックも、「Galactic Funk」のドラム&ベースソロも、本作で初めてスタジオ・レコーディングされており、旧バージョンで曲によってはアレンジ、機材、録音環境の影響でサウンドに硬さがあった曲についても、本作ではスタジオライブ的な要素が加わった影響なのか、その硬さが無くなり、情感豊かなサウンドが出来上がりました。勿論、既に新生カシオペア以降に「新アレンジ」で演奏された曲については、そのアレンジがベーシックとなっています。一方、「Misty Lady」には尺八の音が添えられたりと、変わった部分もありますが…(^^;)

ちなみに比率的に言えば「ディスク1」はギターがテーマメロディを取る曲が多く集まり、「ディスク2」はピアノがテーマメロディを取る曲が多く集まっているのですが、2枚目では「Looking Up」「Take Me」「The Continental Way」と、向谷さんのアコースティック・ピアノが際立っています。

「Looking Up」はアコースティック陣営にストリングスを加えただけですが、音の広がり方がすごくて、オリジナルテイクよりも情感豊かなサウンドに変身した事は間違いないと思います。これも「Hearty Notes」の成果ですね。「Twilight Solitude」はギターとピアノのデュオ演奏です。

本作での鳴瀬さんはフレットレス・ベースを多様されたようです。オリジナルテイクでベースラインの印象が強かった「Down Upbeat」も、なんとあのフレーズをフレットレスで弾いておられます。かと思えば、「Galactic Funk」ではホワホワしたフランジャーを掛けられたり…。各曲でオリジナルテイクとは違うベースラインを披露されました。

こうして完成した新譜「Asian Dreamer」は、日本では12月16日に発売されました。「ディスク2」のラストに収録されている曲のタイトル「Asian Dreamer」がそのままアルバム・タイトルとなりました。この曲は「その2」でも書きましたとおり、1987年に発売されたLD「Casiopea Perfect Live」の初回購入特典として貰えた7インチ・シングルレコードの曲だったのを、新メンバーでリメイクしたという訳です。
[再発盤] http://www.amazon.co.jp/dp/B001GM7IGA

本作のように「既存曲」のイメージを変えるのは、新曲を作るのとは違って、そんなに簡単な事ではなかった事かと思います。カシオペアのように確立されたバンドであればなおさらですよね…。それでも、そんな難題に敢えて挑戦された心意気は素晴らしいです。ただ私が一つだけ心残りなのは、どうして「Take Me」のスネアロールが取り除かれちゃったのかなぁ~?という点です。あの部分は残してもよかったと思うのですが…。熊谷氏も「変えろ、変えろ」と言われて大変だったのでしょうか?(^^;)

12月には、カシオペアは2年ぶりにジャカルタのジャズ・フェスティバルに出演、「Asian Dreamer」のプロモーションとして良い機会となりました。


1995年2月、カシオペアはシンガポールで新作の録音を開始しました。レコード会社が東南アジアとの共同ラインに力を入れる中、ついにアルバムも現地でレコーディングされる事になったのです。スタジオに靴を脱いで上がらなければならない点には驚かれたそうですが…(^^;) 本作もエンジニアは「Active」「Answers」に引き続き、信頼関係のあったロス・コックルをオーストラリアより呼び寄せました。

本作での野呂さんは、あまりエフェクトを掛け過ぎず、生のギターサウンドを重視する事にしました。又、せっかくシンガポールで録音するからという事で、パーカッショニストは現地で活動するマニアム氏を起用しました。マニアム氏は、タブラ、エジプシャン・ドラム、インドの壷等を使用し、それらはアルバム半数以上の曲で聴く事ができます。つまり本作では、カシオペアでおなじみのコンガ、ボンゴ、ティンバレス等のラテン系パーカッションが外されたのです。野呂さんも決してシンガポール風のサウンドにするつもりではなかったのですが、そういう点では普段のアルバムと違う雰囲気が出来上がっているところもあると思います。

本作1曲目の「Hello There」も、バンドの伝統的な雰囲気を持つ曲ですね。一見ラフな作りに聴こえますが、このような跳ねるリズムは意外と難しいらしく、何度か録音し直したそうです。一転してアップテンポな「Hard Boild」は、ジャカルタの猥雑な雰囲気をイメージしたそうです。「陽炎」は、カシオペアとしては珍しくマーチング・バンドのリズムに合わせた曲です。

本作では向谷さんの曲が「ihilani」「Star Carousel」「Coastal Dreaming」と3曲連続する形で配列されていますが、これは野呂さん曰く、向谷さんの曲は個性が強過ぎて、バラけると浮いてしまう為、本作では向谷さんの曲を3曲連続する形で曲順設定されたそうです(^^;)「ihilani」はその名の通り、前年にレコーディングで訪れたハワイの「イヒラニ・リゾート」をイメージして作ったものだそうです。「Star Carousel」で聴けるアコーディオンのメロディは、勿論サンプリングです(^^;) こちらは地中海やスペイン・リゾートをイメージされたそうですね。

熊谷氏の新曲「Loop Of Magic」は、最初はギターがメロディを弾く設定だったそうです。それだと「Mid-Manhattan」に似た感じが想像できますけど(^^;…このタイトルにちなんで後半の短いギターソロではループ風のエフェクトが使われました。

鳴瀬さんの「Juicy Jam」は今回も野呂さんの調理を加えて完成、ギターとベースのユニゾンによるテーマ・メロディと、その裏のクラビネットにフランジャーが掛かったような音の組み合わせは斬新でしたね。私もこのアルバムの中では大変注目した曲です。イントロの"ドゥオオ~ン"というディストーション・ベースも強烈なインパクトがあります。

この際ついでに、ネットで鳴瀬さんの悪口を書く人達に対して苦言を呈させていただきますが……

鳴瀬さんも色々なタイプのベースを使い分けて、更にエフェクターで美しい音から激しい音まで幅広いバリエーションを持っておられます。確かに、人によってはベースにディストーションを掛ける事を好まない人も居るのかも知れません。特に旧メンバー時代のカシオペアしか認めない人とか…。しかし、鳴瀬さんがディストーションを掛けるのはアルバムの中でも「ほんの一部の曲」だけなんですよ。それなのに、まるで鳴瀬さんが殆どの曲でいつもベースにディストーションを掛けているかのように誇張して、「ナルチョはベースにディストーションを掛けるから下品だ。」とかネットで悪口を書くのはやめてください!迷惑ですよ。

そもそもベースにディストーションを掛けて何が悪いのですか?存在感があって面白いじゃないですか。ノーマルなベースで弾く事が「正義」だなんて、そんな法律がありますか?(笑) 元々野呂さんだってハードロック御出身ですよ(笑)。向谷さんはアイビー御出身ですけど(苦笑)。元々ロック出身のバンドがロック色を強めたぐらいで悪口を言われる筋合いは無いという事です!

まぁアルバムには色々なタイプの曲が入っていますので、人それぞれ、誰でも1箇所ぐらい気に入らない部分もあるかも知れません。しかし、それを差し引いても、アルバム全体的に良ければそれでOKでしょ。アルバムってそんなものです。それを…たった1箇所気に入らない部分があるだけで反復して悪口を書かれると、まるでアルバム全体が悪いみたいに見えてしまいますよね。つくづくネットとは恐ろしいツールだと思います。カシオペアもどれだけ被害に遭った事か…。

つまり本作は、「1曲1曲の個性を大切しよう」という野呂さんの方針で制作されましたので、最終的にスタンダード的な曲からクセのある曲までバラエティに富んだ構成になったところもありますね。当初は「Evolution(進化)」と言う仮タイトルが付いていたのですが、これでは硬くて解りづらいだろうと懸念され、改めて「Freshness」と言うタイトルに決定、5月19日に発売されました。
[再発盤] http://www.amazon.co.jp/dp/B001GM7IGK

ちなみに「Intensive Way」と「Sleek Passage」はテレビ東京「モーターランド2」のオープニング&エンディング・テーマ、「Ihirani」は日本航空の企画「JAL resort Ihirani」のイメージ・ソングとしてそれぞれ採用されました。


そしてこの95年は、ターニング・ポイントとなる出来事もありました。向谷さんが以前より開発を重ねてこられた列車の運転をバーチャル体験できるゲーム「トレイン・シミュレーター」が8月にMac用ソフトとして一般発売されたのです。これは93年に発売された「Touch The Music By CASIOPEA」に続き、向谷さんが考案されたソフトなのですが、当初はマニアックなレベルで盛り上がりを見せる程度だと予想されていたのが、後々大変巨大な事業へと拡大していく事になりました…。


又、12月には、カシオペアはNHKクリスマス特番に出演し、今度はスターダスト・レビューの根本要氏をボーカルに迎えて、スティーヴィー・ワンダーの「You Are the Sunshine of My Life」をファンク・アレンジでカバー演奏しました。更に番組エンディングの「ホワイトクリスマス」でもカシオペアがバック演奏し、クライズラー&カンパニー、シャ乱Q、中西圭三氏等と合同で合唱、ソロコーナーでは野呂さんのギターと葉加瀬太郎氏のヴァイオリンが交互に弾かれる等、大変な盛り上がりを見せて1995年は幕を閉じました。


実はカシオペアが1995年に「Freshness」を完成させた後、今度は野呂さんのソロアルバムを制作する話が持ち上がっていたのですが、カシオペアのスケジュールが多忙だった為、すぐには着手できなかったようです…。そして9月、ようやくカシオペアの活動の合間を縫って野呂さんの通算3作目のソロアルバム「Top Secret」のレコーディングがスタジオ・ジャイヴで始まりました。1st「Sweet Sphere」と2nd「Vida」はいずれも海外レコーディングだった為、国内でのソロアルバムのレコーディングは初めてとなりました。

本作は驚くことにキーボード類は使用されず、野呂さんのギターの多重ダビングによって全てのメインパートが録音されました。つまり本作はキーボードに取って代わるパートもギターによって弾きこなされ、『ギターだけでどこまで出来るか?』という実験的要素の強いコンセプトでレコーディングが進行されたのです。野呂さんも普段はカシオペアで4人によるアンサンブルに全力を注がれていた中、ソロワークではその反動で全く違う事に挑戦したいと思われたようです。

ただ、ドラムだけは生のフィーリングが必要ですので、「Get Move」「Early Beginning」「The Midnight Angel」「Virtual Life」の4曲では神保彰さん(当時JIMSAKU)がドラムを叩き、カルロス菅野氏もボンゴやコンガのパーカッションで参加しました。それ以外の曲のドラムとベースのリズムセクションは、全て松前公高氏のプログラミングによるものです。使用機材はRoland JD-990、StudioElectronics SE-1、E-mu Emulator4、そしてシーケンス用のMAC SE30でした。

先ずタイトル曲の「Top Secret」よりいきなり度肝を抜かれます♪ ギター本体の音と合成音を重ねる事によるユニゾン効果は、普段カシオペアでよく聴いていたユニゾンに通じるものもあります。シンセっぽく聴こえる音はギターエフェクトの合成音ですが、弦をブラッシングする事によって出される合成音は、鍵盤で弾いたシンセの音とは明らかに感触が違っていて面白いですよね。この「Top Secret」は後にライブでよく演奏されましたが、元々オリジナルのテイクは打ち込みのドラムサウンドを使っていたという訳です。

「Get Move」は、カシオペアで言えば「Super Sonic Movement」風のビートが跳ねたノリノリのファンク曲で、神保さんとカルロスさんとの掛け合いは大変聴きごたえがあります。神保さんの生ドラムと"ビヨビヨ"言うシンセベースとのコンビネーション(?)も珍しくて面白いですね♪ 当時、日テレ深夜のスポーツ番組で野球の結果を表示する際、この曲が何度もリフレインされたのを懐かしく思い出します。(^^)

本作でも野呂さんのマイナー調の曲が多く聴けますが、相変わらず美しいメロディラインのオンパレードですので、聴いていてリラックスできます。そんな中、「Early Beginning」はメロディラインがメジャー調ですので、一番カシオペアに近いとも言えますし、特に野呂さんと神保さんと菅野さんの息がピッタリ合った跳ねるリズムは絶品ですね♪ そして「Virtual Life」と「Exception」は、WoWoWのCMソングに採用されましたが、「Virtual Life」もお三方のリズムの息がピッタリですね♪

勿論、本作でも癒されるバラードがありました。「Sanctuary」ではおそらくJD-990と思われるTR-808のチープなリズム音をバックにフレットレス・ギターが緩やかに弾かれています。このアレンジはカシオペアでは聴けませんので貴重ですよね♪

そして本作は「おまけ」も豪華でした♪

当時ソニーとフィリップス社が「CD-PLUS」という企画を開発しました。これは後に言われる「エンハンスドCD仕様」の事で、CDをPCで再生すれば映像や画像等が観られるというものですが、本作は「シー・エフ・コンピューティング」という会社によってそのCD-PLUS部分が制作され、ファンにはたまらないコンテンツが多数収録されました。「Windows95」以上のパソコンなら使用できるようです。

「Studio Setting」モードでは、レコーディング時に野呂さんが実際に使用した全ての機材の一覧表がPC画面に登場し、ギター本体IN-1からエフェクターSPX-90、990等を経由してコンソールへ至るまでの接続順や各エフェクトの設定値までもが全て書き込まれている上に、曲を再生しながら各々の曲のタイミングに合わせてスイッチが切り替わったり、設定値がどんどん変わっていきます♪ つまり、野呂さんが曲演奏の最中にフットペダルを踏んでエフェクトを切り替えるタイミングに合わせて、PC画面上の回路図の数値やオンオフも切り替わり、『今は、これを使っていますよ』と全曲で全てのエフェクトの移り変わりを表示してくれるんです。1996年の時点でこんな画期的な仕掛けが作られていたのって凄いですね!(驚)

「Music CD Playback」モードでは、1曲ごとにその曲をイメージして「野呂画伯」が描いた絵画作品がPC画面に表示され、曲を再生しながらそれぞれ異なる10種類の絵画が楽しめます。これらは現実画と抽象画のミックスと言えば良いのでしょうか…筆遣いも鮮やかで、お世辞抜きに秀作揃いだと思いますよ♪

「The Issei Models」モードでは、本作で野呂さんが使用したギター4本(IN-1、SG-2000フレットレス、APX-46DST、ヤイリCE-2F)が画面で紹介され、各々の画像をクリックすると、各々のギターを手にした野呂さんが実際に使用した曲からピックアップして1コーラスずつ演奏する動画も観れます。

「Midi Playback」モードでは、ローランドGS音源またはヤマハXG音源を接続すれば「Top Secret」「Crystal」「The Thing To Need」の3曲のMIDIデータによる演奏を聴く事ができます。これらのデータは、野呂さんの手書き譜を元に松前氏が制作しました。音源を持っていない人でも、当CD-PLUSに収録されている(!)ヤマハのソフトシンセサイザー・プレーヤーの体験版(MA-51Wの機能を一部に限定)をPCにインストールすれば聴く事ができます。楽器パートごとに音を消したり点けたりもできるんですよ♪

「Movie&Pictures」モードでは、本作のスタジオ・ジャイヴでのレコーディングの様子の撮影したフォトのスライドショーが観れます。とは言っても、比率的には野呂さんご本人の写真よりも、ギター・エフェクターや神保さんのドラム等、楽器をアップで映したものの方が多いですけどね…(^^;) もちろん動画も観れます。野呂さんがギターを弾きながら手品でピックを消して、再びピックを手中に復活させるという手品をしながらの映像ですが(笑)。そしてなぜか向谷さんまでもが動画に登場して、トレイン・シミュレータの宣伝をしながら「出発進行!」と叫んでおられます(笑)。「スタッフ紹介」でも、お一人ずつ詳しく紹介されていますね。

そして「Top Secret」のプロモーション・ビデオもCD-PLUSに収録されているのですが、目まぐるしく変わる背景のCGエフェクトをバックに、野呂さんの演奏姿だけが延々と映されていて、手元の指使いもよく見えます♪

まだまだこれでは終わりません…。ブックレットにも仕掛けがあります(笑)。シルバーのジャケットも美しいですが、中身も各ページが少しずつ動きが変わる「フィルムのコマ」のようになっていますので、野呂さんの全景演奏写真や手元のアップ写真が「パラパラ漫画」の感覚で変わっていきます。プロモーション・ビデオに近い効果を出す為の一番アナログ的な手法ですね(^^)

本作はアルバム・タイトルも「Top Secret」と名付けられて、1996年3月21日に発売されました。ちなみに「Top Secret」命名の由来は、CD-PLUS制作の担当者が予めサンプル作品を持参した際に、仮のタイトルとして付けたものだったそうで、野呂さんも「これはいい」と思って決定されたそうです。どうです?2800円でこの豪華さとは信じられないですよね! http://www.amazon.co.jp/dp/B00005FWAV

ところでこのアマゾンのレビュー、滅茶苦茶ですね(苦笑)。なめんなよっ!(笑)。せっかくの野呂さんのソロアルバムなのですから、カシオペアとは違うサウンドを聴きたいと思ってこそ本当のファンではないでしょうか?音楽性がカシオペアと著しくかけ離れているのならともかく、そうじゃないでしょ?意図的にギターだけでアンサンブルを作っているのに『音色がどうのこうの』とか『カシオペアと音楽性が違うから』なんて、そんな小っちゃなレベルの話で文句を言われる筋合いはないですよね。そんな細かい部分ばかりで揚げ足を取って、アーティストの評価を下げないでいただきたいです。もっと大きな良い部分も沢山あるのですから。CDジャーナルももっと気の利いた事を書いてほしいですね。これだと益々風評被害に遭っちゃいますよ~。えっ?私が書いたらですって?…嫌です(笑)。ネットというツールは、どこからともなく思想の偏った人が突然絡んでくるので厄介なんですよね。

実は…2008年にポニーキャニオンがカシオペアの旧タイトルを一挙にまとめて再発売した際、この野呂さんソロの「Top Secret」も発売が予定されていたのですが、なぜかこれだけ発売中止になってしまったのです…。おそらくその理由は、オリジナルCDの様子から見れば、この「CD-PLUS」を現代用に作り直すコストが懸念されたのではないかなぁとも考えられますし、作者(野呂さん)の意図として、CD-PLUS部分を除外して音源部分のみリマスターで売る事は当初のコンセプトに反すると判断されたとも考えられますねぇ…。もしくは…ポニーキャニオンにも念の為に確認したいのですが、まさかあんなデタラメなレビューを信じて発売を見送ったりしていないでしょうね?(苦笑)

アルバム発売後、本作をきっかけに野呂さんと神保さんは「I&A PROJECT」というユニット名でライブ活動を始められる事になりました。片やギターをフル活用して多数の音を出せる野呂さん、片やドラム・トリガーでドラムンベースに傾倒していた神保さん…これも面白い組み合わせでしたね(^^) もしかするとこの「I&A」は、野呂さんの中でもドラムトリガーをよりよく理解していくきっかけになったかも知れませんね。


それではカシオペアの話に戻ります。

1996年が明けたばかりの1月初旬、カシオペアは韓国でのコンサートのオファーを突然受けました。開催日時は2月17日でした。実は韓国でもポニーキャニオン系列のレコード会社よりカシオペアのアルバムは販売されていて、結構人気があったのですが、当然メンバーは訪れた事がありませんでした。当時は「竹島問題」もクローズアップされる中、メンバーは不安を抱えながら韓国を訪れたところ、既に政府の承認を取り付けていたようで、関係者一同で歓迎ムードの中、メンバーはライブ会場に向かいました。

しかし、メンバーがリハーサルを開始したところ、新たな問題が発生しました。日本のコンサートホールのような照明設備が全く無いのです(苦笑)。その為、メンバーも仕方なく、白熱球のみの照明でライブを行う事を了承しました(苦笑)。それでも照明担当者様が、ライティングの技術で動きを早くしてそれらしい演出をしてくださる事になりましたので、メンバーも安心していました。

ところが、今度はそれを見たコンサートホールの責任者が激怒し、「そんなチカチカした照明はやめろ!」「大音量を下げろ!」とカシオペアに命じたのです…。その後、関係者同士で話し合いが行われ、最悪の場合はライブ中止も覚悟したそうですが、事前に送付していたカシオペアのライブLDやCDをチェックしてもらった事によって「健全なバンド」である事が証明され、ライブは予定通り開催されました。聞くところによると、最終的に政府にまで伝わる途中の段階で、カシオペアの話が伝言ゲーム風に曲げられて伝わり、なんでもカシオペアはモダン・ジャズ・カルテットのようなジャズバンドだと思われていたそうです(苦笑)。それがロック風にガーンと鳴らすものですから、あれっと思われたそうで…(苦笑)。

とにもかくにも、韓国ライブは無事に行われました♪ 曲目は「Freshness」の曲を中心に新生カシオペア以降の曲が多く演奏され、アンコールでは「Misty Lady」や「Asayake」も演奏されて大盛況のうちに韓国ライブは終演しました。

(その11へ続く)