※ 2011年9月4日 Myspaceブログ投稿分

2001年、21世紀に入って最初のリリース作品となったのは、野呂さんの通算4作目のソロアルバム「Under The Sky」でした。本作では野呂さんは、フレットレス・ギターをメインに据えたアルバム作りの方針を定め、2000年11月、スタジオ・ジャイヴでレコーディングを開始しました。バックメンバーは元T-スクエアの和泉宏隆氏、元カシオペアの熊谷徳明氏、そして徳永暁人氏の三名でした。熊谷氏は「Flowers」以来、4年ぶりの野呂さんとのレコーディング、更に「Dramatic」以来、7年ぶりのスタジオ・ジャイヴ凱旋となりました。

本作1曲目の「Sea/Sky To The Space」は、32ビートの速いリズムをバックに、野呂さんはゆったりとしたメロディを弾いておられまして、私もこのギャップが心地よく感じました。徳ちゃんもリズムを刻むのが大変で、手が吊りそうになったそうですよ(笑)。まぁそれはともかくとしまして、野呂さんのフレットレス・ギターには本当に癒されるなぁ~とつくづく思います♪

「Ta・So・Ga・Re」では野呂さんの長く伸びるスキャット・コーラスが重ねられる事により、一層空間の広がる雰囲気が出ています。「Vida」の頃を思い出しますね♪そして「Generations」でも野呂さんのスキャットが聴けます。これも「野呂節」メロディと言うか、私もアルバムの中ではこの曲が一番好きですね。ちなみに本作ではもう1曲、「Night Surround」でも野呂さんの単語スキャットが聴けます。そしてピアノも、私もスクエア脱退後の和泉さんは全く聴いていませんでしたが(^^;)、滑らかに速く転がる高速ピアノソロに癒されました♪

「Future Dream」は「Space Road」を彷彿とさせるハイテンポのラテン風ナンバーで、特にパーカッションがリズムに重厚さを出しています。ちなみに本作のパーカッションは全て野呂さんの演奏によるもので、色々な国へ渡航した際に買ってこられたものを一気に揃い出しで使われたそうです(^^)

そして最終仕上げは、カシオペアとも昔から縁が深い小池光夫さんがASTスタジオでマスタリングを施し、こうして完成した「Under The Sky」は2001年2月10日にチャプターワンより発売されました。 http://www.amazon.co.jp/dp/B0000YG8LG

そして「Under The Sky」発売直後には、野呂さんの音楽人生初のソロツアーが行われました。このツアーに合わせて、野呂さんがヤマハに特注で制作を依頼していたフレット有りのネックとフレットレス・ネックが両方付いた「ダブルネック仕様」のギターが初披露されました。そもそも野呂さんがダブルネックを特注された理由は、ソロなので御自身でMCをしなければならないからでした(笑)。勿論このダブルネックのおかげで、ライブもスムーズに進行させる事ができたようです。バックメンバーはレコーディングに参加した和泉氏と熊谷氏に加え、ベースは亀山アキラ氏、キーボードに林良氏も加わり、野呂さんの過去のソロアルバム「Sweet Sphere」「Vida」「Top Secret」からもそれぞれ数曲ずつ演奏されました。


2001年4月には、カシオペアもスタジオ・ジャイヴで新作のレコーディングを開始しました。本作では野呂さんは「21世紀のカシオペア1作目という事で、かつての"スリル、スピード、スーパーテクニック"の流れとか、メロディアス路線とか、過去のカシオペアの色々なエッセンスを詰め込んで、現在のメンバーで演奏してみる事によって、改めてカシオペアを世に再紹介できるような作品を作りたい。自分達の元々の姿を見せたい。」という方針を定め、その21世紀の扉を開く意味を込めてアルバム・タイトルを「Main Gate」と名付けました。本作も前作「Bitter Sweet」と同様、ゲスト無しの4人体制となりました。

野呂さんが具体的に変えられた事としては……先ずあれだけ緻密なスコアをお書きになる野呂さんが、珍しい事に本作ではスコアをお書きになるのをやめたそうです。その理由を野呂さんは「リスナーはスコアで判断する訳ではないので、その時間を曲作り面で色々検討する時間に充当したい。」と語られていました。又、野呂さんはスタジオのドラム用だった部屋とピアノ用だった部屋とを今回より入れ替えて、ドラムの方はドライな音になり、ピアノの方は残響が良い状態になるように配置したそうです。すると、これらの効果は抜群でした♪

アルバム・タイトルに追従した1曲目「The Gate Open」は、最初平坦なラインで曲を進行させて、サビのあたりで一気にゲートが開かれるような曲構成となっています。後半のギターソロも懐かしい雰囲気がありますね♪「Good Luck!」は「Super Sonic Movement」の流れも受けたファンク曲で、鳴瀬さんの細かく刻まれるファンキーベースがタイトですね♪ 間奏のベースとドラムとの掛け合いソロも楽しいです♪

「The Road Of Frontiers」は、野呂さん自身が「Make Up City」収録曲の「Twinkle Wing」を書いた時の感覚が蘇ってきたそうで(^^;)、当時の曲想で作ったそうです。聴いていても明らかにそうだと解る事をあえて演出していただけるとは嬉しいですね(^^) ラストの「Fascination」は、もろに旧メンバー時代の曲調ですね(^^)

向谷さんは膝が痛くて2曲しか書けなかったそうです…(痛風?^^;) 「Corona」はまたまた向谷さんお得意のラテン調の曲で、聞くところによるとメキシコに保養地をお持ちだったそうですが、忙しくてなかなか行けなかったので、せめて音楽だけでも行ったつもりになるようにと思って作った曲だそうです(笑)。この曲の野呂さんのスペイン風のギターソロは絶品ですよね♪

鳴瀬さんは本作では複弦ベースはあまり使わず、4弦ベースが殆どだったそうです(笑)。その理由を鳴瀬さんは、TUNE社より新しい「ナルチョ・モデル」が発売されたので、そのプロモーションも兼ねてメインで使われたとおっしゃっていましたが…(笑)。

その鳴瀬さんはカシオペア加入後、初めて同時に2曲を提供されました。「Circular Dream」は鳴瀬さん自身が何度か空を飛んで町並みを観る夢を見たそうで(笑)、そのイメージを曲にしたそうです。アップテンポで躍動感のある曲ですね♪  一方の「Liquid Eyes」は、正反対にソフトで暖かい曲調ですね。

神保さんの曲「Run」は、ベースラインを聴くと「Street Performer」を思い出すとおっしゃっるファンの人が多かったですね(笑)。そう思わせるのが狙いだったのかも?おそらくこのベースの音は「Flowers」あたりから登場した腰太の5弦ベースですかね? このベースの音色で違うニュアンスが出せたのは正解でした。だって普通のベースの音色で弾くと、それこそ「Street Performer」と同じフレーズになってしまいますので(笑)。

丁度アルバム全体が形になった頃、カシオペアは一旦レコーディングを中断して台湾へ出発……バンドの歴史上、初めての台湾コンサートを行う事になりました。

先ず4月22日には野呂さんと神保さんの「I&Aプロジェクト」によるライブ&セミナーが台湾現地で開催され、「Top Secret」や「Bluster」等が演奏されました。終演後のサイン会も長蛇の列だったそうです。やはり台湾でもカシオペアは人気がありますね。(^^)

そして翌日の4月23日、カシオペアのライブも行われたのですが、曲目は「Set Sail」「The Sky」「Fightman」等、新生カシオペア以降の曲が中心で、最後はやはり「Asayake」で締めくくられたそうです。更にこの後、服部克久氏のステージでも野呂さんや神保さんが参加して共演されたそうですよ。

台湾ライブを終えて日本に帰国したカシオペアは、レコーディングを再開し、見事に完成した「Main Gate」は7月11日にパイオニアLDCより発売されました。 http://www.amazon.co.jp/dp/B000FUU0RI

本作「Main Gate」も、「be」と同じくメジャー調の曲が多くて、ライトタッチで聴きやすいですね♪ 野呂さん曰く、前作「Bitter Sweet」がネガティヴな雰囲気を醸し出していたのに対し、「Main Gate」ではポジティヴな雰囲気を全面的に出したかったとの事です。

思えば私も「Main Gate」は、2000年以降のアルバムの中では一番よく聴いたアルバムですね。なんだかんだ言って私も、やはり旧メンバー時代の伝統的な流れを色濃く持ったアルバムが好きなんだなぁ~と、我ながら痛感します(苦笑)。しかし私は、ネットで悪口を書く人達のような極端な差別はしていませんよ!(笑) その辺はハッキリしておかないと(笑)。カシオペアの歴代のアルバムもなんだか周期みたいなのが出来ていますね。アルバム毎に、懐かし系をやれば、次の作品ではアカデミック系をやる…といった周期がありますね♪


2001年6月28日には、カシオペアは1996年以来、5年ぶりに韓国でコンサートを開催しました。勿論ドラムが神保さんに交代してからは初めてですので、現地の皆様も待ち焦がれておられたでしょうね♪ 会場は京城の世宗文化会館でしたが、4000人収容のところ満席で、立ち見客も出るほどだったそうです。

カシオペアが96年に韓国を訪れた際は、「その10」でも書きましたように「竹島問題」で大変な中、冷や汗をかくような出来事があった訳で(^^;)、そして今回も「教科書問題」が発生する中での訪韓となりましたので、関係者の皆様も大変だった事でしょうが、最終的には現地のカシオペアファンの大声援に支えられて無事にコンサートを開催する事ができました。そして設営の面でも前回の教訓を生かして、最初から日本人スタッフが準備を進めていた為、日本のカシオペアのステージに近い照明効果を出す事ができたそうです。

演奏曲は「Black Joke」「Take Me」「Zoom」「Twilight Solitude」「Mid-Manhattan」等、懐かしい曲のオンパレードで、韓国では全てのアルバムが発売されている訳ではないのに、観客の皆様はよく曲を知っておられたそうで、1曲1曲のタイミング的な反応も良かったそうです。

そんな中、カシオペアはまだ発売されていなかった「Main Gate」の曲を韓国ライブで世界で一番最初に公開したという訳ですが、この事実を向谷さんがMCで知らせると、観客は大興奮して益々熱狂し、鳴瀬さんのベースソロの時も大歓声にベース音が掻き消されて聴こえなくなるアクシデントまで発生したほどの大熱狂となりました(^^;) とにかく凄かったそうで、メンバーの皆様も「また行きたいね」と口を揃えておっしゃっていたそうですよ。勿論、「Main Gate」国内ツアーも7月に行われました。


そして2001年は、カシオペアの過去の作品の復刻も大判振る舞いでした♪

1月24日には「The Party」が初めてDVD化されました。野呂さん・向谷さん・鳴瀬さんの座談会が追加収録されています。そして2月21日には、「その12」でも書きました1997年のカシオペアとジンサクの共演番組が「The Mint Session」というタイトルでDVDとして一般発売されました。

12月12日にはカシオペアがパイオニアLDCで制作したオリジナルアルバム5枚「The Party」「Full Colors」「Active」「We Want More」「Bitter Sweet」をセット商品にした「Limited Editional Collectors Box」が発売されました。音源はリマスタリングではありません。特典としてメンバーのサイン(印刷)入りマウスパッドも付いてはいますが、これが小さすぎてマウスパッドとして使えるかどうか…(苦笑) やはりこの商品の目玉は全36ページに及ぶデータ・ブックレットですね。内容は掲載順に、野呂さんとLyricoさん(歌手)との対談、向谷さんと和泉宏隆さんとの対談、鳴瀬さんと本多俊之さんとの対談、メンバーの機材セッティング図、CD/LD/DVD全作品ディスコグラフィーとなっています。 http://www.amazon.co.jp/dp/B00005S7C3

そしてアルファ時代の作品にも動きがありました。4月1日、アルファミュージックがソニーミュージックと「著作権管理委託及びプロモーション契約」と「原盤独占使用契約」を締結した為、カシオペアも含めたアルファ作品の数々はソニーミュージックまたは子会社のビレッジレコードより発売される事になりました。これに伴ってカシオペアのアルファ時代の旧譜はT-スクエアの旧譜と同じビレッジ・レコードから発売される事になり、1stアルバム「CASIOPEA」から「Heaty Notes」までの旧譜が紙ジャケット(LPレコード型)・DSDマスタリング高音質盤仕様で12月19日より翌年2月まで三期に分けて発売されました。そしてこれと同時に発売されたシングル・コンパイル集こそが、「その3」でも書きました「CASIOPEA SINGLE COLLECTION」だったという訳です♪ http://www.amazon.co.jp/dp/B00005TOLF

2001年12月22日には、恒例の赤坂ブリッツ・ライブが行われました。「The Soundgraphy」や「Domino Line」等の懐かしい曲も演奏される中、久しぶりにアコースティック・コーナーも復活し、この中で行われたゲストコーナーではヴァイオリニストの寺井尚子さんが登場、「Dazzling」等がアコースティック・アレンジで演奏されました。そして元のスタイルに戻った本編は「Trance Evolution」で終演し、アンコールでは再び寺井さんも登場して「Tokimeki」を演奏し、更に2回目のアンコールは「Asayake」で閉めくくられました。


そして2002年、カシオペアは「結成25周年」を迎え、4月にスタジオ・ジャイヴで結成25周年記念作「INSPIRE」のレコーディングを開始しました。本作では野呂さんは「メンバー1人1人の感性を強く出したアルバムにしたい。」という方針を定め、その通りに向谷さんと鳴瀬さんの提供曲数がそれぞれ3曲ずつとなりました!(驚) 聞くところによると神保さんも3曲持参されたそうですが、メンバーじゃないので1曲に留まったのですかね?…(泣)

細かいリズムが印象的な「Windy Sunshine」はメロディが美しいですし、聴いていて本当に大自然で太陽の光を浴びているような爽やかな気分になれますね♪ 2曲目の「Glowing」のメロディもカッコイイですし、何より神保さんの高速32分音符ハイハットをすり抜けるように出てくるシンコペーションのスネアがたまりませんね~(笑)。間奏のエレピソロも最後のギターソロもカッコイイでしょ♪ 私もこのアルバムの中では「Glowing」が一番好きです♪

「Suggestive One」はシブいイントロで始まる上に、エレクトリック・ピアノのメロディもシブいですよね♪ 4人のソロ演奏も各々迫力があってイイですね♪「Cry With Terra」の野呂さんのフレッテッドの演奏は、ジェフ・ベック的なロックのバラードだと思えば良いのでしょうか?…エレクトリック・ピアノが一層盛り上げている部分もありますね。

「In The Memory」も旧メンバー時代の伝統的な流れを継承した曲ですね。エンディングのシンセのピロリ・ピロリ・ピロリ…という音も美しいです♪これがラストだと勿体無いじゃないかと言う人もいらっしゃったそうですが、野呂さん曰く『次もカシオペアを聴いて欲しい』という願いを込めて、このような取って置きの曲をアルバムのラストに持ってこられているようですよ(^^)

向谷さんの「Horizonte」は、またもやラテン(^^;) 前作「Corona」がうまく行ったのでその延長だそうです(笑)。でも私はこれを聴く度に「Platinum」収録曲の「Sunset Rhapsody」を思い出しますけど(笑)。「Time With Space」は、アナログシンセ風のリードソロがシブい味を醸し出していますね♪ドラミングがタイトに引き締まっていますので、バックの長い音譜のコードが一層上品に聴こえます。

鳴瀬さんの「Line and Color」は、「Cyber Zone」をほうふつとさせるリズムがカッコイイですね♪実はこれ、ベースラインだけは80年代に作って暖めておられたそうです(驚)。ちなみに「Line&Color」は、WoWoWのゴルフ中継のイメージソングに採用されました。「Wa・Su・Re・Mo・No」っていかにも鳴瀬さんらしい面白いタイトルですけど(^^;)、ギターのメロディとユニゾンで聴こえるシタールみたいなシンセの音が楽しいですね♪ もしかしてベースシンセ…? 神保さんのスネアロールが多く聴けるので一層、心地良く感じます(^^) これなら変拍子でも全然OKです(笑)。

神保さんの「Rose」も、ローテンポながらリズムがタイトでなおかつピシッと引き締まっているのが魅力ですよね。勿論サビ部分の「カシオペア的メロディ」も心地良いです(^^;) 目立たないかも知れませんが、この曲のエレクトリック・ピアノのコード・バッキングもかなり高品質ですよね♪

こうして完成した新作「INSPIRE」は、2002年7月17日にパイオニアLDCより発売されました。当初の野呂さんの構想どおり、各メンバーの個性が良く出ましたね♪ その上、ライトタッチで聴きやすいですので、もう言う事なしですね。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000FUU0RS

そして「INSPIRE」発売直後には、国内ツアーも行われました。「80年代メドレー」は「太陽風~Conjunctiion~Zoom~Looking Up~Time Limit」の順に伝統的な曲の数々が演奏され、特にベースラインが印象的な「Time Limit」には観客の皆様も驚かれたでしょうね♪ 「90年代メドレー」は「Cyber Zone~Gloly~Set Sail~Golden Waves~Freak Jack」の順に演奏されました。

ところで、1997年にカシオペアに復帰した「衝撃マネージャー様」ですが……実はこの「INSPIRE」がカシオペアのチーフ・マネージャーとしての最後の作品となってしまいました。本作を最後にカシオペアの事務所を離れられた衝撃マネージャー様は、新たな事務所を立ち上げ、今度は「野呂さんのソロ・プロジェクト」をマネージメントしていく事になられたのです。この時、周辺にどのような御事情があったのかはよく解りませんが、引き続き身近にいらっしゃる訳ですし、野呂さんは現在も衝撃マネージャー様とお仕事で御一緒されておられるようですので、あまり深追いしないでおきます(^^;;) それよりこの呼び方、どうにかしなさいと怒られそうですね…すみません(^^;;)

(その16へ続く)