2006年02月09日

ミュンヘン2

ミュンヘン4点/10点満点

1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック開催中に、パレスチナゲリラ“ブラック・セプテンバー 黒い九月”によるイスラエル選手団襲撃事件が起こる。人質となった選手11名は全員死亡。これに激怒したイスラエル機密情報機関“モサド”は、秘密裏に暗殺チームを編成、首謀者11名の殺害を企てる。リーダーに任命されたアヴナーは、仲間4人とともに殺害を実行していくが、次第に自分たちの任務に疑問を感じ始めていく。

「おはよう、アヴナー君。今回の君の使命だが、11人ばかりパレスチナ人を殺してもらう。君もしくは君のメンバーが捕えられ或いは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで」。というわけでスパイ大作戦inイスラエルの始まり始まり。


テロ真っ盛りなこの時代にあって、ついにスピルバーグ監督までがこのテーマを取り上げました。ユダヤ系である彼が果たしてどんな映画を撮るのか、相次ぐ暴力の連鎖にどんな答えを示すのか、大変に興味深かったんですが・・・。

なんとビックリ、2時間40分かけて示したのは「テロの応酬の当事者は、冷血な殺人マシンでも狂信的な原理主義者でもない、感情を持った普通の人間なんだ」というもの。えーっと、そんな事はワザワザ言われなくてもわかってるし、しかも解決に何の寄与もしないものです。もっとも複雑化する社会から自らの精神を守るため「自分と他人」という二元論が世界を支配する現状では、こんな当たり前のメッセージすら必要とされているのかもしれません。でも本当に問題なのは世界の無関心さだと思いますけどね。

メッセージ性から離れたサスペンス映画としての出来栄えも、重苦しさが映画を支配しすぎているため、もう一息といった感じです。

それにしても「最初の爆弾がしょぼかったから高をくくって隣の部屋でスタンバってたら予想外の爆発でビックリ」のシーンといい、女殺し屋を変なサイレンサー銃でプスプス殺していくシーンといい、やっぱりこの監督はネジが1本外れてます。


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映画をささえに生きる様、ミュンヘンのトラックバックありがとうございました。フィルムナビでは、さまざまな映画のクチコミ情報を集めています。映画の感想などをブログに書かれた時には、ぜひまたトラックバックして下さい。お待ちしております!
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『ミュンヘン』  公式HPはこちら  ENTTER SITEでFlash版 ●あらすじ 1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピックの選手村で、パレスチナゲリラ(黒い九月)のテロにより、イスラエル選手団11人死亡した。イスラエルの機密情報機関(モサド)は、報復の
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21. ミュンヘン  [ 映画を観たよ ]   2006年02月13日 11:31
事実って怖い。 イスラエルとパレスチナは授業でこの間ちょこっと習ったんだけどやっぱりそんな浅い知識じゃダメだなぁって思いました。 年代的にこの映画が公開されるまで「ミュンヘン事件」っていうのも知らなかったしパレスチナとかの問題をほんの少しだけ理解したのもご...
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4 映画「ミュンヘン」を観て来ました。 スティーヴン・スピルバーグ監督が、1972年のミュンヘン・オリンピックで実際に起きた事件の真相を、事件に関わった人々のコメントや、史実に基づいて映画化した衝撃の問題作。 監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:....
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この記事へのコメント

1. Posted by たましょく   2006年02月09日 21:30
 TBありがとうございますm(_ _)m

 爆発シーン、爆破の規模にかかわらず
隣の部屋にスタンバっているのは、明ら
かに違和感を感じた。それに、あの女殺
し屋を抹殺するシーンも…何かちょっと
違うなぁ〜と。

 結局、最後のシーンで「大きな計画の
一部」とゆー表現がありましたが、個人
が踏み止まったところで、報復は繰り返
される…ホント、辛いだけですね。
2. Posted by キャスト   2006年02月09日 21:37
>たましょくさん
その「大きな計画の一部」のシーンの背景に
"あの"世界貿易センタービルを持ってくるんだから
全く底意地の悪い監督です。

あ、それと本文の最後の段落は一応褒め言葉です(な、なんだってー)
3. Posted by ななな   2006年02月13日 12:02
こんにちわ。
彼らにとっても世界にとってもこの当たり前のメッセージを送らないといけないくらいの所まできているんじゃないでしょうか。
だからこそ今この映画を作ったのかなぁと。

でもホントどうにかしなきゃこのままじゃ終わりが見えないですよね。
そのどうにかが難しいのですが。
悲しいです・・・。
4. Posted by キャスト   2006年02月14日 16:52
>なななさん
おそらくパレスチナ問題を日本人が理解するのは不可能だと思います。同時に欧米にとって、日本と特定アジア((C)桜井よしこ)の問題も理解不能なのです。同様のことが世界中に言えるんですよね。
じゃあどうすんだ、ってことなんですが・・・どうしましょう、本当。

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