2006年06月06日
オーメン
6月6日午前6時、イタリアの病院でアメリカ外交官ロバート・ソーンは悲しみに暮れていた。妻キャサリンが産んだ子どもは、直後に死亡してしまったのだ。同じ時刻、この病院でもう一人の男の子が生まれる。母親は不幸にも出産と同時に息を引き取る。ロバートはこの男の子を我が子として引き取りダミアンと名付けると、実の子と変わらぬ愛情で育てるのだった。しかし数年後、ダミアンの周囲では不可解な死が次々と起こるようになる。そしてある日、一人の神父がロバートのもとを訪れ、ダミアンにまつわる恐るべき事実を告げるのだった…。
最初にダミアンのスチールを見たとき「あ、こいつ知ってる!アメリカ版『リング』エイダン役の激烈に可愛くない子供でしょ!?」と思ったら別人でした。
現在公開される映画で、リメイクの占める割合はどれ位なんでしょう。相当の割合なのは間違いありません。そんな猫も杓子もリメイクリメイクな流れですが、本作に関しては「2006年6月6日だから」という明確な動機付けがされてます。というわけでこちらも律儀に6月6日の鑑賞です。
リメイク作ということで、例によってオリジナルと比べてと口やかましいことを書こうと思ったんですが、残念ながらオリジナルをほとんど憶えていません。神父が串刺しとガラス板で首チョンパのシーンは死ぬまで忘れないと思いますが。ビデオ屋で観直すこともしなかったので、割と新鮮な気持ちで観てきました。
例によってということなら、またいつもの「これはアメリカについての映画」理論を持ち出してみようと思います。ハルマゲドンの予兆として流れる映像のうち、スペースシャトルの爆発や貿易センタービル爆破はそのまんまアメリカで起こったことですし、各地の紛争でアメリカの意向が絡んでないところなんてありません。当然イラク戦争の映像も混じってますが、劇中これが悪魔の仕業としてるのはバチカンであり、現実世界でバチカンはイラク戦争に関するアメリカの態度を公式に批判しています。ユダヤ人をイスラエルに集め、周辺国との戦争に力を貸したのもアメリカです。映画の中では、新ローマ帝国(ローマ帝国は当初キリスト教弾圧の立場でした)はEUのこととしてますが、EUが反キリスト=敵だと言ってるのはアメリカ大使だということを忘れないでください。
まあ、アメリカ悪玉説もいい加減飽き飽きかもしれないので、額面通り悪魔についての映画という視点に戻します。ロバートと神父が橋の下で会うシーンあたりで気が付いたんですが、赤色がやたら印象に残ります。気になって調べてみたら赤は悪魔の色だそうです。上記のシーンでは赤い服で走る人影、郵便ポスト、傘、電話ボックスが映しだされます。また最初の家政婦が死ぬ場面では赤いワインが流れてます。前大使が死ぬ時、タンクローリーは赤色(うろ覚えですが)。赤い花に赤い霧吹きで水をやってたキャサリンを襲ったキックボードは車輪とグリップが赤。赤い花で見舞いに訪れたベイロックは赤い血が流れるチューブに空気を注射します。カメラマンは暗室の赤い光の中で作業をしてました(またうろ覚えですが、死ぬ時のあの屋根は赤瓦だったような)。ロバートはダミアンを教会の赤い床に引きずり出しますが、警察の銃の赤いサーチライトに狙われて撃たれます。他にもまだいっぱいありそうですね。
ところで家政婦のベイロックを演じるのはミア・ファロー。『ローズマリーの赤ちゃん』で悪魔の子供を生まされた人です。すっかり立派な悪魔教徒になりました。本当に人間かどうか怪しいもんですが。顔を見ると若々しくて悪魔的に美しいんですが、キャサリンの口を押さえる手は老婆のようにしわくちゃでした。
観た人は大体感じると思うんですが、子育てに苦しむ母親を描いてもいるんですね。ロバートに乳母を雇わず自分で育てるよう言われたキャサリンは激しく反発します。「育児は立派な仕事だ」と。この辺は現代風ですね。ただこっち系の視点はよくわからないのでスルー。自分でふっといてなんですが(笑)。
(ファボーレ東宝)
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この記事へのコメント
レビューを拝見して、確かに「赤」が
印象的な使われ方してますね。なるほど
〜赤は、悪魔の色(実は、赤が大好きな
たましょくですw)
そうそう、苦悩する母親はうま〜く表
現されてましたよね。最初は、ヒステリ
ックなまでの過剰な愛が疑念に変わり、
最後は恐怖する。
使命感のように今日勇んで行ったんですが、映画館はガラガラ状態でちょっと肩透かしでした。
私も前作、「観た」ことは覚えてるんですが「内容」は曖昧でした。
でも前作の方がやはり怖かったかなあ・・・
確実にいえるのは、オリジナルを覚えてない方が楽しめるという事です。
私はばっちり覚えていたおかげで、何処で誰がどんな風に死ぬのか、どんなセリフをいうのかまで完全ネタバレ状態で、全くダメでした。
いくらなんでもオリジナルに忠実過ぎだと思いました。
ロバート、一大事とはいえ公費でイタリアやエルサレムに行ったんではないよね?
有休使ったよね? と変なところが気になりました。
一般的には黒が悪魔の色なんでしょうけど。黒犬だし。
結局キャサリンはダミアンが実の息子じゃないって気が付いてたのかな?
>カオリさん
やっぱり平日ですからね。私のところも比較的閑散としてました。
そこまで忠実なら、観直さなくて正解といったところでしょうかw
でも死ぬシーンは、どれも予兆から含めてじっくり見せるので、突然の展開にビックリってのはなかったです。
>駒吉さん
ロバート大使としての仕事を全くしてませんでしたね。
>公費でイタリアやエルサレムに行ったんではないよね?
でもエルサレムからの帰り、短剣等危険物を持ち込んでる飛行機は専用機ですよねw
なるほどなるほど。劇中に赤いマントを羽織った悪魔みたいな人物もいたり、赤ワインだったりと赤尽くしだったのは悪魔の色だったからなんですね。
結構細かい所にこだわってるんですね〜・・・と言いつつ、キャストさんのレヴューを読むまでは全然気付いてなかった自分だったりします・・・( ̄▽ ̄;)(汗
もっとも悪魔の色であると同時に神の愛を象徴する浄化の色でもあるそうなので、何でもいいんじゃねーかという気にもなりますw


