2006年03月12日

山行記録に地図を貼ろう その2 - 国土地理院の地図なら申請なしで利用できる

前回の記事では、自分のサイトに貼り付けられる地図サービスをいくつか紹介しましたが、それぞれに長所短所があって「これが決定版!」と言えるようなものはありませんでした。とくに「地図の詳細さ」と「ルート等の書き込み機能」が両立しないところが、現時点では一番おおきな問題ではないかと思います。「こだわりの地図」を作るのに労をいとわないのであれば、まず元になる地図画像を入手して、そこにお絵かきソフトで書き込みを加えればよいのですが、これには著作権の問題も絡んでくるので気をつけなければなりません。今回は、そのへんについて少しまとめてみたいと思います。

地図の著作権のおはなし

いきなり法律の話というのも野暮なんですが、これを話さないと始まらないんで勘弁してください。「法律はいつもきちんと守ってまっす」という模範的国民の方はもちろん、「オレは法にはしばられねぇぜ〜」というアウトローな方も、とりあえず敵の正体を知っておいて損はないと思いますんで。

簡単にまとめると、以下のような感じです。

  • 地図には著作権がある。
  • なので、勝手に複製・配布・改変などを行えない。
  • インターネット上に地図を公開することもダメである。
  • 著作物は基本的に「出典を明記して引用する」ことが可能だが、地図画像の使用が「正当な引用」と認められるかどうかは非常にあやしい。

ようは「他所様の地図を勝手に自分のサイトで使うと、訴えられちゃう恐れがあるよー」って話です。べつに警察に見つかっても逮捕されたりはしないんですが、無断使用は避けるのが賢明といえるでしょう。より詳しいことは、社団法人 著作権情報センター、あるいは少し古いですがネットワーク時代の知的所有権入門:地図を使用したホームページを作る場合の注意点などを参考にしてください。

「山行記録つくる程度で、いちいち許可とるのメンドクセー」と、まあ普通の感覚なら思うわけでして、そういう事情もあってか地図入りの記録を目にすることは現時点ではあまりありません。これには「地図くらい自分(読者側)で用意しておけよ」みたいな山屋的感覚によるところも大きいかとは思いますが、僕に言わせればそんなのはただのサービス精神不足でしかありません。他人に読んでほしくなければそれでもいいんですけどね。地図が載ってる山行記録はそれだけでとっつきやすさが格段にアップしますんで、1人でも多くの人に読んでほしいと思うのであれば周辺地図を載せることを強く推奨します。

では、「めんどくさいのはイヤだが、地図は載せたい」場合にはどうしましょうか。前記事で紹介した地図提供サービスを利用するのが一番てっとりばやいのですが、実はもうひとつ、法に触れないで地図を利用する方法があります。

国土地理院の地図なら、申請なしで利用できる(ただし条件付き)

意外に知られてないんじゃないかと思うのですが、国土地理院の発行する地図類(および航空写真)はすべて、面倒な申請手続きをいっさい行わずに自分のサイトで利用できます。ただし、以下のような条件がついています。

下記のいずれかに該当する場合は、出典の明記をすることで、書面での申請手続きが不要になります。

  2.刊行物等に下記の基準程度の少量の地図等を補助的に挿入する場合

    ・ウエブページ
    □内容補足のため、挿絵的に3枚程度の地図画像を掲載する

《出典明示例》
「国土地理院発行の2万5千分の1地形図(土浦)」
「国土地理院撮影の空中写真(2002年撮影)」
「国土地理院の数値地図25000(地図画像)『白河』を掲載」
「米軍撮影の空中写真(昭和23年撮影)」
「陸地測量部作成の2万分の1迅速測図(富岡)」 等

国土地理院:測量成果の複製・使用承認手続き:出典の明示で利用できる場合より必要部分を抜粋

国土地理院の地図の場合は、著作権法だけでなく測量法も絡んでくるので難しいのですが、いずれにしても上記条件を守っていれば自由に利用することができます。「出典明記」「補助的使用」というあたりは、引用の際の正しいスタイルでもありますね。

手持ちの地図をスキャナー等で取り込んで使用するのも可能ですが、1:25,000地形図であれば国土地理院の地図閲覧サービス・ウオッちずで画像ファイルを取得するのが手軽でしょう。必要な地図を見つけたら、Windowsの場合なら「地図を右クリック→コピー(or 名前を付けて画像を保存)」で画像を取得することができます。あとはペイントなりお好みの画像ソフトなりで手を加えれば完成です。

例として、当サイトの過去記事の地図を再掲します。かなりサイズが大きめですが。

僕の場合は、画像右下に出典を埋め込んでいます。あと、元地図からスケールバーを抜き出して、適当な位置に挿入しています。元の画像ファイル自体、画面表示時には1:25,000でもなんでもありませんので、拡大縮小をしたかしないかに関わらずスケールバーは入れておいたほうがよいでしょう。さらに画像から元地図のページへリンクを貼っておけば、引用としてもほぼ完璧なものになります。ただし、画像ファイル(PNGファイル)への直接リンクは禁止されていますので、各地図の閲覧ページのほうへリンクを貼るようにしましょう。

より細かいところでは、著作権のなかには「同一性保持権」というのがあり、著作者(この場合は国土地理院)の同意なしに内容を変更することはできないのですが、地図上にルートやポイントを書き込む程度なら文句は言われないでしょう。こっそり等高線を水増しして、「俺はこんなにも登ったんだぜ、スゲーだろう。」とかやった場合はどうなるか分かりませんが。

ふたたび、ちず窓の話

国土地理院の「ウオッちず」だけですべて事足りるようにも思えるんですが、実はこれ、予想以上に使い勝手がよくないんです。それは、縮尺1:25,000のものしか手に入らないこと。「そんなの拡大縮小すればなんとでもなるじゃん?」と思ったアナタはまだ甘い。たしかに水平距離はそれでOKなんですが、問題は等高線です。思いっきり縮小して広域図を使おうとすると、等高線が詰まってしまってせっかくの良地図が台無しになってしまうんです。

1:50,000以上の地図を購入してきてスキャンすれば良いのですが、やっぱりどうにも「め・ん・ど・く・さ・い」ですよね。あるいは数値地図とカシミールあたりを使えば等高線を間引けるのかもしれませんが、そっちは僕にとっても未知の世界でコメントしかねます。そんなこんなで「どうしたもんかなー」と思っていたところに、前回にも紹介したちず窓が登場してきたわけです。

このサービスの非常に素晴らしいポイントとして、「縮尺変更時に適宜、等高線を増やしたり間引いたりしてくれる」というのがあります。Google Maps系でも都市周辺部などには等高線が入った場所があるんですが、こちらはある縮尺で表示のオン・オフが切り替わるだけです(例:Googleローカルの富士山頂)。登山をやらない人はほとんど気付いてすらいないかと思いますが、このあたり「ちず窓」は偉大なんです。

というわけで、普通に「ちず窓」を貼っとけば問題解決なのですが、「やっぱり地図にルートを書き込みたい」とか思っちゃうわけです。さて、ここからが今回の本題です(って、ここまで前置きかYO!)。

ちず窓の画像を引用してみるテスト

最初にひとつ明記しておきますが、今から説明する行為は著作権法に照らし合わせて「そこはかとなくグレー」です。まあ「めんどくさいのはイヤ」「でもやりたい」なわけですから、多少はそういうところに突っ込んでいかないとどうしようもないんですけどね。あくまで「地図を引用しただけだい!」と言い張り、また「ちず窓」にも最大限のリスペクトを払いつつやる、いわば「黙認ねらい」の行為ですので、良い子はぜったいに真似をしないでください。

つまるところはウオッちず同様、「ちず窓から地図画像を取ってきて、その上にルートとか書き込んじゃえ」というだけの話で、技術的にはなんら難しいことはやりません。

  1. ログインしてポイント作成画面へ行き、
  2. 地図を好みの構図にしたら
  3. PrtScキーを押して画面のコピーを取り、
  4. それを加工する。

拡大縮小の際には地図右下の「(C) Shobunsha Publications, Inc」の文字がつぶれないように注意します(著作権者の表示により、出典明示の代わりとしています)。あとは自分のサイトに貼り付けて、そこからちず窓へのリンクを貼れば完成です。リンクの貼り方には、ポイントを登録しそのURLを指定する方法と、経度緯度を指定する方法の2つが考えられますが、ここは「ちず窓」本来の形式を尊重してIDのほうで指定することにします(これでRSS情報収集の対象になるかどうかを現在しらべています)。

ためしに作ってみたものは、こんな感じになりました。

本物の「ちず窓」と比較して、

  • 自由に書き込みが行える。
  • 地図サイズを好きなように決められる。
  • スケールバーが入る。

以上の3点が便利ではあります。なんか、このへんの機能はもう少し待てば本物に実装される気がしますけどね。ちなみに、「chizumado」のロゴを左上に貼ろうかどうかかなり迷ったんですが、それをやると今度は「商標の無断使用」と言われそうなのでやめておきました。

昭文社さんの意に反した使用法ではないとは思うんですが、実際のところはどうでしょうかね。もちろん、警告等がきたら迅速に地図および記事該当部分を削除する予定です。

Posted by まの at 21:47 │Comments(2)TrackBack(0)WEB/サイト運営

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この記事へのコメント

Fontaine  2006年03月13日 23:17 URL
わたいも この著作権がらみのところ、悩むところではありますが…。
まー、でも、色んな地図サイトがあるもんですなー
まの(管理人)  2006年03月14日 09:44 
Google Mapsは「基本データとシステムを自由に使ってヨシ」のノリですからねー
個人レベルを含めて、まだまだすごいサービスが出てくるかもしれません。