2013 天皇賞(春) 京都芝外3200m良
kaiko










3:14.2 13.0 - 11.9 - 11.6 - 11.4 - 11.5 - 11.6 - 11.7 - 12.5 - 12.1 - 12.4 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 11.9 - 11.8 - 12.6


 序盤はなかなかペースが落ち着かず、中盤に入ってからようやく緩む流れだが、それでも逃げ馬だけは突き放す競馬になっていたので実際2番手以降はそこそこの中弛みがあったように感じる。緩んでから逃げ馬が3角ぐらいで下がってきているように、2番手以降は坂をスイッチにペースを入れ替えている印象。3~4角はラップ推移からも後半では最速地点になっている。ここでロスなく乗れた馬が上位にきている印象。トップスピードも問われた。


 1着フェノーメノは五分のスタートからじわっと先行争いを見ながら最終的には中団につける形。スタンド前で少しポジション上げて離れた好位で進めていく。2周目の向こう正面でカポーティスターを外から見るような形でじわっとポジションを上げていく。3角では既に3列目まで押し上げて内目追走。4角で先頭に立ったトウカイパラダイスを目標に内目を追走、クビ差ほど前に出て先頭で直線。序盤で一気に押し切りを狙い、トーセンラーを一瞬出し抜く。L1ではトーセンラーにしぶとく食い下がられるが差は大きく詰めさせずに完封し悲願のGIタイトル奪取となった。蛯名の好騎乗と、フェノーメノを信じて乗ったというスタイルが功を奏したのかなという内容。高速馬場でペースは緩くはなかったが離れた位置ならば平均的な競馬になったと思うし、実際3~4角ではこの馬の良さであるトップスピードが活きる展開になった。しかも上手いことポジションを押し上げていき、3~4角で終始ロスなく内目を立ち回って最速地点で有力馬を外に回させる最高の展開に持ち込めた。ゴールドシップは当然のこと、トップスピードで強敵と言えたトーセンラーよりも内で先にトップスピードに入ったことも大きかった。この馬としてはまず3200mでベストパフォーマンスを披露できたという点でまず高い評価が必要。要所でトップスピードが問われたとはいえL1は落ち込んでいるし、ポテンシャルも基礎スピードも問われた。ダービーのように総合力が問われる競馬になってこの馬の良さが最大限に活きたと言っていいんでしょう。こういった平均的な競馬で積極的な競馬をするのがこの馬にとっては一番いいのかもしれない。器用だし、この距離でもコントロールできてポジションを上手く上げていける力、そして要所ですっと出し抜けるトップスピードは本当に魅力的。馬場がある程度高速化したのもこの馬にとっては良い材料だった。いずれにせよダービーでゴールドシップを完封して勝ちに等しい2着だったことを考えれば今回小細工なしにこの競馬で勝ち切ったのは全然驚けないことで、正直ゴールドシップ一本かぶりの人気は結果論ではなく過剰だったと思う。それぐらいのパフォーマンスをこの馬はしてきていたので、この馬の土俵で戦えるならこれぐらい圧倒してもおかしくなかったということでしょう。馬を信じて距離に惑わされずフェノーメノの競馬を貫いた蛯名の騎乗は称賛されてしかるべき。人馬とも素晴らしいパフォーマンスでした。


 2着トーセンラーは好スタートからじわっと下げて中団で競馬。内枠を利して最初の3~4角でもコースロスなく最内を通していく。丁度フェノーメノをマークしていた形だったがフェノーが上がって行き、これにはついていかずに中団のままで進める。2角過ぎでマイネルキッツの外に出して再びフェノーメノの直後を確保しようと進めていき、そのまま3角へ。3角で中目、ゴールドシップの捲りに呼応するように上手くフェノーメノの外に並びかけていく形。4角でそのままゴールドシップを外に張る競馬をし、フェノーメノを目標に中目を通し、ゴールドシップを出し抜く形で先頭列半馬身差ほどの差で直線。序盤でフェノーメノに出し抜かれるが中目からしぶとく食い下がる。L1で2馬身以上あった差をジリジリとは詰めてくるが決定的な逆襲にはなり得ず、完敗の2着に終わった。これはもう武豊らしいマーク戦法ズバリという所。ゴールドシップをマークしようがないので、フェノーメノの直後をしっかりとキープ。4角でフェノーの外から押し上げる競馬を目標にすれば自ずと捲ってきたゴールドシップはこれより速い脚を外から使わないといけなくなる。それが見事に嵌った。恐るべし武豊と言ったところ。去年のウインバリアシオンでもオルフェーヴルの外からの仕掛けに合わせて内で張って併走する状態で外々に追いやることで最速地点で脚を使わせる競馬が出来ているんだけど、本当に芸術的な人気馬殺しだったと思う。ただトーセンラーをもってしても要所の鋭さではフェノーメノには適わなかったかという所。菊花賞でオルフェーヴルに勝ちに行く競馬をして崩れずに3着に入っているように距離適性は不安はなかったと思うけど、タフな競馬とはいえ要所で上手く持ち味のトップスピードを使える展開になったのは大きかった。それでも上り36秒台のタフな競馬で高いパフォーマンス。この馬も実は長距離の方が安定するのかもしれないね。2000小回りだと序盤に脚を使ってしまうし押し上げていくのも難しい感じだったし。このぐらいの距離でゆったり運べれば良さが出るんだと思う。


 3着レッドカドーはやや出負けするがある程度積極的には出して行って中団には取り付く形。道中も上手く折り合って中団を確保したまま進めていく。2周目の向こう正面では上手くトーセンラーの直後につけて進路確保していく。3角で仕掛けてトーセンラーの真後ろをじわじわとポジションを上げていく形。4角では内からゴールドシップにも並びかけ、コーナーワークで上手く押し上げ2列目内目で直線。序盤で外にヨレて伸びを欠くが大勢立て直すとL1でもしぶとく食らいつく。それでも最後は上位2頭に離されての完敗3着。これは展開が上手く向いたのが大きいでしょうね。騎手が意識してトーセンラーの直後につけたのなら凄いけど、ゴールドシップのスイッチが入って、前列がペースアップしてこれについていくだけで良かった形。ただそれだけのポジションにいたということと、このペースアップについていけるだけの最低限のトップスピードガあったのも3着まで入り込めた要因かな。でも正直この展開ならL1食い込んでほしかったのに伸びずにトップスピード型のトーセンやフェノーに逆に離されているところを見ると、ポテンシャル勝負になっても苦しかったんじゃないかな。その点ではちょうどいい展開になったと思う。力負けですね。少し距離が長いのかもしれない。まあ、これ人気薄だから、完敗というよりは大健闘と言ってあげた方がいいのかもしれないけどね。実際ジャガーメイルには香港よりも差を広げているわけだし。


 4着アドマイヤラクティはまずまずのスタートからじわっと下げて中団でトーセンラーを外から見るような位置で競馬で、3~4角のコーナーワークで下げてトーセンの直後につける。向こう正面ではトーセンラーの内を突いて追走していき、3角へ。3角で内を突いたことが災いして外が押し上げていく流れに内が下がっていく流れが加わって前が壁、後方に下げてしまう。4角で漸く捌いて中目から押し上げて中団で直線。序盤で外から反応鈍く苦しむが、L1のバテでグンと伸びてきてゴールドシップを交わしてくるもポジションの差が致命的となり4着完敗。結論から言うと騎手の腕の差が出た一戦だったと思いますね。パトロールで見てもらえるとわかりやすいんだけど、武トーセンはもうずっとフェノーマークで進路を作っていたのに対して、この展開で岩田は内を選択してしまった。このままトーセンマークで進めていれば少なくともレッドカドーよりは上に行けたかなと思います。レッドカドーの進路が苦しくなるので。内を突いて前列が下がってくる展開、ラップ推移的にもここでトップスピードに乗せている馬が外から押し上げていく流れだったので、これでは明らかにワンテンポ以上仕掛けが遅れてしまっている。本来なら下り坂で勢いをつけてという競馬が合っている馬だっただけに、この下り坂の地点で前が壁になったのはいかんともしがたい。正直言って残念ですね。長丁場でノーマークの岩田に期待したんだけど、正反対の答えが返ってきた。まあ仕方ないけどね。今回は上位3頭の3人の騎手が素晴らしかった。この馬自身3角で致命的に下がりながらも直線終いでは一番の伸びを見せていてゴールドシップを差してはいるようにまだポテンシャル面で底を見せなかった。長距離で勝ちに行く競馬が出来れば上位とも引けを取らないかなと思いますね。今回は流れに沿った競馬が出来なかったのが何より一番痛い。それでもロス、不利があったとはいえ力を出しきったゴールドシップを差せているのは評価していい。この馬も展開次第ではGIで勝ち負けできる力は見せたと言っていいでしょう。トップスピードが速いタイプではないのでとにかくタフな展開になることと流れに沿って前を向けるかどうかがカギ。負けたけど力負けではないです。


 5着ゴールドシップは出負けして最後方から。もうあきらめてむしろすっと外に出して進路確保に専念していく。スタンド前でもポジションは上げずに進めていく。向こう正面半ばを過ぎて内田の手が激しく動くが反応なく鞭も入ってようやくエンジン点火。3角の頂上では外からトーセンラーに外から並びかけていくが、ここでペースアップされ4角でも必死に食らいつくが前列に出し抜かれて2列目中目で苦しい展開に陥る。直線序盤でジャガーメイルに挟まれて下がってしまい、これが致命的。それでも最後のL1でばてずにむしろジリジリ差を詰めてきての5着は流石の貫録を見せたものの完敗。脚が遅いんだよねえ。これでもL1ではばてていなかったようにばてていないんだよ。ただ要所で置かれちゃう。今回11秒台が2F続いてしまって、この最速地点で外に張られた。これは武豊の策略と言って差し支えないんだけど、おいでおいでされてまんまと罠にかかってしまった感じ。ただこれはゴールドシップという馬の性質を考えると仕方ない。何せ反応鈍いし行く時に「これから行きますよ」って言わんばかりの激しい追い、アクションがあるから嫌でも目に付くし、それを待ってトーセンラーなんかは脚が速いもんだから待ってからの仕掛けでもすっと反応されて出し抜かれちゃう。この差が高速馬場では如実に出た。あと大きな緩みがなかったのも痛かったかな。さてどうすればよかったかを個人的に結果論で考えてみると、まず多少なりとも中弛みは有ったと思う。少なくとも3番手以降は。この緩みに合わせてしまったから要所でゴーサイン出しても反応が遅れたのかなと。ゴールドシップの場合は致命的にギアチェンジ能力がないのでレース自体が緩んでマイペースで走っていても差を詰められる展開なら流れに逆らって押し上げた方が良かったと思う。今回序盤ハイペースなのは乗っててもわかっただろうからどこかで緩む可能性は考えた方が良かったかな。実際フェノーメノなんかは上手く押し上げているわけだしね。最後までばてていないようにスタミナ馬鹿なんだから、トップスピードが要求される場面で外々を通されることだけは避けたかったんだけど、今回はそれが出来なかったのは3角までに良いポジションを確保できなかったことに尽きる。3角までに何とかフェノーメノとの差を詰めながら3角を迎えることが出来ていればもっと違ったかな。その点ではこれでも仕掛けが遅かったと思うね。ステイヤーの宿命ではあるけど、相手に余力があれば速度で負けるしポジションが悪い分どうしても要所で外を回される。これでは苦しかった。まあ乗り難しい馬だとは思うけど、今回はこの馬の弱点が完全に足を引っ張る展開になったと言っていい。かといってこれが改善されることもないと思うので、やはり早めに押し上げていく競馬が必要だろう。ギアチェンジ能力の無さとトップスピードの無さはヤッパリ痛いね。個性的で好きなんだけど。こういう馬がいても良いよね。


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