2014 中山記念(GII) 芝内1800mヤ


1:49.8 13.0 - 12.2 - 12.1 - 12.2 - 11.6 - 11.8 - 12.3 - 12.1 - 12.5 


 まさかトウケイヘイローがあそこまで出遅れるとはだれも思わなかっただろうから、序盤はスローだった。ただそこでトウケイがリカバーして向こう正面からはペースが上がっていく。3角手前が最速で、L4から徐々に減速気味の競馬。ただL1落ちていて3角ではそこそこ速い脚を使わされている。トウケイ以外はスローからのロンスパ戦という形だろう。もちろんタフな馬場適性も必要で、開幕週でもありコーナーでもそこそこは速いので内を立ち回れた馬が有利な展開ではあった。



 1着ジャスタウェイは五分のスタートから楽に2列目のポケットに入り込む。道中でトウケイヘイローが捲って先頭に立ってからはペースも流れて前のダイワも一つ外に出てくれたのでそこを使って2列目ポケットを確保したまま3角。3角ではもう減速の流れになっていて、ここでインをずっと立ち回って4角出口で最内を突く。序盤でかなり狭いところをしっかりと抜け出すと、後は外差も寄せ付けず差を広げての完勝だった。独壇場の競馬だった理由は、やっぱり緩急ない持久戦になったところだろうね。天皇賞秋でそういう競馬になって圧倒的なパフォーマンスができていたから、ここでもそういう競馬ができればもう本物だろうと思っていたけど、圧倒的な競馬ができたし、本物とみていいと思うよ。昨年からちょっとずつ馬が変わってきて、トップスピードの質でも見劣らず、ギアチェンジ面でも毎日王冠で極端に置かれなかったし、全体的に力をつけてきた。その上でポテンシャル面は変わらず凄まじいものを見せてきた。基礎スピードの高さがこの馬の武器の一つで、器用さという点ではまだ物足りないから、現時点では1800~2000が合ってるかなとも思ったけど、この競馬を見ると、序盤緩いペースでもポジション取って、そこからのペースアップで対応しているから、今ならもうちょっと距離を伸ばしてもやれるかもしれないね。まあ最大のパフォーマンスを発揮してくるのが緩急の無い競馬というだけで、今のジャスタウェイならある程度どんな展開にも対応できると思う。ここはかなり強い競馬だったが、インをずっと立ち回れたのはラップ推移や開幕週を考えると良かったし、タフな馬場も歓迎の口だから。後はパンパンの高速馬場でどこまでやれるかだね。


 2着アルキメデスは五分のスタートから中団でのレース運び。トウケイヘイローがハナを奪って徐々にペースを上げる中で上手くジャスタウェイを前に見ながら進める。3角で最内ジャスタウェイの直後を追走、4角出口で進路を探りながら直線。序盤で狭い所を突いてジリジリ伸びてくると、L1でもばてずに伸びてきて接戦の末2着をもぎ取った。こういう消耗戦でコーナーでそこそこ速い流れ、ここでロスなく立ち回ったという点はプラスに働いたとは思う。それでもこういうロンスパ戦で結果を出してきたというのは大きな材料で、これまでのトップスピード勝負の実績が強かったこの馬としてはちょっと意外なほどに頑張ったなと思った。このメンツでかなり強烈な戦いになったと思うし、このメンツ、この競馬で2着を確保できたというのは今後に繋がると思う。トップスピードの質、持続力に加えて、平均気味の競馬でのポテンシャルも見せた。今後も重賞中距離戦線では中心の一角となる馬だろう。この馬の場合は高速馬場でトップスピードを引き出す競馬の方が持ち味を発揮しやすいだろう。評価を上げたい1頭。


 3着ロゴタイプはまずまずのスタートからポジションを取りに行くがペースを引き上げる馬がおらず、1列下げて2列目と不本意な形のように感じた。結局好位集団に取り込まれてポジションを落としてしまう。3角では内目を追走でダイワファルコンの直後を狙いつつ、出口でトウケイヘイローの後ろに進路を取って2列目で直線。序盤で上手く捌いて抜け出しを図るが、L1ではジャスタウェイに差を広げられ、2着確保を狙うもアルキメデスに交わされ3着に屈した。まあ休み明けとしては悪くない競馬。ただ序盤ちょっとポジショニングで下手を打った感はあるね。トウケイを行かして2列目の競馬をしたかったと思うんだが、スタート切ったらトウケイヘイローがいなかったから焦ったんだと思う。先行勢誰も行きたがらなかったから、スローの流れで下げなきゃいけなかった。これが序盤ちょっとかかり気味だったところに繋がったかな。それと基本的にこの馬は基礎スピードが武器だから、序盤がスローでそこからのロンスパ戦となると、序盤ゆったり運んで徐々にエンジンをかけられたポテンシャルタイプ相手となると苦しかったかな。トウケイがペースを作ってくれていたらとも思うが、そうなるとトウケイも手ごわいし何とも。ただタフな馬場で一定のパフォーマンスを見せてきたというのは収穫。今の所基礎スピード戦でのパフォーマンスが2段階ぐらい違うので、基本的にはペースが上がった方が良いだろう。


 4着マイネルラクリマは好スタートから先頭列を意識する競馬だが、これもトウケイヘイローがいなくてまごまごして結局2列目外で落ち着く。ただトウケイが巻き返して、隊列がちょっと変わり、3列目の外で競馬。3~4角では中目を必死に追走するが、4角出口でちょっと置かれて直線。序盤からL1までばてずにジリジリジリジリ伸びて4着までなだれ込んだが番狂わせまではならず。まあ正直、これでも善戦の部類なんだろうが、個人的には少し残念。まあ、武が出遅れた時点で判断が難しい所ではあるが、トウケイが行ってからは流れに沿って押し上げてしまいたいところだったね。結局序盤ハナを嫌って外々先頭列でいいやと思った所に武が捲ってポジションを上げられずにペースが上がった向こう正面から外々を押し上げるという選択肢を取らざるを得なくなった。これは痛かったと思うね。まあ、流石に有っても2着までだったとは思うが、この馬はできるだけ最速地点で内目を立ち回りたい馬なので、コーナーで終始外々ってのは痛かった。理想はダイワファルコンのポジションだったが、今回はその点でほんの少し恵まれなかった。ただ11番人気なんて悪い冗談で、これでも展開向いての4着じゃあないからね。今後もタフな競馬なら常に警戒すべき1頭。実際上位はほとんど内を立ちまわている馬だからね。良く頑張っているよ。


 5着ヴェルデグリーンは五分のスタートから無理せず後方で競馬。道中も特にポジション変えずそのまま。3~4角では内目から上手く押し上げて中団で直線。序盤で外にスッと出すと、L1で伸びたいところではあったがなだれ込む程度で2着争いとは離された5着完敗。展開としては悪くなかった。序盤はスローでこの馬の弱点である基礎スピード面は問われなかったし、終始内でロンスパ戦、速い地点も楽にこなした。これでも伸びあぐねたという所からも、この馬としてはちょっと馬場が重かったんじゃないかなあ。良馬場ならトップスピードに乗ってからのキレ味は良いものを持っているから、馬場が軽くなれば。


 6着トウケイヘイローはスタートで大きく出遅れる。ペース自体は遅かった序盤で一気に捲って向こう正面ではハナに立つ。そのま3~4角でも先頭で直線を迎えるが、序盤でいつもの引き離す脚は残っておらず、最後はジリジリ下がって6着に終わった。スタートが全てとしか言いようがないね。坂スタートで馬場が重いという所でもあったのかな。あそこまでで遅れるとこの馬だけでなく先行勢も競馬をするのに予定が全部狂った感じだよね。ロゴタイプとかトウケイが逃げずに序盤苦労しちゃったしね。まあ出遅れが無ければ。この馬場でスローだったとはいえ序盤であそこまで脚を使ってリカバーして影響ないわけないからね。個人的にはもうちょっと遊ばせて向こう正面で捲るとかの方が面白かったかな。流石に1~2角で捲るとスローとはいえこの馬場では距離ロス多すぎる。トウケイがペースを握らないならなかなかペースが上がる要素が無くなるし、いっそ後方で死んだふりして捲った勢いで押し切るとかの方が面白かったかもしれないね。結果的にやっぱりロンスパ戦になっているし、いくらトウケイヘイローでもこれで押し切れるほど楽な相手ではないよ。今日は出遅れが全て。


 14着カレンミロティックはやや出負け気味で押してリカバーを試みるが、前が誰も引っ張らないので好位馬群の真っただ中に入り込んで掛かり気味かつポジションを落とす。道中中団まで下がり、ペースアップで仕掛けながら3角。3角では外外ぶん回すも置かれて後方で直線。そのまま沈んでしまった。まあ騎乗もかなり酷いが、出が悪かったし、ポジション取って流れると思ったら流れなかったのも痛かった。ここでポジションを落としてしまったし、ロンスパでペースが上がって3角では速い脚を要求された中での外々追走。崩れても仕方ないのは確か。それでもちょっと負けすぎでちょっと意外な負け方。タフな馬場が全くダメなのかもしれないなあ。有馬も札幌日経OPも距離だけでなく馬場も関係しているかもなあ。ちょっとこの辺の分析も甘かったかもしれない。ちょっと残念な競馬ではあったし、原因を決めるのはなかなか難しい。次走軽い馬場でどういう競馬をしてくるか見ておくべきだね。力は一線級のものを持っているし、ある程度軽い馬場で基礎スピード勝負になれば。



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