キャサリンは更衣室を出て、クラブハウスの入り口に向かっていた。彼女はすれ違った若い男が振り返って、彼女の日焼けした足と女性らしい体の線を、目で追うのを感じていた。彼女は、恐らく彼よりも20歳は年上であることを理解しながら、心の中でくすくすと笑っていた。彼女は自分自身の体型には自信を持っていたし、維持するための努力も怠っていなかった。今日はとても短いスカートを履いていた。その下にはショーツをはいていた。彼女は、ニューメキシコのソッコロの郊外にある、サンバレーゴルフコースの豊かな芝と新鮮な空気の環境にいることにとても幸せを感じていた。今日キャサリンは、女性の社会的意識と正義に関する団体が開催する、ラスクルーズファミリー病院に対する慈善ゴルフ大会に参加していた。

この慈善ゴルフ大会は毎年同じ週に開催されていた。今年はドリスが大会委員長を務め、すべてがスムーズに行くよう、張り切って運営していた。キャサリンは今年はその責務の重圧から逃れることが出来、とても伸び伸びと参加できていた。委員長としての名誉は昨年は彼女のものだった。町のほとんど全ての上流階級の人が参加していた。ゴルフのレベルは関係なかった。誰が法外な参加費を支払って参加することが出来るのか、みんな興味を持っていた。楽しむことと、寄付金を集めることが目的だった。
10月の初旬は、天気も良く、湿度も低く、ちょうど良い温かさで、典型的な南西地方の気候だった。キャサリンは5年前に初めてこの地方の居心地のよさに惚れ、それからは引っ越さなかった。この地域の影響力を持つ人間がすべてここに集まっていた。面白い一日になりそうだった。慈善活動をしながら、有力者と親しくなれるいい機会でもあった。

キャサリンは、何球か打ちっぱなしの練習をした後、クラブハウスの中にある大きなスコアボードに貼ってある組み合わせ表を見に行った。彼女は親友のビクトリアとチームを組むように申請していた。が、ビクトリアは急に夫の家族に不幸があって街を離れなくてならなくなった。そのため、キャサリンは委員会の厚意により、一緒にラウンドするパートナーを紹介されていたのだ。キャサリンは特に誰と回ることになっても全く気にするつもりはなかった。だが、気にしないでいられたのは、彼女と一緒にラウンドするメンバーの名前が、あのコニーであることに気づくまでだった。「そうか、本当に楽しみな午後になりそうね」キャサリンは考えた。「ドリスにどうしてこういう組み合わせにしたのか、あとで追求しなくちゃならないわ」 彼女は、目が会った全ての人に頷き、笑顔を振りまきながら、ボードから離れた。

一方で心の中では「あのくそ女。楽しめるわけないじゃない。いつも私の邪魔ばっかりして、何か私に対する個人的な情報網でも持ってるのかしら。」四人一組でラウンドしなくてはならないほど大きな大会でもなかったので、今から約
5時間ほどはコニーが唯一の相手だった。「ほんと、素晴らしいわ」キャサリンは自虐的に考えた。キャサリンはしばらく芝の上でパッティングの練習に集中することにした。「練習、練習」と集中しようとした。試合開始はあと20分ほどに迫っていた。しばらくパットの練習をして、穴からボールを取り出した時、クラブハウスから丘のほうへ歩いてくる、堂々とした態度の女性に気づいた。短めのスカートを履き、練習するために芝のほうに向かいながら、市長と話をしていた。コニーに間違いなかった。

コニーは練習グリーンに着くと、キャサリンのほうを睨みつけた後、芝の上にボールを落として、パットの練習を始めた。パットの練習を繰り返しながら、互いに自分自身ではなく、相手のフォームを見つめていた。(パッティングのフォームではなく、体つきのほうだが。)コニーはキャサリンがブロンドの髪をしていたのに対して、赤いストレートヘアーをしていた。二人は年齢も近く、体型も似ていた。背が高く、日に焼けて、女性らしい体つきをしていた。キャサリンは相手の体つきを嫌悪していた。コニーは、二人用のカートにゴルフバッグを積むために、練習の芝生を離れた。少し立ってから、キャサリンはこれからの避けられない状況にため息をつきながら、ゴルフカートに向かった。

コニーはカートのところに来て、バッグを積み込んだが、全くキャサリンを無視していた。自分のポケットからティーを出しながら、キャサリンを見ることなく、言葉を発した。「私は、ここに、今日一日素晴らしいときを過ごせると大いに期待してきたんだけど、無理みたいね」「そんなの私の知ったことじゃないわ。とにかくどうしてこうなったか、ドリスに後で追求するつもりよ」キャサリンは言った。「もしあんたが、自分に誇りを持っていたら、参加を止めるべきだったわ。あ、でも忘れてた。あなたはドリスの取り巻きの一人だったわね」コニーは言った。「聞きなさい、ビッチ」キャサリンは言い返した。「あんたとこんなふうに言い合うのはうんざりよ。二つ選択肢があるわ。今すぐ、ここで、あんたと私が決着つけること。または、あんたが参加を取りやめて、すぐにこの場を去ること」「もうひとつあるわ。」コニーはキャサリンを睨みながら言った。「今は大人の対応をして、とりあえずラウンドをして、そのあと、どこかに移動して、二人が今望んでいることを思う存分やりあうのはどうかしら。」キャサリンは赤毛のコニーをにらみ返しながら、うなずいて同意を示した。キャサリンはカートのほうに向かって歩き、少し微笑んでいた。

二人は、彼女たちの前のグループがティーショットを打つのを、カートに並んで座って、黙って眺めていた。キャサリンは
4ヶ月前の土曜の晩、コニーの家で繰り広げた、凄惨な闘いを思い出していた。段々と気分が高揚していく中で、何度もプライベートな闘いを繰り返し、お互い挑発しあい、ついには二階の寝室での、あの卑猥な、忘れられない激しいキャットファイトをしたのだった。その晩の出来事が終わるまで、二人は寝室の床の上で、裸で殴りあい、その二人の闘いは、今日スピーチをするために招かれていたダンドリッジ議員に見つかり、鑑賞されたのだった。彼女たちがスタートする前の組の最後のティーショットの音で、キャサリンは我に返った。「ああ、なんてことかしら」彼女は思った。最初のティーに向かって立っていたのは、あの尊敬されるべき、そして4ヶ月前の夜、二人を脅迫しようとしたダンドリッジ議員だった。あの最低の男は、コニーとキャサリンがティーグランドに近づくのに気づき、二人にウインクして微笑みかけた。