キリスト教世界には天使(エンジェル)が存在する。

ミカエル、ガブリエル、ラファエルという大天使の名前は、キリスト教徒でなくとも耳にしたことはあるのではなかろうか。

他にも様々な天使がおり、それぞれの天使がそれぞれの役割、仕事、使命を持っているとされる。

その中で私達に身近であり、また特別なものとして、守護の天使(ガーディアンエンジェル)という存在がある。

守護の天使は、主なる神から私達一人一人に遣(つか)わされる。

善を励まし悪を避けるよう促(うなが)しながら、その個人の生涯を見守る、そのような存在である。

目に見える姿や耳に聞こえる言葉はない。

しかし信仰の感覚に拠(よ)れば、
守護の天使の働きはアーメン(本当にその通り)である。

「守護の天使が    だまって見てた」(カトリック聖歌集490番)

「だまって見ている」その眼差(まなざ)しには、苦しむ魂への深い共鳴と共感があり、その沈黙が救いとなる。