NHKスペシャルはこの夏、終戦記念日に合せて反戦特別番組(本土空襲、731部隊、樺太戦、インパール作戦)を4夜連続で放映したが、8月12日に「本土空襲」をやった直後、翌日にBS1スペシャルで「なぜ日本は焼き尽くされたのか~米空軍幹部が語った“真相”」を流した。全く同じテーマだが、切り口が全然違う二種類の番組をなぜ同時期にぶつけたのか。総合のNHKスペシャルとBS1スペシャルでは、前者の方が圧倒的に視聴率が高いが、レベル的には後者の方が遥かに優れていた。いや寧ろ、傑作と言って良い出来栄えだった。

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 NHKスペシャル「本土空襲」は、他の3本同様、「被害者」の証言が多く、視聴者の情緒に訴えて反戦感情を高めることを意図した番組構成になっている。日本軍がやった重慶爆撃を引き合いに出し、アメリカが日本を無差別爆撃したのは恰も「因果応報」であるかの如く描くシーンもある。惨い映像や証言で反戦感情を煽り、その原因を「因果応報」ということにして、「日本が先に悪いことをしたから、バチが当たった、だから絶対に戦争しちゃダメ、改憲反対」と単純な思考に誘導していくいつものNHK説法。一方、BS1の方では、重慶爆撃の遥か以前から米航空軍に無差別爆撃の思想があり、陸海軍との対立や圧力の中で、何が何でも戦果をあげなければならない軍隊内の葛藤があったことを新発見した肉声テープから淡々と炙り出している。


 東京大空襲を実行した当時、カーチス・ルメイはわずか38歳。米軍で最年少の将軍だった。誰も躊躇する無差別爆撃を敢えて独断で実行し、下手をすれば戦争犯罪で訴追される危険を冒して上司の期待に応えた結果、運よくそのまま昇進し、ケネディ政権時には空軍参謀総長になった。1962年のキューバ危機では、ケネディ大統領と対立し、キューバ爆撃を主張して危うく第三次世界大戦を引き起こそうとした話は、映画『13デイズ』で詳しく描かれている。

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 参戦する前は、「民間人への爆撃は絶対にやらない」と綺麗ごとを言っていたアメリカも、結局は大量の民間人虐殺に踏み切ってしまった戦争の現実。にもかかわらず、敗戦国の戦争犯罪のみを裁き、己の戦争犯罪には封印をしてしまったアメリカ。結局、東京裁判は、勝者による敗者への法の名を借りた復讐に過ぎなかったということ。NHK総合は未だに東京裁判史観を垂れ流しているが、BSに時々、冴えた番組があるのは希望でもある。


 








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