Cat's Voice Paw Aid

カテゴリ: 海外の動物愛護

仕事に追われる日々を過ごしていて
気付いたら随分間が空いてしまいました。申し訳ありません。

さて、‘はな’ さんの海外ボランティア報告第3弾です。

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香月> アダプションセンターでボランテイアの皆さんは、
     どんな形態で動いているのですか?
     タイムスケジュールとか、あるんでしょうか?

はな> センターでのボランテイアのシフトは以下のとおりです。
     1. 8:00 a.m. -11:00 a.m.
     2.10:30 a.m. - 2:00 p.m.
     3. 2:00 p.m. - 6:00 p.m.
     4. 6:00 p.m. - 8:00 p.m.

     第1のシフトはセンターが開く前の仕事で、
     朝一番に、猫の部屋のそうじ、窓拭き、猫セクションの廊下の床掃除などをします。
     猫達のごはんは部屋によって種類が違ってくるので、社員の人がやります。

はな> 2,3,4のシフトは大部分が単に猫とたわむれるです。
     週末は猫をもらいに来る人が多いので、そうはいってはいられませんが(笑)。
     猫と遊んだり、触わってあげたりというスキンシップを通じて、
     それぞれの猫の性格を知っておきます。

香月> 猫の性格を個体別に知っておくのは、飼育上でも大切な事ですよね。
     スキンシップは双方の信頼関係を築くためにも、可能な限りした方がいいと思います。
     但しまだ慣れていない子には、ストレスになるので無理に触らず
     声を掛ける程度から徐々に慣れてもらい、顔見知りになるのが先決ですね(笑)。

はな
> 第4シフトはセンターが閉まるまでなので、トイレをきれいにしたり、
     カーテンを閉めたりなど最後の簡単な掃除を行います。
     各業務の合間にはボランテイア仲間とおしゃべりしたり、
     トイレの掃除をしたり、えさやりの手伝いをしたり、洗濯をしたりします。

香月
> なるほど。シフトによって基本業務があって、
     後はその都度臨機応変にできる事をするって感じなんですね。


香月> 譲渡希望の方とは、よく話されるんですか?

はな> ええ。随時、カジュアルに家族構成を聞いたり、
     今までの猫の経験、どんな猫が欲しいかなどを聞いて、
     こういう猫がお勧めですよと、該当する猫の部屋に入って、お見合いしたりしてします。
     でも大体の人はやはり子猫を求めてくるので、子猫部屋は特に込み合いますね。

香月> 子猫人気に国境は無いんですね。
     ところで前回の回答の中に “虐待 ” の言葉が出ていますが・・・
     アニマルポリスの出動や依頼はあるのでしょうか?

はな> PAWS Chicago が直接出動しているかどうかは不明ですが
     多分警察やHumaneSocietyという全国規模の動物愛護の団体と
     一緒になって摘発していると思います。

はな> よくあるケースは DogFighting や PuppyMill です。
     1年前ほどに猫が100匹?飼われている家の摘発もありました。
     (正確な数は覚えていません。とりあえずとても多かったことだけ覚えています。)
     去勢手術を行ってなく、どんどん増える一方で、猫たちは保護されました。

Wikipediaより:
DogFighting/アメリカにおいては賭け事の一端として闘犬が行われるケースがある。
ルールなしのデスマッチ形式で、飼い主が相手の飼い主に謝らない限り試合は続行され、
場合によっては死ぬまで戦わせる。
現在では闘犬は動物虐待として扱われ、全50州で人道的な観点から法律的に禁じられている。
ワイオミング州を除く全ての州で重犯罪に指定されており、厳罰が課される。

香月> 闘犬は日本でも行われていましたね。
     現在も行われているのかは、調べてみないと判りませんが。
     ( ↓ 後日ネットで調べてみました。現在も高知県でのみ行われています)

Wikipediaより:
日本では、
高知県秋田県でも行われていた。高知県は土佐闘犬と呼ばれる犬を檻の中に入れて戦わせる。高知県においては現在でも行われているが、秋田県は秋田犬と呼ばれる犬を猟師たちの格好の遊びとして戦わせていた。現在、東京都神奈川県富山県石川県北海道の5自治体では闘犬取締条例で闘犬は禁止されている(北海道では土佐犬に関してのみ許可制)。

パピーミル:子犬工場。金儲けのために犬の乱繁殖を行うこと。


香月
> 余談ですが、文化財指定の伝統行事として三重県の多度大社で行われている
      “ 上げ馬神事 ”も、今年の初め頃に問題になっていました。
     私も数年前実際に見た事があります。
     距離は短いですが、かなり急勾配の坂を馬で駆け上がるんです。
     『 これって動物愛護の視点からいうと、かなり問題じゃないかな 』 と思った記憶があります。

香月> どんな問題でもそうですが、視点によって社会が判定する物事の是非は変わってきます。
     願わくば “ 人 ” の言葉を話せない動物達が
      “ 人 ” の身勝手で不幸にならないように…。 
     同じ言葉を解する人間同士ですら問題が起こるのですから。
  


香月
> 話を戻しますね。シカゴでのアニマルポリスの地位や知名度はどうですか?

はな> HumaneSocietyはすべての動物に対する活動をしていて、
     国を超えた動物情報を流して関心をもってもらおうと活動を行っています。
     知名度は高いと思います。

香月> アニマルポリス、日本でも是非作って欲しいです!
     最もそれ以前の山積みの問題を解決しなければ
     実現しないんでは?との思いもありますが…。
     逆に先に出来てしまえば、劇的に変わっていけるのかもしれません。
      

香月> ところで、PAWS Chicago では様々なイベントを開催しているというお話ですが、
     具体的にどのようなイベントを行っているのですか?

はな> イベントと活動はとても密接にリンクしていますが…。
     1. TNR。
     2.小学校へ行って、動物愛護についての講習を行う。
     3.マラソンのチームを作って、参加し、ホームレス犬猫の現状についての関心を広める。
     4.路上で行うAdoptionイベント。 
        他の犬猫ボランテイア団体などと組んで、センターを越えた範囲で新しい飼い主探し。
     5.Angels with Tailsという無料雑誌を作成、配布。
     6.地域レベルで去勢手術の大切さを広めるイベントを
       学校、図書館、公園、お祭りなどで行う。
       これは限られた地域で実施されています。
     7.FurBall。フォーマルな服を着ていく自分の犬と参加できるパーティーイベント。
       BeachParty。夏に自分の犬と参加できる湖の近くの芝生で行われるイベント。
       このようなイベントは定期的に催され、きっと寄付金を集めるためかな?
       チケット自体が1万円以上ととても高いので、私は行ったことありませんが(笑)

はな> その他いろいろ、こまごましたイベントがあります。
     例えば、子供たちの誕生日会に誕生日のプレゼントの代わりか、
     もしくはプレゼント プラス PAWS Chicago に寄付する
     ドッグフードやキャットフード、おもちゃを持ってきて、
     後日 PAWS Chicago に届けてくれるということもやっています。
     それで寄付された物はそれを必要としている人、
     例えば不況のため犬猫のご飯が買えない人などに配られています。

はな> PAWS Chicago はボランテイアで成り立っているものと
     よく言っています。
     なので、1年に一度、ボランテイア感謝パーティーがあります。
     その時のご飯はおいしい! いい所の出前をとっていると思います(笑)。
     パーティーでは、その年に頑張ったボランテイアさんが表彰されます。

香月> 本当に数多くの様々なイベントが行われていますね。
     同じ形態のイベントが日本でも行われているのは、
     日本が動物愛護の先進国をお手本にしているんでしょうね。



香月
> 今回のインタビューは、とりあえずこの記事で終了です。
     インタビューを終えて思うのは、人のPowerの素晴らしさと、
     日本が個ではなく全体を考える時期に来ているという事。
     
     対岸の火事ではなく隣の火事。
     犬猫のことだから関係ない…ではなく、それは私達が住む町の事。社会の事です。    
     水面に広がる波紋のように人の “ 思い ” が集まって、
     日常生活に密着した動物愛護が根付くよう活動をしていきたいと改めて思いました。


香月> 今後も機会があれば、続編、続々編で海外からのレポートをUPできたらと思います。
     ‘はな’ さんご協力、ありがとうございました!また色々なお話しをお聞きできたら嬉しいです。

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“ シカゴをNo-Killの町にする ” をポリシーに掲げ、大きな成果をあげている PAWS Chicago 。
前回に続き、そこでボランティアをされていた‘はな’ さんに聞いてみました。

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香月> PAWS Chicago で保護されている動物の種類は?
     また、どれくらいの頭数がいるのですか?

はな> 種類は、犬と猫です。
     シニアの犬猫から成犬・成猫、子犬・子猫まで年齢は様々です。

はな> アダプションセンター内の猫セクション “ Kitty City ” では、
     常に50頭ぐらいの猫がいますよ。
     犬セクションの “ Dog Town ” には、40頭ぐらいだと思います。
     その他、クリニックの方にも病気療養中の犬猫や、
     Fosterに出されている犬猫がたくさんいます。

(※アダプションセンター=譲渡施設。アダプションは養子縁組の意。)


香月
> 常に50頭ですか?何らかの理由で多くの同じ猫が毎回カウントされているとか?
     動きはあまり無いんでしょうか?例えば譲渡とか…?

はな> 譲渡はかなりの数ですよ(笑)。
     例えば2009年は、3463頭の犬猫が PAWS Chicago で新しい家族を見つけています。
http://www.pawschicago.org/about-paws-chicago/history/
(このリンクの一番下の青い棒グラフは毎年何匹の犬猫がPAWS CHICAGOから貰われていったかを示しています。)


香月> これは凄い、嬉しいです! これだけ多くの子達が新しい家族と出会えたんですね!
     しかし逆に、入れ替わりでいつも50頭がいる事になりますが、
     収容動物はどういった経由で PAWS CHICAGO へ来るのでしょうか?

はな> これは長くなるので、箇条書きっぽくお答えします(笑)。
     1.PAWS CHICAGO が週数回、直接市の保健所に行って犬猫を引き取ってくる。
     2.飼い主が家庭の事情で世話が出来なくなった犬猫を引き取る。
     3.警察が PAWS CHICAGO の活動を知っていて、野良犬野良猫の情報が入った時、
       保健所へ連れて行く前に PAWS CHICAGO に連絡がある場合も。
       その時は PAWS CHICAGO のスタッフが保護に行ったり、引き取りに行ってます。
     4.大がかりな虐待をされている犬猫が保護された時に、
       他のNPOの団体と加わって数匹引き取る。
     5.他のNPOの団体の犬猫と交換する。
     あまりありませんが … 6.PAWS CHICAGO を知っている人が野良猫を連れてくる事も。

香月> なるほど。基本的には日本のボランティア団体と同じ形態ですね。
     大きく違うのは、その規模。それから警察とのリレーションかな。

香月
> ちなみに日本のボランティアでは、『 野良猫はボランティアへ連れていけば
     何とかしてくれるだろう 』 といった場合の安易な引き取りはしていませんね。
     というより、してあげたくても出来ないんだと思います。
     ほとんどが個人か個が集まっての団体なので、金銭的にも時間的にも手一杯なんですね。
     地域にもよりますが行政と地域の住民・ボランティアの方々が
     しっかりスクラムを組んで進めていく事が出来れば、
     野良猫問題はもっと緩和されるというのが多くのボランティアさんの意見です。


香月> ところで、はなさんが PAWS CHICAGO のボランティアを
     しようと思った理由は何だったんですか? 

はな> 猫が大好きで、でも引越しすることが近い将来に予想されていたんです。
     なので猫を飼うまでには行かず、何か猫に関わり合えないかと考えて
     ボランテイアをしようと思いました。
      たまたまその時住んでいた所から一番近い団体が
     PAWS CHICAGO だったんですよ(笑)。


香月> 偶然とはいえ、勉強になる良い所に出会えましたね(笑)。
     では、はなさんが PAWS CHICAGO でボランティアをしていた期間は?

はな> 2008年1月から2009年12月までです。

香月> つい最近までですね。具体的にどのような業務を担当されていたのですか?

はな> 大きく分けて2つです。1つ目は、FosterParent。
     子猫の去勢手術ができるぐらい大きくなるまでの世話や、
     飼い主が家庭の事情により面倒がみれなくなった猫たちの世話を家でしていました。

香月> 家庭事情とは、たとえばどんな?

はな> たとえば今の不況で家や仕事を失った人達の猫です。
      その人達が立ち直るまでの約3ヶ月間代わりに猫の世話をしていました。
     飼い主は3ヶ月以内に預けた犬や猫を引きと取るかどうかを決めなければいけませんでした。

香月> いまは世界的に不況ですものね。
     その煽りを飼い猫や飼い犬が受けるのは、とても哀しい事です。
     この長い不況の中で立ち直る期間設定の3ヵ月間は決して長くは無いと思いますが、
     それでも猶予があるのは飼い主にとっても救いですね。

はな> 2つ目には、PAWS CHICAGO のアダプションセンター内でのボランティア。
     そこは健康で去勢手術を終えた犬猫が新しい飼い主を探す所で、
     猫の部屋をきれいにしたり、猫をもらいに来た人に猫のアドバイスをしたり、
     どの猫に決めるかのお手伝いをしたり、猫と遊んだりしていました。



香月> 2年の間 PAWS CHICAGO でそうしたボランティアをされていた訳ですが、
     その中で嬉しかった事や感じたこと等を教えてください。

はな> 規模が大きいなりの利点がたくさんあるなと感じました。
     知名度とそのネットワークの活用でいろいろなイベントなどをやって、
      その活動を広めていました。
      常にいろいろなイベントを催したり、常時何かしているんですよ。

はな> 嬉しかった事は、新しい家族を見つけた犬猫ちゃんたちの
     ” 今の状況報告 ” のページを見る事ですね。
     自分が世話をしていた子がその後どんな生活をしているかを読むのが、とても楽しみでした。
(参照ページ:下記URL)
http://www.pawschicago.org/adoptions/paws-alumni/


香月
> そうですよね!とっても、わかります!!
     世話をした子が幸せに暮らす姿、一番のご褒美だと思います。
     大変だった事も忘れちゃいますよね。
     これがウチの子だとイタズラした時とかに、時々恩着せがましく言っちゃう。私の場合。
     でも、本ニャンは全然聞いてないんですけどね~(笑)。


香月
> さて次回の3回目で、とりあえずインタビュー最終となりますが
      PAWS CHICAGO の活動の広め方やイベント内容等も
     お聞きしたいと思います。あと暫くお付き合いください。
     
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イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアには野良猫がいないらしい…?

最近では映画 「犬と猫と人間と」 の中で、イギリスの話が紹介されていましたね。
イギリスはペットショップの規制が厳しく、
犬や猫を飼いたいという方は愛護団体から引き取る、ブリーダーから直接購入するのが一般的。
野良猫は愛護団体が引き取り里親さんを探す。
そうした団体は国から援助もされているという話でした。

ところで先日、Paw Aid代表から‘はな’さんをご紹介いただきました
彼女はシカゴ在住時に2年間動物愛護団体のボランティアをされていた方です。

日本はアメリカ・ヨーロッパ諸国に比べ、動物愛護の意識と法的規制が低いと言われています。
(実際その通りなのですが…
何が違うのか? 何をどうすれば、変わっていけるのか?
そんな事を考えながら、‘はな’さんの体験を聞いてみたいと思います。
<香月>


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香月> まず、‘はな’さんがボランティアをされていた団体、
     “PAWS CHICAGO” についてお聞きします。

香月> PAWS CHICAGOは、いつ頃出来たのですか?
         大まかな歴史を教えてください。

はな> 創立は1997年。NPOです。
     2000年にはPAWS Chicagoの動物クリニックがオープン。
     ここでは低料金又は無料で去勢手術を行っています。
     2007年にPAWS Chicagoのアダプションセンターがオープンしました。

(※アダプションセンター=譲渡施設。アダプションは養子縁組の意。)

香月> そこで働いている人数は?
      社員数とボランティア数も分かればお願いします。

はな>  社員はフルタイムでは数十人だと思います。パートタイムも数十人くらいかな?
     ボランテイア数は、4000人(PAWS Chicagoのネットによる)。
     ボランティアネットワークはすごい!

香月> 4000人ですか!!社員・パート数に比べて、ボランティア数がかなりの数なのに驚きました。
     やはり動物愛護に対する国民全体の意識が高いんですね。
     

香月> PAWS Chicagoの運営ボリシーは?

はな> ノーキル(No Kill)。シカゴをNo-Killの町にする、です。
http://www.pawschicago.org/about-paws-chicago/mission/
(このリンクの真ん中に点グラフがあって、どれくらい安楽死がシカゴで減っているかを表しています。)

香月> グラフの最高値である1997年にPAWS CHICAGOが創立された訳ですね。
      しかし、その10年後に半数以下の数まで減少しているのは、凄い!!
     次回はその辺も含めて教えていただきたいと思います。ありがとうございました。

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