2007年12月01日
黄金バットは来なかった
電車に乗っていると向かいに座っていた上下ジャージで茶髪の若者が、
大きめのトートバッグから「〜図書館」とのタグのついた紙芝居を取り出した。
紙芝居なんて目にしたのは何年ぶりだろう。
残念ながら、小学校のとき漫画のような紙芝居のおじさんがやってきた思い出はない。
しかし、週に1回くらいのわりあいで帰りに校門の横でなにやら怪しげなグッズをダンボールの床の上に広げたおじさんがいた。
どう見ても感じがみすぼらしく、話しかけてはいけないようなオーラが漂っているおじさんだったが、それでも子供たちはダンボールの上のグッズにつられて立ち止まる。
今考えてみると、グッズはどうみても夜店の売れ残りの「光るわっか」や問屋街でせしめてきたであろうプラスッチク製のさえないおもちゃだった。
しかし、子供たちはそれらをまるで宝物のように見つめていた。
場の雰囲気はすごいものである。
たしかひとつ300円くらいで売りつけていた。
当時の小学生にとって300円は月の小遣いの半分を超す大金である。
子供たちがすっかり気をとられたところに真打ち登場。
手製と思われるダンボールの謎おもちゃである。
長方形のダンボールに切りこみを入れて折りたためるようになっており、その表面には
トランプのカードがはっつけてある。
アコーディオンのようにそれをたたんだり伸ばしたりする度にカードの模様が変わるというものだ。子供たちは感動のため息をもらし、おじさんのミッションは成功。
だれよりも先にそのタネを解明しようと、皆きそって300円を家に取りに帰った。
そのおもちゃの謎も、紙芝居もそれ自体はすごくつまらない。
しかし、それを持った人が作り出した空間というのはとんでもなく面白いものだったに違いない。若者のしょぼくれた表情をみてふとそんなことを思った。
大きめのトートバッグから「〜図書館」とのタグのついた紙芝居を取り出した。
紙芝居なんて目にしたのは何年ぶりだろう。
残念ながら、小学校のとき漫画のような紙芝居のおじさんがやってきた思い出はない。
しかし、週に1回くらいのわりあいで帰りに校門の横でなにやら怪しげなグッズをダンボールの床の上に広げたおじさんがいた。
どう見ても感じがみすぼらしく、話しかけてはいけないようなオーラが漂っているおじさんだったが、それでも子供たちはダンボールの上のグッズにつられて立ち止まる。
今考えてみると、グッズはどうみても夜店の売れ残りの「光るわっか」や問屋街でせしめてきたであろうプラスッチク製のさえないおもちゃだった。
しかし、子供たちはそれらをまるで宝物のように見つめていた。
場の雰囲気はすごいものである。
たしかひとつ300円くらいで売りつけていた。
当時の小学生にとって300円は月の小遣いの半分を超す大金である。
子供たちがすっかり気をとられたところに真打ち登場。
手製と思われるダンボールの謎おもちゃである。
長方形のダンボールに切りこみを入れて折りたためるようになっており、その表面には
トランプのカードがはっつけてある。
アコーディオンのようにそれをたたんだり伸ばしたりする度にカードの模様が変わるというものだ。子供たちは感動のため息をもらし、おじさんのミッションは成功。
だれよりも先にそのタネを解明しようと、皆きそって300円を家に取りに帰った。
そのおもちゃの謎も、紙芝居もそれ自体はすごくつまらない。
しかし、それを持った人が作り出した空間というのはとんでもなく面白いものだったに違いない。若者のしょぼくれた表情をみてふとそんなことを思った。