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2024年03月18日

カーボン成型の難しさ。

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これはカーボンの一般的なハンドレイの手法(一枚貼り)についての記事です。

どの工程もシビアですが、型に繊維を沿わせる工程が一番難しい、、、どのような製法にも共通なのがカーボン繊維を完全に密着させるのは基本的に指先の触感だけです(繊維の解れも厄介)。織物なので縦と横の糸があり、引っ張り方向(0と90度)には繊維が全く伸びないので、型に寸分狂わず密着させて保持する必要があります。しかし斜めにはズラす事が出来ます。ただ、幅の比率が変わり、型紙は寸法はそれを見込んで採寸し、出来るだけ見栄え良く積層出来る方向を斜柄(デザイン)を考慮して目止めしてカットするのですが、平面を立体に置き換えるので凹凸やアールなどを分をどういう方向でどのくらいの余裕を持たせるかが難しい・・・これが機能部品になると更に剛性や強度と型への追従性や積層構成(織目の方向の重ね方を考慮)も必要。上の画像はLA400Kコペンのサイドストレイク、「柄が斜め」になるようにしていますが、末端の小さなR部分に繊維を沿わすのが難所、柄を縦や横にすれば「繊維が斜め」になり馴染み易いんですが・・・・それじゃカッコ悪い。見える部分に斜柄を配置し、見えない取付部分(タイヤハウス側)に繊維の緩みを寄せています。

上記のような製品ならまだ簡単ですが、複雑な形状だと最初にどこから密着させていくか、終了まで予測。・・・・将棋の第一手みたいに、ここでヘマをすると、後半で大苦戦するか、途中で型に馴染む長さが足らない、弛み過ぎ、隙が出過ぎる、柄が不細工、等に気付いて・・・投了。多少馴染まなくても型やフィルムで押さえれる?と思うのは素人的発想。カーボン繊維は引っ張り強度は強靭なので伸びて馴染む事は「全く」ありません。これが高剛性たる所以であり鬼門の部分。特にキツイRや形状の複雑な部分、深い溝など繊維が追従し難い部分は気泡か樹脂が溜まり美観を損ないます。微細な修正なら可能ですが、毎日の修行でしか能力を維持できないのは将棋やスポーツと同じ。手荒れは厳禁、常時、使い捨て手袋は必須、ハンドクリームも。素手で作業するのはカーボン繊維を型に設置すると時だけです。ハイテクな素材でもアナログ的な要素が非常に多く、理科と工作力に加えて集中力、忍耐力、勘。幸いこれらには恵まれているのですが、将来的にAIに仕事奪われるような事はあるのか?・・・・・・機械か?人間か?分からない程精緻なメーテルのようなアンドロイド?が登場しても・・・・・・・・・・仕事は、奪われないとは思います。。。。。。(笑

ccsport at 09:25
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