2016年06月27日

 スウェーデンに留学しているときのことだ。スウェーデンでは3年以上滞在すると地方自治選挙の投票権をえることができる。私にも投票用紙が送られてきたが、どの政党がいいのか、よくわからない。投票はやめようかと思っていたら、近所のおばさんが「投票したのか」と聞いてくる。「よくわからないから棄権しようと思う」といったら、「そんなことをしたらダメよ。これはあなたが社会に関わる重要な鍵よ。よく政党が主張していることを読んで、しっかりと考えて投票に行きなさい!」と怒られた。すぐに家に届いていた選挙公約(マニフェスト)を読んで検討。教育と外国人対応の視点から政党を選んで、投票所に駆けつけたのを記憶している。しかし注意をしてくれたおばさん、一言も「この政党に入れてね」とは言わなかった。投票は有権者の義務であり、権利だと、外国人の私に教えてくれたのだ。投票率が8〜9割となるスウェーデンの政治文化の熟度を体感した。

確かにスウェーデンの選挙は日本の選挙とは雰囲気が違う。なんといっても、国民が政党の政策に興味を持っている。喫茶店でコーヒーを飲んでいると、近くで議論が始まる。政策論争だ。「○○党はこう主張している。だから私は支持しているのだ」「いやいや、それは成功しない。××党は違う政策を提言している。そちらのほうが良くないか?」などと延々と議論に花を咲かせている。こんなことは日本ではないのだ。選挙の前に、喫茶店で普通の人が政策論議をしている光景に残念ながらまだ遭っていない。選挙前には選挙カーで、ガンガンと一方的に理解不能な演説はされる。しかし、それを受けて有権者が政策論議をすることはまずないのだ。「○○党に入れてね」とか「〇〇さんに投票してね」という電話はあっても、政策についてまともに語られることはまずない。日本では国民は選挙結果は多少は気になっても、政策にはほとんど興味を持っていないのだ。

 党首が議論する。国民が議論する。そして考えて、投票する。それがスウェーデンの選挙だ。しかし日本の選挙は、全くと言っていいほど異なる。立候補者は、笑顔を絶やさず、白い手袋をはめた手を振り、選挙カーは名前の連呼を大音量で響かせる。選挙カーから降りたら、握手、握手、握手の連続だ。後援会では、土下座して、涙の一つも流すと褒められる。政策を語れば、生意気だ、と票を逃がすことになる。

 日本の選挙では、3バンが必要だと言われる。「ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)」だ。つまり、地域の支援組織、知名度、資金力が当選の鍵だと言われる。残念ながら、政策やその実行能力はほとんど問われないのだ。

 スウェーデンは人口的には大きな国ではない。1000万人にも満たない国だ。経済力も一人あたりで見れば日本と大差はないが、国力としては日本がはるかに上だ。しかし、福祉や環境政策、労働条件、女性の社会進出などをみると、はるかにスウェーデンの方が上のイメージになる。私はこれは政治力の差だと思っている。

スウェーデンでは国民が政治に関心を持ち、政治に参画し、政治を作っていく。スウェーデンの国民は、リスクや負担もとるのだ。素晴らしい福祉政策の裏にはとんでもないようにさえ思える高い税制が存在する。それを国民は選択したのだ。日本では政治は政治家と官僚に任せ、国民は愚痴だけをいう。まともな政策の展開にはならないのだ。



cdim at 17:40コメント(0)トラックバック(0) 
 世界四大文明としてあげられるのは、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、中国文明である。そのどれもが大河の近くで誕生し、発展した。メソポタミア文明にはチグリス川とユーフラテス川、エジプト文明にはナイル川、インダス文明にはインダス川、中国文明には黄河、長江があった。水は人間の活動にはなくてはならないもの。水とともに文明は発展してきたのである。
 この四大文明の一つの地域である中国で、「水」が問題となっている。CNN香港(2016年6月27日)は「中国の北京で地盤沈下が進み、最も被害が大きい地区では年間11センチも沈下していることが27日までに分かった。中国を拠点とする国際調査団が調査結果を発表した。沈下の原因は地下水の枯渇にあると指摘している。 」と報じている。北京では、工業用水や生活用水の3分の2を地下水でまかなっているという。中国全体でも3分の1を地下水でまかなっている。つまり、中国では地下水は重要な水の供給源なのである。
 中国は国全体で見ると、水資源総量は 23258.5m3 (2011年現在)で大きく、 世界の第4位に位置する。しかし中国の人口は大きく、全国の1人当たりの水資源量では1730.4m3となり少ない。これは世界的にも非常に少ない方に入る。しかも、水資源は地域によって偏っている。一般的に、北西にあたる東北地域や華北地域、西北地域は乏しい。北京は華北地域に入っている。中南・華南地域や西南地域は豊富である。そして困ったことに、水資源が少なくなる傾向にあるのに対して、水の使用量は増えている。特に中国の北西においては、慢性的な水不足が問題化しているのである。
 工業化のためには水の大量消費が必要になる。洗ったり、冷やしたり、様々な用途に使われる。水をあまり使わない産業はサービス業など一部である。経済発展を遂げた中国は大量の水を消費する国にもなったのである。また、家庭においても大きな変化が起きている。トイレが水洗化した。中国では今でも田舎では昔ながらのぼっとん型のニーハオトイレがあり、話題になるが、都市部では水洗化した。中国トイレ革命である。当然のことながら水の消費量は高まる。また清潔を保つことが求められるようになった。風呂やシャワーの回数は増えるし、洗濯の回数も増える。日本でもヨーロッパでもそうだが、以前は洗濯はあまりしなかったのである。それが毎日のように選択をするようになった。中国もその流れがきている。
 水の消費は文化的生活を保つのに不可欠なのだ。
 中国が苦悩しているのは、水の量だけではない。水の質が極度に悪化しているのである。20161月、中国水利部が公表した『地下水動態月報』によると、2015年に東北の松遼平原や内陸部の江漢平原などにある約2103の井戸に対して水質観測調査を行ったところ、地下水の8割が深刻な汚染で飲めないレベルであるという。特に中国の水の乏しい地域では地下水の汚染が深刻であるという。

 よく中国の川の水の色が変わるほどの汚染の写真が見られる。ただ、川の場合は対策をとれば、比較的短期間に浄化できる。中国の川は日本の川よりも流れるスピードが遅いので、日本よりは時間がかかるだろうが、それでも流れる水の浄化は可能だ。地下水が広域に汚染されると浄化は非常に難しい。中国の場合は、土壌汚染と一体化した問題だ。 工場排水を地下に流し込んだり、産業廃棄物を地下に埋めたりしている。中国の水汚染は、大腸菌型だけでなく、重金属型でもある。深刻だ。
 まずは、これ以上、地下水を汚さないことが大切だ。汚れた排水を浄化させて、再利用できる仕組みを作ることが必要だ。また汚染された地下水を浄化し、「使える」水としてキープすることも考えなくてはならない。節水の技術も求められる。
 日本は水には敏感であった。安全で清潔な水は当然のもととして文化に溶け込んだ。それだけに日本の浄水技術は世界でもトップクラスである。 節水技術もトップレベルだ。この分野での日中の協力は可能だ。将来的には水資源が経済の発展の最大の要件になるだろう。日本は水の分野での最重要技術を持っている。水による共栄ができれば素晴らしい。

cdim at 13:38コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月26日

 参議院選挙の比例代表で、疑問票がかなり出そうだ。政党名が変更になったり、新党名になった政党があり、かなり微妙なカウントとなる。
 参議院比例に立候補者がいる政党、諸派は以下の通りだ。

自由民主党(略称:自民党、自民、LDP)

民進党 (略称:民進、DP)

公明党 (略称:公明)

日本共産党(略称:共産党、共産、JCP)

おおさか維新の会(略称:維新)

社会民主党(社民党、社民、SDP)

生活の党と山本太郎となかまたち(略称:生活)

日本のこころを大切にする党(略称:日本)

日本を元気にする会 (略称:元気にする会、元気会、元気)
新党改革(略称:改革、NRP)
幸福実現党(略称:幸福党、幸福、HRP)
支持政党なし


 まず、問題となるのは、民進党。前進は民主党、日本維新の党である。問題となりそうなのは民主党、あるいは民主と書かれた場合だ。民進党が民主進歩党などの略であれば、民進党にカウントされそうだが、民進党が正式名だ。略称は民進。政党名に民主の文字が入るのは自由民主党と社会民主党である。おそらく、民主党や民主と書かれた票は、自民党と社民党に分配されそうだ。どのくらいの数になるかはわからないが、民主党に馴染んだ人も少なくない。特に社民党は比例議席を争う厳しい状況にある。情勢が悪ければ、1議席も獲得できないという予想さえある。民主党、民主とかかれて、0.5票を得るのはまさにボーナスだ。
 おおさか維新の会も微妙だ。維新、維新の会、お維新、維新会はまず問題ない。おそらく、維新の党とあっても、日本維新の党が合流でなくなっているので、おおさか維新の会にカウントされるだろう。問題は、おおさかとだけ書かれた場合だ。大坂佳巨(おおさかよしきよ)氏が新党改革の比例代表に立候補している。おおさか、と書いてあれば新党改革の大坂氏の票になるだろう。大阪と書かれたらどうだろう。微妙だが、やはり大坂氏の票か。おおさか会となれば、おおさか維新の会の票になるのではないか。おおさか、かなり書かれそうだ。おおさか維新の会の略称を、維新だけでなくおおさかとしても登録していたら少なくとも配分にはなったろう。最後の1議席を争うときにはかなり重要なポイントとなる。
 日本を党名に入れている政党は3つある。日本共産党、日本のこころを大切にする党、日本を元気にする会だ。日本とだけ書かれた場合には、略称として唯一届け出ている日本のこころを大切にする党の票にカウントされるだろう。
 支持政党なし、はそもそも論もある。これが政治団体名として比例代表に立候補できるのか、という疑問はある。問題は、なし、と書かれた時だ。書いた人の意図を汲むのは難しいが、自分が選びたい政党がない、という気持ちの人もいそうだ。普通は白紙にするだろうが、丁寧に気持ちを書くと、別の票としてカウントされることもある。
 政党名・団体名だけではない。同姓の立候補者もたくさんいる。将来的にはチェック方式に変えることなどはできないものだろうか。1票の大切さ、とかいいながら、投票者の意図とは異なる票となるのは避けたいものだ。


cdim at 17:42コメント(2)トラックバック(0) 
 昨年から本格化したパチンコ業界への規制強化。今年に入り、さらに具体的な対応が求められることになり、パチンコ業界にとってはまさに嵐がやってこようとしている。1930年に始まったパチンコは、もうすぐ1世紀の区切りを迎えるはずだが、はたして1世紀の記念の日にパチンコ業界がどのようになっているか全くわからない状態だ。ほとんどなくなているかも知れない。
 昨年、明らかになったのがパチンコ台の不正問題。こうした問題を報じたのは、ヤフーニュースやBLOGASなどのウエッブ記事であった。大手のメディアはおそらくは広告収入への打撃を恐れてか、かなり時間が経つまで、無言であった。国会も動きが鈍かったが、今年、幾つかの動きが出た。
 まず2016年1月19日に衆議院議員の初鹿明博氏が質問主意書を提出した。まずはその主意書を引用する。

平成二十八年一月十九日提出
質問第六四号
 
不正パチンコ台の撤去に関する質問主意書
提出者  初鹿明博
________________________________________
 パチンコ台について、パチンコ関連の業界団体の呼び掛けで設立された組織である「遊技産業健全化推進機構」が警察庁の要請により実施した調査において、全国の百六十一店舗のパチンコ台二百五十八台のうち、全ての台の釘の打ち方が違反状態であった旨の報道がなされています(『朝日新聞』平成二十七年十二月二十五日)。
 この調査結果を受けて、警察庁はパチンコ店等の業界に不正パチンコ台の撤去を要請し、その数は数十万台に上るとみられます。
 この現状を踏まえて以下、質問します。
一 不正改造をした台を放置しておくことは問題であるものの、直ちに全ての不正パチンコ台を撤去してしまうことは店舗側に与える影響が大きいと考えられるが、いつまでにどのような方法で撤去を行うのか。
二 警察庁は、メーカーの出荷段階でもくぎ曲げが行われている可能性があるとして、メーカーの業界団体である「日本遊技機工業組合」に調査を指示し、その結果、メーカーの出荷時で、検定を通過したものとは異なるパチンコ台があったと報じられているが(『毎日新聞』平成二十七年十二月二十四日)、それは事実か。
三 二が事実であれば、上記のような不正を行った業者に対して制裁措置は課さないのか。
四 このような不正行為を根絶していくためにどのような手段を取っていくのか。
 
 右質問する。

 これに対して、1月29日付けで内閣による答弁書が提出された。衆議院ホームページに掲載されている。この答弁書も引用する。

平成二十八年一月二十九日
内閣総理大臣 安倍晋三
 
       衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員初鹿明博君提出不正パチンコ台の撤去に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
 
衆議院議員初鹿明博君提出不正パチンコ台の撤去に関する質問に対する答弁書
 
一から四までについて
 一般社団法人遊技産業健全化推進機構における調査結果を踏まえ、警察庁から日本遊技機工業組合に対し調査を依頼したところ、同組合から、ぱちんこ遊技機(以下「遊技機」という。)の製造業者が風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二十条第四項の検定を受けた型式に属する遊技機として出荷した遊技機の中に、出荷する時点において既に当該遊技機が属するとされた型式の遊技機と性能の一部が異なる遊技機が含まれていた可能性があることから、そのような遊技機について、今後、回収を進めていくとの報告を受けたものである。同組合において、現在、当該回収の対象となる遊技機について引き続き調査を実施しているものと承知している。
 警察庁としては、全日本遊技事業協同組合連合会、一般社団法人日本遊技関連事業協会、一般社団法人日本遊技産業経営者同友会、一般社団法人余暇環境整備推進協議会及び一般社団法人パチンコ・チェーンストア協会に対し、当該回収に最大限協力するとともに、可及的速やかに当該回収の対象となる遊技機を営業所から撤去するよう要請したところである。警察としては、適正な遊技機による営業がなされるよう、引き続き、ぱちんこ業界を指導するなどして、同業界の適正化を推進してまいりたい。 

 これは政府がパチンコ問題を真正面から取り組むということを宣言したことにほかならない。

 さらに、4月27日に衆議院内閣委員会で民進党の高井崇志議員がパチンコの遊技釘問題に関する質疑を行っている。高井氏は日工組が自主回収を段階的に行うことに対して「不正改造された射幸性の高い機械が大量に出回っている。段階的対応を黙認するのは、依存症問題を放置、拡大することにつながる」と主張した。これに答弁したのは、警察庁生活安全局の種谷良二局長と河野太郎国家公安委員長の二人であった。河野大臣は「最大限すみやかに撤去するのは当然だが、機構が抜き打ちでチェックして違反があれば、メーカーに対して型式検定の取り消し、ホールに対して営業停止処分で警察の意思を明確に打ちだしたい」と答弁している。
 大臣が国会の場で厳しい方針を明言したのである。
 この答弁はスピード感を持って次の対応につながる。パチンコ日報(ウエッブ:2016年6月1日)によると、以下のように書かれている。
「5月30日の夕方5時、警察庁へ日工組、全日遊連、日遊協の3団体が呼び出された。一向に進展の兆しが見えない撤去問題に警察庁も痺れを切らしたようだ。なにせ、日工組による第3次の回収対象遊技機リストの発表は7月上旬を予定していたからだ。警察庁にすれば、そんな悠長なこと聞き入れられない。この場では、第3次、第4次までのリストを6月末までに発表して、回収対象機は年内までにすべて撤去するように強く求めたようだ。」

 違法パチンコ台の入れ替えを一気に行わなければならなくなったようだ。
 すでにある程度のパチンコ台は入れ替えが行われている。1期が7~8万台、2期が11万台の入れ替えであった。このように6期に分けて順々に入れ替えの予定であったが、圧力が厳しくなり、次は一気に58万台のパチンコ台の入れ替えが行わなくてはならなくなった。すごい額だ。
 一般的にはパチンコ台は1台40万円前後。もちろん価格は機種によってかなり変わる。数千億円の特別な費用がかかるのだ。パチンコ店には大変な負担である。メーカーにとっては特需になりそうなものだ。
 今回はこの構図はかなり複雑だ。射幸性を高めるために、不正パチンコ台を作った責任問題が完全には解決していない。メーカーはパチンコ店からの要望に応えたまでと主張し、パチンコ店はメーカーに付加価値をつけた不正パチンコ台を買わされたもので、あくまでも責任はメーカーにあると主張する。ここら辺は阿吽の呼吸でやったとしか思えないのだが、費用負担の問題があるので、簡単にはかたがつかない。
 おそらくメーカー側がかなりの値引きをする形でこの大規模な入れ替えを行うことになるのだろう。
 問題は今後だ。
 パチンコ業界は以前ほどの利潤の高い業界ではなくなっている。パチンコ人口は減り続けているから、小さなパチンコ店はすでに破綻している。この状態に新たな負担がでるとなると、かなりの数のパチンコ店が今年中に閉店するのではないかと予想されている。
 また、大手も厳しい状況に追いやられる。つまり、これまでパチンコ業界は、パチンコ客の数の減少を射幸性の高い機器を導入し、1人あたりの遊戯額を増やすことによって対応してきた。つまりギャンブル性を高めることにより少なくなる客単価を上げることで、売上を確保してきたのである。不正パチンコ台がなくなり、射幸性の低いパチンコ台となったとき、ギャンブル依存が高くなった人たちの満足を得ることが出来るかどうか。いまさら、「楽しいゲーム」ということで、パチンコ人口を増やすのは現実的ではない。残った客の満足を得ることができなくなったら、客数も減少、客単価も減少となり、売上の大幅な減少が予想されるのである。当面は遊戯性を高めて、客をつなぐ努力をすることになるだろうが、おそらく限界がある。
 体力のあるパチンコ店はすでに総合的なレジャー産業化に取り組んでいる。これは一つの方向性だ。パチンコだけでなく、ジムなどの健康産業や屋内スポーツなどを幅広く扱うのだ。
 しかし多くのパチンコ店が今からできる可能性は高くない。すでに不動産業界は、パチンコ店の跡地の有効活用の検討を始めている。パチンコ業界はここ2〜3年で大きく様変わりしそうだ。


cdim at 16:01コメント(0)トラックバック(0) 
 イギリスがEU離脱を決め、ポンドは急落し、株価は大きく下がっている。イギリスの将来に対して悲観的な見方をする人は多い。イギリスには金融業以外、他国に対して特別に強い産業はなくなっている。EU離脱は金融業にも打撃を与えそうであり、イギリスは厳しい状況に置かれるだろうというのである。
 イギリスはこれから生き残るために、現在のEU自体が早期に崩壊することを望むだろう。つまり、ヨーロッパにEUが存在し、そこから離脱するために、相対的にイギリスが不利になるのである。EUが崩壊し、新たなEU的な枠組みができればイギリスへの打撃は少ない。そして、今、大きな流れはそちらに向かっている。
 反EUの動きは、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、デンマークなどEUの中核国においても育っている。増え続ける移民・難民に対して、新たなナショナリズムが生まれつつある。ヨーロッパはEUができてからは金融バブル的な要素もあり、全体としては安定した運営があった。しかしこれから経済は低迷の時代を迎えそうだ。そうなると自国の労働者と移民・難民とがぶつかり合う機会はさらに増える可能性がある。EU諸国は今、イギリスの離脱決定を受けて、結束を固める会議を行っている。しかしその結束は、内部から崩れる可能性がある。イギリスもキャメロン首相を中心に政府としてはEU残留を強く試みた。しかしイギリスの内部からその方向は変更させられたのである。同様のことが他のEU中核国にもいえる。イギリスの決定を受けて、反EUの運動は活気づいている。イギリスのEU離脱はイギリス経済に打撃を与えるだけでなく、EU諸国にも打撃を与える。EUに残ったからといってバラ色の未来の構想は難しい。もし中核国からさらに離脱組が出たら、EUは現在の仕組みを維持することはできなくなる可能性がある。EUの中心の一つであるフランスが離脱したら、EUは機能しなくなるといっていい。おそらくさらに追従する国も出るだろう。イギリスの新たな首相には離脱派を実質的に率いてきた元ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏の名前が浮上している。彼は、EU内の反EUグループに少なくとも精神的には強いメッセージを送り続けるだろう。
 EUは壮大な実験である。「国家」という国際社会の基本単位をまとめて、政治、経済、外交、社会など全ての面において「統合」へと向かわせる。しかし、最も否定的な反応があったのが「ヒトの移動」であった。特に難民・移民を受け入れ、彼らが自由に域内を動くことができることに、反発が起きた。一方で「国家」という単位を残しながら、様々分野で統合を行うことは、大きなストレスを生んだことは確かだ。
 EUの中核国のさらなる離脱が2〜3起きれば、EUの挑戦をさらに進めることは難しくなるだろう。関税の廃止や自由貿易という経済面に集約した新たな枠組みに「戻る」可能性がある。イギリスの反EU派も、反対の矛先は移民・難民の受け入れである。組織が大きくなり、官僚制度が効率を阻むということもあるかも知れない。つまり自由貿易には賛成なのだ。イギリスのEU残留派も主張の中心は経済的打撃だった。これは他の中核国にも言えること。
 現在のEU制度が機能しなくなったら、より緩やかな自由貿易の枠組みとして作り直すしかなくなる。これはイギリスにとっては今から展望する最善のシナリオだ。このシナリオが浮上すれば、さらにEU内の反EUグループが活性化するかも知れない。これが早期にできれば、企業がイギリスからEU内に本社を移動させる必要がない。というか、その意味がなくなる。イギリスにとっては生き残りをかけた最後のシナリオだ。
 EUの理念は素晴らしい。しかし展開が早すぎたのかもしれない。特に域内統合だけでなく、域外からの人の流入が多くなったことに、感情(emotion)がついて行かなかった。よく、今回のイギリスのEU離脱問題を二つのE、つまり経済(economy)と感情(emotion)とで説明される。とするなら、経済(economy)中心の新たな枠組みを作り直すしかないのである。実際にヨーロッパで感じたことは、本音と建前の分離だ。特に移民問題ではそれを強く感じた。建前が全面にでる公的な会議では難民を受け入れ、差別なき社会の創造を議論するが、本音ではそれに強く反対する。この分離が大きくなれば、やはり社会は歪みを持ってしまう。ヨーロッパは当面は現実的な選択をしなければならないのかもしれない。



cdim at 08:57コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月25日

 イギリスが世界の工場と呼ばれていたことは今では歴史教科書をみないとでてこない。19世紀に産業革命を行い、石炭をエネルギーとして製造業の中心となった。しかし、20世紀に入るとアメリカがその称号を得ることになる。そして20世紀の後半になると日本も世界の工場と言われるようになった。そして今は、中国が世界の工場と称せられている。
 イギリスの産業はどうなったのだろうか。めぼしい産業がなくなっている。自動車産業は縮小を続け、今では外資による工場がある程度だ。軍需産業にはみるものがあるが、その他の産業はとうていイギリスの豊かな生活を賄うようなものはなくなっている。しかし、ロンドンは華やかであるし、貧富の差の広がりはわかるものの、人々はイギリスの豊かな環境でゆったりと暮らしているイメージがある。私もイギリスは最も好きな国といっていいほど好きだ。ではどうしてイギリスが、イギリスでありえるのか。
 イギリスは金融資本主義の波にうまく乗ったのである。パナマ文書で話題になったタックスヘイブンとも関係する。イギリスはかつては大英帝国を作り上げた。その時の支配地だった地域をタックスヘイブンとして活用することに成功したのである。英国領としてバミューダ諸島、ヴァージン諸島、ケイマン諸島、ジブラルタルなどがある。またイギリス王室属領として、ガーンジー、マン島、ジャージーなどがある。そこに世界から巨額の資金が入り込んできた。
 またイギリスは150年もの間、香港を植民地支配をしており、中国に返還された今でも、特別な関係を持っている。香港も税金の安い地域であり、イギリスは戦略的に香港を活用してきた。世界の有数の金融機関であるHSBCは中国とイギリスとの特別な関係で発展してきたといえる。
 中国が世界の工場と言われだしてからまだそれほど経っているわけではない。それが世界を支配するかのような資金力を持ったのは、イギリスと一緒に金融資本主義で世界の金を集めたからだ。イギリスの一部の富裕層と中国の一部の富裕層に大きな利益を与えてきた。
 イギリスの主力産業は金融業といってもいいだろう。製造資本主義よりも金融資本主義の方が短期間にはるかに大きなお金を獲得することにつながる。考えられないような億万長者がアメリカ、ヨーロッパ、中国で誕生したのはこの仕組みによるものだ。ちなみに、日本にもその金融資本主義の波はきた。村上ファンドやホリエモンなどが注目を浴びたのは、金融資本主義の流れによるものだ。
 世界には金融センターとして、ニューヨーク、ロンドン、香港の3つがある。ロンドンと香港の連携に加えて、EUの結びつきもあり、イギリスは金融業界では確固たるポジショニングをえてきた。 
 しかし、金融資本主義は製造資本主義よりもはるかに極端な貧富の差を生み出す。製造業は多くの労働者を必要とし、賃金が労働者にも行き渡る。しかし金融業では非常に僅かな専門家がいればいいのだ。マルクスは製造業の発展を見ながら富める者と貧しき者との二極化が起きると予言した。金融資本主義ではマルクスが予言した以上の二極化が起きているのだ。
 つまりイギリスは国としては財産をもちながらも、その配分の不平等さから、極めて病む国となってしまった。イギリスは歴史的に階級制度が厳しくある。労働者階級と上流階級とはかなり離れている。だから労働者階級の不満は上流階級に向かうのではなく、自分たちの仕事を奪うかに見える移民へと向けられたのだ。EUに入っているから移民の受け入れが増え、そのことによって自分たちの仕事が減り、社会が混乱する、と映ったのである。
 イギリスの金融業などで稼いだお金は、新たな産業の展開にもっと使って、イギリスに新産業を根付かせなければならなかった。そしてより多くの労働者が雇用されるようにして、富の配分ができるようにしなければならなかったのだが、イギリス上流階級の個人主義はそこまでの展望を持っていなかったといえる。 
 社会・経済の労働者の不満が移民に向けられ、そしてEUの離脱にまで繋がってしまった。
 問題はこれからどうするのか、だ。主産業の金融業においても、EUでの業務や取引にこれまでよりは負荷がかけられるだろう。ポンド安は金融業にとってはマイナスでしかない。ジブラルタルなどは独立の動きまである。そこに移った投資家たちは、イギリスのために事業をしているのではない。そもそもイギリスを捨てて住所も変えた人たちである。独立してEUに加盟する道を選択することもありえる。イギリスの金融業は大きなダメージを受ける。パナマ文書問題がなぜ出たのか、まだわからない。しかし、これは中国とイギリスの金融資本主義にダメージを与えるためだという説がある。私もそう思っている。ダブルでダメージが来る。
 イギリスでEU向けに作られた外資による工場も条件によっては数年で大陸に移ることになりそうだ。これは労働者の職を失うことになる。大変だ。
 しばらくの間、イギリスには不況の波がやってきそうだ。王室領にためられた資金を国の未来のために使って新たな産業を作ることが出来るかどうか。イギリスの大学生は本当に仕事がなくて困っている。未来を設計するリーダーがいるかどうか。これは日本にも言えることだ。 

cdim at 17:41コメント(0)トラックバック(0) 
 参議院選挙ですでに期日前投票が始まっている。この期日前投票の制度は投票率の低下への対応策の一つとして、公職選挙法48条の2において2003年12月1日から設けられた制度である。それまでにも不在者投票の制度はあったが、より制度の活用を簡単にできるようにして、多忙さなどから棄権していた有権者が投票できるようにしたものである。投票日に投票できない有権者が、公示日又は告示日の翌日から投票日の前日までの期間に、投票することができる。参議院選挙では、比例代表の選挙があり、これは政党ごとに立候補者の一覧を作らなければならない。公示日に受けた立候補名簿を印刷し、公示日の翌日には、期日前投票の場所に張り出せるようにしている。かなり慌ただしい作業だ。
 この期日前投票の効果は認められる。投票率の低下も緩やかになった。また、投票数に占める期日前投票の票数の割合は年々高まっている。

2009年衆議院選挙(小選挙区) 期日前投票及び不在者投票などの投票者数に占める割合 20.32% 
2012年衆議院選挙(小選挙区) 期日前投票及び不在者投票などの投票者数に占める割合 20.44% 

2010年参議院選挙(選挙区)  期日前投票及び不在者投票などの投票者数に占める割合 21.07% 
2013年参議院選挙(選挙区)  期日前投票及び不在者投票などの投票者数に占める割合 24.57% 

 前回の参議院選挙では実に4人に1人、25%近くの人が期日前投票や不在者投票で投票している。最近は不在者投票は減っており、ほとんどが期日前投票である。
 こうなると、期日前投票は特別に投票日に投票できない「特別な少数」の人を対象にしているという感じではない。実際に日曜日に投票に行くよりも平日に職場の近くで投票する、という人も多い。組織票を持っているところは、投票漏れがないように、期日前投票を勧めているところもある。 特に後者は最近はかなり行われるようになっており、投票日の票と期日前投票の票は、傾向は異なるようだ。これは明確に数字にだされないので、「推察」になるが。。
 問題もある。なんといっても、公示、告示になり「さあ、選挙戦」となっても、すぐに期日前投票を済ませたら、選挙期間の選挙活動はその人にはほとんど意味がないものになる。選挙の形骸化だ。もともと選挙は形骸化している、とあきらめてしまえば、どうしようもない。少なくとも建前としては、公示、告示から投票日までの1〜2週間で、立候補者は政策を掲げ、有権者はそれを考察して、投票することになっている。公示、告示の翌日に投票した人は、政策を見る機会も、政見放送を聞く機会もない。参議院選挙の選挙区立候補者については、政見放送は、録画して、候補者1人あたり経歴30秒、政見5分30秒と定められている。また、放送回数は全都道府県同一でNHKテレビ2回、NHKラジオ2回、民放4回となっている。しかし、これらもはやく期日前投票をしてしまったら、意味がなくなってしまう。おそらく今回の参議院選挙では期日前投票などの割合は25%を越すのではないかと思われる。将来的にはもっと高くなる可能性がある。そうなれば、選挙のあり方そのものが問われることになる。
 私は、期日前投票はすべて選挙の投票日前の4日間に限定してもいいのではないかと思っている。いくつかの地域でダブル選挙などがある。投票日を同じにしても、公示、告示の期間は選挙によって異なる。これがかなり面倒な作業を要求している。告示期間が一番短いのは、町および村の首長および議会議員選挙の5日間だ。それに合わせると、投票前の4日間が期日前投票の期間とする。個人的には、町村の首長や議会選挙も告示期間は政令指定都市以外の市の首長や議会選挙の告示期間の7日にしてもいいと思う。そちらも変えて、期日前投票の期間を一律投票日前の6日間とするのがいいように思う。
 選挙を形骸化させて、とにかく投票率だけをあげるというのは邪道だ。どういう人が、どういう政策をもって立候補しているのかを知ることもなく、ただ単に投票だけをする。これでは政治がよくなるとは思えない。
 とにかく、公職選挙法には多くの問題がある。しかし、修正することもあまりない。政治家はあまり関心がないのだろうか。政策と選挙が結び付けられない政治家の方が多いのかもしれない。


cdim at 13:04コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月24日

 イギリスの欧州連合(EU)残留か離脱かを問う国民投票で離脱支持票が僅差で残留支持を上回り、過半数に達する見通しとなった。直前の世論調査などでは残留派が僅差で勝利か、といわれていただけに衝撃的に伝えられている。
 日本でも円高、株安に転じている。2016年6月24日15時40分現在で、 1ドル=102.4円、1ユーロ=113.2円、1ポンド=139.8円となっている。特にポンド安、ユーロ安が目に付く。株価も落ち込んでおり、日経平均株価の終値は、前日比1286円33銭安の1万4952円02銭と今年の最安値となった。予想されたことではあるが、かなりの影響である。これからどうなるか、週明けの状態が注目される。
 私は、イギリスのEU離脱の決定は、日本には短期的な打撃よりも長期的な打撃があると思っている。イギリスとの直接の貿易は限定的である。イギリスは金融立国といえる。イギリスの金融は香港と密接に関わっている。世界のHSBCもイギリスと香港を中心に活動を進めている。またパナマ文書で話題となったタックスヘイブンの資金もイギリスと香港の金融機関が直接の運用にあたる。アジアインフラ銀行にヨーロッパで真っ先に加入したのはイギリスであった。金融においてはイギリスと中国・香港は密接に絡んでいる。つまり、イギリスのEU離脱においては中国経済への影響が深刻になる。中国は世界の工場といわれたが、途中からは実際には金融業での力も発揮している。中国経済はやや低迷をしており、これに追い打ちがかかれば、さらに深刻化する。中国の景気低迷は日本の経済にも悪影響を与える。ただ、短期的にはショックはあっても、日本の影響は限定的だと思われる。
 日本では参議院選挙の真っ最中。これは参議院選挙にどのような影響を与えるのであろうか?
 一般的に言えば、 経済が影響を受け、景気が低迷すると、与党の支持率が下がる。景気が良ければ「継続」を選択するし、閉塞感が続けば、「変化」を求めて、新たな政権を求める。過去日本の長期政権をみるとすべて好景気と重なっている。逆に経済が落ち込んでいるときは、短期で終わっている。1990年のバブル経済崩壊からは目まぐるしく内閣が変わった。金融ミニバブルの小泉政権だけが長期であった。安倍内閣になってからやや経済が持ち直した、あるいは持ち直した感じがした。それが安倍内閣を支えているが、その景気浮揚の感覚もだんだんとなくなっている。そしてこの円高株安の流れが来ると、安倍政権にはマイナスである。
 しかし微妙な部分がある。まず第一に、今回のイギリスのEU離脱は、外的要因が大きく、特別な有事という感覚がある。有事に強いのは自民党である。つまり今回のイギリスEU離脱による円高株安を長期的な経済政策失敗の流れと捉えるか、短期的な「事件」と捉えるかによって票の動きが変わる。 閉塞感を感じるなら、変化を求めて野党が支持を増し、特別な事件と捉えるなら、安定した与党自民党への支持となる。
 また、民主党時代の経済政策の失敗のイメージがまだ国民にある。閉塞感を感じながらも、では民進党に任せるか、という感覚になれない人がまだ多くいる。民主党政権が誕生した時には、閉塞感を打ち破るという期待感があった。よくはわからないけど、とりあえず「変化」を選択したのだ。今回はそう単純には野党支持にはならない。
 おそらくこれからの選挙戦で、党首が発するメッセージが大きく状況を変えそうだ。安倍首相はこの特別な状況下において、強い金融政策を打ち出し、金融有事に耐えれる指導力を見せつけることができるかどうか。岡田代表は、アベノミクス批判だけでなく、それに代わるわかりやすい政策で、この経済的危機を乗り越えるシナリオを提起できるかどうか。国民が新しい期待感を持つことができる政策を出すことができるか。
 イギリスがEUに残ることになれば、自民党に有利だと予想していた。しかし、結果はEU離脱になった。これは与党に流れを呼ぶことも、野党に呼ぶこともできる状況だ。与党、野党のリーダーのスピーチが選挙の結果を左右することになりそうだ。



cdim at 16:47コメント(0)トラックバック(0) 
 各紙(6月24日付)が世論調査に基づいた参議院選挙の予想を書いている。かなりバラつきがある。かなりの選挙区は最後のわずかな「風」で議席が動く可能性がある。まだまだ時間はある。
 毎日新聞の予想は自民党大勝となっている。ちなみに私が6月4日に出している予想とほぼ一緒だ。民進党は大敗の予想で、野党の選挙協力はほとんど実を結ばない、というものだ。読売新聞と朝日新聞は、自民党勝利でありながらも、大勝とはなっていない。自民党は選挙区、比例を併せて57議席前後で、民進党は30議席前後。野党の選挙協力はかなり意味をもっているというものだ。

毎日新聞
自民党 合計58~65 選挙区39~44 比例代表19~21
民進党 合計22~31 選挙区12~20 比例代表10~11
公明党 合計12~14 選挙区06~07 比例代表06~07
共産党 合計07~12 選挙区01~05 比例代表06~07
お維新 合計05~08 選挙区02~04 比例代表03~04
社民党 合計00~01 選挙区00~00 比例代表00~01
生活党 合計00~00 選挙区00~00 比例代表00~00
日本こ 合計00~00 選挙区00~00 比例代表00~00
無所属 合計02~03 選挙区02~03 比例代表-------

読売新聞
自民党 合計50~62 選挙区34~41 比例代表16~21
民進党 合計24~35 選挙区15~22 比例代表09~13
公明党 合計12~15 選挙区06~07 比例代表06~08
共産党 合計04~11 選挙区00~04 比例代表04~07
お維新 合計05~09 選挙区02~04 比例代表03~05
社民党 合計00~02 選挙区00~00 比例代表00~02
生活党 合計00~01 選挙区00~00 比例代表00~01
日本こ 合計00~01 選挙区00~00 比例代表00~01
無所属 合計03~06 選挙区03~06 比例代表------- 

朝日新聞(朝日新聞はグラフでの表現:筆者が推定)
自民党 合計43~62 
民進党 合計18~38 
公明党 合計08~13 
共産党 合計08~12 
お維新 合計05~09 

児玉克哉の6月4日の予想
自民党 合計62 選挙区42 比例代表20
民進党 合計26 選挙区14 比例代表12
公明党 合計13 選挙区06 比例代表07
共産党 合計11 選挙区04 比例代表07
お維新 合計07 選挙区02 比例代表05
社民党 合計01 選挙区00 比例代表01
生活党 合計00 選挙区00 比例代表00
日本こ 合計00 選挙区00 比例代表00
無所属 合計01 選挙区01 比例代表-------

 毎日新聞と読売新聞・朝日新聞との差は選挙区での争いの予想の差といえる。特に1人区での予想に大きな差がある。

 いずれかの新聞が異なった予想をしている1人区だけを抜き出してみよう。(3紙とも接戦は含む。無野は無所属野党を示す。)

青森 毎日:自民 読売:接戦 朝日:接戦
岩手 毎日:自民 読売:無野 朝日:無野
宮城 毎日:民進 読売:接戦 朝日:民進
秋田 毎日:自民 読売:接戦 朝日:自民
福島 毎日:接戦 読売:接戦 朝日:民進
新潟 毎日:自民 読売:接戦 朝日:無野
山梨 毎日:接戦 読売:接戦 朝日:接戦
長野 毎日:接戦 読売:接戦 朝日:民進
岐阜 毎日:自民 読売:接戦 朝日:自民
三重 毎日:自民 読売:接戦 朝日:民進
滋賀 毎日:自民 読売:接戦 朝日:自民
岡山 毎日:自民 読売:接戦 朝日:自民
愛媛 毎日:自民 読売:接戦 朝日:接戦
大分 毎日:自民 読売:接戦 朝日:接戦

2紙自民で1紙接戦 秋田、岐阜、滋賀、岡山
1紙自民で2紙接戦 青森、愛媛、大分
3紙とも接戦    山梨
1紙自民で1紙野党 新潟、三重
1紙野党で2紙接戦 福島、長野
2紙野党で1紙接戦 宮城

 このようにみると、激戦地区があることがわかる。これらがどちらに決まるか。折しも、イギリスのEU離脱の国民投票は離脱派が勝利した。株価は落ちているし、円高も進んでいる。これらも選挙には影響を与えそうだ。経済の低迷時には一般的には野党が票を伸ばす。しかし、民進党政権時代の経済低迷のイメージもあり、有事の自民という選択になる可能性もある。影響はあるだろうが、どう影響するかは読みづらい。



cdim at 13:17コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月23日

 舛添東京都知事のお金の問題が出たとき、一緒にプライベートなことも多く問題にされた。また、政党代表討論会で小沢一郎生活の党代表に司会がプライベートな質問をしたことが論議を呼んでいる。政治とプライバシーとの問題はどのように考えるべきだろうか。これは地域と時代によって大きく変わる。
 日本でも政治家のプライバシーについては時代とともにかなり状況が変わっている。以前は、基本的に政治家のプライベートな部分には踏み込まない、という暗黙の了解があった。田中角栄氏など多くの政治家には愛人がいたが、それはメディアのニュースにはならなかった。記者たちは愛人や子どもなどの存在は知っていても、それは政治の問題ではないということで、書かなかったのである。政治家のお金もかなり自由になっていた時代なのだろう。地方で選出された国会議員は、正妻は地方に置き、東京には愛人がいる、というスタイルであったようだ。宇野総理が退陣しなければならなかったのは愛人問題であるが、それは結局、愛人への支払いが少なかったから、ということであった。1か月の手当の指3本が愛人は300万と思ったのが、実際には30万円だったことが恨みに思われたと言われる。今の時代の問題とはちょっと違う感じがする。
 日本が政治家のプライバシーにも関心を持つようになったのは、アメリカやイギリスの影響もありそうだ。アメリカはかなり自由恋愛の国ではあるが、基本はキリスト教をベースにした社会文化を持っており、浮気などは「原則上」は認められない。政治家はこうしたキリスト教文化を実践する優秀な人の姿が求められる。だから愛人の存在などはスキャンダルになる。なにか、一般国民の状況とかけ離れている感じはする。政治家たるもの、私生活でも尊敬を受ける存在でなければならないという意識があるようだ。もちろん、実際にそうした聖人君子的な人ばかりであることはなく、プライベートをどのように隠すか、との凌ぎ合いではある。
 フランスなどはかなり異なる。 基本的に、フランスでは政治家も含めて、私生活と仕事とは別ものであるべきという慣習があった。仕事は仕事、家庭は家庭なのだ。政治家もしっかりと仕事をしていればいいわけで、私生活で愛人がいようといまいと不問にするという発想だ。事実婚といわれる同棲が結婚とみなされるスタイルも一般的で、正規の結婚と不倫との境も漠然としてきたこともある。ミッテラン元大統領もシラク元大統領も隠し子騒動があった。しかし、マスコミは大きく扱うことはなく、私生活問題と公人としての政治家の仕事とは明確に分けて考えていた。サルコジ元大統領あたりから「アメリカ流」の私生活報道がはじまる。サルコジ元大統領の夫人のカーラ・ブルーニ氏は元スパーモデルで歌手。サルコジ氏の一連の離婚、結婚報道は注目を浴びることになった。その後のオランド大統領も女性問題は話題を呼んだ。とはいえ、サルコジ元大統領にしてもオランド大統領にしても、決定的な問題となったとはいえない。フランスは政治家の私生活問題には寛大なのだ。
 スウェーデンなど北欧諸国も私生活と公人としての政治家の仕事は明確に分ける。愛人がいようといまいと、基本的にはそれは個人の問題。私がスウェーデン留学中にオロフ・パルメ大統領(当時)が暗殺された。海外のメディアはパルメ氏の愛人の問題なども取り上げていたが、スウェーデンのメディアはほとんど報道しなかった。スウェーデンでは、政治家としての立場を利用してたとえ数万円でも賄賂があれば、大問題になる。数万円でも辞職しなければならないくらいだ。しかし、その人に愛人がいてもそれは公人の仕事とは関係のないこと。不問にすべきだという声が強いようだ。
 政治家たるもの私生活も夫婦円満、浮気なし、子どもも優等、でなければなならない、というのもどうだろうか。むしろ、政治家の道をとるか、家族円満の道をとるか、の選択を迫られるというのが現実だろう。スウェーデンのように、政治家としての立場を利用しての賄賂などは厳しくあたり、私生活の問題に関しては不問にする、というのがいいようには思う。もちろん、政治家の権力を使ってのセクハラはダメだ。
 日本の政治家には浮気をしないことよりも、しっかりと政治をしてくれることを期待している。

    

cdim at 10:33コメント(1)トラックバック(0) 

2016年06月22日

 犬肉食は伝統食文化か、野蛮食文化か。中国広西チワン族自治区玉林市で6月21日、犬の肉を食べる恒例の伝統行事「犬肉祭」が始まり、数日間続くことが報道されている。中国南部などでは夏至の時期に体の抵抗力をつけるため、犬の肉とライチを食べる習慣があるという。
 犬の肉は漢方でも重宝されている。犬の肉は熱を発する効果があるといわれ、夏には体内の熱が放出され、汗が出てバテにくくなるという。日本では土用の丑の日はウナギを食べるが、中国や韓国では犬の肉を食べるといわれる。
 中国玉林市では1990年代から盛大な「犬肉祭」が行われている。これに対して、国内外から批判の声が上がっている。基本的に「残酷だ」という批判だ。犬はペットとして定着しており、その可愛い犬の肉を食べるなんて、なんということか、という声があがっている。
 犬食文化は、東アジアや東南アジアなどにはかなり広範に広まっていたと言われる。日本でも犬を食べる文化はあった。今から30年も前のことだが、日本の大学の医学部の先生が犬の動物実験をしたら、すべて業者が引き取ってくれると言っていた。どうなるのですか、と聞いたら、ほとんどが田舎の祭りなどの肉の串などで提供されているという。鶏肉とか豚肉の串と思っていたのが実は犬の肉もかなり入っていると聞いて驚いたことがある。日本でも結構、食べられてきたことは確かだ。
 イスラム教やユダヤ教では犬の肉は食べることができない。タブーとなっている。ほとんどのヨーロッパ諸国では、犬は狩猟などでの有用動物という扱いで、基本的に食べない。最近はペット文化が強くなり、犬の肉を食べることに対して強烈な批判がある。動物愛護の団体などは犬食文化をなくすために活動をしている。
 現代の日本はヨーロッパに近くなっている。犬肉を食べることにはかなり抵抗がある人が多い。今回の中国の「犬肉祭」に関しても、日本のメディアの扱いは、中国にはまだこうした「野蛮な」食文化が残っているという論調がうかがえる。
 さあ、ここからが日本でも考えなければならないポイントだ。日本が守ろうとしている鯨肉食文化はどうなのだろうか。日本では欧米から鯨肉を食べていることに対して「残酷だ」という批判がきたら、欧米でも牛や豚は殺戮し、食するのに、何が問題なのか、という言い返しをすることが多い。食文化の違いであり、牛は殺してもよくて、鯨はだめ、というのはオカシイ、というのである。でもそれなら、日本は犬食文化に批判することはできない。
 さらに中国には猿の脳を食べる文化もある。これは犬食よりもさらについていけない。
 一般論として、動物に関しても、人間に近いものほど食のタブーとなる確率が高くなる。人間の感情を理解するような動物は殺すと「残酷」と感じるのである。そう考えると、鯨や鯆は頭がいいと言われており、食べると国際的に批判を浴びるというのも理解できる。といいながらも、牛や豚も相当に頭がいい。豚は最近はペットとしても飼われている。この問題、簡単には割り切れそうにない。
 だんだんと哺乳類の肉食文化禁止となるのかもしれない。実際に、牛肉食は良くて、鯨肉食はいけないのか、という主張に、どちらもだめだ、というベジテリアンの答えも強くなってきている。
 動物の知能を図って、知能の低い動物だけ食してもいい、という時代がくるのかもしれない。牛も豚も食することが禁止され、鶏肉だけが許されるという時代はもうすぐなのかもしれない。インドでは実際にそれに近い状態だ。これから肉食文化に対する議論は国際的にも活発化しそうだ。

 

cdim at 19:34コメント(1)トラックバック(0) 
 第24回参議院選挙が6月22日に公示された。今日から7月10日の投開票日までの18日間の選挙戦が繰り広げられる。
 具体的な争点といわれうのは、以下のものだろう。
1)安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」の評価と今後の展開
2)安全保障関連法など安全保障問題
3)憲法改正
4)TPPの是非
5)消費税増税の是非と施行する時期
6)財政再建
7)東アジアの安定
8)若者を含めた政治参画
9)地方創生、地方再生
10)クリーンな政治
 どれも重要な課題だ。ただ、自民党・公明党と民進党との間ではそれほど明確な政策に対する違いがない。投票行動を決定する要素がボヤけているのだ。共産党は明確である。
 まずは経済政策。アベノミクスが成功か失敗かはよくわからない。むしろ今後の展開にかかっている。つまりアベノミクスのいう三本目の矢が重要なのだ。成長産業をどのように設定し、どのように展開していくのか。ここでは自民党も民進党もよく似たことをあげている。この数年間のアベノミクスが成功か失敗かを議論してもあまり発展性がない。重要なのは経済の成長戦略をどうするのか、それを実行できる力をもっているのか、だ。自民党も民進党もアベノミクス評価というぼやけた論議にとどまるのではなく、 どういう成長戦略を展開するのかをよりイメージできるようにしてもらわないと、どっちもどっちにしかみえない。
 安全保障関連法の是非は意見がわかれても、どのように日本の防衛を行っていくのかは違いが分かりにくい。民進党はもっと明確に日本の安全保障のあり方を構想してほしい。このままでは明確な争点にはならない。東アジアは不安定化している。どのようにして信頼醸成を行い、安全保障の仕組みをつくるのか。
 憲法改正は今回の参議院選挙の隠れたテーマと言われる。しかし、これでは票は動かない。憲法改正の国民投票をするかどうか、が決まるだけだ。自民党を支援する人の中にも護憲派はいる。民進党を支援する人の中にも改憲派はいる。憲法改正論議よりも上記の安全保障のあり方を徹底的に議論してほしい。
 TPPも消費税も、 決定だとはなりにく。自民党の中にもTPPに関しては微妙な態度をとる議員もいる。農業地域選出の議員は明確にTPP賛成とは言いにくい。民進党も、そもそも民主党政権時代にはTPP、消費税増税の旗振り役であった。現在の安倍政権下でのTPPには反対、というのも歯切れがいいわけではない。消費税増税も岡田民進党代表が2年の延期を求めたら、安倍首相は2年半の延期を決めた。どっちがどういう主張なのか、よくわからない。共産党は、明快にTPPにも消費税増税にも反対の立場。民進党は共産党とどこまで提携していくのかが注目されるのだが、これも曖昧な状態だ。
 このように争点といわれているテーマでも自民党と民進党ではっきりとした方向性の違いは分かりにくい。では何が票を動かすのだろうか。

1.東京都知事選の候補者
 舛添東京都知事の問題は「庶民」がわかりやすい問題だった。それだけに東京だけでなく全国的な関心が高い。期待が持てるような候補者がでると、国政選挙にも大きく影響をする。都知事選だけの勝負でなくなっている。自民党は櫻井翔パパや橋下氏、小泉進次郎氏などが擁立されたら、舛添知事問題で失った支持を一気に挽回できる。民進党は、蓮舫氏が参議院に専念となったので、かなり厳しい。国政選挙に好影響を与えるだけの候補者を擁立できるか。
2.直前の景気
 これも重要な要素になる。景気が良い、あるいは良くなりそうだ、という感覚は与党にプラスになる。逆に、景気が悪い、あるいは悪くなりそうだ、という感覚は野党にプラスになる。海部政権は基盤が弱いといわれ、短期政権のはずが、バブル景気に支えられて、長期政権になった。そのバブル景気が吹っ飛んだ時の選挙で、 大敗し、政権の座を降りざるを得なかったのが宮沢喜一氏。運が悪かったとも言える状態だ。小泉純一郎政権時代は、ミニ金融バブルの時代であった。世界的な好景気にも支えられて、小泉政権は長期化した。そのミニバブルが終わるとともに、首相が1年で交代する時代になった。そしてついに民主党政権が誕生したのである。しかしその民主党政権でも短命首相となり、安倍政権に変わっている。アベノミクスは期待を持たせるものであった。それが安倍政権の長期化をもたらしている。しかし、日本経済にも暗雲が立ち込めている。ちょっとした経済の浮き沈みで選挙結果が大きく変わる。イギリスのEUの離脱となると世界的に株価が落ちる可能性も指摘されている。選挙直前の景気の落ち込み、あるいは落ち込む不安は、与党への逆風になる。もちろん逆のシナリオもある。イギリスがEU残留を決め、株価が上がる状況となったら、与党には弱いだろうが追い風となる。
3.災害やテロ事件
 有事の時の自民党、といわれる。熊本地震の時も、安倍内閣支持率、自民党支持率はアップした。 これが衆議院北海道5区の補欠選挙の結果を左右したとも言われる。6月は梅雨の時期だ。選挙戦の間に洪水などの災害が起きる可能性もある。またフランスやベルギーで起きたようなテロ事件が起きる可能性もある。こうした時には、与党自民党が有利になる。これは運まかせというところだ。
4.有力者の失言や不祥事
 最近の自民党の選挙では以前と比較して失言が少なくなっていることは確かだ。森政権や麻生政権の時代には選挙前の失言が絶えなかった。記者も失言探しに全力を尽くしていたような感じさえあった。少なくなったとは言え、大臣クラスが選挙直前で失言をすると大きく政党は支持を失う。 応援演説などでの失言は要注意となる。さすがに公示が過ぎてから大臣クラスの新たな不祥事が明らかになることは可能性としては低い。出ればかなり意図的ともいえる。
 どうしても公示を過ぎると、各候補者は名前の連呼、握手、後援会回りに追われることになる。こうした選挙スタイル自体が問題ではあるが、すぐに変わるわけではない。明確な争点もあぶりだされないまま、結局は、上記の4つの要素が選挙を動かすことになるかもしれない。もっと政策主体の選挙になるといいのだが。。。 

cdim at 15:45コメント(0)トラックバック(0) 
 参議院選挙がいよいよ公示を迎えた。6月19日に与野党9党首による「ネット党首討論」が開催された。そこで司会を務めたのは社会学者の古市憲寿氏であるが、生活の党の小沢一郎代表に「小沢さんの再婚相手が見つかったかどうか、聞いてみたい」などのプライベートに関する質問をして問題となっている。
 司会者サイドは「こういう場では、人柄を見るのが意味があると思った」とも述べたという。
 こうした選挙のテーマと関係ないプライベートな問題を出したことに小沢氏は怒り、主催者側は大手インターネット動画サイト「ニコニコ」のホームページ上に、謝罪コメントを掲載している。
 私も公開討論会の司会・コーディネータは数多く行っている。〇✖の質問をすることもあるし、政治とは全く離れた質問をすることもある。まさに「人柄をみるため」の質問をすることもある。
 しかし、選挙前の公開討論会においては、私はプライベートな質問の「プライベート度」に非常に気を使っている。まず、NGなのは家族に関しての質問である。〇✖質問で、「あなたは奥さんを愛していますか?」というような質問案を持ってくる主催者がある。照れくさそうに「愛している」と言わせたいのだろうが、夫婦・家族には様々な時期や状況がある。結婚していない人もいるだろうし、喧嘩している最中の夫婦もいるかもしれない。離婚の協議をしている夫婦もいるかもしれない。特に選挙においては、そうしたぎくしゃくした関係はありうる。日本の選挙は家族を犠牲にして成り立っているようなところがある。これは男性も女性もそうなることがある。
 討論会で重要なのは政策論争だ。確かに人柄もみてみたい。しかし、家族に関する質問はすべきでない。子どもや父母の介護などについても司会者から聞くことはしてはならないと思っている。もちろん、討論者が自ら自分の家族の体験を話すのは構わない。献身的な妻や夫がいて、品行方正な子どもがいて、家族円満でなければ政治家になってはならないというのは変だ。様々な家族の形態もあるだろうし、結婚しないという選択も問題ないはずだ。特に女性の政治家・候補者には子どもに関する質問は完全にNGだ。子どもを生まないという選択をした場合もあれば、子どもができなかったという場合もある。死別のケースもある。本人にとっては絶対に触れてもらいたくない部分の可能性もある。男性にもすべきでないプライベートな質問だ。
 聞いてもいい政治に直接関係しないような質問は、例えば、「あなたの信条は?」「あなたの座右の銘は?」「あなたはファッションセンスがいいと思いますか?」「あなたは朝食は味噌汁派ですか、パン食派ですか?」「あなたは外国旅行に行くとしたらどこに行きたいですか?」「休みの日などにする趣味はありますか?」「あなたはペットを飼っていますか?好きですか?」などだ。これらは、討論を和ませる効果もある。聞いている人もその受け答えから討論者の人柄もわかり、好評だ。
 プロ野球やサッカーの好きな球団も選挙によっては微妙だ。名古屋でドラゴンズ、広島でカープ、大阪でタイガース、と答えなければ、票が減る可能性がある。ただここら辺は、名古屋でジャイアンツファンの人も、どのようにうまく切り返すことができるか、という「説明力」をみるという点では意味がないわけではない。でも避けたほうが無難だ。
 もちろん、差別につながるようなことを聞くことはしてはならない。これも討論者自らが論点にしたいのであれば、自分について語るのは構わない。しかし、「帰化についての個人的な問題」「性的な問題」「部落差別に繋がるような問題」「体型や容姿についての問題」「生い立ちに関する問題」などは質問者から聞くべきテーマではない。これらは重要なテーマだ。しかし個人的な問題として聞くべきものではない。
 今回の小沢氏に対する質問は、古市氏が考えたものか、主催者側が用意した質問かはわからない。こうした政策討論において持ち出すべき質問ではない。これからの討論会でもこの点を踏まえて、質問をぶつけていきたいものだ。政策に関することはビシビシと聞いていい。しかしプライベートに関する質問は、吟味する必要がある。選挙前の政治家や立候補者に聞く質問と芸能人にメディアが聞く質問とは当然、異なるべきものだ。何か、そこらが曖昧になってきているような気がする。


cdim at 13:57コメント(1)トラックバック(0) 

2016年06月21日

 舛添要一前東京知事の一連の問題が話題となった。舛添知事の退職により事態は落ち着きを見せている。関心は都知事選に向けた候補者選びに移っている。
  舛添氏に引導を渡したのは都議会での厳しい質問であった。不信任決議案を可決することを決めて、舛添知事は退職を決めた。舛添知事に厳しく詰め寄った都議は颯爽とみえた。しかし都議会から多くの都議が今夏実施する、リオデジャネイロ五輪・パラリンピック視察に行き、出張費は予定をはるかに超えて1億円以上になる可能性があることが分かり、問題となっている。
 確かにオリンピック開催時の開催都市のホテルはバカ高い。ありえないような価格になっている。また、航空運賃も高くなっている。
 しかし、こうしたことはロンドンオリンピックなどでも同じことで、予測できた話だ。ロンドンでも1泊10万円とか20万円とかしたときく。フランスなどにホテルをとって、ユーロスターで通ったということも聞いた。
 これだけ高額になると、現実的に対応を考える必要がある。さすがに視察はしておいたほうがいいであろう。問題は人数と「クラス」だ。視察にいく都議の数を減らすか、航空機のクラスをビジネスクラスからプレミアムエコノミーやエコノミーに落としたり、ホテルをリオ郊外のアパートメントスタイルのものにするなどしてて、費用の削減をするか、である。
 共産党や生活者ネット、かがやけTokyoなどは予算がかかりすぎるということで辞退している。その辞退した枠をまた分配しているのだから立場は非常に悪い。これもそうとうなバッシングになりそうだ。
 おそらく都議がまったく視察に行くべきでないという人は少ないだろう。そもそも東京オリンピックの開催自体に反対する人もいる。そうした人は一切、行くべきではないというかもしれないが、多くの人は今回は視察の意義は認めるだろう。まずは共産党や生活ネットなどが辞退した数は使わない、とすべきだろう。4回にわけての視察であるから、1回4人とすれば16人で済む。
 そした、私は舛添氏の問題もあったことなので、エコノミーにすればいいのではないかと思う。私も調査などで何度も南米に行った。すべてエコノミークラスだ。確かにブラジルは遠いので、かなり疲れる。乗り継ぎで25時間くらいの空の旅だ。ブラジルについても治安の問題もあるから、あちこち出歩かないほうがいい。ホテルでまずはゆっくりと身体を休めればいい。エコノミークラスならこの時期でも45万円程度だ。乗り換え2回という選択をするなら20万円を切ることができるようだが、まあ、相当な苦痛の旅になるかもしれない。しかし、普通の人が自腹で行くことになったら、30時間を越えようと、こうした選択をする。プレミアムエコノミーでもJALで50万円を切っている。舛添問題のあった後だからこそ、都議はエコノミーの選択だ、というのもよさそうだ。
 リオにはアパートメントスタイルの宿泊施設もある。この時期でも相当に安く、広いスペースの宿泊が可能だ。
 こうした形で、新たな都議のスタイルを作ってはどうかと思う。舛添知事の問題だけでなく、「精査」したら政務調査費でかなりの都議は「不適切」なものがでてくるのではないかと思われる。都議の政務活動費は1か月60万円にもなる。舛添知事の「精査」から都議の「精査」に関心が移り、大きな制度改革が求められる可能性がある。誰が次の知事になるかが、ポイントになりそうだ。
 


cdim at 16:22コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月20日

 参議院選挙の長野選挙区は激戦になっている。改選数が2から1に減り、自民党と民主党が議席を分け合ってきた「安定議席」から、1議席を争うガチンコ選挙区に変わった。
 この選挙区は自民党現職の若林健太氏と元TBSキャスターとして知名度の高い民進党新人の杉尾秀哉氏の一騎打ちの様相だ。

 日本青年会議所(JC)長野ブロック協議会は20日午後7時から、松本市のキッセイ文化ホール大ホール(で、参院選長野選挙区(改選数1)の立候補予定者を招いた公開討論会を開いた。

 自民現職で農林水産委員長の若林健太氏=公明推薦=、民進新人で元TBS社員の杉尾秀哉氏=共産、社民推薦=、諸派新人で政党役員の及川幸久氏の3人が立候補を予定しているが、若林氏と杉尾氏が参加した。会場には250名の県民の方が来て下さり、熱の入った討論会となった。私はコーディネータを務めた。

 討論会では経済政策、安全保障、日本国憲法、国民と政治との結びつきなどをテーマに議論が進んだ。アベノミクスや安保関連法の是非や農業と環太平洋連携協定(TPP)、観光政策なども語ってもらった。
 非常に聴き応えのある公開討論会となった。
  経済政策に関しては、自民の若林氏はアベノミクスの効果を「実績」として主張し、さらにこの効果が地域にまで浸透するための次のステージに進むべきだと話した。民進党の杉尾氏は、円安株高を基盤としたアベノミクスは最近の円高株安の基調によってすでに崩れており、アベノミクスの失敗を踏まえて、新たな成長産業の展開を図るべきだと主張した。
 最も明確な意見の違いは日本国憲法改正についての議論であった。若林氏は、緊張するアジア情勢の中で、自衛隊の位置づけさえ明確になっていない問題を解消するためにも憲法改正の早期実現が必要だと主張した。杉尾氏は憲法9条は守るべき重要な条項であり、現在の安倍政権が行おうとしている憲法改正には反対だというスタンスだ。他の部分では改正したほうがいいところがあるにしても、今の政権が行おうとしている「姑息な」改正には反対だと話した。
 国民に開かれた政治については両者ともに進めていきたいという。若林氏は有権者との話し合いの場やSNSなども活用した地道な対話の努力が重要だと話した。杉尾氏も国民が政治に参画できる仕組みづくりが必要だと話し、そのための活動をしていきたいと主張した。
 2時間にわたる討論。両者、両党の主張の違いがよくわかる。今、日本中で青年会議所が主催するリンカーン・フォーラム型の公開討論会が繰り広げられている。開催されるところでは、ぜひ、多くの人に聞きに行っていただきたい。
 国民参画の政治の第一歩は、国民が政治に関心を持つこと。選挙前に公開討論会に行って、日本の現状と未来について一緒に考えてはいかがだろうか。 



cdim at 18:17コメント(0)トラックバック(0) 
 今日、6月20日は「世界難民の日」である。もともと6月20日は、OAU(アフリカ統一機構)難民条約の発効を記念する「アフリカ難民の日」(Africa Refugee Day)であった。難民は増え続け、その問題の解決は世界的な課題となった。そこで、難民の保護と援助に対する世界的な関心を高め、UNHCRをはじめとする国連機関や国際NGOによる活動に理解と支援を深める日にするため、「世界難民の日」としたのである。2000124日、国連総会で、毎年620日を 「世界難民の日」(World Refugee Day)とする旨が決議された。

 UNHCRは「世界難民の日」を、「故郷を追われた何百万人もの難民の、逆境に負けない強さや勇気、また忍耐強さに対し敬意を表す日」としている。今年の「世界難民の日」も、家を追われた人々に私たち一人ひとりが敬意と支援を表明する日である。 なんともポジティブな発想だ。難民というと、「否定的」なイメージがつきまとう。苦しみ、喘ぎ、貧困と飢餓に打ち拉がれている姿が浮かび上がる。しかしそれは難民の一面でしかない。もう一つの面はその逆境にも関わらず、強く、勇敢に生き、笑顔を持って困難に立ち向かう姿である。難民は確かに物資がない時には支援が必要だ。しかし一方的に支援する人と支援される人の関係だけではない。逆境に強く生きる姿から学ばなければならないのは私たちだ。
 難民研究の第一人者である小泉康一氏は、「難民」という翻訳語にも不満を持っていた。難のある人というイメージで、厄介者扱いされている、というのだ。避難民という方がまだいいかもしれない。
 私は、ネパールのブータン難民のキャンプを訪れたことがある。ほとんど知られていないが非常に長い期間、10万人を超える難民キャンプがあった。忘れ去られた難民とも称された。しかしそこで驚かされたのは、子どもたちの明るい笑顔であった。あまり刺激もないからということもあるのだろうが、外国人の私のところに拓さんの子どもが集まってきて、満面の笑顔で話しかけてきた。苦しみに喘ぐ子どもたちのイメージではなかった。彼らは未来をみている。 希望を求めているのだ。
 国連によると2015年には内戦などによって住む家を追われた人の数が、これまでで最も多い6530万人になったという。2014年よりも600万人近く増えている。難民とともに世界の人が、希望ある社会づくりに向かわなければならない。
  東京の国連UNHCR協会がユニークな試みをしている。この620日の「世界難民の日」に、新サイトを開設している。このウェブサイトは「日本ではまだまだ遠い存在に感じられる難民が私たちと同じ人間であることを意識し、日本人と難民の連帯感が生まれることを目指して」いるという。ビデオ投稿型の仕組みで、スマートフォンで撮影した自分の動画がGIFアニメーションに自動変換され、難民の動画と一緒に動き出す。サイトに登場するのは、ヨルダンにあるザータリ難民キャンプで暮らす人々だ。このサイトを通じて、難民の笑顔と前向きなエネルギーに触れることができるという。素晴らしい試みだ。
 難民の笑顔と逞しさに勇気づけられるのは私たちなのだろう。世界で、難民の増加と受け入れが論議されている。6月20日の今日、じっくりとと考えてみたい。



cdim at 15:12コメント(0)トラックバック(0) 
 参議院選挙前の世論調査の結果が発表されている。大雑把に言えば、先月の調査に比較して、参議院選挙で自民党に投票すると答えた人の割合はやや減っており、民進党に投票すると答えた人の割合はやや増えている。他の政党は調査会社によってまちまちだ。安倍内閣支持率もやや落ちており、不支持率がやや高くなっている。参議院選を前に、安倍内閣支持率に黄色信号が点灯している。
 安倍首相は、5月末に伊勢志摩サミットを成功させた。またその後にはオバマ大統領と一緒に広島訪問を行い、「平和の安倍」というイメージまでアピールできた。タカ派のイメージが強かっただけに、オバマ大統領を広島に案内できたのは大きなボーナスだ。これで勢いがつき、一気に参議院選挙に突入するはずだった。しかし、思わぬところでマイナス要因が出た。
 まずは舛添要一氏の問題だ。これは一般の人にも分かりやすい、なじみやすい問題だったので全国的な話題をさらった。ファーストクラスとはどのようなものか、一流ホテルのスイートルームはどういものか、回転すし店で政治の打ち合わせはできるのか、中国服を着ると習字がうまくなるのか、奥多摩と湯河原はどちらが近いのか、などといった本質とはかなりかけ離れた興味を国民はそそられた。約1ヶ月の間、舛添バッシングが続き、そしてその矛先は舛添知事を擁立した自民党にも向けられることになった。かなりの支持を失った。
 また円高、株安が日本経済を脅かしている。イギリスのEU離脱の可能性が高まっている。それを警戒したリスクオフの対応によって、相対的安全通貨の日本円が買われた。またアメリカでのテロ事件もドル安、円高を進めた。久しぶりの1ドル100円になりそうな勢いだ。アベノミクスは円安、株高を誘導する政策であった。それにより日本の輸出産業が活性化し、日本経済を復活させるというものだった。また円安は外国人旅行客を増やすことにもつながり、国内の需要も引き上げる効果があった。それが根底から崩れる可能性がでてきている。 
 まだ、今の段階では自民党が参議院選挙で勝利するという構図は変わっていない。比例代表で自民党に投票すると答えた人の割合は民進党に投票するという人の割合の2〜3倍だ。与党に入れると答えた人と野党に入れると答えた人の割合でもおおよそ2対1となる。かなりの差がある。しかし、この3週間で状況が変わる可能性はある。まずは、イギリスのEU離脱問題だ。イギリスがEUに残留することになれば、課題はありながらも世界のマーケットはまずは一息つくことになる。逆にEU離脱が決まるなら、市場のちょっとした混乱が起きるかも知れない。さらに円高、株安となる可能性がある。その場合には自民党にはマイナスだ。国民投票は6月23日。参議院選挙のその直前の公示日は6月22日だ。参議院選挙に与える影響はある。
 テロなどの事件は微妙だ。そうした事件は経済にマイナスの影響を与えるので政権与党にはマイナスだが、大きな事件が起きると、安全志向から自民党支持が一気に増えるということもある。
 東京都知事選の候補者も大きなポイントになる。自民党も民進党もイメージが良く、アピールできる候補者を選びたい。国民の関心は参議院選よりも都知事選に向いてしまったとさえいえる。誰が候補者として擁立されるのか、かなり重要な要素になる。
 メディア各社の世論調査の結果である。

========================================
日テレ調査 2016617() 619()

参議院選比例代表で投票する政党
自由民主党(34.6%

民進党(15.7%

公明党(4.8%

日本共産党(5.2%

おおさか維新の会(1.5%

社会民主党(1.2%

生活の党と山本太郎となかまたち(0.3%

日本のこころを大切にする党(0.0%

新党改革(0.1%

その他(0.1% 

投票しない(9.4%

わからない、答えない(26.9%
------------------------------------------------------

内閣支持率 43.3% 不支持率 39.5%
========================================
時事通信調査 2016610(613(月)

政党支持率
自由民主党(24.7%

民進党(6.3%

公明党(3.7%

日本共産党(1.5%

おおさか維新の会(1.6%

社会民主党(0.6%

生活の党と山本太郎となかまたち(0.2%

日本のこころを大切にする党(0.1%

新党改革(0.1%
支持なし(59.3%

------------------------------------------------------

内閣支持率 46.1% 不支持率 34.0%
======================================

読売新聞調査 2016617(619(日)

参議院選比例代表で投票する政党
自由民主党(35%

民進党(12%) 

公明党(7%

日本共産党(4%

おおさか維新の会(7%

社会民主党(1%)

生活の党と山本太郎となかまたち(1%)

日本のこころを大切にする党(1%)
元気(0%) 

新党改革(0%)
決めていない(26%)

答えない(7%)  

------------------------------------------------------

内閣支持率 49% 不支持率 38%
======================================
朝日新聞調査 2016618(土619(日)

参議院選比例代表で投票する政党
自由民主党(38%

民進党(15%

公明党(7%

日本共産党(6%

おおさか維新の会(4%

社会民主党(2%

生活の党と山本太郎となかまたち(1%

日本のこころを大切にする党(0%
元気(0%) 

新党改革(0%
その他(2%)

答えない・わからない(25%) 

------------------------------------------------------

内閣支持率 45% 不支持率 36%
======================================
毎日新聞調査 2016618(土619(日)

参議院選比例代表で投票する政党
自由民主党(30%

民進党(14%

公明党(5%

日本共産党(6%

おおさか維新の会(5%

社会民主党(1%

生活の党と山本太郎となかまたち(1%

日本のこころを大切にする党(0%
元気(0%) 

新党改革(-)
その他(5%)

支持政党はない(34%) 

------------------------------------------------------

内閣支持率 42% 不支持率 39%
======================================


cdim at 12:16コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月19日

 蓮舫氏は都知事選に出馬せず、参議院選に出馬することを公表した。基本的に東京選挙区からの出馬の予定通りということだ。
 様々な要素がある。まず第一に都知事選の後出しジャンケン有利説である。蓮舫氏が都知事選の出馬を表明したら、自民党は当然のことながら、蓮舫氏に勝てる候補者を擁立してくる。それが誰かは確定できないものの、橋下徹氏、櫻井俊氏、小泉進次郎氏などが擁立されたら、やはり強そうだ。かなりのリスクがある。蓮舫氏が都知事選に出馬して、負けると、参議院選挙でも貴重な1議席が失われることになる。それでなくても民進党は厳しい選挙戦である。与党で参議院3分の2を阻止するためにも1議席たりとも失いたくない。
 また東京都知事は呪われたポジションと言われるまで、スキャンダルが続いた。スキャンダル探しも他の選挙よりも厳しく行われる可能性がある。これまでにも蓮舫氏も菅内閣の行政刷新相として初入閣した2010年6月に発覚した「事務所費」問題や覚せい剤問題で逮捕された元社長との交際などで週刊誌に書かれたことがある。今度の都知事選は舛添氏の疑惑の後の選挙となる。非常にリスクの高い選挙だ。
 蓮舫氏は9月に改選のある民進党代表選を目指しているという報道もある。この真偽は横に置くとして、確かに蓮舫氏が民進党代表となるのは可能性があることだ。この参議院選挙で民進党が47議席を超えることはまずありえない。30議席を超えることも非常に難しい。私の予想は26議席としている。競り合いの選挙区を勝ち取っても30議席に届くか届かないかというところだろう。ほぼ確実に岡田代表の責任問題が浮上する。岡田代表は党首にしがみつくような政治家ではないので、9月で辞任し、代表選には再出馬しない可能性が高いだろう。とすれば、蓮舫氏、長妻昭氏、枝野幸男氏、安住淳氏らの名前が挙がることになるのだろう。インパクトから言うなら蓮舫氏は有力だ。
 問題は、蓮舫氏は参議院議員だということだ。民進党は野党第一党で、基本的には政権奪取を目指さなければならない立場だ。参議院議員でも首相には制度上なれるが、衆議院の解散権を持つ首相にはこれまで参議院議員からはなっていない。
 蓮舫氏が党首となるのであれば、衆議院解散総選挙の際には参議院議員を辞めて、衆議院選挙に出馬する体制をとっておくことが望まれる。参議院の選挙区での出馬だと、蓮舫氏が辞任すると民進党の議席が少なくなる。比例代表であれば、民進党の候補者が繰り上がり当選となる。また蓮舫氏の知名度で比例で票をたくさんとってくれるなら、最後のぎりぎりの1議席を増やすこともありえる。
 都知事選においても、蓮舫氏が比例での議席を持っているなら、最後の最後まで出馬の可能性があるかも知れないと自民党も策を練りにくい状況に置かれる。
 このように考えると、都知事選に出馬しない場合でも、比例代表選に出馬し、議席を確保するというシナリオは十分ありうる。参議院選の公示日は6月22日。ぎりぎりまで検討が続けられることになるのだろう。


 


cdim at 11:47コメント(0)トラックバック(0) 
 小沢一郎氏はかつては自民党の有力政治家で、いつかは確実に総理大臣の座に就くと言われた。敏腕幹事長としてまさに日本の政界の中心にいた政治家だ。1993年には非自民連立政権を成立させるという離れ業も行った。新進党、自由党の中核を担いながら浮き沈みを経て、民主党に合流。民主党でも中心的役割を担ったが、結局、小沢チルドレンといわれた議員らを引き連れて離脱した。その時に同調した国会議員の数は50人であった。国会の中でも無視できない重要な勢力であった。「国民の生活が第一」から「日本未来の党」、「生活の党」、「生活の党と山本太郎となかまたち」へと政党の形態と名前を変えながら、今日に至っている。

 小沢氏の政治手法については評価が分かれる。その実力は多くの人が認めながらも、創造と破壊を繰り返し、結局は不信を買い、政治勢力としても縮小を続けた。現在、「生活の党と山本太郎となかまたち」(以下、生活の党)は国会議員は衆議院議員2名、参議院議員3名の5名である。それも政党要件に必要な5名を確保するために山本太郎氏を入れての数字である。
 この参議院選挙は政党要件を守ることができるかどうかの重要な選挙になる。この参議院選挙では2議席が改選となる。国民的な人気を誇ったオリンピックの金メダリスト谷亮子氏も改選にあたるが、生活の党からの出馬は見送った。自民党からの出馬を調整中だという。そうなるとまず比例での1議席の獲得の可能性はない。もう1議席は岩手選挙区選出の主濱了氏の議席であるが、主濱氏は引退を決めた。2人の現職議員が党を離れることになった。
 岩手選挙区は小沢氏のお膝元。かつてなら圧倒的な基盤で小沢氏が推薦する人なら悠々と当選したのであろうが、最近はそうはいかない。主濱氏の後継には木戸口英司氏が出馬を決めているが、野党の統一候補という位置づけで無所属からの出馬となる。まずは、当選するかどうか。そして当選したとして、生活の党の議員となるかどうか、その場合にはいつなるか、が問題となる。
 また当選の可能性があるのが、新潟選挙区の森裕子氏。こちらも野党の統一候補として無所属での出馬になる。
 改選議席を除くと、衆議院の議席が2、参議院の議席が1であるから、改選議席の2をなんとか確保したいところだ。つまり、岩手選挙区の木戸口氏と新潟選挙区の森氏が当選し、今年中に生活の党の議員となれば、5名が確保できることになる。どちらの選挙区も激戦だ。選挙予想も分かれている。私はどちらの選挙区も自民党候補者が当選すると予想しているが、激戦だけにちょっとした「風」で結果は変わる。できれば2議席を確保したいところだが、少なくとも1議席を確保して、また年内までに無所属議員を1人を一本釣りというところだ。2議席ともだめなら、生活の党の存続そのものが厳しくなるかもしれない。
 この場合には、残る議員は小沢氏のほかは、山本太郎氏と玉城デニー氏となる。反原発、反米軍基地の主張が明快な議員だ。社民党との合流もありえる。
 小沢氏も74歳になっている。年齢を考えると次の総選挙に出馬するかどうか、際どいところだ。これで政界引退ということを条件に民進党に吸収されるという選択肢もある。
 いずれにしても、この参議院選挙は生活の党、というか、小沢一郎氏の政治の歴史をどのように終わらせるかにおいて非常に重要なものとなりそうです。

cdim at 11:06コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月18日

 社民党があぶない。この参議院選挙はまさに生き残りをかけた選挙になりそうだ。社民党の吉田忠智党首は今年の2月21日に党大会終了後の記者会見で、今夏の参院選について「現有議席数を上回る3議席以上を目標に闘いたい」と述べている。現有議席は2であるからさらに増やそうというのである。しかし、社民党の勢力は選挙ごとに落ちている。かつては日本社会党の流れを汲む政党であり、野党の重要な一角を占めていた。というか、日本社会党から社民党への名称変更したときは、自社さ政権の一角を占めていたのだ。
 しかし、どんどんと議席数を減らし、今では衆議院議員2名、参議院議員3名の小世帯になった。
 今度の参議院選挙では2つの改選議席がある。この2つの議席は、吉田忠智党首と福島瑞穂副党首の議席なのだ。多くの参議院選挙予想では、社民党の議席は1となっている。比例で1を獲得するというものだ。この場合には党首と副党首のいずれかが落選ということになる。知名度からすると福島氏の方が有利であり、党首の落選ということも十分に考えられる。
 それよりも選挙予想で獲得議席数0というのもある。私の予想は社民党は1議席としているがこれもぎりぎりのところ。最近あまりに社民党の露出が少なくなっている。野党の露出自体が少ないが、それでもぎりぎり露出をしているのは民進党と共産党。社民党はほとんどメディアに取り上げられることはなくなった。しっかりした支持母体があるわけではない。これまでは平和と人権の熱烈な支持者のもとにやっと政党の体をなしてきたと言える。しかしその支持者もかなり高齢化した。社民党の選挙事務所をみるとその支持者の高齢化に驚かされるときがある。数人の高齢のおじいさんががんばって活動をしている。それはそれで素晴らしいのだが、このままでは年々、活力が弱まるのは当然だ。すでに瀕死の状態にあるのだ。
 さて、もしこの参議院選挙で1議席も獲得できなかったら本当に生き残れるかどうかの瀬戸際に追いやられる。なんといっても社民党の顔と言える党首と副党首の選挙なのだ。おそらく1議席はなんとかなるのではと思いながらも、1議席も取れない可能性も否定できない状態だ。
 政党要件としては、3年前の参議院選挙の比例代表選挙で2%以上を獲得しているので、今回の選挙で2%を超えることができなくても少なくとももう3年間は政党要件をクリアできる。さらに小世帯になっても政党要件を満たした政党として活動を続けることはできる。仮に1議席を獲得できても全体では国会議員としては4議席しかない。選挙で0議席であれば、3議席しか残らない。もう政党として活動を続ける限界に近づいていると思える。そろそろ次の道を考えるほうがいいと思う。民進党への吸収合併か、生活の党との新党結成だ。
 いずれにしても、この参議院選挙で1議席でも獲得できるのかどうかは、非常に大きなポイントだ。この1議席獲得で、社民党の生き残りが決まるといっていいくらいだ。全国の関心が舛添要一東京都知事の問題に行きながら、東京都議会に社民党議員がいないので、社民党としての存在感を見せることができなかった。共産党が存在感を示したのと対照的だ。参議院選挙で1議席を獲得できるかどうか、ぎりぎりの戦いになりそうだ。 



cdim at 22:24コメント(0)トラックバック(0) 
 参議院選挙が近づき、各政党の重点政策が出揃ってきた。一時期は「マニフェスト」という言葉が飛び交ったものだが、民進党でさえほとんどマニフェストという言葉を使っていない。選挙公約をマニフェストに変えたら日本の政治は良くなる、という主張があった。しかし結局はそうした言葉遊びでは政治の本質は変わらなかった。選挙公約と言おうとマニフェストといおうと重点政策というと構わない。政治の方向性を明確にし、具体的な政策が掲げられ、そしてそれが実行されること。これに尽きる。
  自民党、公明党、民進党、共産党などの重点政策をみてみた。共産党はこれまで同様、方向性は明確であり、また政策も具体的で明快だ。それを実際に実行したらどうなるか、については評価は分かれるだろう。政権を実際に担うポジションにまでなると当然、修正はあるだろうが。
 問題は、自民党、公明党、民進党の間でそれほどよく違いがわからないことだ。
 まずは自民党の重点政策をみてみよう。

自民党重点政策 〜この道を。力強く、前へ。〜
*「景気の好循環」を、さらに加速
*世界の中心で動かす外交
*一億総活躍社会へ
 ●GDP600兆円の実現を目指します
 ●一億通りの輝き方を支援します
 ●地方創世の実現を目指します
 ●災害に強い国づくり

 驚かされるのがトップのイメージ写真にオバマ大統領と安倍首相が広島の慰霊碑の前で握手している写真が使われていることだ。安倍首相はタカ派とみられ、好戦的という批判がある。このイメージ写真は「積極的平和」をアメリカと実践する自民党という印象を与える。ある意味、凄い。
 そして、ほとんど安全保障問題について書いていない。細かくみてみると確かに防衛政策も書いてあるが、ほとんど目立たないくらいの記述だ。「世界の中心で動かす外交」という括りの中に入るのかもしれないが、そこでは伊勢志摩サミットの写真やプーチン大統領との対話の写真などが載っている。素晴らしいイメージ戦略だ。ちなみに憲法改正についてはほとんど書かれていない。

 公明党はかなりわかりやすく文章で書かれている。

公明党重点政策 〜希望がゆきわたる国へ。〜
1.景気に力強さを。実感を「地方」「中小企業」「家計」へ
2.若者・女性が活躍できる希望社会へ
3.安心できる社会保障実現へ
4.平成28年熊本地震、東日本大震災からの復興へ
5.安定した平和と対話の対外関係
6.政治改革と行財政改革

 安定した書き方だ。ここではたと考えてしまう。民進党の重点政策と公明党の重点政策と何が違うのだろうか。公明党の重点政策1はまさに景気の回復を地方、中小企業、各家庭にまでゆきわたらせることである。ほぼ民進党のものと重なる。民進党は経済発展においての教育の役割をもっと強調しているというくらいの差だ。5の安定した平和と対話の対外関係も民進党の外交政策とかなり重なる。イメージと表現の違いくらいしか違いがよくわからない。

 民進党の重点政策は、安倍政権を意識してアベノミクスの失敗と憲法改正を阻止すべきという主張に焦点をあてている。

民進党重点政策 〜 人からはじまる経済再生。〜

1.ふつうの人から 豊かになる経済
2.チルドレン・ファースト  子ども第一
3. 働く人を守る、 働き方を変える
4.女性の声で 社会を変える
5.シニア世代の 安心を守る
6. 次世代に ツケをまわさない
7.地域経済を 立て直す
8.被災地復興と 防災力の強化
9.国を守り、 世界に貢献する
10.憲法の 平和主義を守る
11.国民の自由と 人権を守る

  民進党は安倍政権を意識しているものの、具体的な方向性、政策で決定的な違いが分かりにくい。1では経済政策について書いている。配分のあり方も問題にしているが、これを実際に実行するなら税制の問題も根本から変えなければならないだろう。北欧型の福祉国家を目指そうというのだろうか。それなら高負担も当然考えなければならない。個々の経済政策の多くは自民党や公明党の政策とかなりは重なる。9の安全保障問題も日米関係の深化を主張しながら集団的自衛権には反対というのであれば、もっと明確に防衛イメージを作って欲しいと思う。民進党は野党で、いわば挑戦者。方向性をもっと明らかにしてもらいという気持ちはある。

 この点、共産党の方向性は明確だ。

共産党重点政策
目標1 野党と市民の共闘を成功させる
目標2 日本共産党の躍進
重要政策
1.安保法制=戦争法廃止、立憲主義の回復、安倍改憲を許しません
2.格差をただし、経済に民主主義を――三つのチェンジを訴えます
 *第1のチェンジ――税金の集め方を変える
 *第2のチェンジ――税金の使い方を変える
 *第3のチェンジ――働き方を変える

3.TPPに断固反対します―― 食の安全・安心と地域経済に責任を持つ政治に

4.原発ゼロの日本に、再生可能エネルギー先進国をめざします

5.基地のない平和な沖縄を―― 米軍新基地建設押しつけを中止します

6.女性の尊厳、人権の保障、自由と民主主義を発展させます

7.災害から国民の生命と財産を守る政治に


 目標1に野党と市民の共闘を成功させるとある。野党の連携を重視している姿勢がうかがえる。かつての共産党とはかなり違うというイメージだ。安全保障、格差是正、TPP、原発、米軍基地などについてもはっきりとした方向性がある。

 残念なことは、こうした「重要政策」はほとんど有権者の目に触れることがないということだ。各政党のホームページを訪れてかなり読み込むくらいしかない。私はできれば公開討論会でこうした各政党の政策をしっかりと国民に訴えて欲しいと思っている。
 政策なき選挙は不毛だ。もうすぐ告示になる。そうすれば名前の連呼と握手が中心の選挙戦に突入する。政策よりもイメージ、マニフェストよりも笑顔が勝負になる。特に自民党、公明党、民進党の政策には突っ込みどころが満載だ。 重要なポイントが隠されていたり、誤魔化されていたりする。それだけにしっかりと議論をする場があり、国民も一緒になって考える機会が必要だ。



cdim at 16:19コメント(0)トラックバック(0) 
 リオ・オリンピックが間近に迫った。50日を切り、あっという間に開会式を迎える。ブラジルの政治状況は不安定であり、私は5月、6月に大規模な反政府デモなどがあり、社会的な混乱があることを危惧してきた。ワールドカップ前にも大規模な反政府集会があり、開催への影響が心配された。ワールドカップの時よりもはるかに経済状況は悪く、また政府関係者らも収賄容疑があるので、さらに大きな反政府デモの可能性があった。昨年の春にも大規模な反政府集会があったし、今年の3月にもかなりの大きさの反政府集会があった。一歩間違えれば、オリンピックの開催もできなくなるような社会的な混乱が起こりえたのである。
 経済の低迷や国営石油会社ペトロブラスをめぐる汚職事件などでルセフ大統領の支持率は10%前後に落ち込み、国民の不満は爆発寸前にまでなった。政治混乱が社会混乱につながる可能性もあった。しかし、ブラジル上院は5月にルセフ大統領に対する弾劾裁判の開始を賛成多数で決めた。ルセフ氏は最大180日間の停職となり、大統領府を去った。弾劾裁判の間はテメル副大統領が暫定政権を率いることになり、国民の不満が爆発する寸前で、政治に「変化」があった。とりあえずの期待を持つことができる状態になったのだ。
 実際に大規模な反政府デモは起こらず、このままリオオリンピックは開催される予定となった。多くの人がほっとした。
 しかし問題が解消したわけではない。リオオリンピック開催には多くの課題があり、運営を不暗視する人も多い。
1)続く政治の混迷
 テメル暫定政権が発足した後も、政治の混迷は続く。ジュカ企画・予算管理相、シルベイラ透明性・監察・監督相が次々と辞任に追い込まれた。6月16日にはアルベス観光相も辞任となり、あっという間に3人の大臣が辞めたことになる。オリンピックが近づく中、こうした重要閣僚の辞任は仕事の混乱と停滞を招く。テメル暫定大統領自身にも容疑がかけられる状態となり、テメル暫定政権はまともに機能しない状態に陥りつつある。こうした政治の混乱は経済にも大きく影響する。ルセフ大統領が停職となり、テメル暫定政権ができた時には市場には期待感があった。しかしその期待感も今では失望感に変わりつつあり、景気はさらに落ち込む状態になっている。そして暫定政権は民衆の支持も失うことになる。テメル暫定大統領の支持率は11%。すでにルセフ大統領の低い支持率とほぼ同じレベルになった。これでは、病める国ブラジルを立て直すことはできない。
 オリンピック直前にテメル暫定大統領への疑惑が本格的に浮かび上がったらどうなるのか。大きなリスクを抱えた状態でのオリンピック開催となる。
2)資金不足
 リオデジャネイロ州は17日、深刻な財政危機による非常事態に直面していると宣言したことが報じられている。急激な経済悪化は税収を激減させた。リオデジャネイロ州もリオデジャネイロ市も財政状態は悪化している。リオデジャネイロ州は約190億レアル(約5700億円)の財政赤字状態にある。州職員に加え、警察官や教師らの給料を払えない状況が続いている。機能不全に陥っているのだ。国がこれを支えなければならないが、国の財政も逼迫している。それに加えて、上記の政治混乱。オリンピックを成功に導くための、病院、交通、治安管理などの予算がない。開催中は相当な混乱が予想される。

3)治安
 決定的に重要なのは治安の問題だ。今、ブラジルでは失業率が急上昇している。特に若者の失業率は高く、26%といわれる。実に4人に1人は失業中だ。ブラジルは治安の悪い国として知られてきたが、経済の成長とともに大きな改善が見られてきた。特にワールドカップ、オリンピックを開催するにあたり、治安の改善は最優先課題であった。しかし、景気が落ち込むにつれて、治安の悪化が目立ってきている。それを取り締まる警官にも給料の保証がない状態となると、状況はどんどんと悪化する。オリンピック開催時には多くのVIPが訪れている。テロ対策もしなければならない。当然、治安維持がおろそかになる地域も出てくる。観光客どころか、オリンピック選手を警護することさえ完全とは言えなくなる。
4)交通渋滞
 予算の枯渇によって交通機関の整備も遅れた。オリンピック会場への重要なアクセスとなる地下鉄の建設工事も大幅な遅れとなっている。大会の直前に完成ということになっているが、それさえ怪しい。もしできあがっても、いきなりのぶっつけ本番。そのぶっつけ本番の舞台が外国人観光客で溢れかえるオリンピックとなる。滞りなく営業される可能性の方が低いと言える。幹線道路は慢性的な渋滞となっている。聖火台などがある港湾地区にアクセスする路面電車の開通も延期された。バス高速輸送システムの工事も遅れている。普通なら無理をしてでも間に合わせるということになるのだろうが、予算の枯渇によって間に合わない可能性がある。そうなると選手、観客、マスコミ関係者の移動に支障がでるかもしれない。選手が間に合わず、不戦敗ということさえ考えられる。
5)医療・ジカ熱対策
 医療機関も資金不足のためにフル稼働できない状態だ。ブラジルではジカ熱の問題もある。万全の対策をとらなければならないのだが、こうした状態だから、十分な対応ができるかどうかわからない。ホテルは満杯以上の状態で人が溢れかえっている。医療体制は万全でオリンピックを迎えたいところだが、これも厳しいところだ。
 とにもかくにも、リオリンピックが開催できそうなのは素晴らしいことだ。ただ今の状態だとかなりの混乱はありそうだ。
 私が危惧しているのはオリンピック後のブラジルの混迷だ。今の状態だと政治、経済、社会の混迷はまだまだ続く。オリンピックの後に相当な社会混乱があるのではないかと危惧している。潜在力のある資源大国ブラジル。低迷から抜け出し、希望の国となったように思えたこれまでの10年。しかし、一歩間違えると、また混迷の国に戻るかもしれない。


cdim at 12:43コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月17日

 東京都知事選は7月14日告示、7月31日投開票に決まった。参議院選挙は6月22日告示、7月10日投開票となっている。選挙期間は重なりはしないが、近い日程であり、相互に影響しあう。
 参議院選挙は国政選挙であり、東京都知事選は自治体の首長選挙だ。規模としても圧倒的に参議院選挙が大きいのだが、今回は情勢が違う。舛添要一都知事の不祥事が延々とメディアを賑わし、全国の注目を集めた。参議院選挙はあまり取り上げなくても、舛添都知事の問題は、ニュースもワイドショーも、バラエティさえ取り上げた。そして高視聴率だったという。まず、新たに決まる東京都知事は、リオ・オリンピックの閉会式で五輪旗を受け取るというパフォーマンスを行う。晴れ舞台だ。それに4年の任期が終わるとすぐに東京オリンピック。選挙とオリンピックの準備の関係から、今回の選挙で選出される知事が次の4年も知事職にとどまる可能性が高い。つまり今回の選挙は東京オリンピックの顔を選ぶ選挙でもある。参議院選挙よりもはるかに国民の関心が集まっている。もっと参議院選挙に関心が集まらなければならないのだが。。。。
 参議院選挙がなければ、舛添知事はおそらく謝罪と報酬カットなどで知事を続けることができただろう。舛添氏を擁立した自民党と公明党も、できれば任期までは知事にとどまらせたいというのが本音だったろう。せめて、来年の都議選まで留めさせて、同時選挙というシナリオもあった。しかし、このまま舛添氏が知事に留まると参議院選挙に影響があることから、一気に辞任の流れができた。
 問題はこれからの候補者選びだ。この候補者も参議院選挙に大いに影響しそうだ。東京都知事選は告示が7月14日であるが、政党公認か推薦の候補者が決まるのはそれよりももっと早い時期になる。民進党と他の野党は蓮舫氏の擁立を模索しているようだ。自民党と公明党は誰を擁立するのか。これは非常に重要になる。自民党と公明党の与党は舛添氏問題で、かなりのダメージを受けた。東京都知事の「セコイ」問題は国政の問題にほとんど関係することがないが、なんといっても関心度が高かった。参議院選挙の各地の選挙区では、野党は憲法改正問題やアベノミクス問題よりも舛添知事問題に触れたほうがウケがいいという。憲法改正問題や景気浮揚策は、実際には非常に重要な参議院選挙の争点。しかし安倍政権は少なくとも憲法改正問題にはほとんど触れないという戦略を打ち出している。選挙と戦争は、勝てば官軍だ。結果がモノを言う。安倍自民党は与党の足並みが乱れる可能性のある憲法改正問題を棚上げして、とにかく選挙に勝つという戦略だ。小泉純一郎元首相が郵政民営化解散をした時も、大勝したら、選挙後には選挙で全くと言っていいほど議論していなかった政策をどんどんと進めた。勝利することが大切なのだ。
 野党はおそらく舛添問題を政治とカネの問題として、参議院選挙でも与党の体質を責めることになるだろう。この時に、与党がどういう人を擁立しているかが、非常に重要になる。舛添知事のイメージを一新するようなイメージの候補者を擁立できるなら、これまでの失点がほとんど消える。むしろプラスになる。
 東京都知事選は望むにしろ、望まないにしろ、浮動票の獲得が決定的だ。それに参議院選への影響も考えると、どうしてもイメージ優先の候補者選びになりそうだ。有名人の人気投票的になってきた東京都知事選への反省もあり、今度の知事には実務もしっかりとできる人を、という声は強い。しかしそれでは東京都知事選には当選しにくいのだ。参議院選への影響も考えると、どうしても知名度が高く、イメージのいい人を擁立するしかなくなる。今、名前が挙がっている小池百合子氏、石原伸晃氏、下村博文氏は、微妙なところになる。安定感があってもあっというような意外性はない。声はあまりあがらないが、小泉進次郎氏はイメージとしても素晴らしい。2年前に舛添氏を応援しなかったことも今となってはむしろ先見の明があったと言えるのかもしれない。後はニュースキャスターに乗っかるか。ただ適当な人が見当たらない。もちろん櫻井パパが出馬を決めるなら問題なし、ということになるだろうが、おそらくないのではないか。
 安倍政権にとって、参議院選挙での大勝は民進党など野党が指摘するように、憲法改正を睨んで重要なことだ。都知事選の候補者イメージが参議院選挙にも影響するだけに、あっというような候補者擁立があるのではないかと思っている。イメージのいいスポーツ選手、OBを擁立し、しっかりとした実務担当者をつけるという手もありえる。名前が報道されている松岡修造氏にしっかりとしたブレーンを2〜3人付けてチームで行政を動かすというものだ。ブレーンがしっかりしていればありうるシナリオかも知れない。
 今回は特別な状況でもある。与野党相乗りも一案になるのかもしれない。

cdim at 16:36コメント(0)トラックバック(0) 
 イギリスがEUから離脱するかどうか。重要な国民投票は6月23日である。1週間を切った。残留派が優勢と伝えられて、接戦にはなるものの、まず現状維持であろうと思われていたが、この1ヶ月の間に離脱派が勢いを増した。ついに逆転し、支持の差を広げつつある。移民に対する感情的な反発もあり、このまま離脱派が逆転の勝利か、と思われたが、16日には残留派のジョー・コックス下院議員が銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。まだ、この事件の詳細は報道されていない。こうした事件は、感情的には被害者の側にプラスに働くことが多い。殺人の理由がはっきりする必要があるが、この事件がEUからの離脱の国民投票と関連しているなら、浮動票が残留に流れる可能性が高い。最後の最後まで読めない国民投票となりそうだ。
 この国民投票での論点は主として3つ。まずは経済への影響だ。イギリスの産業は弱体化している。その中で群を抜いて強いのが金融業だ。ロンドンは世界の金融市場の中心的役割を担っている。イギリスがEUに加盟していることによって、金融機関はロンドンに拠点を置けば、EU内の国々で許認可を求められることなく、自由なビジネス展開ができる。こうした自由なビジネス展開に規制がかかる可能性がある。ただ、EUに加盟していることによってこれから導入される予定の金融取引税などがかかる。EU離脱がすべて金融業界にマイナスというわけでもない。製造業は弱体化しているもののEU市場をにらんだ外資系企業が活動をしている。日本からもトヨタや日産など自動車工場が進出している。EUを離脱すると、made in UKには関税がかかることになる。イギリスでの生産の優位性が揺らぐ。すぐには撤退しないものの、投資は減る可能性が高い。
 もう一つのポイントは移民・難民の問題だ。EU加盟国は難民受け入れを拒否できないし、移民に関してもよほどのことがなければ受け入れ拒否ができない。イギリスは社会保障の制度も優れたほうになり、移民・難民の移住希望も多い。イギリスには移民・難民が非常に多く移住してきている。彼らが争うのは労働者階級の人々だ。低賃金でも働く移民・難民はイギリスの労働者階級の人にとってみれば仕事を奪う人と映る。またイギリスの社会保障制度によって移民・難民が社会保障を受けているのを見ると「気に食わない」と感じる人もいる。それに加えて、最近はテロの恐怖もあり、「移民・難民、お断り」というムードがある。
 最後のポイントは、EUに加盟していると、ギリシャなど「オニモツ」の国の支援もしなければならない。これが嫌だと思う人は少なくない。また環境対策や共通農業規制など、イギリスだけで決めることができない規制がでてくる。
 こうしたポイントについて、富める人と貧しい人との間で明確な意見の差が出てくる。イギリスの国の貿易などにおいては富める人はEU内での自由貿易が必要だが、貧しい人にとってそうした大きな経済問題には関心がない。そもそも金を持っていないのだから、EUに留まろうと出ようと関係ないと考えているのだ。失うものがある人はEUに残るべきだと考えるが、失うものがない人にとってはどうでもいいことだ。それよりも、現実に自分の職を奪っているように見える外国人を規制する方がいいと思うのだ。
 イギリスは金融立国となった。貧富の差が激しくなり、一部の非常に豊かな金持ちと多くの貧乏な労働者に分かれた。マルクスは製造業でこの貧富の差が起こると予測したが、実際には金融資本主義でこの貧富の二極化がおきている。総じて言えば、金持ち層はイギリスがEUに残ってビジネスをすべきだと考え、貧困層はイギリスはEUから離脱して「イギリス的」社会に戻すべきだと考えている。労働者階級ナショナリズムが生まれつつある。これに火がついたら今では後者のほうが多数となっている。一気に流れができつつあるのだ。
 こうしたことから、私は最後にはEU離脱派が勝利すると考えていた。しかし、ここにきて残留派議員が殺害されるという事件が起きた。今後の展開によっては、また残留派が盛り返す可能性もある。結局は、大接戦になる可能性がある。
 日本がとやかくできる話ではないので、結果を見守るしかない。問題はイギリスがEU離脱を決めた時だ。イギリスがヨーロッパ中心主義ではない道を選択したとき、アメリカ・日本を中心とした関係を強めるのか、中国との関係を強めるのか。イギリスは香港との関係から、金融業では香港との関係が強い。アジアインフラ投資銀行にヨーロッパから最初に加盟を決めたのはイギリスであった。イギリスは外交で世界を渡り歩いてきたしたたかな国でもある。どういう方向性を打ち出すのか。イギリス・インド・日本というトライアングルの関係強化の可能性もある。
 イギリスにとっても世界にとってもイギリスのEU離脱問題は、どう転んでもリスクとチャンスが共存するわかりにくい状況となりそうだ。 

cdim at 14:04コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月16日

 舛添都知事が猪瀬前都知事に続いてカネにまつわる問題で、辞職を余儀なくされた。甘利明前経済再生担当相の“口利きワイロ”疑惑もあった。日本では、政治とカネの問題がまたクローズアップされている。

 では海外ではどうなのか。海外では両極端に分かれる。海外の多くの国では、政治とカネとの問題は日本どころの騒ぎではない。何か、日本の状況がなかなかクリーンだと感じるくらいすごい国がある。他方、政治とカネの問題に日本どころではなく厳しい国もある。北欧諸国がそうだ。驚く程クリーンな政治で、政策主体の選挙となっている。これが福祉大国を生み出したと言える。
 現在、アメリカでは大統領選挙の予備選が行われている。このアメリカ大統領選挙はとんでもない金食い虫だ。最終的な候補者になれば、最近は1000億円前後の資金を選挙に投入しなければならない。考えられないような額だ。前回の大統領選をみてみよう。非営利の政治基金調査機関(Center for Responsive Politics)のデータによると、20111月から選挙日までの22ヶ月余に両選対が集めた選挙資金は、オバマ68000万ドル、ロムニー45000万ドルが使われたされる。今、円高になったので、1ドル105円程度。オバマ氏は700億円程度で、ロムニー氏は500億円弱というところだ。さらに「特別政治活動委員会」という組織ができている。これを使って各々の陣営は宣伝などの活動もする。この費用も加えるなら、オバマ氏は118000万ドル、ロムニー氏は121000万ドルを使ったことになる。今回の選挙では、クリントン氏もトランプ氏ももっと多額の資金を使いそうだ。アメリカ大統領選挙は金まみれの選挙なのだ。金を集める力も政治家の力と思っているのだろう。清く、貧しく、正しく選挙、という感覚はないようだ。さすがに資本主義の総本山だ。
 中国も政治とカネでは凄まじい。現在、収賄事件などが次々と暴かれている。驚かされたのは、最高指導部のメンバーだった周永康・前党政治局常務委員の不正蓄財の額。彼は石油業界の実力者で、不正蓄財は19600億円であったと伝えられる。凄い。 軍のナンバー2だった徐才厚・前中央軍事委員会副主席は170億円の収賄容疑がかけられた。舛添知事の「カネ」問題とは桁が違う。0がいくつ違うのだろう。
 これと対照的なのが北欧。選挙は完全比例代表制だ。個人での選挙資金は非常に小さい。ほとんど用意していない人もいる。政治家になってももらえる報酬は公務員なみだ。贅沢ができるような政治家はほとんどいない。収賄はほんとに数万円単位でも政治家としてのポジションを失う。政策主体での選挙で、投票率は8〜9割になる。これは素晴らしい。
 海外での政治とカネの関係は、本当に多種多様、ピンキリだ。私は北欧型の政治を目指すべきだと思っている。「セコイ」といわれた舛添知事。不正の額も中国の不正と比べたらセコイものだ。だからいいだろう、ともいえない。政治と選挙のあり方を総合的に作り直して、北欧のようにカネより政策の政治を展開できるといい。

cdim at 23:50コメント(1)トラックバック(0) 

2016年06月15日

 舛添要一東京都知事が辞任を表明した。昨日の記事に早期の辞任と7月31日の選挙の可能性を書いたが、ほぼその通りになりそうだ。この場合には7月14日に告示となる。あっという間に告示となるので、この2〜3週間で候補者を決めなければならない。7月10日には参議院選挙があるので、政治家はそれどころではない状態。都知事選に有望と思われる人の中には本人が参議院選挙に立候補する予定の人もいる。そうでなくても、各地の応援に忙しくしている。相当に難しい候補者探しとなりそうだ。
 今度の都知事に求められるものは非常に多い。
1.不祥事の可能性が少ないこと
 なんといっても猪瀬知事、舛添知事と連続して不祥事があり、任期途中での交代となった。また途中での交代となることだけは避けたい。任期4年を終えるとすぐに東京オリンピック。そのまま都知事としてオリンピックを迎えてもらうほうがいいのは当然だ。4年後のオリンピック直前に本格的選挙となるのはオリンピックの準備からしても望ましいとは言えない。つまり次の8年を任せることができる人を選びたいのだ。
2.東京都の顔になれる人
 東京都知事は東京オリンピックの開催地のトップである。オリンピックには多くのVIPが世界から訪れる。そうしたVIPをもてなすことができる人材であって欲しいと願う人は多い。
3.対話型の人
 舛添知事の問題は、コミュニケーションが不十分であったことといわれる。不祥事が出たときに舛添氏をかばう人は非常に少なかった。東京都の職員の間での人気もなかったといわれる。東京都は大きく、対話だけで事務が行えるとは思えないものの、より対話ができて支援を集めることができる人に知事になってほしい。
4.与野党が総じて応援できる人
 こうした特別な状態で次期都知事を選んでいかなければならない。しかも国家プロジェクトのオリンピックを控えての重要な時期にだ。東京都議会は現在は自民党が圧倒的多数を占めているが、自民党・公明党が推した舛添知事の辞任を受けての選挙であり、一方的に主導権を持つのは望ましくない。
5.知名度があること
 東京都の選挙は、 知名度の選挙とさえ言われる。巨大な首都圏での選挙であり、浮動票が非常に多い。選挙に勝つには少なくともある一定の知名度が求められる。与野党が統一候補で官僚を推薦しても、もっと知名度があるタレントが出馬するとタレント候補が勝利することも考えられる。タレント候補などは告示の数日前に決断して、一気に選挙戦に入っても勝ち目がある。地道な選挙活動より、知名度がはるかに重要な選挙地域だ。
6.優れた経営能力
 東京都の事業は多岐にわたり、また事業の費用は国家なみに大きい。全くのお飾りでは対応できない。かなりの知識、見識、実行能力が求められる。
 このように考えると、東京都知事に求められるものは非常に多様で、ベストの人を見つけるのは困難だとわかる。だから、もう少し舛添知事に続投してもらって、時間をかけて有力候補者を探そう、ということでもあった。しかし、舛添氏が辞任という事態になった以上、ベターな人を選んでいく必要がある。
 現在、候補者になりうる人としてあがっている名前を書いてみよう。ちなみに1か月前にもポスト舛添知事の可能性の人について書いている。「舛添東京都知事の今後の展開〜ポスト舛添知事の顔ぶれは?」http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160518-00057828/


*小池百合子
*石原伸晃
*下村博文
*小泉進次郎
*蓮舫
*橋本聖子
*丸山珠代
*橋下徹
*東国原英夫
*片山さつき
*櫻井俊
*安藤優子
*羽島慎一
*古舘伊知郎
*池上彰
*辛坊治郎
*宮根誠司
*関口宏
*櫻井よしこ
*東京都副知事

 上記の様々な条件を全て満たすことはできない。現在のところ、小池百合子氏、下村博文氏、石原伸晃氏、丸山珠代氏らが有望視されている。自民党から現職議員が複数出馬することはまずないので、自民党内での調整となる。小泉進次郎氏がその気になるなら、当選しそうだ。自民党内部での了解がとれるかどうか。自民党の現職議員からの出馬であれば、当然、野党は反発する。できれば政治家以外からの擁立をしたいところだ。
 野党にもあまり有力な候補者がいない。民進党では蓮舫氏の名前が挙がるが、彼女は7月10日の参議院選挙に立候補予定である。参議院選挙をやめて、都知事選に出馬というのは考えにくい。また都知事選となると民進党から勝利するのはかなり厳しい。櫻井俊氏の名前もあがっている。本人が決断すれば、与野党が相乗りでき、また嵐の知名度から当選しそうだ。本人が決断するかどうか、にかかる。橋下氏は有望視されているが、都議会との対立の可能性もありリスクを孕む。自民党の中でも評価が分かれる。野党は嫌がるだろう。しかし、そうしたことを考えずに前に進むのが橋下流。自民党に担がれるのではなく、本人がやりたい、と思ったら出馬を決断するかも知れない。そうすると非常に強い候補者になる。ただ、荒れる都議会の可能性は残る。
 有名なキャスターは名前が挙がる。しかしレギュラー番組を持っている人がほとんどで、現実的に出馬しそうな人はいない。池上氏などは都民も納得、政党も支持しやすい人であろうが、前回も出馬しなかった。今回もまずないだろう。
 東京都副知事の一人を与野党の相乗りで担ぐという案もある。しかしこうした手法には反発も来る。有力な対応馬が出馬を決めれば、こうした相乗りは一気に崩れる。特に浮動票の多い東京都ではとりにくい路線だ。
 今のところ、小池百合子氏、下村博文氏、石原伸晃氏、丸山珠代氏のいずれかが出馬を決めて、選出されるのではないかと予想される。東京都知事は呪われたポストとさえ言われ始めた。この呪いを解くのは誰か?意外な人が急に出馬を決めて、一気に当選するというシナリオもある。今後の展開を待つしかない。


cdim at 17:59コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月14日

 舛添都知事は辞任しない、という見方が多かった。しかし世論の厳しい批判を受けて、都議会の与党も野党も不信任決議を提出する構えになり、一気に辞任の流れができた。野党は、参議院選挙もあり、強硬な姿勢を貫いている。与党が同調しなくても不信任決議案を提出する予定にしている。こうなると、自民党、公明党もそれを否決すると批判が自分に返ってくる構図になった。舛添知事問題は都議会の中の問題にとどまらず、国政にも影響する。つまり、不信任案が野党から提出され、それを自民党、公明党が否決すると参議院選挙に悪影響が出る可能性が高い。それなら、与党も不信任案を提出するしかない情勢だ。
 舛添知事を庇う勢力はほとんどなく、与党、野党から不信任案が提出されるなら可決される。自民党と公明党は不信任案には賛成しないだろうという舛添知事の読みは外れた。
 不信任案が可決されると10日以内に議会解散をするか、辞任するかを選択しなければならない。今回の場合、議会解散をすることはまずありえない選択肢だ。政策の違いでの不信任決議であれば、議会の解散をする大義はあるが、今回は知事の資質の問題。つまり今のままであれば、辞任に追い込まれるのはほぼ確実となった。
 知事がとることができるのは、不信任案が出る前に辞任を選択することである。自ら辞任するほうが追い詰められての辞任よりはいいだろう。
 となると、6月14日、15日にも辞任の可能性が高まった。辞任となると、それから50日以内に選挙をしなければならない。都知事選の告示期間は17日であるから、無理をすれば参議院との同日選挙もないことはない。あまりに日程がきついので無理かもしれない。しかし、8月5日のリオ・オリンピックの開会式までには可能だ。
 今、議論されているのは、4年後の東京オリンピックの問題だ。東京オリンピックの最中に選挙となるとさすがに支障をきたすことになる。東京オリンピックの日程は、2020年7月22日からサッカーの試合が始まり、開会式は7月24日で閉会式は8月9日となっている。都知事の選挙は、任期満了前の30日以内となっている。
 仮にこの7月10日に都議会選挙となれば、4年後の選挙は2020年7月10日の30日前から行うことができる。7月31日に選挙となっても2020年の7月上旬に行えばいいので、オリンピックに重なることはない。
 つまり、舛添知事がすぐに辞任するなら、早ければ7月10日、遅くて7月31日の選挙で、オリンピック問題は解決されることになる。候補者選びに時間が必要なので、7月31日の都知事選になるのではないだろうか。
 こうなったら、一日も早く舛添知事が辞任して、リオ・オリンピックに新知事が行けるようにし、東京オリンピックに選挙が重ならないようにするのも一案となった。おそらくこの路線でいくしかないのでないか。
 逆に遅くさせるなら、舛添知事の主張するようにリオ・オリンピックの後で辞任し、4年後は東京オリンピックの後に選挙というスケジュールになる。リオオリンピックの閉会は8月21日であるが、その後、パラリンピックも開催される。この閉会式は9月18日だ。舛添知事が9月末での辞任届を書いた上で、議会に不信任決議案を出さないで欲しいとお願いし、議会が了承する必要がある。今の状態ではほぼ無理のようだ。また、舛添知事が次期の東京オリンピックの主催者の顔としてリオデジャネイロに行くことをよしとない都民も多いだろう。
 私は来年6月の都議会議員選挙とのダブル選挙が最もいいと書いた。「舛添要一都知事の今後の展開〜都知事選は来年6月の都議会選とのダブル選挙か?」http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160607-00058556/

 これは次の候補者選びなども考えるといい案だとは思う。しかし今の状態だととうていもう1年待つことはできないようだ。それならば、早いほうがいい。問題は、ただ一つ。いい候補者がいるかどうか。

cdim at 12:26コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月13日

 2016年参議院選挙の中国・四国地区の選挙区の予想をしてみる。この地域は自民党の牙城で、圧倒的な強さを誇っている。多くの選挙区で1議席の定数であるために、自民党がほとんどの議席を獲得しそうだ。2議席の定数は広島のみ。ここに民進党が食い込める程度だ。一時期は民主党も力をつけていたが、民主党政権での失敗からまた一気に自民党王国に戻った。

岡山(1)
 ◎小野田紀美(自民)
 ▲黒石健太郎(民進)
  田部雄治(幸福)

 自民党は公募で立候補者を決めた。自民党が有利な状態で、番狂わせは考えにくい。民進党の黒石氏は元参議院議長の江田五月氏の後任としての位置づけ。現在の民進党の岡山での勢いからすると厳しい戦いとなっている。

広島(2)
 ◎宮沢洋一(自民)現
 〇柳田稔(民進)現
 ▲灰岡香奈(おおさか維新)
 ▼高見篤美(共産)
  中丸啓(日本のこころ)
  佐伯知子(幸福)

 広島選挙区の定員は2で、自民と民進が分け合う構図だ。おおさか維新の会も広島では支持が増えているので番狂わせがないとは言えない。ただよほどのことがなければ、宮沢氏と柳田氏ということになりそうだ。

鳥取・島根(1)
 ◎青木一彦(自民)現
 ▲福島浩彦(無所属)
  国領豊太(幸福)

 島根県、鳥取県は自民党王国。自民党現職の青木氏の優位は揺らぐことはない。野党からの推薦を受ける福島氏がどれだけ支持をえることができるか。

山口(1)
 ◎江島潔(自民)現
 ▲纐纈厚(無所属)
  河井美和子(幸福)

 山口県は安倍首相のお膝元。さすがに取りこぼしは許されない。纐纈氏は元山口大学副学長でもあり、浮動票も取れそうだ。江島氏も万全の体制とは言えないが、有利な戦いであることは確かだ。

徳島・高知(1)
 ◎中西祐介(自民)現
 ▲大西聡(無所属)
  福山正敏(幸福)

 徳島と高知の合区になっての選挙となる。どちらにおいても自民党が強く、現職の中西氏は優勢な戦いとなっている。弁護士の大西氏はどこまで反安倍政権票と浮動票をまとめることができるか。合区となったこともあり、選挙区が広く、無所属新人としての戦いは容易ではない。

愛媛(1)
 ◎山本順三(自民)現
 ▲永江孝子(無所属)元衆
  森田浩二(幸福)

 愛媛も自民党が強く、現職の山本氏が有利な戦いである。元衆議院議員の永江氏は、南海放送のアナウンサーの経験もあり、知名度がある。選挙前に自民党に逆風が吹けば、逆転の可能性もある。

香川(1)
 ◎磯崎仁彦(自民)現
  田辺健一(共産)
  中西利恵(幸福)
 
 民進党は香川選挙区での擁立を取りやめた。しかし共産党田辺氏への推薦も見送ることになった。1人区では唯一、共産党の公認候補となる。自民党は強く、現職の磯崎氏は圧倒的な優位にたっている。

 

cdim at 14:28コメント(0)トラックバック(0) 
 2016年参議院選挙の関西地区の選挙区の予想をしてみる。この地域はおおさか維新の会の影響力も強く、他の地域とかなり異なった状況になっている。激戦が予想され、ちょっとしたことで結果が変わることがある。予想しづらい地域といえる。

京都(2)
 〇二之湯智(自民)現
 〇福山哲郎(民進)現
 ▲大河原としたか(共産)

 京都選挙区は2議席で、自民と民進が分け合う構図だ。現職は強く、この構図を変えるのは容易ではない。京都は共産党も強い地域であり、大きな差があるわけではない。共産党もできれば一角に食い込みたいと活動をしている。

大阪(4)
 ◎松川るい(自民)
 ◎浅田均(おおさか維新)
 ◎石川博崇(公明)現
 △高木佳保里(おおさか維新)
 ▲尾立源幸(民進)現
 ▲渡部結(共産)
  数森圭吾(幸福)
  佐野明美(無所属)

 大阪は定数は4。松川氏、浅田氏、石川氏は安定した戦いをしている。4つ目の議席をめぐって熾烈な争いとなっている。大阪におけるおおさか維新の会の圧倒的な強さからすると、高木氏がやや優勢なところか。知名度がない状態であり、民進現職の尾立氏、共産の渡部氏と最後の椅子を争う。民進党は関西地域で弱体化しており、厳しい戦いだ。大阪においては共産党はかなり強い地盤を持っている。高木氏を脅かす存在である。おおさか維新の会の2名への票の振り分けがうまくいかなければ、渡部氏が滑り込む可能性は十分にある。

滋賀(1)
 ▽小鑓隆史(自民)
 ▲林久美子(民進)現
  荒川雅司(幸福)

 滋賀選挙区は定数1を自民党新人と民進党現職で激しく争う。滋賀においても民進党の衰退が起きている。現職の林氏がどれだけ浮動票を獲得できるかがポイントになる。小鑓氏も知事選を戦ったこともあり、知名度はある。どちらにころんでもおかしくない状況だ。滋賀における今の党勢からして僅差で小鑓氏が勝つと予想。

兵庫(3)
 ◎末松信介(自民)現
 〇片山大介(おおさか維新)
 △伊藤孝江(公明)
 ▲水岡俊一(民進)現
 ▲金田峰生(共産)
  湊侑子(幸福)

 兵庫は定数が2から3へと増えた。自民党現職の末松氏とおおさか維新の会の片山氏は安定した戦いで、当選圏にいる。公明党の伊藤氏も優勢な戦い。最後の議席をめぐって民進党現職の水岡氏と共産党の金田氏らが争う。民進党も2010年のころの勢いは全くない。水岡氏は現職ながら厳しい戦いを強いられている。民進党は水岡氏の議席を失うと兵庫での今後の展開も難しくなる。

和歌山(1)
 〇鶴保庸介(自民)現
 ▲由良登信(無所属)
  西本篤(幸福)

 和歌山は自民王国とも言われた地域。鶴保氏は二階氏の支援も受け、強力な体制で選挙に臨む。由良氏は弁護士で、共産党、社民党、生活の党が推薦する。民進党は候補者擁立を断念しているが、由良氏を告示までに推薦するかどうかは不明。野党間の連携には温度差があり、自民党の牙城では厳しい戦いだ。浮動票をどこまで取り込むことができるか。







 

cdim at 12:12コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月12日

 2016年参議院選挙の東海地区の選挙区の予想をしてみる。もともと民主王国といわれた愛知や三重も最近は自民党に議席をかなり奪われた。民進党にかつての勢いはない。野党の選挙協力が効果を発揮するかどうかがポイントだ。特に三重選挙区は1議席をめぐって互角の戦い。注目される。

愛知(4)
 ◎藤川政人(自民)現
 〇斎藤嘉隆(民進)現
 〇里見隆治(公明)
 ▽須山初美(共産)
 ▲伊藤孝恵(民進)
  奥田香代(減税)
  井桁亮(日本のこころ)
  平山良平(社民)
  中根裕美(幸福)

 愛知選挙区は定数が3から4に増えた。公明党は里見氏を擁立し、かつて保有していた議席の奪還を試みる。自民党は公明党との選挙協力の視点からも現職の藤川氏に絞った。藤川氏と里見氏は安定した戦いになっている。民進党は2議席を狙って、2人の擁立を決めた。かつては民主党王国と言われたが現在はその勢いはない。2議席の確保は厳しいとみる。共産党の須山氏と民進党の伊藤氏が激しい戦いを繰り広げる。

静岡(2)
 ◎岩井茂樹(自民)現
 ◎平山佐知子(民進)
 ▲鈴木千佳(共産)
  江頭俊満(幸福)

 静岡選挙区は定数が2で自民党と民進党が分け合う構図。ほぼ無風状態だ。共産党の鈴木氏がどこまで迫ることができるか。

三重(1)
 ▽山本佐知子(自民)
 ▲芝博一(民進)現
  野原典子(幸福)

 超激戦区になっている。三重県はかつては民主王国と呼ばれた。岡田克也民進党代表の県でもあり、ぜひとも現有議席の確保をしたいところ。しかし前回の参議院選挙では、自民党新人であった吉川有美氏が、民主党の現職であった高橋千秋氏に5万票以上の差をつけて勝利している。三重県はサミットの会場にもなったが、この国際的イベントも基本的に政府主導で自民党のポイントとなっている。鈴木知事も自民党からの知事である。選挙予想では芝氏優勢とみるものもあるが、大接戦を山本氏が制すると予想。

岐阜(1)
 ◎渡辺猛之(自民)現
 ▲小宮山幸治(民進)現
  加納有輝彦(幸福)

 岐阜選挙区の定数が2から1に減り、民進党現職の小宮山氏が厳しい状況におかれた。2議席あったときは、自民党と民主党で議席を分け合い、無風状態であった。1議席となるともともと自民保守の地盤である岐阜では、自民党候補者が有利な戦いになる。




cdim at 16:36コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月11日

 2016年参議院選挙の関東地区の選挙区の予想をしてみる。複数定数が多く、2人区以外は予想はかなり難しい。しかも浮動票が多い。政党も消えたり、合流したりしているので過去のデータも当てにならない部分がある。予想しにくい選挙区が多い。選挙前のちょっとした変化が結果を大きく変えることがある。東京都の舛添知事の問題もあり、与党の対応がまずいとみられると、自民党の有力候補も落選ということさえありうる。

茨城(2)

 ◎岡田広(自民)現
 ◎郡司彰(民進)現
  小林恭子(共産)
  武藤優子(おおさか維新)
  中村幸樹(幸福)

 無風といっていい選挙区だ。定数2を自民党と民進党で分け合うケース。よほどのことがなければ番狂わせは考えられない。

栃木(1)
 〇上野通子(自民)現
 ▲田野辺隆男(無所属・野党統一)
  三橋明美(幸福)

 元文部科学省政務官の上野通子氏が優勢だ。自民党の基礎票もあり、また旧みんなの党の票もかなりは取り込める形だ。

群馬(1)
 ◎中曽根弘文(自民)現
 ▲堀越啓仁(民進)
  安永陽(幸福)

 群馬は自民党の保守王国。中曽根氏も当選回数を重ね、自民党内でも重鎮のクラスに入っている。よほどのことがない限り番狂わせはなさそうだ。

埼玉(3)

 ◎関口昌一(自民)現
 〇大野元裕(民進)現
 〇西田実仁(公明)現
 ▲伊藤岳(共産)
  沢田良(おおさか維新)
  佐々木知子(幸福)

 埼玉選挙区は定数3。現職が3人で優位に立つが、共産党の伊藤氏が一角を狙う。民進の大野氏は、おおさか維新の会の沢田氏にどのくらい票を奪われるかもポイントになる。大野氏や西田氏の票が伸びなければ、伊藤氏が滑り込む可能性も否定できない。

東京(6)
 ◎中川雅治(自民)現
 ◎蓮舫(民進)現
 ◎竹谷とし子(公明)現 
 〇山添拓(共産) 
 △朝日健太郎(自民)
 △小川敏夫(民進)
 ▲田中康夫(おおさか維新)
 ▲松田公太(元気)現
 ▼横粂勝仁(無所属?)
  鈴木麻理子(日本のこころ)
  増山麗奈(社民)
  
 東京選挙区はまだまだ立候補者は増えそうだ。舛添都知事の不祥事があり、刺激された人が立候補を決断するというパターンがありそうだ。これが知名度の高い人だと、ぎりぎりの立候補表明でも滑り込みの当選もありうる。浮動票が多い選挙区だけに最後まで油断はできない。5の定員が6になり、現職にとっては追い風だ。中川氏、蓮舫氏、竹谷氏、山添氏などは優勢な戦いだ。朝日氏はどれだけ浮動票を集めることができるかにかかる。かなり報道もされたので、優位にあると考えられる。舛添知事の不祥事問題と自民党の責任が影響するかどうか。男子バレーがリオの切符をとっていたらプラスになったのだが。。元スポーツ選手やタレントが出馬したらぎりぎりの戦いになる。民進の小川氏は苦しい戦い。最後までわからないのが東京選挙区。

千葉(3)
 〇猪口邦子(自民)現
 △元栄太一郎(自民)
 △小西洋之(民進)現
 ▲水野賢一(民進)現
 ▲浅野史子(共産)
  古川裕三(幸福)

 千葉選挙区も激戦となっている。定数3に自民が2、民進も2、それに共産党も出馬予定だ。猪口氏は知名度もあり、当選圏内としても、あとはかなりの激戦となる。特に民進党から2名の同時当選は厳しい状況であり、小西氏と水野氏との争いとなる。
 
神奈川(4)
 ◎三原じゅん子(自民)現
 〇三浦信祐(公明)
 〇浅賀由香(共産)
 △金子洋一(民進)現
 ▲中西健治(自民推薦)現
 ▲真山勇一(民進)現
  丹波大(おおさか維新)
  森英夫(社民)
  壱岐愛子(幸福)
  片野英司(諸派)
  佐藤政則(無所属)

 神奈川選挙区は非常に予想が難しい。三原氏は当選圏にあるが、後は確実という状況ではない。三浦氏は有利な展開。浅香氏と金子氏がやや優勢といえるが、中西氏と真山氏も十分に可能性がある。民進は2つの議席をなくすという可能性もある。

山梨(1)
 △高野剛(自民)
 ▲宮沢由佳(民進)
 ▼米長晴信(無所属)
  西脇愛(幸福)
  
 旧民主党の重鎮であった輿石東副議長が勇退し、混戦となっている。宮沢由佳氏が後継としての位置づけを得ている。自民党は高野剛県議を復党させての擁立となる。どちらにも決め手はない。輿石氏がいなくなれば、結局はもとの自民党保守の体質が選挙を決めるのではないかと予想。米長氏が出馬すると宮沢氏の票を食う可能性もあり、ぎりぎり高野氏が接戦を制すると読んだ。








cdim at 08:38コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月10日

 2016年参議院選挙の北海道・東北の選挙区の予想をしてみる。かなりの激戦区だ。選挙前に空気が変わると、逆転となる選挙区が多い。東北は1人区が多いので、野党の選挙協力がどこまで効果があるかも重要なポイントだ。

北海道(3)
 ◎長谷川岳(自民)現
 〇徳永エリ(民進)現
 〇柿木克弘(自民)
 ▲鉢呂吉雄(民進)元衆
 ▲森英士(共産)
  森山佳則(幸福)
  飯田佳宏(無所属)

 北海道は3人に定員が増えた。自民党も2名、民進党も2名の立候補者の擁立を図る。長谷川氏は強いと考えられるが、残りの2議席を徳永氏、柿木氏、鉢呂氏、森氏で争う。徳永氏と柿木氏が競り勝つと予想。

青森(1)
 〇山崎力(自民)現
 ▲田名部匡代(民進)元衆
  三国佑貴(幸福)

 青森は1議席を山崎氏、田名部氏が激しく競り合う。山崎氏と田名部氏は激戦を繰り広げるが、山崎氏が逃げ切ると予想。

岩手(1)
 △田中真一(自民)
 ▲木戸口英司(統一・生活)
  石川幹子(幸福)

 田中氏と木戸口氏の激戦区。岩手は小沢王国であったが、かつての勢いはない。もともとは自民保守の地盤であり、自民の田中氏が接戦を制すると見る。

秋田(1)
 〇石井浩郎(自民)現
 ▲松浦大悟(民進)元
  西野晃(幸福)

 自民党現職の石井浩郎氏と民進党元職の松浦大悟氏が激しく戦う選挙区。松浦氏は野党統一候補となっている。結局は現職が逃げ切るか。

山形(1)
 △月野薫(自民)
 ▲舟山康江(無所属)元
  城取良太(幸福)


 この選挙区も激戦となっている。舟山氏は無所属で統一候補というスタンスで戦う。月野氏の名前がどこまで浸透するか。小差で月山氏が逃げ切ると予想。

宮城(1)
 △熊谷大(自民)現
 ▲櫻井充(民進)現
  油井哲史(幸福) 


 宮城選挙区は定数が2から1へと減った。自民党と民主党とで分け合っていた静かな選挙区が一気に激戦区に変わったのである。熊谷氏が自民党の安定力で活と予想した。

福島(1)
 △増子輝彦(民進)現
 ▲岩城光英(自民)現
  矢内筆勝(幸福)
 
 福島は現職同士の戦いになる。もともと定数は2であったが、前回選挙から1に減っている。ここも激戦。福島は民主王国と言われた地でもあり、共産党との選挙協力も実現したことから、増子氏が競り勝つと予想。僅差になる可能性が高い。

cdim at 20:21コメント(0)トラックバック(0) 
 来る参議院選挙では「1人区」にて、民進、共産、社民、生活4党による候補者一本化が実現することとなった。「1人区」は全国で32選挙区ある。この「1人区」での勝敗が、与党・野党の勝敗に大きく影響する。「2人区」のほとんどは、自民党候補者と民進党候補者がそれぞれ選出される可能性が高い。「3人区」以上は微妙で、自民党が2議席以上のところもあるが、その他に民進党、公明党、共産党、おおさか維新の会などが議席を分ける。そもそも「3人区」以上はたくさんないので、大勢が動くことはない。
 「1人区」での民進党と共産党の選挙協力は話題になっている。まずは、どれだけ効果があるか、である。注目されたのは4月に行われた衆議院北海道5区補欠選挙である。町村氏の娘婿で自民党の和田義明氏には公明党と日本のこころが推薦についた。そして野党統一候補として無所属新人の池田真紀氏が擁立されたのである。北海道5区は町村氏の牙城。池田氏では勝負にならないと思われたのが、まずまずの接戦に持ち込めた。とは言っても、1万2000票差で自民党の和田氏が勝利した。池田氏に対しての民進党と共産党の選挙協力がどれだけ効果があったかは見解が分かれるところだ。
 実際に効果を図るのは容易ではない。共産党の基礎票はある一定、存在する。しかし選挙協力をしたからといって、民進党基礎票にそのまま共産党基礎票が上乗せされるとは言えない。民進党支持者には保守層もかなりいる。また浮動票で民進党に票を入れていた人の中には、共産党との選挙協力ということで票を入れなくなる人も少なからずいる。プラスもあれば、マイナスもあるのだ。票数だけをみれば、プラスの方がやや大きいのではないかと思われるが、選挙の支援のパワーを考えると微妙な部分もある。民進党を支持し、資金支援もしていた人が支援から遠のくこともある。足し算だけでなく、引き算もあるのだ。
 それよりも重要なのは、民進党の方向性の問題だ。民進党の前身の民主党の成立には、様々な政治志向の人が関わった。自民党的保守ではなく、非自民的保守の政党をつくろうとした人が主流と言えた。実際に自民党から別れて、民主党を作った政治家は多い。現在の民進党党首の岡田克也氏ももともとは自民党議員だ。二つの保守政党を作り、二大政党化させるという意図を持っている人はかなりいたし、今もいる。 もちろん旧社会党の流れから合流した人も少なくない。保守とリベラルが共存する政党となっている。
 民進党の方向性が今、するどく問われている。選挙協力だけはするが、政策の方向は異なる、というのが果たしてどこまで通用するのか。やはり、選挙協力をするというのは、大きな方向性は共有する必要がある。つまり、民進党が共産党と選挙でタッグを組むということは、保守の二大政党化路線をやめて、保守の自民党に対抗するリベラル、社会民主主義的な政党を目指すという変化が求められる。多くのヨーロッパの国ではこうした二大政党化、あるいは二大政党ブロック化が確立している。これは民進党にとって重要なポイントだ。民進党には連合がバックについている。リベラル方向に舵を切るのは可能だ。
 今のところ、こうした肝心な部分の議論は棚に置かれて、とにかく選挙という現実での協力だけを優先させるということのようである。党内の合意を取るだけの時間がないということとというよりも、今の状態では合意が取れない、ということだろう。 
 民進党は現在、重要な政策で方向性がみえない。民主党政権時代に掲げた消費税増税にも微妙な立場、自らも進めたTPPにも微妙な立場、安全保障政策にも微妙な立場である。これで、立場の明快な共産党とタッグを組むのはかなり難しい。
 私はどちらかの方向を明確に選択する時期に来ていると思う。自民党に対抗するリベラル政党として福祉社会、大きな政府、平等社会、平和を志向する政党方向を明確にして、共産党とも主な政策を共有できる政党となるか、共産党との選挙協力は限定的なものだけにして、自民党とは異なる保守政党を目指すのか。
 今回の選挙ではこうした方向性が全く見えない。議論を避けているとさえみえる。 今の状態では、「1人区」で野党連合が勝利する選挙区は非常に限定されているだろう。私の予想では数える程しかない。
 参議院選挙の後の議論が重要となるだろう。この参議院選挙では民進党は勝てないだろう。現有議席を相当に減らすことになるだろう。さあ、どうするか。本当は選挙前にやってほしいことだが、今となっては無理だろう。これからの10年を決める方向性の激しい議論が選挙後にありそうだ。この議論がないような政党では、本当に万年野党にしかならないだろう。 

cdim at 18:13コメント(1)トラックバック(0) 

2016年06月09日

 参議院選挙が近づいてきた。全国で青年会議所を中心に公開討論会が企画されている。前回の2013年参議院選挙では47選挙区で54回の公開討論会が開催された。2010年の参議院選挙では、43選挙区で63回の公開討論会が開催された。今回の参議院選挙において現時点で企画されているのは33ヶ所である。今、まだ実現へ向けて準備を進めているところもあるので、まだまだ増えそうだ。今回も同じくらい、いやもっと多くの公開討論会が開催されてほしいものだ。
 公開討論会は、候補(予定)者や政党がどのような政策を持っていてどのように実現するつもりかを語ってもらう数少ない機会だ。日本では選挙前になると候補者の名前の連呼や握手攻め、選挙カーでの手振りばかりになる。政策の内容はほとんど語られることはない。これで本当にいいのか、と思ってしまう。少なくとも公開討論会を実現して、そこで候補(予定)者にはたっぷりと政策を語っていただきたい。
 有権者にとっても、様々な候補(予定)者が出席し、中立の立場から開催される公開討論会は行きやすいイベントだ。特定の候補(予定)者の後援会に行くと、色眼鏡で見られることもある。その候補者や政党の支持者とみられるので慎重にならざるを得ないことがある。公開討論会であれば、そうしたリスクもない。多くの人に足を運んでもらいたいと思う。
 リンカーン・フォーラムでは今回の参議院選挙での公開討論会に向けてのプロジェクトを組んでいる。1ヶ所でも多くの場所で公開討論会を開催してほしいからだ。公開討論会は様々な形態があるが、最近は、自己紹介(各3分程度)、3〜4のテーマでの討論[3分程度の各候補予定者のスピーチ+10〜12分程度の自由討論]、まとめのスピーチ(各3分程度)で行われることが多い。テレビ番組のようにやじが飛んだり、相手の発言を遮ったり、激論となったりすることはほとんどない。各候補予定者の政策をしっかりと語る会という感じになる。
 重要なのは討論テーマの選択だ。
 リンカーン・フォーラムでは討論テーマ案を提案している。これらから3〜4を選択して、立候補予定者に討論してもらうのである。これらの討論テーマは基本的に、今回の参議院選挙の争点とも言える。紹介してみよう。

【日本国憲法について】

日本国憲法の改正については、様々な意見があります。改憲すべきか、護憲であるべきかという論議だけでなく、改憲する場合にはどの部分をどのように変えるのかも、議論していただきたいと思います。

 

【日本経済について】

アベノミクスに対する評価を踏まえて、今後の経済政策について議論していただきます。アベノミクスの評価できる部分とできない部分などについて議論とともに、経済の発展のための具体的な政策を提起していただきたいと思います。

 

【消費税について】

安倍首相は消費税の増税2年半の延期を決めました。景気のためには意味があるという人もいますし、財政再建が遅れることを危惧する人もいます。この是非についても語っていただきたいと思います。

 

【エネルギー政策について】

東日本大震災における原子力発電の事故によって、エネルギー政策は大きな転換期に至っています。原子力発電所の再稼働をどうするかという選択を迫られています。また他のエネルギーをどのように活用するかという課題もこれからの日本にとって大きな問題です。

 

【外交・安全保障政策について】

日本の安全保障政策は岐路にあります。特に、中国、韓国、北朝鮮などの東アジアの平和の維持は緊急の課題となっています。尖閣諸島や竹島などをめぐる問題も顕在化してきています。日本はどのような安全保障政策を作っていくべきなのでしょうか。

 

【子育て・教育政策について】

未来の世代をつくることは日本にとって重要な課題です。少子化が進む中、子育ての環境を充実させることが求められています。また、国際教育、情報教育、人間性教育などに取り組み、より高いレベルの人材育成をすることも大切です。どのような子育て・教育政策を提案されているのか、議論してもらいます。

 

【財政再建について】

日本の財政状況は、国においても自治体においても非常に厳しくなっています。累積赤字が大きくなる中で、財政再建は大きなテーマとなっています。税金をあげるなどして収入を増やすことや、景気を活性化して収入を増やすことは一つの方向です。また合理化により支出を減らすことも一つの方向です。どのような形で財政再建を考えられるでしょうか。

 

【年金・医療・介護などの社会保障制度について】

少子高齢化の進行とともに高齢者の割合は非常に高くなっています。年金、医療、介護の問題は、財政とも絡んで、大きな社会問題となっています。持続可能な年金制度の構築、安心できる医療・介護のシステムの構築はこれからの日本において重要な課題です。

 

【地域創生について】

多くの地域で、過疎化と少子高齢化が進んでいます。農業や林業、漁業の不振とともに、地域は疲弊しています。地域創生は待ったなしの課題となっています。安倍政権も地域創生には取り組む姿勢を見せていますが、この政策をどのように評価されるでしょうか。今後の地域創生のあり方を議論していただきます。

 

【防災政策について】

熊本地震が起き、今も避難所で生活している被災者もいらっしゃいます。九州だけではなく、関東や東海地域でのさらに大きな地震の可能性もあります。日本どこでも地震被害の可能性があります。また、地震だけでなく、洪水や台風などによる被害の可能性もあります。どのような防災政策をつくる必要があると考えますか? 

 こうしたテーマで討論会を開催すると、興味深いのは政党の主張と候補(予定)者の主張が微妙に異なることがあることだ。自民党にも民進党にも意見の幅がある。それらも注意深く聞くと面白い。また、政党がしっかりとした方向を決めていないテーマもある。 改憲、安全保障、エネルギー問題、TPP、経済政策、消費税などについては政党も方向がぶれているところもある。ぜひとも公開討論会を各地で開催してもらい、多くの人に聞きに行って欲しいと思う。国民が政治に関心を持つこと。これは政治がよくなるための基本中の基本だ。

cdim at 22:17コメント(0)トラックバック(0) 
 7月10日に投開票が予定されている参議院選挙から選挙権年齢は「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられる。選挙権年齢の引き下げは、1945年の終戦直後に「25歳以上」から現行の「20歳以上」となって以来、70年ぶりとなる。多くの他の国では18歳から投票権を持つというのが多い。191カ国の中で176ケの国や地域で18歳までに選挙権が認められている。OECDの中では、18歳までに国民に選挙権を与えていないのは日本と韓国だけであった。実に遅い対応と言える。
 ちなみに16歳で選挙権を得れるのは、ブラジル、キューバ、ニカラグア、オーストラリア、東ティモール、キルギスである。17歳は、北朝鮮、インドネシア、スーダンである。
 逆に21歳以上にならないと選挙権を得れない国もある。21歳以上は、オマーン、クウェート、パキスタン、レバノン、サモア、トンガ、フィジー、シンガポール、マレーシア、モルディブ、ガボン、コート日ぼワールである。アラブ首長国連邦は選挙権は25歳からとなっている。イスラム諸国が目に付く。
 いずれにしても日本で今度の選挙から選挙権年齢が18歳に引き下げられるのは歓迎すべきことだ。18歳、19歳の有権者数は現在、240万人とされる。
 この選挙権年齢の引き下げの意味について考えてみよう。
 まず、若者の意見を政治に生かすことにプラスになることが挙げられる。少子化が進む中で、若者の数は減っていく。そして若者の投票率は非常に低くなった。60歳以上の高齢者の投票率と比較すると相当な差になる。選挙は勝たなければならない。そうなると、大票田を意識した政策アピールをするしかないのだ。高齢者の数が多く、投票率も高いとすると、その層をターゲットにした政策を展開するしかなくなる。候補者に聞くと、子育てが大切だ、教育が大切だ、若者が生き甲斐を感じる社会を作りたい、などを言う。しかし、政治家はそれを本気で取り組まないのだ。年金を大切にする、医療を充実する、高齢者福祉を充実する、などといった政策の方が票に結びつく。日本の教育や子育て環境が劣化してきたのには、若者の数の減少と投票率の低下が影響している。デパートで客層に応じた品揃えをするように、投票者層に応じた政策が展開されてきたといえる。240万人の若者の有権者数の増加は多少は、状況を緩和させる。ただ投票率は高くはならないだろうから、気休め程度の効果といえようか。
 権利と義務は表裏一体の関係といわれる。これから若者への「義務」が重くなる。大きな財政赤字がある中で、景気が急に上向くとは考えられない。高齢者比率がますます増える中では、医療費や社会保障費の負担は増加していく。つまり若者世代は大きな負担をしていかなければならない。なのに、投票権もないというのでは、おかしいという議論になる。投票率が低いのは投票に行かなかったものの責任としよう。選挙権年齢を下げたことによって、国は「堂々と」若者に負担増を押し付けることができるのだ。
 投票に行けるということで、政治意識が少しは高まるのではないかともいわれる。これも効果の一つではある。しかし、これまでに選挙権のある人の政治意識も低い。投票に行けるから政治を考えるようになるだろう、というのは0ではないにしても、大した効果が期待できるわけではない。
 つまり、選挙権年齢が18歳に引き下げられるのは、当然のことで、歓迎すべきことだ。だが、それで状況はほとんど変わらないということだ。若者を含めた国民が本当に政治に参画できる仕組みを作ることが最も大切なことだ。選挙、選挙というけれど、選挙で政治が変わると思っている人はあまりいない。私は選挙と選挙の間が最も重要だと思っている。その間に、どれだけ社会づくり、地域づくりなど政治に実際に参画できる仕組みを作るか、が決定的に大切なのだ。
 日本では政治家が政治をするものだと思われている。政治家はろくな政治をしない。政治は国民がするものだ。私は北欧に6年間住んでいたが、普通の人が国や自治体の政策に直接的に関わり、NGOが政策を動かす力を持っていたことに驚かされた。だから国政選挙の投票率は8〜9割だ。政治を政治家任せにしていない。
 来る参議院選挙。私は、最も重要なポイントは、国民とともに政治を作りたいという姿勢を持った政治家を選ぶことだ。国民が政治参画できる仕組みと政治文化を作ること。これが実行できれば、おのずと投票率は上がっていく。そうした新たな政治ができることを願っている。今の日本では、この単純なこともあまりに遠い夢となっている。 

cdim at 14:06コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月08日

 地球温暖化対策にむけて、昨年、新たな枠組みとして「パリ協定」ができた。それに批准する姿勢をインドが示し、パリ協定の早期発効が現実的になった。パリ協定の発効には批准国の排出量の合計が世界全体の55%を超えることが要件となっている。
 世界の中でCO2排出量が多いのは、1位)中国、2位)アメリカ、3位)インド、4位)ロシア、5位)日本、6位)ドイツ、7位)韓国、8位)カナダ、9位)イラン、10位)サウジアラビアとなる。ちなみに中国は世界の排出量の約28%、アメリカは約16%、インドは約6%、ロシアは約5%、日本は約4%となる。上位の3カ国はこれまでこうした枠組みには後ろ向きであったが、パリ協定に前向きな姿勢となった。ロシアも前向きと伝えられており、上位4カ国だけで約55%の排出量となる。一気に早期発効が現実的になったのである。

【単位:百万トン】

順位国名2013年
1中国8,977.09
2米国5,119.69
3インド1,868.62
4ロシア1,543.12
5日本1,235.06
6ドイツ759.59
7韓国572.24
8カナダ536.31
9イラン525.91
10サウジアラビア472.38

出典:IAE
 

 5月に開催された伊勢志摩サミットでもパリ協定の年内発効を目指すことで各国が一致している。日本は批准手続きが遅れているために批准は来年になる可能性が高い。日本は出遅れた感がある。
 一気にアメリカ、インドなどが前向きになるのには、原子力発電ビジネスが影響しているとみられる。CO2排出削減は簡単なことではない。期待されていた太陽光発電や風力発電などのいわゆる再生可能エネルギーは今の段階ではコストもかかり、政府などからの資金がなければなかなか展開していかない。すると原子力発電は福島原発事故が起きた後でもまだCO2削減のための有望な選択肢として存在している。インドマーケットには日本を含めていくつもの国が狙いを定めている。インドにとってはエネルギー確保は経済成長の重要なポイント。むしろパリ協定を批准して、海外からの支援をえる方がプラスとみたのだ。
 私はより現実的に考えるなら、石炭発電の最新化が大きな意味を持っていると考えている。インドも中国も石炭発電が電気エネルギーの主力である。インド、中国での石炭発電は効率は非常に悪い。それはとりもなおさず、CO2の大量排出に繋がっている。CO2だけでなく有害物質をあまり処理することなく排出しており、PM2.5の主な原因になっている。さらにいえば、石炭灰の問題がある。インドや中国では石炭灰をそのまま野ざらしにして貯めているところが多いようだ。これでは、風が吹けば石炭灰が飛びまくる。これもPM2.5の主原因となっている。
 日本の技術をインドに移転することは手っ取り早く現実的な改善策だ。これからインドも経済発展する中でさらにCO2の排出が劇的に増えるだろう。現実的にCO2排出や公害を減らすこと。日本ができることはたくさんありそうだ。



cdim at 16:17コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月07日

 ペルー大統領選挙が超接戦のままになっている。開票発表が止まった。
 現在発表されているのは、開票率94.2%の時点でのもの。クチンスキー氏が50.28%に対して、ケイコ・フジモリ氏は49.72%となっている。この二人の差はわずかに0.56ポイント。
 現地の専門家には、開票の残りは5.8%分しかないので、クチンスキー氏が逃げ切ると予想しているものもある。ただそう断言できない要素もある。
 今から開く主な票は、地方票、特に辺境からの票と海外在住者の票である。ここではフジモリ氏の方がやや有利と見られている。残りの票でフジモリ氏が55%、クチンスキー氏が45%となれば、ほぼ同じになる。全くわからない。
 さらに疑問票が、開票率94.2%時点で1.6%あるという。この扱いによっては一気に逆転がありうる。こうした疑問票の場合にはパターンがあって、ルールを決めるとかなりの票が動くことがある。これくらいの接戦になると疑問票の解釈で勝敗が動くこともある。こうなるともう数日、結果発表にかかる可能性がある。
 50.1%と49.9%で勝敗が決まるというような事態も十分に考えられる。あまりに接戦であれば、裁判になることさえ想定される。
 クチンスキー氏が当選した場合、まず重要なのはクチンスキー側の「和」である。政策的にはむしろクチンスキー氏とフジモリ氏の方が近い。どちらもオープン経済政策だ。しかし、クチンスキー氏は選挙戦を戦うために反フジモリ氏陣営をまとめる必要があった。第一回の大統領選挙で3位になったのはメンドーサ氏。彼女は左派に属し、政策的にはかなり遠い。つまりクチンスキー氏は反フジモリ氏の寄せ集め集団である。アルベルト・フジモリ氏の独裁的なイメージに対抗する集団の集まりであり、実際の政策の合意はない。
 そして、ケイコ・フジモリ氏とも「和」を結ぶ必要がある。勝利してもほぼ半数の人はケイコ・フジモリ氏を支持したことになる。そして議会はケイコ・フジモリ氏の人民勢力党が多数を占める。フジモリ氏との協調なしにはスムーズな政権運営はできない。しかし、選挙でクチンスキー氏は相当にフジモリ氏を批判した。正確には彼女の父アルベルト・フジモリ氏を批判した。かなりしこりは残りそうだ。
 経済面でも不安が残る。ペルーは2014年まで好調な経済成長を行った。豊富な資源は世界経済の発展とともに価値を高めた。しかしその後、資源の価格が下がり、やや厳しい状況だ。ブラジルほどのことはなく、まだ堅調といえるが、状況によっては時差で不況がやってくる可能性もある。TPPなどで新たな経済政策が可能であるが、アメリカ大統領選などの動向もある。またTPPによる日本との貿易拡大も期待されているが、これもケイコ氏が敗れた場合微妙だ。
 ケイコ・フジモリ氏が当選した時も、まずは反フジモリ派との融和が求められる。この場合には選挙でギリギリで大逆転となる。反フジモリ派も簡単に結果を受け入れない可能性がある。経済も微妙だ。ケイコ氏が最も期待されているのが治安の安定。これは産業の展開や観光産業においても絶対的な要素だ。ここはかなりクリアされるかもしれない。
 いずれにしても、今回のように大統領選が大接戦になると今後の展開が難しい。負けた陣営が諦めがつくような差が開いたほうが本当はいいのである。今後に尾を引く選挙とならなければいいのだが。 

cdim at 12:41コメント(0)トラックバック(0) 
 舛添要一・東京都知事の政治資金などについて、弁護士が調査結果を公表し、多くの支出について「不適切」と判断した。しかし、違法ではない、という結論であり、舛添都知事は今後も都知事を継続するという意思を表明した。宿泊費、飲食費、美術品代や書籍代などが調査の対象になっていたが、額は総じて大きくはなく、また政治資金規正法などには支出内容に関する規定がないということから、不適切なものと考えられるものを返金するという。しかし、都民や国民はそれですませていいのか、ということで、辞任を求める声は大きい。
 舛添氏を辞任に追い込む方法は、リコールや議会の不信任決議案などがある。リコールは東京都のような巨大都市では現実的ではない。都議会の不信任決議を決めるには、与党の自民党もまとまって不信任決議案に賛成しなければならなないが、次の適当な候補者が浮かび上がらなければ、踏み切るわけには行いかない。 さすがに舛添氏は自身への不信任決議案可決の切り返しで、議会解散をするとは思えない。ただ次の候補者が決まらない限り、やみくもに舛添知事を辞任に追い詰めても問題だ。また東京都知事に関しては、2011年に石原慎太郎氏が再選されながらも、2012年に衆議院への鞍替えで、選挙。猪瀬知事が誕生した。それから2年もたたない2014年に猪瀬知事の辞任により舛添氏が都知事に選出された経緯がある。2011年からすでに3回の都知事選を行っている。また選挙となると5年の間に4回の都知事選となる。東京都は最大自治体になるので、選挙費用も約50億円といわれる。選挙ごとに都政が停滞するデメリットも考慮すると、相当なロスといえる。
 こうしたことを踏まえて、都議会では、舛添知事を責めまくるが、とどめは刺さないというパフォーマンスに終始すると考えられる。都民の感情を鑑みると、来年の都議会選挙を前にしている議員は、都知事を厳しく攻めるポーズを見せる必要はある。与党だからかばっているとみられることは議員にマイナスになる。また自民党としては、参議院選挙を間近に控えており、相当に厳しく対応しなければ、7月の参議院選挙にも悪影響が出かねない。議員が厳しく質問し、舛添知事が謝り、まあ仕方ない、頑張ってくれ、というシナリオとなるしかない。
 では今後どうなるか。私は1年後にある都議会選挙との同時選挙になるのではないかと予想している。舛添知事がこれだけ都民からの支持を失った状態ではまともに都政の運営はできない。オリンピックを控えた中、都知事の役割は重要だ。問題は、適当な候補者を見つける時間と選挙費用などが軽くなる時期の見極めである。衆議院解散総選挙はいつになるかはわからない。解散はいきなりおこなわれることが多いので、衆議院選挙に合わせて都知事選は実質的に無理だ。しかも国政選挙と都知事選挙は東京都でしから重ならない。
 東京都議会選挙と都知事選挙のダブル選挙は十分に可能だ。あと1年あれば有望な候補者も出てくる可能性がある。自治体選挙は首長と議員が一緒に選挙されるのは好ましいと考えている。様々な経緯から選挙日が離れてしまっているところも多くなっているが、それを統一するのは自治体運営からも選挙費用からも理にかなっている。都議会が来年の都議選とのダブル選挙となるように都知事不信任案を提出すればいいのである。
 来年に選出される都知事は、オリンピックの顔となる都知事だ。オリンピックまで3年となり、準備にもちょうどいいと言える。このスケジュールでいけば、最もスムーズな運営となりそうだ。もちろん、舛添知事も再挑戦する権利がある。今の雰囲気では新しい顔が選出される可能性が高い。
 こうなると課題は一つ。舛添知事以上と考えられる候補者、そしてまた不祥事に繋がり、オリンピック前に辞任とならない候補者を探すことだ。来年の春までには適当な候補者がいることが重要だ。 

cdim at 10:49コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月05日

 参議院選挙が近づいている。その中で、自民党と民進党の勝敗ラインが重要だ。これは、安倍首相、岡田代表の選挙後の進退に関わることだ。勝敗ラインを下回れば、リーダーは責任をとらなければならない。この勝敗ラインをどこに置くか。両党とも明確にはしていない。考えてみよう。

自民党
 自民党には5つの勝敗ラインがある。
1.与党過半数
 これはまず実行できる。過半数は122議席。すでに非改選で自民党は65議席、公明党は11議席を持っている。公明党は各誌の予想で最低でも12議席を獲得すると見られている。つまり83議席があるといえる。そうなれば、自民党の議席は39議席でいいのだ。これを下回ることはどう考えてもありえない。公明党が惨敗して10議席にとどまっても41議席でいいのだから、この線はまず間違いなくクリアできる。これを勝敗ラインにおくことはまずないといえる。
2.与党で改選過半数
 自民党と公明党で改選過半数を得るというもの。61議席を自民党と公明党で獲得するのが勝敗ラインとする。公明党の議席数を各誌予想の最低の12議席とすると自民党は49議席以上で勝敗ラインをクリアだ。公明党が予想を下回っても10議席は確保できるから、自民党は51議席を獲得すればOKということになる。選挙期間中に安倍首相の重大な疑惑などが生じない限り、この線を下回ることはないだろう。
3.自民党単独で過半数
 今のところ、これを勝敗ラインにおくという見方が有力だ。改選50議席から7増となる57議席を獲得し、27年ぶりの単独過半数を実現するということだ。私の予想は自民党62議席獲得だからクリアだが、各誌の予想は微妙だ。57議席を下回る予想をしているところもある。世界の景気が急に落ち込むということなどがあれば、下回ることも可能性0ではない。しかし、私はまずこのラインは下回らないとみている。
4.自民党単独で改選議席の過半数
 これは結構、高いラインになる。つまり61議席を獲得するということだ。私の予想は62議席獲得だからこの線もクリア。実際にはこの線をめぐる戦いになると思われる。無所属で当選後に自民党に入ると想定されている1議席を考慮すると、現実的には60議席がラインになる。私の予想の62議席は個人的には控えめな数字。私の予想としてはこれもクリアできるだろう。
5.改憲派で3分の2以上
 与党の自民、公明に加えて、おおさか維新の会、日本のこころ、で3分の以上を獲得できれば、改憲に向けて大きなステップとなる。改憲4党で78議席が必要だ。自民党が61議席を獲得できれば、公明党、おおさか維新の会、非改選の日本のこころで、十分に3分の2には達するだろう。無所属の動向もあり、実際にはさらにラインは下がる。自民党単独の57議席を獲得したら、公明党やおおさか維新の会が予想程度の議席を獲得するなら、この線をクリアすることも考えられる。
 このように考えると、自民党敗北のシナリオはまず考えにくい。これから選挙までに特別なことが起きるかどうか、だけだ。考えれることとしては、リーマンショックなみの世界経済の落ち込み、安倍首相の重大問題、閣僚の相次ぐ不祥事などだろうが、可能性は低い。

民進党
 民進党はかなり微妙だ。改選議席数が大きいのがネック。どう考えても民進党が大勝ちすることはないので、勝敗ラインをどう決めるかが非常に難しい。
1.改選議席数以上
 普通に考えれば、改選議席数以上を獲得しないと勝利とは言えない。 民進党の参議院改選議席数は、無所属となっている旧維新の党の参議院議員を入れると47議席。3年前の前回の参議院選挙では獲得した議席数はわずかに17議席なので、まず不可能な数字だ。本来なら野党で過半数以上といった威勢のいい言葉も出したいところだが、それは夢のまた夢。47議席さえ、ありえない数字だ。
2.民進党だけの改選議席数以上
 旧維新の党の参議院議席を考えなければ42議席が改選議席数だ。これをクリアすればまずは勝利宣言を出してもおかしくはない。ただこれもハードルは高い。ありえないと見る。
3.自民党単独での改選議席の過半数を阻止
 かなり現実的な線として、自民党単独での改選議席の過半数を阻止というラインがある。自民党が57議席を下回ったら、自分の党の議席数はともあれ、ぎりぎり勝利というラインである。このラインをクリアする可能性はある。しかしその場合でも民進党の議席数は減らしているから、岡田代表の継続が可能かどうか、微妙なところだ。
4.32議席、または30議席
 あまり意味はないが、改選議席数の47と非改選議席数の17を足して2で割ると32になる。これも容易ではない。私の予想はかなり下回る。民進党だけの改選議席数の42と非改選議席数の17を足して2で割ると29.5議席。つまり30議席以上でなんとなく、よくやったという感じが出る。実はこのラインさえ厳しい。このラインを超えると岡田代表の継続の議論が出るだろう。
5.25議席
 この数字も意味はないが、現実的にはこれが勝敗ラインになる。この線を下回るとさすがに民進党敗北という見出しが躍るだろう。これでも現有議席数をかなり下回るので厳しい批判がくるだろうが、これ以上であれば、実際にはかなり善戦といえるだろう。
6.17議席
 3年前の議席数の17議席を勝敗ラインにおくという人もいる。前回の選挙は民主党(当時)としては大敗北の数字。これを勝敗ラインにしては厳しい。日本維新の党との合流もあった。かなり上回らなければ、勝利宣言をしたら笑い話にされる。20議席以下であればまず敗北としかいいようがない。
 民進党は厳しい。30議席以上にならなければ、岡田代表の辞任が現実的になりそうだ。最低でも25議席以上は必要といえる。まあ、一寸先は闇というのが選挙。今とのところは、安倍首相継続、岡田代表辞任のシナリオであるが、この1ヶ月強でどう変わるか。


cdim at 11:35コメント(0)トラックバック(0) 

2016年06月04日

 参議院選挙が近づいてきました。衆参同時選挙の可能性もありましたが、結局、熊本地震などの影響もあり、参議院単独選挙となりました。選挙区の顔ぶれも揃ってきました。私の予想は自民党が大勝するというものです。6年前にはまだかなりの議席を獲得した民進党(当時は民主党)はやはり大幅に議席を減らすことになります。
 各誌の予想をみてみると、自民党は44〜65議席、公明党は12~14議席、民進党は、23~45議席、共産党は5~11議席、おおさか維新の会は5~8議席、生活の党は0~3議席、社民党は0~2議席というところです。

児玉の予想(2016年6月4日現在)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

自民党  62議席(比例20議席)総計127議席

公明党  13議席(比例 7議席)総計24議席

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

おおさか 7議席(比例 5議席) 総計12議席

こころ  0議席(比例 0議席) 総計3議席

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

民進党  26議席(比例12議席)総計43議席

共産党  11議席(比例 7議席)総計22議席

生活の党  0議席(比例 0議席) 総計1議席

社民党   1議席(比例 1議席) 総計2議席

日本を元気 0議席(比例 0議席) 総計2議席

無所属   1議席(比例 0議席) 総計8議席

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



cdim at 16:16コメント(0)トラックバック(0) 

2016年05月30日

 1990年代から2010年くらいまでは中国は未来の国だと皆が中国へと走った。そして最近になると、中国の危機が叫ばれ、一方的な悲観論が目に付く。あまりの変容ぶりだ。中国は5000年の歴史を持つ国であり、今なお13億人が暮らす世界最大の国である。時代によって当然、浮いたり沈んだりする。しかし中国は中国だ。一方的な悲観論も一方的な楽観論もあまり意味がない。短期的な視点に囚われるのでなく、中期的な視野を持ってバランスをとりながら付き合う姿勢が必要だ。

 日本も1960年代から70年代にかけては波乱の展開であった。安保闘争や反ベトナム戦争の運動が活発化し、公害に国民は苦しんだ。誰もどうなるかわからない状態であった。1973年のオイルショックを契機に日本は高度成長期から中度成長期に移った事は歴史の事実である。オイルショック後、政府は様々な政策を発動し、国家の成長率の低下を受け入れつつ安定した社会を作り出し、工業生産と環境保護を両立させて来た。急激な復興景気の副産物である公害問題もこの時期をピークに落ち着きを取り戻し始めた。

 現在中国経済の専門家達は口を揃えて、中国という大国の高成長時代は終焉し日本のバブル崩壊のような危機が訪れると悲観論を展開しているが、日本でもオイルショック後からバブルの崩壊までは10年ほどの期間を要したわけであるから、中国が今すぐに崩壊するなどと危険性をことさらに煽るのはどうもしっくりこない。中国危機説はこれまでに何十回も唱えられてきたが、まだ中国に崩壊の危機はきていない。中国政府も様々な方策を講じている。

 確かに、中国の高成長期(いわゆる先富論を具現化するために13億皆が生産生産と邁進した時期)はもう終了したとみるべきであろうが、中国政府は今後その副産物(大気汚染、水質汚染、土壌汚染)を解決しながらソフトランディングしていく方向へ舵取りをするであろう事は明白である。よって、今すぐに崩壊という様な極端な考え方はあまりにも拙速と言わざるを得ない。中国の高度成長は終わったが、当分続くであろうゆっくりとした成長の時代がある。日本を大きく引き離して世界2位の経済大国になった中国はたとえ成長が止まっても、経済大国であり続けるのだ。

 詰まるところ、現在の中国という国家は時代の転換期にあって、それを政府が言うところの「新常態」状態であることをハッキリと認識した上での対応策が中国に関わる人や企業、そして国家には必要であると考えるべきだ。

 しかし、日本人は典型的な「石橋を叩いて渡る」式の発想になれてしまっており、誰もが中国の変化に気づきながらも手をこまねいてしまい、自ら事を起こすことを恐れてしまっているかのようだ。つまり、この「慎重すぎる対応」が結果として新しい波に乗りきれず置き去りにされてしまうと言うリスクを自ら選択してしまっている事に気づかない。

 中国は今、必死に変化をしている。その変化に日系企業がついていけないなら、日系企業にチャンスはない。例えば環境規制の問題。既に少なくない日系進出企業が環境保護局の指導に従えず「行政処罰」を受けてしまっているという事実を今一度真剣に考える必要があると私は考える。日系企業は環境先進企業だ、と高をくくっていたら大失敗をしてしまう。

 このまま日本企業が環境違反を続けてしまえば、結果として「日本」というブランドを傷つけ、至っては日本の国益をも損ねる事態になりかねない。この新常態下にあっては、「攻め」と「守り」を同時に進めるべきであるし、日本ブランドを担う日本政府としては総合的な支援体制を準備しいち早く動くべきではないだろうか。

 中国側の危機こそ、日本にとっての機会とみるべきで、この対処法が間違えれば日本株は下がるが、対処法が功を奏すれば日本株は更にその価値を上げることだろう。

 中国の体制が本来の理想とされる環境に戻りつつあるのであるから、そこにある日系企業もそれに合わせた体制作りを行い、先んじで環境やエネルギー分野にて手本を示し、必要とされる技術やノウハウについては政府の支援を用いて一気に浸透させていくという戦略戦術を組むべきではないか。そうすることで、結果日本ブランドが中国の環境問題を解決し、安定した社会作り、つまり中国で言うところの「和諧社会」の建設に貢献できるという一石二鳥のビッグチャンスを目の前にしていることを知るべきである。

 歴史においてそうそう何度も訪れることはないであろうビッグチャンスである。

 時は二度と戻ってこない。このチャンスを逃した後に幾ら自らの不甲斐なさを嘆いてみても始まらない。

 世界の強国といわれるアメリカやドイツ、フランスなどの先進国は、既に中国の環境問題を解決するという大名目の下、将来のビッグビジネスを獲得するために着々と浸透作戦の準備を行っており、単なる一企業としての取り組みではなく国家の意思として中国政府や地方の工業開発区などとも交渉に乗り出している。ただ日本だけが、民間企業の性善説的自主性に任せてばかりで、全くもって国家としての意思を明確にしようとしない。

 日中関係云々というマスコミを恐れてか、それとも彼らの世論扇動に負けてなのか、誰もが中国と聞いただけで尻込み中なのかと思ってしまう程もどかしい状況が続いている。中国から以前のような余裕が消えていることも確かだ。中国も日本との前向きな関係構築を望んでいる。

 日本政府が送り込んだ新しい中国全権大使、在上海総領事はともに中国を熟知しているチャイナスクールの方々である。これはまさしく日本国家として、千載一遇のチャンスを獲りに行く為の布陣とみても差し支えない。早急に官民一体となっての取り組みを模索すべきである。そうすることで、今日本内部で沸々と湧き出し始めた大手企業の大企業病の処方箋ともなるであろうし、今後の日本の将来に向けた新体制の基礎ともなる次世代日本ブランド「クールジャパン・セカンドステージ」へと昇華できるのではないだろうか。かつての日本がそうであったように、高度成長している時には回りがよく見えない。これまでの中国にはこうしたことが当てはまるかもしれない。しかし、状況は変わりつつある。お互いに落ち着きを取り戻した今、日中関係の新時代を作り上げることができるかもしれない。

 



cdim at 19:34コメント(0)トラックバック(0) 
 5月27日にオバマ大統領が広島を訪問した。広島の被爆者の多くは歓迎のムードであり、かつての敵国で原爆を投下した国の大統領を温かく受け入れた。
 韓国はどのようにオバマ大統領の広島訪問をみたのであろうか。一言で言えば、極めて複雑な思いで、方向性が定まらないといえようか。
 まず第一に、広島・長崎への原爆投下が世界に取り上げられると日本の被害が強調され、日本が行った加害の側面が弱くなるというのだ。今まだ多くの核兵器が世界にはある。特に朝鮮半島は北の核、中国の核、ロシアの核、アメリカの核に囲まれており、非常に危険な状況だ。都市として核兵器の犠牲になったのは広島と長崎だけである。その犠牲になった被爆者が「加害」と「被害」の枠を超えて、核兵器をなくすための活動をしている。核兵器を投下した国の大統領に対して、「加害」を横に置いて、未来志向のメッセージを世界の送ろうというのがオバマ大統領の広島訪問だ。韓国の今回のオバマ大統領の広島訪問への態度はおそらく韓国人もすっきりしないものであろう。
 次に、問題となったのが、オバマ大統領が韓国人原爆犠牲者慰霊碑に立ち寄らなかったことに対する不満である。ちなみに平和公園の慰霊碑に収められる犠牲者名簿には外国人の名前も入っている。日本人犠牲者だけの鎮魂ではないし、平和公園の主張は日本に二度と核兵器の被害を出させないというのではなく、世界ののどこにも二度と核兵器の被害を出させない、というものだ。
 特にこの点で気になる報道が多くあった。広島で被爆した韓国人・朝鮮人の数が非常に大きく報道されているのだ。5万人、7万人、8万人などの数字が出ている。そして犠牲者数は3万人くらいとされている。これは私が広島にいたころにも問題となっていた。1945年6月の広島市の人口は24万5000人とされている。疎開もあり、かなり人口は減っていた。もし韓国・朝鮮人が5〜8万人もいたとしたら、治安維持の視点からも問題視されたはずだ。日本の若い男性の多くは出兵しているなかで、人口の3分の1から5分の1の外国人がいるとなると暴動が起きた時に対応できない。なぜこういう数字が出回ったかといえば、広島市に入る人の数字はわかるが、出ていく人の数字がわからない。つまり韓国・朝鮮人の数は足し算だけで行われ、引き算がなかったのである。私の恩師である湯崎稔教授(現在の湯崎広島県知事の父)は爆心地復元調査をおこなった研究者だ。すべての家に誰が住んでいたかを明らかにする中で、当時の広島市に住んでいた韓国・朝鮮人は1万人に達していなかったのではないかと言っていた。犠牲者の数はおそらく3000〜4000人と見積もっていた。だから問題ではないというのではない。それ自体、かなり大きな数字であり、しっかりと考えなければならない大きな問題だ。とにかく大きな数字を使えばいいという態度こそ事実を歪曲するものである。湯崎教授はこのことを何度も関連の団体に申し入れたが、結局は信ぴょう性のない大きい数字だけが使われたという。
 オバマ大統領は演説の中で、韓国人被爆者についても言及した。これは良かった。そこで数千人の韓国人の犠牲者と言ったことも問題視されているという。私は現実に近い数字であろうと思う。誤解の無いようにもう一度書くが、数千人だから問題ではないと言っているのでは決してない。大きな問題である。とにかく信ぴょう性のない大きな数字を使うことの方が信頼性を失い、説得力を減らすと言っているのだ。
 こうしたことを書きながら私が主張したいことは、韓国は今、最も重要な課題から離れてしまい、袋小路に入り込んでいるのではないかということだ。
 朝鮮半島を非核化することは韓国にとって最優先する課題のはずだ。ヒロシマ・ナガサキの核兵器反対の主張に世界で最も賛同すべきは韓国であるはずだ。北朝鮮は通常の武力や経済力では今の韓国とは大きく差を開けられた。しかし、核兵器を保有している。そして北朝鮮は今も、ソウルを核兵器で火の海にすると脅しているのだ。 
 韓国はこの状況をどれだけ深刻に考えているのか正直わからない。朝鮮半島の非核化にはアメリカや日本との連携は不可欠なはずだ。これからの平和を志向するという姿勢が求められている。ここに日本と韓国が一緒に活動をし、その共同の活動の積み重ねから過去の歴史認識の溝も徐々に埋まるはずだ。
 朴大統領はG7サミットやオバマ大統領の広島訪問の間、アフリカへ訪問している。安倍政権は朴大統領に日本に来ることを誘ったという。東アジアが不安定な中、日米韓の連携は最もプライオリティを高くしてもいいと思う。韓国の外交にずれを感じてしまう。 

cdim at 17:06コメント(0)トラックバック(0) 

2016年05月29日

 参議院選挙は7月10日に予定されている。これに合わせて、衆参同時選挙があるかどうかが、ずっと話題にのぼっていた。3月の時点では、衆参同時選挙は既定のスケジュールのように語られていたが、これを一気に変えたのが熊本地震であった。4月14日ー16日の熊本地震はその後も余震がたくさん起きた。余震がなかなか収まらないこともあり、衆議院解散による総選挙はまずないのではないかとみられた。
 私も、余震が続く中での解散総選挙は避難者にも被災自治体にも大きな負担になる。選挙費用も嵩むわけで、さすがに安倍首相は解散の切り札は切らないだろうと予想した。しかし同時に、この見方が広がると準備の進んでいない野党、特に民進党は準備を進めることがなくなり、いわゆる「寝たふり解散」の効果が出ることも指摘した。その効果も把握しながらも安倍首相は解散しないと予想したのであるが、状況は変わりつつある。最後の最後までわからない状態になっている。
 まず、1ヶ月を越したくらいから余震が少なくなっていることである。また他に大きな話題になるニュースが多く出たこともある。伊勢志摩サミット、オバマ大統領の広島訪問があり、またスポーツでは錦織選手の活躍、野球、バレーボール、大相撲などもニュースになった。その分、熊本地震のメディアカバーが少なくなり、5月初旬くらいまであった震災後の緊張感が国民から薄れたことがある。まだ避難所で被災者が厳しい生活を送っているのであるが、メディアから伝わる空気は大きく変わった。
 そしてここにきて、民進党の岡田代表が消費税の引き上げの2年延期を提案。それを安倍首相はあっさりと飲んだばかりか2年半の延期を発表した。こうなると自民党の政策と民進党の政策の差は何なのか分からない。しかも安倍首相は伊勢志摩サミットで、世界経済の低迷を避けることを合意させた。うまりアベノミクスの失敗によるものではなく、世界経済の不調から増税を延期するという理由付けを得たことになる。
 この消費税増税の引き伸ばしに、 麻生財務相や谷垣幹事長が解散総選挙で国民に問うことを提言した。安倍首相は解散総選挙を行う「大義」を得たことになる。これがどこまで与党内の「ヤラセ」なのかわからない。とにかく結果として、解散総選挙を行う環境ができたのである。
  野党は安倍首相に内閣不信任案を出す可能性がある。参議院選挙を前にして安倍内閣に強い姿勢で臨む必要がある。しかしこれは諸刃の刃で、内閣不信任案が出されるなら、衆議院解散総選挙の「大義」を得ることになる。しかし、野党がこれだけ騒いでおいて、内閣不信任案を出さないとなると、弱腰のスタンスを見せることになる、かなり難しいところだ。
 最後の最も重要なポイントは安倍首相が総選挙に打って出たとき、結果はどうなるかという予想である。個人的には選挙をここまで頻繁にするのは決して良くないと思っている。そうした個人的な気持ちとは別に結果を予想してみよう。同時選挙を行うと20〜30議席を自民党は衆議院の議席を減らすという予想をする人も多いが、私は、現在の議席とほぼ同じくらいの勝利になるとみている。なによりも、民進党の準備ができていない。自民党と公明党は前回選挙の大勝もあり、小選挙区のほぼすべてに現職を擁立できる。つまりいつでも選挙OKなのだ。民進党はまだ候補者のいない選挙区がかなりある。しかも、熊本地震、伊勢志摩サミット、オバマ大統領の広島訪問などすべてで、安倍首相のメディア露出が多く、民進党など野党はほとんど報道されていない。この状態で一気に衆参同時選挙となると自民党がかなり有利な展開となる。
 今、衆議院総選挙を行い、勝利するなら、安倍首相は3〜4年をかけて、憲法改正を実現する時間的な余裕を持つことになる。憲法改正は安倍首相にとって非常にプライオリティの高いテーマ。最大の目標といってもいいかもしれない。今の状況下なら、批判があろうとも衆議院解散をして同時選挙とするなら、憲法改正に大きく近づくことになる。この可能性を否定することができなくなった。
 熊本地震で被災し、避難所で暮らしている人も多くいる。震災で機能不全の役所もある。2年ごとに衆議院選挙をするのにも大きな問題があると思っている。政治家は選挙のために活動するのではなく、いい政治のために活動をして欲しいと思っている。ただこれは個人の意見に過ぎない。
 分析をすると、 消えたはずの解散が蘇ってくる可能性もかなりありそうだ。

cdim at 22:41コメント(0)トラックバック(0) 

2016年05月28日

 1)新たな時代の流れ

 広島市・長崎市に原爆が投下されてから70余年の年月が流れた。米ソ冷戦の終焉時には、核兵器廃絶への展望もみえるかと思えたが、世界で紛争は相次ぎ、核拡散という点でも、インド、パキスタン、北朝鮮と広がりをみせるようになってしまった。核兵器廃絶の夢はさらに遠のくという感じがしている。
 5月27日にアメリカ・オバマ大統領は広島への歴史的な訪問を行った。素晴らしい。しかし、彼はどのように核兵器のない世界を実現するのかについては語っていない。多くの人が、核兵器のない世界は理想であっても、理想以上のものではないと感じている。私は、核兵器のない世界を実現するための具体的な過程として、ヒロシマ・ナガサキプロセスを提案している。

 この10年の間、世界平和を考える上で心強い大きな流れが感じられるようになった。まず、対人地雷禁止条約がNGOやミドルパワーと呼ばれる国々の力で成立した。この運動は、1991年にアメリカのNGOであるアメリカベトナム退役軍人財団とドイツのNGO・メディアインターナショナルが対人地雷全面禁止に向けてキャンペーンを立ち上げることで合意したことにはじまる。その後、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)が創設され、国際的な運動として展開されている。1996年にはカナダのオタワで対人地雷全面禁止にむけた国際会議が開催され、979月には対人地雷禁止条約の起草会議がオスロで開かれ、条文が作成された。同年12月にオタワにて署名され、99年に発効している。運動のはじめには、まず無理と思われた対人地雷の禁止条約がNGOなどの力で実現されたのは、まさに驚きであった。

 その後、クラスター爆弾禁止条約においても同様なプロセスによって、実現された。クラスター爆弾は子爆弾に不発弾が多く、それが、一般市民に対する被害につながり、悪魔の爆弾とさえ呼ばれていた。2006年ノルウェー政府はクラスター爆弾禁止に向けて動き出し、20072月にはクラスター爆弾禁止に関する国際会議を開催、有志国46ヶ国によるオスロ宣言が採択された。対人地雷禁止条約と同様に国際NGOが活発に運動を支え、国際世論が形成されてきた。NGOに加え、国際赤十字や、ミドルパワーと呼ばれる中堅諸国もこのオスロプロセスに参加していく。今年の530日、ダブリンで行なわれた国際会議の結果、有志国111ヶ国の全会一致で禁止条約案が採択された。

 アメリカやロシアなど軍事大国に軍縮の主導権を預けていたのでは、平和・軍縮への道を切り拓くことはほとんどできなかった。今回のオタワプロセスやオスロプロセスは、ミドルパワーやNGOが中心となって、軍事大国を包囲する形で国際条約の実現が可能になったのだ。軍事国主導の軍縮交渉から、地球市民主導の軍縮プロセスの設定へと時代は大きく変化している。

 核軍縮に関しても、様々な動きがある。特に注目すべきなのは、キッシンジャー元国務長官、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官、ナン元上院軍事委員会委員長などの「現実主義者」たちが核廃絶の必要性を唱えだしたことだ。核廃絶は、ヒロシマ・ナガサキの究極の願いとしても、それは「達しえぬ夢」とさえ考える人は少なくなかった。しかし、その「理想」を米ソ冷戦時代の軍事・外交のリアリストたちが支持してきたのは驚くべきことである。核を保有するメリットが低下する一方で、核が拡散するリスクが増大してきたということだろう。「理想主義」の立場であろうと、「現実主義」の立場であろうと、結論としては、核兵器と人類は共存できない、ということで一致してきたのだ。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルでキッシンジャー元国務長官、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官、ナン元上院軍事委員会委員長は、「核兵器のない世界」を2度にわたって呼び掛けた。キッシンジャー氏とシュルツ氏は共和党、ペリー氏とナン氏は民主党だ。まさに党派を超えての訴えであった。これに対して、オルブライト元国務長官、ベーカー元国務長官、ブレジンスキー元大統領補佐官、クリストファー元国務長官、パウエル前国務長官といった人まで賛同したのである。時代は大きく変化しつつある。核の大国「アメリカ」の現実主義者の中にさえ、核兵器の危険性をしっかりと認識し、廃絶の必要性を訴える時代になったのだ。

 こうした動きに、旧ソ連共産党書記長で大統領も務めたゴルバチョフ氏も賛同を表明した。まさに米ソ冷戦時代の主役たちが核兵器廃絶を唱えはじめた。

 オバマ大統領の広島訪問をこの脈絡から捉えることができる。私は、大統領を退任してからのオバマ氏の活動に期待している。核廃絶への道が大きく拓けてきた。こうした時代背景をもとに、ヒロシマ・ナガサキが具体的なロードマップを提唱し、国際NGOとの連携を図るならば、「夢にすぎない」と思われた核廃絶が、現実のものとして展開されるはずだ。もちろん、容易に実現できるわけではない。中長期的な展開も視野に入れつつ、一歩づつ国際条約を現実化させていく「プロセス」が重要なのだ。

 私は、20087月にベルギー・ルーベン市で開催された国際平和研究学会総会にて、核廃絶にむけたプロセスを展開していく「ヒロシマ・ナガサキプロセス」を提唱し、多くの平和研究者に賛同と支持を得ることができた。あれからもう9年が経った。いまこそ、ヒロシマ・ナガサキプロセスの展開が重要だ。核兵器廃絶にむけた「ヒロシマ・ナガサキプロセス」の骨格を簡単に紹介する。

2)これまでの動き

A)核兵器禁止条約へのプロセス

 最近になって、核兵器廃絶にむけた国際条約を作ろうとする動きが活発化している。モデル核兵器禁止条約とも呼ばれる核兵器禁止条約(Convention on the Prohibition of the Development, Testing, Production, Stockpiling, Transfer, Use and Threat of Use of Nuclear Weapons and on their Elimination)の動きは注目される。19964月、「モデル核兵器禁止条約」は、核兵器の廃絶を求める各国の法律家、科学者、軍縮の専門家、医師及び活動家らが参加する3つの国際NGOから構成されるコンソーシアムによって起草された。20074月、コスタリカ・マレーシア両政府の共同提案として正式に国連に提出されたが、未だに、未採択である。

 このモデル核兵器禁止条約は、開発(development)、実験(testing) 、製造(production)、備蓄(stockpiling)、移譲(transfer)、使用(use)、威嚇としての使用(threat of use)にわたって、 核の取り扱いを禁止するものである。まさに「モデル」というべき理想型が書かれている。それだけに、意味は大きいのだが、現実的にはすぐに採択される可能性は高いとはいえない。ここに至るまでの「プロセス」が必要となる。

 この「モデル核兵器禁止条約」を起草する動きにおいても、国際NGOは重要な役割を果たしている。拡散に反対する国際科学技術者ネットワーク(International Network of Engineers and Scientists Against Proliferation)、拡散に反対する国際科学技術者ネットワーク(International Association of Lawyers Against Nuclear Arms)、核戦争防止国際医師会議(International Physicians for the Prevention of Nuclear War)は、中心的な役割を果たしている。

 また、広島市を中心とした平和市長会議も様々な提案をしている。平和市長会議は被爆75周年にあたる2020年までの核兵器廃絶を目指す「2020ビジョン(核兵器廃絶のための緊急行動)」を展開している。2020ビジョンの中核は、核不拡散条約(NPT)をさらに推し進め、核保有国を巻き込んだ形で、核兵器廃絶を目指そうというものだ。核兵器廃絶までのスケジュールは、2010年を目標とする核兵器禁止条約の発効、2020年を目標とする全ての核兵器の解体となっている。ただ、広島市長も代り、今ではこうした具体的な提案もあまり聞かれなくなっている。

 2020ビジョンは、スイスのジュネーブで開催されたNPT再検討会議準備委員会において、2020年までの核兵器廃絶の道筋を示す「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を発表した。この「ヒロシマ・ナガサキ議定書」は「核不拡散条約(NPT)締約国の同条約第6条に基づく核軍縮交渉義務の履行を促進するとともに、核兵器の使用と威嚇の違法性を示した1996 年の国際司法裁判所の勧告的意見に基づく全ての国の核軍縮義務の履行を促進するため、全ての局面で核軍縮に取り組む包括的な方策の確立を希求」すると主張する。つまり核兵器拡散条約の核軍縮交渉義務をしっかりと履行することによって、核保有国の核軍縮をすすめ、核兵器廃絶への道を目指すというものだ。

 こうした核廃絶への国際的な枠組みが活発化することは大変に好ましいことである。しかし、残念ながら現実には、モデル核兵器禁止条約も2020ビジョンも、国際世論を動かし、大きなうねりを作るまでには至っていない。こうした流れを踏まえながら、具体的な行動目標を設定し、核廃絶までのロードマップを「対人地雷禁止条約」や「クラスター爆弾禁止条約」を実現した方式で実現していこうというのがヒロシマ・ナガサキプロセスである。

B)非核兵器地帯条約の動き

 これまでに署名された非核兵器地帯条約には、南極の軍事利用の禁止、南緯60度以南の地域におけるすべての核爆発及び放射性廃棄物の処分の禁止を定めた南極条約のほかに次の5つがある。

 1967年に署名され、1968年に発行しているトラテロルコ条約は中南米33カ国が締約国となっている画期的なものである。議定書は、「核兵器国が域内において非核化の義務に違反する行為を助長しないこと、締約国に対し核兵器の使用または威嚇を行わないことを規定している。この条約が特にモデルとして注目されるのは、すべての核兵器国が批准しているということだ。

 1966年から始まったフランスによる南太平洋地域における核実験を背景に、この地域において核実験反対の気運が高まった。1975年に国連総会にて、南太平洋における非核地帯設置を支持する決議が採択された。それから11年後の1986年にこのラロトンガ条約は発効している。ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオの3カ国を除く太平洋諸島フォーラム加盟の13カ国が締約している。議定書は、「核兵器国による締約国に対する核兵器の使用および使用の威嚇を禁止し、また、域内(公海を含む)における核実験を禁止する」とうたっている。ロシア、中国、イギリス、フランスは批准しているが、アメリカは署名のみで批准はしていない。

 バンコク条約は1995年にASEAN首脳会議において東南アジア10ヶ国の首脳により署名され、973月に発効したものだ。議定書は、「核兵器国による域内(締約国の領域、大陸棚及び排他的経済水域)における核兵器の使用および使用の威嚇を禁止し、また、核兵器国が条約を尊重し、条約・議定書の違反行為に寄与しないことを規定する」としているが、核保有国はすべて署名していない。

 ペリパンダ条約は、1991年に南アフリカが核兵器を放棄したことから具体化し、1996年にアフリカ諸国42カ国によって署名されたものである。現在の批准国は25カ国であり、条約の発効要件の28カ国には達していない。フランス、中国、イギリスは批准しているが、アメリカとロシアは署名のみだ。

 セメイ条約(中央アジア非核兵器地帯条約)は、中央アジア5カ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン)を対象にした条約である。200698日、カザフスタン・セミパラチンスクにおいて条約は署名された。現在のところウズベキスタンとキルギスが批准しているが、未発効。核保有国はまだ署名していない。

 こうした条約の動きのほかに、モンゴルは1992年国連総会にて、オチルバト大統領が「モンゴル非核兵器地位宣言」を発表した。1998年には国連総会は宣言を歓迎する「非核地位に関する決議」を採択している。

 これらの動きは、核兵器禁止条約と矛盾するものではなく、むしろ相互に補完・強化していくものといえる。問題は、これから非核地帯を作る必要のある地域、例えば、東アジアやヨーロッパなどにはすでに核兵器保有国が含まれており、交渉が難航する可能性が高いということだ。そういう点では、モンゴルの単独での非核兵器地位宣言は興味深いものがある。こうした「単独」の行動も含めて、国際的な連帯の中で動きを加速するという視点が大切といえる。

3)ヒロシマ・ナガサキプロセス

 ヒロシマ・ナガサキプロセスは、核兵器廃絶を目指すためのいくつかの国際条約の制定を行う。被爆者団体を含む国際NGOや非核保有国が中心となって、核兵器を禁止する総合的なプロセスの構想である。

A)核兵器使用・威嚇禁止条約の制定

 最も理解を得やすい国際条約の制定を目指すことからはじめる。これまでにも国連総会においては、核兵器使用禁止決議は採択されてきている。1994年から2007年までの14年間は、連続で、核兵器廃絶に関する決議が提案され、賛成多数で採択されてきている。日本の態度は残念ながら、核大国アメリカへの配慮を優先している。日本が提出した決議には賛成するが、それ以外の具体的な内容を含んだ核兵器使用禁止決議には棄権するというスタンスをとることが多い。日本が提出する決議は、アメリカも賛同できるように極めて抽象的な表現で核兵器廃絶を求めるものとなっている。しかしこの抽象的な決議案にさえ、アメリカ政権は核兵器の先制使用をもありうるという立場から、反対票を投じるようになっている。

 これまでの動きとの違いは、核兵器使用禁止決議ではなく、核兵器使用・威嚇禁止条約の制定を目指すということだ。すべての国、特に核保有国が参加することとならなくても構わない、という姿勢で、国際条約として、核兵器の使用と威嚇の禁止を宣言するのである。1994年に国連総会が「核兵器の使用・威嚇は国際法上許されるか」と意見を求めたことを受けて、967月に国際司法裁判所は勧告的意見をまとめている。それによれば「一般に、武力紛争に適用される国際法とりわけ人道法の原則や規則に違反する」とするとしている。ただし、これには「国家の存続が危機にあるような自衛の極限状況においては確定的な結論は出せない」との留保もつけている。留保はあるものの、現時点においても「核兵器の使用・威嚇は国際法上許されない」という解釈が成り立つ。しかし、それを国際条約として明確にすることは大きな意義がある。

 この核兵器使用・威嚇禁止条約の制定までの道のりを、対人地雷禁止条約やクラスター爆弾禁止条約の時と同じように、国際NGOやミドルパワー諸国の主導のもとに実現していくのである。国際世論の高まりとともに、「核兵器の使用・威嚇の違法性」をアピールすることができる。核兵器の使用・威嚇した場合には、国際社会から厳しい批判と叱責を受け、国際社会の一員としての立場を失うということが明らかになるのだ。核兵器保有国のすべてが、すぐにこの条約に署名し、批准するとは考えられない。しかし、非核保有国の多くが、国際NGOの後押しのもとに批准し、国際的な規範作りを行うことは、核兵器の使用や威嚇による活用を大きく制限することに繋がる。核兵器の価値を下げて、次のステップへと導きやすくする。

B)核兵器開発禁止条約の制定

 次のステップは、核兵器の開発を禁止する条約を制定することである。

 核兵器の開発には核実験が重要な役割を果たすことから、これまでに核実験を禁止するための努力がなされ、一定の効果をあげてきた。包括的核実験禁止条約は、あらゆる空間(宇宙空間、大気圏内、水中、地下)における核実験の実施、核爆発を禁止している。これは、部分的核実験禁止条約において禁止されていなかった地下核実験をも禁止対象としている。しかし、核保有国は、当条約採択後も禁止されていない爆発を伴わない臨界前核実験を繰り返し、核実験そのものの停止は未だ行われていない。核兵器の開発は続けられているのだ。

 核兵器開発禁止条約は、臨界前核実験を含めて、核弾頭の性能の向上を図る行為を禁止する。つまり、現時点で保有している核兵器以上のものを作ることが禁止されるということになる。核兵器のフリーズ状態を作ることを目指すのである。

 制定までの過程は、核兵器使用・威嚇禁止条約の制定の時と同様に、国際NGOや非核保有国の主導によって、実現することを目指します。

C)核兵器廃絶条約の制定

 最終段階は、まさに核兵器を保有すること自体を禁止する国際条約を制定することだ。上記のステップを一つ一つ積み重ねることによって、現時点では不可能に思えるこの最終段階に到達することができる。

D)地球的非核地帯条約

 これまでの非核地帯条約や構想は、ある一定のゾーン(地帯)を対象にしてそのゾーン全体を非核化することを目指す。そのゾーンにおける核兵器の開発・製造、実験、保有や使用、域内の輸送や持ち込みを禁止するとともに、核保有国が非核地帯への核兵器による攻撃や攻撃の威嚇を禁止することを要求する。

 すでにこうした非核地帯条約は成立しているが、核保有国が含まれているような地帯では、実現させることが困難になっている。モンゴルは1国で「モンゴル非核兵器地位宣言」をしている。

 地球的非核地帯条約は、世界のどこの国でも条約に参加でき、その参加国の領土の合算を非核地帯とみなすというものだ。核兵器の問題で重要なヨーロッパの非核兵器保有国や東アジアや南アジアの非核兵器保有国などが非核地帯運動にグローバルな形で参画できる。平和運動においても、NGOの活動においても重要なドイツや北欧諸国、カナダなどが一体となって、核保有国に対抗することができる。もちろん、日本もこの運動の中心的な国として加わることができるのだ。既存の非核兵器地帯条約に加盟している国々と連結させるなら、地球規模の広大なゾーンを非核兵器地帯とすることができる。

 この運動を、核兵器使用・威嚇禁止条約⇒核兵器開発禁止条約⇒核兵器廃絶条約の流れと組み合わせることによって、核兵器廃絶の流れをつくることが可能になる。

 この総合的な過程がヒロシマ・ナガサキプロセスである。この構想は、基本的に非核保有国と国際NGOを中心として展開することを念頭に置いている。もしこれにオバマ大統領が加わるなら、現実味を帯びてくる。私は、オバマ大統領の在任期間に大きな変化が起こるとは思っていない。しかし、広島を訪れたオバマ氏は、大統領退任後に大きな力となってくれるはずだ。
 今こそ、ヒロシマ・ナガサキプロセスの展開を強く訴えたい。 

 

 

 



cdim at 13:20コメント(0)トラックバック(0) 

2016年05月27日

 ペルー大統領選が佳境を迎えている。アルベルト・フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏とクチンスキ元首相が激しい選挙戦を展開している。ケイコ・フジモリ氏の優勢が伝えられている。選挙を6月5日に控え、フジモリ氏がクチンスキ氏との差をやや広げつつある。最新の世論調査はペルーの世論調査会社CPIが5月26日に公表したもの。それによれば、フジモリ氏の支持率は46%であるのに対して、クチンスキ氏の支持率は38.9%にとどまっている。7.1ポイントの差がついている。9.6%は白票や無効票を投じるとしている。またまだどちらに投票するかを決めていない人は5.5%いるという。
 注目されているのは、1回目の投票で3位につけていたメンドサ氏の票の行方である。フジモリ氏やクチンスキ氏がオープン経済を目指すのに対して、メンドサ氏は貧困層の救済や福祉の充実をプライオリティにおく左派である。政策の視点からすれば、メンドサ支持者がクチンスキ支持にそのまま回るとは思えない。ただ、ペルーの選挙では、フジモリ派と反フジモリ派に分かれており、クチンスキ支持に回る人も多いようだ。しかし、10%近い人が白票や無効票を投じるとしている。フジモリ氏は嫌だけど、だからといってクチンスキ氏にも入れたくない、という人がかなりいることは確かである。フジモリ氏を支持する人は熱い選挙活動を続けており、結局、ケイコ・フジモリ大統領の誕生となりそうである。クチンスキ氏は実務経験が豊富であり、安定しているとみられるものの、新鮮さはない。年齢も77歳で、5年の大統領任期を終えるときには82歳となる。若いケイコ氏の躍動感と対照的である。
 では、ケイコ・フジモリ新大統領が誕生するとして、どのような展開になるのであろうか。特に日本との関係ではどうなるのだろうか。
1.開かれた市場政策
 ペルーは素晴らしい資源を持ちながら、経済的にはかなり低空飛行をしてきた。いかに外国資本も入れながら、開発を進めることができるのか。ペルー大統領にはトップセールスマンとしての役割も求められる。欧米との関係や中国との関係は変わらず重要であるが、日本の資本も本格的に介入する可能性がある。ペルーはTPPに入っている。日本がTPPに参入するなら、日本とペルー間の貿易はさらに活発化することが期待される。鉱石資源や水産資源など日本にとって魅力的な資源をペルーは持っている。また観光資源も素晴らしい。これが本格化するなら、在日の日経ペルー人は日本・ペルー間の橋渡しの役割を果たすことができる。
2.治安の安定
 父アルベルト・フジモリ元大統領の評価は分かれる。しかし、私はアルベルト・フジモリ氏は社会活動が麻痺するほど酷かった治安を安定させた大統領であり、現在のペルーは彼の功績によるところは大きいと考えている。ケイコ・フジモリ氏も治安の安定には最大といっていいほどの力を注ぐようである。この治安の安定が、外国資本がより積極的に入ってくることや観光産業が栄えるための条件といっていい。日本人が行きたい世界遺産のトップはマチュピチュで、5位にナスカが入っている。治安が安定すれば日本人を含めたさらに多くの外国人がペルーを訪れることになるだろう。
3.環境
 ペルーの鉱山の開発は環境汚染を引き起こしている。水銀などによる土壌、水質汚染は深刻になっている。こうした問題への対策が賄賂によって、しっかりと取られてこなかったので、大きな問題となっている。日本もカドミウムや水銀汚染などで60年代、70年代初頭に苦しんだ経験を持つ。イタイタイ病や水俣病などを経験してきた。それだけに環境対策の技術は世界のトップクラスと言える。ペルーにとって環境対策は非常に大きな課題である。日本の技術を活用することは一つのポイントだ。
 こうした展開をするためにも、ケイコ氏は反フジモリ派との調和をどうするかが重要である。
 まずは、6月5日の選挙の結果を見守りたい。新たなペルーの展開を期待する。


 

cdim at 11:20コメント(0)トラックバック(0) 

2016年05月26日

 舛添要一東京都知事の一連の不正、あるいは不適切な政治資金の使用や公用車の私的使用、高額な海外出張費問題などが話題になっている。次々と問題が提起されてきているが、決定的なものではなく、今後、どのような展開になるのかははっきりしない。都知事の辞任要求を叫ぶ声も大きいが、舛添知事に辞任する気配はなく、弁護士に調査を委託した。時間がかかるのは必至であり、また、舛添知事が委託した弁護士の調査結果として、辞任しか考えられない、という結論となる可能性はまずない。「反省しながら」もこのまま都知事を続けるということになる。
 後は、都議会が不信任案を突きつけるか、裁判などで公民権を失うかなどによる辞任しかない。今のままでは、都知事はレームダック状態であり、都政にも悪影響となることは間違いないが、オリンピックも絡み、状況の展開は不明瞭である。
 一気に舛添知事が追い詰められ、6月1日に辞任届を提出し、7月10日に参議院との同時選挙というシナリオを語る人もいたが、舛添知事が弁護士に調査を委託し、時間がかかることになり、このシナリオは消えた。今すぐに辞任されると、次の候補者選びの時間も確保できず、また問題のある人が選出される可能性もある。今となってはいきなりの辞任の可能性はない。伊勢志摩サミット、参議院選挙、そしてリオ・オリンピックとビッグイベントが続くので、今の山を乗り越えると、舛添バッシングもかなり静かになると考えられる。これまでのような厳しいバッシングが続くことはないだろう。
 これから決定的な不祥事が明らかにならない限りは、早期の辞任はないといえる。
 最も可能性があると考えられるのが、来年の都議選との同時選挙である。都議選は2017年6月に予定されている。その直前に議会が知事の不信任案を可決するなら、議会解散を打つ意味がなくなる。議会はリスクなしに不信任決議を行うことができる。選挙にもお金がかかるのであるが、都知事選と都議会選の同時選挙であれば、かなり節約することができる。来年6月に新都知事が決まれば、東京オリンピックはその新都知事の下での開催になる。3年という準備期間があるし、新議会とともに新たな東京都の構想を作ることができる。問題は、適当な候補者の擁立である。まあ、選挙まで1年があるとすると、それまでに準備ができる。テレビキャスターや公職を持っている人も、来年3月を目処に対応をすればいいのであり、かなり有望な候補者が出る可能性が高くなる。
 この機会を逃すと、舛添知事の任期満了、つまり2018年2月までは舛添知事のままでいくということになるだろう。舛添氏は再出馬するかもしれないが、ここまで都民の信頼を失った中では新しい知事が誕生することになる可能性が高い。おそらく任期満了まで待つことなく、来年の都議会選に合わせての同時選挙となるのではないだろうか。今年の冬あたりから候補者選びが水面下で活発化するのではないかと考えられる。

cdim at 17:27コメント(0)トラックバック(0)政治・公開討論会・選挙 
 オバマ大統領が5月27日に広島を訪問する。1945年に広島に核兵器を投下し、広島を生き地獄の町にしてから71年。現職のアメリカ大統領が初めて、広島を訪れる。
 広島の平和公園にある慰霊碑の石碑前面には、「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」と刻まれている。この「過ち」の主語は誰か、がいつも問題になる。浜井信三広島市長(当時)は「この碑の前にぬかずく11人が過失の責任の一端をにない、犠牲者にわび、再び過ちを繰返さぬように深く心に誓うことのみが、ただ1つの平和への道であり、犠牲者へのこよなき手向けとなる」と述べている。すべての人が過ちの責任を負い、過ちを起こさないように誓う、というのだ。そしてこの言葉は、この発想をうけて、被爆者である雑賀忠義広島大学教授(当時)が撰文・揮毫したものといわれる。
 現在、広島の被爆者に「加害者」としてのアメリカを憎み、謝罪や弁償を求める人は少ない。今回のオバマ大統領の広島訪問に関しても、被爆者の9割が歓迎しているといる世論調査も出ている。20万人とも言われる市民の命を奪い、生き残った人にも生き地獄の苦しみを与えた原子爆弾。その原子爆弾を投下した国をこうも簡単に許した被爆者。しっかりと考えてみる必要はある。
 「過ち」を犯したのは誰か、という問いへの議論は複雑になる。戦争の原因について議論をしていくと非常に厄介な論争に入り込む。私が問いただしたいのは、「過ちは繰返しませんから」という言葉だ。100歩、1万歩譲って、アメリカの広島・長崎への原爆投下は、「民主主義を守るため」であり「犠牲者を増やさないため」であったとしよう。しかし、アメリカは翌年にはすぐに核実験を始め、核軍拡競争へと突っ走っている。その後、核兵器大国、軍事大国として世界に君臨し、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東戦争など多くの戦争、紛争に直接的、間接的に関わり、多くの犠牲者を生んでいる。確かに長崎以降には核兵器を直接使用したことはないが、多くの核実験で被曝者を生み出したし、キューバ危機の時のように核兵器の使用の可能性に触れたこともある。到底、「過ちは繰返しませぬから」という言葉のような言動ではない。
 戦後の軍拡路線を見る限り、そして戦争への関わりを見る限り、アメリカが「正義と民主主義」の国であり、「世界平和を守る警察」とは思えない。アメリカは明らかに過ちを犯してきたし、さらに犯そうとしている。
 オバマ大統領個人をみてみよう。オバマ大統領は、大統領就任直後、有名になったラハでの演説で「核兵器のない世界」のために努力することを約束し、ノーベル平和賞まで受賞した。オバマ大統領への期待は高まった。しかし、大統領就任期間の7年余の間に、核軍縮、核廃絶にむけた特別な業績は見当たらない。あえて言えるとするなら、今回の広島訪問くらいである。プラハに始まって広島に終わるというオバマ大統領の核廃絶への行動だが、肝心のプラハから広島の間の実践は欠けている。

 私はそれでもいい、と思っている。オバマ大統領が広島に来て、被爆の実相を見てくれることは次のステップに繋がるのではないかと期待しているのだ。オバマ大統領はまだ54歳。この夏で55歳になる。大統領をやめてからの人生が長いのだ。現職大統領では様々な規制も抵抗もあり、できなかったことを退職後に行うことが可能なのである。カーター元大統領も現職の時よりも退職してからの活動の方が印象に残っている。
 これからの残された大統領在任期間でできることは非常に限られている。 しかし、退職以後に核兵器廃絶のために大いに活動をしてほしいと願っている。今回の広島訪問はその活動の原点になるのではないかと期待している。
 私が提案し続けているのは、ヒロシマ・ナガサキプロセスである。対人地雷禁止条約を実現したオタワプロセスやクラスター爆弾禁止条約を実現したオスロプロセスのように、核兵器を禁止していくためのヒロシマ・ナガサキプロセスの実現である。まずは、核兵器先制使用禁止条約の 実現である。こうした具体的な目標を持って、一つ一つ着実に非核の世界の実現を目指すことが重要だ。
 オバマ大統領が広島でどのような発言をするか。しかしそれ以上に、今後、オバマ大統領がどのような活動をしていくのか。熱く見守りたい。

cdim at 12:14コメント(2)トラックバック(0) 

2016年05月25日

 舛添要一東京都知事の政治資金などの使用が社会的に大きなニュースになっている。現在話題になっているものはそれほど大きな額ではないが、首をかしげたくなるような使い方があり、問題はある。様々な「セコイ」手口が話題となっている。
 舛添知事だけではない。政治家の多くは様々な不適切な「やりくり」をしている。 政治家や政治家の秘書にその手口を聞いてみた。政治家や秘書の間では、とりたてて記事にするような特別な話ではないのだろう。というか、記事にしてもらうと困ることなのかもしれない。一般的にはかなり興味深いので、まとめてみる。
1)国会議員のJR無料パス
 国会議員はJRの無料パスをもらうことができる。これは選択制で、月に4度の往復航空券などにすることもできる。東京から選挙区まで距離があったりすると航空券を選択することもできる。ここではJR無料パスについて考えてみよう。目的を問われることはまずないので、家族旅行やある議員のように不倫旅行に使うことも可能だ。ただ、議員はすべての活動が政治活動、と言い切る人もいるわけで、これを判断するのは難しい。ただ、明らかに問題なるケースがある。講演などで地方に行く時、無料パスを使いながら、交通費をもらうというケースがあるという。自由席の場合、後からの検証は無理であるが、グリーン車や指定席では、国会にある「国会議員指定席・寝台申込書」に記入して提出しなければならない。つまり本気で調べると、二重取りが問題になる可能性がある。同伴者の分をうかす場合とそのまま現金を貰う場合とあるようだ。講演依頼がある議員はちょっとびくびくしているという。
2)「文書交通通信滞在費」
 これは制度的な問題だ。地方議員なども以前は政務調査費に領収書などは必要はなかったが、最近はほとんどの場合に必要になった。それによって、様々な問題が明らかになっている。しかし、国会議員の「文書交通通信滞在費」は毎月100万円というかなりの高額でありながら、領収書の提出義務も、報告義務もない。税金がかからないので、まさに第二の歳費といえる。これに報告義務が課せられることになるかどうか。国会議員はこの点はできるだけ触れられることなく、制度の維持を望んでいるようだ。
3)Suicaなどの交通プリペイドカード
 これは政治家、政治家秘書にとって、かなり重要なものになっているようだ。Suicaなどは交通のプリペイドカードとして登場したが、今の時代では、コンビニ、スーパー、家電量販店、書店、カフェなどでも使える。つまり使い方によっては相当に多くのものを買うことに活用できる。それが、チャージすると交通費の領収書のようになるのだから、政治家の事務所は重宝しているという。スーパーで食料品を買うとさすがに政治活動に使ったとは言えないが、suicaなどのチャージのレシートなら、問題ないという。これにメスが入ると厳しい、と秘書たちは言う。
4)プリペイドカード
 民進党の議員のケースで有名になったのがガソリンプリペイドカード。一種の金券であり、お金に戻すこともできるし、ガソリンは多くの人が使うものであるから、それを私的に使うことも可能だ。レシートとしてはガソリンのプリペイドカードであればかなり受け入れやすい。
 バスなどのプリペイドカードを買って、それを現金に戻すという方法もあるようだが、限界がある。あまり多額を使うと怪しまれる。
5)文房具店などのレシート
 文房具は消耗品費として落としやすいもの。実際に必要なものはかなり限定されるので、文房具店などのレシートを集めるとそれなりの額になる。
6)事務所費
 家がある場合にはそこを事務所としてかなりの額を計上することができる。これはかなり実質的なものになる。舛添知事もこの手は使っていた。どのように使ったのかについてはそれほど厳しいチェックは入らない。とにかく形が整っていることが大切になる。
7)親しい支援者などの会社の活用
 これもかなり行われているようだ。広告代理店、デザイン、イベント、印刷などの会社に委託し、かなりの部分を戻す手法である。相当に親しい人の企業でなければ、危ない手法である。
 こうした点に注目されると政治家の事務所の多くは厳しいという。多くの政治家の事務所の台所はかなり厳しく、上記のような不適切な作業をしながらやりくりしているようだ。お金のかからない選挙制度を本気で作ることも必要だ。ただ、こうした手法はある意味、「セコイ」手法。本当のワルの政治家はもっと大きな不正を「合法的に」やってしまうという。本当に政治、そして社会を歪めているのは後者の政治家である。「セコイ」政治家の「セコイ」不正だけでなく、もっと大きな不正にいかにメスを入れるか。マスコミはもっとそちらに力を注ぐ必要があるようではある。


cdim at 19:45コメント(1)トラックバック(0) 
 中国の環境の悪化は大きく報道されているが、今、それとともに重要なのは中国政府が打ち出す環境改善のための仕組みづくりである。今、制度が大きく変わろうとしている。この変化をしっかりととらえなければ、日系企業も足元を救われかねない。

 これまで何度か中国の環境問題について記事を書いてきているが、それらは大きな反響があった。

「環境政策で大変貌を遂げつつある中国〜日本企業にとって大チャンスが到来」http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160424-00056994/ 

中国で日本企業主導の産学連携プラットフォーム発足
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kodamakatsuya/20160523-00057967/

 「ピンチこそがチャンス」をそのまま地で行く日系企業の取り組みが関心を集めたのであろう。

 ところがその反面、中国進出している日系企業の中にはこの大きな荒波に対処できず大変な状況にある企業もあるようである。今まで通りのやり方では、波に乗るのも難しいし、避けるのも難しいというところだろう。

 中国の環境規制がどれほど厳しさを増しているかを調べてみると、イメージとは異なる実態がでてくる。インターネットなどで公開されている情報源からでも、意外なほど容易に「日本ではほとんど話題になっていない重大な事実」が浮き彫りになった。

 実はこの事実、日本の新聞各社、メディアが取り上げたなら、格好のコンプライアンス違反として注目を浴びる話題になることと思う。

上海環境



http://www.sepb.gov.cn/fa/cms/shhj/shhj2060/index.shtml

上海市環境保護局 行政処罰情報のページより

 

 上記HPを見てもらいたい。中国特有の簡体字の表示なので見慣れない方には難しいかもしれないが、20156月から毎月の行政処罰の情報が載せられている。

 ここで言う「行政処罰」とは、以下の環境関連の法規や条例に違反し、操業停止や罰金処罰を受けたということであり、リストには企業名とその法廷代表人の名前が公開されている。

中華人民共和国固体廃物汚染環境防治法

中華人民共和国水汚染防治法

中華人民共和国大気汚染防治法

建設項目環境保護管理条例

オゾン層消耗物質管理条例

上海市環境保護条例

上海市大気汚染防治条例

 いわゆる「水十条」と「大気十条」に定められた法執行がそのまま行われていると言うことの証左である。

 ここで注目すべきは、現地に進出し生産拠点を持つ日系企業はどうなのだろうかと言うことである。日系企業はどの企業も環境に気を遣い、全社を挙げて環境経営、省エネ推進していると自負しているようであるが、悪い意味での「郷に入っては郷に従う」式の経営をしてしまってる企業も存在するようである。

 例えば上記HP20157月分を見てもらいたい。日本の上場企業である日工株式会社、株式会社椿本チェイン、そして8月にはなんと三井化学株式会社の現地子会社の名前とその法廷代表人の名前が記載されている。

 今年に入って1月には、株式会社クレハの上海現地子会社も名前が挙がっている。

 大変残念だが去年の6月からこれまでに約20社の日本企業の現地子会社が環境問題の対処が悪いと言うことで行政処罰を受けてしまっているのである。

 当然現地の企業も多く存在する中の20社であるためそれほど大きな割合では無いが、環境経営を旨とする日本の上場企業までもが悪い意味での「現地化」してしまっていたことに正直ショックを隠せない。日系企業は優れた環境技術を持っていて、環境問題を起こさない、というイメージが崩れていく。

 果たして、ここに名前が挙がってしまっている現地法人の法廷代表人の方はこの事実をご存じなのだろうか。

 これまでにも中国における環境対策の重要性とそのリスクを訴えてきたが、日系企業といえどもこの対応には大きな課題を抱えていることがこれを見ても明らかである。

 では、何故このようなことになってしまっているのだろうか。

 簡単に言えば、「現地化」の失敗である。

 どの企業も外国で生産を行い、販売を行い、サービスを提供するなどのビジネスを行うにあたっては、現地のスタッフを教育しできるだけ日本からの駐在員を減らすことで、コスト削減を進める事を目指しているはずであり、それを「現地化」と言いながら推進してきたことは間違いないであろう。

 ところがその結果、「人」は現地のスタッフに入れ替わってはいるだろうが企業の理念や経営方針は置き去りになったまま、人だけが変わるという現地化が進んでしまったことがこのような行政処罰を受けてしまう元凶であると私は見ている。特に政治体制も文化も違う中国ではなおさらである。

 つまり、現地の悪習慣(商業賄賂や役人の腐敗、不作為)に飲み込まれ、「現地スタッフに任せています」という如何にも「現地化を達成している」という風な日本人駐在員の無責任の連鎖がこのような結果をもたらしてしまったと言うことなのである。

 では、日系企業のこの汚名をどう返上すべきなのだろうか?

 一般的に日系企業はこのような問題に直面した場合、本社より特別の監査チームを送り出し問題の調査と原因の追及、そして改善案を提案することが多いが、それにより根本的な問題が解決することはほとんど無い。なぜならば、現地の問題は表面化した部分よりももっと奥深くにその原因の核が存在しており、表面をなでただけで分かるようなものでは無いからだ。現地の総経理や経営陣からしたらそんな形だけの監査はありがた迷惑の何物でも無い。その根本原因を理解もせず、できもしないことをやれと言われてもというのが本音だろう。

 結論から先に言うと、日本の本社から送ってくる監査団に任せるよりも、現地の事情をよく知りこれらの諸問題の根源がどこにあるかを十分に知り尽くした第三者の専門家集団に監査を任せ、何らのしがらみの無い立場からの辛辣な意見を聞くことから始めるべきであろう。本社の監査団にとっては目から鱗のような現実が迫ってくることは間違いない。

 だからこそ、先にコラムで紹介した同済国際グリーン産業創新センターの様な日系企業の事情をも知り尽くした第三者の専門集団が発足したことは大歓迎すべき事だと思う。日本式のしがらみや系列、またはグループなどと言う枠にとらわれず何が正しいかを愚直に追求してこそ、中国が直面している環境やエネルギー、至っては労働環境衛生などの多くの問題を解決する道が開けることになるであろう。

 中国はこれからますます環境規制を強めていくだろう。昨日のルールが今日には通用しないという状況も生まれている。現地での対応も必要だ。同済国際グリーン産業創新センターなどを上手に活用して日系企業のリスク回避が進むことを願ってやまない。環境技術で世界でトップクラスはずの日系企業が中国で環境問題で問題となることはぜひとも避けたい。

 同済国際グリーン産業創新センター ホームページ:http://tgii.center/

       Emailinfo@tigiic.com

 

 

  



cdim at 16:05コメント(1)トラックバック(0) 

2016年05月23日

 中国は驚異的な経済発展と引換えに、環境の悪化という大きな負の遺産を抱えることになった。よく日本の1960年代と比較されるが、日本の「公害」よりもはるかにスケールが大きく、深刻である。ただ、日本が問題を克服した技術と社会システムの改良は中国も効果があり、日本の支援・協力が期待される時代となりつつある。

 2015年より環境汚染の深刻さ、そして改革開放以降の右肩上がりの経済発展の行き詰まり感などが表面化してきたことにより、中国政府は大きく環境改善の方へ舵を取り始めた。そんな今の中国に於いて、この状況は日本企業にとっての「追い風」とも言えるし「向かい風」であるととらえることができよう。

 「追い風」面とは、これまで日系企業が培ってきた環境や省エネに関するノウハウや知見、そして蓄積された高度な技術とその管理手法が大きく日の目を見るときが来たということだ。中国経済が右肩上がりの時には環境の汚染よりも経済的指数の上昇だけが注目の的であり、日本発の環境技術や省エネの技術には誰も目もくれなかった。しかし、経済発展と引き替えに自らが生活を営む環境が自分の首を締め付ける状況になったとたん、どこかに解決方法が無いのかと探し出すのが中国的な対処法である。

 そんなとき、海を越えた島国の日本にその技術やノウハウがあることを改めて実感しているのが今日の中国政府であり、中国のビジネスマン達なのである。

 つまり、彼らが今のどから手が出るほど欲しがっているものこそが、日本の持つ技術とノウハウと持続性を約束する管理手法なのである。これこそ正に日系企業への追い風と言わずなんと言おうか。

 では、「向かい風」とは何だろうか?

 これまで日系企業も世界の工場である中国の安い人件費と曖昧な法執行体制の旨みを享受してきたが、ここに来て反腐敗運動と連動した厳しい法執行により企業経営に大きな負担を強いてくると言うことを意味するのである。

 つまり、これまでは曖昧な対応で許された水、大気、土壌への汚染対策が、本来のあるべき姿に戻り始めた結果、日系企業の管理者達に取って大きな新しい課題として重くのしかかる状況となったのだ。ここ数年労務問題が厳しさを増し、これまでのように生産さえしていれば成り立った状況から一転、環境へも配慮した高度な管理体制を要求される状況となるのであるから駐在員責任者達も別次元の管理能力を要求されることになった訳だ。非常に曖昧でルーズな制度から一気に欧米や日本の規制以上に厳しいルールが適応されることも想定しなければならない。

 まさしく「新常態」、中国は今大きな転換期に来ていることは誰の目にも明らかであろう。新たな対応が必要なのだ。

 そんな中、いち早くこの状況をチャンスと捉え新体制に向けて組織作りを始めた日系企業連合がある。

 20151225日、JETRO上海代表処が旗振りを行い、JETRO、同済大学緑色建築及新能源研究中心、上海同済科技園有限公司の三方合同の支援の下、新しい産学プラットフォームが設立された。

 このプラットフォームは名を同済国際グリーン産業創新センター(以下「同済センター」)と命名され、同済大学緑色建築及新能源研究中心、同済国家大学科技園有限公司、そして運営の主体として日資企業節能環保推進研究会が参加する形で日中初の実質的産学連携組織として発足した。

 センターのウェブサイト(http://tgii.center/)によると、それぞれの組織と活動目的は以下のように記されている。

 ● 同済大学緑色建築及新能源研究中心は2003年に設立され、同済大学土木、建築、計画、HVAC、熱エネルギーは、材料、環境工学などの優位性学科及び研究資源を一体に融合して学科を交差する研究プラットフォーム。

 ● 同済科技園は、全国で唯一の国家級の優秀な大学科技園と国家級の優秀な科学技術企業孵化器を擁する園区を管理しており、「創業苗圃—孵化器—加速器—産業クラスター」の4位一体の企業サービス体係により、省エネ・環境保護などのハイテク分野の中小企業の発展を推進する役割を果たす企業体である。

 ● 日資企業節能環保推進研究会は、中国にて省エネ・環境分野で活躍している日本企業により構成された組織であり、メンバー企業の省エネ・環境技術と経験をAll-Japan体制で、中国にワンストップサービスとして提供し、中国の省エネ・環境保護産業の発展を促進することが目的である。

 この同済センターの運営を任されている日資企業節能環保推進研究会のメンバーに取材したところ、センターが設立されたのは、「新常態」中国に於いて日資企業が迎えるであろうリスクとチャンスの両方に対し準備するためのものであるという回答が返ってきた。

 つまり、先に挙げた向かい風と追い風の両方に日系企業が一丸となって連携し上手に対応することで、この歴史的チャンスを逃さないようにしたいという事が目的なのだそうだ。

 環境規制が厳しくなり、法的にも技術的にもしっかりと対応していくべきなのだが、たとえガバナンスに優れる日系企業といえども、一朝一夕には対応できないことも多い。よって、同済センターがその受け皿となることで、大きなリスクを回避できる手法を提供できる様になる。中国独特の政治・経済・文化環境への対応も必要とされる。

 且つこれまで話題にはなれど、なかなかビジネス的に成功するに至らなかった環境技術や省エネ技術の浸透戦略を組み直し、日系企業が持つ素晴らしいノウハウや技術を中国で必要としている自治体や組織、そして企業に浸透させていく為の支援体制を整えるという素晴らしい一石二鳥のアイデアなのである。

 これまで日本の企業群は、どうしても中国の変化の波に乗りきれずビジネスチャンスを逃すことが多かったが、このような斬新な取り組みでリスクを回避しつつもビジネスとして大きな実績を残してくれることを期待してやまない。中国も本気モードに入っている。それくらい環境問題は深刻化しているのだ。しっかりとリスクを認識し、回避することができなるなら、これまでとは異なったレベルでのチャンスが到来したと言える。

 中国政府の動きと昨今の時代の流れを上手に読んだ素晴らしい取り組みと言わざるを得ない。これからの動きに目が離せない。日中関係はここ数年の間、非常に冷え込んできた。環境問題への取り組みによって新たな関係が構築できる可能性が生まれてきた。

    

cdim at 10:56コメント(0)トラックバック(0) 
Profile
日本ブログ村
ブログランキング・にほんブログ村へ
ブログランキング
Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Recent Comments
  • ライブドアブログ