2012年12月14日

大学と地域の連携を求めて〜三重大学・志摩市文化フォーラム2012の開催

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 三重県志摩市にて、「三重大学・志摩市文化フォーラム2012」が開催されました。会場には500名の市民の方が訪れてくださいました。まずは、立命館大学総合企画部長の今村正治氏が「地域における人材育成と大学の関わり」、三重大学附属病院長の竹田寛氏が「市民が育てる地域医療」と題して講演を行いました。そしてその後は「夢のある地域社会とは」をテーマに、上記の二人と大口秀和志摩市長による討論会を行いました。私はコーディネータを務めました。

 このフォーラムから学ぶことを考えてみましょう。まず第一に大学の地域づくりにおける役割の大きさです。大学は、「象牙の塔」と揶揄されるくらい一般社会に距離を置く存在でした。大学の「知」をいかに社会に還元することができるのか、が最近よく言われるようになりました。しかし、これがなかなか難しい。大学も地域もお互いに協力し合うという文化を築いてこなかったのです。どれだけダイナミックに行うことができるか。今後の地域づくりではこれが非常に重要なのです。

 立命館大学も三重大学も地域との関係を作り、産学官協働のまちづくりをしていくことでは、先進的な取り組みをしてきました。とはいえ、まだまだ序の口。大学が行える役割と可能性はまだまだ無限大に広がっているとさえ言えます。地域の人と一緒に考えていくことが必要です。

 次に、地域と世界を結ぶことの重要性について考えましょう。立命館大学も三重大学も地域貢献と国際化に力を入れてきました。ローカルとグローバル。方向性は相反するような感じがしますが、私は、地域づくりをしようとすると、国際的な視点が必ず必要だと感じています。高齢化が進み、人口減に苦しむ地域。閉塞感が漂います。この閉塞感を打ち破るには、地域に閉じこもった発想ではなく、もっと大きく世界の視点から地域を見つめなおすことが必要なのです。世界とのネットワークを築く中で、新たな地域再生を行うことが求められています。

 地域医療においても、国や県・市・町が医療を提供する、という構図だけでは、なりたたなくなっています。地域における医師不足は深刻になっています。竹田病院長は、病院が医療を保証するという発想だけでなく、一緒に医療環境を作り上げていくという発想が必要ではないかと言われました。まさに、夢ある地域を一緒につくるという新たなスタイルです。

 大学と地域の間のコミュニケーションは決してよかったとは言えません。今、三重県においては急速にこの方向で活動が行われています。この「三重大学・志摩市文化フォーラム2012」もよりよいコミュニケーションのために開催されました。お互いが協力しながら夢を語る。ここに未来の地域像があるのかもしれません。

 



cdim at 00:14コメント(2)トラックバック(0)地域  

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コメント一覧

1. Posted by じょうじ   2012年12月16日 07:43
お体気を付けて下さいませ。志摩市は、三重県下では大きな市の一つです。
首長と市が、連携なり提言を地域住民に伝え、住民と考え、いかに早く実行に移す事が出来るかです。
今の日本の政治家、官僚と一緒で、未来の子供たちの為に今、何をしなければ、ダメなんだと言う思考が、ほとんどの自治体の首長、職員にはないと思います。この数十年で自分たちの市の住民は、どれだけ減っのか、各産業従事者も減ったのか、危機意思を持って考えて貰いたい。
当たり障りなく任期を終えれば良いと言う首長、議員、職員が多いと思う。
県頼み、国頼みの発想ではなく、自分たちで作り上げた案を県、国に発案し予算を取る様に首長、議員、職員に頑張って欲しい。
三重大学等の大学や機関との連携、市外企業との連携を言葉だけでなく、積極的に、素早く実行するかです。
余裕と金が無い、将来の事より、今すぐやらなくてはならない事がある、道作りに箱もの作り、都会では考えられない、体育館に何々文化会館。の様に・・・そして、若者が減り、働く場が減り、地場産業は??誇れる産品は??今あるだけでの発想が発展を阻害する。
僕も仕事で、長時間の搭乗をしましたが、たまに、通路側が取れず、窓際になった事が何度もあります。僕は、一応隣に何度か声を掛け、駄目ならば、隣席前の座席の背もたれに手を掛けて、もしくは天井、隣席のひじ掛けに足をしっかり掛けて、跨ぐ感じで渡りました。一度も誰からも注意はなかったです。
痛い中でも志摩市に行かれたのですね。ご苦労様です。
2. Posted by 児玉克哉   2012年12月16日 09:54
立命にもちょっとがんばってもらえると助かります、と他人だよりになっても問題でしょうね。航空機内の事故は、老化も原因の一つでしょうね。行けると思っても身体がついていかないのでしょう。安全路線にしないとだめなようです。

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Profile

児玉克哉

社会貢献推進機構理事長、国際社会科学評議会副会長、国際平和研究学会事務局長、三重大学副学長・人文学部教授などを歴任し、現職。専門は地域社会学、市民社会論、NGO論、国際平和論、マーケティング調査など。国際平和研究学会事務局長〔2000-04年〕として、世界の平和研究の中心的役割を担い、2010年より再度、事務局長就任。また2006年エジプトで開催されたISSC総会にてユネスコに本部を置く国際社会科学評議会の副会長に選出され、2010年からは理事。グローバルな視点から社会科学の発展に寄与している。公開討論会を勧めるリンカーンフォーラム幹事を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。三重県地方自治研究センター副理事長など、自治体問題や地域問題にも取り組む。核兵器廃絶へのプロセスをうたう「ヒロシマ・ナガサキプロセス」を提案し、世界的な運動を繰り広げている。また地産地消から「志産志消」の発想への転換を提言し、その運動の展開も図っている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。
【学歴】広島新庄高校を卒業ののち、広島大学教育学部英語教育研究科を卒業。同大総合科学部大学院修士課程を修了後、スウェーデン・ルンド大学に留学。社会学博士号を取得。

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