2013年07月09日 16:29

選挙と投票率〜参議院選挙を前にして

 参議院選挙が近づいています。マスコミは投票率について記事にしています。実際に投票率の高さが選挙結果にも大きく関わりますから気になることは確かです。主なマスコミの論調は投票は国民の義務で投票に行けばこの国はよくなる、というものです。そこには反対するものはなく、投票率が上がることは一般的に言っていいことです。
 ただ、私は名目投票率と実質投票率を分けています。日本では実際の政治・政策についての教育はほとんどしませんが、「投票は国民の義務で権利」と教えられます。生真面目な日本人は、政治には興味ないけど、投票だけはいかないと、という感じで投票に行くのです。政治には全く興味ないけど、「投票だけは欠かさずに行っています。これがちょっとした自慢です。」という人も少なくないのです。つまり投票することと政治に関わることがあまり連結していないのです。おそらくこんな国はあまりないのではないでしょうか。
 投票場で、さてさてどの党に入れるといいのか、誰に入れるといいのか、と悩む人も多いのです。だからちょっとマスコミで取り上げられた党や人が浮動票をがっぽりと持っていくのです。小泉旋風の時も、郵政民営化の意味など考えた人はごくわずか。小泉さんならなんかやってくれそう、という軽い気持ちで大きな票が動いたのです。民主党が政権をとった時の衆議院選挙も、民主党のマニフェストをまともに読んだわけでもない。まともに読めば矛盾だらけ。そんなのある意味どうでもいい、ということになっていたのです。
 選挙管理委員会は、選挙が近づくと法律に違反する可能性があります、といって、選挙について国民が語り合うのも難しい雰囲気を出します。それでいて投票率をアップさせようというのですから、タレントが「みんな、選挙に行こう!」というCMを流すだけで終わります。それで投票に行ったからと言っても日本の政治はよくなりません。
 政治には関心はない、選挙にも関心はない、政策を考えることもまずない、という人が投票だけは行きます、という投票率を名目投票率と言っています。50%の投票率の中で、そのうちの8割くらいはあまり政治を考えていない人の票でしょう。つまり、本当に政策を考えて投票した実質投票率はおそらく10%、あるいはそれ以下なのではないかと思います。
 マスコミも選挙が近づくと政治や選挙についての特集をします。しかし、日ごろ政治に関わっていない多くの国民がいきなり2週間程度で選挙や政策に興味を持つとも思えません。むなしいような選挙戦になるのです。この選挙でいい政治家は絶対に育ちません。
 そうです。選挙(だけ)が大切なのではないのです。もっと大切なのは選挙と選挙の間。つまり日常の生活の中で、いかに政治とのかかわりを持つか。私は、ヨーロッパ、具体的にはスウェーデンで生活をしたことがありますが、国民が政治活動、政治家とかなり近く、日常的に活動があることに驚かされました。だから80〜90%の投票率があるのです。
 むりやりタレントを起用して投票率をアップさせたり、テレビで「とにかく選挙にだけは行きましょう」と連呼するのは日本の政治をよくするという点からはほとんど意味がありません。政治に参画できる社会を創り、政治に関心がある人を増やし、意思と決断をもって投票に行く人を増やす。この地道な活動と制度の変革をいかにするか。ここに日本再生のヒントがありそうです。

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コメント一覧

1. Posted by 村石太マン&ケンサク仮面&たけしたりゅうた   2013年07月10日 12:47
参議院選挙 で 検索中です
票割れ選挙で 結果的に 参議院選は 自公政権に 私の推測ではなるかなぁ?低い選挙率かなぁ?
憲法 原発 TPP 3つの岐路 は そういう予定かなぁ
消費税も 決まりなのかなぁ?国防軍とは なんだろう?
そういえば 民営化問題は ?義務教育問題〜?
政治研究会(名前検討中
2. Posted by 山中 雅和   2013年07月11日 02:22
 選挙情報が全然
面白くない。・・世論調査や何かで報道
が選挙結果決まってるように印象付け。

 投票に行っても、行かなくても一緒?
「公約や演説内容は選挙が終わったら
忘れてね」が、本音みたいだし、有権者
本当に主権者?結局米国の操り人形。
憲法の三権分立や二院制の意義無視。

メディアを含めた4大権力思いのまま。
それが日本政治?グル暴走事後臭い
ものに蓋。・・悪影響尾、掘り起こすな。

 海外の識者や政治家同士の会話は
「日本で隠蔽してる事」には及ばない。

日本の政治家はお金は出すがパス!

  
3. Posted by たそがれ裕次郎   2013年07月11日 06:34
生保カット、70歳〜74歳の医療費アップ、労働規制緩和、

小泉に輪をかけた資本家優遇、アメリカ新自由主義の先棒担ぎだ。庶民増税、企業減税、ナンでこんな政権を支持するんだ(怒)

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Profile

児玉克哉

社会貢献推進機構理事長、国際社会科学評議会副会長、国際平和研究学会事務局長、三重大学副学長・人文学部教授などを歴任し、現職。専門は地域社会学、市民社会論、NGO論、国際平和論、マーケティング調査など。国際平和研究学会事務局長〔2000-04年〕として、世界の平和研究の中心的役割を担い、2010年より再度、事務局長就任。また2006年エジプトで開催されたISSC総会にてユネスコに本部を置く国際社会科学評議会の副会長に選出され、2010年からは理事。グローバルな視点から社会科学の発展に寄与している。公開討論会を勧めるリンカーンフォーラム幹事を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。三重県地方自治研究センター副理事長など、自治体問題や地域問題にも取り組む。核兵器廃絶へのプロセスをうたう「ヒロシマ・ナガサキプロセス」を提案し、世界的な運動を繰り広げている。また地産地消から「志産志消」の発想への転換を提言し、その運動の展開も図っている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。
【学歴】広島新庄高校を卒業ののち、広島大学教育学部英語教育研究科を卒業。同大総合科学部大学院修士課程を修了後、スウェーデン・ルンド大学に留学。社会学博士号を取得。

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