カンボジア:ニューフロンティアでの農園開拓のblog

カンボジアでの農業プランテーションの開拓と運営の様子を生でレポートしていきます。

カテゴリ: 胡椒

弊社のKep州の胡椒農園では、5月末に一旦すべての収穫を終えました。この時には、熟した実だけではなく、熟していない実や花芽も全て取り除いてしまいます。

栄養分が実に行かず、全て枝葉の成長に使われるようにして、木全体を大きくするためです。

下は、その時の収穫風景です。梯子をかけて木の上の部分の実も収穫します。
Kep収穫1 May 2015
Kep収穫2 May2015
上の写真の手前の籠に収穫した胡椒の実の房を入れています。

5月末に収穫を終えた後、雨季が本格化する前に、土入れを行います。これは畝の土が雨で流れだして少なくなったのを補う作業です。雨季が本格化すると作業がしにくくなります。

何しろ、添え木7500本分の土入れなので、膨大な量の土が必要です。今年は下の写真のように農園内の土を掘って使用しました。
Kep土入れ準備

土入れの後は、肥料を与えます。雨季が本格化して木が十分な水が得られるタイミングで、同時に栄養も与えて一気に木の生長を加速させる目的です。

肥料は牛糞堆肥がメインになります。理由は伝統的にカンボジアの農村では、至る所で牛の放牧を行っており、比較的簡単に大量の糞が集められるためです。

その他ミネラルの補給に牛骨粉も与えます。それから、何故かはわかりませんが、伝統的にコウモリの糞も一緒に与えます。これがカンポットペッパーに独特の風味を与える隠し味などと言われてはいますが。

このKep州や隣のKampot州には、平坦なカンボジアには珍しく多くの山があります。この山は石灰岩でできているので、雨で溶けて多くの洞窟があり、その洞窟にコウモリが大集団で生息しています。

そこで、山の近くの村では洞窟に入ってコウモリの糞を取って生活している集落が多くあります。
我々もその様な家に直接コウモリ糞を買いに行くわけです。

先日、コウモリの糞を買出しに、ある村に行って聞いた話ですが、Kampot州にあるKセメント(Kampot セメント)という会社が石灰岩の山を買い取って原料に使い、そのためにコウモリ糞取りの人々が山から追い出されているそうです。

Kセメントは次々に山を買ってしまうので、このままではコウモリ糞が手に入らなくなり、将来カンポットペッパーの独特の風味に危機が訪れるかもしれません。

さて、肥料を与えて雨季が本格化すると、木が成長して多くの新しい枝葉を茂らせてきます。
そして、5月末の収穫から2か月たった8月からは、木に多くの花芽が出てきました。一旦体全体の成長に栄養が使われて、一段落すると今度は花芽や実の生殖成長の順番になる訳です。

下は、最近の胡椒の木、一杯の花芽を付けています。
Kep花芽1_23Aug2015
葉の付け根付近から小さな軸状のものが多数垂れてきているのが花芽です。この花芽の一部にはすでに小さな実が生ってきているものもあります。

来月下旬には多くの青い実が出来てきます。これは青胡椒と言って、カンボジアでは生のまま野菜のようにして食べます。(下の写真は、カンボジア名物 「イカの青胡椒炒め」)
イカの青胡椒炒め
来年の3月になると熟した実を収穫して、乾燥胡椒を作ります。木に一杯の花芽を見ながら、青胡椒や乾燥胡椒の収穫に思いをはせます。
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弊社のKep州にある胡椒農園では、初の胡椒の本格的な収穫作業が始まりました。
一昨年9月に植えて18か月育て、待ちに待った収穫です。
収穫開始Feb2015
胡椒の木では実の房が収穫を待っています。実が十分に成熟しているのを確認して房ごと摘み取ります。初日は179kgの収穫量になりました。その後摘み取った房を集めて、実を一粒一粒選別します。
選別作業Feb2015
以前の記事(「赤胡椒、黒胡椒、白胡椒、青胡椒は1本の木から」)にも書きましたが、胡椒の種類は赤、黒、白、青の4種類があり、全て1本の木からできます。もっと言うと1房からこれらの4種類の胡椒ができるのです。

熟した同じ房の中で赤い実が付き、これを選り分けて赤胡椒となります。上の写真の籠の入った赤い実がそれです。赤胡椒は、黒胡椒の一種で「完熟黒胡椒」とも呼ばれますが、黒胡椒に比べてマイルドな味わいです。

また、形や色の悪い実も選り分けて白胡椒にします。白胡椒は実の表皮を除いて白い種の部分だけにしたものです。
白胡椒作りFeb2015
上の写真のように1-3日水に漬けて、表皮をふやかしてから取り除きます。表皮の強い香りが無くなって特有の辛味が味えます。
赤胡椒、白胡椒になる実を房から取り去った残りの大部分の青い実は黒胡椒になります。胡椒の深い香りが楽しめます。
さて、選別された実は、下の写真のような乾燥場で乾燥されます。
Kepの胡椒乾燥場Feb2015
(黒胡椒の乾燥風景:青い実が乾燥すると黒くなります)
黒胡椒乾燥Feb2015
(赤胡椒の乾燥風景)
赤胡椒乾燥Feb2015
これらは、1-2日乾燥させた後煮沸して消毒し、更に3日程度乾燥させます。乾燥が不十分だと保存中にカビが生えてしまいます。十分に乾燥させたものは、良い環境で保存すると何年でも持つと言われています。
しかし、乾かし過ぎは禁物です。紫外線にあまり長期間当たると胡椒特有の風味が損なわれる言われているためです。 

実は胡椒は通年は実を付けますが、この時期に収穫をするのは理由があります。胡椒を出荷するためには天日で乾燥させる必要がありますが、2月-4月の乾季のこの時期には滅多に雨が降らないので乾燥作業にもってこいな訳です。

さて、収穫は胡椒の木の中で熟した房だけを摘み取る作業で、順番に6000本の添え木を何度も回り、2か月以上かけて行います。胡椒農園では、これから4月までこのような風景が続きます。
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弊社の胡椒農園は、カンボジア南西部のケップ特別市(州)とカンポット州の2か所あります。
先週末にケップの農園に行きましたので、その様子をレポートします。

昨年植えた木は、3mの屋根を突き抜けて育ち、実を鈴なりにつけ始めています。
ケップ2年木2_11Dec2014
この時期は、胡椒の実ができても中の種の部分がまだ固く出来上がっていないので、実は青胡椒として食べることができます。青胡椒とは生のフレッシュな胡椒のことで、房ごと摘み取って野菜としてイカなどの海鮮と一緒に炒めて食べます。(辛いので1粒ずつ食べます)
イカの青胡椒炒め

1月になると、実の中の種が固く熟してきて、野菜としては食べられなくなりますが、乾燥して黒胡椒や完熟の赤胡椒として出荷できるようになります。

胡椒の木は屋根を突き抜けるほど伸びましたが、ココナッツ葉の屋根は1年でほとんど壊れてしまい、日光を遮れなくなってしまいます。(下の写真)
ケップ屋根11Dec2014
胡椒はもともとうす暗いジャングルの中で他の木に巻き付いて生活する植物なので、直射日光には弱い性質があります。特に3歳未満の若い木は直射日光を避けるための屋根が必要です。
そこで、今再び屋根を葺くためのココナッツ葉を準備しています。
ケップココナツ屋根11Dec2014
上の写真は準備中のココナッツの葉で、虫干し中です。ココナッツ葉は、1ヘクタールの畑に5000枚という大量の枚数が必要で、この農園では4ヘクタール分合計2万枚を準備しています。

さて一方、今年9月に苗を植えたばかりの畑の方は、若木が成長速度のピークの時期を迎えています。
ケップ若木2_11Dec2014
胡椒の木が伸びると、木の皮で作った紐で添え木に縛り付けて行きます。下の写真は木の皮から作った紐です。
ケップ若木皮ひも11Dec2014
農園のスタッフは、これから半年間ほどは、胡椒の木の伸びの速さに急き立てられながら、紐結びに終われます。
丁度これから乾季に入るところですが、乾季には全く雨の降らない期間が数か月続きます。胡椒は3-5日に1回は、添え木1本についてバケツ1杯の水が必要です。

そのために、下の写真のような貯水池を用意し、雨季に雨水を溜めます。
ケップ貯水池11Dec2014
水不足だった昨年と違い、今年は雨季に十分な水が貯えられました。この農園では、来るべき乾季も乗り切れそうです。
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弊社は、カンポット州とケップ特別市で胡椒農園を運営しています。今回はこの農園で出来る胡椒の種類についてお話します。

実は我々の食卓に上る胡椒には、赤胡椒、黒胡椒、白胡椒、青胡椒の4種類があります。
これらは全て同じ1本の木からできるのですが、収穫時期や製法が異なるために色や味、風味に違いが出てきます。

胡椒の実は、実った初めは青(グリーン)でだんだん黄色っぽくなり、熟すにつれて赤味がかってきます。
通常は、赤味がかる前に収穫してそのまま乾燥させます。一番風味が強いからですが、これが黒胡椒です。(下の写真)
Kampot Pepper

完全に熟してから収穫して乾燥させたものが、赤胡椒です。黒胡椒よりも味がマイルドになります。‘完熟黒胡椒‘などとも呼ばれ、取れ高も少ないので珍重されます。
赤胡椒2

同じ1本の房でも下の写真の様に、赤胡椒(赤い実)と黒胡椒(になる緑色の実)が取れます。
赤胡椒
白胡椒は、黒胡椒になる実の皮を取って白い種の部分だけを乾燥させたものです。(下の写真)黒い皮の風味を感じずに、胡椒の本来の辛味が味わえます。
白胡椒
これら赤、白、黒の使い分けですが、赤は黒の完熟版でマイルドになっているだけなので、基本は黒と白の使い分けになります。

辛味の欲しい時には白、風味の欲しい時には黒とも言われ、魚料理には白、肉料理には黒ともいわれますが、実際には、個人の好みに依るところが大きいようです。
例えば、私の場合、強い風味が欲しいので魚にも黒をよく使います。

さて、青胡椒は何か?というと、熟す前のグリーンの実を収穫してそのまま野菜のように使ったものです。
食卓では、乾燥させずに生のまま使いますので、カンボジアのような胡椒産地ならではのものになります。
下の写真は、収穫後3時間のものです。冷蔵しないと2日くらいですぐに黒くなって使えなくなります。
青胡椒
この青胡椒を使ったカンボジアの代表的な料理が、イカの青胡椒炒めです。
イカの青胡椒炒め
何とも言えない、新鮮な胡椒の爽やかな風味が海鮮に良く合います。青胡椒の辛味は黒胡椒などよりはるかに少ないので、野菜として使われるのですが、青胡椒を房ごとガブリとやると大変なことになります。
日本人は一粒ずつ食べた方が無難です。

青胡椒の収穫時期は、丁度今、11月~12月になります。それ以降になると実が熟して固くなってしまいます。
そして、十分に熟して固くなったものを翌年2月~5月に赤、黒、白胡椒として収穫するわけで、農園としての本格的な収穫作業になります。今から、それが待ち遠しいです。
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弊社では、カンボジア南西部のケップ州とカンポット州で‘カンポット・ペッパー‘ブランドの胡椒を完全有機栽培しています。
この胡椒を地元だけでなく、日本でも販売を拡大するように努力していますが、そのために、ケップの農園で取れた胡椒の食品成分を日本で分析してみました。

分析内容は、
1.日本の食品のパッケージに通常表示する7種の栄養素とエネルギー(カロリー)
  タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウム、食塩相当量、水分、灰分、及びカロリー
2.残留農薬量
の2種類です。下は1.7種の栄養素とエネルギー分析結果です。(クリックして頂くとはっきり見えます)
成分分析_7種2
各成分、エネルギーはやはり通常の食品分析表とほぼ同じです。カロリーは100g当たり364Kcalでスプーン1杯2gとすると約7Kcalとなり、普通に使う分にはカロリーは問題になりません。

意外にも、タンパク質、脂質、炭水化物もバランスよく含まれています。
また、この分析では出てきませんが、胡椒の辛味成分は主に植物のアルカロイドの1種、ピペリンという物質です。 このピペリンには抗菌、防腐、抗酸化作用があり、欧米人の肉食に胡椒が欠かせない理由となっています。
また、一説によるとピペリンはターメリック(熱帯ウコン)の癌の炎症、感染症に対する効果を20倍も高めるとも言われています。

さて、下は2.残留農薬量の分析結果です。
残留農薬分析
106種類の農薬について検査をしましたが、全て検出されませんでした。
完全有機栽培なので当たり前のことなのですが、改めて有機栽培であることを実感させられます。

以前の記事で書きましたが、完全有機栽培では農薬を使えないために様々の苦労があります。
まず、除草剤が使えないので、除草作業を全て人手で行わなくてはならず、相当の労力がかかります。
(人手による除草風景)
雑草取り作業
また、病気に対しても天然のもの以外の薬が使えないので、対応も限られてきます。
その分、病気にかかりにくくするために、肥料の与え方等を工夫して抵抗力の高い胡椒の木を育てます。

逆に言いますと、化学肥料と農薬を使う栽培法では、化学肥料をふんだんに与えて栄養過多の肥満児状態になるので、病気にもかかりやすくなり、農薬が不可欠になる訳です。

さて、食品成分分析でも、無農薬が実証されましたので、これからも自信を持って完全有機栽培を進めて行きたいとおもいます。
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