2012年03月

南海トラフの巨大地震で地震・津波の新想定・最大津波34mを予測(4月1日更新版)

  東日本大震災を受けて、国が設けた内閣府の検討会は31日、東海・東南海・南海地震が連動するマグニチュード9級の「南海トラフ(浅い海溝)の巨大地震」について、最大規模の震度と津波の高さ(満潮時)の予測を公表した。20120401k0000m040052000p_size5
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 検討会は大震災で想定外の巨大地震と津波が起きた反省を踏まえ、同様の海溝型地震が起きる南海トラフの想定を見直してきた。トラフ付近で震源断層が大きく動き、津波が巨大化する大震災タイプの津波断層域(M9.1)を新たに導入したほか、断層面を東西方向や陸側に広げ、強い揺れを起こす強震断層域を従来のM8.7からM9.0に上方修正した。検討会は、来月以降、より詳細な地形のデータに基づく津波の高さや、東南海・南海地震などが一定の時間差をおいて発生した場合の津波への影響、それに浸水が予想される範囲などを検討する予定。

  従来の国の想定の2倍近い680余りの市町村で震度6弱以上の激しい揺れが想定されているほか、四国などの23の市町村では、20メートル以上の巨大な津波が想定されている。
 震度6弱以上の激しい揺れが想定されたのは、24府県の687市町村で、国が9年前までにまとめた東南海・南海地震などの想定に比べて2倍近くに増え、震度7の強い揺れの範囲は約20倍に拡大し、兵庫、香川、愛媛、宮崎の4県を新たに含む(愛知は名古屋市が新たに含まれた)10県153市町村に増え、都市部で大幅に拡大するなど従来の想定を大幅に上回った。
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 津波高については、国の中央防災会議による平成15年の想定と比べ、太平洋沿岸では津波の高さはおおむね2~3倍となり、津波高が10メートル以上の自治体は9倍の90市町村、20メートル以上はゼロから6都県23市町村に増えた。
 津波を起こす地震の規模はマグニチュード(M)9.1となり、津波高は全国で最も高い津波が予測されるのは、高知県黒潮町の34.4メートル、 最大20メートル以上の津波は静岡県から紀伊半島、四国の太平洋沿岸の6都県(東京・新島で29.7メートル)、同10メートル以上は関東から九州(九州東部は約15メートル)にかけての11都県、神奈川県鎌倉市で9.2メートルと想定された。TKY201203310388

















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昨年5月に政府の要請で停止中の中部電力浜岡原子力発電所は、津波高が21メートルと予想され、東日本大震災後、経済産業省原子力安全・保安院が電力各社に指示した緊急安全対策の水準(15メートル)を上回る結果となった。
 中部電は、最大マグニチュード(M)8・7の地震、遡上高約8メートルの津波が襲来すると想定していたが、東日本大震災後、M9、約10メートルの津波に引き上げ、対策を強化した。もともとあった高さ15メートルの砂丘堤防の背後に18メートルの防波壁を2012年末までに新設したうえ、万一津波が乗り越えても原子炉建屋などが浸水しないよう水密化を徹底した。
 しかし、検討会の津波高は防波壁を3メートルも上回った。地震の揺れも、中央防災会議が03年に示した震度6強から7に引き上げられた。中部電はこの日「津波が防波壁を越えても冷却機能を維持する、非常用電源の設置などを講じており、安全を確保できる」と話した。
 また、瀬戸内海に面する四国電力伊方原発(愛媛県)では3メートルで想定を下回った。南海トラフの巨大地震による各原発付近での想定津波の高さを下表にまとめた。
南海トラフの巨大地震による各原発付近での想定津波の高さ
 電力会社の想定今回の推計結果
日本原発東海第二5.7m2.6m
日本原発東海第二10m21m
日本原発東海第二4.6m2.9m
日本原発東海第二3.4~4.3m3m
 新想定を受け国の中央防災会議は、6月をめどに死者数や家屋倒壊などの被害想定を新たに作成。年内にも住民の避難を軸とした総合的な防災対策をまとめることにしている。15年の被害想定は死者2万5千人、全壊90万棟、経済被害81兆円としたが、これを上回る公算が大きい。

 (情報元:内閣府ホームページ「南海トラフの巨大地震モデル検討会(第15回)」、NHKニュース電子版、msn産経ニュース、読売新聞電子版・図表とも、asahi.com・図表とも、毎日jp・図)

参考:「南海トラフの巨大地震」
 昨年、政府の中央防災会議と地震調査委員会、日本地震学会、地震予知連絡会などの地震専門機関などは結果的に3・11の東日本巨大地震の激震と大津波を想定できず、甚大な被害が出たことを反省し、過去の地震をもとに予測してきた「将来起きる地震の規模や確率の予測手法」を改め、過去に発生例がなくても科学的に可能性がある地震や、多数の地震の連動も想定に加えるとし、さらに3・11の地震と津波の発生メカニズムや被害を分析し、地震規模の推定や被害想定の手法を見直すとした。
 その後、古文書に見られる過去の地震と津波に関する記事の洗い出しと解析、活断層の現地調査と再評価、地震発生の予測手法の見直しなどが行われて、次々と新しい知見が発表されている。

(1)南海トラフの巨大地震、震源想定域を2倍に拡大しM9に設定 内閣府検討会中間報告
 過去に東海から西の太平洋沿岸の「南海トラフ」で起きた巨大地震と大津波、いわゆる「東海・南海・東南海三連動地震」は、約90年から 150年(中世以前の発生記録では200年以上)の間隔で発生していることが分かっており、今後も同じような発生パターンをとると推測されていて、対象地域の自治体では地震や津波などの防災計画を立ててきた。しかし、このたびの東日本大震災をうけて政府専門者会議でこの3連動地震の想定モデルが見直されて、従来想定よりもより広範囲な地域で発生すると報告された。
 東海、東南海、南海地震など、東海から西の太平洋沿岸で起きる巨大地震の想定を見直しを進めている内閣府の有識者で構成される「南海トラフの巨大地震モデル検討会」会議は昨年12月27日、駿河湾から四国・九州沖の海底に延びる南海トラフ沿いで想定される最大規模の地震の想定の震源域を従来の約2倍に拡大することなどを盛り込んだ中間報告をまとめていた。報告では、地震規模を示すマグニチュード(M)は暫定的にマグニチュード(M)9.0と設定した。
 検討会は3月31日、本文のような「揺れの強さや津波の高さの新たな想定」を公表したが、夏から秋ごろにかけて被害想定をまとめる予定で、新しい想定が正式に示されると対象地域の自治体では地震や津波などの防災計画の大幅な見直しを迫られる。
 検討会は、東海から西の太平洋沿岸の「南海トラフ」と呼ばれる海底付近で想定される最大級の巨大地震や津波について、東海地震と東南海・南海地震が同時に発生した場合の震源域は、最新の研究成果などから、山梨県南部から九州の東海岸にかけての東西およそ750キロの範囲に想定し、従来の国の想定より陸側に大きく広がっている。暫定的に計算した震源域の面積は従来の約2倍のおよそ11万平方キロ、マグニチュードは3月の巨大地震に匹敵する9.0となり、これまでの想定の8.7に比べてエネルギーの大きさは3倍近くになっている。
 また、地震に伴って津波を引き起こす海底の領域「波源域」は、3月の巨大地震の際、沖合の「日本海溝」付近で津波が巨大化していたという研究成果を受けて、同じように沖合の「南海トラフ」付近まで、広がる可能性があるとしている。
 東海・東南海・南海で予想される3連動地震の従来の想定では、3地震が連動した場合の震源域は駿河湾か20111227-183563-1-Nら四国沖の約6万平方km。プレート境界の深さ10~30kmの領域。地震の規模はM8.7であった。新たに見直した想定震源域は左図の実線範囲内となる。
 北側では、プレート境界の深さ30kmよりも深い部分でも通常の地震とは異なる低周波の地震が発生しており、この領域まで想定震源域を拡大した。
 西側は、四国沖から宮崎県沖(日向灘)で起こるM7.5前後の地震も連動する可能性を考慮し、日向灘北部から九州・パラオ海嶺周辺まで南西方向へ拡大することにした。
 東側も、駿河湾のプレート境界から内陸部につながる富士川河口断層帯(静岡県)の北端までとした。 
(2)関連記事
①東海・南海・東南海三連動地震とは
  東海・南海・東南海連動型地震は、東海地震、南海地震、東南海地震の3つの地震が同時発生した場合を想定した巨大地震のこと。地質調査や文献wbou_3-1資料から、東海地震、南海地震、東南海地震はそれぞれは約90年から 150年(中世以前の発生記録では200年以上)の間隔で発生していることが分かっており、今後も同じような発生パターンをとると推測されている。いずれもマグニチュードが8に達するような巨大地震で、揺れや津波により甚大な被害を出してきた地震である。
 これらの3地震はいずれも、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに衝突してその下に沈み込んでいる南海トラフで発生する海溝型地震で、プレート境界域付近に震源域が並び、連動する可能性がある。
 江戸時代には南海トラフ沿いを震源とする巨大地震として、文献に残る江戸時代以降、三連動地震は少なくとも2回(1605年の慶長地震 M7.9 - 8.0と1707年の宝永地震M8.6 )発生し、1854年の安政東海地震(東海・東南海地震M8.4の32時間後に南海地震M8.4が起きた)も三連動とする見方もある。
 東海・東南海・南海地震の3つの地震が一挙に起きた場合、また安政地震のように短い間隔で起きた場合は、波の高さが重なり合って九州太平洋沿岸で最大で8m級に、土佐湾西部と東海沿岸のいくつかの狭い範囲で10m近い高さに達するなど太平洋ベルト全域に地震動による被害が及び、さらに、瀬戸内海まで津波が入り込む恐れもあると見られており、早急に地方自治体は連動型地震を視野に入れた防災対策を講じる必要があるとされている。(情報元: 読売新聞、ウィキペディア、図はBIGLOBE)

野田政権の基盤を揺るがす国民新党の連立政権離脱騒動と小沢グループの政務三役らの辞表提出

 消費増税関連法案を巡り与党内の亀裂が広がってきた。まず、国民新党の連立政権離脱騒動。国民新党は消費税増税関連法案の対応をめぐり、亀井静香代表が連立政権離脱を宣言する一方で、自見庄三郎郵政改革・金融担当相や下地幹郎幹事長ら6人が政権内に残るという党分裂の様相を見せた。亀井代表が、野田首相と会談し連立離脱を伝えると、下地幹事長は藤村官房長官らとの会談で連立継続を確認。国民新党は連立離脱なのか連立維持なのか不透明な状態となったが、野田首相は記者会見で、「自見金融相が閣僚として、野田内閣の一員として、(同法案に)署名をしていただいたことについては、万感の思いを込めて感謝をさせていただいた」と述べ、国民新党が連立にとどまっているとの認識を強調した。

 政権残留を明言した自見金融担当相は、消費税増税関連法案の閣議決定について「党副代表として署名させていただく」と宣言。閣議に出席し、消費税率引き上げ法案の閣議決定に署名した。この瞬間、国民新党の分裂が決定的になった。

 亀井静香国民新党代表は、「(自見金融担当大臣が)署名するのはおかしい。ゆうべのうちに『連立政権を離脱する』という党の方針を私が決めて野田総理大臣に伝えている。自見大臣は、党人として、それに従って行動するのは当たり前の話だ」と批判した。しかし、亀井代表が「狸おやじ」なら、それに優るとも劣らない「古狸」の自見金融担当相は、亀井代表の批判に対して「昨夜の議員総会で、党として決定されたことであり、副代表としては党の決定に従って署名した。国民新党の1丁目1番地は、郵政民営化の見直しであり、連立与党の一員として最後まで責任をもって取り組みたい」とぬけぬけと大見得を切った。

 はらわたが煮えくり返ったであろう亀井代表は、国民新党の副代表でもある自見金融相が法案の閣議決定に署名したことから、自見金融相に辞任するよう求めている。しかし、自見金融相に辞任する考えはない。

 連立政権離脱に関して、亀井代表と他の議員6名との間にどうしてこのような意志決定の乖離が生じたのだろうか。亀井代表は、「連立離脱」は代表としての意志だから党員はこれに従うべきとした。いっぽう、下地幹事長は 「連立維持」は議員の総意だとした。
 この見解の相違は、国民新党の党則・規約には、除名手続きや党の意思決定プロセスが何一つ書かれていなされてなく、手続きがあいまいなことに根ざしているという。党職員は「議員総会は議員の総意をもって開き、党の機関決定とする場」と説明する。このため、下地氏らは連立政権離脱の賛否については多数決を「党の意思」とした。

 下地氏らは党の分裂回避に向け、亀井氏の説得を続けており、双方の妥協を模索する動きも出始めたという。亀井氏と下地氏の会談では、「改正案の成立までは正式な連立解消とはせず、成立後に自見氏らが辞任する」案も取りざたされたというが、話し合いは平行線に終わったとみられる。

 党内で孤立状態にある亀井代表が走った先は、小沢一郎元民主代表だった。亀井代表は、頻繁に小沢氏と電話で連絡を取り合った。政局ありきの小沢元代表は、亀井代表について「小さな政党なのにがんばっている」とヨイショしてみせたという。古い政治手法を繰り出す二人はもはや政界の「重荷」となっているのだが当人たちは色気をだして消費税増税政策を政局化することに奔走している。

 「消費増税反対」を政局化して野田政権を打倒しようと画策している小沢一郎は,側近を通じ自らのグループに所属する政務三役、党幹部の辞表を取りまとめ、自らも28日から29日にかけて、辞表提出を拒む議員への説得に当たったという。消費税率引き上げ法案が閣議決定された後、小沢グループの政務三役4人が増税に反対して辞表を提出した。党役職13人も辞任の腹を固めているという。
 小沢元代表が動いたのは、グループの結束力を問われる事態を恐れたためだという。今回の野田政権との対決で厳然たる力を見せつけることができなければ、4月下旬の裁判判決後に狙う「党員資格停止処分解除」による復権も不透明となる。元代表側近からは「消費税法案の採決時に、処分覚悟で造反する議員がどれだけいるのか不安だ」との声も漏れた。
 今後の政局は民主党分裂や衆院解散もにらんだ緊迫した展開となりそうだ。

 情報元:日本経済新聞電子版、msn産経ニュース、読売新聞電子版、asahi.com、NHKニュース電子版

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 国会議員がたった8人の与党「国民新党」の、消費税増税案の閣議をめぐる分裂騒ぎが、早朝からテレビや新聞各紙の電子版で大々的に取り上げられている。民主党の内紛以上の取り上げられようだ。昨晩から頻繁にテレビ画像に映る亀井代表の言動が、亀井亜希子政調会長以外の国民新党6人の意志とは乖離していて、独り芝居のようで痛々しい。

 亀井代表は29日夜、野田総理大臣と会談し、消費税率引き上げ法案の閣議決定は認められないとして、連立政権を離脱するとしながらも、郵政改革などに協力するため、自見郵政改革・金融担当大臣ら政務三役を無所属の議員として起用するのであれば、私としてもそういう対応をしたい」と3人が無所属で閣内に残ることを提案したが、野田総理大臣は「無所属という形を前提にした対応はできない」と述べ、亀井代表の奇策とも言うべき提案は受け入れられなかった。
 亀井代表は「それなら、連立は解消するので、国民新党から差し出している人間は引きあげさせてもらう」と述べた。亀井氏は消費税増税関連法案に「党としてサインできない」と述べ、連立政権からの離脱を表明、首相は「残念だが仕方がない」と容認した。
 亀井代表は、記者団に対しても「国民新党の議員は、連立を離脱するということで、身の処し方は分かっているはずだ」と述べた。
 ところが、亀井代表が野田総理大臣と会談している間に、下地幹郎幹事長は自見庄三郎郵政改革・金融担当大臣らとともに議員総会を開き、「郵政民営化法の改正案が成立するまでは、役割を果たしたい。亀井代表の提案は承服しかねる。連立離脱も、無所属になることもありえない」として、亀井代表と亀井亜紀子政調会長を除く6人は連立を離脱しないことを確認していたのだ。

 そして、自見大臣は30日午前の閣議で消費税増税法案にすんなりと署名した。自見大臣は、記者会見で「昨夜の議員総会で、党として決定されたことであり、副代表としては党の決定に従って署名した」と亀井代表との決別を明確にした。

 亀井代表は、下地幹事長が29日夜、藤村修官房長官に電話で、亀井代表と亀井亜紀子政調会長を除く6人は連立に残留する方針を伝えたことについて、「幹事長が政府に伝える立場にない。強い反省を求める。そんな勝手なことしていいはずがない」と批判し、さらに、自見氏が閣議で署名したことについて「国民新党としてのサインはありえない。ゆうべのうちに『連立政権を離脱する』という党の方針を私が決めて野田総理大臣に伝えている。自見大臣は、党人として、それに従って行動するのは当たり前の話だ」と批判。
 結局、亀井代表のこれまでの「消費税増税反対」・「連立離脱」の言動は亀井氏の一人芝居、茶番劇という結果に終わった。亀井代表は完全に孤立した。これにより国民新党は事実上分裂した。
 亀井代表は自らの代表辞任を否定しており、副代表の自見大臣も「離党の考えは全くない」と述べ、亀井氏、自見氏ともに「国民新党」を名乗って、泥仕合の様相を呈している。まさに、「古狸」と「古狸」の化かしあいの戦いだ。
 
 孤立した亀井氏は、石原慎太郎都知事は軽々には動かないだろうことを見越して、「打倒の野田政権」を目指して暗躍している小沢氏に近づき、なんらかの連携を求めてが模索していることであろう。

 国民新党内の大半が参加する見通しであった石原慎太郎都知事との「新党」結成は幻となるのではないか。

 

田中直紀防衛相の「言い間違い」「事実誤認」「知らない」「不適切」「日米・極秘事項暴露」などなどの発言の総括

 自民、公明両党は、田中防衛相に対し、防衛政策への認識不足、相次ぐ不適切な言動、衆参両院予算委でのずさんな答弁の繰り返しなどを「目に余る」と批判し、閣僚としての資質が問われるとして、平成24年度予算案成立後、参院に問責決議案の提出を検討することで一致した。

 田中氏は「防衛相として判断する局面では、私の能力を発揮したい」と続投に意欲をみせてはいるが、そもそも自民党時代に外務政務次官、民主党に移ってからは参院外交防衛委員長を務めた程度で、防衛行政分野では素人同然だった。
 
 1月13日の内閣改造人事では、安全保障に「素人」だった一川保夫氏の後任には精通した人材が起用されるとみられていたが、またまた素人大臣の起用で、当時、防衛省幹部は「やっと素人(一川保夫・前防衛相)がいなくなったのにまた素人か…」と田中氏の答弁能力を不安視していた。与党内でも「安全保障の専門家でなく答弁が心配」との懸念が出ていたが、着任から3月末までの田中氏は周辺の不安にたがわず「素人ぶり」の連発であった。

田中直紀防衛相の「素人発言」一覧
 「言い間違い発言」「事実誤発言」「知らない発言」「不適切発言」「日米・極秘事項暴露」などなど

①[武器使用基準緩和]と[武器輸出新基準]を混同
  1月15日のNHK番組で、自衛隊の海外での武器使用基準緩和問題と、武器禁輸政策の見直しを取り違え、誤りに気付かなかった。 番組で司会者が武器使用基準緩和の是非を聞いたところ、田中氏は「武器輸出三原則の基準を見直し、国連平和維持活動(PKO)で使った建設機械はその国に置いていくことも検討している」と述べ、武器輸出の新基準を説明した。過ちに気づいた司会者がとりなしたが気がつかないままだった。
米軍普天間飛行場の移設時期、年内着工に言及 
 同上の番組で、沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、代替施設建設に向けた海面埋め立ての「申請」時期を問われただけなのに田中氏は一足飛びに「移設工事の年内着工」に言及した。司会者が田中氏の「踏み込み過ぎ発言」に気づいて、埋め立て申請は6月ごろを想定しているのかと再度ただされると、あっさり「はい」と認めた。このスケジュールは日米両政府間では暗黙の了解だが、公言することは慎重に控えられてきた。
③「安全保障の基本は持っている
 1月17日、衆院議員時代に地盤にしていた福島県に入り、陸上自衛隊郡山駐屯地を視察した。視察後は記者団に「防衛問題、安全保障の基本はしっかり持っている」と強調した。
④「ペーパーを読むだけだから…」
 1月19日、産経新聞などのインタビューに応じた際、ほとんどを防衛省官僚が作成したペーパー(模範解答)を棒読み。これに先立って開かれた民主党の会合でも、田中氏はあいさつに先立ち、周囲に「ペーパーを読むだけだから…」とうっかり本音を漏らした。
普天間周辺「ヘリ多くない」
 1月23日、米軍普天間基地飛行場を視察した際、周辺の小学校上空を飛ぶヘリコプターについて、田中氏は同行した真部朗沖縄防衛局長に、「頭上に『ヘリがおりてくる』って言うんだが、そんなに多いわけじゃないんでしょう?」と尋ねた。普天間の危険性の除去は、沖縄の基地問題の大きな課題であるはずだが、田中氏は現状認識すらできていないことを自ら明らかにしてしまった。公明党の山口那津男代表は記者団に「国会で安全保障の見識を問いただし、資質や任命責任の当否を論じたい」と強調。
⑥「ペーパーを棒読み」
 1月23日の仲井真知事との会談で、田中氏は、仲井真知事の顔を見ることなく用意した文書に目を落としたまま読み上げて、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に理解を求めた。この非礼で情けない姿がニュース映像で全国に流された。たちあがれ日本の平沼赳夫代表は「大臣ともあろう人が、原稿を読むというようなことは、うまくない。堂々と頭の中に入れて、国のことを思って主張すべきことは堂々と主張すべきだ。残念だ」と述べた。
⑦「伊江島」を「いおうじま」と言い間違い 「(東京都の)硫黄島」を混同?
 1月23日、訪問先の沖縄で仲井真弘多沖縄県知事との会談で移設に絡みかつて取り沙汰された「伊江島」を「いおうじま」と言い間違えた。防衛相が仲井真弘多沖縄県知事との会談で移設に絡みかつて取り沙汰された伊江島を「いおうじま」と言い間違い、「(東京都の)硫黄島」を混同して発言。
 石破茂前政調会長は「にわか勉強で詰め込まれて頭が混乱している。今まで政務官も副大臣もやったことがない、安全保障の問題に取り組んだこともない人が1カ月のにわか勉強でできるほど、(防衛省相の職は)甘くない。防衛相としてあってはいけない」と批判した。
南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)で、陸自を警護する国を「決まっていない」と事実誤認答弁
 1月31日の参院予算委員会集中審議では、外交・防衛問題が主要テーマの一つだった。田中防衛相に質問が集中し、田中氏は言い間違いや事実誤認の答弁を連発した。田中氏は、陸上自衛隊の南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に関連し、陸自を警護するのはどこの国の部隊かを自民・佐藤 正久議員問われ、「決まっていない」と答弁。直後に渡辺周防衛副大臣が「バングラデシュだ」と答弁すると、「理解してなかったことは大変申し訳ない」と陳謝した。この他にも、在日米軍の抑止力に関する答弁などを野党が問題視して審議が中断した。
参院予算委員会審議中に「行方不明」 食堂でコーヒー飲んでいたと釈明
 同上の予算委員会で、田中氏は審議中、与党理事にも無断で審議を抜けだし「行方不明」に。審議はたびたび中断した。田中氏が「行方不明」となったのは、みんなの党の中西健治氏の質問中。約20分の不在の後、予算委に復帰後、戻った田中氏は「風邪気味で鼻水が止まらず、薬を持ってこさせた」と謝罪したが後日(2月3日)の参院予算委員会理事懇談会で、国会内の議員食堂でコーヒーを飲んでいたことが分かった。
まるで「二人羽織」 田中防衛相に耳打ちする秘書官 
 1月31日の参院予算委員会では、田中防衛相の閣僚席の背後に黒服でマスク姿の秘書官。野党の追及をかわすため模範解答を耳打ちする秘書官だ。「二人羽織」のような姿に「腹話術をやめろ!」とヤジが飛んだ。
日米同盟の「米国の新国防戦略」については「理解していない」
 2月1日の衆院予算委員会では、自民・小池百合子氏の、「米国の新国防戦略とはとの質問に、田中氏は「今理解しているところではありません」と答弁した。」また、「エア・シーバトル(空海戦闘)の戦略目標は何か」との質問には、海・空軍力を急速に増強する中国への抑止力を強化するため、その名のとおり「海空」の能力向上が柱だが、「『陸海空』の話し合いを進めていく」と答弁し、「『陸海空』ではなく『「海空』」だとたしなめられる始末。
日米「極秘文書」の存在を暴露
 2月2日の衆院予算委員会で、田中防衛相が1月15日のテレビ出演で米軍普天間飛行場移設問題で代替施設の「年内着工」を言及したことについて、民主党議員に説明を求められて、田中氏は「(時期・目標などの)手順表を持っておりまして…」と口を滑らせてしまった。この「手順表」は「行程表」として日米両政府間で「極秘扱い」の文書であった。田中氏は米国の新国防戦略についても「普天間飛行場の移設計画は不変とする」との米側からの伝達内容を暴露している。
「自衛隊合憲」との政府の憲法解釈の根拠、「私自身は理解していない」
 同日の上記衆院予算委員会で、自民・石破茂・元防衛相の「自衛隊を合憲とする政府の憲法解釈の根拠につい」の質問に、田中氏は「私自身は理解していない」と答えた。また、同氏の「国連平和維持活動(PKO)で民間活動団体(NGO)などを警護する場合の武器使用について」の質問には、「一つの部隊の中で活動していればできると思う」と答弁し、「民間人が部隊の中で活動するわけがない」と指摘された。
自衛隊前身を警察予備「軍」…防衛相また間違い
 2月3日の衆院予算委員会集中審議で、自衛隊の前身となった「警察予備隊」について、「警察予備軍」と繰り返し、ヤジで間違いを指摘されて言い直した。
「脱コーヒー宣言」
 2月6日の参院予算委員会で、田中氏は「今後、国会内ではコーヒーを飲まない決意で臨みたい!」と答弁した。「日ごろのクセで食堂に行ったらただ座るのではなく、コーヒーを頼む精神だった」と奇妙な釈明をした。
米軍嘉手納(かでな)基地を「カネダ」「ハネダ」と言い間違い
 2月18日、沖縄県庁で仲井真知事と会談冒頭で、米軍嘉手納(かでな)基地を「ハネダ」と発言した。会談後の記者団との話の中では、米軍嘉手納(かでな)基地を、「カネダ」と言い間違えた。
またも訂正・謝罪連発 「経験がないもので・・」と泣きつくなどで審議9回ストップ
 田中直紀防衛相は3月14日の参院予算委員会で自民・佐藤正久元氏(幹部自衛官)の質問にまたもや事実誤認の答弁と訂正・謝罪を繰り返し、審議が9回も中断した。田中氏は、中東・ゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)に参加する自衛隊の活動地域を「シリアとヨルダン」と答弁し、佐藤氏に誤りを指摘されて、背後の秘書官からの実耳打ちで、「正しくはヨルダンではなくイスラエル」と訂正。
 同上自衛隊の撤収判断をだれが行うかについても迷走。「首相」と答えるべきところを、「国連」とか「防衛相」と事実誤認を連発した。また、「(自衛隊の)撤収計画書」は見ていないと答弁した。 
 田中氏は、質問者の佐藤正久氏に「経験がないもので先生の判断をうかがいたい」と泣きついたが、「ふざけすぎだ!」と一喝された。
参院予算委員会で、委員長の指示で後方閣僚席から最前列席へ移動 耳打ち官僚ともども
 3月26日の参院予算委員会で、田中直紀防衛相が2列ある閣僚席の後列に座って背後の数名の官僚から助言を受けていたが、質問者の自民・佐藤正久氏が「なぜ役人に寄り添っているのか」と指摘。石井一予算委員長が官僚ともども前列に移るよう指示した。席替え後も、秘書官らが耳打ちしたり、資料を渡したりする光景は変わらなかった。
ゴランPKO撤収計画書「表紙だけ見た…」
 3月26日の参院予算委員会で、中東・ゴラン高原での自衛隊の国連平和維持活動(PKO)で派遣した自衛隊の撤収判断に関し、14日に「(撤収計画書の実施計画、実施要領を)見ていない」と答弁したことについて、「(自衛隊の)撤収計画の『表紙』は報告を受けた。内容は統幕長以下を信頼している」と釈明した。
粉骨砕身、誠心誠意質疑に答え、さらなる研鑽(けんさん)を積む
 田中直紀防衛相は16日、記者会見で、自身の答弁で参院予算委員会の審議がたびたび中断していることに対し「防衛、安全保障はわが国の重要な課題だ。粉骨砕身、誠心誠意質疑に答え、さらなる研鑽(けんさん)を積んで、(野党側に)納得していただける答弁を果たせるように努力したい」と述べた。

田中防衛相にたいして問責決議案の提出検討 自公「目に余る迷走」

 田中直紀防衛相が1月13日任命されてから2ヶ月半、この間にさまざまな称号がつけられた。「素人大臣」、「読むだけ大臣」「資質なき大臣」、「失言大臣」、「二人羽織大臣」、「逃走・行方不明大臣」、「ヘロヘロ答弁大臣」などなど、新聞記事に日替わりメニューで現われる。

 このような田中防衛相にたいして、自民、公明両党は、やっと、「防衛政策への認識不足で閣僚としての資質に欠ける」として、参院に問責決議案の提出を検討する方向で動き出した。遅すぎた「問責決議」への動きだ。

 自民党の石原幹事長が、田中氏が国会でずさんな答弁を繰り返していることを「田中氏の迷走ぶりは目に余る」と批判し、問責決議案の提出が必要だとし、公明党側も「問責に値する」とこれに同調した。

 ただし、問責決議案の提出時期について、石原氏は「(自民党の)参院側は2012年度予算案が成立した頃を検討している」と説明し、早ければ4月上旬としたい考えを示した。両党は今後、北朝鮮が「人工衛星」と称して発射を予告した長距離弾道ミサイルへの政府対応も見極め、提出時期を調整するという。

 田中防衛相は27日の参院外交防衛委員会で、自民党の山本一太前政審会長から、「防衛相の職務を果たせる能力があると思うか。国益を考えたら自分で辞任していただきたい」と迫られると、「確かに知識においてはみなさんに比べて、足りないところもあるかもしれない」とあっさりと自身の防衛政策の知識不足を認めたものの、「防衛相として判断する局面では、私の能力を発揮したい」としてうえで、「出処進退は自分で判断する。粉骨砕身、業務に邁進(まいしん)する」と反論して続投意欲を強調した。

 しかし、防衛に関する基礎的知識すら欠如している防衛相が、重大局面で的確な判断を下せるわけがない。目前に北朝鮮の長距離ミサイル発射という国防に係る重大な局面が迫っている。27日に、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射に対応するための「準備命令」を自衛隊に対して出したが、今後、状況次第では「弾道ミサイル破壊措置命令」を下す判断が迫られる。素人防衛相が、ミサイル防衛のプロセスの手順を滞りなく踏んで「国民の生命と財産を守る」ことができるかはなはだ心もとない。背後に控える防衛省幕僚の指示通りに「指示」し「命令」して動く「傀儡防衛相」の姿が浮かんでくる。

 田中氏を「適材適所」「最強の布陣」の一員と強調してきた首相は、さすがに、14日の参院予算委員会で、「私が適材と思って選んだという意味においては、それは私の責任でございます」と自らの任命責任を認めたが、「そういうことも踏まえて、一層防衛相においては緊張感をもって職責を果たしていただきたいと思います」と田中氏の続投を明言。
 藤村官房長官も、自公が参院での問責決議案提出を検討していることについて「田中防衛相は職責を果たしている」と語り、辞任の必要はないと強調した。

 野田首相も藤村官房長官も、これまで衆参両院予算委員会のテレビ中継を通じて国民の前に無知無能をさらけ出してきた田中氏にたいして、「職責を果たしていただきたい」「職責を果たしている」と臆面も無く公言するとは国防を軽んじた発言としか思えない。国民はあきれはてる一方だ。

  消費増税案が可決された場合は、野田首相は、問責決議案が出された時点で、田中防衛相が傷つかないように配慮し、自分への任命責任が問われることを避けるため、決議前に衆院解散に打ってでるだろう。しかし、もはや民主党政権の未来はなく政界再編は必至である。

 情報元:読売新聞電子版、msn産経ニュース、日本経済新聞電子版、NHKニュース電子版

国民新党の亀井静香代表「心中複雑」 消費増税法案反対で党内分裂の危機 

 野田内閣が消費増税法案を30日に閣議決定する方針を固めている状況のなか、消費増税に反対する与党・国民新党の亀井静香代表は連立離脱の意思表示をして野田総理を牽制しているが、党内には反対論も根強く分裂含みの様相だ。亀井静香代表は「船中八策」ならぬ「心中秘策」なく、「心中複雑」といったところか。

 亀井静香代表は、野田佳彦首相が消費増税関連法案の月内の閣議決定への協力を求めたのに対し、「党として閣議決定にはサインできない」と消費税率引き上げ関連法案に反対すると主張。最近の亀井代表は、連立政権からの離脱も辞さないと明言して、野田総理を揺さぶり、閣議決定を見送るよう求めている。
 亀井氏は、「(消費増税は)ざるに水を注ぐのと同じだ」、「台風が来ているときには雨具を準備して、かぜをひどくしないようにするのがやるべきことだ」、「庶民が困っている時にお金を召し上げるべきではない。財源はいくらでもある」と独特の亀井節を連発、新たな財源確保策や社会保障制度の整備の必要性を訴え、野田総理の消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革を批判した。

 亀井代表は、消費税率を引き上げるための法案について、、「国民新党の対応はすでに決まっている。反対なものは反対だ」、「法案の閣議決定に党としてサインすることは、法案の成立に責任を持つことになる。閣議決定に賛成することは法案に賛成することであり、国民新党は、国民に対する裏切りはしない」と述べ、党として法案の閣議決定に反対する意向を重ねて示している。同党の自見金融相の対応に関しても、「国民新党が出している大臣だから、署名できない」と強調した。同党から入閣している自見庄三郎金融相が閣議で同法案の署名を拒めば連立体制が揺らぐ。

 閣議で署名を求められることになる自見金融相は明言を避けているが、なに、亀井静香が「狸」なら自見正三郎は「古狸中の古狸」だ。「しれっ」として法案にサインすること確実だ。

 亀井代表は国民新党議員総会で、「国民新党は立党以来、一貫して(消費税増税に)反対だと言い続けている。国民に対する約束、連立の協定破りになるような法案に賛成することはできない。消費税率引き上げ関連法案に反対する」と明言して、先週末から、7人の党所属国会議員と個人面談を開始。閣議決定に反対する理由とともに連立を離脱する考えを説明し、理解を求めているという。しかし、党内で唯一、亀井氏への同調を明言しているのは亀井亜紀子政調会長だけという。

 他の議員の大半が、「党是の郵政改革実現に最優先で取り組むべきだ。郵政事業の見直しが実現する前に連立政権から離脱して野党に転落することはありえない、得策ではない」として連立離脱に慎重で与党にとどまることを望んでいるようだ。

 下地幹郎幹事長も、「国民新党が目指してきた郵政事業の見直しを実現するためにも、民主党との連立を維持する必要があり、閣議決定は容認せざるをえない。連立離脱の判断を先送りし、与党にとどまるべきだ」と考えているようだ。

 また、下地氏は「法案採決の時に判断すればいい」と繰り返し述べ、亀井氏の退路を確保しようとし、岡田克也副総理に「連立が維持できるような仕組みづくりを知恵を絞って考えてほしい」と訴えている。

 亀井静香代表が振り上げた拳を下ろさない限り、国民新党は確実に分裂の道をたどるだろう。石原慎太郎都知事との新党結成をぶち上げた鼻息荒い亀井静香氏の姿は、いまや、目先の「消費増税」反対の初志貫徹の前に幻となりかけている。

 情報元:NHKニュース、読売新聞電子版、msn産経ニュース、asahi.com、日本経済新聞電子版

房総半島東方沖、南方沖でM8級の大地震の可能性

 27日20時頃、岩手県沖を震源地とするマグニチュード6.4の地震があった。短時間に2度の地震が起きたが20120327200749391-272000人体には1度としか感じなかったようだ。その2分後には同じ震源地でマグニチュード5.1の地震があり、その後、三陸沖を震源地とするマグニチュード4.8の地震が起きた。岩手県沖の地震は28日2時46分まで数回起きた。
 これらの地震で、岩手県と宮城県では最大震度5弱、青森、秋田、山形、福島各県では最大震度4が観測された。幸いにも、避難者の転倒骨折事故以外に大きな被害はなかったと報告されている。

 3月14日の三陸沖地震、千葉東方沖地震以来、岩手県沖から千葉県東方沖にかけて、東日本大地震の震源域に対応する長さ約500km、幅約200kmの範囲を震源地とする地震が多発しているほか、震源域に近い日本海溝軸の東側(沿岸から400km)でも発生している。
 14日の三陸沖地震jからから28日午前2時の岩手沖地震まで、この地域を震源地とするでの震度1以上の地震は、下表(気象庁地震情報をもとに作成)のように、三陸沖地震が8回、岩手沖地震が12回、宮城沖地震が10回、福島沖地震が6回、茨城沖地震が15回、千葉県東方沖地震が54回で、千葉県東方沖地震が突出している。

三陸沖地震

14日18時09分頃

M6.8

震度4

M5.9

震度3

1回

14日

M5.3

震度2

1回

14日

M4.4~5.2

震度1

6回

14日~27日

岩手沖地震

27日20時00分頃

M6.4

震度5弱

M3.4~4.1

震度1

8回

  19日~28日

M3.8

震度2

1回

18日

M4.6

震度3

1回

26日

M5.0

震度4

2回

18日

M5.1

23時

宮城県沖地震

 

 

 

M2.9~M4.5

震度1~震度3

10回

14日~27日

福島県沖地震

 

 

 

M3.2~M5.2

震度1~震度4

6回

16日~28日

茨城県沖地震

 

 

 

M2.5~M4.2

震度1~震度2

15回

16日~26日

千葉県東方沖地震

14日21時05分頃

M6.1

震度5強

M2.9~3.8

震度1

40回

14日21時

M3.2~4.3

震度2

11回

M4.1~4.6

震度3

3回

27日19時


 小原一成・東京大地震研究所教授らによると、日本列島周辺は大震災後、地殻にかかる力が変化し、地震が起こりやすくなっている。 14日に起きた三陸沖、千葉県東方沖の地震は、ともに太平洋プレート(岩板)とその上の陸側のプレートの内部で、地盤に力が加わって岩盤が引っぱられ、断層がずれた(「正断層」型)ものとみられる。東日本大震災でそれまで押し合っていた二つのプレートの境界が破壊され、力のかかり方が変わった影 響とも考えられ、さらに大きな地震が起きる可能性もあるという。
 
 房総半島南方沖は1703年、関東大震災の震源域と連動してM8級の元禄関東地震を起こし、津波を伴って1万人以上の死者が出たとされる。この巨大地震が1500~2千年間隔で繰り返すといわれてきたが、国土地理院の西村卓也主任研究官の分析では、房総半島南方沖では、たまっていく地殻のひずみが、マグニチュード(M)8級の大地震が起きても2~3割しか解消されない恐れがあり、ひずみが多く残される結果、従来の想定よりも早い時期か、より規模の大きい地震が起きる可能性があるという。
 広島大や名古屋大、海洋研究開発機構などの研究グループによる、房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、これまで存在が知られていなかった長さ160kmと300km以上の長大な2つの活断層が存在するとの調査結果も不気味である。一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード8~9の地震を起こす可能性があるという。

 南房総半島中央部の里山に隠遁して余生を送ってきた筆者は、首都圏直下地震が起きてもこの地ならば被害も軽微だろうと高をくくっていたが、房総半島東方沖や南方沖を震源地とする大地震の可能性が取りざたされるようになった最近は、心穏やかでない。

房総沖に160~300キロ長さの未知の2活断層発見 M8~9級の津波を伴う巨大地震も

 房総半島南端から南東に百数十キロ以上離れた太平洋の海底に、これまで存在が知られていなかった長大な2つの活断層が存在することが、広島大や名古屋大、海洋研究開発機構などの研究グループの調査で判明した。長さは160キロと300キロ以上で、一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード(M)8~9の地震を起こす可能性があるという。

 グループの渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)は「ノーマークで未調査の活断層。強い揺れや津波が関東南部や東海地方に及ぶ可能性があり、早急に詳しく調査するべきだ」としている。グループは海上保安庁作製の海底地形図などを使い、地形を詳細に分析。地震で形成される崖や地形の盛り上がりから活断層の位置を推定した。
 渡辺教授によると、2つの活断層が確認されたのは、2つの海のプレート(岩板)と陸のプレートの境界が接する「三重会合点」付近と、そのやや陸側の海底。ほぼ南北に走る2断層は並行しており、東側の活断層は長さ300キロ以上、西側は少なくとも160キロ。地震でできた崖の高さは東側の活断層が約2千メートル、西側は3千メートル超で「いずれも大地震を何度も繰り返してきた可能性が高い」という。
 
 断層の北側には、1677年の延宝房総沖地震(推定M8.0)や1953年の房総沖地震(M7.4)の震源域があるが、これらは別の活断層が動いたとみられ、2つの活断層の歴史的な活動は分かっていないという。
 活断層は、海溝沿いなどで起きる「プレート境界型地震」との関連は低いとみられてきた。グループは昨年、東日本大震災で動いたとみられる約500キロの海底活断層を日本海溝沿いで確認している。

 (情報元:日本経済新聞電子版、msn産経ニュース)

筆者関連ブログ

巨大地震の発生確率高まる 首都圏、茨城ー房総沖、房総半島沖、福島第一原発付近など2011-11-28
②今月14日の三陸沖地震と房総沖地震は巨大地震再発の予兆か2012-03-23

参院予算委員会質疑で田中防衛相 目を白黒 またまた防衛に関する無知を限りなく露呈(更新版)

 26日の参議院議員予算委員会(外交・安全保障等に関する審議)の質疑の午前と午後のテレビ中継を観た。

 安全保障に関する集中審議では、答弁大臣は当然ながら田中直紀防衛大臣。予想通りの波乱の国会審議。野党の質問者に対する防衛相の答弁がトンチンカンで幾度となく審議中断。石井一(はじめ)委員長が速記の中断を指示すること何度だったか数え切れないほど。田中直紀防衛大臣のうつろな目をしながらの自信なさそうな答弁光景を見せられて、この国はこの防衛大臣では確実に、中露韓に領土・領海をすき放題に侵蝕されるとの思いを強くした次第。
 
 午前中の審議。自民・佐藤正久議員が質問席に立つなり、中継カメラに向かって、「国民の皆さん、観てくださいよ。防衛大臣は、前列席(三列の閣僚席)の後席(「二列目)に下がってしまって逃げていますよ。後ろからメモを入れる役人に寄り添っている。総理や外務大臣が座っている最前列席に座ってください」と発言。
 中継カメラが、野田首相、安住財務大臣、玄葉外務大臣らが座る最前列席の後席列にひとり座っている田中防衛大臣をズームイン!
 ガランとした後列席にひとりぽつねんと座る田中防衛相。さらに後の列席にはA4の書類の束を抱えた5、6名の黒いスーツ姿の官僚らしき人物。田中防衛大臣の助っ人だ。
 佐藤正久議員が「前に座ってください」と幾度となく要請。しかし田中防衛大臣は後席から動こうとしない。そりゃあそうだ。動いたら最後、防衛問題の質問に対応できなくなるのだから。うつろな目をしばたたかせて動かないと決め込んでいる。
 見かねた石井委員長が大声で、田中防衛大臣に前列席に移るように要請。このとき付け加えた言葉が、なんともなさけない。「官僚のみなさんも前に出ていいから。後から大声で教えていいから、田中大臣は前の席に移りなさい」。それでやっと、田中防衛大臣は最前列の玄葉外務大臣の隣の席に座った。その後に書類を抱えた2名の黒子が寄り添ったことは言うまでもない。

 さて、佐藤正久議員の質問が始まった。元陸上自衛官で、自衛隊イラク派遣では第一次復興業務支援隊長を勤めたときは「ヒゲの隊長」と呼ばれた猛者。防衛に関する基礎的質問が田中防衛大臣につぎつぎと浴びせられた。防衛に関しては全くの素人で無知だから、当然まともに答えられない。シリア国境ゴラン高原に派遣されている自衛隊員の安全確保(注記1)や北朝鮮長距離弾道ミサイル発射にたいする自衛隊の防衛出動(注記2)、原発のテロ対策に関する矢つぎばやの質問に、田中直紀防衛相はなんら的確な答弁ができず、目を白黒させて後の官僚のアドバイスを求める。背後から官僚がペーパーを差し入れるも内容を理解できないから効果なし。隣席の玄葉外務大臣が代わって答弁しようとするが佐藤議員に遮られる。そこで玄葉外務大臣は田中大臣の耳にささやきアドバイス。自民・西田昌司のヤジが頻繁に議場に響き渡る。審議がしばしば中断。

 次の自民・山谷えり子議員の質問にも同様の体たらくを露呈。みかねた渡辺周防衛副大臣が代わって答弁したが、ヤジ将軍こと自民・西田昌司議員の「大臣替えたほうが手っ取り早い」との怒声が議場に響き渡った。新聞社各紙カメラマンのフラッシュが次々と光った。もはや誰の目にも田中直紀氏が防衛相として不適切であり、国の安全保障を任せることができないことがますます明白となった。
 午後のみんな・小熊慎司議員の「専守防衛」などに関する質問でも返答に窮して立ちしばしば往生。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は先月、田中直紀防衛相が安保問題に関する知識不足を批判されていることを報道、「日本防衛相・田中の無知がさらけ出され、物笑いの種になっている」とやゆした。fこればかりは反論の仕様がない。

 田中直紀防衛相には、一刻もはやく防衛相の任から去ってもらわないと有事の際の国民の命と日本国が安保されない。しかし、増税に血道を上げているのだ総理は、相変わらず田中直紀氏の防衛相任命を「適材適所」とうそぶく。素人防衛大臣田中直紀氏ともども即刻の退陣を要求する。
 
注記1:ゴラン高原PKOはイスラエルとシリアの停戦監視などを任務としているが、シリア情勢悪化で在シリア大使館が一時閉鎖する事態となり、隊員の安全確保策を懸念する声が出ている。田中防衛大臣は、在シリア大使館にPKO自衛隊員の安否確認を怠っていたこと佐藤正久議員によって明らかにされた。さらに、中東・ゴラン高原での自衛隊の国連平和維持活動(PKO)に関し、「(自衛隊の)撤収計画の『表紙』は報告を受けたが、内容は統幕長以下を信頼している(ので読んでいない)」と答弁した。田中氏は14日の予算委員会でも「(計画を)見ていない」と答弁して批判を浴びていた。

注記2
:田中防衛相が答弁できなかった「防衛出動」については次の通り。
 防衛相による破壊措置命令は自衛隊法82条の3に基づく。弾道ミサイルなどが
PK2012032002100021_size0 (1)日本に飛来・着弾する恐れがある場合、閣議決定を経て命令
 (2)飛来するかは不明だが緊急事態に備えてあらかじめ命令――
の2つがある。北朝鮮から発射された場合、5~10分程度で日本近海を通過するため、あらかじめ命令するケースを適用する考えだ。

 同命令を受けた自衛隊の迎撃態勢は2段階。日本の領土・領海に落下すると予測される場合、まずは海上自衛隊のイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が対応。撃ち漏らした場合は地上に配備する空自の地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)でそれぞれ迎撃する。

 弾道ミサイルが日本のはるか上空を通過するだけでは領空侵犯にも該当せず、迎撃措置はとらない。実際に迎撃の必要があるのは、当初の予想外の飛行経路をとった場合。ただ、その場合は、落下地点の予測は一層難しくなり、迎撃も一気に難易度を増すとみられている。

 MDシステムによる迎撃態勢は、北朝鮮が2009年に弾道ミサイルを発射した際にも整えた。この時は北朝鮮が事前通報した飛行経路を考慮し秋田、岩手両県のほか、首都圏にもPAC3を配備。この時は日本の領土・領海に落下しなかったため、迎撃は見送った。

北朝鮮の「人工衛星発射」予告(7)北の発射準備進む 週内にも自衛隊に対して、防衛省「準備命令」 政府「破壊措置命令」を発令(更新版)

  朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省の報道官は23日、北朝鮮が予告している「人工衛星打ち上げ」の準備作業が「本格的な実働段階に入った」としたうえで、事実上、長距離弾道ミサイルの発射だとする日米韓など国際社会の「国連安全保障理事会決議などに違反する」とした批判にもかかわらず、予定どおり、キム・イルソン主席の生誕100年に合わせて、来月12日から16日までの間にロケットで人工衛星を打ち上げるとしている。
 同報道官は、打ち上げは昨年12月に死去した金正日(キム・ジョンイル)総書記の「遺訓を貫徹する事業」とし、長距離ミサイル発射の一時停止などで合意した2月の米朝合意とは「別の問題だ」と主張。過去の米朝協議で「衛星打ち上げは長距離ミサイル発射に含まれないことを明確にした」としたうえで、「弾道ミサイル技術を利用するから人工衛星の打ち上げができないと言うなら、われわれは、その権利を永遠に失う。打ち上げは、安保理決議より優先される、宇宙の平和利用に関する国際法に基づいた権利の行使だ」として、みずからの立場を正当化した。さらに、長距離ミサイル発射の一時凍結という先の合意には抵触しないと繰り返すとともに、打ち上げが阻まれる場合、対抗措置も辞さないとして、米国などをけん制した。

 韓国の首都ソウルで26、27の両日、米国や日本、中国などの首脳が出席して核安全保障サミットが開催される。緊急テーマとして、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射実験への対応が浮上している。

 このような状況下、韓国政府や軍関係者の関係者が米軍の偵察衛星の写真などを分析した結果、北朝鮮の北西部平安北道(ピョンアンチョルサン)郡の東倉里(トンチャンリ)に新しくできた「西海衛星発射場」に、最近ミサイルの本体部分とみられる物体が列車などを使って運ばれたことが明らかになった。
 軍関係者によると、組み立て作業の段階で、発射台に立てられるのは今月末ごろになるとみられている。これまでの長距離弾道ミサイル発射で使った北東部の舞水端里(ムスダンリ)に比べ、東倉里は近代設備を備えており、燃料も地下から注入するとみられる。
 トンチャンリの発射場は去年完成したもので、北朝鮮がこれまで弾道ミサイルの発射実験を行っていた北東部のムスダンリの発射場より敷地面積が3倍ほど大きく、燃料を自動で注入する設備などが整えられているという。さらに、発射台の高さも50メートルと、ムスダンリに比べて20メートルほど高く、その分、長い距離の弾道ミサイルを発射することが可能とされている。(写真はmsn産経ニュース)plc12032301370003-p1kor12032508120001-n1












  北朝鮮が「人工衛星」と称して打ち上げを予告したミサイルについて、政府は30日にも安全保障会議(議長・野田首相)を開き、自衛隊に破壊措置命令を発令する方向で最終調整に入った。
 防衛省はイージス艦3隻を東シナ海と太平洋、日本海に展開するとともに、地対空誘導弾パトリオット・ミサイPK2012032002100021_size0ル3(PAC3)を沖縄県内を中心に配備し、「二段構え」で備える方向で検討を進めている。また、「首都圏でも地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備していく考えで進めている。
 藤村修官房長官は26日、北朝鮮が「衛星打ち上げ」として長距離弾道ミサイル発射実験に踏み切った場合、発射情報を自治体を通じて国民に速報する「Jアラート」(全国瞬時警報システム)を活用する方向で検討していることを明らかにした。Jアラートは、内閣官房が緊急情報を発信すると、日本の人工衛星を経由して自治体の専用受信端末に1~2秒後に届くシステムで、2007年2月に運用が始まった。今は緊急地震速報に活用されている。受信端末は自治体の防災無線やケーブルテレビなどに接続されており、緊急情報に基づく警報が瞬時に流れる。
 田中直紀防衛相は、今週中にも自衛隊に「準備命令」を出し、「統合任務部隊」を編成する方向で調整を進めている。防衛相の「準備命令」を受けて、自衛隊は、「統合任務部隊」を編成し、地上配備型の迎撃ミサイル「PAC3」を石垣島と宮古島、沖縄本島などに配備するための準備や、沖縄周辺の海域などに迎撃ミサイル「SM3」を搭載したイージス艦を展開するための作業に取りかかる方針。
 そのうえで、政府は、今月30日にも野田総理大臣と関係閣僚が出席して安全保障会議を開き、自衛隊法に基づいて、ミサイル防衛システムで迎撃する「破壊措置命令」を自衛隊に発令することを決めることにしている。

 玄葉外相は24日、沖縄県庁で仲井真弘多知事と会談し、「北朝鮮がミサイルを発射した時、イージス艦とPAC3を展開した2009年を参考に万全を期すよう、政府全体で検討している。必ず沖縄に相談があると思う」と協力を要請した。

 北朝鮮は国際海事機関(IMO)に、「衛星」の1段目は韓国南部・全羅道西方沖、2段目はフィリピン・ルソン島東方沖に落下すると通報しており、沖縄本島の西方と先島諸島の上空を通過する見込み。
 日本政府は、ミサイルや人工衛星、打ち上げ用ロケットなどが日本の上空を通過する場合は迎撃しないが、20120320k0000m030070000p_size5日本の領土、領海にミサイル本体や部品などが落下する可能性がある場合には、まずイージス艦のスタンダード・ミサイル3(SM3)により大気圏外での破壊を試みる。撃ち漏らした場合は地上配備のPAC3と、2段階で対応するとしている。(左図は毎日jp)
 海上自衛隊のイージス艦を飛行計画ルートに近い沖縄本島付近に1隻、先島諸島の南方に1隻を配置するのに加え、日本海にも1隻を展開する。日本海では、北朝鮮北西部の「西海衛星発射場」と東京を結ぶ福井・京都の北方海域に展開。日本海への展開は、ミサイルが予定軌道を外れるなど不測の事態が起きた際、首都圏を中心とした本州を防護するためだ。一方、PAC3は石垣島と沖縄本島に展開させる。
 弾道ミサイルを迎撃するミサイル防衛(MD)システムでは、イージス艦搭載の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による2段構えの迎撃となる。海自のSM3搭載イージス艦は4隻あり、うち3隻を投入する。
 
 田中直紀防衛相には、有事に当たっては、今の衆参予算委員会でみせている国会答弁ようなトンチンカンな対応は許されない。国民の命を素人防衛大臣に託さねばならない事態に陥るとは、任命した野田総理は予想しなかったことだろうが、国民の立場から言えば、増税に血道を上げて国防を軽んじる野田総理には国を任せられないゆえ、素人防衛大臣田中直紀氏ともども即刻の退陣を要求する。
 
 情報元:読売新聞電子版、msn産経二ユース、asahi.com、日本経済新聞電子版、NHKニュース電子版

津波漂流小型漁船 1年余、太平洋ひとりぼっち カナダ西岸沖に漂着 

 東日本大震災から1年余、津波で押し流されたとみられる日本の漁船が、カナダ政府によって日本から約640t_TKY20120324016200キロ離れたカナダ西部沖で発見された。津波による大きな漂流物が、太平洋の東側で見つかったのは初めて。周辺の海岸では、去年12月、被災地でカキの養殖に使っていたとみられるブイが漂着しているのが見つかっているが、船のような大きなものが見つかったのは今回が初めて。
 
 カナダの海難救援当局者は23日、同国西部ブリティッシュコロンビア州の北部沖合にあるクイーンシャーロット諸島近くで、昨年3月の東日本大震災に伴う津波被害で流失した日本の漁船が漂流しているのを発見したと発表した
 カナダ政府の運輸省によると、漁船は20日、カナダ西海岸のブリティッシュ・コロンビア州のクイーンシャーロット諸島の沖合約275キロの洋上で、同諸島から約192キロ離れた海域で、上空をパトロール中のカナダ軍の監視機「海難救助隊航空機」が発見した。同州ビクトリアの海難救援調整当局によると、船は長さ約50メートルで船体に大きな損傷は見られず、白い船体はかなりさびついていて上向きに漂流しており、人が乗っている様子はなく、上空からは船室も確認できたという。津波で無人のまま流され、カナダに近付いたとみられる。カナダ政府は、登録された番号を日本の海上保安庁に照会した。

 カナダ政府から23日に船体番号などの照会を受けた日本の海上保安庁は、同船の保有者を確認した。漁船は八戸市の漁港から流された函館船籍のイカ釣り漁船で、地震当日は青森・八戸港に係留されていて津波被害に遭っていたことが判明した。

 当該船は現在、約150カイリ(278キロ)沖合にあり、今後、南東方向にゆっくりと漂流を続けて北米大陸本土に漂着するまでには、50日を要するとみられるという。
 カナダ海上保安庁の数隻が、同魚船による海洋汚染も警戒して追跡調査しているが、燃料油の漏出などは報告されていない。カナダ国防省は、同船の漂流は周辺海域での船舶の安全航行に障害になるとして曳航を検討している。

 1年余かけて青森・八戸港から太平洋をたった1隻で北米カナダ西海岸沖合いに漂着した小さな漁船の報道は、主(あるじ)はいなかったが、50年前の1962年の小型ヨット「マーメイド号」による太平洋単独横断航海の快挙を思い出させた。筆者が18歳で浪人という漂流人生を送っていたころの出来事だった。

震災によるがれきの漂流に関する日米の今後の対応
 震災によるがれきの漂流は北米でも注目されているが、これほど大きな漂流物が確認されたのは初めて。太平洋上には震災による津波で流出した大量のがれきが漂っており、各地に漂着する可能性が指摘されている。本政府と連携しながら、がれきなどの漂流物を監視している米海洋大気局(NOAA)も把握しているという。

 海洋大気局(NOAA)の学者らは、海流の動きを基に漂流物は2013年ごろに北米大陸の太平洋岸に到達すると予測している。津波で流されたがれきなどの漂流物は、ミッドウェー諸島付近までの太平洋上の広い範囲で漂流しているのが確認されていて、専門家は、漂流物の多くが来年3月から1年ほどの間に、アラスカ州からカリフォルニア州付近の海岸に漂着すると予測している。ただ、風の影響を考慮すれば既に漂着し始めている可能性が高いと指摘する専門家もいる。

CI0003[1] 東日本大震災に伴う津波で発生した大量のがれきが太平洋を漂流し、3年後には米西海岸へ到達するとの予測を米ハワイ大の国際太平洋研究センターがまとめたのは、昨年(2011年)5月8日のことだった。それによると、がれきはまず日本から東に向かって漂流。2012年3月にはハワイの一部に到達し、14年3月にカナダや米国、メキシコの太平洋沿岸の広い地域に到達する見通し。その後、がれきは再び西向きの海流に乗り、16年には12年より多くのがれきがハワイ諸島に達するとみられた。
 しかし、漂流速度は予想以上に速かったようだ。5月に宮城県石巻市の南約46キロ沖合でボートやブイなどの漂流物が海上保安庁によって確認された。
 9月下旬には米ミッドウェー諸島付近の北太平洋で、津波によって流されたとみられる「福島」の表示が入った小型船、冷蔵庫、漁網などが浮かんでいるのをロシア船が9月下旬に発見した。見つかった場所は日本の東北地方から約3100キロ離れた東経150度から180度に及ぶ広い範囲。
 2月初めには、米ワシントン州の太平洋岸ニア湾近くの浜辺に漂着しているブイ状の大きな漂流物が見つかった。
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 震災後、津波で流失した建物や家具などが太平洋上でどのように拡散するか、予測と追跡を続けてきた海洋学者イングラム氏は、過去の実験で沖縄から流したブイが8か月で米西海岸に到達した例を挙げ、風向きなどによっては「すでに(震災時の流失物の)漂着が始まっている可能性が高い」と語っていた。

 日本政府は、昨年(2011年)9月、東日本大震災で発生した大量のがれきが海に流出した問題に対応するため、がれきの漂流地の予測を始めた。コンテナや家屋の一部といった大型のがれきは船舶の運航に影響を与える恐れがあるほか、米国など諸外国に流れ着くケースもあるとみて早急な対策が必要と判断してのことだ。漂流予測情報を各国に通知し、対応策を協議することになっているが、今のところ、政府調査機関からの公の報告はない。今回の大震災で発生したがれきは推計約2490万トンで、その一部が海に流出したという。

 米両政府は2012年1月、東日本大震災で海に流出し、漂流している大量のがれきの調査と処理を巡り、本格的な連携に乗り出すと発表した。京大と米ハワイ大がそれぞれスーパーコンピューターを駆使して予測した漂流がれきの情報を両国で共有。今後、1~5年後とされる米西海岸やハワイに漂着した際の除去でも、日本側が協力する枠組みを整えるとした。
 米政府は日本側に環境への影響に関して懸念を伝えてきており、日本政府は共同で対処する仕組みを整えることで懸念を払拭したい考えだ。
 日本政府は既にがれきの漂流する方向や場所のシミュレーションを京大に委託。近く研究者らによる調査団を米国に派遣し、年度内に中間報告をまとめる。米側ではハワイ大が予測を進めており、日米の情報共有で予測の精度を上げる。日本側は今年度補正予算で調査関連の費用を一部手当て済みで、来年度以降も継続して調査を実施する。
 日本政府は既にがれきの漂流する方向や場所のシミュレーションを京大に委託。近く研究者らによる調査団を米国に派遣し、年度内に中間報告をまとめる。米側ではハワイ大が予測を進めており、日米の情報共有で予測の精度を上げる。日本側は今年度補正予算で調査関連の費用を一部手当て済みで、来年度以降も継続して調査を実施する。
 環境省によると震災で太平洋に流れ出たがれきは推計約490万トンで、底に沈まないものが約130万トン。船舶や海洋生態系に悪影響を及ぼす可能性があるが、海洋漂流物の扱いには国際的な枠組みが存在しない。(2012年1月22日本経済新聞電子版)

世界の平均気温 2010年までの10年「過去最高」 ―温暖化顕著

 世界気象機関(WMO)は23日、2001~2010年までの10年間の世界平均気温が1961~1990年の長期平均(14度)平均より0.46度高い14.46度と推定され、統計を取り始めた1850年以来「最も高温な10年間」だったと発表した。この10年間のうち9年年間、過去最も暑かった2010年を筆頭に年平均気温は過去10番以内に入っており、地球温暖化が深刻になっていることが裏付けられた。
 気象庁統計資料によると、世界の年平均気温は、長期的には1881年以降の130年間では、100年あたり約0.68℃の割合、10年ごとに0.06度の上昇で上昇しており、1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっている。とくに1971以降の40年間の上昇が激しく、10年ごとに0.166度上がった計算になる。近年になって地球温暖化が加速したことになる。
 また、昨年(2011年)の平均気温は推計14.4度と過去11番目の高さ。南米ペルー沖の太平洋などで海面水温が低くなり、世界的に気温が下がるとされるラニーニャ現象が観測されたものの、気温の高止まりが浮き彫りとなった。
 WMOは声明で「気候変動は今起こっており、遠い将来の脅威なのではない。温暖化対策が『待ったなし』の状態だ」と警告して国際社会の協調を訴えた。

 WMOは声明を待つまでもなく、すでに温暖化の影響で、世界各地で猛暑や大雨といった異常気象が深刻化しており、昨年11月、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は温室効果ガスの排出を削減することが急務だとする特別報告書を発表している。
  同報告書はまず、「地球温暖化の影響で、異常気象などが深刻化し、前例のない極端な気象現象を発生させる可能性がある」として、温暖化と異常気象などとの関連性を明確に指摘しいます。具体的には、温暖化によって、猛暑が増えた可能性を「非常に高い」とし、大雨が増えた可能性についても「高い」としている。そのうえで、今後、温暖化への対策が十分に取られなければ、猛暑や大雨などが世界規模でさらに増え、一方で、干ばつがアメリカやヨーロッパなどで増えるという、研究者の予測を紹介している。
 極端な気象現象などが原因になったとみられる自然災害は、世界各地で発生している。ヨーロッパでは、夏になると熱波の影響で、連日気温が40度を超える猛暑に繰り返し見舞われていて、2003年には、暑さで体調を崩すなどして3万人が犠牲となった。また、アメリカでは、2005年に過去最大級といわれるハリケーン「カトリーナ」が南部に上陸し、およそ1800人の犠牲者が出るなど、大型のハリケーンの発生回数が増えていると指摘されている。

 昨年末の気象庁報道発表資料によれば、2011年に発生した主な異常気象・気象災害は以下のとおり。 米国南部~メキシコ北部では、長期にわたり異常高温(3~9 月)、異常少雨(1~11月)となった。ブラジル南東部の大雨(1 月)、パキスタン南部の多雨(8~9 月)で、気象災害が発生した。インドシナ半島では、雨季をつうじて雨が多く、洪水が発生した(7~11 月)。また、アフリカ東部では干ばつ(1~9 月)が発生した。

 また、地球温暖化の影響は海水水温の上昇をもたらしている。気象庁 報道発表資料「平成24年2月13日地球温暖化に関する海洋の新たな解析成果について」によると、地球温暖化の影響として、1950年以降の海中(海面から深さ700メートルまで)の水温は世界全体で平均して10年あたり0.02度の割合で上昇している。さらに、世界の海水の温度は、水深700メートルの内部まで上昇し続けている。気象庁は、地球温暖化の影響で増加した熱量の半分以上が海水に蓄積され、海面の上昇につながっていると分析している。 一方、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、地球温暖化の影響で氷河が解けたり、温度の上昇で海水そのものが膨張したりすることで海面が上昇すると指摘している。
 気象庁の分析では、おととしまでのおよそ20年間に海面が1年当たりおよそ3ミリ上昇したうち、およそ3分の1に当たるおよそ0.9ミリは海水温の上昇によると考えられるという。

 いっぽう、日本の平均気温の長期変化についたは、気象庁統計資料によると、 世界の平均気温が100年あたりおよそ0.68℃の割合で上昇しているのに対して、日本の平均気温は、1898年(明治31年)以降では100年あたりおよそ1.1℃の割合で上昇している。特に、1990年代以降、高温となる年が頻繁にあらわれている。日本の気温上昇が世界の平均に比べて大きいのは、日本が、地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい北半球の中緯度に位置しているためと考えられている。

 最近では2010年夏(6月~8月)の日本の平均気温は、統計を開始した1898年以降の113年間で第1位高い記録となり、2011年は、春は全国的な低温となったものの、夏(6~8月)の平均気温が、1898年以降の114年間で4番目に高かった。夏から秋にかけても全国的な高温となり多くの地方でのかなり早い梅雨入り・梅雨明け、新潟・福島豪雨や台風第12号と台風第15号による記録的な大雨となった。

  今冬は、上空を流れる偏西風(寒帯前線ジェット気流)が西シベリア付近で北に蛇行し、シベリア高気圧の勢力が非常に強くなったため、1月後半から2月前半は、モンゴルや中国北部など中央アジアからヨーロッパにかけて顕著な寒波に見舞われ、多数の死者がでた。また、日本付近では強い冬型の気圧配置となり、北日本から西日本の日本海側では最深積雪が多くの地点で平年を上回り、寒気のピーク時には大雪となった。3月20日春分の日が来ても、関東地方では「春一番」が観測されなかった。春一番が吹かなかったのは2000年以来、12年ぶりという。
 
 目先、シリア、イラン、北朝鮮などの独裁政権による政情不安による日常生活への影響が気がかりの日々だが、長期的には、じわじわと迫ってくる地球温暖化による日常生活への影響のほうがもっと深刻な課題である。 

 情報元: 時事通信、日本経済新聞電子版、NHKニュース電子版、asahi.com

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ウナギ稚魚が高騰で ウナギの価格もうなぎ登り(更新版)

 ウナギの価格が暴騰している。養殖の原料となる稚魚の記録的な不漁の影響で仕入れ値が上がり、うな重などの値上げに踏み切る専門店が相次ぐ。7月の「土用の丑(うし)」には品薄に陥るのは確実で、さらに2割くらいの値上げが見込まれる。 庶民には「かば焼き」が手の届かないものになりかねない状況だ。

  国内で消費されるウナギの大半は、稚魚のシラスウナギを、主に日本の太平洋岸の河口などで漁獲して養殖した「養殖ウナギ」だが、シラスウナギが3年連続で不漁で、とくに今年は極度の不漁になっていることが原因でシラスウナギの価格が暴騰している。

 夏のウナギ需要期に向け、例年11月ごろから各地でシラス漁が始まり、4月までが主な漁期となるが、水産庁によると今年は2月末までに昨年同期の7割しか確保できていない。シラスウナギは、国内では静岡や徳島、鹿児島などが産地だが、今季は軒並み水揚げが少ないという。台湾や中国でも不漁で、輸入も減少しているらしい。
 水産庁によると、シラスウナギの全国漁獲量は1963年の230トン余りをピークに急減。09年の24.7トンに比べ、10年は9.2トン、去年の11年は9.5トンと10トンを割り込むまで減少した。

 シラスの品薄感の強まりから、国産の養殖業者のシラスウナギ(稚魚)取引価格が一部では平年の4倍になって、国内での養殖業者やウナギ屋などへの影響が深刻になっている。
 比較的豊漁だった2006年のシラスウナギの取引価格は全国平均で1キロあたり約27万円だったが、2009年から不漁となって1キロあたり約38万円、昨年は87万円に。今年も値上がりに歯止めがかからず、2009年価格の7倍近い約250万円に高騰しているという。
 中国などの外国産は現在、養鰻業者へ売り渡される価格が1キロ210万円から220万円と異常な高値だ。2008年に付けた最高値を3割上回った。このままでは、需要がピークを迎える夏場にウナギ不足に陥り、過去最高値を更新するのは確実な情勢だ。
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 シラスウナギ不漁の影響で、成魚のウナギの価格も高騰している。ウナギは外国産を含め養殖ものがほとんど。都内の水産市場でのウナギの取引価格は1月時点で1キロ当たり約4200円。昨年同期の約2400円の1.7倍だ。中国産は特に高騰が著しく、1キロ5尾で5850円と今年に入って8回の値上げで計1950円上がり、3年前の暮れから5倍近くになった。
 小売価格も急騰中で、かば焼きなどの価格も、じりじりと値を上げ続けている。総務省の小売物価統計によると、1月の東京23区のかば焼きの価格は100グラム当たり970円で、10年前(同489円)の倍になった。関西のある店舗では、鹿児島県産の「かば焼き・大」(約145グラム)を1680円で売るが、仕入れ値は昨年に比べ1.6倍。同店は今月に入り、1575円だったうな重「並」を1900円(2割増し)に値上げした。別のウナギ店では2月13日、2200円(税別)だった「うな重」を2800円(3割増し)に値上げした。

 需要がピークに達する7月の「土用の丑(うし)の日」に品薄に陥るのは確実だ。すでに昨年より2割高い価格にしたうなぎ店は「夏場に向け、さらに2割くらいの値上げに追い込まれそうだ」と困惑する。
 
 シラスウナギの極端な不漁が続いている原因について、乱獲や環境破壊、親魚の減少などによって絶滅の危機が高まっていると指摘する専門家は少なくない。水産総合研究センター増養殖研究所(三重県南伊勢町)の田中秀樹グループ長は「河口堰などの開発で生息域が減った可能性がある」と語る。国内で取れるウナギの推移を研究している、東京大学の木村伸吾教授は「平成18年以降、天然ウナギの漁獲量は、それまでの半分以下の状態が続いている。海流の変化だけでは説明がつかず、長年にわたる乱獲が影響していると考えられる。親ウナギの減少で、産卵数も大きく落ち込んでいるとみられることから、シラスウナギの不漁は今後もしばらく続くのではないか」と指摘している。養殖が盛んな静岡県の担当者は「資源が危機的な状況にあるのでは」と懸念を強めている。 

 業界団体などは、親ウナギを放流して稚魚を増やす取り組みを行い、水産庁も補助金を出しているが、大きな成果は出ていない。昨年、ウナギの天然の卵が初めて発見され、卵から成魚に育てる完全養殖への期待も高まるが、コスト面など課題は多く、商業化のメドはたたない状況だ。

 シラスウナギ不漁に対する国の動きとウナギ保護のための国際的な動きについてのNHKニュース(電子版)を以下に記す。
シラスウナギ不漁に対し農林水産省、成魚(親ウナギ)の漁獲規制の検討
 鹿野農林水産大臣は、ウナギの稚魚であるシラスウナギの不漁が続き、国内の養殖や販売に影響が出ていることから、「基本的には資源管理が大事だ。親ウナギとシラスウナギの双方の関係者が互いに話し合って、資源管理の問題に取り組む重要性を共有する必要があるのではないか」と述べ、稚魚であるシラスウナギや卵を産む親ウナギの漁獲規制を官民で検討していく考えを示した。
 ただ、シラスウナギの漁獲は、日本だけでなく中国や台湾などでも行われていることから、鹿野大臣は、「関係国とも情報を交換して資源管理の重要性を共有していくことが大事だ」と述べ、国際的な連携が不可欠だという考えを示した
ウナギ保護考える国際シンポジウム東京開催
 漁獲量が減少しているウナギの保護の在り方を検討する国際シンポジウムが、ウナギの研究者や全国の養殖業者、それにウナギ料理店で作る団体が韓国と台湾の研究者などを招いて東京で開かれ、東アジア各国や地域が協力して生態調査や漁獲規制を行うべきだとする提言をまとめた。
 韓国の研究者は、日本と同じようにウナギの養殖に使う稚魚のシラスウナギが減っているとして、背景には河口ぜきの建設で遡上(そじょう)が妨げられるなど生息環境の悪化が挙げられ、ウナギの保護のためには国際機関を作って資源の管理を進めるべきだと提案した。
 台湾の研究者は、捕獲されたシラスウナギが日本をはじめとした外国に養殖用として密輸出されているとして規制が必要だと訴えた。
 シンポジウムでは、東アジア各国や地域が協力してウナギの生態調査や漁獲規制を行うべきだとする提言をまとめ、それぞれの水産当局に提出することになった。
 会議を開いた「東アジア鰻(うなぎ)資源協議会」の会長で東京大学の塚本勝巳教授は「ウナギは東アジアの共有の資源だが、このままでは絶滅の心配もある。地域全体で協力してウナギの資源管理をすることが必要だ」と話した。

(情報元:日本経済新聞電子版、読売新聞電子版、msn産経ニュース、asahi.com、NHKニュース電子版)

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北朝鮮の「人工衛星発射」予告(6) 日本の迎撃態勢の全容

 田中直紀防衛相は23日、北朝鮮による長距離弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する事態に備え、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)配備の準備指示を出し、配備先の自治体と調整に入った。また弾道ミサイルに対する「破壊措置命令」を月内にも出す方向で調整に入ったことを明らかにした。
 防衛省が検討している迎撃態勢の全容が明らかになった。海上自衛隊のイージス艦を飛行計画ルートに近い沖縄近海に2隻を展開させるのに加え、日本海にも1隻を配置する。日本海への展開は、ミサイルが予定軌道を外れるなど不測の事態が起きた際、首都圏を防護するためだ。
 日本海では、北朝鮮北西部の「西海衛星発射場」と東京を結ぶ福井・京都の北方海域に展開。首都圏を中心とした本州を防護対象に加え、国民に安心感を与える狙いもある。
 弾道ミサイルを迎撃するミサイル防衛(MD)システムでは、イージス艦搭載の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による2段構えの迎撃となる。海自のSM3搭載イージス艦は4隻あり、うち3隻を投入する。
 PAC3について、沖縄本島と石垣島、宮古島へ配備することについて、防衛省はを関係自治体に打診している。政府は地元の了解が得られれば、30日にも安全保障会議(議長・野田首相)を開き、自衛隊に破壊措置命令を発令する方向で調整している。(左図:msn産経ニュース、右図:毎日jp) 
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 これより先、田中直紀防衛相はルース駐日米大使、フィールド在日米軍司令官と防衛省で会談し、「弾道ミサイル技術を用いた発射は、国連安全保障理事会の決議違反であり、国際社会が協調して、北朝鮮を自制させることが重要だ」と述べたうえで、弾道ミサイルが発射され、日本国内に一部が落下する場合に備えて、迎撃のため、事前にミサイル防衛システムで迎撃する破壊措置命令を自衛隊に発令し、弾道ミサイルが上空を通過するとみられている石垣島などに、自衛隊のイージス艦と地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)の配備を行う方針を伝え、協力を求めた。ルース氏は「北朝鮮の行為はアジア太平洋地域の平和と安定への脅威で、日米の情報共有、連携は大事だ」と述べた。

 このような状況下、2年ぶりに来月14日開催予定だった野田総理大臣主催の「桜を見る会」が、中止されることになった。例年4月に東京の新宿御苑で開かれる総理主催の桜を見る会は、去年は東日本大震災を受け、中止されて、今年は2年ぶりにに開くことを決めていたが、結局、開催を見送ることになった。

 情報元:msn産経ニュース、時事通信、テレビ朝日(ANN)、読売新聞電子版、NHKニュース電子版、毎日jp

今月14日の三陸沖地震と房総沖地震は巨大地震再発の予兆か

 年初、首都圏直下地震について東京大地震研究所による「発生確率が4年以内に70%」など衝撃的な発生確率が複数の関係機関から相次いで発表されて、その震源地ならびに発生時期や地震の規模と震度の確率値をめぐって物議をかもした。
 それから3ヶ月後、文部科学省の特別プロジェクトチームは、首都直下地震が従来想定していた地下30~40キロよりも5~10キロ浅い所で起きると修正して、その首都直下地震が「いつ発生しても不思議ではない」と発表。ついで、最大震度が「7」では首都圏では約39万棟が全壊し、上水道管の破損などの被害も約3万4000件に上るとの試算結果を発表した。年初からのこれら情報から首都圏直下地震が切迫していることは否定しようがないようだ。

 ところで、政府の地震調査委員会は昨年11月に、東日本の太平洋沖を震源とする地震発生の長期予想について発表している。
 南北800キロに及ぶ三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りで大津波を伴うマグニチュード9.0のプレート(岩板)境界地震が起きる確率が30年以内に30%との長期評価である。
 また、大震災の震源域の北端に当たる三陸沖北部では最大M7.6が30年以内に90%、南端の茨城県沖では同7.2が同90%以上の高い確率で起きるとした。
 しかし、東日本の太平洋沖を震源とする地震発生のこの長期予想については首都圏住民の関心は首都圏直下地震よりもかなり低いように思える。この震源域でのマグニチュード8級の地震は首都圏にも甚大な被害を及ぼすはずだが、関心はどうしても身近な首都圏直下地震に向いてしまうのだろう。しかしそれでいいのだろうか。

 日常の瑣事(さじ)に追われて忘れかけているが、3月14日夕から夜にかけて関東から北海道の広い範囲で相次いで起きた強震では、あの3・11巨大地震の再来かと驚かされたものだ。
 特に、房総の中央部に住んでいる筆者は、14日午後9時過ぎの地震のときはすでに床に就いて眠りに入っていたが、グラッと来たとたん反射的に跳ね起きたほどの久しぶりの強い地震だった。
 その後は身体に感じる強い揺れの地震はなかったが、気象庁の地震情報によると、三陸沖北部から房総沖を震源とする地震は多発している。
 千葉房総沖(千葉東方沖)で発生した地震は3月14日のマグニチュード(M)6.1の地震後、M2.7からM4.5の地震が14日までの1週間で50回に達している。三陸沖ではマグニチュード(M)6.8の地震後1週間でM4.4からM5.9の地震が9回、岩手県沖でM3.8からM5.0での地震が4回、宮城県沖でM3.2からM4.5の地震が9回、茨城県沖でM3.1からM4.2の地震が6回と多発している。
 これら三陸沖北部から房総沖にかけての海底を震源とする地震は、震度4以下で大半が震度1と震度2ゆえ南関東地域ではほとんど体感しないが最近の多発傾向には注意が必要ではないか。

 日本海溝付近の領域で起きる地震は、揺れは比較的小さいが、海底が大きく動いて津波が高くなる「津波地震」として知られ、明治三陸地震(1896年)や江戸時代の慶長三陸沖地震(1611年)のほか延宝5(1677)房総沖地震など過去に巨大津波で2万人以上の犠牲者を出すなど大きな被害をもたらしている。

 気象庁によると、3月14日の千葉県東方沖地震は東日本大震災の余震であるが三陸沖地震は大震災の余震域から外れており、両地震の直接的な関係は分からないと説明した。そこで、両地震の個々の発生メカニズムについての専門家の分析をみてみよう。

 現在、日本海溝寄りの三陸沖北部から房総沖にかけての海底では、昨年3・11の巨大地震の震源域の北側と南側を中心にそれぞれひずみがたまっている可能性があるという。
 先日3月14日の三陸沖と千葉県東方沖の地震は、ともに岩盤が引っぱられる力で起きる「正断層」型で、東日本大震災前には発生例が少ない地震で、日本列島周辺は大震災後、地殻にかかる力が変化し、地震が起こりやすくなっているという。日本大震災でそれまで押し合っていた二つのプレートの境界が破壊され、力のかかり方が変わった影響とも考えられ、さらに大きな地震が起きる可能性もあると言われている。
 三陸沖の地震は、津波のメカニズムに詳しい北海道大学地震火山研究観測センターの谷岡勇市郎教授によ20110418k0000m040070000p_size5ると、日本海溝の東側で沈み込む前の太平洋プレート(岩板)に力がかかって起きる「アウターライズ地震」と呼ばれるタイプで大きな津波をともなう地震だったという。(左図は毎日新聞)
 千葉県東方沖は、東日本大震災前は東西に押される力で起きる「逆断層」型の地震が多かったが、現在は引っ張る力が働く「正断層」型地震になったとのこと。東京大学地震研究所の小原一成教授は、「千葉県東方沖の地震は、東日本大震災後に福島県から茨城県にかけて活発化した地震活動の一部と考えられる。今後も引き続き注意が必要だ」と話している。
 房総半島南方沖は、首都圏を襲う地震の震源域の一つとされるが、地殻のひずみがマグニチュード(M)8級の大地震が起きても2~3割しか解消されない恐れがあることが、国土地理院の西村卓也主任研究官の分析でわかっている。ひずみが多く残される結果、1500~2千年間隔とされる従来の想定よりも早い時期か、より規模の大きい地震が起きる可能性があるという。

 海洋研究開発機構などのチームが昨年8月、東日本大震災の地震により、東北地方に沈み込んでいる太平20120131洋プレート(岩板)の内部で力のかかり方が変化したことを発見した。分析の結果、東北沖でM8級の地震が起きやすくなっているという。東北沖の太平洋遠方で起きる地震は、震災前にはマグニチュード(M)7級と考えられていたが、東北地方の沖合約300キロメートルの太平洋プレート(岩板)内部で長さ約40キロメートルにわたって断層が動き、M8級の地震を起こし、東北沿岸を津波が襲う可能性も出てきたという(図は日本経済新聞電子版)。海洋研究開発機構チームは有人潜水調査船「しんかい6500で昨年7月から8月にかけて岩手―宮城県沖の日本海溝周辺の3か所で海底を調査した。
 写真左は、三陸沖の水深約3200メートルで見つかった亀裂で、幅20センチ、長さ数十メートルを超える。写真右は岩手沖180キロ(水深5350メートル)で見つかった幅1メートル、長さ80メートルの亀裂。
(写真は20110815-636103-1-N2011年8月15日  読売新聞)。
20110815-636079-1-N
 







 このような、三陸沖から房総沖にかけての地震に関する具体的な知見に接すると、首都圏直下地震よりも切迫感を覚えるのは筆者だけであろうか。

 付記:
①3月14日の三陸沖地震と千葉県東方沖地震
 これらの地震についての気象庁発表の地震情報と日刊紙の情報によると、地震の規模・震度と被害の状況は次のようであった。 
三陸沖地震
 午後6時9分ごろ、三陸沖を震源とするM6.8の地震が発生、し北海道釧路市、青森県八戸市、岩手県普代村で最大震度4が観測され、広く関東地方まで伝わって最大震度2が観測された。そして青森県の八戸港のほか、北海道えりも町と青森県むつ市でも10センチの津波を観測した。
千葉県東方沖地震
 午後9時5分ごろに、千葉県東方沖を震源とするM6.1の地震が発生し、茨城県神栖市と千葉県銚子市で震度5強の地震を観測した。茨城県神栖市では一部で液状化現象が見られ、千葉県船橋市でか心臓に持病があった95歳女性が体調を崩して搬送先の病院で死亡、千葉県内でブロック塀が倒壊するなどの被害が出たところもあった。
②アウターライズ地震とは
 アウターライズとは、海溝外縁隆起帯を指す。海洋プレートが隆起した区域で発生する地震のことをアウターライズ地震と呼んでいる。東日本大震災により、プレートに引っ張る力が働いて震源域東側で、すでに2回ほどアウターライジング地震が起こったとされている。

春の兆し 「つくし」が出てきた

SH3J01140001 早朝、近くの川原の土手道を散歩していたら、傍らの雑草の中から土筆(つくし)が一本伸び出しているのに気づいた。一帯に群生するのはまだまだ先のことだろうが、酒の肴として今から待ち遠しい。
 気象庁によると、関東地方では今年、「春一番」が観測されず、春一番が吹かなかったのは2000年以来、12年ぶりとのこと。
 3月に入って結構強い風が吹いたことがあったが、気象庁が定義している「春一番の条件」に合う風ではなかったようだ。
 日本で最も西にある沖縄県の与那国島では、海開きの18日、最高気温が28度2分と、ことし最も高くなって5月下旬並みの気温となったというが、こちら南房総の里に本格的な春が訪れるのはまだまだ先のことだ。老体には、まだまだ夜と早朝の冷え込みが厳しく、屋内でもしばらくは暖房機の世話になるだろう。

北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(5) 核安全サミット声明は北への宣戦布告

 26日にソウルで開幕する核安全保障サミットを控えて、朝鮮半島情勢の緊張が高まる気配が出てきた。北朝鮮国営の朝鮮中央通信は21日、今月26日と27日にソウルで開かれる核安全サミットで、韓国が参加各国首脳らと北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射問題で協議するとの方針に対し、「主催者側の地位を利用し、国際舞台を反北朝鮮の空間に仕立てようとしている」と非難した。さらに、「われわれの核問題に関連した声明の発表などの挑発がある場合、特に大きな犯罪として歴史に記録される」と指摘した。そのうえで「声明などの形で核の放棄を求めるメッセージが打ち出された場合、いかなる挑発もわれわれに対する宣戦布告と見なし、その結果は、朝鮮半島の非核化に大きな障害となる」と警告して日米韓など5カ国を牽制した。

 これより先、韓国の李明博大統領は、北朝鮮が長距離弾道ミサイルとみられる「衛星」打ち上げを予告したことに対し、韓国紙、中央日報とのインタビューで、「明確な国連安保理決議違反」と非難し、26日からソウルで開かれる核安全保障サミットで6カ国協議参加国の日本と米国、中国、ロシアの首脳が出席するのを利用し、首脳らと会談、打ち上げ阻止に向けて連携する意向を表明していた。

 米政府も20日、オバマ大統領が南北軍事境界線に隣接する非武装地帯を訪問すると発表している。オバマ大統領の非武装地帯の訪問は米韓同盟を誇示することで、挑発的な言動を続ける北朝鮮を抑え込む狙いがあるとみられる。

 北朝鮮は故金正日総書記死去後、韓国の李明博政権に対する対決姿勢を強めており、かねてソウルでのサミットを「核戦争謀議の場」とソウルでのサミット開催に反発してきた。21日の朝鮮中央通信の論評でも「世界最大の核火薬庫である南朝鮮(韓国)でサミットを開催すること自体、内外世論に対する愚弄だ」と反発の度合いを高めた。「衛星」の打ち上げに関しては「主権を侵害しようとする一味が会議を機にどう騒ぐかは火を見るより明らかだ」と主張し、阻止に動く韓国などを非難した。

 「北朝鮮は過去にも国際的な行事の前後に挑発行為を繰り返してきた」と警察庁の趙顕五(チョ・ヒョンオ)長官が指摘し、サミット開催にあたり北朝鮮のテロ行為への警戒を強めている。

 金正恩(キム・ジョンウン)新政権の軍事的挑発によって、日増しに朝鮮半島の緊迫感が高まってきているが、北朝鮮の暴挙を押さえ込める唯一の国である中国は、外務省高官が20日に「冷静さを保つよう関係各国に要請している」と語るなど北朝鮮を追い込むことに消極的である。26日からのサミットでの胡錦濤国家主席と李大統領との会談で胡錦濤主席がどのような姿勢を示すかで朝鮮半島の緊張が解けるか一層の緊張が増すかが決まる。

筆者の関連ブログ
①北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(1) 6カ国の反応(3月21日更新版)
②北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(2) 北朝鮮の言い訳と真意とその背景
③北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(3) PAC3、石垣島と沖縄本島に配備 破壊措置命令も検討
④北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(4) 素人防衛大臣 PAC3とP3Cを言い間違える

北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(4) 素人防衛大臣 PAC3とP3Cを言い間違える

 あのド素人防衛大臣田中直紀氏は3月21日の閣議後の記者会見で、北朝鮮が「人工衛星」と称して打ち上げを予告したミサイルへの対応に関連し、「P3C及びイージス艦の展開は(前回発射時の)2009年の例も踏まえ、検討している」と述べ、PAC3と、海上自衛隊の哨戒機「P3C」を言い間違え、同席した防衛官僚や記者団の指摘で直後に訂正する体たらくぶりを見せた。

 ド素人防衛大臣田中直紀氏が失語症を発症して久しい。あちらこちらでトンチンカンな発言を繰り返し、国民から失笑を買っているが、野田総理は辞めさせる気持ちはないようだ。

 1月23日、沖縄県庁で仲井真県知事との会談で、移設に絡みかつて取り沙汰された伊江島を「いおうじま」と言い間違えた。
 2月18日、沖縄県庁で仲井真知事との会談冒頭で嘉手納(かでな)を「ハネダ」と発言した。会談後も、記者団に対して米軍嘉手納(かでな)基地に言及した際に、嘉手納(かでな)を「カネダ」と言い間違えた。
 3月14日、参院予算委員会で、国連平和維持活動(PKO)で派遣した自衛隊の派遣先の一つである中東・ゴラン高原がまたがる地域(シリアとイスラエル)について、「シリアとヨルダン」と間違え、審議が紛糾した。

 このときは、さすがに野田首相は「一層緊張感を持って職責を果たしてもらいたい」と、やんわりと田中氏をたしなめた。

 田中直紀防衛相は3月17日、航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市)を視察のため訪問し、約900人の隊員に対し、中国の軍備増強や海洋活動の拡大、北朝鮮の「衛星」発射問題に触れ、恥じらいもなく、「常時危機意識を持って与えられた任務に取り組み、国民の大きな期待に応えるため、さらに精励いただくことを要望する」と訓示した。官僚の作文の棒読みであることには間違いはないが、先日の参院予算委員会で野田首相に言われたことの完全なコピーである。恥ずかしくなかったのだろうか。

北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(3) 日米韓の対応(3月23更新版)

北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(2) 北朝鮮の主張と真意とその背景の続き・・・

 北朝鮮は4月12日~16日に発射すると予告した「人工衛星」に関する情報を国際海事機関(IMO)や国際民間航空機関(ICAO)に通報した。発射理由は故金日成主席の生誕100周年記念としている。
 4月12日から16日までの、午前7時から正午までの時間帯を発射の時間として設定した。発射場所は、過去t_TKY201203190180に光明星1号・2号(テポドン1号・2号)を発射した咸鏡北道(ハムギョンブクド)の舞水端里(ムスダンリ)ではなく、今回は北朝鮮の北西部、平安北道(ピョンアンブクド)鉄山郡(チョルサングン)にある「衛星発射場」だとしている。この「発射場」は北朝鮮が10年以上かけて建設を進め、昨年完成した鉄山郡(チョルサングン)東倉里(トンチャンリ)の発射場と推定される。
 ロケット部分が落下する海域については、ロケットの1段目のブースターは韓国南西部の辺山(ビョンサン)半島から140km沖合の黄海に、2段目のブースターは発射地点から約3千km南方のフィリピンの東の沖合190kmの太平洋上に、それぞれ落下するとすると予測している。(左図はasahi.com)

 北朝鮮が「衛星」打ち上げで使用する「運搬ロケット」は事実上の長距離弾道ミサイルとみられ、IMOなどに通報した情報から、今回発射されるのは「テポドン2号」の改良型で、3段式の可能性が高い。テポドン2号の推定射程は1万km以上といわれている。ロケットは2段目のブースターが切り離されてからも、搭載物は3段目ブースターの推進力により、さらに1000km以上飛行できる。

 日本政府は、通報どおりに発射が行われ、この軌道で飛行すると、沖縄県の石垣島など沖縄本島の南西に位置する先島諸島の上空を通過するとしている。防衛省は、先島諸島など日本領域に飛来物が落下する可能性が高まった場合に備えて、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)などでミサイルを迎撃する能力がある部隊を展開することも含めて対応を検討している。
 防衛省は、今回のミサイルが米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)にあるPAC3の射程外になる可能性があるため、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の発射機やレーダーなど関連装備を先島諸島の石垣島と沖縄本島にそれぞれ配備する方向で検討に入った。また、周辺の東シナ海に海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載する複数のイージス艦を配備するほか、軌道が外れた場合の首都防衛を想定して日本海にもイージス艦を展開する方向で調整している。
 田中防衛相は19日、参院予算委員会で「自衛隊法に基づき首相の承認を得た上、弾道ミサイルなどの破壊措置を命ずることを考えていると明言したうえで、北朝鮮がミサイルを発射した09年4月と同様に「弾道ミサイル等に対する破壊措置命令」を発令する考えを表明した。藤村修官房長官も記者会見で「必要と判断される場合は所要の配備を行う」と述べ、破壊措置命令を検討していることを明らかにした。
 野田政権は21日、安全保障会議(議長・野田佳彦首相)を来週中に開く検討に入った。ミサイルが日本の領土・領海に落下する事態に備え、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を発令する。
 破壊措置命令は、弾道ミサイルや、その部品などが日本の上空を通過し、落下するなどの不測の事態が起き20120320k0000m030070000p_size5た場合、文字通り、破壊することを命じるもの。その場合は、日米両国が連携してミサイル防衛(MD)システムで撃ち落とす。実際に迎撃する事態となる可能性は低いが、日本の国土防衛の意思と強固な日米同盟を強調し、北朝鮮をけん制する。
 迎撃する場合はまず海上に配備されたイージス艦に搭載された迎撃ミサイル「SM3」が大気圏外のミサイルを迎撃する。打ち漏らした場合は、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で着弾前に迎撃する二段構えだ。(左図は毎日jp)

【破壊措置命令】
 弾道ミサイルなどが日本に飛来する恐れがある場合、破壊するよう防衛相が自衛隊に命じること。自衛隊法82条は、弾道ミサイルなど飛来物の破壊措置として、(1)日本に飛来する恐れがある場合、閣議決定して防衛相が自衛隊に命令(2)飛来する恐れがあるか不明の場合でも、緊急対処要領に従ってあらかじめ防衛相が命令-の2通りの対応を定めている。実際に日本領土や領海に飛来すると判明した段階で迎撃を判断する。
先島諸島(さきしましょとう)(宮古・石垣・与那国)
 沖縄県の宮古列島と八重山列島の総称。先島は沖縄本島より先にある島々の意。

 一方、韓国政府は19日、北朝鮮による「衛星打ち上げ」を事実上の長距離弾道ミサイル発射実験とみて外交安保会議を開き、「重大な挑発」と位置付け発射後の航跡や落下物の行方を探知するため、黄海にイージス艦を投入して米軍と合同の監視態勢を取る方針を表明した。また、韓国政府はロケット1段目のブースターが予告されている黄海ではなく、陸地に落下する可能性についても懸念している。韓国政府の高官は「北朝鮮の技術からみて、ロケットが予告された軌道通りには飛ばず、韓国の陸地に飛来する可能性も排除できない」と述べた。

 韓国と米国は、北朝鮮が来月の打ち上げを予告した「光明星3号」の1段目ロケットが全羅北道扶安郡・辺山半島の西方約140kmの海上に落下した場合、ロケットの残骸を回収する方針だという。韓国政府の消息筋は「1段目は音速の数倍の速さで落下するため、大半は燃え尽きるか損傷するとみているが、残骸の一部がそのまま海に落下する可能性がある。ロケットの残骸を回収すれば、北朝鮮の長距離ミサイルの性能把握に大きく役立つ。西海(黄海)の水深は平均40メートルほどにすぎないため、韓米の海軍が残骸の位置を特定し、回収することは、技術的に不可能ではないとみている」と語った。
 韓国と米国は、北朝鮮による光明星3号打ち上げ直後の軌跡とロケット1段目の落下地点を正確に追跡するため、情報収集衛星や最新の偵察機、イージス艦、掃海艦(機雷を排除するための軍艦)、潜水艦救難艦などを投入するという。「世宗大王艦」や「栗谷李珥艦」など韓国海軍のイージス艦と米海軍のイージス艦でロケット落下海域を大まかに把握し、最新ソナー(水中音波探知機)などを備えた掃海艦や潜水艦救難艦で残骸の正確な位置を確認する計画だ。
 また、李明博大統領は21日、米国との覚書に基づき現在300キロに制限されている韓国保有の弾道ミサイルの射程を800~千キロに延ばす案を米国と協議中で、近く延長で合意できるとの認識を示したが、具体的な数字には触れなかった。
  
 フィリピンは、ロケットの2段目がフィリピンのルソン島北東部の沿岸からおよそ130km沖合の太平洋に落下すると予告されている。フィリピンの外相は、「人工衛星の打ち上げが地域の不安定化をもたらさないことを望む」と述べて、打ち上げによる地域情勢の緊張に懸念を示した。そのうえで、外相は、「関係国が6か国協議を速やかに再開し、問題解決に取り組むことを期待している」と述べた。
 フィリピン外務省は21日、北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射を中止するよう求める声明を発表した。フィリピンは北朝鮮と国交があるが、声明は「重大な懸念」を示したうえで、国連安全保障理事会決議に違反する行為だと訴えている。
                          ◇
 平安北道鉄山郡(ピョンアンブクド・チョルサングン)の東倉里(トンチャンリ)基地は金正恩の指示で00年に建設が始まり、08年に完工した。内部燃料貯蔵および注入装置、組立施設、自動化装置など現代化した施設を備わっていると評価される。ただ、問題として、衛星制御技術とシステムが不足しているという評価が多い。韓国航空宇宙研究院の関係者は「人工衛星を打ち上げて維持するには制御システムが必須。北朝鮮はリアルタイムで人工衛星を観測して制御するための観測船舶や施設が不足していると考えられる」と述べている。
                          ◇
 北朝鮮が東倉里(トンチャンリ)基地を新しいミサイル発射場に選択したことには、高度な政治外交学的な意味が込められているという。これまでに光明星1号・2号(テポドン1号・2号)を発射した舞水端里(ムスダンリ)基地に比べ、米国や日本に迎撃される可能性を減らした。舞水端里基地に比べて東倉里は日米イージズ艦の接近が難しい。特に中国海岸線と近いため、公海上から発射された迎撃用ミサイルが中国に落ちる危険もある。
 東亜日報紙は、韓国軍関係者の話として、「舞水端里(ムスダンリ)よりも、はるかに容易に有為にミサイルによる奇襲攻撃を仕掛けられる」と伝えた。また、北朝鮮がウラン濃縮を行う寧辺(ヨンピョン)核施設から舞水端里までは約300kmだが、東倉里は約70kmと近い。寧辺で製造された核弾頭は短時間でミサイル基地への輸送が可能となる。

 北朝鮮は、中国から強力な圧力があっても、予告した「人工衛星」の発射を決して中止することはないだろう。「中止」は金正恩(キム・ジョンウン)新政権と軍の強硬派との間に深刻な対立を生じさせ、金正恩政権崩壊への道を辿ることを金正恩は十分承知しているはずだ。

 4月12日から16日は、日本のみならず中国、アメリカ、ロシア、韓国、フィリピンが緊張する長い5日間となるであろう。

 情報元:日本経済新聞電子版、読売新聞電子版、NHKニュース電子版、msn産経ニュース、asahi.com、毎日jp、時事通信、朝鮮日報日本語版 、中央日報日本語版

北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(2) 北朝鮮の主張と真意とその背景

北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(1) 6カ国の反応(3月21日更新版)の続き・・・


 北朝鮮当局は、食料支援の再開などと引き換えに長距離ミサイル発射実験を凍結することで米政府と合意したわずか2週間後の今月16日、故・金日成(キムイルソン)主席の生誕100周年にあたる4月15日を前後して、国産の人工衛星を打ち上げると発表した。北朝鮮の通報内容によると、打ち上げるのは地球観測衛星「光明星3号」で、時期は4月12~16日。「国家の宇宙開発のため、データや映像を送るのが目的」としている。
 北朝鮮の朝鮮中央通信は「人工衛星打ち上げ」予告に関し、「宇宙研究と地球観測に必要な情報資料を総合的に得るものだ」と宇宙開発のための平和的利用だと主張した。
 この中で、「衛星打ち上げの準備の一環として、国際的規定と手順を踏んで、国際民間航空機関と国際海事機関などに必要な資料を提出した。打ち上げの現場には、他国の権威ある専門家と記者を招待する。打ち上げの実況を見せることになるだろう」と伝えている。
 北朝鮮としては、国際機関に資料を提出する手続きを踏み、外国の専門家も招くと強調することで、アメリカなど各国からの批判をかわすねらいがあるものとみられる。
 北朝鮮当局は、打ち上げが周辺諸国に影響することはないと述べたが、周辺国を中心に国際社会の懸念が高まっている。

 北朝鮮の「衛星打ち上げ」すなわち「長距離弾道ミサイル発射」予告は、2月に北京で行われた米朝協議に関する背信行為であることは明らかだ。この協議では、北朝鮮が寧辺(ニョンビョン)でのウラン濃縮活動と核実験、長距離弾道ミサイルの発射実験を一時停止し、米国は24万トンの栄養補助食品を提供するという事実上の取引が成立した。
 米政府の交渉団はこの協議の過程で北朝鮮に「いかなる衛星打ち上げも合意破棄と見なす」と警告したという。ところが北朝鮮は平然と警告を無視し、米国に恥をかかせたのだ。 
 また、国際社会は一斉に非難し、計画の撤回を要求した。国連安全保障理事会(安保理)は16日(現地時間)、ニューヨークでこの問題をめぐる緊急協議をした。北朝鮮が明らかにした「光明星3号発射計画」が、「弾道ミサイルを利用したすべての発射」を禁止した09年6月の国連安保理決議1874号違反に該当するためだ。

 このように北朝鮮が「人工衛星」と主張している長距離弾道ミサイル発射計画を日米韓など国際社会が批判していることに対して、北朝鮮の朝鮮中央通信は「我々の平和的な宇宙利用の権利を否定し、自主権を侵害する卑劣な行為だ」と非難し、「打ち上げを撤回すると思うのは大きな誤算だ」と強行する立場を表明した論評を伝えた。
 同時に、同紙論評は、衛星を「経済発展に必須の実用衛星開発、利用のために行われてきた科学研究事業の高貴な結晶体」とし、関係する国際機関への通報や海外の専門家と記者への公開を行ったことを挙げて、国際規定を守っていると主張。「正当な衛星打ち上げに言いがかりをつけるのは挑発が目的だ」と反発している。
 朝鮮中央通信は「敵対勢力が我々の衛星打ち上げだけを『ミサイル脅威』『挑発』とする二重基準は絶対に許されない」とも強調した。
 
 北朝鮮の6か国協議代表を務める李容浩(リ・ヨンホ)外務次官は19日、同国の「衛星打ち上げ」を理由に、米国が米朝合意で決まった栄養補助食品の提供を拒んだ場合、「話し合いを継続することはできないかもしれない」と述べた。
 この中でリ・ヨンホ外務次官は、北朝鮮が来月「人工衛星を打ち上げる」と発表したことについて、「衛星発射問題は、最近行われた米朝合意とは別の問題であり、あくまでも平和的な宇宙開発の権利に属するものだ。長距離ミサイル発射の一時凍結を盛り込んだ先月の米朝合意には抵触しない」と主張した。
 さらに、「われわれは、2月29日に発表された米朝合意を最後まで履行する立場だ」として、ウラン濃縮の一時凍結を監視する国際原子力機関(IAEA)に査察官を派遣するよう要請したことを強調した。
 その上で「打ち上げを巡って不当に主権を侵害しようとするならば、対抗措置をとらざるをえない。引き続き米国の態度を観察していく」と述べ、米側に合意通り栄養補助食品を提供するようけん制した。

 ところで、20日付の韓国紙・朝鮮日報が韓国政府筋の話として、今回のミサイル発射1回で2年分のコメ不足分買える資金吹き飛ぶと伝えている。
 関係当局が推定した北朝鮮の人工衛星「光明星3号」(テポドン2号)の製造と発射場の建設などの打ち上げ関連費用が8億5000万ドル(約700億円))と推定されると報じた。内訳は、打ち上げに使われるとみられる黄海側の東倉里の長距離ミサイル発射施設の建設に4億ドル、「衛星」の開発に1億5千万ドル、打ち上げに使う可能性があるテポドン2号の開発・製造に3億ドルがかかったと推定。
 国連食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)、北朝鮮関連専門家たちは、北朝鮮の昨年の食糧不足分は70万トンで、北朝鮮住民約600万人が食糧不足に苦しんでいるものと推定している。8億5000万ドルは2月現在の相場で、コメ不足分の2年分の約141万トンを購入できる金額に相当する。
 北朝鮮のこれまでの核・ミサイル開発費は30億5000万~31億5000万ドル。うち核兵器開発が10億ドル、2回の核実験が4億~5億ドルという。故金日成主席の誕生日である4月15日を中心に行われる生誕100周年の記念行事には20億ドルが費やされる見通しという。

 北朝鮮は2月下旬の米朝直接交渉でウラン濃縮の一時停止とともにミサイルの発射凍結を約束し、米側から食糧援助を取り付けたばかり。米不足の2年分に相当する金額を投じ、さらには米側の反発を招いて食糧援助を停止されるリスクを冒してまでしてミサイル発射を実施しようとする背景には金正恩新体制の基盤が未だ不安定で、軍部の強硬派の意向が新政権を動かしていることにあるのではなかろうか。今回の「人工衛星」発射予告の金正恩新体制(=軍部強硬派)の意図は何か。

 中央日報日本語版によると、チョ東昊(チョ・ドンホ)梨花(イファ)女子大教授は「対内用の目的が3分の2、残り3分の1は対米交渉用」とし「大統領選挙を控えてオバマ米政権からより大きなものを得るための交渉術」と分析している。
 対内用の目的とは、金正恩(キム・ジョンウン)党中央軍事委副委員長が軍事力を誇示し、内部の求心力を高める狙いであり、対米交渉用の目的とは、恫喝によって米側からさらなる食糧援助を引き出すことである。

 さらに同紙によると、慶煕(キョンヒ)大の権万学(クォン・マンハク)教授(国際学)は、「北朝鮮内部で金正恩指揮体系が定着していないとみられる」とし「交渉派の外務省と強硬派の軍部の葛藤と分裂が原因かもしれない」と分析している。
 また、別の情報筋の話として、軍内部が2勢力に分かれていて、「核」を背景に超強硬な方針で対外関係を牽引しようとするグループが、ウラン濃縮の技術を利用しつつ、核兵器の小型化を図り、大陸弾道ミサイル(ICBMへ)の搭載を目指している意図が見えると指摘している。

以下に、今度の北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」予告の意図とその背景についてまとめる。
①北朝鮮は金正日(キムジョンイル)総書記死去後の体制固めを最優先している。経済や食糧供給の改善が進まない中、4月15日の故金日成主席生誕100年に合わせて、国民に軍事力や科学分野での成果を強調し、新指導者の金正恩氏の指導力を誇示し、内部の求心力を高める狙いがある。また4月中旬に労働党代表者会と最高人民会議を控えている。金正日(キム・ジョンイル)が、98年に「光明星1号」を打ち上げた直後に、国防委員長に再推戴し、権力継承を終えたと同様に、 このたび、「光明星3号」打ち上げと金正恩の総書記または国防委員長推戴を連係すると観測されている。金正恩氏がミサイル発射で強い軍事力を持つ「強盛国家」を内部に宣言し、米側の譲歩を勝ち取れば外交力も示すことができる。指導者に就いたばかりの正恩氏が実績を作る好機となりうる。
 衛星打ち上げと同時期に開く朝鮮労働党代表者会で後継者の金正恩(キムジョンウン)氏が最高指導者の地位につくシナリオは明白だ。
 日本経済新聞電子版によると、梁茂進(ヤン・ムジン)慶南大北韓大学院教授は「金正恩時代の幕開けを内部に誇示するとともに、米国を圧迫する意味がある」と分析する。
②北朝鮮は2月の米朝交渉で米側にコメなど穀物支援を要求したが、流用を懸念する米側が食糧援助を栄養補助剤に限定したために、大きな不満を残した。1カ月も前にミサイル発射を予告し、さらなる譲歩(=穀物支援)を求めるサインを送り米側の出方をうかがう思惑がありそうだ。
 韓国政府関係者は「長距離ミサイルの進展した技術を誇示し、米国が米朝談判に出てくるよう圧力を加える戦略かもしれない」と述べた。
③北朝鮮は2月29日、「濃縮ウラン活動および核・ミサイル試験発射を中断することにした」と朝鮮中央テレビを通じて国際社会に公言したが、3月16日には「光明星3号を打ち上げる」と相反する声明を発表した。
  中央日報日本語版によると、慶煕(キョンヒ)大の権万学(クォン・マンハク)教授(国際学)は、「北朝鮮内部で金正恩指揮体系が定着していないとみられる」とし「交渉派の外務省と強硬派の軍部の葛藤と分裂が原因かもしれない」と分析している。
 また別の情報筋によると、北朝鮮の軍指導層内部の状況から、正恩氏の側近内に2つの勢力があるようだと伝えている。2つの勢力とは、党主導で外交部門に人材を集中させて対米、対日、対韓交渉を再構築して問題打開を図ろうとするグループと、「核」を背景に超強硬な方針で対外関係を牽引しようとするグループだ。「核」を背景に超強硬な政策遂行を主張する側近は李英浩(リ・ヨンホ)朝鮮人民軍総参謀長だとみられる。李総参謀長は2月16日、金総書記の誕生70周年に行われた金正恩氏に忠誠を誓う儀式の演説で金総書記の業績を賞賛、「核保有国」を強調した人物だ。情報筋は、正恩氏が両勢力の間に立って調整するだけの政治力があるかどうか未知数だが、正恩氏がすでに強硬派の意向に同調している可能性があり、北朝鮮が今後、李総参謀長が指揮下で「核の値段」のつり上を狙い、さまざまな恫喝をしかけてくるとみている。
④「光明星3号」人工衛星を打ち上げるという北朝鮮の主張はミサイル試験を偽装するための策略にすぎない。
人工衛星を打ち上げる技術は原理的に、核兵器を搭載する大陸間弾道ミサイル(ICBM)と同種だ。既に確保済みのプルトニウムや、推進中と見られるウラン濃縮の技術を利用しつつ、核兵器の小型化を図り、時間はかかるにしてもICBMへの搭載を目指す道筋が見える。
 北朝鮮は06年にテポドン2号を発射し、09年には「光明星2号」発射直後に核実験を行った。こうした前例を考えると、光明星3号の発射予告は「近く核実験もありうる」という暗示ではないか。これを通じて米国が追加で譲歩するよう圧力を加えるという意図がうかがえる。

 いずれにしても、今回の北朝鮮の「衛星発射予告」は、北朝鮮とのいかなる合意も一瞬にして崩れるという事実が明白になったということであり、暴走する北朝鮮を中国、米国、ロシアはいかなる手立てで押さえ込むか、その道筋が見えないという切迫した事態になっていることは間違いない。ひるんで譲歩する姿勢を見せれば北朝鮮の思う壺である。

 情報元:日本経済新聞電子版、読売新聞電子版、NHKニュース電子版、msn産経ニュース、時事通信、朝鮮日報日本語版 、中央日報日本語版

北朝鮮の「人工衛星=長距離弾道ミサイル発射」予告(1) 日米韓中露ほか周辺国の反応(3月23日更新版)

 「人工衛星を搭載したロケットを4月12日~16日の間に発射する」との北朝鮮の朝鮮中央通信の3月16日の「衛星発射予告」の報道に、米国政府、韓国政府、日本政府はもちろんのこと、中国、ロシア政府まったく予期していなかった事態に耳を疑い、次いで顔が青ざめたに違いない。北朝鮮の「人工衛星」発射は、それを打ち上げるロケットが長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型と推定され、事実上の発射試験を意味するからだ。

 北朝鮮は、2月末の米朝合意で、米国の食糧援助(栄養補助剤)を条件として寧辺(ヨンピョン)でのウラン濃縮活動や核実験とともに長距離弾道ミサイル発射実験のモラトリアム(一時停止)も受け入れたばかりにもかかわらず、16日、一転して人工衛星発射に名を借りた事実上の「弾道ミサイル発射」を予告し、米朝合意を反故にする行動に出たのだ。
images 「テポドン2号」改良型は推定射程が10,000km以上の3段式ミサイルで、人工衛星発射との名目で2009年4月5日に日本海に面した舞水端里(ムスダンリ)の基地から発射されたが2段目は太平洋上で落下して改良型の発射実験は失敗している。
 来月(4月)発射する「人工衛星」を搭載した長距離弾道ミサイルが「テポドン2号」改良型で、衛星の軌道投入に必要な高度に到達したとなれば、それは北朝鮮が米国本土を射程に入れた大陸弾道弾(ICBM)の技術を獲得したことになり、すでにノドン(射程約1300㎞)、テポドン1(射程約1500㎞)の射程内にある日韓に加え米国も北朝鮮の標的になるということで、米国は青ざめ慌てているのだ。
 一方、日韓両国は、来月の「人工衛星」発射と称する長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型の発射実験が失敗して残骸が自国領土に落下する事を恐れる。北朝鮮のミサイル制御技術はまだまだ信頼性に欠けるから極端な話、発射したらどこに飛んでいくかわからない。軌道計算ができないとなると迎撃も難しい。

 と言うことで、事実上は長距離弾道ミサイルとみられる北朝鮮の「人工衛星」発射予告について、20日までに米国、韓国、日本、中国、ロシア各国政府はそれぞれ北朝鮮に対して、「人工衛星発射」の中止を求める強いメッセージを発している。

米国 米朝合意破棄、食糧支援凍結 
 米国政府は16日、「衛星打ち上げ」を「ミサイル発射」と断定。北朝鮮が発射に踏み切れば2月の米朝合意破棄と見なし、ウラン濃縮活動一時停止などの米朝合意の見返りに供与する方向だった24万トンの栄養補助食品の食糧支援を凍結すると明言した。さらに日本、中国、韓国、ロシアと対応を電話協議し、発射は国連決議などに違反する行為との認識で一致するとともに、発射阻止への連携強化を確認したことも明らかにした。
 オバマ政権は北朝鮮の孤立と暴発を防ぐために圧力から対話路線に転じた。昨年夏から直接交渉を進め、2月末にミサイル発射やウラン濃縮などの核活動の一時停止で合意したと発表。今月にはニューヨークを訪問した北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外務次官が国際原子力機関(IAEA)の査察を近く受け入れると述べたばかりだった。
 朝鮮日報日本語版によると、オバマ政権では、かつてクリントン政権下で北朝鮮との交渉を担当し「後頭部を殴られた」経験を有する人たちが多く登用されているため、北朝鮮と合意することについて、かなり慎重な姿勢を取ってきた。だが、大統領選挙を前に、いかなる形ででも北朝鮮の核問題をコントロールすべきだという声が上がり、また北朝鮮の新指導部も米朝関係の改善を目指す意思を示したことから「ミサイル発射の中断」などの内容を盛り込んだ合意に至った。米国はこの過程で、北朝鮮側に対し「『人工衛星の打ち上げ』もミサイルの発射と変わらないため、認められない」という姿勢を打ち出し、北朝鮮もこれを受け入れたという。
 米紙ワシントン・ポストは社説で「核問題での譲歩で燃料や食糧を引き出し、最終的に約束を破棄するのが北朝鮮の戦略だ」と指摘。そのうえで、2月の合意が「世界最悪の専制国家の新体制を効果的に承認したことになる」と厳しく批判した。
韓国 「重大な挑発的行為」「核実験など可能性高い」
 韓国政府は16日、李明博(イ・ミョンバク)大統領の主宰で外交安保関係閣僚会議を開き、北朝鮮の予告した「人工衛星の打ち上げ」に関し、「弾道ミサイル技術を利用した核武器の長距離運搬手段を開発する重大な挑発」との結論を下した。さらに、世界各国の首脳らが参加して26日、27日にソウルで開かれる核安全サミットを機会に訪韓するオバマ米大統領など日・米・中・露・EUなどの関係国首脳との個別会談で、この問題を緊急議題として取り上げて北朝鮮への圧力を強める方針だ。
 国防省報道官は、ロケットに弾頭を取り付ければ弾道ミサイルとなる」と指摘、「(発射は)ミサイル性能を拡充するためのものであり軍事的に危険だ」と述べた。また、「北朝鮮は2006年と09年のミサイル発射後、数カ月以内に核実験を実施しているが、今度のミサイル発射後も核実験かまたは追加的な軍事挑発に出る可能性は高い」との見方を示した。
 李明博(イ・ミョンバク)大統領は20日、北朝鮮の「衛星」打ち上げは「国連安全保障理事会の決議を無視し世界の全ての国との約束を壊す」と批判。核問題を巡る6カ国協議の参加国である5カ国の首脳が集う機会を活用して「5カ国が努力して発射を取り消すようにするのが最も良い」と述べ、北朝鮮がいわゆる「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルの発射阻止へ連携を強める意向を示した。
日本 「安保理決議違反」「情報連絡室・対策室を設置」
 政府は16日、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。警察庁も同日、対策室を立ち上げた。野田首相は「明確な国連安保理決議違反であり、関係国と連携しながら強く自制を求めていく」と述べた。玄葉光外相は「(発射が)強行されれば遺憾だ。と米国、韓国をはじめ、中国、ロシアなどと連携して自制を求めていかなければならない」と述べ、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の参加国とともに中止を求めていく考えを示した。田中直紀防衛相は同日夕、防衛省内で緊急の幹部会議を招集し、情報収集などに万全を期すよう指示した。
ロシア 過去にない厳しさで「深刻な懸念」表明
 ロシアは過去にない厳しい姿勢を見せている。昨年8月の最後の訪ロで故金正日総書記は「核・ミサイル実験の凍結の用意がある」と約束。これを重視してきたロシアの対北外交は裏切られた格好だ。
 ロシア外務省は16日、北朝鮮の発表を受けて「深刻な懸念を呼び起こす」とする声明を出し、北朝鮮に対し、「地域情勢を緊張させ、北朝鮮の核問題を巡る6か国協議の再開にさらなる問題をもたらす行動を控えるよう」呼びかけた。また「軍事、平和利用を問わず、国連安保理決議が弾道ミサイル技術利用を放棄するよう北朝鮮に求めているのは明白だ」と北朝鮮のルール違反も指摘し、ミサイルではなく「衛星」と言い張る建前に付き合い切れない様子だ。
 北朝鮮の2009年4月の前回試射では、ロシアの「懸念」は、発射後にようやく表明されたが、今回は北朝鮮の予告当日にすかさず発表したことからもロシアの「深刻な懸念」がうかがえる。
中国 北朝鮮大使に「懸念表明」し北朝鮮次官に「自制要請」するも「事態の複雑化防ぐべき」
 
最も大きな関心は、北朝鮮の最大支援国である中国の態度だ。中国は北朝鮮が06年7月と09年4月に長距離弾道ミサイルを発射した当時とは違い、強硬な態度を見せている。
 中国政府は16日夜、北朝鮮の池在竜(チ・ジェリョン)駐中大使を呼び、「中国は、韓半島と北東アジアの安定と平和の維持は関連当事国の共同責任であり、共同の利益に一致すると信じている」と述べ強い懸念を表明した続いて「各当事者は冷静を維持し、より複雑な状況になることを避けなければならない」と強調した。
 中国が駐中北朝鮮大使を呼んで「共同の利益」に言及したのは、北朝鮮の撤回を要求したものと分析される。これは2009年4月の前回試射と大きく違う。2006年7月と2009年の発射では北朝鮮の当時の「光明星2号打ち上げ計画」を北朝鮮の権利と認めていたが、今回は「宇宙空間の平和的利用の権利」という言葉を使わなかった。北朝鮮の主張をそのまま受け入れないという意味とみられる。
 このような 中国の態度変化について、中央日報(日本語版)は、3つの要因をあげて分析している。ひとつは、ミサイル発射によって朝鮮半島情勢が不安定になり、中国の最大懸案である経済の軟着陸に障害となる可能性があるということ。2つ目は、先月29日の米朝合意で中国が主導してきた6カ国協議再開の雰囲気が形成されつつあったが再開が難しくなって中国の面子がつぶされかねないということ。3つ目は、今回のミサイル発射地点が中国に近い東倉里(ドンチャンリ)であること。中国は破片が中国の本土に落ちるおそれもあると懸念している。 しかし中国が北朝鮮ばかりに圧力を加える可能性は少ないという。
 中国政府で朝鮮半島問題を担当する武大偉特別代表は19日、北京の釣魚台迎賓館で、6カ国協議の北朝鮮首席代表を務める李容浩(リ・ヨンホ)外務次官と会談し自制を促したとみられるが、中国メディアの取材に対し、北朝鮮を直接、非難することは避けた。北朝鮮による「衛星発射予告」について、中国政府はすでに「憂慮する」として朝鮮半島情勢の不安定化につながることへの懸念を示しているが、北朝鮮を刺激したくないという中国の難しい立場がうかがえる。
 中国は、北朝鮮が打ち上げを発表した当日に、張志軍外務次官が、北京に駐在する北朝鮮の大使を呼び、懸念を伝えたうえで自制するよう求めたが、中国としては国際社会の批判がさらに強まれば、北朝鮮を過度に刺激することになり、朝鮮半島情勢の不安定化につながりかねないという懸念があり、中国外務省の洪磊報道官は「現在の情勢の下では、各国は冷静さと自制を保ち、事態をさらに複雑化させるような行動は防ぐべきだ」と述べ、北朝鮮への圧力をこれ以上強めることに中国としては否定的な姿勢を示した。
 中国は約1300キロにわたり北朝鮮と国境を接しており、北朝鮮の不安定化は中国自体の内政問題に直結する。秋の共産党大会で最高指導部の交代を控える中国にとって、米軍が駐留する韓国との安全保障上の「緩衝地帯」としての北朝鮮の安定は「戦略的利益」で、今回の件で北朝鮮を刺激したくないという中国政府の姿勢に、6カ国協議の早期再開に向けた環境づくりを図りたいとの思惑もあるとみられる。
日・中・韓外相 北朝鮮の「衛星発射」対応で協議
 
日本、中国、韓国の3か国は、来月8日、中国の寧波で、外相会談を行う方向で日程の調整を進めており、北朝鮮が「人工衛星を打ち上げる」と発表したことを受けて、北朝鮮が打ち上げを強行すれば北東アジア地域の平和と安定を損なうとして北朝鮮に強く自制を求めたうえで、ウラン濃縮活動の中断など、非核化に向けた具体的な行動を取るよう促していくていくことで一致する見通し。
日韓6カ国首席、中国への働きかけ強化へ
  北朝鮮の核問題を担当する日本と韓国の局長級の会談が、23日にソウルで行われ、北朝鮮が予告した人工衛星の打ち上げをやめさせるため、北朝鮮に影響力を持つ中国への働きかけを強めていくことで一致した。
フィリピン、北朝鮮“衛星”に懸念北朝鮮に発射中止を要求
 フィリピンは、ロケットの2段目がフィリピンのルソン島北東部の沿岸からおよそ130km沖合の太平洋に落下すると予告されている。フィリピンの外相は、「人工衛星の打ち上げが地域の不安定化をもたらさないことを望む」と述べて、打ち上げによる地域情勢の緊張に懸念を示した。そのうえで、外相は、「関係国が6か国協議を速やかに再開し、問題解決に取り組むことを期待している」と述べた。
 フィリピン外務省は21日、北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射を中止するよう求める声明を発表した。フィリピンは北朝鮮と国交があるが、声明は「重大な懸念」を示したうえで、国連安全保障理事会決議に違反する行為だと訴えている。
インド 北朝鮮の“衛星”に懸念
 
インド政府は、北朝鮮が「人工衛星を打ち上げる」と発表したことについて、「国連安全保障理事会の決議に反するようなことはすべきではない」として、強い懸念を表明。インドのシン首相は、26日からソウルで開かれる核セキュリティーサミットに出席する予定で24日から韓国を公式訪問し、イ・ミョンバク大統領と会談。
 インド政府は北朝鮮とも国交があるが、シン首相の韓国訪問を前に、弾道ミサイルの発射などを禁じた国連安保理の決議にも触れることで、この問題を巡って北朝鮮への厳しい姿勢を明確にするねらいがあるものとみられる。

(このテーマはまだまだ続く。1から5へ) 

情報元:日本経済新聞電子版、読売新聞電子版、NHKニュース電子版、msn産経ニュース、時事通信、朝鮮日報日本語版 、中央日報日本語版

第60回阪神大賞典 大本命馬の「オルフェーヴル」が2周目3コーナーでまさかの“逸走” そして“爆走”、“激走”の末2着!

 単勝1・1倍の大本命馬のオルフェーヴルが“迷走”。2周目3コーナーでまさかの“逸走” そして“爆走”、“激走”の末2着!

 筆者は、30歳後半から50歳後半までの20年間、中央競馬に相当熱を入れていて中山競馬場はもちろん新潟競馬場や福島競馬場まで足を伸ばして楽しんでいた。もちろん馬券を買っての観戦で万馬券を仕留めては大騒ぎしたものだった。さすがに年金生活に入ってからは毎週馬券を買うような金銭的余裕がなくなって、たまにクラシックレースにわずかばかりの金を投資してテレビ観戦する程度になった。

 昨日の日曜日もテレビをつけっぱなしで雑事をしながら競馬中継を観るともなしに観ていたら、阪神競馬場で行われた「第60回阪神大賞典」の中継で、「どうなんだ!どうなんだ!アクシデント発生か!」と大声で叫ぶアナウンサーの声と共に長年の競馬観戦でも見たこともないとんでもない珍光景を観ることとなった。勝負どころの2周目3コーナーで突然、馬場の外側へ大きく逸走したものの、直線で予想外の盛り返しをして猛然と追い上げ、最後は半馬身差2着となる驚異の走りを見せたのだ。

 第60回阪神大賞典・G2(18日・芝3000メートル、阪神競馬場、稍重)は12頭立てで、一番人気馬は昨年の年度代表馬「オルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江厩舎)」、父を名馬ステイゴールドに持つ素質馬で、昨年、史上7頭目の3冠馬(皐月賞、ダービー、菊花賞)となり、有馬記念も制しているから単勝オッズは1.1倍と圧倒的支持を受けての出走であった。春の天皇賞を目指し秋には凱旋門賞挑戦を控えるオルフェーヴルの今年の始動戦であった。

 「オルフェーヴル」はスタート直後から自分自身を見失ってしまっていた。道中、ナムラクレセント(牡7歳 和田竜二騎手)に外からかわされると1周目ホームストレッチでは早くも行く気にはやった。最初の1000メートル通過が1分4秒9とやや重の馬場状態を差し引いても超スローペース。1~2コーナーでも外に行きかけたのを池添騎手がなだめて何とかこらえたが向正面では抑えきれずに先頭へ立ってしまった。
 先頭を駆けていた「オルフェーヴル」は、2周目3コーナーで口を割り、鞍上の池添も制御不能の状態に。カーブを曲がらずに馬場の外側へ直進して、外ラチまで逸走してしまいそうな状況に。池添騎手が慌てて急ブレーキをかけると、突然スピードを緩めて、あっという間に後方へ下がった。
 阪神競馬場は、その姿を目の当たりにしたファンの「故障か」との悲鳴ともつかない異様などよめきに包まれた。競馬テレビ中継のアナウンサーは、「どうなんだ!どうなんだ!アクシデント発生か!」と絶叫。筆者もテレビ画面に釘付けとなった。一瞬、どうみても「前脚骨折」かと思わせるようなシーンだった。
 が、驚いたのはこれだけではなかった。後方まで下がった直後だ。内にいるほかの馬を見つけると、今度は鋭角にターンしてハミを取ると馬群に取り付いて追いかけはじめた。一時は、20馬身ほどあった先頭のナムラクレセントとの差を一気に詰め、大外から素晴らしい勢いで最後の直線に向いた。そしてラスト600メートル36秒台の末脚を繰り出して「ギュスターヴクライ」との一騎打ちとなった。場内の興奮は、最高潮に達した。直線でいったん先頭に立ったがゴール前ではあと半馬身の差を詰めることができない。結局、最後に力尽き2着でゴール。場内のファンの大歓声が落胆の「あ~」というため息に変わった。1着、3番人気「ギュスターヴクライ」、タイム3分11秒8、2着、1番人気「オルフェーヴル」、1/2馬身差。
 「オルフェーヴル」は他馬より200メートルは余分に走った。だが、このクセ馬は常識を破る。「馬を内側に見つけると追いかけていった」のが急加速の真相。目撃した誰もが「あの逸走後に2着なんて怪物だ」とあっけに取られていたほどだった。
 
 「オルフェーヴル」は、デビュー戦、菊花賞で1着ゴールしたあと、周囲に馬がいなくなって、突然、鞍上を振り落としたことがある。1頭になると、外へ走りだしてしまう癖。オルフェーヴルの父ステイゴールドもデビュー3戦目、同じ右回りの京都未勝利戦で最終コーナーを曲がろうとせず逸走、騎手が落馬し競走中止となったことがある。

 春の天皇賞の出走が危ぶまれる結果となった。また秋の「凱旋門賞」出走もこの癖が解消されない限りは無理であろう。

 情報元: 3月19日 スポーツ報知、 スポニチアネックス、msn産経ニュース

春の嵐

 今月に入って軽い鬱状態におちいっていた。何もする気がしなくなって毎日だらだらと過ごしているうちに、外では春の到来を告げる兆しがあちらこちらで見受けられるようになっていた。公園では白梅紅梅が咲きほこり、山裾の路を歩けば竹やぶからはウグイスの鳴き声が響き渡ってくる。田んぼではあちらこちらでトラクターがエンジン音を響かせて4月の田植えにむけた鋤き入れをしている。あぜ道には早くも「おおいぬのふぐり」や「なずな」などの野の花が咲き始め、空からはヒバリのせわしくかん高いさえずりが鼓膜を震わせる。わが庭の片隅に植えてあるフキからは「ふきのとう」がすっかり開ききってしまい、食卓に供するには時期を失してしまった。
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 わが友犬は2月末で8歳を迎えた。六本木のドッグショップで衝動買いをして7年が過ぎ去ってしまったことに、時の流れの速さと人生の無常を感じ思わず溜息する。 SH3J01000001
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 経済紙を開けば、欧州債務危機問題はギリシャ救済が決まってなんとか落ち着きを見せ、米国の経済は今月に入ってからのさまざまの経済指標が好転し始めていることを示し、日銀がインフレターゲットを明確にしてより一層の金融緩和をしたことなどなどで、為替はドル・円、ユーロ・円とも円高から円安に急速に方向転換をした。日本の株相場は日々騰がる一方で下がることを知らない。上げ相場に乗り遅れた個人投資家は株価が下がる(押し目)のを待って買おう(押し目買い)と待機しているがその機会はなかなかやってこない。

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 中国や北朝鮮の動きに目を向ければ、日本はとんでもない事態におちいっている。中国の海洋監視船が従来の尖閣諸島付近の接続水域内航行から更に踏み込んで一時領海内に侵入して、日本の海上保安本部の巡視船の警告に対して中国船側は「この海域で巡航任務を行っている。魚釣島(尖閣諸島)を含むその他の島は、中国の領土だ」と強弁したという。ずるずると日本の領海・領土が中国側に侵蝕されているというのに日本政府はせいぜい外交上の抗議と尖閣諸島の周辺を含む無人島に命名したり、海保の警察権を強化して海上保安官が捜査や逮捕ができる規定を新設したりと間接的な対応しかしていない。ここに至っては一刻もはやく日本も防衛予算の増強をして空母を建造して中国海軍に対抗すべきではないか。すでにヘリ空母はあるが機動力と抑止力では中国海軍の比ではない。生ぬるい。
 北朝鮮は昨日、4月には人工衛星発射と称してミサイル(テポドンⅡ改良型・大陸弾道ミサイルと思われる)を沖縄方面上空を太平洋に向けて発射すると宣言し国際機関に通告した。
 あの素人防衛大臣は「頭の体操をして準備している」として地対空誘導弾パトリオット(PAC3)や弾道ミサイルの迎撃機能を持つイージス艦を事前に展開させるかの検討に入ったことを明らかにし、さらに航空自衛隊百里基地視察では、約900人の隊員に対し、中国の軍備増強や海洋活動の拡大、北朝鮮の「衛星」発射問題に触れ、「常時危機意識を持って与えられた任務に取り組め」と恥じらいもなく訓示したという。厚顔無恥とはこのことだろう。この訓示を100倍にして訓示した当の大臣に投げつけてやりたい感情がどっと沸いてきたのは筆者だけではなかろう。
 ここ数日、太平洋側で大きな地震が相次いでいる。3月14日は三陸沖を震源とするマグニチュード6.8の地震が、続いて千葉県東方沖を震源とするマグニチュード6.1の地震が起きて昨年3・11の巨大地震の惨事を思い起こさせた。16日は埼玉県南部を震源地とするマグニチュード5.2の地震が発生した。さらに本日18日朝は岩手県沖 を震源地とするマグニチュード5.0の地震があった。確実にひたひたと大地震の再来が迫って来ているとの感を強くしたが、いつもいつも危機感を持って時を過ごす人はまずいないだろう。グラッと来たときの瞬時の判断と行動が要求される。水や食糧を備蓄している人がいると聞くが、大地震のときは全てを持って逃げるわけにはいかないから数日と持たないだろう。(下図は気象庁発表の震源地と各地の震度別表示で、左上から14日18時09分頃の三陸沖地震、3月14日21時05分頃の 千葉県東方沖地震、16日04時20分頃の埼玉県南部地震、18日09時36分頃の岩手県沖地震)  20120314182127491-14180920120314210927491-142105 









20120316042509391-16042020120318093950391-180936









 一方、3月に入ってからの政界の動きにはあきれるばかりである。消費増税法案をめぐる民主党内のごたごたや自公の実のない駆け引き。与党であるはずの国民新党の法案反対、にもかかわらず与党に居座り。与党議員も野党議員もは頭の中にあるのは「解散」の二文字で消費税増税論は政策論ではなく政局化した議論となっている。伝わってくる小沢、鳩山の言動は醜いばかりである。

 春の嵐は相撲界にも起きるのだろうか。荒れる春場所。横綱白鵬を破るのは誰か。把瑠都は横綱昇進に向けてどこまで白星を延ばせるのか、前頭16枚目の軽量の隆の山は重量級の多い上位陣相手にどこまで星を伸ばせるのだろうか。
 国会中継よりも相撲中継のほうが真剣味が伝わってくるからこそおもしろい。

 さて、本日もこれから独酌で大相撲のテレビ観戦だ。  

札幌SMクラブに道警突入、そのまま、そのままと叫んで「全裸客、捕まえてみれば警官なり」 おそまつ!

 2月11日(土)未明のこと、北海道警札幌中央署は、同市中央区南5条西のSMクラブ「クラブパティオ」が深夜営業飲食店の営業許可しか受けていないにもかかわらず風俗営業を行っている疑いがあったため、同署の捜査員が捜査に入り、「そのまま、そのまま」と大声をかけて店に突入し、おりから全裸でステージに上がって公然とわいせつな行為をしている男を現行犯逮捕した。店には当時男女16人の客がいた。男は調べに当初、職業を明らかにしなかったが取調べを進めていくなかで男が道警厚別署留置管理課巡査長(28)であることが判明。自ら留置所体験。

 「盗人(ぬすっと)を捕らえて見れば我が子なり」(新撰犬筑波集・雑)という室町時代の俳諧連歌がぴったりの出来事だ。この句のあとに「斬りたくもあり斬りたくもなし」という付け句が続くが、北海道警はこの巡査長をどのように処分したかその後のニュースにはなっていないので本件の始末はわからない。

 警察官の下半身露出(開チン)事件を、2006年までさかのぼって調べてみた。以下のとおり。
①埼玉県警巡査長(32) 同県東松山市の路上で、下校途中の女子中学生ら数人の前でズボンのチャックを下ろして開チン・・・2006年03月15日
②警視庁蒲田署交番相談員(61) 熱海駅バスターミナルで、ベンチに座っていた熱海市内の女子高校生に浴衣の前を広げて開チン・・・2007年10月26日
③千葉県警警察官(20代) 同県多古町のコンビニ店の前で、アルバイトの女子高校生に下着とズボンを下げて開チン・・・2008年6月2日
④ 北海道警旭川警察署巡査長(42) 聞き込みの40歳代の独身の女性宅で、「室内に干してあった下着を見てむらむらして」約10分間、開チンし続けた・・・2008年12月10日
⑤愛媛県警西予署警部(40代) 同県西予市内のスーパー店内で15日、警部が「開チン」しているのを女性客が発見・・・2008年9月17 日
⑥大阪府警本部警備課巡査長(26) 大阪市営地下鉄電車の車内で、居眠りしながらジャージーのズボンと下着をひざ上まで降ろして「開チン」した・・・2009年8月22日
⑦長崎県警の男性巡査 2008年5月、長崎市内の有料道路の料金所で料金所で料金を支払う際、徴収担当の女性職員に「開チン」して通過・・・2009年2月26日発覚
⑧千葉県警地域部自動車警ら隊長警視(57) JR総武線快速電車内で、前の座席に座っていた女性(23)に対し「開チン」した・・・ 2011年2月10日

 教師も負けずと開チンしています。
①埼玉県立某工業技術高校教諭(40)、路上で下半身を露出、いじくり回している様子を通行人の女性に見せつけたとして神奈川県警高津署が逮捕・・・2011年8月12日
②埼玉県立某高校教諭(59)、狭山市内公園中央駐車場内の女子トイレに侵入、建造物侵入容疑で埼玉県警狭山署が現行犯逮捕・・・2011年11月24日
③広島市立中学教諭(23)、路上で、登校中の小学女児3人に対し開チンしたとして広島県警広島中央署が逮捕・・・広島県警広島中央署
④ 埼玉県立高校教諭(23)、JR大宮駅ホーム停車中の車内で、女子高校生徒に対し開チンした疑いで埼玉県警大宮署が逮捕・・・2012年1月29日。
⑤徳島県立高実習技師(62)、徳島市内の駐車場に停車したマイカーの運転席の窓から、通行人の20歳代女性を手招きして開チンしたとして徳島北署が逮捕・・・2012年2月3日

 そのほか消防士や私鉄運転士も開チン。
①埼玉県川口市の消防士(23)、栃木県内の某市道で、自転車で下校途中の2人の女子高生に声を掛けて「下着を見せろ」と迫り、自分の下半身を開チンした疑いで栃木県警栃木署が逮捕・・・ 2012年2月14日
②東武鉄道運転士(43)、東武鉄道の準急電車を運転中、停車駅で運転席の中から、ホームにいた女性会社員(18)に向け、下半身を開チンした疑いで埼玉県警春日部署が逮捕・・・2011年7月8日

 民間人も負けじと女性警官に開チン。70歳の爺さんだったがバス停で開チンした相手が悪かった。女性警官だったので即、現行犯逮捕(奈良県警)・・・2012年1月13日

情報元:読売新聞電子版、msn産経ニュース、時事通信、サンスポ、スポニチ

陸の海の空の自衛隊員の下半身露出事件相次ぐ 路上・駐車場・駅・コンビニなどなどで開チン 

 昨年3月の東日本大震災からもうすぐ1年が過ぎる。この間の自衛隊員の公衆の面前での「下半身露出」いわゆる「開チン」事件が多発している。昨年4月から今年2月末まで報じられた件数は8件に達する。それも、陸・海・空自衛隊に属する隊員が満遍なく「公然わいせつの疑い」で現行犯逮捕されている。
 といっても公務員だからニュースになったのであって、ニュースとして報じられない一般人の「下半身露出」件数は自衛隊員の件数以上であることは間違いなかろう。
 
 「開チン者」がなぜそういうことをするのか、要するにその行為が「快感」なのだろうが、その行為癖の心理学的要因については考えるのもバカバカしいので専門家に委ねる。

 下表は、自衛隊員の昨年4月から今年2月末までの公衆面前での「下半身露出」逮捕者

逮捕日

所属

階級

現場

被害者

4月20日

海自・横須賀地方総監部3等海曹(31)横浜市レンタルビデオ店 

4月21日

防衛省情報本部防衛事務官(45)川崎市コンビニ店女性店員

5月20日

陸自・保安警務中隊(東京)陸士長(26)渋谷クラブ20代女性アルバイト店員

8月14日

海自・小月航空基地(下関)1等海尉(31)下関市内路上通行人男性ら

11月14日

空自・浜松基地1等空曹(40)浜松市薬局駐車場駐車の中から通行人女性(45)

2月28日

陸自・米子駐屯地1等陸尉(36)神戸市JR駅ホーム待合室女性多数
昨年2月2日米子市内衣料品店女子中学生2人

3月3日

陸自・富士駐屯地2等陸曹(43)静岡御殿場コンビニ店女性店員(34)


 ちなみに、公務員の公衆面前での「下半身露出」逮捕者は、自衛隊員以外にも警官、中学校教師、高校教師、消防士、運転士と広く行き渡っている。次回ブログにて。

2月29日、東西の閣僚が国会中にギャンブルとパズルに興じていた

奇しくも2月29日という同一の日に、東西の閣僚が国会中に、東ではギャンブルに西ではパズルに興じていたという。
 東は日本での出来事。2月29日、野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁らによる党首討論直前に、小川敏夫法相が国会委員会室内で携帯電話で競馬サイトを見ていたという事件。この党首討論は、事前に両者が密会してなにやら密談したことがバレて、「デキレース」が疑われているというおまけつき。
 西はドイツでの出来事。2月29日、ドイツ連邦議会(下院)で欧州債務問題の渦中にある財政危機におちいっているギリシャのデフォルト(債務不履行)を救済すべく対ギリシャ支援策を審議しておる最中、ショイブレ財務相が、 数字のパズルゲーム 「数独」で遊んでいたという事件。

 いずれも、内閣重要閣僚がよりによって国会審議中に遊んでいたという無責任きわまる出来事。特に、日本では、民主党政権になって無能閣僚の不祥事・失言・不適切発言・醜態が続出しており、小川法相は12、13番目になるのではなかろうか。このことは、民主党政権が国民のために汗を流すという基本理念に欠けた無責任議員の集団であることを否定できない事実である。国民として実になさけないことだ。早急の衆院解散・政界再編を強く望む。ただし、昔の政治手法から脱却できない「壊し屋」小澤の登場はごめんである。

西(ドイツ)で
 ロイター通信によると、2月29日、ドイツのウォルフガング・ショイブレ財務相が、 対ギリシャ支援策を審議する連邦議会(下院)の最中に、小型パソコンで数字の「数独(すうどく)」で遊んでいたことが判明し、批判を浴びている。公共放送ARDが27日夜、連立与党の議員が対ギリシャ第2次支援策を支持する 意見を表明している際に、小型パソコンで数独パズルを解いているとみられるショイブレ氏の姿を放映。ビルト紙も「1300億ユーロ(約14兆円)規模の対ギリシャ支援の審議中、ショイブレ財務相は数独に興じていた」 との記事を掲載し、財務相の行動は限度を超えて横柄だったと論説で批判した。

 保守系ディ・ベルト紙は「ショイブレ氏は朝食の前に関連書類を読み終え、他の議員の論点もすでに頭に入っている。それならば(議会に熱心に耳を傾ける) 代わりに脳を鍛えても良いのではないか」と論評した。
 
東(日本)で
 msn産経ニュースによると、2月29日、小川敏夫法相が、野田佳彦首相と自民党の谷垣禎一総裁らによる党首討論直前に、国会の委員会室内で、討論が始まるまで自らの携帯電話で競馬サイトを見ていた。小川敏夫法相は2日午前の記者会見で、このことを事実上認めた。記者から閲覧の事実関係をただされ、「あまり具体的な記憶はないが、自分の馬の調教がどうだったかというのを見たかもしれない。(討論が)始まる前だから、そんなに意識していなかった」と述べた。党首討論中の閲覧については否定した。
 なお、小川氏が国会の中でも調子を気にしていた愛馬フクノツールが3月3日の中山競馬7レース(11頭立て)に出走したが、9着に終わった。オッズは人気最薄の単勝176.1倍だった。
 小川氏は馬主として知られ、2月17日に公開された資産によると、中央競馬でフクノツールとユーセイツーアの2頭を所有している。

 みんなの党の渡辺喜美代表は2日の記者会見で、小川敏夫法相の競馬サイト閲覧について、「緊張感もまったくない。競馬のガチンコレースの方が、できレースの党首討論よりも面白いということを証明してしまったということだろうと批判した。

 情報元:msn産経ニュース、ロイター、読売新聞電子版

付録:数独  数独ゲームサイト 上級篇より 

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アルプスで見つかった5300年前(新石器時代後期)のミイラ「アイスマン」 死のアルプス越えの謎

 最近の遺伝子解析装置の性能が各段位高まっている。人の全遺伝情報(ヒトゲノム)が完全解読されたのは2003年だが、2008年になると、全遺伝情報(ゲノム)解析装置の遺伝子塩基配列の読み取り速度が格段に高まって、ゲノム解読が大学の研究室や様々な研究機関が独自に進められるようになった。いまや、様々な生物ゲノムの解読が急速に進展している。
 
 最近、国際研究チームが、1991年にアルプス山脈の高い尾根で凍った状態で発見された約5300年前の男性のミイラ、愛称「アイスマン」の骨盤の骨からDNAを抽出して全遺伝情報(ゲノム)を初めて解読することに成功し、血液型と瞳の色を特定した。この男性は、茶色い瞳で胃腸が弱く、血液型はO型であった可能性があるという。写真左:瞳の色や血液型が判明したミイラ「アイスマン」=ネイチャー誌提供 読売新聞電子版、写真中:「5000年前の男」口絵 文藝春秋発行、写真右:Wikimedia Commons
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scn12022910510000-g1 この「アイスマン」については、1991年に発見されて以来、遺留品とともに医学や考古学などあらゆる角度から研究がなされてきた。いまでは、新石器時代後期ごろに生きていたこの男にまつわるさまざまなことがかなり明らかになっている。写真:EURAC提供 msn産経ニュース

 5000年も前の新石器時代のミイラが、アルプスの3210メートルの高所でほぼ原型をとどめて発見されたということで、発見時は、このニュースが、新聞やテレビなどのマスメディアによってセンセーショナルに全世界に伝えられた。このとき、ある新聞記者がこのミイラを、発見された場所にちなんで「エッツィ」と名づけて報道したのが始まりで暫くは「エッツィ」が一般愛称とされていたが、いつの間にか「アイスマン」という呼称に変わったようだ。その後この件に関する書物が数冊も出版されたという。中にはいい加減な内容のものが多数あったらしい。

SH3J00930001 筆者は当時このニュースに興味をそそられて、1994年5月に和訳出版されたドイツ・インスブルック大学教授(医学・人類学・考古学)コンラート・シュピンドラーの著書「DER MANN IM EIS(日本語版5000年前の男 文藝春秋発行)」をすぐさま購入して、考古学や医学に裏打ちされた推理小説のような展開に引きづられて一気に読み終えた思い出がある。

 この本(訳者 畔上司)によると、「アイスマン」発見の経緯はこうだ。1991年9月のある晴れた日に、オーストリア・イタリア国境付近のアルプスのフィナイル峰(3516メートル)を下山してしていたベテラ登山家の夫婦が、エッツィ谷(3210メートル)の氷河で氷が解け、頭と背中、肩が氷から露出しているミイラ化した遺体を発見した。2人は滞在していた山小屋へ戻り管理人に話すと彼が当局へ通報した。登山家夫婦も当局も当初はその遺体が10年から20年前に遭難死した登山者だと思い込んでいた。
 だが,遺体がオーストリアのインスブルックに運び込まれると、インスブルック大学の考古学者シュピンドラーは、その遺体が有史以前のものであることを確認した。この遺体は男性で、死亡したのは何千年も前で、所持品とともに氷の中でほぼ完全な状態で冷凍保存されていたのだ。

 遺体は5300年前、新石器時代後期ごろ、日本の縄文時代にあたる時期に生きた男性で、背が低く、がっしりした体格で、身長159 cm、生前体重40 kg、死亡時の年齢が46歳程度と推定された。当時では相当の年配者である。
 このミイラ男の服装は、上記写真右(フランスのMuseum Belestaで展示されているアイスマン像。Wikimedia Commons)のような、帽子、上着、ズボン、腰巻、靴、縄製のマントで、遺体の周辺にほぼ完全に冷凍保存されていた。新石器時代の服装が残っていたことは稀有なことで、当時の人の生活を知る上で考古学的には大変な収穫だった。
 ミイラの携帯品は、作りかけの弓矢とシカ皮の矢筒や、当時では貴重な銅刃の斧、背負い籠、アイベックス(アルプス・ヤギ)の骨(お守りか治療用)、白樺樹皮製の器(中にカエデの葉が残存)、短剣と鞘、小道具、袋付き牛革ベルト(6種の発火道具入り)、白樺キノコ(腸内寄生虫の治療用?)、大理石小円板つき毛皮製細紐(装飾品)、スモモの実、草製の網などである。
  
 「アイスマン」発見以来、その遺体は科学者たちの手によってあらゆる角度から分析されてきた。
 2001年に、X線撮影で左肩に石の鏃(やじり)が見つかった。2005年、最新のマルチスライスCT装置によって、「アイスマン」の左の肩甲骨の下の鏃(やじり)は左の鎖骨下動脈に1センチもの深手を負わせていたことがわかった。この動脈は、心臓から送りだされた新鮮な酸素が豊富な血液を、左腕に送る大きなものだ。それがこのような重傷を負うと、ほぼ間違いなく出血が止まらなくなり、あっという間に死に至るという。2007年にスイス・チューリヒ大などの研究チームが行なったコンピューター断層撮影装置により、動脈付近の傷が詳細に分析され、動脈損傷による失血死であることが実証された。これらのことから、「アイスマン」の死因は矢によって受けた傷だと考古学者たちは考えている。

 入れ墨が手足や背中で見受けられたが、関節炎に罹患していてその治療痕であろうと推察されている。また、鼻骨が潰れ、治癒していない肋骨骨折が数ケ所見つかった。
 さらに、「アイスマン」の遺体の腸の残留物を分析する新たな分析によると、腸内寄生虫(べん毛虫)の卵や6種類の苔が見つかった。携帯品の白樺キノコは寄生虫の駆除に有効という。苔は創傷の手当てに使えることがよく知られており、アイスマンは傷の応急処置に水苔を使っていたかもしれないという。
 最近の研究では、イタリアやドイツなどの国際研究チームが骨盤の骨から細胞核DNAを抽出して全遺伝情報(ゲノム)を初めて解読し、血液型がO型で瞳の色が茶色であると特定した。また、乳製品などに含まれる乳糖の消化酵素をつくれず、牛乳が苦手で下痢しやすかった可能性が高いことが分かった。さらに、心臓に血液を送る冠動脈の流れが悪くなる病気になりやすい体質だったことが判明した。

 「アイスマン」のミイラが見つかった場所が3200メートルもの高所であり、単独行動であること、高所での長期の歩行をうかがわせる服装、薬や火打ち道具など携帯品の数々、肋骨が折れて鼻が損傷しており、そして誰かに矢で打たれて失血死したとき、彼には作りかけの矢しか残っていなかったこと、傷の手当用の苔を所持していたこと、関節炎や心臓病(冠動脈硬化か血栓?)を患っていたことなどから、彼の死についてのドラマが浮かんでくる。

 「アイスマン」は何らかの理由で村を去らねばならなくなって、ひそかに重装備で雪のアルプス越えを図った。気づいた複数の刺客が彼のあとを追った。彼は心臓病と関節炎の持病を抱えていたので、やがて刺客に追いつかれた。彼は矢で応戦しているうちに凍った斜面を滑落した。その時顔面や胸を強打して鼻や肋骨を骨折した。その傷を苔で癒しながら更に何日か逃げ延びた。矢が尽き果て岩陰に隠れて新たに矢を作っている時に、ついに刺客に見つかりその敵矢が左胸に刺さった。逃げようとしたが瞬時の大量の出血が原因で失血死した。

 新石器時代の遺体や服装や携帯品がほぼ完全な形で残っていたということで、「アイスマン」の研究はまだまだ終わりをみないであろう。「アイスマン」は、どこかの冷凍庫で静かに眠っている。

 情報元及び参考資料:「DER MANN IM EIS」コンラート・シュピンドラー著(日本語版「5000年前の男」 文藝春秋発行)」、2010年9月17日 日本経済新聞電子版、2012年2月29日 読売新聞電子版、 同 msn産経ニュース、同 時事ドットコム、 WIRED NEWS日本語版



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