中国では、ここ3ヶ月で、最先端技術を導入したという国産高速鉄道列車追突に始まって国産地下鉄列車追突、国産ステルス戦闘機墜落そして国産豪華客船沈没と、中国がいうところの「最先端技術を搭載した国産製品」の事故が相次いで起こっている。唯一、ロケットによる人工衛星の打ち上げが今のところ順調に進んでいる。
 
 香港紙・星島日報は8日、中国の国産戦闘機「J(殲)10」の改良型機が数日前に陝西省西安市閻良で試験飛行中に墜落したと伝えた。改良型機は性能検査の最終段階にあり、中国軍の配備計画に影響する可能性もあるという。J10は米国のF16戦闘機に匹敵する能力があるとされ、改良型はレーダーの性能強化などが図られたとみられる。香港メディアによると、昨年4月にも湖南省でエンジン故障が原因のJ10の墜落事故が起きていると伝えられている。
 
 この香港紙の報道に対して、中国共産党機関紙「人民日報」(電子版)は11日までに、「虚偽の情報であり、まったくのでっち上げだ」とする中国空軍当局者の談話を伝え、墜落を否定した。

 また、香港紙は、8月25日、中国人民解放軍の無人ステルス偵察機「BZK-005」が、河北省で墜落したと住民の話として報じている。

 中国の各種産業分野での最先端技術は、基礎研究から技術開発まで中国独自に地道に積み上げた成果によるものではなく、おそらくは人民解放軍の「ハッカー部隊」など約100あるといわれている中国国内のハッカー組織によって、米国や日本を始めとする各国の軍需企業や政府中枢へのサイバー攻撃で手っ取り早く不正入手したパクリ最先端技術であろう。
 しかし、短期間での成果を得るためにパクッた技術情報であるが、それを具現化するに必要な知識や製作技術・技能などの実技(ノウハウ)が伴わないために、製造した列車や船や戦闘機に信じられないような初歩的な事故が発生するのであろう。

参考:ステルス戦闘機「J(殲)20」

 中国のステルス戦闘機「J(殲)20」は、ことし1月に、「中国軍の次世代ステルス戦闘機「J(殲)20」の試作機がすでに完成している」とカナダに本部を置く民間軍事研究所「漢和情報センター」が公表して以来、4月にも試運転飛行していた。ゲーツ米国防長官は2月17日、上院軍事委員会の公聴会で証言し、中国が2025年までに、レーダーに捕捉されにくいステルス機能を持つ次世代戦闘機約200機を配備する可能性があると語っている。