岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプス右俣林道で16日、男女3人の登山者が槍ケ岳からの下山中に雨で増水した沢で流された事故で、県警高山署などは18日、現場2~3キロ下流の沢で心肺停止状態の3人をヘリコプターで収容したが、病院に搬送後、全員の死亡が確認された。いずれも外傷性ショック死という。
 亡くなったのは、福井県女性 (51)、広島県男性(67)、同県(62)。福井県の女性は夫と2人で、広島県男性2人は男女7人のグループで、それぞれ14~16日の日程で槍ヶ岳(3180メートル)に登り、16日午前、飛騨沢ルートを新穂高温泉に向かって下山中に登山道へ流れ込んだ水に流された。登山歴はいずれも5~6年だった。
 警察は17日、このうちの2人とみられる人を下流で見つけたが、大雨が降り続き濁流で近づけず、2次遭難のおそれがあったため、いったん救助や捜索を打ち切っていた。このため警察は、18日午前7時から活動を再開し、山岳警備隊や民間の救助隊のほか、岐阜県の防災ヘリコプターも動員して、合わせて40人程度の態勢で3人の救助・捜索を再開し、18日昼頃、警察のヘリコプターが17日の現場から約1キロ下流の沢で女性1人を、さらに下流で男性2人をヘリコプターで収容した。いずれも発見時心配停止状態だった。 
 
 産経新聞8月17日のWEB版は、槍ケ岳につながる登山道と沢が交わる滝谷出合付近は14日から断続的に雨が続き、3人が流された16日は大雨警報も出ていた。沢も普段は50センチ程度の水深が倍とって幅も4メートルぐらいに広がり、16日昼ごろに現場を通りかかった男性によると、濁流がゴーと音を立てていた状態。岐阜県山岳連盟の木下喜代男会長(69)は「濁流は勢いがあり、何が流れてくるか分からない。足元も見えず、非常に危険」と指摘する。山岳関係者は、「雨の後、濁った流れになった時点で、立ち入るのは無謀と警鐘を鳴らす」、との記事を掲載している。

 何ゆえ無謀な濁流超えを試みたのか。近くには10名程度は収容可能で水場のある滝谷避難小屋があり、さらに下山した登山道を1.5キロメートルほど遡れば槍平小屋もあった。帰りのスケジュールを優先して大きな危険をおかしたのだろうか。県警の事情聴取の結果を公表して今後の遭難防止に役立ててもらいたい。

情報元:産経新聞電子版 8月17日(日)、時事通信8 月18日(月)、朝日新聞デジタル8月18日(月)、毎日新聞電子版 8月18日(月)、読売新聞電子版8月18日(月) 、日本経済新聞電子版 8月18日(月)、フジテレビ系(FNN) 8月19日(火)、日本テレビ系(NNN) 8月19日(火)