「夫婦どっちが先に逝くべきかって考えなかった?夫婦先に逝く方と残った方とどっちがつらいか。残されるほうが絶対つらいよね。かみさんに先に逝かれたら俺寂しくてとても生きてゆく気がしないよ」

 テレビ朝日系列『帯ドラマ劇場』で放送中の「やすらぎの郷」(倉本聰脚本)第71話(7月10日月曜日放映)で、かつてのテレビ美術界の職人茅野大三郎が50年ぶりに遇った脚本家菊村栄に語った言葉である。

 このセリフを聞いた途端に昨年9月に逝ってしまった妻の1年半に及ぶ闘病生活そしてその後今日に至るまでの気が抜けたような張り合いの無いを日常生活を重ねて「そうだよなあ}とひとりごちた。

 妻は居宅から近い「やすらぎパーク」という墓地に眠っている。

*「やすらぎの郷」は昭和世代にテレビの世界で活躍した俳優や歌手、ミュージシャン、脚本家などの人物だけが入れる特別な老人ホームで老人の男女が繰り広げる悲喜劇を描くユーモラスかつシリアスな連続ドラマ。 主演は石坂浩二で、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、五月みどり、野際陽子(先日逝去された)、八千草薫、藤竜也、ミッキー・カーチスら昭和を代表する俳優が共演している。