犬の咆哮で眼が醒める朝。

 何事かと外に這い出てると……


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 迫りくる複数の犬。


 野犬なのか、どっかの飼い犬が森まで侵入したのか、森が誰かの私有地だったのかはわからないが、とにかく吠える吠える。


 以前もこういうことがあって野宿する際には下見をして犬がいないか確認するようにしているのだが、朝になって現れるとか勘弁してほしい。

 どうやって撤収するんだこれ……


 仕方ない……

 我が道の前に立ちはだかるなら、やむ無しだ……!


 と、犬叩き棒を手に伸ばす。

 すると私の殺意を察知したのか、なおいっそう激しく吠える犬たち。


 ――だがしかし。
 吠えているだけで一向に攻撃してくる気配はない。


 なるほど。戦闘力未知の人類相手に攻撃すれば、自分が殺られるかもしれない。

 肉が裂け、骨を砕かれ、内臓が破裂して絶命する数秒後の己の未来を、動物としての本能が警告しているのだろう。


 私も平和を愛する博愛主義者。

 避けられる戦闘は避けたい。

 ならば――


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買収作戦に急遽変更。


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 私のことなど一瞬で忘れ、餌に群がる犬たち。

 チョロい、チョロすぎる!!


 餌がなくなるとまた吠えてくるのだが、買収が通じるとわかった以上もはや恐るるに足らず。

 餌をやって鎮火しつつ撤収作業を進め、あっさり撤収完了。


 ひとつの犠牲も出さず目的達成。

 これこそ至高の勝利であり、孫子曰く「戦わずして勝つ」ことに他ならない。


 パンほとんどなくなっちまったけど。


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(後半に続く)