「一足おさきに」の夏バテで、更新が滞っていました。
すみません・・・
さて、精油学総論の第3回『精油の伝達経路』についてです。
精油が人間の心と身体に作用する作用は大きく分けて2つあります。
1・感覚器(嗅覚)から大脳辺縁系へ伝わる経路。
2・皮膚や粘膜を通して血管に入り、血液循環によって全身に伝わる経路。
そして、2の中にはさらに4種類の経路があります。
1・鼻から粘膜を通して血管に入る。
2・経皮で血管やリンパに入る。
3・呼気とともに肺胞から血液中に入る。
4・消化管から血液循環にのる。
★ただし、4についてはAEAJでは禁止しています。
細かく見ていきましょう。
☆嗅覚の経路(試験に必ず出ます)
伝達経路の順番はきちんと覚えましょう。
鼻粘膜上部の嗅上皮にある嗅細胞の嗅毛→(嗅神経細胞が興奮=電気的インパルスとなって神経繊維を伝わる)→嗅球→嗅索→大脳辺縁系
(においの認識は大脳新皮質が行なう)
大脳辺縁系の扁桃体(情動をつかさどる)や海馬(記憶をつかさどる)などで匂いの情報を分析して、視床下部で、自律神経系や内分泌系や免疫系にはたらきかけ心身に影響を与えることになります。
☆経皮吸収
皮膚にはバリア機能(皮脂膜や角質層)があって水分は簡単には通過できませんが、精油は分子構造が小さくて親油性であるため、表皮を通過して、真皮層にある血管やリンパ管に入り全身の組織に運ばれます。
浸透する前に皮膚の表面でもさまざまな効果(消炎、アストリンゼント、エモリエント、殺菌、肌の修復)をしめします。
☆吸入による吸収
鼻から入った芳香物質の分子はわずかではありますが鼻粘膜から吸収されて血管に入るものもあります。
呼吸とともに肺に入った芳香分子は肺胞から血管に入ります。
血管に入った精油成分は血液循環に乗り全身をめぐります。
☆消化管からの経路(AEAJでは勧めていません)
精油を内服すると消化管の粘膜から吸収され、血液循環を経て肝臓で代謝分解されます。内服した精油はすべてが吸収されてしまうため肝臓や腎臓に蓄積され毒性を及ぼす危険が高まります。→経口毒性
消化管の粘膜がダメージを受けることもあります。
何にしても、内服はいけません。誤って内服してしまった場合は無理に吐かせようとせず、何を飲んでしまったかわかるものを持って病院へ行きましょう。
■安全性について■
□経皮毒性・・・表皮から吸収された成分が経口毒性と同じ作用を起こすこと。
□LD50値・・・Lethal Dose 50%値=半数致死量
急性毒性試験用に伝統的に採用されている方式。
グループごとに異なった量ずつ投与して、その50%を死亡に至らせる量をLD50値とする。体重キログラムあたりの試験物質のグラム数で示す。
□皮膚刺激・・・表皮から浸透した成分が毒性反応を起こして、かぶれや紅班、浮腫などを起こすこと。
□粘膜刺激・・・口腔、鼻腔、消化管、呼吸器、排泄器などに対して、皮膚刺激と同様の反応を起こさせること。
□皮膚感作・・・アレルギー反応の一種。免疫機構に基づく反応。
□光毒性(ひかりどくせい)・・・精油を皮膚に塗布したあとで紫外線を浴びると、紅班が起こったり色素沈着を起こしたりすること。
柑橘類の精油に含まれるラクトン類の中のフロクマリン類(ベルガプテン)にこの毒性がある。
□パッチテスト・・・希釈濃度に従ったトリートメントオイルを前腕部の内側に適量塗り、24〜48時間様子を見る。肌にかゆみや炎症などが起こらないかを確認してから用いるようにする。異常が現れた場合、すぐに大量の水で洗い流す。
■注意が必要な精油(試験範囲以外は括弧)
光毒性・・・ベルガモット、レモン、グレープフルーツ、(イチジク葉Abs、バーベナ、クミン、ライム、アンジェリカルート、ルー、オポパナックスなど)
参考までに(どの精油も試験範囲には入っていません)
■使用を控える精油・強い経口毒性、皮膚刺激、感作
アーモンドビタ―、ウィンターグリーン、イニュラ、オレガノ、カシア、サザンウッド、シナモン、セーボリー、タンジー、シダーリーフ、ペニーロイヤルなど
このあとは、「精油学総論(4)精油製造法」 、「精油学総論(5)精油の化学」と続きます。
「精油の化学」がポイントですね〜。
頑張りましょう!
これからもよろしく
すみません・・・
さて、精油学総論の第3回『精油の伝達経路』についてです。
精油が人間の心と身体に作用する作用は大きく分けて2つあります。
1・感覚器(嗅覚)から大脳辺縁系へ伝わる経路。
2・皮膚や粘膜を通して血管に入り、血液循環によって全身に伝わる経路。
そして、2の中にはさらに4種類の経路があります。
1・鼻から粘膜を通して血管に入る。
2・経皮で血管やリンパに入る。
3・呼気とともに肺胞から血液中に入る。
4・消化管から血液循環にのる。
★ただし、4についてはAEAJでは禁止しています。
細かく見ていきましょう。
☆嗅覚の経路(試験に必ず出ます)
伝達経路の順番はきちんと覚えましょう。

(においの認識は大脳新皮質が行なう)
大脳辺縁系の扁桃体(情動をつかさどる)や海馬(記憶をつかさどる)などで匂いの情報を分析して、視床下部で、自律神経系や内分泌系や免疫系にはたらきかけ心身に影響を与えることになります。
☆経皮吸収
皮膚にはバリア機能(皮脂膜や角質層)があって水分は簡単には通過できませんが、精油は分子構造が小さくて親油性であるため、表皮を通過して、真皮層にある血管やリンパ管に入り全身の組織に運ばれます。
浸透する前に皮膚の表面でもさまざまな効果(消炎、アストリンゼント、エモリエント、殺菌、肌の修復)をしめします。
☆吸入による吸収
鼻から入った芳香物質の分子はわずかではありますが鼻粘膜から吸収されて血管に入るものもあります。
呼吸とともに肺に入った芳香分子は肺胞から血管に入ります。
血管に入った精油成分は血液循環に乗り全身をめぐります。
☆消化管からの経路(AEAJでは勧めていません)
精油を内服すると消化管の粘膜から吸収され、血液循環を経て肝臓で代謝分解されます。内服した精油はすべてが吸収されてしまうため肝臓や腎臓に蓄積され毒性を及ぼす危険が高まります。→経口毒性
消化管の粘膜がダメージを受けることもあります。
何にしても、内服はいけません。誤って内服してしまった場合は無理に吐かせようとせず、何を飲んでしまったかわかるものを持って病院へ行きましょう。
■安全性について■
□経皮毒性・・・表皮から吸収された成分が経口毒性と同じ作用を起こすこと。
□LD50値・・・Lethal Dose 50%値=半数致死量
急性毒性試験用に伝統的に採用されている方式。
グループごとに異なった量ずつ投与して、その50%を死亡に至らせる量をLD50値とする。体重キログラムあたりの試験物質のグラム数で示す。
□皮膚刺激・・・表皮から浸透した成分が毒性反応を起こして、かぶれや紅班、浮腫などを起こすこと。
□粘膜刺激・・・口腔、鼻腔、消化管、呼吸器、排泄器などに対して、皮膚刺激と同様の反応を起こさせること。
□皮膚感作・・・アレルギー反応の一種。免疫機構に基づく反応。
□光毒性(ひかりどくせい)・・・精油を皮膚に塗布したあとで紫外線を浴びると、紅班が起こったり色素沈着を起こしたりすること。
柑橘類の精油に含まれるラクトン類の中のフロクマリン類(ベルガプテン)にこの毒性がある。
□パッチテスト・・・希釈濃度に従ったトリートメントオイルを前腕部の内側に適量塗り、24〜48時間様子を見る。肌にかゆみや炎症などが起こらないかを確認してから用いるようにする。異常が現れた場合、すぐに大量の水で洗い流す。
■注意が必要な精油(試験範囲以外は括弧)
光毒性・・・ベルガモット、レモン、グレープフルーツ、(イチジク葉Abs、バーベナ、クミン、ライム、アンジェリカルート、ルー、オポパナックスなど)
参考までに(どの精油も試験範囲には入っていません)
■使用を控える精油・強い経口毒性、皮膚刺激、感作
アーモンドビタ―、ウィンターグリーン、イニュラ、オレガノ、カシア、サザンウッド、シナモン、セーボリー、タンジー、シダーリーフ、ペニーロイヤルなど
このあとは、「精油学総論(4)精油製造法」 、「精油学総論(5)精油の化学」と続きます。
「精油の化学」がポイントですね〜。
頑張りましょう!

