「精油学総論」の最後に「用語解説」をしなければと思いつつ失念しておりました。
『資格マニュアル』の「精油学総論」の(8)その他の用語にあたる部分です。
そこにピックアップされていなくても、覚えておいたほうがいいなと思われるものは◆で挙げてあります。
◇ノート
一般に香りの調子を指しますが、精油の揮発性を示してもいます。
トップノート、ミドルノート、ベースノートがあります。
精油をブレンドしたときに、トップノートは最初に香りたちまっさきに印象を与えるもの。ミドルベースはその香りを特徴付けるもの。ベースノートは数時間から数十時間香りがとどまるもの。とでも申しましょうか。
ですからブレンドするときに、トップノートばかりの精油を用いると香り立ちはいいけれどすぐに香りが飛んでしまうし、ベースノートが多いと、全然香りがしないようでいて実は重苦しい香りがいつまでも残ってしまうということになります。
ですから、精油をブレンドする際は、特にフレグランスオイルを手作りしようかな、というときには、精油の香りの強さとともに、この「ノート」がとても重要な要素になってきます。
◇ケモタイプ(「化学種」とも言います)
植物学的に同種・同属でありながら成分の組成(化学構造)が明らかに異なる種類の精油のことを言います。
同種・同属の植物であっても、生息している土地の条件や気候が異なると、精油の成分中のエステル類、アルコール類、その他の基本成分の変動を生み出すことがあって、そのことによって精油の特性に変動が生じるとき、そしてその違いが季節的に同じである時に得られる「標準的」な精油と区別するためにひとつの「ケモタイプ」として分類するのです。ユーカリ、スイートマージョラム、ローズマリー、ティートリーなどにみられます。
◆ピュアナチュラル
植物の学名がはっきりとしていて、しかるべき製造法で抽出され、その後その成分に人為的な加工をほどこされていない精油のことです。
◇分別蒸留
精油に含まれる成分のうち、刺激性の物質を意図的に除去することです。
こうした過程を経たものはピュアナチュラルとは言いません。
・脱フロクマリン工程・・・ベルガプテンなどのフロクマリン類を除去することで光毒性を回避できます。
・脱テルペン工程・・・水やアルコールに対する溶解性が悪く、そのうえ重合しやすいテルペン系炭化水素を分別蒸留して除去することで、品質の劣化を防ぐ目的で行われます。
◆重合
1種類の分子が2個以上結合して分子量の大きい新たな分子を生成する反応のことです。
◇クエンチング作用(抑制作用)
ある成分が他の成分の毒性を弱める作用を言います。
◇シナジー作用(相乗作用)
成分同士が作用を高めあう作用を言います。
◆偽和・混和
高価な精油に似せようとしてさまざまな技巧を駆使して作ったり、精油成分の調整を行ことで、早い話がにせものです。
例えば・・・レモングラス+化学物質=メリッサ
パルマローズをひきのばす→ローズ
プチグレイン+少量のネロリ=ネロリ などです。
◆劣化
化学物質の品質が時間の経過とともに劣っていく過程を言います。
・酸化
大気中の酸素が精油の組成成分の一部と結合して精油の化学組織を変化させることを言います。特にテルペン類を多く含むレモンなどは反応性が高いでの、早めに使い切るようにしなければなりません。
・加水分解
水が作用して起こる分解反応です。
水により塩類が分解され酸性またはアルカリ性を呈する反応や、酢酸エステルが水により酢酸をエチルアルコールに分解するなどといったものがあります。
重合と加水分解は「ひっかけ」問題にでることがありますから、違いを理解しておきましょう。
今年になって初めて「セミの声」を聞きました。
夏本番ですね。
みなさん、体調を崩さないように頑張ってくださいね!
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『資格マニュアル』の「精油学総論」の(8)その他の用語にあたる部分です。
そこにピックアップされていなくても、覚えておいたほうがいいなと思われるものは◆で挙げてあります。
◇ノート
一般に香りの調子を指しますが、精油の揮発性を示してもいます。
トップノート、ミドルノート、ベースノートがあります。
精油をブレンドしたときに、トップノートは最初に香りたちまっさきに印象を与えるもの。ミドルベースはその香りを特徴付けるもの。ベースノートは数時間から数十時間香りがとどまるもの。とでも申しましょうか。
ですからブレンドするときに、トップノートばかりの精油を用いると香り立ちはいいけれどすぐに香りが飛んでしまうし、ベースノートが多いと、全然香りがしないようでいて実は重苦しい香りがいつまでも残ってしまうということになります。
ですから、精油をブレンドする際は、特にフレグランスオイルを手作りしようかな、というときには、精油の香りの強さとともに、この「ノート」がとても重要な要素になってきます。
◇ケモタイプ(「化学種」とも言います)
植物学的に同種・同属でありながら成分の組成(化学構造)が明らかに異なる種類の精油のことを言います。
同種・同属の植物であっても、生息している土地の条件や気候が異なると、精油の成分中のエステル類、アルコール類、その他の基本成分の変動を生み出すことがあって、そのことによって精油の特性に変動が生じるとき、そしてその違いが季節的に同じである時に得られる「標準的」な精油と区別するためにひとつの「ケモタイプ」として分類するのです。ユーカリ、スイートマージョラム、ローズマリー、ティートリーなどにみられます。
◆ピュアナチュラル
植物の学名がはっきりとしていて、しかるべき製造法で抽出され、その後その成分に人為的な加工をほどこされていない精油のことです。
◇分別蒸留
精油に含まれる成分のうち、刺激性の物質を意図的に除去することです。
こうした過程を経たものはピュアナチュラルとは言いません。
・脱フロクマリン工程・・・ベルガプテンなどのフロクマリン類を除去することで光毒性を回避できます。
・脱テルペン工程・・・水やアルコールに対する溶解性が悪く、そのうえ重合しやすいテルペン系炭化水素を分別蒸留して除去することで、品質の劣化を防ぐ目的で行われます。
◆重合
1種類の分子が2個以上結合して分子量の大きい新たな分子を生成する反応のことです。
◇クエンチング作用(抑制作用)
ある成分が他の成分の毒性を弱める作用を言います。
◇シナジー作用(相乗作用)
成分同士が作用を高めあう作用を言います。
◆偽和・混和
高価な精油に似せようとしてさまざまな技巧を駆使して作ったり、精油成分の調整を行ことで、早い話がにせものです。
例えば・・・レモングラス+化学物質=メリッサ
パルマローズをひきのばす→ローズ
プチグレイン+少量のネロリ=ネロリ などです。
◆劣化
化学物質の品質が時間の経過とともに劣っていく過程を言います。
・酸化
大気中の酸素が精油の組成成分の一部と結合して精油の化学組織を変化させることを言います。特にテルペン類を多く含むレモンなどは反応性が高いでの、早めに使い切るようにしなければなりません。
・加水分解
水が作用して起こる分解反応です。
水により塩類が分解され酸性またはアルカリ性を呈する反応や、酢酸エステルが水により酢酸をエチルアルコールに分解するなどといったものがあります。
重合と加水分解は「ひっかけ」問題にでることがありますから、違いを理解しておきましょう。
今年になって初めて「セミの声」を聞きました。
夏本番ですね。
みなさん、体調を崩さないように頑張ってくださいね!

