台風一過、大嵐? ってなんですかねえ。これも異常気象かねえ。こんな日は、じっくり読み物を、なんて。
 ラッキーですね。
 三菱重工さんが、延々数十ページ(ってコンピューターページ換算ですがね)のアニュアルレポート2016を公表されているんですね。暇ですからね、じっくり読みましょうかね。

 なんて読み始めましたがね。去年も書いたけど、なんですかね。これ? ちょうど昨日文化庁さんが、「国語に関する世論調査」とやらを発表して、このニュースを報じるメディアは、日本語の誤用とか、外来語の浸透ぶりをおもしろおかしく書いてますね。
 でもね、そんなら、このアニュアルレポートをやり玉に挙げるべきですね。って、だいたいアニュアルって何?「年次報告書」じゃあ、いけないのかなあ? 
 相変わらず、シェアードテクノロジーだとか、ICTだとかEPC、エンジニアリング力、ノウハウ供給ーー日本政府は断固として、乱れる一方の日本語を守るよう、三菱重工をご指導していただきたいですね。まったく。
 外来語の間を結んで、日本語の文字が並んでいるだけで、わたしにゃあ、何を言っているかさっぱり。です。

 でもねえ、去年も読まされていますからね。もう大体言いたいことは分かっているんです。宮永さんの発想は、ちょっと古い経営手法ですが、敵を「メガプレイヤー」と想定して、海外の巨大インフラ企業に対抗して行くためには、既存事業の強化と、新しい分野の開拓が必要。技術力や市場開拓力が不足するようであれば、M&Aで補完すればいいじゃないの! でも失敗する危険性もあるから、リスクマネージメントはしっかりね。
 まあちょいと外来語が入っちゃいましたけど、要約すればこんなとこですよ。
 メガにはメガ!正規軍戦志向が強いですね。この人たち。メガ化ばかりが、経営戦略でもないと思うんですがね。まあいいか?

 でもって、彼らが、何に頭に来ているというか、目の上の…、が客船なんだよね。
 こうした我が三菱重工の大経営戦略にそぐわない受注と甘い建造への取り組みで大失敗。しかも2750億円かな?想定外の赤字を出したうえ、まだ最終的な〆が見えない。

 冗談じゃねえぞ! 世俗語を使えば、こんな感じでしょうかね?

 「今回も、『船を造る』という面では、結果的には素晴らしい船ができたと思いますが、中にあるエンタテインメント施設など、いわゆるホテルや娯楽施設を造るような技術力は非常に不足していたと思います」(宮永CEO)これらの仕事が新しい仕様に進んでいたのに、「客観的に評価したり、総合的にマネジメントする能力が不足したまま従来の延長線上で判断してしまったこと」を、AIDAさん大失敗の原因として振り返っているわけです。

 でもって、「客船のように様々な設備を持ち、エンジニアリング要素のウエイトが高いプロジェクトについては、これまでの船舶だけの経験でこなすことが出来るのか、リスクの見極めが十分でなかった」(名山CTO)。でもって「プラントエンジニアリングではプロジェクト遂行には、QED(品質、コスト、スケジュール)の状況を定量的に把握することが必須となりますが、客船では、そのエンジニアリングの手法を生かし、客船にマッチした遂行管理が十分に行えなかった」
 
 冗談じゃねえぞ。なんてね。 まあまあ。
 まあ、いいですよ。
 ただ一番気になるのは、これら経営計画の中で、どうやらやり玉に挙げられているのは、客船だけなんですね。試験フライトが何度も延期されているMRJについては、QEDはどうなんですかね? 未来の「高収益を期待できる事業」だからいいのかな? 原子力発電事業についても、困難はあるが…。という感じで、温かい表現なんですがね。船はボロボロ。

 「(客船の失敗は)、姫路第二火力の発電事故とは異なる問題を含んでいる」。「燃費や速度などの基本性能については事前にリスクを見積もっており、実際にクリアした」。つまり船としてはしっかり出来た、しかし客船部分については、「これまでの船舶の経験でこなすことが出来るのかリスク管理の見極めが十分でなかった」(名山CTO)ーーつまり「船舶」というだけあって、「浅薄」な知識しか持ち合わせていないで取組んじゃったーーみたいな感じで散々ですね。

 つまりリスク管理が大切なんだよ! ホレ見たことか? と、いわば教科書を引用して非難されている。
 船は三菱さんの新しい経営ポリシーからすれば、反面教師。つまり完全にイジメられっ子の役回りを与えられてしまったようですね。
 船さえなければ、船がこんなことをしなければ、わが社の15事計は、机上のプランをそのまま現実化させてピカピカの未来に歩み出していたのに、という感じです。

 でもって、宮永さんが成功例として挙げているのが、日立と合弁で設立したパワープラント、それにフォークリフト、あと一つはなんだっかな? いずれにしても他企業との合弁ないしM&A案件なわけですね。
 まあ重工の船舶さんが、有力中手造船とのアライアンスを先月発表したのも、技術的には遅れていた船も、こうした経営路線にようやく歩み出した、ということ?

 あるいは、AIDAでは、また赤字が増えるんでしょうから。やっぱり客船なんてムリムリ! という議論を始めるための布石なんでしょうかね?

 昔々、三菱重工の船の方々の業界内での評価は、「紳士」。「造船業界」といわれた世界があったころには、重工さんの存在感は大きくて、リーダーなんだから、そんなに無理しなくても…。みたいな感じもあったんですが、どうやら社内、業界内ともに嵐が吹きあれているようで。

 台風一過だというのに…。
 でもねえ、ここは頭を低くしてやり過ごすしかないかもしれんですね。
 客船を継続すると言っても、重工の傘から飛び出して、というわけにはいかんだろうし。
 
 どうやら雨と風はこれからが本番のようで。