カルロスゴーンさんは、勾留理由開示の法廷で、「私は船長」「船長は嵐の中で逃げることはできない」と言ったようですが、にっぽん丸の情報を、もう一日でも早く知っていたら、自らを船の船長に例えるなんて反論はしなかったでしょうね。

 帰国した乗客の一人からの情報によれば、船上での乗客へ説明会で、船長は「酒を飲んでいたんじゃないの」との質問に対して、「お酒は飲んでいません」と答えたといいます。
 船長はアメリカの沿岸警備隊からの事情聴取に於いて、飲酒を認めるとともに、「事故のあとに飲んだ」と弁明したようで…。
 
 また、事故当時の様子についても、次のような生ナマしい投稿がーー・

▽対岸にUS Navyと書かれた平べったい船が2隻ずっと停まっていて、それ用の桟橋(コンクリ土台でパイプとかがのっているような鉄橋、記事にあるfuel pipe?)がありました。
 にっぽん丸は左舷が岸に接していて、離岸後、船尾が向いていた外海にそのまま少し出て、それから左旋回をしている最中に、タグボートが海軍船とにっぽん丸に挟まれるような形でぶつかり、それからにっぽん丸が対岸桟橋にぶつかり、その橋がちぎれてしまっていました。
 私は本当に船は素人なので車両感覚もなく、ちょっと海の幅が狭いけどきっと回転できるんだろうなとのんびり見ていたので、直前までぶつかるとは思いませんでした。下の方の甲板から「ぶつかる!」と声がして、えー、ぶつかるの?と思った瞬間に手すりにつかまりましたが、振り落とされるほどの衝撃ではなかったです。

ーーこの情報が何を意味しているのか、「私も素人」なので、解説のしようがありませんが、ほんの数十秒の間に起きたミスだったと解説することも出来ますね。タグ(ぶつかったというよりにっぽん丸を押し始めたんでしょうね)との間で、どんな連絡が取られていたのか? また船尾をウオッチしていたオフィサーからの通報もあったようで…。

 商船三井(客船)さんは、昨日の発表で「事故当日乗員による飲酒の事実があった旨の情報を得ております」と公表されていますが、それが「操船4時間前以降の飲酒だったのか」や「呼気1リットル中0.15mg以上の飲酒だったのか」などに、コメントせず、当局の捜査に協力するとだけ発表するーー。
 私は事故の原因が船長の操船ミスであったことは、真実なんだろうと思いますが、船長の飲酒事実がどの程度のものであり、そうした操船ミスとの因果関係について、あたかも「関係があった」かのような商船三井客船の発表については、少々疑問がありますね。

 それに、船長は今、逮捕なり、拘束されているのでしょうか?

 昨日、沢山の書き込みをいただきありがとうございます。
 中でも「船長の勤務」体制について、「船長2人制を取っている船がある」とありましたが、まさに外国の高級客船はそうなんですね。
 例えばクリスタルクルーズ。キャプテン以外にデュプテイキャプテン、つまり副船長が乗船しており、もっぱら操船はその副船長が担当、キャプテン!という格好のいいイメージで乗客の前に出て来るオフィサー、つまり乗客サービスは正船長が担当しています。

 一方、日本のクルーズ船は、オフィサーは全て日本人と決められていて、デッキオフィサー3人、機関部門が機関長初め3人の、最低限6人の乗船が求められています。
 逆に言えば6人そろえれば、客船オフィサーの最低人員の要件を満たす。
 で、これらのオフィサーが夜間当直を初め、3交代でブリッジや機関室に詰める! といっても出入港時の操船は船長の仕事ですし、大洋を航海しているとき、ブリッジでは、極端に言えば、海とレーダーを見ているだけーーみたいな自動化が進んでいます。
 
 じゃあ安全のために、オフィサーの数を増やせば…という意見があるかもしれません。
 でもねえ、かつてと比べて船員の成り手はどんどん減っていますし…。
 何で外国人のオフィサーではいけないのか?って僕は随分前から思っていますよ。
 というより、いまやプリンセスやコスタクルーズなぞ、ほとんど日本船と変わらない航路で運航をしているのに、船長さんは全部外国人。いやオフィサーも全員外国人ですからね。

 まあね、操船4時間前以降の飲酒は禁止! 
 こういう規則に異論があるわけではないし、にっぽん丸の船長さんが「飲んだけど、それは事故のあと」という説明が本当である!と言い切れるわけではないですがね、だからと言って、嘘だと断言できるわけでもない。

 それにしても外国船で「船長2人体制」というのは、規則以上の話というより、船会社としては、「客商売であり、もちろん安全を重視するべき」というビジネスである以上、当たり前の前提なのかどうか、考えてみても良いくらいの話なのかもしれません。
 とはいえ、客船とは、飛行機の機長のように常に操縦室にいなければいけない仕事じゃあない、のも事実ですからね。

 ゴーン氏が、「私は船長」と言い放った時の船長さんのイメージ、つまり万能の指揮官?というかつての船長のイメージから、現代は、随分変わっていると思います。

 それに乗客372人(このニュースの最初の外電では乗客524人とあったが、間違いなんだろうね、多分)の船の船長と、乗客が5000人も乗る大型船の船長の人件費コストの比重は比べるべくもない。

 日本のクルーズがこの30年。一体何を求めてやって来たのか? そんなことも考えてしまう出来事です。
 商船三井客船は、この事故対策で、弁明に追われるだけでなく、雇用を含めた運営手法、日本クルーズの在り方について、しっかり見据えていただきたい。
 乗客350人の船1隻で運営できるクルーズ会社ーーそんなビジネスモデルを胸を張って宣言できるのかどうか? 

 だいたい、ゴーンさんが去ったら、「私は船長」なんて宣言するような人はいなくなるんじゃないですか?
 いや、もちろんクルーズ業界でも、海運業界でもね。