いやあ、幾らなんでもこんなニュースを、即座に解説せよ!と言われても???

ですね。にしても前向きの話。つまり郵船さんの客船の建造が最終段階に差し掛かったとみるのが正
解でしょう。
しかもプロジェクトは飛鳥Ⅲつまり新造船、以外にも既存船つまり飛鳥Ⅱの活用を含めた2隻以上の
体制に移行するーーこんなことかなと! はい完全に無責任な楽観論ですが、そんな風に思いますね。

以下、海事プレス紙に掲載されたニュースですーー
 郵船クルーズの株式50%譲渡
 日本郵船、客船をアンカー社との共同事業化

 日本郵船は24日、客船“飛鳥Ⅱ”を運航する100%子会社、郵船クルーズ(横浜市西区、坂本深社長)の株式の50%を、船舶投資ファンドを運営するアンカー・シップ・パートナーズ(東京都中央区、辻
肇社長、以下、ASP)に譲渡し、客船事業をASPとの共同運営とすることを決めたと発表した。
郵船は、郵船クルーズの唯一の運航船で1990年竣工の“飛鳥Ⅱ”の代替を検討しているが、船舶投資
の抱負な実績を持つASPと組むことで投資資金を確保することなどが目的とみられる。郵船クルー
ズは郵船の持分法適用会社になるが、郵船は「これまで育んできた“飛鳥”の伝統はそのままに、AS
Pとともに客船事業への投資を行い、より高品質かつ魅力的なサービスを提供する」としている。

ASPへの郵船クルーズ株の譲渡は2018年度中に実行予定で、郵船はこれによる譲渡益約80億円を特別利益として計上する見込み。譲渡価格は明らかにしていない。昨年10月31日に発表した郵船の20
19年3月期通期連結業績予想に織り込み済みだが、今月末に発表する第3四半期決算で改めて業績予
想を開示すべく現在精査中としている。
 郵船は発表文の中で今回の決定の背景について「日本のクルーズ人口は今後も順調に増加すること
が見込まれるため、当社は国内のクルーズマーケットは有望であると考えている」としつつ、「昨年
3月に公表した中期経営計画を踏まえて客船事業の今後のあり方について対応を模索してきたが、飛
鳥クルーズのさらなるブランド向上と高品質の成長を持続させるには今後も同クルーズへの投資が必
要であり、そのためにはASPをパートナーとして客船事業を展開することがベストであるとの結論
に至った」と説明している。パートナーのASPは2007年の発足以来、長期投資を基本理念にコンテ
ナ船、バルカー、自動車船など様々な船種を保有し、邦船社などに貸船してきた実績をもつ。
 今回の決定は、郵船が2015年に行った米国客船子会社クリスタル・クルーズのゲンティン香港への
売却に続くグループ客船事業の大規模改革になる。郵船は、“飛鳥Ⅱ”の代替も見据えて客船事業を国
内の郵船クルーズに絞ることを決定。その後、“飛鳥Ⅱ”の代替方法とタイミングを含め客船事業の今
後のあり方を外部の識者の意見も聞きながら検討してきた。


ーーアンカーシップ・パートナーズの辻肇さんという方は、昔、日本興業銀行におられ、日本の船舶
融資の草分けだったみたいな方で、彼が創立したようなもんですが、2010年にこの会社の社長につい
ておられます。国がスポンサーになった船舶融資ファンドの設立にも協力された。

 船舶の建造資金到達というと、簡単には、船を造りたい船会社が銀行やらリース会社らからお金を
借りてーーという具合に組み立てられるのですが、すでに船会社といっても船を持つオーナーと運航
するオペレーターが違うと、このブログでもぼんやりと書いていますが、その構成はもっと多様化し
ているんですね。
 海運の市況というのは、それこそ目まぐるしく動く上に、船1隻のお値段はかなり高いですからね。「船を持つ」という仕事のリスク対策、資金調達の方法も多彩になるばかり。
 実は今や経営危機の真っ只中にある地銀さんも、船舶融資に乗り出したくでも、リスク管理ができ
ないーーそんな事情もあって投資ファンドや、有能な投資コンサルタントの仕事もますます膨らんで
いるよう。

 まあ、僕の浅薄な知識では、これ以上解説できませんがね、つまり船舶保有、資金調達の多様化は
かなり奥深い知識と金融技術がいるようで、このASPさんはその草分けというか、第一人者というか、そんな会社ですね。

 郵船という会社も、自社だけのリスクで飛鳥Ⅲの建造資金くらい調達するのは、可能でしょうが、
このところ本業、つまり海運の市況、つまりコンテナ(ONEですが)バルク、タンカーともに安定
しないうえに、航空貨物会社のトラブルもあったりして。はい今、客船会社に数百億円もの資金を投
入して、お金を固定化して行くことには、やっぱり二の足を…。だったような。

 このところパーティなんかで郵船さんの方にお目掛かると、新造船の話になるんですがね、「新造船? そんな金ないよ」と、ちょっと不思議な否定の仕方をされる。またご本社の内藤社長も去年の
初め以降、客船の新造について、一切コメントを出さなくなっていて、逆に「これは近いかも」なん
て感じも持っていたんですがね。
 そう、その最大の理由は建造資金の調達にある!とは思っていたんですが、金余りの時代ですからね。飛鳥3のファイナンスなら…、ぐらいと思って見ていたんです。

 まあ、昨日も書いたように、欧州の新造船船価は、かなり高騰しているようです。でもって、日本
での建造でも一隻建造となると、どうも…。
 それにねえ。このまま飛鳥Ⅱだけで運営して行っても、クルーズ事業の未来戦略を描けるわけでも
ない。タイミングはともかく、最後に内藤社長がおっしゃった「飛鳥はまだ数年は保つ」という言葉
に嘘がないとしても、「もういい加減新造に向かわねば…」という計算にはなるわけで。

 それにねえ、アンカーさんの非常勤役員の中に郵船出身の足立曠さんの名が。この人郵船クルーズ
の立ち上げメンバーの一人で、つまり初代飛鳥を造った人です。
ともあれ、ASPが50%の株を持つというニュースは、少なくとも、郵船が客船事業から撤退する!
という選択肢がなくなったことだけは、明らかになったと言えそうです。

 ASPさんの加勢を受けて、これから、郵船クルーズからどんな話が出て来るのか、ワクワクドキ
ドキの日が待っています。
 大坂さんも勝ったし、今日は気分がいい!