まあ、ショウガナイですね。
 というのが、このニュースを拝見した時の、率直な感想ですね。
 はい、郵船クルーズが15日に発表した「飛鳥Ⅱ」の改装。ホームページを開くと、まず「飛鳥、飛躍」と漢字が出てきて、「令和時代」への移行を思い浮かべてしまいましたが、まあ平成から令和への新時代への移行という時代的な「飛躍」という意味で、飛鳥Ⅱの飛躍という思いを込めたんでしょうか?

 そして突然2020年Spring。と出てきて。何故「春」と書かない? これって、日本船の新時代への旅立ちを強調するようなコピーになったんだろうかと頭を傾げましたけど…。
 
 はい、飛鳥は、ついに今の時代での最後に残された方策を選択。2020年1月から45日間の改装を、シンガポールのセンブコープ・マリンで施工すると発表しました。
 総工費は海事プレスさんの報道によれば「数十億円」(坂本社長)だそうですが、これで環境対策であるスクラバーの設置から内装の改装をするんですから、きっと二桁億円でも、半分を超えるんじゃないですかね? つまり二、三十億円では済まないと思うんですがね。
 
 施工先はSembmarine。昔、センバワンという修繕会社がありましたが、前身はジュロン造船所。この名前からかつて、IHIがシンガポール政府と共に立ち上げた修繕主体の造船所を思い出すとしたら、相当な造船通です。海洋構造物とかシンガポールという地の利を生かした船舶の修繕や改造を基本にした会社で、クルーズ船の改装もスタークルーズの船などで手掛けていますね。懐かしや…。

 でもって肝心の飛鳥2の改装ですがね。Web CRUISEさんによればーー。
●現在12デッキにある展望大浴場グランドスパは拡大して露天風呂を設置。
●スイート客室専用のダイニング「プレゴ」は「ザ・ベール」と改称、2人がけ座席を増やし、オープンシーティング制のレストランにする。
●ビュッフェレストラン「リドカフェ」「リドガーデン」において、ビュッフェカウンターをアイランド形式に変更する。2人用の席も増設。
●エントランスエリアであるアスカプラザにLEDスクリーンを設置。さまざまな映像を流せるようにする。
●アスカスイートに初の和洋室を2室設置する。和室の雰囲気を取り入れつつ、洋室のしつらえを持つ客室で、ミニシンクやバスエリアも備える。
●ブックラウンジ「イー・スクエア」が新設される。「コンピュータープラザ」をPCコーナーとライブラリーを兼ねたオープンな雰囲気のラウンジに変更する。インターネット(有料)の利用もでき、コーヒーやハーブティーも提供する。
 このほか、船内サービスとして全客室でWi-Fiサービス(有料)を利用可能にする。加えて客室で映画などを楽しめるビデオオンデマンドサービスを導入、客室のテレビのサイズも大きくする。(WebCruise、2019年5月15日)

 というか、この改装の一番のトピックは環境対策ですね。日本の商船はSOX対策でマリンガスオイルなどの燃料油の改良での対応を選択しているわけですが、外国クルーズ船では「最低のライン」とでもいうべきか。スクラバーを選択した。
 まあ世界を旅する飛鳥ですからね。どんな「燃料油でも大丈夫」というわけでしょう?これは、改造という選択肢を取るならば、ベストウェイ!ですね。 好印象です。 

 その他、露天風呂や、クリスタルハーモニーから飛鳥Ⅱに改造される際に、いわばデッドスペースとなっていた旧プレゴの大改装を実施するようですが、でもこの点は発表文を見ただけでは、引き続き、アッパークラスの乗客専用のレストランとして活用するように読めますが?

 今度の改装も、上級クラスの改装が主体になっているような感じもあり、日本社会の階層化を象徴する対応?
 って、まあ、どうせ乗るとしても、最下層でしか無理な(いや、それも無理なんだけどね)筆者のひがみ? かな。

 いずれにしても郵船はこれで、「数十億円」(普通、客船の場合建造費や改造費は高めに公表して、乗客の心をくすぐるんですがね)の改装によって時間を買うことになる。 
 つまりこの改装後、10年くらいは延命することを目指すのかな? 10年と言えば、まあ40歳くらいまででしょうか…。その間に新造船の可能性を追求するという判断でしょうね。

 とにかく欧州造船所は、異様とさえいえるバブル状態。まあバブルが破裂しなくとも、こんな勢いが永遠に続くわけはなし。ならばこの改装で時を稼ぎ…。
 いずれにしても、これで日本船がクルーズを続けることだけは決まった! 
 でも、私の時代にもう新造船の完成を見ることはない? ということもかもね。
 朗報であり悲報と! 受け止めました。