ある海事専門紙さんが、昨日付けで「飛鳥 Ⅲ建造を具体化 」と書いて、僕のところにも、情報の真偽について問い合わせがあったんですがね。
     一昨日の郵船さんの発表文を読んで、どうして新造船を具体化と、読めるんですかね?

  郵船さんの発表では、社内に新造船の検討チームを設置、5月1日から検討を開始したという話だけですわねえ。
   これって、素直に読めば、飛鳥Ⅱの改装を実施する! だけど、新造も諦めたわけじゃないよ。という意思表明に過ぎないわけで、とても「新造船を具体化」とは、読めない。
  だいたい郵船さんは昨年から、欧州や日本の造船所との間で船価の見積もり提示を含めて新造船の建造交渉に入っていたわけで、まあそれらの交渉が失敗に終わったとまでは言えないにしても、せいぜい、仕切り直し。いまごろ「具体化」なんてあまりにも取材不足な記事だと思うんですがね。

     まあいいや。
    今度アンカーさんというファンドが経営に参加したわけで、まあここはまさに、飛鳥Ⅲを実現するために、出資までしてきたわけで、その為の作業を具体化! なんでしょうけど、とてもとても、「じゃあ、新造船の見積もりを取りましょうか?」なんて感じの「具体化」なんて話じゃあないと思いますよ。

    このところ思うのは、船会社が新造する!と、決めればプロジェクトが、動き出すといった新造船市場はとっくに崩壊していて、新造したくても、造船所の方が乗ってこない。探すことも 難しいという状況が生まれている。

   日本には、海事クラスターがある。造船所や機械メーカーが揃うだけで、なく、資金提供者から、荷主まですぐに見つかる!なんて素晴らしい時代が続いたんですがね。まず造船からそんな構図が破綻しつつある んじゃないですか?
    いや、バルクやタンカー。 バルタンなんて、 なんかバルタン星人じゃないけどコンベンションな量産船ならともかく、LNG船やらコンテナ船ですら難しくなっている。ましてや客船を日本でつくり、なんて夢物語に近い話になってしまった。
    つまり造船の発展が止まってしまってることで、日本の客船ビジネスの展開も止まってしまった! そんな状態にあるんですよね。

    今度の郵船さんの新造船チームの狙いについて取材をしていないんで、 なにをどうしようとしているのわかりませんが、多分市場分析から始めて、船価がいくらまでなら、償却できるのか?  そうした船価で、建造できる造船所ならあるのか?    例えば複数隻造れば造ってくれるのか?  いや客船を造りたいと考えている造船所があれば、業務提携ぐらいして、日本に客船造船事業再興するぐらいの覚悟がなければ、新造すらできない。そんな風に思うんですがね。悲観的すぎますかねえ。

    三菱重工の長崎が 地元とともに、客船の修繕を 長崎造船所でやるように、外国船 に働きかけ始めた、というニュースをどこかで読みましたが、こんなところから再生を進める?  日本の海事産業って、そこまで追い詰められているんだとおもいます。
     東アジアでは、市場もある、造船も世界一、資金もある。つまり、この分野でも中国にクラスターは形成されて行くのかも。
     中国で日本船を!そんな時代がすぐに、やってくるかもしれないですねえ。
 
   にしても返す返すも残念なのは、Aidaのこと。三菱重工のあの時の判断とそれに抵抗できなかった船舶部門の体たらくが、今になって、、、。
 
    嘆いてばかりでも仕方がないですね。
「客船」事業のビジネス モデルって? 郵船クルーズの新造船検討チームに求められているのは、そんな4次元方程への解かも知れません。
   クルーズ市場の創設、最適船型の見直し、造船所の再建と育成、そして出資者、つまりリスクを負おうとする人々の理解ーーかな?

     この方程式へ のこたえは、ゼロ!かもしれないけど。やるっきゃない!