この国は、自分たちが世界の中でどの位置にあるのか常に確認していないと落ち着かないようで、GDPが先進国中何位だったとか…。はい世界何位というよりも「先進国中」での順番を気になさっているようで。はい隣国のお話ですがね。
 もちろん、しばらく世界一を占めてきた造船業の月別統計には敏感に反応します。
 でもってロンドンのシップブローカー・クラークソンが発表した5月の新造船受注実績で、「韓国造船所の受注量は64万CGT・16隻で世界トップ。中国(27万CGT・8隻)を上回った。中国のシェアは26%。日本は6万CGT・3隻で3位だった」と聯合ニュースが嬉しそうに報じています。
 まあ一喜一憂というんですかね。

 ですが、このニュースを見ていて、私めが驚いたのは、「1~5月の累計受注実績は中国が406万CGT・166隻でシェア43%を記録し1位だった。2位の韓国は283万CGT・63隻(30%)、3位のイタリアは111万CGT・14隻(12%)、4位の日本は86万CGT・46隻(9%)だった」という今年の累計です。

 僕も、一喜一憂しているわけじゃないんですが、なんと日本は長い間定位置と思っていた3位からも滑り落ち、イタリアの後塵を拝す4位だって…。
 アララですね。はい遂に、ほとんど客船の受注高だけで、日本の工事量を抜いて行っちゃたんですね、イタリア。というよりフィンカンチェリさんにでしょうね。このまま行けば、日本勢が束になっても、フィンカンさんに敵わないということになるんでしょうか? 

 数年ほど前までは、欧州はEU全体で受注高を集計して東アジアの造船国との貿易協議に臨んでいたのにねえ。なんともねえ。こうして日本は造船でも後進国に追いやられてゆく?

 あっつ。CGTってなに? ですか。
 ウイキペディアによれば、「標準貨物船換算トン数 Compensated gross tonnageCGT)は、船舶の建造工事量を表す指標」です。1979年当時、日本は「新造船を取り過ぎる、ダンピングだ!」とOECD造船部会で、欧州から非難を浴びた時に、船種だけでは受注高の比較はできない、というので船種別に係数を決め、国際比較するために制定した建造量を現わす数値なんですね。
 つまり日本たたきのために策定した指標なわけでーー・
 
 もちろんこのころの日本は断トツで韓国以下を引き離し…。「うるさいからシェア50%を越えたらだめだよ」と国から叱られ、一般の感覚も「西欧って、舶用機械は優れているけど、まだ造船やってたの?」なんて風でしたけどね。
 しかも当時欧州の造船所は、客船でも国から国家助成をいただいて、息をついていたのにねえ…。
 「アメリカ人は、欧州人が払う税金で船旅を楽しんでいる」なんて皮肉も聞きましたっけ。

 それが韓国に抜かれ、今、中国がその韓国を抜きつつあり、日本の定位置は3位! だと思っていたのに意外…、とこんなに早く、こんなことが起きるなんて!
 最近聞いた未確認情報ですがね。あのAIDAさんが、M重工さんに「Primaと同じ船でいいし、1000憶だしてもいいから、また造ってくれない?」と言って来たとか! 
 さすがに、即座にNOだったと伝わっていますが。まあ、お金の問題じゃない!ですよね。 
 というより、もう長崎では、つくれないかな。

 さて、この写真は、韓国の現代重工が開発した、ローター式の帆を装着した大型タンカーですって。


 ローター式帆とは、船上に垂直に立てられた回転する円筒が風を受けて、マグヌス効果で推進力を得て船を進ませる仕組み。
 だ、そうで、エンジンの環境対策や帆による燃費対策で、従来のVLCCに比べて、CO2で25%、SOXは、99%削減できる新船型としています。
 サムソンも同様のタンカーを開発していると海事プレスさんが報じていますね。

 帆装といっても、どっかの客船構想とは違うのかもしれませんが、新しいアイデア競争でも日本は世界に後れを取っているようで…。
 いまに、「かつて日本は世界一の造船大国だった」なんて教科書に書かれる時代が来るのかも。
 いや、そうか! 日本政府は、M重工さんに国家助成でも差し上げたらいかかですかねえ?
 イージスアショアやF35よりも、ずっと実践的な話じゃない? かな!