今日の海事プレスさんのトップ記事は、「瀬戸際の国産LNG船」。つまりLNG船にすがった日本造船業が瀬戸際の危機にあることを伝えていますね。

 つまり三菱重工のLNG船の手持ち工事が、しばらくするとなくなり、川崎重工に一隻残っているキャメロンプロジェクトの最終船が完工する来年で、受注残はゼロ! 
 日本が世界の造船業の中で「生き残る」ために、前向きになれる最後の船種であったガスキャリアの建造が終わっちゃうーーと。

 何故? 韓国との安値競争に敗れつつあるからだというのです。韓国が今度の不況からの回復過程で出した1億8000万ドル台という船価に日本勢はついて行けず…。
 逆にギリシャ船主などのスペキュレーターがこの水準の船価に殺到? つまり将来の需要をも先取りして行ってしまったというわけですね。でもって「1憶9000万ドル台だったら、なんとかついて行けたかも」なんて国内造船所のコンププレインも活字になっています。1000万ドルの船価差ですか?たった10億円程度の船価差に耐え切れず、LNG船マーケット全体を失う? 

 この記事では、「韓国のコストも1億9000万ドル以上」という分析もあって、つまりはこの船価を出した大宇はダンピング受注? しかし、こうした船価を出した大宇は現代の傘下に取り込まれて! なんて日本の造船所の心象風景が目に見えるようですね。

 つまりホワイト国からの除外策をとって、韓国の成長にブレーキを掛けようとした対韓戦略。その製造業での対抗策ですが。
 ITや5Gなどの先端エレクトロニクスで、アップルに対抗しているのは、ファーウェイらの中国、そして韓国のサムソンやLGだけで日本企業は、一体どこに?
 かつてのように世界市場で戦うという風景はどこにいったのやら? なんて敗北感の漂っていた日本でしたが、一枚めくって内実を見れば、スマホ製造の重要材料のシェアのほとんど日本が握り、輸出を締め上げれば韓国メーカーだって…。

 そんなことがメディアで報じられると、日本人々の「やっぱり」感というか、製造業はそのうち韓国、そして中国に抜かれて行くんじゃ! みたいな危機感が一気に解消されるというようなカタルシスを覚えた?

 まさにLNG船に取りあえず賭けた、というか日本造船業の置かれていた立場がそれで、世界最大のLNG輸入国である日本ですからね。大量建造の韓国の競争力がいくら強くても、まあやって行けるんじゃないの? くらいの多寡の括り方、をしていました。
 ところが、そのLNG船で、三菱、川重、JMU、今治ら日本の主力造船企業が軒並み…。これからは日本に輸送されるLNGも輸送はメイドインコリアの船で…。ということになるんでしょうか?

 でもって今度の造船不況による挽回対策として、韓国が選択しつつあるのが、現代と大宇の2大造船所の合併。いや追い上げ急の中国も大造船所の集約という体質強化策によって、競争力増強対策を進め始めています。
 ところが…。 まあ日本の大手重工会社にとって造船と言えば…。ですからね。中国や韓国のような分かりやすい競争力対策は取れない?のかもしれません。

 とはいえ、世界の造船業の地図は、客船を支配した欧州、LNG船やコンテナ船などの主力商品で覇を唱えつつある韓国、艦艇など軍事製品でリードするアメリカ? でもってバルカーではまだ日本も?
 つまり付加価値の低い商船ではまだ存在感はあるのかもしれませんが、そんな分野では中国の追い上げで、まさに尻に火が付いている日本。
 落ちて行くのは…。
 
 かつての日本株式会社。競争相手からは、少しは競争力の発動を制限してもいいんじゃない?なんてやっかみの目で見られたこともあった「メイド・イン・ジャパン」でしたが。
 落日がこんなに早くとは…。でもってこの間のアベ政権の対韓政策は、決して日本の製造業の競争力を復活させるという風にはならない、と思いますね。日本の製造業は、いくら相手が嫌いでも、韓国や中国の企業と連携していかないと…。と僕は思うんですがね。

 敵は韓国?中国? 製造業から見れば、そんな選択肢はないと思うんですがね。しかし、アベ政権の対韓政策や産業政策の結果や影響が明らかになる時、もう彼らいません。
 そうそう、アベサンの大韓政策が硬化したのは、韓国が北との合同を本気で志向しているんでは、なんて報道が流れ始めたころからでしたね。
 「南北統一を阻止せよ」ーーある日官邸の戦略室で、こんな結論が出た。なんてね。
 企業ドラマの見過ぎですかね?