今年就職活動をされるという、ある読者様から、「就職するとしたら三菱重工さんとJMUさんと、どちらがいいですか?」 なんてお問い合わせをメッセージ欄に、いただきました。ついにこのブログもここまで信用されて来たのか!とうれしい気分と、人生を左右しますからね。この種のお問い合わせは。これにどうお返事したらいいのか? の戸惑いで、夜も眠らません。
 って、しっかり寝ましたけどね。昨夜は。

  でも、本当に、このメッセージ欄にどう返事したらいいのか、お返事のやり方が分からんもので、この話題、本文に持って来てしまいました。
 で? 造船業界に入りたいんですか? 技術屋さんですか? それとも船マニア? それによって答えは大分違ってくると思いますね。

 というか、1年前だったら迷うことなく「三菱に決まってるでしょう?」だったですけどね。給料はいいし、手掛ける船も多様ですし、先輩社員の皆さんも優秀で、ゆとりある方々ばかりの印象ですからね。
 でもねえ、今はなあ! まあ給与や労働条件は多分、現状でも一番でしょうけど、この会社どうなるんでしょうかねえ。昨夜も造船界で、未だにトップを務める重鎮や、リタイアしたばかりの元トップと飲んだんですがね。
 「三菱をおかしくした戦犯は…」なんて、この会社の話は、過去形で語られていますよ。

 現社長のM氏、っていまさらイニシャルにしても仕方がないけど、ちょっと常識を超えている?? まるでトランプさんが社長になっちゃったような? 
 三菱の悪しき伝統? かもしれんけど、この会社がブランドを維持し得てきたのって、これまで事業を作りあげて来た先輩を敬うというか、ないがしろにしない、という心根がベースにあったからだと思うんですよね。良かれ悪しかれ、ね。
 でも、M体制って、彼らお公家さんのようなOBの元経営陣にとっては、あれよあれよ!なんじゃないですか?
 つまり、この方、先輩の意見は聞かない!というまるでプーチンか習近平のような圧政? を敷かれている感じみたいですね。
 そのうち「セブンイレブンか大塚家具」なんてご意見まで出て来たですね。

 私のこの会社に対する見方もそう変わらない。
 というか、あなたがもし造船を志すなら、この会社は止めときな! ですね。部門自体が無くなっちゃうか、子会社として散り散りにされちゃう。
 まあ帝国重工に入ったつもりが、佃製作所に就職してしまったという、感じかな? まあ「それでも船づくりが出来るならいい」ですか? いやいや、近い将来、大リストラが待っているかもしれない。

 でもってJMUさんですか? IHI、NKK、日立造船の造船部門を分離して合併した非上場大手!という造船所ですね。横浜(磯子)、鶴見、津、因島、呉、舞鶴、有明ーー造船所だけでこんなにありますからね。それだけ生産分野も品目も多様化しているし、給与もそんなに悪くない! じゃあ、こっちがおすすめ? ウーン。
 この会社はまだ合併して数年しか経ってない。でもって株主構成はIHI、JFE(旧川崎製鉄、日本鋼管の合併会社)がそれぞれ46%づつ、日立造船が8%だったかな? つまりあまりにもステークフォルダーが多すぎます。
 
 合併時に、工場の再編や運営についてどうするという取り決めをしていなかったのかな? 「していても守られていない」なんて説もある。
 というか、いまだに出身工場と出身母体への帰属意識が薄れずに抗争の火種がくすぶっているような。なんて感じですかね。
 まあ、造船所、つまり生産工場を、需要見通しに併せて再編して行く! みたいな長期戦略を明らかにして、集約の実をとるような方向に経営体制をまとめて行けるかどうかが課題で…。
 って、何を言ってるのかわかりませんが。つまりJFE派とIHI派の融合が課題!というわけで、それまでは推薦できませんね。
 じゃあどうする? やっぱり船をヤリタイ、んですか? もし私の息子からそんな相談受けたら? ウーン。

 川崎重工? ここはいい会社ですよ。船もリストラ寸前だった坂出を残すことが出来て、いまや三菱と同様液化ガス船を並べていますし、潜水艦の技術ではむしろ三菱をリードしています。なによりも中国の子会社2社が毎年かなり高額の配当をしていますから、安定している。
 でも、その中国からの配当も、このままもうそんなに続くわけでもないし、次の一手として打ったブラジルでちょっと躓いちゃた。まあ経営内紛劇みたいなこともありましたが、すでにその後遺症は全くないですから、悪くはないですが。
 造船? は引き続き、社内冷や飯事業のままで良ければね。
 三井造船? どうするつもりですかねえ? この会社。 エンジンを志すならともかく、造船部門に明日は???

 「きんにくマン」さんじゃなかった、ご質問の主様。それでも、どうしても船がやりたい、というなら、そういう若い方がおられるのは、僕も心強く思いますし、優秀な方々が造船会社の門を叩いて行くということに、涙が出るくらいうれしいですがね。
 でも、あなたの将来? のことですからね。 「茨の道を覚悟で、どうぞ」というしかない。

 また、船じゃなくて重工会社に? というなら質問の相手をお間違えですね。私では答えられない。

 「船はなくならない」--不況になるたびに日本の造船マンの口から聞いた言葉です。社是じゃなかった「業是」というか、造船マンの合言葉は?、今や「我慢」の一言です。

  就職活動に成功されるよう、お祈り申し上げます。