下の書き込みは、4月5日付に書いた

切り捨てたのは一番大切なものだった、のかもしれない。中韓もメタメタの造船業の原因って?

  この文書に、昨日書きこまれた「とおりすがり」さんのご指摘です。時々過去ブログに面白いお話がでるんですが、皆さんは読めているんでしょうか? 不安になって転載したい衝動に…。つまりもっともっと長いんで、原文に行って見てくださいね。

多くの量産型外航船は顧客と仕様を決めて建造なんかしていませんよ。コスト削減のためにほとんど変更しません。そして、この方法が定着しているようなので、技術陣がほとんどいない。 

 ある外国人と話すと変更はいっさいなし、この仕様の船を建造するかどうかだと言われた。しかし、中国で建造した船はトラブルばかりだし、船価が少し高いぐらいで日本で造れるのならがまんすると言っていました。 

 過去にある日本人と話した時に、15年以上前から設計に関わる人達が大幅に減っているようです。だから新設計やいろいろな要求には対応できないのが現実のようです。いくら立派な大学を卒業しても、経験を積まないと設計できないので、ITとは違ってすぐに実践投入で使える業界ではないと思います。 ▲

 そう、つまり世界に冠たる技術力を誇った日本の造船業って、生産面でのコストカット、量産化で活路を開いたと思っていたわけですが、製品の開発力というか、独創性というか、技術力って、どこに忘れて来たんでしょうかね?
 日本の造船所の方々と話をすると、ライバルとして出てくるのは、韓国、中国、いや国内の造船所との競争!だけなんですよね。そして「いくら頑張っても空飛ぶ船が出来るわけでもない。突き詰めて言えば、いかに安く造るかだけの競争です」と。
 でもって低船価競争を自ら仕掛け、低船価でも利益を出すためには、余計なコスト、つまり新製品開発力より、設計や工作面での阻害要因の徹底的な除去が必要。つまり船なのに、車のような量産品を用意して、これ以外の船は受注しない! なんて感じで進んできたわけですね。
 トヨタ方式を現場に持ち込むーーという造船所も現れたし、行き着いたのは、「製造業で勝つ方程式はトヨタ方式。同じ設計の船でお願いします。その代りお値段は安くしときまっせ!」 だったというわけですか。
 
 「良く外人さんがおっしゃるのは、」という枕言葉で。私もよく聞く話は、とおりすがりさんが書かれている話と同じですね。
 「日本には工務監督を出す必要はないけど、中国だったら数10人、数百人ださなきゃいけない。少しぐらい船価が高くても、日本の方が…」という話です。
 つまり、三菱の客船って、「工務監督を沢山ださなきゃ」いけない仕事だったんだろうし、もしかしたら、欧州の造船所では、未だにそんな恰好で船が造られているのかもしれませんね。

 どうなんでしょうかね。生き残り=中国や韓国とのコスト競争! というテーゼの実現のためにわが造船業界さんが考えたのは…。
 彼らとの差は人件費。だから人手のかかる作業をなるべく減らす、つまり設計変更が求められるような単品ものを建造する仕事は避け、量産品で! ついでに頭を使ったり経験が必要な熟練作業をなるべく単純化する。したがって給与だってそんなに上げる必要はないだろう。なんて具合でしょうか。
 欧州だったらこんな論理の経営って、労働者も受け入れんだろうし。なんかなあ?

 「日本造船業の生き残り」みたいな議論になると、だいたいこんな文脈の話が、ほとんど「常識」のように語られます。
 まあそれも一理!なんでしょうけどね。でもそうした「量産型造船業」と、受け取り船価だけが高いとしか思えないような「高付加価値船」と称する、何がしたいのかよく分からないような造船業って? ほとんど、違う業種なのかもしれませんね。
 
 客船を造るには、ホテルを造るような設計力や現場工作力が必要。でもそんなの持っていない。だからホテル業者を連れてきて…。でもねえ、例えば船価100億円の船で、外注作業や資材の購入費が70%で済むんなら、30億円は造船所に残る計算になるけど、こうした外注費が90%にもなるんなら、船価30億円で30%残る商船のほうが、造船所にとっては「高付加価値船」なんだ、という論理に勝てないというか。
 高付加価値型造船業、ということの意味をいま一度問うべきだった、なんちゃってね。

 何書いているのか分からんようになってきたけど、エンジニアリング能力を、全社的に結集するって? なにをやりたいんでしょうかね? 
 百歩譲っても、客船の生産体制はどうあるべきか? なんてエンジニアリングは考えなくていいんですかね。こんなに素晴らしい経験をしたのに。
 この失敗の中で、重工の造船マンにも、客船を造るという意味におけるエンジニアリング力、を考えていた人もいると思うんだけどね。

 早く分社して三菱造船にしておくべきだった、のかもね? 
 でも、それだったらこのAIDAで、この会社のオペラは幕引きだったかもしれんけど…。
 でも、そっちの方が分かりやすいし、いさぎよかった、のかもしれませんけどね。
  
 乱筆、乱論。陳謝いたします、です。