未来社会論って、最近あんまり流行らなくなっていたんですが、今月の「新潮45」が、10年後の未来を有識者に語らせています。でもねえ、30年後の未来を的確に見通した「バック・ツー・ザ・フューチャー」ほどの未来予測すらできなくなっているんですねえ。日本の若き知識人の皆さんって。

 まあ、記事の中では10年後、つまり2025年を想定して、「25年問題」(こういうの好きですね、インテリさんは)なるものを提起されている三菱総研の宮下さんという方が書かれた「25年問題を解決できるのは団塊の世代」。 何を書いているのか、見出しにだけは引かれたんですが、読んでも、何が言いたいのか?
 
 つまりこの頃には、団塊が全部75歳以上の後期高齢者になって。その一方で、団塊ジュニアはそこそこ人の塊はあるものの、所得が上がらず、さらに「ジュニア・ジュニア」世代を産まなかったから、高齢化社会が出現し日本を支えられない。みたいな話を展開しているわけですが。
 でもって解決策は、お金持ちの団塊さんが、子供ファンドみたいなものに出資して、高等教育を施すとか、企業が人を抱え込むのでなく、プロがより適した職場に移動できるような雇用の流動性を創るーーとか???
 
 でもって、まだ社会保障が安定しているうちに、それを享受している団塊さんがいろいろ…。とか。
 この論を書いた宮下さんがおいくつなのか出ていないので、なんとも評しようがないんですが、こんな未来論しか、昨今のインテリさんは持ちえないんですかね?
 あとの論文は、インターネット社会やITや、AI化とか? なんだかなあ論文ばかりですね。

 大体、トランプさんやフランスのルペンさんを生み出しそうな、「インテリ指導層への低学歴労働者の反乱が始まっているじゃない」みたいな文脈で、未来社会を論じる視点が、8本ある記事の中に一つもない。

 確かに、同じ労働をより短時間で熟せるようになったインテリ層というか、高学歴労働者は、本来であれば、そのまま職場を離れて、余った時間を別のことで、埋めて行くような社会が出来上がるはず! だったのに。組合が悪いんかなあ。お金持ちがどんどん出て来る中で、賃金を上げることが出来なかったものだから、そのままさらに労働を継続し、長時間労働にあくせくする。
 でも、その分他人の、つまりもう少し学歴の低い、というか有名大学に入れなかった人の仕事を奪い…なんて連鎖がね。

 まあ、もうこれ以上、こんな空論を展開してもつまらんけど、こうした予測論の宿命なのか、だったらあんたたちはどうすればいいと思うの! みたいな話が出てこないんだよね。
  じゃあ、オレの論 ですか? 

 私はね、週休3日制。そして一日の労働時間を6時間にする、みたいな社会への移行だろうと思うけどね。40代の初めにドイツに行ったとき、金曜日の午後はみんな休みに入って、ライン川のかわっぺりを散策したり、ビールを呑んだり…。うんうん子供を作ったりしていた人もいるんでしょう。そんな社会が日本にも来るんだろうと、感動したんですけどね。

 ですが、このころ日本の造船業界は、没落する欧州の造船業に対して、「合理化しないやつが悪い」なんて悪罵を投げかけて。でもって、その後20年の「必死の努力」によって、なんと韓国の労賃よりも安い賃金体系を実現して、「技術のニッポン!」を見ろよ、みたいな感じで悦に入っていたんですからね。

 私が、若いころ思い描いた実現するべき未来社会って、「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る社会」ーこういうと、欲しい奴はどんどん成果を持って行っちゃうじゃない、という反論が返ってくるんだけど、そんな意識を持たないような仕組みを考えるのがインテリさんの仕事なんで。だんだんそんな社会に近づいて行くんだろうと思っていたんですけどね。

  今日は勤労感謝の日ですね。でも、今は、勤労に感謝して、もっと働こう! 職場があるんだからいいでしょ、が合言葉になっている感じですね。
 でもって分配の論理は「能力に応じて働き、働きに応じて受け取る」ですから、頑張んなさいね。そうすれば明るい未来が待っています!
 いや勤労に感謝するならばその先に、例えば「お正月まではお休みでいいですよ」みたいなプレゼントを、どうして求めませんかねえ。

 自殺した電通の女子社員じゃないけど、自らを追い込んで働くことで、低学歴さんの仕事や、彼らが受け取るべき成果物を奪い、途上国の富を内部留保と言う形で、企業に閉じ込めるだけのニッポン。ってなんなんですかね。

 そう、仕事というか企業の中だけで労働力を浪費するを止めなさいよ。
 その先に何が来るか? そんなの分かりませんが、多分10年後の地獄だけは回避できますよ。

 はい、仕事を休んでクルーズへ! なんて、結論は今日のところは止めておきますけどね。