「造船検証」さん。ご投稿ありがとうございます。
標準船主義? いまや日本の造船業のトップに躍り出て、「残存大手造船企業連合」と言われるJMUすら傘下に収めようとしている今治造船。そして、中国の舟山に主力を移しつつ多角化に取り組む常石造船ーーこうした業界のリーダーさん達が、造船経営の基本に置いていたのが、まさに標準船主義でした。
一定のボリュームゾーンの船型にターゲットを絞って、標準船型を開発し、極論すれば、こうした標準船以外の受注は極力避ける。
というより、いろんな船主さんからの新造船引き合いに対して、「この船型ならお安くします」と類似船型を提案するといった営業活動をしてゆく。
となると、船を保有、運航する側も、みな同じようなものになって行く?
「これでどうやって競争力を発揮するんや」ーーなんてものすこぐ単純化した俯瞰ですがね。
つまり受注生産の面倒くささ、効率のわるさを、標準型、量産型の仕組みに変えていくことでコストを下げる――そんな感じだったんですかね。でもそれが結果として、逆に競争をより激しくしていた、なんてね。
土曜にも書きましたが、「いかなる船をいかに造るか?」とは旧IHIの南崎邦夫氏が、日本造船業の目の前の先細りを見せていた未来に対して、提唱した問いかけだったんですが、この話も単純化するとすれば、船の仕様をなるべく統一化し、造りやすく設計し、という現場屋さんからの視点以上には出て行かなかった。というかそうした受け止めがされて、やり過ごしていった? のかな。
かくて日本の造船業は、産業のイノベーションを、船の設計屋さん。つまり誰もやらないような革新的な船を開発して競争に勝つ!という行き方でなく、同じ船でいい、でもいかに手間をかけずに安く造るか、が問題にされたままな業界へ、とまい進していった?
そんな感じですかね。
つまり「輸送の革新」を問うのではなく、「いかに安く」しかコンセプトはない?
いまや日本造船業の一人当たり賃金は韓国のそれよりも安くなっているし、設備投資もケチって来たから、生産性でもかなわない? すでにして韓国との競争はほとんどギブアップに近い。
日本が大型客船の建造から撤退せざるを得なかったーー、というか。これって三菱重工さんの話になるんだけど、客船に積み込む機器類、調度品などほとんどが欧州製。だから三菱さんが長崎で客船の生産体制を組むという時、何から始めるかといえば、こうした機器類や調度品などをストックしておく場所をいかに確保するところから始めてゆかざるを得なかった!
しかも、日本国内での調達のようにジャストインタイムで手当てできるのかと言えば、つまり一日のずれも許さないような納入管理ができる購入もできないし、届いた搭載品に欠陥品が多いな、という時でも…、なんて。
まあ死んだ子の齢を数えても仕方がないですね。
チャンスはあったと思うんですよ。バルクやタンカー、あるいはLNG船でもいいですが、利益が望める船種の引き合いが同時にあっただろう時期に、日本郵船が欧州に発注したクリスタルシスターズ。
もう30年も前の話ですが、「欧州は船価助成をしているんや」なんてぼやきながら指をくわえてみているしかなかった日本造船業。
なぜ新しい分野の船にチャレンジして行くことに、そんなに保守的だったんでしょうかね?
そうそう、今日の話ですね?
最近、クルーズの海外情報も派手な話はないんですが、CINさんがカーニバルクルーズの22年の新しいアイテナリーとして、12泊前後のアメリカ西海岸から東海岸へのロングクルーズをいくつか提案する一方、4泊のショートクルーズを組みわせると書いていますね。
カーニバルと言えばまさに「標準型」クルーズのパイオニア。カリブ海で7泊を基本としたコース設定を提案し、ほとんどのクルーズを7泊8日にまとめていた。
そうした標準化によって船型も大型化させ、乗組員構成も食事や資材などの調達方法も、積み込む量も標準化することで、かすますコストダウンすることが可能になっていった。
でも今度のコロナショックで、彼らもそんな標準化一本では済まなくなると、考えているんかな?
このパンデミックは地球を相手に商売するクルーズ業、いや海運本体に対しても「新しい標準」を求めているのかもしれませんね?
はい、いままでのやり方を検討し直すべき時が来ている、んでは?
日本船の皆様、今提供しているクルーズが本当に日本のマーケットにあっているのか?
乗客が求めているものを提供されているのか?
もし再生させるためには、コロナ以前の時代に戻す? という問題意識だけでなく、新しいコンセプトを提供するという時が来ているのでは?
復旧ではなく復興です!って、どこかで聞いた言葉ですね。
今は誰も念頭にないように見えるクルーズ客船の新造船だって、世に問うチャンスかも?
いや、ラストチャンスなのかも、と思うんですがね。
標準船主義? いまや日本の造船業のトップに躍り出て、「残存大手造船企業連合」と言われるJMUすら傘下に収めようとしている今治造船。そして、中国の舟山に主力を移しつつ多角化に取り組む常石造船ーーこうした業界のリーダーさん達が、造船経営の基本に置いていたのが、まさに標準船主義でした。
一定のボリュームゾーンの船型にターゲットを絞って、標準船型を開発し、極論すれば、こうした標準船以外の受注は極力避ける。
というより、いろんな船主さんからの新造船引き合いに対して、「この船型ならお安くします」と類似船型を提案するといった営業活動をしてゆく。
となると、船を保有、運航する側も、みな同じようなものになって行く?
「これでどうやって競争力を発揮するんや」ーーなんてものすこぐ単純化した俯瞰ですがね。
つまり受注生産の面倒くささ、効率のわるさを、標準型、量産型の仕組みに変えていくことでコストを下げる――そんな感じだったんですかね。でもそれが結果として、逆に競争をより激しくしていた、なんてね。
土曜にも書きましたが、「いかなる船をいかに造るか?」とは旧IHIの南崎邦夫氏が、日本造船業の目の前の先細りを見せていた未来に対して、提唱した問いかけだったんですが、この話も単純化するとすれば、船の仕様をなるべく統一化し、造りやすく設計し、という現場屋さんからの視点以上には出て行かなかった。というかそうした受け止めがされて、やり過ごしていった? のかな。
かくて日本の造船業は、産業のイノベーションを、船の設計屋さん。つまり誰もやらないような革新的な船を開発して競争に勝つ!という行き方でなく、同じ船でいい、でもいかに手間をかけずに安く造るか、が問題にされたままな業界へ、とまい進していった?
そんな感じですかね。
つまり「輸送の革新」を問うのではなく、「いかに安く」しかコンセプトはない?
いまや日本造船業の一人当たり賃金は韓国のそれよりも安くなっているし、設備投資もケチって来たから、生産性でもかなわない? すでにして韓国との競争はほとんどギブアップに近い。
日本が大型客船の建造から撤退せざるを得なかったーー、というか。これって三菱重工さんの話になるんだけど、客船に積み込む機器類、調度品などほとんどが欧州製。だから三菱さんが長崎で客船の生産体制を組むという時、何から始めるかといえば、こうした機器類や調度品などをストックしておく場所をいかに確保するところから始めてゆかざるを得なかった!
しかも、日本国内での調達のようにジャストインタイムで手当てできるのかと言えば、つまり一日のずれも許さないような納入管理ができる購入もできないし、届いた搭載品に欠陥品が多いな、という時でも…、なんて。
まあ死んだ子の齢を数えても仕方がないですね。
チャンスはあったと思うんですよ。バルクやタンカー、あるいはLNG船でもいいですが、利益が望める船種の引き合いが同時にあっただろう時期に、日本郵船が欧州に発注したクリスタルシスターズ。
もう30年も前の話ですが、「欧州は船価助成をしているんや」なんてぼやきながら指をくわえてみているしかなかった日本造船業。
なぜ新しい分野の船にチャレンジして行くことに、そんなに保守的だったんでしょうかね?
そうそう、今日の話ですね?
最近、クルーズの海外情報も派手な話はないんですが、CINさんがカーニバルクルーズの22年の新しいアイテナリーとして、12泊前後のアメリカ西海岸から東海岸へのロングクルーズをいくつか提案する一方、4泊のショートクルーズを組みわせると書いていますね。
カーニバルと言えばまさに「標準型」クルーズのパイオニア。カリブ海で7泊を基本としたコース設定を提案し、ほとんどのクルーズを7泊8日にまとめていた。
そうした標準化によって船型も大型化させ、乗組員構成も食事や資材などの調達方法も、積み込む量も標準化することで、かすますコストダウンすることが可能になっていった。
でも今度のコロナショックで、彼らもそんな標準化一本では済まなくなると、考えているんかな?
このパンデミックは地球を相手に商売するクルーズ業、いや海運本体に対しても「新しい標準」を求めているのかもしれませんね?
はい、いままでのやり方を検討し直すべき時が来ている、んでは?
日本船の皆様、今提供しているクルーズが本当に日本のマーケットにあっているのか?
乗客が求めているものを提供されているのか?
もし再生させるためには、コロナ以前の時代に戻す? という問題意識だけでなく、新しいコンセプトを提供するという時が来ているのでは?
復旧ではなく復興です!って、どこかで聞いた言葉ですね。
今は誰も念頭にないように見えるクルーズ客船の新造船だって、世に問うチャンスかも?
いや、ラストチャンスなのかも、と思うんですがね。