浅知御免太のやり直しブログ

クルーズ崩壊を食い止めるために…、って無理かも?

ラストチャンス

 2014年8月以降、9年目もだいぶ経ちました。少し閲覧増加のペースは落ちていますが、それだけ平穏無事?なのかな。
 クルーズはしかしロシアのウクライナ侵攻やガザの虐殺もあって、再び黒い雲が覆っています。
 日本は眉をしかめていればと思っていた矢先の能登半島大地震。コロナの後は戦争や天災だなんて。しかもどさくさに紛れて敵基地攻撃能力!いや台湾有事のことさらなクローズアップ? 
 でも軍事力とは兵員ですからね。次のステップは徴兵制?国家を守る公務員! なる自衛隊の募集コピーが妙に気になります。
 装備も強化?そのうち、クルーズ船も万一のために? なんて見たくない未来ですね。
 クルーズというのは地域の海にとっての平和の使者ですよ。
 地球上どこにも、戦争はいりません。
 平和の提灯持ちとしてもうしばらく続けて行きます。
 2024年は平和の年へ。今年も微力ながら平和産業クルーズ振興を!なんて大げさでしたか?

標準化とコストダウンだけでなく!って造船だけの話じゃないです。クルーズも標準化からの飛躍が欲しい!

 「造船検証」さん。ご投稿ありがとうございます。
 標準船主義? いまや日本の造船業のトップに躍り出て、「残存大手造船企業連合」と言われるJMUすら傘下に収めようとしている今治造船。そして、中国の舟山に主力を移しつつ多角化に取り組む常石造船ーーこうした業界のリーダーさん達が、造船経営の基本に置いていたのが、まさに標準船主義でした。
 
 一定のボリュームゾーンの船型にターゲットを絞って、標準船型を開発し、極論すれば、こうした標準船以外の受注は極力避ける。
 というより、いろんな船主さんからの新造船引き合いに対して、「この船型ならお安くします」と類似船型を提案するといった営業活動をしてゆく。
 となると、船を保有、運航する側も、みな同じようなものになって行く?
 「これでどうやって競争力を発揮するんや」ーーなんてものすこぐ単純化した俯瞰ですがね。

 つまり受注生産の面倒くささ、効率のわるさを、標準型、量産型の仕組みに変えていくことでコストを下げる――そんな感じだったんですかね。でもそれが結果として、逆に競争をより激しくしていた、なんてね。

 土曜にも書きましたが、「いかなる船をいかに造るか?」とは旧IHIの南崎邦夫氏が、日本造船業の目の前の先細りを見せていた未来に対して、提唱した問いかけだったんですが、この話も単純化するとすれば、船の仕様をなるべく統一化し、造りやすく設計し、という現場屋さんからの視点以上には出て行かなかった。というかそうした受け止めがされて、やり過ごしていった? のかな。

 かくて日本の造船業は、産業のイノベーションを、船の設計屋さん。つまり誰もやらないような革新的な船を開発して競争に勝つ!という行き方でなく、同じ船でいい、でもいかに手間をかけずに安く造るか、が問題にされたままな業界へ、とまい進していった?
 そんな感じですかね。

 つまり「輸送の革新」を問うのではなく、「いかに安く」しかコンセプトはない? 
 いまや日本造船業の一人当たり賃金は韓国のそれよりも安くなっているし、設備投資もケチって来たから、生産性でもかなわない? すでにして韓国との競争はほとんどギブアップに近い。

 日本が大型客船の建造から撤退せざるを得なかったーー、というか。これって三菱重工さんの話になるんだけど、客船に積み込む機器類、調度品などほとんどが欧州製。だから三菱さんが長崎で客船の生産体制を組むという時、何から始めるかといえば、こうした機器類や調度品などをストックしておく場所をいかに確保するところから始めてゆかざるを得なかった!

 しかも、日本国内での調達のようにジャストインタイムで手当てできるのかと言えば、つまり一日のずれも許さないような納入管理ができる購入もできないし、届いた搭載品に欠陥品が多いな、という時でも…、なんて。
 まあ死んだ子の齢を数えても仕方がないですね。

 チャンスはあったと思うんですよ。バルクやタンカー、あるいはLNG船でもいいですが、利益が望める船種の引き合いが同時にあっただろう時期に、日本郵船が欧州に発注したクリスタルシスターズ。
 もう30年も前の話ですが、「欧州は船価助成をしているんや」なんてぼやきながら指をくわえてみているしかなかった日本造船業。
 なぜ新しい分野の船にチャレンジして行くことに、そんなに保守的だったんでしょうかね?

 そうそう、今日の話ですね?
 最近、クルーズの海外情報も派手な話はないんですが、CINさんがカーニバルクルーズの22年の新しいアイテナリーとして、12泊前後のアメリカ西海岸から東海岸へのロングクルーズをいくつか提案する一方、4泊のショートクルーズを組みわせると書いていますね。

 カーニバルと言えばまさに「標準型」クルーズのパイオニア。カリブ海で7泊を基本としたコース設定を提案し、ほとんどのクルーズを7泊8日にまとめていた。
 そうした標準化によって船型も大型化させ、乗組員構成も食事や資材などの調達方法も、積み込む量も標準化することで、かすますコストダウンすることが可能になっていった。
 でも今度のコロナショックで、彼らもそんな標準化一本では済まなくなると、考えているんかな?

 このパンデミックは地球を相手に商売するクルーズ業、いや海運本体に対しても「新しい標準」を求めているのかもしれませんね? 
 はい、いままでのやり方を検討し直すべき時が来ている、んでは?

 日本船の皆様、今提供しているクルーズが本当に日本のマーケットにあっているのか?
 乗客が求めているものを提供されているのか? 
 もし再生させるためには、コロナ以前の時代に戻す? という問題意識だけでなく、新しいコンセプトを提供するという時が来ているのでは?
 復旧ではなく復興です!って、どこかで聞いた言葉ですね。

 今は誰も念頭にないように見えるクルーズ客船の新造船だって、世に問うチャンスかも?
 いや、ラストチャンスなのかも、と思うんですがね。
  

三菱マンの血と汗と涙の結晶。Perlaさんの引き渡しが決まりましたか!

  このところいろんなニュースが、いろんなところから飛んで来るんで、対応が遅れちゃってますね。
 当欄としては、ウォッチし続けていたAIDAさんのニュースですが。
 海事プレスさんに抜かれてしまいましたね。

 はい。AIDAperlaさんの竣工ニュースですが、6月24日に就航すると発表したようです。実は、先週もAIDAさんからはニュースを戴いていたんですがね、いろいろあったし、ドイツ語なんで。面倒になって後回しにしていたら、さすが海事さん。

 ってまあ、もう、日本のメディアにとっては、あんまりバリューはないのかも。はい6月24日から7月1日までの7泊でマヨルカ島のパルマから処女航海。そのあと1日にパルマでお披露目パーティをやるみたいですね。
 この島は、テニスのナダルさんの故郷ですし、ジョルジュサンドさんが、ショパンとの逃避行で滞在したところですからね。行って見たいなあ。って、どこへでも行きたいのね。あなた!
 処女航海は1295ユーロからだそうです。15万円以上ですから結構な値段ですね。飛行機代?調べてないですけど、もしインクルードなら、まあそんなもんかな?

 でもって、AIDAさんのホームページを訪問してみますとね、primaさんの時ほど派手ではないですが、船内の様子が写真でアップされていましてね。まあprimaさんとあんまり変わりませんが、インテリアなどの船内の雰囲気は違いますね。地中海で運航するためか、どっちかというとパステルカラー調で、明るい感じがします。

 でもってね。船内施設ですがね。フフフ! 
 はいヌードゾーン? があるのかな? いや私の語学力ですからね。確かなことは書けませんがね。「その他の施設」のところで、ヌード!とあります。

 まあいいか。健全なんですよね、あちらの方々は! で、この船もどっちかと言えば、健康施設が目新しいですね。「禅」なんてのも、健康ゾーンにあるようですし、心臓・血管のトリートプログラムもあるそうで、最近の客船の健康志向が伺えますね。でもかなり有料サービスが多いみたいで。やっぱり高い! かな。

 でも、こういう新しいトレンドを船に持ち込むためには、新造船を創る以外に小手先対応にしかならないわけで。ドイツ、いや欧州の人々にとってのクルーズイメージは、日本人のそれとどんどんかけ離れて行くんだろうな、なんて、想像しちゃいますね。

 日本人のクルーズイメージって、「豪華」? つまり美味しい食と一流ホテル並みの宿泊施設に、ショータイム!で、「That’ ALL」みたいな感じでちょっと閉鎖的ですよよね。だけど、AIDAさんあたりを見ていると、健康ゾーンと言うか、自然的なものと人工的な施設の境界線というか接点!がクルーズ、みたいな感覚と言うかなあ。
 って、ちょっとほめ過ぎ? ヘルスセンターやないか? て。
 チョチョンノ、パ! ですか? と書いても分からんだろうな、若い人は。
 
 にしてもこれを三菱重工さんがお造りになった、と言うことに対しては「誇りに思う!」というしかないですね。やっぱり凄いもんですよ。はい。

 昔、アメリカのクルーズ船社が欧州の造船所で現代的なクルーズ船を造り始めたころ、欧州は造船で東アジアの造船所との競合に敗れ続けていて、日本が出す想定船価とコストの差額を国家助成していました。日本はOECDなんかで、かなり強硬に「合理化しないからいけないんだ」なんて文句を付けていましたし、欧州のメディアも、「アメリカ人は欧州人の血税でレジャーを楽しんでいるだけや」なんて皮肉っぽい論調で書いていましたけどね。

 さしずめAIDAさんは、「三菱マンの血と汗と涙を啜って、船遊びしている」なんて話ですかね。

 欧州側が船価助成した時の意図ですか? まずは雇用! 労働組合さん頑張りなはれ! 
 それに国防。つまり艦艇の建造能力の維持だった。なんて書いた覚えがありますね。

 いいんですかね? 安倍さん。三菱重工の技術力を散らしてしまい、その後の艦艇建造能力を棄損したり、長崎の地場の雇用を失って行って…。
 そのうち艦艇建造ヤードを維持するために国家助成を! なんて言わないで下さいね。

 いまこれだけの客船を仕上げた三菱の長崎は、世界遺産がダメなら日本の産業遺産にでも登録して建造技術の維持を図らないと…。
 ああそうか、アベサンの地盤は下関か? でもなあ、下船では大型客船は造れないもんなあ!
 
 AIDAが日本を去ろうとしてしている、今がラストチャンスのように思えてならないんですがね。
 少なくとも建造の苦労話と真相を隠さず残しておいてくださいね。長崎には、「史料館」があるんだからさあ。
 いつか来るであろう「次の日」のために。それだけでも、よろしく。
 
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