まあなあ。ピースボートの話題には、やっぱり一定の反応があるんですね。
 もっともアクセスは、このところの数日間では、最低でしたけど。まあ新しいニュースがあるわけでもなし、2010年に出版された古い本の話だから仕方がないですかね。

 しかし、その後気付いたというか、ぼんやり頭に浮かんできたんですが、この船に参加していた若い人たち、つまり2000年代に若者といわれた人たちは、自分達がこの社会で主力というか、社会を主導しているというか、目立っているというか、そんな意識を持ったことがあるんだろうか?今の今まで。なんて考えちゃったですね。
 
 まあ古市さんの「あきらめの社会」論、若者たちに「あきらめさせる」ことを強いる社会の住人なんて、分析されてしまう若者。まあいまの40歳前後は、私の息子世代でもあって、就職氷河期、ニート世代なわけですが、その連中と、その直後の世代というか。つまりいつも否定的にとらえられ、高度経済成長が終わった後の…、なんて括られて。そんなひと達かな。いわば。

 一方、これらのピースボート運動を造った連中は、吉岡氏にしろ辻元さんにしろ団塊ないし、その直後の人たちです。彼らは市民運動というカタチではあっても、まあ世代としての表出はしていた。言い方は悪いですが、いわば「平和ブランド」で、ニートを対象にした事業をして成功している。つまりこの時代にマッチしたものを提供したのは、彼らの世代と、その直後の世代ですからね。彼らにとっては、成功体験なんでしょうけど…。

 PB運動にしたって、日本社会を形成した大資本というか、「事業というのは、それが当たり前だよね」というような形で、いわゆる資本主義的な形をした企業を創設して行ったのではなくて。NPOなんていいますが、そんな概念はむしろ後付けなわけで、企業社会以外で、生まれて来たみたいなね。
 うーん文章がまずくて表現できませんが、その後、ITなんかで創業してジャパニーズドリームを実現した連中もいるけど、そんなのではなくて。

 PBは、会社組織にすることには最後まで抵抗しながらも、日本の法制というか規制に合わせて存続させてゆく過程で、ジャパングレイスを買収し、というように、企業体としての側面も持たざるを得なくなった。日本ではカンパニーを創らんとアカンヨ!なんて言われているようで。

 なんてね。

 よくわからんですが、この船に乗ってくる爺さん連中も、かつて「なんでもみてやろう」に触発されて、世界への脱出願望はあったのに、実現できなかった連中が多いような。
 実は、この本のエピソードでもうひとつ面白かったのは、この船に乗り合せた元自衛隊員の60代の話。
 「ぼくはただ世界一周がしたかっただけだよ。こんな左翼的な場所だとは思わなかった」ーーまあ旅行業としての行政指導でも入れば、「宣伝に問題あり」なんていわれちゃうのかもしれんけど、そんなの分かるだろうと思うけどね。
 つまりこんな間抜けさんが乘ってくるのもピースボート運動の広がりを意味していると思うんですけどね。

 まあ自衛隊員さんも「ピース」という言葉は、普遍的概念だと思っているんですかね。
 いや自衛隊とは「ニッポンのピースを守る人々」という自負でもあったんかな?

 依然としてジプチの自衛隊艦船に守られてクルーズする客船は、日本の船としては、ピースボートだけです。
 つまり「平和」を大切にするという自衛隊さんと、PBさんには通底するものがある、なんて皮肉を書いても仕方がないか。
 いや全然違うんだけどね。 「武装して守る平和」か、「武器を捨てて目指す平和」か? まあ、どっちでもいいか?

 平和です。にっぽん。

 男子柔道は全階級でメダルを取ったらしいですね。万々歳! でもねえ、僕は男女全階級でただ一人メダルを取れなかった女性柔道家の心が心配ですね。

 日本オリンピック軍団、じゃないんだから。