さて昨日は上京したんですが、古いお友達、なんていったら叱られるかもしれませんが、懐かしい人々に次から次へと出会いました。ひとりはアポを取っての面会でしたが、ほかの方は多少の偶然もあり、昔の世界にどんどん浸って行きましたですね。

 でもって、面白かったのはM・M氏。マリリンモンローじゃないないですよ、って古いね。
 日本のクルーズ新時代の草分けというか、1989年に始まる前から今日までクルーズ一筋。でもって、一番の成功者というか、恩恵を受けた人じゃないですかねえ? クルーズ販売専業で都心にビルまで建てちゃったんですからね。

 その伝説の巨人! というほどでもないけど、伝説の親父殿もついに、今年息子さんに表向きの仕事を譲って、第一線から退いた? わけですが、なんと今は、旅行三昧だというんですね。奥様に「老後離婚されないように」なんて、おっしゃりながら、まあ「罪滅ぼし?」かもしれませんが、ミャンマーだのアメリカ内陸部だの、現役時代、あんまり行かなかった、つまりクルーズでは出かけて行けないような場所を次々と…。
 それも、いろんな旅行会社のパッケージツアーに参加されて行かれているそうだから、「各旅行会社のパックツアーの格付けをしてくださいな」と申し上げたら、「いやだよ。旅行中でも絶対文句はいわないようにしているんだ」と、「特に名を秘す」みたいな、水戸黄門さんならぬ、お忍びさんを装っているようで。
 
 ですがね。やっぱり日本のクルーズ事業の行方には相当な危機感を持っていらして、「今年の日本のクルーズ人口は25万人を切るよ。きっと、一万人くらい減るんじゃない」と中国人の爆買いクルーズばかりが話題になり、盛り上がっているように見える日本人のクルーズの冴えない動きを嘆いておられましたねえ。
 確かに今年は、飛鳥2のロングクルーズが不調で、しかも年度内に2回もロングがあるから、そもそもクルーズ人口という意味での供給量が減っているうえ、外国船のクルーズも、日本の港への入港は爆発的に増えてはいるものの、日本人むけのアロケーションは満たせず。つまりかなり空きが目立っている。
 「来年? 日本船は今年よりは良さそうだけど、外国船は旅行会社のチャーターも減っているし…」と嘆いていましたね。

 もちろんその日本船も、「今年よりは…」というだけですからね。クルーズブームの再来? なんてもてはやしているのは、来日する中国人への対応に追いまくられている、地方港だけで。僕が現役をリタイアしたころと変わっていませんね、話の流れが。

 というか、話していて、クルーズ関連のメディアは、この人にまとめてロングインタビューでもして、「日本クルーズ30年の苦闘」とか、まとめてみたらどうですかね。もしかしたら、今現役の人たちは、同じ間違いを繰り返しているのかもしれんし…。
 あああ、そういえば、クルーズ業界の元アイドル女性経営者E・Kさんも今年中にリタイアされるとかで、挨拶回りをされているようですね。
 ならば、ここは一番、K vs.Mさんの、どかんと対論!なんて企画をしたら面白いと思いますね。「あの時はよかった」じゃなくて。そろそろ日本のクルーズも中間総括するべき時が来ている。

 でもって、Mさんからの逆取材、「三菱はどうなるんだい? 郵船は(三菱が受けなくても)飛鳥3を造れるんだろうか?」という問いかけです。そんなこと私が知るわけもなし。つまり自問自答なんですね。
 やっぱり誰もが心配しているんです、このこと。

 それにしても、何で日本のクルーズは盛りあがらないんでしょうか? との問いに関しては、ノーリプライ!
 日本はクルーズのソースマーケットではなく、単なるデスティネーション・アイランズになってゆくんでしょうか?

 って、今日は見栄を張って、知ってる英単語をどどんと並べてみたんですが、昨日の反省に立ってね。
  間違いを指摘せよ! て、話はそっちじゃないんですが…。