2025年10月15日
ユリス用フライトケース発売
カマックハープから最軽量、34弦モデルのユリスを飛行機の手荷物として預けられるタイヤ付き軽量ケースが発売されました。
高耐久性を備えたこの半硬質三層構造の輸送ケースは、飛行機での移動時にユリスを安全に保護するよう特別に設計されています。ハープの形状に完璧に適合し、衝撃を吸収して内部の移動による摩耗や損傷を防ぎます。取り外し可能なタイヤ、ハンドルとストラップを装備したユリスは、コンサートツアーでも快適にご使用いただけます。
幅 75cm
奥行 43cm(ケースのみ) 50cm(車輪取付時)
重さ 5.5Kg
価格 154,000円(税込)
2025年05月12日
日本ハープ界の草分け 阿部よしゑ 1904-1969: その足跡をたどって 田中恭子著
務している1933年にボリショイ劇場のハーピスト、クセニャ・エルデリについてハープをはじめました。のちにパリに渡ってマルセル・トゥルニエについてパリの「音楽・演劇・舞踏高等学院」のハープ科を一等賞で卒業。モスクワではプロコフィエフやショーロホフなどの文化人と交流し、パリでもラスキーヌ、シャリアピン、ルニエなどと交流がありました。第二次世界大戦末期に帰国してから戦後、まだハープ科がなかった東京音楽学校、その一年後にできた東京芸術大学の初代専任ハープ教官となった人です。田中さんは以前に「阿部よしゑ 寄稿集」を出版し、ここでも紹介させて頂きました。2024年12月09日
林忠男の「見果てぬ夢」年間57万再生を達成
見果てぬ夢」を2018年にネット配信しましたが、6年目の今年一年で約57万再生を記録しました。最初の4年間で50万再生でしたので増え続けています。多くの方に聴いていただけて感謝しかありません。累計も6年で248万再生に達し、今年の秋からはさらに急速に増えています。2023年07月03日
消費税には不思議がいっぱい
消費税とは日本国内で消費される物やサービスに対して課税される税金で、外国で消費される輸出には免除されます。当社ではハープのレッスンをしていますが、オンラインの生徒には外国から受けている人もいます。税理士によるとこのレッスンは輸出に該当するそうで免税手続きをとっています。その方のお名前と住んでいる都市以外は国籍も住所も知りません。時差を考慮するだけで輸出している自覚もありませんが「輸出免税」となっています。つまり日本にいる日本人が外国にいる日本人に売っても免税となります。では外国にいる日本人が日本に住む外国人に売ったら課税?
輸入品は日本で消費されるので輸入した時点で消費税が課税されます。それを再び外国に輸出すると再輸出免税といっていったん収めた消費税は戻ってきます。作曲の例で考えてみましょう。外国から作曲を依頼された作曲料は輸出になるので免税? 外国に依頼すると輸入になるので課税? しかしそれを加工して再び外国に売ると免税?
当社は楽曲を世界に配信している収入があります。どの国で売れたかも把握できますが、その売り上げは輸出とならずに消費税が課税されています。それは管理し、支払ってくれる会社が日本だから? それなら外国の会社に管理を依頼して外国から入金されると売上は輸出となる? そうなると日本で売れたものも免税になる? それも再輸出免税というの???
今や地球上のどこにいても仕事になる職種は多くあります。このように品物が動かない消費に対しての消費税にはすんなり納得できないものが多くあります。
2023年06月05日
ハープ弦の緒止めあれこれ
これはハープ弦を止める緒止めです。カマックでは1の木製尾止めを使いますが他のハープでは2か3の「弦の切れ端」を使います。これは弦の振動を響板に伝える役目もあるので、木製は一理あると思いました。そこで他のものも試してみたくなり、4の半円形の木で作ってみました。平らな面を響板に当ててみました。するとミュート(弱音器)に使えるのではないかと思うほど楽器の響きが止まってしまいました。5は10mmの穴あき水晶です。もちろん本物ではなくユザワヤで買ったものです。6はフェルナンブコ材で作った尾止めです。バイオリンの弓に使う高級な木材で知り合いのバイオリン屋さんから折れた弓をもらい、削って作りました。硬い木なのでカマックで使っているものより細く4.5mm(カマックのは6mm)にしてみました。このフェルナンブコ材は音を伝えるのに非常に優れた木で、そのためにバイオリンの弓に使われています。やはりこれが最も音の伸びがよく、そこで出た私なりの結論は、「なるべく硬く、しかも響板との接触面積が少ないもの」が良い、というものです。結論は細い堅木か、3のワイヤー弦の切れ端をお勧めします。
2023年04月24日
日本ハープ界の草分け 阿部よしゑ 寄稿集 (田中恭子編)
阿部よしゑは1949年(昭和24年)に東京芸術大学ができた年の初代ハープ専任教官です。この本は彼女の伝記ではなく、「音楽之友」「音楽藝術」「改造」「文藝」などの雑誌や新聞に彼女が書いたものや彼女について書かれた新聞記事、さらに彼女が寄稿文を寄せた演奏会のプログラムまで、阿部よしゑ最後の弟子でハーピストの田中恭子さんが丹念に集めたものです。
阿部よしゑ略歴 1904年(明治37年) 秋田県に生まれる
16歳で秋田高等女学校卒業して結婚、25歳で夫と死別後、上京して速記とタイプライターを学び、27歳で外務省に入省、28歳でモスクワ(当時はソ連)の日本大使館に赴任する。29歳からボリショイ劇場のハーピスト、クセニャ・エルデリについてハープを学ぶ。33歳で大使館を退職し、パリに渡ってマルセル・トゥルニエに師事。やがて第二次世界大戦が勃発するもドイツ占領下のパリで8年間ハープを学び、1944年に高等音楽学校のハープクラスを一等賞で卒業した。終戦直前に帰国し、1948年(昭和23年)に44歳で東京音楽学校(日本初の国立音楽学校で翌年に東京美術学校と統合して東京芸術大学となる)、翌年に東京芸術大学の初代専任ハープ教官となる(ヨセフ・モルナール氏が来日する3年前)。 演奏家として活躍し、1969年(アポロ11号が月面着陸した年)に65歳で逝去。
内容はトゥルニエやルニエ、ラスキーヌはもちろん、シャリアピン(バス歌手)、プロコフィエフ(作曲家)、ショーロホフ(作家)など交友のあった人のことや、ソ連やフランスの音楽界、そこでの生活など、興味深い話が多く書かれています。
編者:田中恭子 5歳から阿部よしゑについてハープを師事し、東京芸術大学と同大学院で桑島すみれ、島崎裕子に師事し、ハーピストとして活躍しながら彼女は師の足跡をたどってフランス、イスラエル、ロシアまで足を運んでいます。
この本はアマゾンで購入できます。
2022年10月12日
林忠男ハープトリオ 50万再生達成
当社が林忠男ハープトリオの11曲を配信して4年半がたち、この10月で合計50万再生を達成しました。最高は「踊りあかそう」の10万超えでした。特にアジアや南米で人気のようです。
tuneCOREから各メディアを通じて世界に配信しているのですが、日毎に売上上位ランキングが発表されます。それを見るとペルーやフィリッピン、香港、トルコなどのジャズ部門やラテン部門でその日のベストテンに何度か入っています。これを録音した45年前にはこんなことができるなんて全く想像していませんでした。
音源だけでも配信できることを知ってください。YouTubeよりも収入につながります。
2021年06月17日
ゴールド仕上げのユリス
ユリスが入荷しました。今回の色はOlive noir(濃いオリーブ色)です。ユリスはカーボン製ですので本来の色(ナチュラルカラー)がありません。したがってどの色でも特注色とならずに好みの色を指定することができます。さらに今回は今までと違ったものがあります。右の画像をクリックして拡大してみてください。
今回はじめてレバー、チューニングピン、ナットとネックプレートのすべての金属部分をゴールド仕上げにしました。これは正式にカマックのオプションに入っておりませんが裏メニューとして注文できるものです。かなり印象が変わりました。金額は93,500円アップとなります。
残念なお知らせがあります。今回のコロナ禍では業界も大きな影響を受けています。カマックの工場があるナント一帯は造船業が盛んでそのためにカーボンの工場が多くあり、カーボン製のハープもそういった専門企業の協力のおかげでできています。一介のハープメーカーでは製造工程を受け継ぐことができないカーボンの専門的技術を「カスタムワーク」に頼っています。それが今回のコロナ禍で航空セクターが危機的状況に陥り、その影響で価格が急激に上昇したようです。その値上がり分をまともに小売り価格に反映すると法外な金額となり、社会的に非難されるほどのものです。しかしカーボン製のハープは楽器業界でも未来の可能性をもつものとして製造に終止符を打つことはできません。
前置きが長くなりましたが今後カーボン製のモデルはメーカーの利益を大幅に削って出荷し、販売店(当社)の利益も大幅に削って新しい価格を提示しますが、それでも20%程度の値上げとなってしまいます。カーボン製のユリスとエレクトリックハープDHCシリーズの販売価格を次回の入荷より大幅に変更させていただきます。
現在在庫のあるこのユリスとDHC32(ブルーライト32)の2台は従来の価格で販売できます。またこのゴールド仕上げも今なら見ていただくことが可能です。
2021年04月09日
ジャネットハープがギネス記録に認定
カマックのケルティックハープ、ジャネットが「世界最高度で演奏されたハープ」としてギネス記録に認定されました。
これはアイルランドのハーピスト、シオバン・ブレディ(Siobhan Brady)が2018年9月6日にヒマラヤのシングラ峠、4954 m地点で演奏して達成したものです。発端はデズモンド・ジェントル氏が肺や消化器の難病である嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)の研究のための資金を調達するために企画されたものです。
3ヶ月間アイルランドのリムリックで低酸素トレーニングを受け、世界最高度の一つであるレー空港に移動し、そこで高度に順応してから15人のメンバーで出発しました。途中で3人が低酸素で脱落しましたが13時間後に記録達成となりました。YouTube でそこでの演奏を見ることができます。彼女は今後富士山やキリマンジェロでの演奏も計画しているようです。
実はオペラ歌手のニール・ラッチマンと二人での演奏が計画されたのですが、彼は途中でドクターストップがかかって断念しました。やはり歌手のほうが肺への負担が大きいようです。
ジャネットハープですが乾燥のためにチューニングピンが緩んでしまいましたが押し込むことで簡単に対処できたようです。
これからさらに高度の記録に挑む方へのアドバイス:ケールやホウレン草などの鉄分が豊富な食品を摂り、お茶をたくさん飲むことが大事だそうです。
2020年12月24日
グランドハープ用台車の空気入れ

まずタイヤのバルブには3種類あります。日本で一般的なママチャリに使われるのは英式(イギリス)です。主にマウンテンバイクやオートバイにつかわれるのが米式(アメリカ)、ロードバイクでは仏式(フランス)となります。そしてハーポにもトランスハープにも米式バルブが使われていますのでママチャリの空気入れでは空気を入れることができず、米式の空気入れが必要です。この3種類に対応した空気入れはたくさん売られていますので心配ありません。ところがタイヤの径が自転車よりはるかに小さいために問題があります。

空気入れのレバーを持ち上げてバルブに差し込むのですがレバーがタイヤの中心部に当たって【写真1】のように差し込めません。そこでアマゾンで見つけたのが【写真2】のバルブアダプターです。Topeakという会社から出ているPressure-rite Schrader valve adapterという商品で、小口径のタイヤに使えるようにⅬ字型をした米式→英式へ変換するアダプターです。【写真3】のようにタイヤに米式を差し込み、一般的な空気入れで使うことができます。

自転車屋さんに行ってもタイヤの径がこれほど小さいものに使える空気入れがあるとは限りません。パンクは直せても空気が入れられないということもありうるので、これらの台車をお使いの方はこのバルブ変換アダプターを持っていたほうがいいかもしれません。
2020年08月24日
ハープ弦の歴史 ナイロンからカーボンへ
炭素繊維であるフルオロカーボンが発明されたのは1959年で、糸状に開発されたのは1986年です。吸水率がほとんどゼロのこの素材はすぐに釣り糸として利用され、真価を発揮しました。比重がガットに近く、楽器の弦として応用できないかと考えたのがフランスのサバレス社です。この会社は1770年に設立され、エラールのためにハープ弦を作っていた老舗の弦楽器メーカーです。アリアンスという商品名でグランドハープ用のカーボン弦を発売しました。これはレバーハープにより可能性があると目を付けたのがカマックハープのジャケ・フランソワ氏です。弦の太さを指定して作り、レバーハープのエントリーモデルとしてエルミンが考案されました。さらにこの弦の長所を最大限に引き出すモデルとしてアジリーズが発売され、カマックの旗艦モデルとなっています。その後ユリスやエレクトリックハープのDHC32、さらに38弦のイゾルデまで使用モデルを広げてきました。
カマックハープのもう一つのモデル、エクスカリバーはドイツのキュルシュナー社のフルオロカーボン弦を使用しています。弦の素材は同じですが設計の段階で中低音弦がマルチフィラメントのサバレス社より、モノフィラメントのキュルシュナー社の方が適していると考えたからです。サバレス社のアリアンス弦は細いカーボン弦を撚り合わせて太くしていますがキュルシュナー社のフルオロカーボン弦はナイロン弦のように一本のカーボン弦となっていて張力が増します。カーボン弦の特徴は密度がガットに近いため豊かな響きであることのほかに切れにくいこと、音程が狂いにくいことにあります。これは吸水性と耐光性に優れているからです。新しい合成新素材が出るたびにそれまでの標準を凌駕していくのは自然なことです。グランドハープでは先に述べた「保守性」でどのメーカーもほとんど変わらない張力となりますから、どのメーカーのハープでも、違うメーカーの弦を使うことはできます。従ってグランドハープのアリアンス弦は汎用性があります。しかしレバーハープでは各メーカー、各モデルが使用する弦に合わせて設計されていますので汎用性はありません。今まで違うメーカーのハープにアリアンス弦を張る方はいますが、うまくいくとは限りません。お使いになる場合はあくまで自己責任でお願いいたします。
2018年11月22日
ヨセフ・モルナール先生死去
モルナールさんには私がハープの仕事についたばかりの20代のころにレッスンをお願いしたところ、何日の何時にいらっしゃいと言っていただき、約束通り伺いました。そのころは下目黒にお住まいでした。ところが7〜8人の生徒さんが並んで待っていらして、みなさん音大生や受験生でした。聞いていると、はじめて聞くすばらしい曲を習っています。隣の人に「あれはなんと言う曲ですか」と尋ねて、ピエルネのアンプロムプチュ・カプリスだと知りました。それくらい私はまだハープのことを知らないころです。2時間くらい待ってもまだまだ私の順が来ないので、お手伝いをしていた堤谷さんにお断りして帰ってしまいました。次回に約束をして再び伺うとやはり数時間待ちだとわかり、帰ろうとすると堤谷さんが「高田さんが帰ると私が怒られるので待っていてください」と言われてレッスンを受けました。そのとき、やはり男の人は音がいいですね、と褒められましたが結局レッスンを受けたのはその一度だけです。そのとき楽譜にスラーがあったので「スラーはどうやって弾くんですか」と尋ねたら「気持ちヨ〜」と言われたのが今でも記憶に残っています。生徒の誰をもハープを好きにさせてしまうレッスンで、教えることにかけても一流でした。教えるといえば、私の家族といっしょにスキーに行ったとき、まだ小学校に入るか入らないころの私の息子に3日間つきっきりでスキーを教えてくれました。根っから教えることが好きな方でした。
その後10年ほど、月に2,3度地方都市のコンサートに先生のハープを運ぶことを頼まれていっしょに全国を旅しました。往復の車中でいろいろと話をしました。生まれ故郷のオーストリアの町の話、そこを通過するジプシー(現ロマ)の生態、ウィーン少年合唱団時代に初めて食べた日本の柿の話、来日して初期の学生と20年たった当時の学生の差・・・。思い出すときりがありません。ステージは少人数編成の音教が多かったのですが、楽器をセットすると私も着替えていつも譜めくりをします。モルナールさんはしばらく休みが続くとどこを弾いているかわからなくなってしまうことがあり、小声で「イマドコ?イマドコ?」と聞かれます。これも譜めくりの仕事なんだと理解し、一回目の「イマド」あたりでさっと楽譜を示すようにいつも準備をしていました。もう一つ覚えているのはサルツェードの曲でcon sold.といってこの場合は弦の間に紙のしおりをはさみ、ピシピシとした雑音で弾く箇所がありました。これをsenza sold.ではずすのを忘れてしまったこともありました。これも譜めくりの私がそこまで気をつけていなくてはいけないのだ、と反省しました。
感心するのは、モルナールさんはアンサンブルでも楽譜通り弾かないことが多いのです。アドリブで音を変えたりグリッサンドを入れたりするのですが、そのセンス良くて譜めくりをしながらいつも感心していました。とくにフルートとハープで弾くドップラーのハンガリー田園幻想曲でのハープは、楽譜はオーケストラ縮小版のピアノ譜ですが、まったく違うまさにジプシーや東欧の民族楽器ツィンバロンの音と音形になります。これは聞き物でもう一度聞きたいと思っていましたが二度と演奏する機会がなく、とても残念です。
ですから私は、モルナールさんにはハープではなく譜めくりを師事しました。息子はスキーを師事し、娘は講習会でハープを師事し、一家でお世話になりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
2018年08月20日
ハープに使えるアンプなどの電気製品
アンプ(電気信号を増幅するものです)
ハープが焼鳥屋の鶏肉とすればアンプは「秘伝のタレ」といえます。これによって音色が大きく変わります。アンプは通常スピーカーと一体になっています。楽器用のアンプにはギターアンプ、ベースアンプ、キーボードアンプ、ボーカルアンプなど、それぞれに特化した種類がありますがハープアンプというものはありません。この中でハープに使うならギターアンプをお勧めします。さらにエレキギター用とアコースティックギター用と別れますが、アコースティックギター用が最もハープに合います。
またアンプのメーカーもたくさんありますが、ハープらしい柔らかな音を求めるならローランド社のACシリーズをお勧めします。出力に何種類かありますので使用の状況に応じてワット数を選んでください。当社ではデモ用に出力30ワットのAC-33を使っています。
シールド(ハープとアンプを結ぶコードです)
コードが外部からノイズの影響を受けたり、コード自身がノイズを発生したりするのを防ぐ(シールドする)ために金属の網線などで覆われたコードのことで、単にシールドといわれます。
カマックのマイク内蔵(エレアコ)ハープの場合はハープの出口もアンプの入り口もジャックはモノラル標準のサイズですので、両端がモノラル標準ジャックのものを使います。カマックのエレクトリックハープのようにハープの出力がステレオになっているものはハープ側にモノラル標準が2口、アンプ側はモノラル標準ジャック一つのものになります。
同じシールドでも数百円から中には1万円以上するものまで売られています。値段が高いほど音質が良い訳ではありません。むしろ高いものほど音にひずみを持たせて刺激のある音を出すようになっています。自然なハープらしい音を望むなら信頼できるメーカーの1000〜2000円程度のものでじゅうぶんです。お勧めはオーディオテクニカのATL472A(モノラル)かATL484A(ステレオ)です。長さに種類がありますが3メートルあればいいでしょう。
これは焼鳥屋の「備長炭」に相当します。決しておろそかにできません。
その他(エフェクター)
エフェクターとは楽器とアンプの間につないで音を加工する魔法の箱です。ロックバンドのエレキギターの音を聞いてください。音をつぶしたり(コンプレッサーなど)、歪ませたり(ファズなど)、揺らしたり(ワウワウなど)、伸ばしたり(エコーなど)、拡がしたり(コーラスなど)、と加工します。そう、これは焼鳥屋の七味唐辛子や山椒のようなもので、ハープでは使わない人も多くいます。
これはハープらしい音から外れるのでどのメーカーのどの製品が適しているかは言えませんがメーカーではBOSSが有名です。試しで遊んでみるなら数種類が一つになってエフェクトを組み合わせることもできる2〜3万円程度のマルチエフェクターでじゅうぶんです。
2018年08月08日
ハープの潤滑油
油というと「KURE5-56」がさかんに宣伝されていて一見潤滑油のように思いますが、これは潤滑油ではなく錆の溶解洗浄剤です。塗ったあとは見た目もきれいですが、元あった油分が洗浄され、直後はスムーズに動く感じがしますが揮発性があるのですぐに乾いて錆が発生します。あくまで錆びたネジを緩めたいときなどに使用するもので、使用後は潤滑油を塗らないと逆効果となり注意が必要です。つまりハープに使うものではありません。
ハープの金属部分にお勧めなのはやはり呉工業の「KUREシリコングリースメイト」という商品です。これはシリコン系グリースで耐水性に優れ、粘度も程よく、長期間潤滑力をキープします。さらにスプレー式で細くて長いノズルがついていますので細かいところ、アクションの奥まで届いて油がさせます。もちろんペダルの折り畳み部分やペダルスプリングなど、金属が触れ合って動く部分にも金属を傷めずに使えます。家庭にひとつ常備するとドアの蝶番(ヒンジ)や自転車の軸受部などに使えて重宝します。ただし多く使って油が下に落ちるとハープの木部や床の塗装を痛め、シミが残りますので注意が必要です。塗った後しばらく観察して油が落ちたらすぐに拭き取ってください。またディスクの軸受け部分(つまりディスクの裏側)に塗ると、たれてアクションプレートの塗装を痛めますので表面部分には使わない方がいいでしょう。
2018年08月01日
音程のずれやかすかな雑音に使えるかもしれない色鉛筆
これは単純に錆を取り除いてスムーズにしてやればいいのです。一旦弦をナットから外し、糸か細い布に金属研磨剤を塗ってナットの溝を擦るとスムーズになります。しかし一度やればこの後何年後に必要になるかわからないし、ほんのちょっとしか使わない金属研磨剤を常備しておくことは大変です。そこで簡便に使えるのが画材として売られているドイツのファーバーカステル社のポリクロモス色鉛筆です。これはプロのアーチストや大人の塗り絵に定評のある油性の色鉛筆です。純度が高くプロの使用では指で擦り、ぼかしを描くこともあるそうで粘性があって長持ちします。これをナットの溝の弦の当たる部分に塗るとスムーズになります。プロ用色鉛筆なだけに色が120色もありますが、1本選ぶなら粘性の点でシルバーがお勧めです。画材店でばら売りはあまり見かけませんがアマゾンでも300円程度で購入できます。これはバイオリン奏者が木製のナットや駒の滑りを良くするために使っていまして、私もそこからの情報です。実際にこれで解放弦の時に出るわずかなチリチリした雑音を取り除いたこともあります。これはレバーハープのレバーからの出るかすかな雑音にも使えます。しかしこの色鉛筆が油性だからと言って潤滑油に代わるものではありません。次回はこの潤滑油のお話をします。
2018年06月23日
林忠男ハープトリオ「見果てぬ夢」のCD化
以前にこのブログで当社が昔作った林忠男さんのLPレコード、「見果てぬ夢」について書きましたが、このLPがCD化されて発売されました。発売元はウルトラ・ヴァイヴというというインディーズの会社で、全国CDショップで販売されています。ジャケットは表裏ともにオリジナルのままの紙ジャケットで、このCDは当社でも販売しております。ジャケットも私が書いた解説も気に入っていないのですが、これはオリジナルのまま復刻するというコンセプトのシリーズの一つだそうです。
このジャケットの写真は、ディスクをよく見るとペダルがGディミニッシュのコードになっています。誰が最初にそれに気付いてくれるかとずっと待っていましたが、今まで40年間誰もそれを指摘してくれずにとうとう自分で書いてしまいました。
2018年05月19日
コラの音律
ある日本人のポップス系バンドがアフリカに演奏旅行に行ったときの話です。リハーサルが終わるとステージの設営をしていた現地の人が電子ピアノの所にやって来て「どうしてそんなに音が狂った楽器で演奏するんだ」と言ったそうです。ピアニストがこれは電子ピアノといって音程が絶対狂わない楽器であることを説明すると、「だって狂っているじゃないか」と言われた、と聞いたことがあります。
もちろん電子ピアノは平均律になっています。平均律とはすべての音を自然倍音から狂わせた音律です。私たちはすっかりこの音律に慣れてしまって何とも思いません。むしろチューナーで測って正確でないと狂っていると判断してしまいます。これは耳でなく、目で判断していることになります。しかし大自然に耳を傾けている人はどんな音律を持っているのか知りたかったのです。日本人も明治時代にピアノとともに平均律が入ってはじめて知った音律です。これが西洋の正しい音律だと思いこんでしまいました。
私は古典音律に興味を持っていますが平均律を否定しているのではありません。ピアノの冷徹な響きは平均律の魅力です。個人的にラフマニノフのピアノ曲は平均律の最高傑作だと思います。またやはりアフリカ系の人から生まれたジャズも平均律から生まれたものです。ジャズのコード展開は平均律でしかできません。同じ人間が環境で変化し、適応していく面白さを感じました。というよりも環境に適応する能力の高さを感じました。
2018年05月15日
コラという楽器
ある日、ハープではないけど付いているのがどうもカマックのレバーらしいので見てほしいという電話があり、お見えになった方がいます。アフリカ系の、ドアに頭が付きそうな大きな方が1メートル以上もある楽器を持って見えました。西アフリカのコラ(Kora)という楽器だそうで、確かに各弦にカマックレバーが付けられていました。一つが破損していたのでその場で交換いたしました。半音調整ができるように作ってほしいといったらこれを付けてくれたそうで、現代風にマイクも内蔵されていました。ハープ以外にもこのレバーが使われていることに感心しました。
コラは瓢箪を半分に割ったボディに革を張り、ネックが一本通されて多くの弦が張ってあるリュート系の撥弦楽器で両脇に握り棒が2本付いています。どういう音でどう演奏するのだろうと興味を持ちましたが大きな駒が外され、その駒に複雑に弦を通すようで演奏方法だけでなく音色も音階も知ることはできませんでした。その大柄な方は椅子に座ったきり微動だにせず、会話も必要以外はまったくしないという禅僧のような方でした。
その後調べてみるとこの楽器は演奏をするだけではなく、歴史上の英雄譚、遠方の情報、各家の系譜、生活教訓などをメロディーに乗せて人々に伝えることを本来の目的としているそうで、つまり中世の吟遊詩人のような役割を持っている楽器です。その為か世襲制の職業音楽家だけが演奏できる神聖な楽器のようです。最後にやっと名前だけは伺いましたのでYouTubeで検索したらその方の演奏がたくさん載っていましたのでご紹介します。この動画は本人ですがここでの楽器はお持ちいただいたものと違います。しかしこれを見てもどう演奏するのか、どういう音階になっているのかわかりませんが、とにかく演奏方法が難しそうな興味深い楽器です。
https://www.youtube.com/watch?v=xrBxm-ob-J0&feature=player_embedded
2018年04月21日
ドビュッシーの女性問題
ギャビーには「亜麻色の髪の乙女」が、リリーには「夜想曲」が、駆け落ちした時には「喜びの島」が作曲されました。その当時に#MeTooがあったらとっくに世間から抹殺されて名曲は生まれなかったでしょう。
近頃高名な芸術家、演出家のセクハラ、パワハラが問題になっています。世間では「あんなに立派な人が」と思っているのでしょうが、私に言わせれば偉大な芸術家に人格を求める方が間違っています。芸術家に限らず天才的な科学者や発明家、クリエーターなど「創造」に携わっている人は己の理想を実現するのに他人の迷惑は気にしません。欲しいものは他人の犠牲をかえりみずに手に入れるという子供のような性質を持っています。大人になっても精神は子供のままでいられるというのは動物の中で人間だけに備わっているものです。女子力ならぬその「子供力」があるからこそ芸術が生まれ、科学がこれほどまでに発達したのです。
芸術家を相手に仕事をしていると子供っぽいわがままを聞かされることがあります。彼らは決して妥協しません。権力をふりまわしたパワハラでなければ私はそれを許し、なるべく芸術家のわがままに答えるようにしたいと思っています。
2018年02月02日
林忠男の演奏を配信しました
iTunesやAmazonデジタルミュージックなどいくつかで購入できます。一曲200円、アルバム11曲1,200円となります。林忠男で検索してください。
1 I Could Have Danced All Night(踊り明かそう) トリオ
私がリクエストして入れてもらった曲です
2 Killing Me Softly With His Song(やさしく歌って) ソロ
3 Watch What Happens(瞳を見つめて) トリオ
わずか2小節の間にFからAまで半音ずつ上がる5回のコード進行がみごとです
4 Django(ジャンゴ) トリオ
5 Summertime(サマータイム) ソロ
ハープ関係者から一番リクエストが多かった曲です
6 Love’s Theme(愛のテーマ) ソロ
私と二人でアメリカに行ったとき、ハーピストのドゥウェイン・フルトンさんのライブに飛び入りで演奏し、大受けした曲です(この曲のみダブルレコーディング)
7 My Favorite Things(マイ・フェイバリット・シングス) トリオ
イギリスでCDとLPに再現された曲です
8 Misty(ミスティ) ソロ
スタンダードナンバーは彼の得意ジャンルです
9 Wave(波) トリオ
10 Satin Doll(サテンドール) トリオ
11 The Impossible Dream(見果てぬ夢) ソロ
一時期本拠にしていた横浜のレストランで、この曲を弾くと多くの人が手を止め、食事を中断して聴き入っていました
林忠男トリオ
Harp:林忠男
Bass:草ケ谷隆夫
Drams:須崎耕一
(当時本拠にしていた六本木のクラブ「エクセレント」時代のメンバー)


