2023年07月03日

消費税には不思議がいっぱい

消費税とは日本国内で消費される物やサービスに対して課税される税金で、外国で消費される輸出には免除されます。当社ではハープのレッスンをしていますが、オンラインの生徒には外国から受けている人もいます。税理士によるとこのレッスンは輸出に該当するそうで免税手続きをとっています。その方のお名前と住んでいる都市以外は国籍も住所も知りません。時差を考慮するだけで輸出している自覚もありませんが「輸出免税」となっています。つまり日本にいる日本人が外国にいる日本人に売っても免税となります。では外国にいる日本人が日本に住む外国人に売ったら課税?

 

輸入品は日本で消費されるので輸入した時点で消費税が課税されます。それを再び外国に輸出すると再輸出免税といっていったん収めた消費税は戻ってきます。作曲の例で考えてみましょう。外国から作曲を依頼された作曲料は輸出になるので免税? 外国に依頼すると輸入になるので課税? しかしそれを加工して再び外国に売ると免税?

 

当社は楽曲を世界に配信している収入があります。どの国で売れたかも把握できますが、その売り上げは輸出とならずに消費税が課税されています。それは管理し、支払ってくれる会社が日本だから? それなら外国の会社に管理を依頼して外国から入金されると売上は輸出となる? そうなると日本で売れたものも免税になる? それも再輸出免税というの???

 

今や地球上のどこにいても仕事になる職種は多くあります。このように品物が動かない消費に対しての消費税にはすんなり納得できないものが多くあります。





2023年06月05日

ハープ弦の緒止めあれこれ

緒止めこれはハープ弦を止める緒止めです。カマックでは1の木製尾止めを使いますが他のハープでは2か3の「弦の切れ端」を使います。これは弦の振動を響板に伝える役目もあるので、木製は一理あると思いました。そこで他のものも試してみたくなり、4の半円形の木で作ってみました。平らな面を響板に当ててみました。するとミュート(弱音器)に使えるのではないかと思うほど楽器の響きが止まってしまいました。5は10mmの穴あき水晶です。もちろん本物ではなくユザワヤで買ったものです。6はフェルナンブコ材で作った尾止めです。バイオリンの弓に使う高級な木材で知り合いのバイオリン屋さんから折れた弓をもらい、削って作りました。硬い木なのでカマックで使っているものより細く4.5mm(カマックのは6mm)にしてみました。このフェルナンブコ材は音を伝えるのに非常に優れた木で、そのためにバイオリンの弓に使われています。やはりこれが最も音の伸びがよく、そこで出た私なりの結論は、「なるべく硬く、しかも響板との接触面積が少ないもの」が良い、というものです。結論は細い堅木か、3のワイヤー弦の切れ端をお勧めします。




2023年04月24日

日本ハープ界の草分け 阿部よしゑ 寄稿集 (田中恭子編)

阿部よしゑ

阿部よしゑは1949年(昭和24年)に東京芸術大学ができた年の初代ハープ専任教官です。この本は彼女の伝記ではなく、「音楽之友」「音楽藝術」「改造」「文藝」などの雑誌や新聞に彼女が書いたものや彼女について書かれた新聞記事、さらに彼女が寄稿文を寄せた演奏会のプログラムまで、阿部よしゑ最後の弟子でハーピストの田中恭子さんが丹念に集めたものです。

 

阿部よしゑ略歴 1904年(明治37年) 秋田県に生まれる

16歳で秋田高等女学校卒業して結婚、25歳で夫と死別後、上京して速記とタイプライターを学び、27歳で外務省に入省、28歳でモスクワ(当時はソ連)の日本大使館に赴任する。29歳からボリショイ劇場のハーピスト、クセニャ・エルデリについてハープを学ぶ。33歳で大使館を退職し、パリに渡ってマルセル・トゥルニエに師事。やがて第二次世界大戦が勃発するもドイツ占領下のパリで8年間ハープを学び、1944年に高等音楽学校のハープクラスを一等賞で卒業した。終戦直前に帰国し、1948年(昭和23年)に44歳で東京音楽学校(日本初の国立音楽学校で翌年に東京美術学校と統合して東京芸術大学となる)、翌年に東京芸術大学の初代専任ハープ教官となる(ヨセフ・モルナール氏が来日する3年前)。 演奏家として活躍し、1969年(アポロ11号が月面着陸した年)に65歳で逝去。

 

abe_20230424内容はトゥルニエやルニエ、ラスキーヌはもちろん、シャリアピン(バス歌手)、プロコフィエフ(作曲家)、ショーロホフ(作家)など交友のあった人のことや、ソ連やフランスの音楽界、そこでの生活など、興味深い話が多く書かれています。

 

編者:田中恭子 5歳から阿部よしゑについてハープを師事し、東京芸術大学と同大学院で桑島すみれ、島崎裕子に師事し、ハーピストとして活躍しながら彼女は師の足跡をたどってフランス、イスラエル、ロシアまで足を運んでいます。


この本はアマゾンで購入できます。

 

 



2022年10月12日

林忠男ハープトリオ 50万再生達成

artist-milestone-image当社が林忠男ハープトリオの11曲を配信して4年半がたち、この10月で合計50万再生を達成しました。最高は「踊りあかそう」の10万超えでした。特にアジアや南米で人気のようです。

tuneCOREから各メディアを通じて世界に配信しているのですが、日毎に売上上位ランキングが発表されます。それを見るとペルーやフィリッピン、香港、トルコなどのジャズ部門やラテン部門でその日のベストテンに何度か入っています。これを録音した45年前にはこんなことができるなんて全く想像していませんでした。

音源だけでも配信できることを知ってください。YouTubeよりも収入につながります。



林忠男の紹介 2017.11.14

「見果てぬ夢」の配信 2018.2.02

「見果てぬ夢」のCD化 2018.6.23




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2021年06月17日

ゴールド仕上げのユリス

Ulysse3ユリスが入荷しました。今回の色はOlive noir(濃いオリーブ色)です。ユリスはカーボン製ですので本来の色(ナチュラルカラー)がありません。したがってどの色でも特注色とならずに好みの色を指定することができます。さらに今回は今までと違ったものがあります。右の画像をクリックして拡大してみてください。

今回はじめてレバー、チューニングピン、ナットとネックプレートのすべての金属部分をゴールド仕上げにしました。これは正式にカマックのオプションに入っておりませんが裏メニューとして注文できるものです。かなり印象が変わりました。金額は93,500円アップとなります。


Ulysse4残念なお知らせがあります。今回のコロナ禍では業界も大きな影響を受けています。カマックの工場があるナント一帯は造船業が盛んでそのためにカーボンの工場が多くあり、カーボン製のハープもそういった専門企業の協力のおかげでできています。一介のハープメーカーでは製造工程を受け継ぐことができないカーボンの専門的技術を「カスタムワーク」に頼っています。それが今回のコロナ禍で航空セクターが危機的状況に陥り、その影響で価格が急激に上昇したようです。その値上がり分をまともに小売り価格に反映すると法外な金額となり、社会的に非難されるほどのものです。しかしカーボン製のハープは楽器業界でも未来の可能性をもつものとして製造に終止符を打つことはできません。

前置きが長くなりましたが今後カーボン製のモデルはメーカーの利益を大幅に削って出荷し、販売店(当社)の利益も大幅に削って新しい価格を提示しますが、それでも20%程度の値上げとなってしまいます。カーボン製のユリスとエレクトリックハープDHCシリーズの販売価格を次回の入荷より大幅に変更させていただきます。

現在在庫のあるこのユリスとDHC32(ブルーライト32)の2台は従来の価格で販売できます。またこのゴールド仕上げも今なら見ていただくことが可能です。




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2021年04月09日

ジャネットハープがギネス記録に認定

Brady1カマックのケルティックハープ、ジャネットが「世界最高度で演奏されたハープ」としてギネス記録に認定されました。

これはアイルランドのハーピスト、シオバン・ブレディ(Siobhan Brady)が2018年9月6日にヒマラヤのシングラ峠、4954 m地点で演奏して達成したものです。発端はデズモンド・ジェントル氏が肺や消化器の難病である嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)の研究のための資金を調達するために企画されたものです。Brady2


3ヶ月間アイルランドのリムリックで低酸素トレーニングを受け、世界最高度の一つであるレー空港に移動し、そこで高度に順応してから15人のメンバーで出発しました。途中で3人が低酸素で脱落しましたが13時間後に記録達成となりました。YouTube でそこでの演奏を見ることができます。彼女は今後富士山やキリマンジェロでの演奏も計画しているようです。

 

Brady3実はオペラ歌手のニール・ラッチマンと二人での演奏が計画されたのですが、彼は途中でドクターストップがかかって断念しました。やはり歌手のほうが肺への負担が大きいようです。


ジャネットハープですが乾燥のためにチューニングピンが緩んでしまいましたが押し込むことで簡単に対処できたようです。

これからさらに高度の記録に挑む方へのアドバイス:ケールやホウレン草などの鉄分が豊富な食品を摂り、お茶をたくさん飲むことが大事だそうです。




2020年12月24日

グランドハープ用台車の空気入れ

当社で販売しているグランドハープの台車はハーポとトランスハープがあります。これはどちらも空気入りのタイヤが使われています。自転車と同じように空気が減ったり、パンクすることもあります。そこでこれに使える空気入れについての話です。空気入れ1

まずタイヤのバルブには3種類あります。日本で一般的なママチャリに使われるのは英式(イギリス)です。主にマウンテンバイクやオートバイにつかわれるのが米式(アメリカ)、ロードバイクでは仏式(フランス)となります。そしてハーポにもトランスハープにも米式バルブが使われていますのでママチャリの空気入れでは空気を入れることができず、米式の空気入れが必要です。この3種類に対応した空気入れはたくさん売られていますので心配ありません。ところがタイヤの径が自転車よりはるかに小さいために問題があります。空気入れ2

空気入れのレバーを持ち上げてバルブに差し込むのですがレバーがタイヤの中心部に当たって【写真1】のように差し込めません。そこでアマゾンで見つけたのが【写真2】のバルブアダプターです。Topeakという会社から出ているPressure-rite Schrader valve adapterという商品で、小口径のタイヤに使えるようにⅬ字型をした米式→英式へ変換するアダプターです。【写真3】のようにタイヤに米式を差し込み、一般的な空気入れで使うことができます。空気入れ3

自転車屋さんに行ってもタイヤの径がこれほど小さいものに使える空気入れがあるとは限りません。パンクは直せても空気が入れられないということもありうるので、これらの台車をお使いの方はこのバルブ変換アダプターを持っていたほうがいいかもしれません。




2020年08月24日

ハープ弦の歴史 ナイロンからカーボンへ

合成繊維であるナイロンが発明されたのは1935年のことです。これが楽器の弦として普及するのは第2次世界大戦後で、それまでガットとスチールしかなかったハープ弦に大きな一歩となりました。しかしながらナイロンは比重が軽く、張力がどのメーカーも同じで変化を好まない保守的なグランドハープの世界では限定的な使われ方をするだけでしたが、正式な張力の概念がないレバーハープでは真価を発揮し、すぐにガット弦に変わるものとして凌駕してしまいました。

炭素繊維であるフルオロカーボンが発明されたのは1959年で、糸状に開発されたのは1986年です。吸水率がほとんどゼロのこの素材はすぐに釣り糸として利用され、真価を発揮しました。比重がガットに近く、楽器の弦として応用できないかと考えたのがフランスのサバレス社です。この会社は1770年に設立され、エラールのためにハープ弦を作っていた老舗の弦楽器メーカーです。アリアンスという商品名でグランドハープ用のカーボン弦を発売しました。これはレバーハープにより可能性があると目を付けたのがカマックハープのジャケ・フランソワ氏です。弦の太さを指定して作り、レバーハープのエントリーモデルとしてエルミンが考案されました。さらにこの弦の長所を最大限に引き出すモデルとしてアジリーズが発売され、カマックの旗艦モデルとなっています。その後ユリスやエレクトリックハープのDHC32、さらに38弦のイゾルデまで使用モデルを広げてきました。

カーボン弦カマックハープのもう一つのモデル、エクスカリバーはドイツのキュルシュナー社のフルオロカーボン弦を使用しています。弦の素材は同じですが設計の段階で中低音弦がマルチフィラメントのサバレス社より、モノフィラメントのキュルシュナー社の方が適していると考えたからです。サバレス社のアリアンス弦は細いカーボン弦を撚り合わせて太くしていますがキュルシュナー社のフルオロカーボン弦はナイロン弦のように一本のカーボン弦となっていて張力が増します。

カーボン弦の特徴は密度がガットに近いため豊かな響きであることのほかに切れにくいこと、音程が狂いにくいことにあります。これは吸水性と耐光性に優れているからです。新しい合成新素材が出るたびにそれまでの標準を凌駕していくのは自然なことです。グランドハープでは先に述べた「保守性」でどのメーカーもほとんど変わらない張力となりますから、どのメーカーのハープでも、違うメーカーの弦を使うことはできます。従ってグランドハープのアリアンス弦は汎用性があります。しかしレバーハープでは各メーカー、各モデルが使用する弦に合わせて設計されていますので汎用性はありません。今まで違うメーカーのハープにアリアンス弦を張る方はいますが、うまくいくとは限りません。お使いになる場合はあくまで自己責任でお願いいたします。


2018年11月22日

ヨセフ・モルナール先生死去

日本ハープ協会会長のヨセフ・モルナールさんが昨日(2018年11月21日)夜に死去されました。モルナールさんの功績や人柄についてはさまざまなところに書かれていると思いますので、思い出を書いて偲びたいと思います。

モルナールさんには私がハープの仕事についたばかりの20代のころにレッスンをお願いしたところ、何日の何時にいらっしゃいと言っていただき、約束通り伺いました。そのころは下目黒にお住まいでした。ところが7〜8人の生徒さんが並んで待っていらして、みなさん音大生や受験生でした。聞いていると、はじめて聞くすばらしい曲を習っています。隣の人に「あれはなんと言う曲ですか」と尋ねて、ピエルネのアンプロムプチュ・カプリスだと知りました。それくらい私はまだハープのことを知らないころです。2時間くらい待ってもまだまだ私の順が来ないので、お手伝いをしていた堤谷さんにお断りして帰ってしまいました。次回に約束をして再び伺うとやはり数時間待ちだとわかり、帰ろうとすると堤谷さんが「高田さんが帰ると私が怒られるので待っていてください」と言われてレッスンを受けました。そのとき、やはり男の人は音がいいですね、と褒められましたが結局レッスンを受けたのはその一度だけです。そのとき楽譜にスラーがあったので「スラーはどうやって弾くんですか」と尋ねたら「気持ちヨ〜」と言われたのが今でも記憶に残っています。生徒の誰をもハープを好きにさせてしまうレッスンで、教えることにかけても一流でした。教えるといえば、私の家族といっしょにスキーに行ったとき、まだ小学校に入るか入らないころの私の息子に3日間つきっきりでスキーを教えてくれました。根っから教えることが好きな方でした。

その後10年ほど、月に2,3度地方都市のコンサートに先生のハープを運ぶことを頼まれていっしょに全国を旅しました。往復の車中でいろいろと話をしました。生まれ故郷のオーストリアの町の話、そこを通過するジプシー(現ロマ)の生態、ウィーン少年合唱団時代に初めて食べた日本の柿の話、来日して初期の学生と20年たった当時の学生の差・・・。思い出すときりがありません。ステージは少人数編成の音教が多かったのですが、楽器をセットすると私も着替えていつも譜めくりをします。モルナールさんはしばらく休みが続くとどこを弾いているかわからなくなってしまうことがあり、小声で「イマドコ?イマドコ?」と聞かれます。これも譜めくりの仕事なんだと理解し、一回目の「イマド」あたりでさっと楽譜を示すようにいつも準備をしていました。もう一つ覚えているのはサルツェードの曲でcon sold.といってこの場合は弦の間に紙のしおりをはさみ、ピシピシとした雑音で弾く箇所がありました。これをsenza sold.ではずすのを忘れてしまったこともありました。これも譜めくりの私がそこまで気をつけていなくてはいけないのだ、と反省しました。

感心するのは、モルナールさんはアンサンブルでも楽譜通り弾かないことが多いのです。アドリブで音を変えたりグリッサンドを入れたりするのですが、そのセンス良くて譜めくりをしながらいつも感心していました。とくにフルートとハープで弾くドップラーのハンガリー田園幻想曲でのハープは、楽譜はオーケストラ縮小版のピアノ譜ですが、まったく違うまさにジプシーや東欧の民族楽器ツィンバロンの音と音形になります。これは聞き物でもう一度聞きたいと思っていましたが二度と演奏する機会がなく、とても残念です。

ですから私は、モルナールさんにはハープではなく譜めくりを師事しました。息子はスキーを師事し、娘は講習会でハープを師事し、一家でお世話になりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。


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2018年08月20日

ハープに使えるアンプなどの電気製品

最近はエレクトリックハープやマイク内蔵のハープが多くの方に使われるようになりました。そこで必要になるのがアンプなどの電気製品です。人前で弾くとき、あればよかったと思う方も多いでしょう。初心者向けのものをエレキハープ奏者のSANAEさんの意見を参考に具体的な商品をご紹介しますので参考にしてください。

アンプ(電気信号を増幅するものです)
ハープが焼鳥屋の鶏肉とすればアンプは「秘伝のタレ」といえます。これによって音色が大きく変わります。アンプは通常スピーカーと一体になっています。楽器用のアンプにはギターアンプ、ベースアンプ、キーボードアンプ、ボーカルアンプなど、それぞれに特化した種類がありますがハープアンプというものはありません。この中でハープに使うならギターアンプをお勧めします。さらにエレキギター用とアコースティックギター用と別れますが、アコースティックギター用が最もハープに合います。

またアンプのメーカーもたくさんありますが、ハープらしい柔らかな音を求めるならローランド社のACシリーズをお勧めします。出力に何種類かありますので使用の状況に応じてワット数を選んでください。当社ではデモ用に出力30ワットのAC-33を使っています。

シールド(ハープとアンプを結ぶコードです)
コードが外部からノイズの影響を受けたり、コード自身がノイズを発生したりするのを防ぐ(シールドする)ために金属の網線などで覆われたコードのことで、単にシールドといわれます。
カマックのマイク内蔵(エレアコ)ハープの場合はハープの出口もアンプの入り口もジャックはモノラル標準のサイズですので、両端がモノラル標準ジャックのものを使います。カマックのエレクトリックハープのようにハープの出力がステレオになっているものはハープ側にモノラル標準が2口、アンプ側はモノラル標準ジャック一つのものになります。

同じシールドでも数百円から中には1万円以上するものまで売られています。値段が高いほど音質が良い訳ではありません。むしろ高いものほど音にひずみを持たせて刺激のある音を出すようになっています。自然なハープらしい音を望むなら信頼できるメーカーの1000〜2000円程度のものでじゅうぶんです。お勧めはオーディオテクニカのATL472A(モノラル)かATL484A(ステレオ)です。長さに種類がありますが3メートルあればいいでしょう。
これは焼鳥屋の「備長炭」に相当します。決しておろそかにできません。

その他(エフェクター
エフェクターとは楽器とアンプの間につないで音を加工する魔法の箱です。ロックバンドのエレキギターの音を聞いてください。音をつぶしたり(コンプレッサーなど)、歪ませたり(ファズなど)、揺らしたり(ワウワウなど)、伸ばしたり(エコーなど)、拡がしたり(コーラスなど)、と加工します。そう、これは焼鳥屋の七味唐辛子や山椒のようなもので、ハープでは使わない人も多くいます。

これはハープらしい音から外れるのでどのメーカーのどの製品が適しているかは言えませんがメーカーではBOSSが有名です。試しで遊んでみるなら数種類が一つになってエフェクトを組み合わせることもできる2〜3万円程度のマルチエフェクターでじゅうぶんです。



2018年08月08日

ハープの潤滑油

ハープにはアクションやペダルなど動く部分に金属が使われています。金属は動くことによって消耗することを防ぐ目的で使われます。そのため、これらの部分には時々潤滑油が必要です。

油というと「KURE5-56」がさかんに宣伝されていて一見潤滑油のように思いますが、これは潤滑油ではなく錆の溶解洗浄剤です。塗ったあとは見た目もきれいですが、元あった油分が洗浄され、直後はスムーズに動く感じがしますが揮発性があるのですぐに乾いて錆が発生します。あくまで錆びたネジを緩めたいときなどに使用するもので、使用後は潤滑油を塗らないと逆効果となり注意が必要です。つまりハープに使うものではありません。

潤滑油ハープの金属部分にお勧めなのはやはり呉工業の「KUREシリコングリースメイト」という商品です。これはシリコン系グリースで耐水性に優れ、粘度も程よく、長期間潤滑力をキープします。さらにスプレー式で細くて長いノズルがついていますので細かいところ、アクションの奥まで届いて油がさせます。もちろんペダルの折り畳み部分やペダルスプリングなど、金属が触れ合って動く部分にも金属を傷めずに使えます。

家庭にひとつ常備するとドアの蝶番(ヒンジ)や自転車の軸受部などに使えて重宝します。ただし多く使って油が下に落ちるとハープの木部や床の塗装を痛め、シミが残りますので注意が必要です。塗った後しばらく観察して油が落ちたらすぐに拭き取ってください。またディスクの軸受け部分(つまりディスクの裏側)に塗ると、たれてアクションプレートの塗装を痛めますので表面部分には使わない方がいいでしょう。


2018年08月01日

音程のずれやかすかな雑音に使えるかもしれない色鉛筆

ハープは人間に似ています。新しくて固い音も弾き込むうちに音がのびやかに成長します。でも長い年月のうちにあちこちガタが出てきます。

ナットグランドハープの場合、解放弦でチューニングしてもペダルを動かしていると、チューニングピンが戻るわけでもないのに解放弦の音が下がってしまうハープがあります。この原因のひとつにナットの錆で接触部分の抵抗が増すことが原因と考えられます。人間で言えば四十肩程度でしょうか、入院や手術の必要はないけど日常生活でかなりのストレスを与え、支障をきたします。弦はチューニングピンからナットに来て、ふたつのディスクを経て響板に達します(画像上からチューニングピン、ナット、ディスク)。チューニングピンを調節して音程が合うということはナットより下の部分の音程が合っているということです。しかしナットに錆があるとその抵抗で張力がうまく伝わらず、ナットより上の張力がその下の音になる部分の張力と異なってしまうのです。するとペダルを踏んだ時にナットより上の部分を引き下げ、ペダルを戻すと前の音程を下げてしまうのです。

色鉛筆これは単純に錆を取り除いてスムーズにしてやればいいのです。一旦弦をナットから外し、糸か細い布に金属研磨剤を塗ってナットの溝を擦るとスムーズになります。しかし一度やればこの後何年後に必要になるかわからないし、ほんのちょっとしか使わない金属研磨剤を常備しておくことは大変です。そこで簡便に使えるのが画材として売られているドイツのファーバーカステル社のポリクロモス色鉛筆です。これはプロのアーチストや大人の塗り絵に定評のある油性の色鉛筆です。純度が高くプロの使用では指で擦り、ぼかしを描くこともあるそうで粘性があって長持ちします。これをナットの溝の弦の当たる部分に塗るとスムーズになります。プロ用色鉛筆なだけに色が120色もありますが、1本選ぶなら粘性の点でシルバーがお勧めです。画材店でばら売りはあまり見かけませんがアマゾンでも300円程度で購入できます。これはバイオリン奏者が木製のナットや駒の滑りを良くするために使っていまして、私もそこからの情報です。実際にこれで解放弦の時に出るわずかなチリチリした雑音を取り除いたこともあります。

これはレバーハープのレバーからの出るかすかな雑音にも使えます。しかしこの色鉛筆が油性だからと言って潤滑油に代わるものではありません。次回はこの潤滑油のお話をします。



2018年06月23日

林忠男ハープトリオ「見果てぬ夢」のCD化

8c135527.jpg以前にこのブログで当社が昔作った林忠男さんのLPレコード、「見果てぬ夢」について書きましたが、このLPがCD化されて発売されました。発売元はウルトラ・ヴァイヴというというインディーズの会社で、全国CDショップで販売されています。

ジャケットは表裏ともにオリジナルのままの紙ジャケットで、このCDは当社でも販売しております。ジャケットも私が書いた解説も気に入っていないのですが、これはオリジナルのまま復刻するというコンセプトのシリーズの一つだそうです。

このジャケットの写真は、ディスクをよく見るとペダルがGディミニッシュのコードになっています。誰が最初にそれに気付いてくれるかとずっと待っていましたが、今まで40年間誰もそれを指摘してくれずにとうとう自分で書いてしまいました。

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2018年05月19日

コラの音律

前回アフリカの撥弦楽器コラについて書き、そこで私はこの楽器の音階を知りたかったと書きました。これは余談ですがその続きを書きたいと思います。

ある日本人のポップス系バンドがアフリカに演奏旅行に行ったときの話です。リハーサルが終わるとステージの設営をしていた現地の人が電子ピアノの所にやって来て「どうしてそんなに音が狂った楽器で演奏するんだ」と言ったそうです。ピアニストがこれは電子ピアノといって音程が絶対狂わない楽器であることを説明すると、「だって狂っているじゃないか」と言われた、と聞いたことがあります。

もちろん電子ピアノは平均律になっています。平均律とはすべての音を自然倍音から狂わせた音律です。私たちはすっかりこの音律に慣れてしまって何とも思いません。むしろチューナーで測って正確でないと狂っていると判断してしまいます。これは耳でなく、目で判断していることになります。しかし大自然に耳を傾けている人はどんな音律を持っているのか知りたかったのです。日本人も明治時代にピアノとともに平均律が入ってはじめて知った音律です。これが西洋の正しい音律だと思いこんでしまいました。

私は古典音律に興味を持っていますが平均律を否定しているのではありません。ピアノの冷徹な響きは平均律の魅力です。個人的にラフマニノフのピアノ曲は平均律の最高傑作だと思います。またやはりアフリカ系の人から生まれたジャズも平均律から生まれたものです。ジャズのコード展開は平均律でしかできません。同じ人間が環境で変化し、適応していく面白さを感じました。というよりも環境に適応する能力の高さを感じました。


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2018年05月15日

コラという楽器

カマックレバーは各ハープメーカーに供給され、イギリスやアメリカなどのレバーハープにも採用されています。その縁でカマックレバーを使った楽器を調整に訪れる方もいて、私もはじめて見るハープが多く、勉強になります。

Kora1ある日、ハープではないけど付いているのがどうもカマックのレバーらしいので見てほしいという電話があり、お見えになった方がいます。アフリカ系の、ドアに頭が付きそうな大きな方が1メートル以上もある楽器を持って見えました。西アフリカのコラ(Kora)という楽器だそうで、確かに各弦にカマックレバーが付けられていました。一つが破損していたのでその場で交換いたしました。半音調整ができるように作ってほしいといったらこれを付けてくれたそうで、現代風にマイクも内蔵されていました。ハープ以外にもこのレバーが使われていることに感心しました。

Kora2コラは瓢箪を半分に割ったボディに革を張り、ネックが一本通されて多くの弦が張ってあるリュート系の撥弦楽器で両脇に握り棒が2本付いています。どういう音でどう演奏するのだろうと興味を持ちましたが大きな駒が外され、その駒に複雑に弦を通すようで演奏方法だけでなく音色も音階も知ることはできませんでした。その大柄な方は椅子に座ったきり微動だにせず、会話も必要以外はまったくしないという禅僧のような方でした。

Kora3その後調べてみるとこの楽器は演奏をするだけではなく、歴史上の英雄譚、遠方の情報、各家の系譜、生活教訓などをメロディーに乗せて人々に伝えることを本来の目的としているそうで、つまり中世の吟遊詩人のような役割を持っている楽器です。その為か世襲制の職業音楽家だけが演奏できる神聖な楽器のようです。

最後にやっと名前だけは伺いましたのでYouTubeで検索したらその方の演奏がたくさん載っていましたのでご紹介します。この動画は本人ですがここでの楽器はお持ちいただいたものと違います。しかしこれを見てもどう演奏するのか、どういう音階になっているのかわかりませんが、とにかく演奏方法が難しそうな興味深い楽器です。
https://www.youtube.com/watch?v=xrBxm-ob-J0&feature=player_embedded


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2018年04月21日

ドビュッシーの女性問題

ドビュッシーがまだ若くて貧しいころ、ギャビーという女性がお針子などをしながら彼を支えました。しかし彼はギャビーの友人であるリリーと恋仲になり結婚します。そのためギャビーはピストルで自殺を図りました。その後に今度は裕福な銀行家夫人のエンマとW不倫の上、イギリスのジャージー島に駆け落ちしました。このとき妻のリリーもピストルで自殺未遂を図りました。

ギャビーには「亜麻色の髪の乙女」が、リリーには「夜想曲」が、駆け落ちした時には「喜びの島」が作曲されました。その当時に#MeTooがあったらとっくに世間から抹殺されて名曲は生まれなかったでしょう。

近頃高名な芸術家、演出家のセクハラ、パワハラが問題になっています。世間では「あんなに立派な人が」と思っているのでしょうが、私に言わせれば偉大な芸術家に人格を求める方が間違っています。芸術家に限らず天才的な科学者や発明家、クリエーターなど「創造」に携わっている人は己の理想を実現するのに他人の迷惑は気にしません。欲しいものは他人の犠牲をかえりみずに手に入れるという子供のような性質を持っています。大人になっても精神は子供のままでいられるというのは動物の中で人間だけに備わっているものです。女子力ならぬその「子供力」があるからこそ芸術が生まれ、科学がこれほどまでに発達したのです。

芸術家を相手に仕事をしていると子供っぽいわがままを聞かされることがあります。彼らは決して妥協しません。権力をふりまわしたパワハラでなければ私はそれを許し、なるべく芸術家のわがままに答えるようにしたいと思っています。


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2018年02月02日

林忠男の演奏を配信しました

前回に私が40年前に自費出版した林忠男さんのLP「見果てぬ夢」を載せ、サマータイムの音源を紹介したところ、多くの方から違う曲も聞きたい、という声が寄せられました。またある方から、昨年にこのレコードがヤフオクに出品されて46,000円で落札されていたということを聞きました。これは元の20倍で、私にとっては事件です。そこで全11曲をネット配信することにいたしました。こんなことならホールを延長してあちこち録り直せばよかった、ジャケットはカラー印刷にしてインスタ映えすればよかったと悔んでいます。

iTunesやAmazonデジタルミュージックなどいくつかで購入できます。一曲200円、アルバム11曲1,200円となります。林忠男で検索してください。

1  I Could Have Danced All Night(踊り明かそう) トリオ
   私がリクエストして入れてもらった曲です
2  Killing Me Softly With His Song(やさしく歌って) ソロ
3  Watch What Happens(瞳を見つめて) トリオ
   わずか2小節の間にFからAまで半音ずつ上がる5回のコード進行がみごとです
4  Django(ジャンゴ) トリオ
5  Summertime(サマータイム) ソロ
   ハープ関係者から一番リクエストが多かった曲です
6  Love’s Theme(愛のテーマ) ソロ
   私と二人でアメリカに行ったとき、ハーピストのドゥウェイン・フルトンさんのライブに飛び入りで演奏し、大受けした曲です(この曲のみダブルレコーディング)
7  My Favorite Things(マイ・フェイバリット・シングス) トリオ
   イギリスでCDとLPに再現された曲です
8  Misty(ミスティ) ソロ
   スタンダードナンバーは彼の得意ジャンルです
9  Wave(波) トリオ
10  Satin Doll(サテンドール) トリオ
11  The Impossible Dream(見果てぬ夢) ソロ
   一時期本拠にしていた横浜のレストランで、この曲を弾くと多くの人が手を止め、食事を中断して聴き入っていました

林忠男トリオ
 Harp:林忠男
 Bass:草ケ谷隆夫
 Drams:須崎耕一
(当時本拠にしていた六本木のクラブ「エクセレント」時代のメンバー)


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2017年11月14日

ジャズハーピスト 林忠男

これは林忠男というハーピストの演奏で「サマータイム」です。これを聴きながらお読みください。


林忠男もう知らない人の方が多くなりましたがジャズピアノから転向した林忠男さんというハーピストがいました。自然体でジャズを弾く人でした。耳に心地よく、聞いていて疲れない演奏で好きでした。さらに人柄も良く、また年齢も家も近いので若いころは毎週のように行き来していました。まだハープでジャズを弾く人が珍しく、トリオで活動する人もいなかった1970年代に林さんの演奏は特出していましたが、ハープの世界以外ではほとんど無名でした。そこで私は彼のトリオも一部加えて「見果てぬ夢」というタイトルの11曲のLPレコードを作ることにしました。この「サマータイム」はその中の一曲です。まだCDの影も形もなかった40年前のことです。1000枚作ってハープ関係者と彼のライブなどで販売したプライベート版です。この為か、その後大手のビクターから3枚のフュージョン系アルバムを出すことになって活躍の場が世界に広がりました。

その後CDの時代となってこの私家版レコードのことはすっかり忘れ去られていました。ところが2、3年前よりジャズファンと思われる方からこのレコードについて問い合わせの電話が来るようになりました。ジャケットの「企画:高田ハープサロン」や「プロデューサー:高田明洋」の名前からネット検索してくるようです。「古くても、高くてもいいからオリジナルのLPは手に入らないか」というのです。これって昔つきあっていた女が「あなた40年前にそう言ったじゃない」というようなものです。なんで今頃になってそんな昔のことを言い出すの、と思っていたらさらにイギリスのJazzman Records Ltdという会社からこのアルバムの一曲 「マイ フェイバリット シングス」を収録したCDとLPを作りたいという話が舞い込んできました。「とぼけないでよ。スマホに音声が残っているんだから」というわけで何故かイギリスで一曲だけ甦ることになりました。「Spiritual Jazz 8 - Japan」というタイトルで、日本のジャズ・オムニバスだそうです。年内に発売予定で、まもなくアマゾンでも購入できます。発売されましたらここにリンクを追記します。

この「見果てぬ夢」は私が高田ハープサロンをはじめて4年目の1977年に制作しました。
あれから40年・・・・・。
久しぶりに彼のレコードを聴きながらこれを書いているうちにさまざまな記憶が湧き出してきました。この制作に限らずなんの目算もなくやりたいことをやり、何度も行き詰った“紆余曲折”、意図も執着もしないで成り行きのまま流された“行雲流水”・・。どちらの言葉も当てはまる私の半生の一ページです。


林 忠男(はやし ただお)
1941年1月、横浜生まれ。
国立音大付属高校に在学中の17歳で内田晃一コンボに加わり、ジャズピアニストとしてプロ入り。吉本栄とバードランド・ファイブ時代の20歳の時にジャズハープのドロシー・アシュビーのレコードに触発されてハープをはじめ、以後ハーピストに転身し活躍する。
2001年7月、フィリッピンのマニラ近郊にて死去。享年62歳。
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2017年09月19日

カマックハープ コンサートグランドハープの新モデル発表会

今年7月に香港でのワールドハープコングレスにおいて先行展示したアールヌーボーとキャノピーの2モデルの発表会と演奏会を11月にパリで行います。

 <カマックハープのショールームがアトリエに変身します>

年月日: 2017年11月11日(土) 

時間: 10:00〜19:00 場所: L’Espace Camac
象嵌、彫刻、彩色、組み立ての職人が目の前で実演します
   実演: ジョセリーヌ・レアル、ジャン・ベルナール・ジュトゥ ほか

時間:20:30〜 場所: Salle Cortot 
リサイタル
   出演: シルバイン・ブラッセル イザベル・モレッティ

どちらも入場無料ですが予約が必要です。予約は当社にご連絡ください。

         アールヌーボーとキャノピーの紹介ビデオ






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2017年07月25日

フルオロカーボン弦の新製品リポート

カマックハープでは新製品としてフルオロカーボン弦を張ったケルティックハープ、テレンカディーとエクスカリバーの2種を発売いたしました。やっと2台が入荷しましたのでその使用リポートです。


テレンカディー

Kadiouこれは軽さを追求してできた34弦ハープです。まず楽器への負荷を減らすために特別に設計したフルオロカーボン弦で張力を減らしています。さらに従来より低音のNo.29A線までフルオロカーボン弦にし、以下5本のワイヤー弦も従来のピアノ線を使ったものでなく、マルチフィラメントという多繊維を束ねた弦で張力を弱めています。34弦すべてがこのモデル専用弦となります。

弦の張力を弱めた結果、前柱と腕木が通常のケルティックハープより5佛くして35个砲覆蠅泙靴拭さらに柱と腕木は従来の合板でなく1枚板で作られています。これは音質を重視したものです。

また響胴の厚みも薄くして丸胴でなくパネル状になりました。これは響胴にかかる負荷を分散するためです。

その結果、本体重量は約8Kg となりました。

音質は響きが軽く明るい音です。低音も軽く、ワイヤー弦の音の減衰もずっと早くて他の弦とあまり変わりません。比較すればアルパの低音に近いと言えます。低音の余韻を止めたりしないで早いパッセージも弾きやすいと思います。

あまり演奏に力を入れず、軽く弾く楽器です。このモデルは「気軽に外に持ち出してどんな環境でもストレスなく弾ける」ように作られました。そのためマイクとプリアンプを内蔵したエレアコ仕様が標準です。ハープの下部に出力ジャックが付き、数万円のアンプで広いホールでも軽く演奏できます。さらに電池駆動のアンプを使えば電源のない屋外広場でも演奏できます。


エクスカリバー

Exアーサー王伝説に登場する剣の名前を持つこのモデルはカマックハープでは珍しく艶出し塗装で、新鮮で高級感があります。この38弦モデルはテレンカディーとと違って同じフルオロカーボン弦なのにかなり強い張力となります。しかし張力の割には指への負担が少なく、華やかで伸びのある上品な音です。軽く弾いても芯のある丸みのある音で、しっかり弾くと驚くほどの音量がでます。ハーピストの表現力がさらに増すモデルだと思います。

私はこの楽器の高音に驚きました。この透明感のある伸びやかな音は個人的にグランドハープに求めていたものです。これは弦のせいなのか、楽器の設計のせいなのかまだわかりませんが、一度太さを測りながらグランドハープにもこの弦を試してみようと思います。


フルオロカーボン弦とは

ドイツのキルシュナー社がハープ用にカロランというブランドで発売しているフッ化炭素と呼ばれる一種のカーボン製の弦です。アリアンス弦もカーボンですが違いはアリアンスが繊維状の弦であるのに対し、フルオロカーボン弦は1本の円筒状で、一見ナイロン弦にも見えます。特徴はどちらも熱や化学反応にきわめて強く、切れにくくてで温度や湿度の変化にも音程は影響されません。

イゾルデのクラシックタイプにもこの弦が張られていますが、イゾルデ用とテレン・カディー用、エクスカリバー用とすべて太さを変えて専用弦として作っております。したがって他のモデルに使うことができず、汎用性はありません。

テレンカディーは入荷後にすぐに売れてしまいましたが、エクスカリバーは展示してあります。興味がありましたらぜひ試奏にいらしてください。



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高田 明洋 (たかだ...

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