2006年07月06日

マスコミ不信

CH−K編集部 伊藤 圭一

 

 先日、ある大学の講義にゲストスピーカーとして参加した。講義のテーマは「社会安全」。安全保障論とか、社会治安などの講義は目にするが、社会安全というのは初耳だ。教授は、警察庁の行政官として20年以上のキャリアを持つ現役の警視長で、現在大学に出向中だ。
 
 「ネット社会と安全」について感想を述べよ、というご指示だったが、まあ、このコラムなどを通じて、既存マスコミとネットの関係性を検証してきた経験を約100人の聴講者に話してみた。ゲストとしては、あまりよい成績を残せなかったのだが、その後、聴講生から多数の質問をもらった。
 
 「被害者のプライバシーはどう担保するのか」「社内検閲はあるのか」「記者クラブの情報独占をどう思うか」「わざと不正確に報道していないか」「自分が間違っていると感じないか」「2チャンネルは恐いライバルか」「マスコミは批判中心で、現状打開策がない」など。
 
 「プロ」の立場から言えば、ほぼすべての質問に対して、議論を経た回答が用意されている。一つひとつの質問には、なるべく理解を得られるよう、回答を送ったのだが、ただ一点、答えに窮する部分があった。それは、これらの質問の底流にある「マスコミ不信」へ、どう答えるかだ。
 
 既存マスコミは、社会正義や知る権利をスプリングボードにして事実に迫っていく。これはとても大切なことで、価値ある行為だと信じている。だが、それは、読者、読み手の共感を得て初めて成立する。もし、そこに不信感があったら、いくら素晴らしいジャーナリズム活動もぼやけてしまう。「不信」の払拭にはなにが必要か。また大きな問題を提議された。


ch_k at 10:51│Comments(12)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by うへ〜   2006年07月06日 13:26
マスコミと電通の関係を正していけますか?
2. Posted by とくしげ   2006年07月06日 16:44
>社会正義や知る権利をスプリングボードにして事実に迫っていく。
を行っているマスコミ企業がどれくらいあるか。
たとえ個人々々の記者が良心的であったとしても、企業体質が大きくそれを捻じ曲げている感じがします。
記者クラブ報道とパパラッチ的スクープ報道という体質をまず見直すべきではないでしょうか。
当事者のもっとつっこんだ分析が欲しい…
3. Posted by 通りすがり   2006年07月06日 19:10
>>これらの質問の底流にある「マスコミ不信」へ、どう答えるかだ。

マスコミ不信は底流にあるどころではないと思いますが。


>>また大きな問題を提議された。

今ごろ提起されたと思ってること自体がおかしいと思いますが。
4. Posted by パ印謹製   2006年07月06日 23:50
2 まずマスコミは事実をありのままに正確に伝えることではありませんか。
マスコミ不信はあなたがたの側が招いていることに気づいてほしい。
在日の通名報道は犯罪に関するかぎり、国民に誤解を与えてしまう。
過去にイギリス人女性を殺害した織原丈治など海外では日本人として報道され、日本人は変質者が多いみたいなことになっている。
5. Posted by 空の空   2006年07月07日 13:30
紹介されていた学生からの批判の中で
「2ちゃんねるは怖いライバルか」「マスコミは批判中心で、現状打開策がない」とある。はぁ?こんな質問を臆面できる学生って、どういう脳みそをしているのだろう。大学のレベルもここまで落ちたか、暫く開いた口が塞がらなかった。ひとつの事実をめぐるマスコミの切り口や見方は、様々異なったものがあり、そこから編集されたものが報道されるわけで、その編集と取捨選択の過程に不信の目が向けられているのはなかろうか?良くも悪くも現状のマスコミ報道の中で、上から与えられる江戸時代ではなく、必要であれば様々な意見や報道に当たって自分の頭で考え、政策や対案ほどの完璧さはなくとも、自らの言葉で語れる根拠や論理をもった自分の考えを立てる。そうした個人の集合体が世論であり、マスコミを動かすバネになるのではないか?
6. Posted by プ印謹製   2006年07月07日 13:32
>>4
パ印謹製さん、どこの政治結社の方かしらないが、相変わらず、スレッドのタイトルと流れを無視して、一方的な議論のすり替えをしようと必死のようですね。
7. Posted by 大学生   2006年10月12日 09:52
大変遅れて恐縮ですが、コメントさせていただきます。

私はこの講義を受けた大学生の一人です。
ブログ炎上問題等についてのお話を伺えて、大変興味深い講義でした。ありがとうございます。

ただ、記憶が正しければ、最後の質疑応答では1つしか(たしか、マスコミに対する監視機関の有無についてのもの)質問が出ず、結局伊藤さんが「2ちゃんについてどうおもうか」「ブログをもっているか」などの質問を生徒にする、という形であったように思います。

その後、授業の出席代わりに質問を提出するよう教授に言われ、質問を提出したように記憶しております。

伊藤さんの文章の通り受け取ると、質疑応答時に多くの質問が寄せられたように受け取れるので、捕捉としてコメントさせていただたきました。

8. Posted by Aladdin Lamp Oil   2006年12月08日 15:43
5 There is some strange behaviour with this :(
9. Posted by robots tallin   2007年01月05日 15:20
5 We are all our own inappreciable selves.
10. Posted by dallas holmes   2007年02月06日 07:46
1 It is of age.
11. Posted by 則   2007年09月02日 16:01
マスコミを牛耳る電通等、広告代理店は全て潰す、もしくは小さく分割させなければいけません。
12. Posted by oxlybsu hrkxbvyi   2008年05月24日 02:03
1 mtoufgaw mgaxpvkl buqsv mdlcyhawz dvksyqhuw nzboxua ipabxfd

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