2015年05月11日

ミリオン2ndクイック(ではない)レポート(その8・完)

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 2ndLIVE ENJOY H@RMONY!! 2日目のレポートです!

その1はこちら。
その他ライブレポはこちらからどうぞ。



ラストスパート! と言いたいところですが濃いよ。とんこつラーメン連発覚悟でよろしく。
その前に、


休憩 おやすみー

PSLを振り返りつつ。キャラバン編とCD新シリーズもあり、
来年はミリオンで200曲越えかー、なんていうねw
無茶な早さだとは思いつつも、ミリオン最大の強みでもあると思うので、
いい曲をリリースしてもらいたいところです。



20 Believe my change! Machico

「翼がよくわからない」

2日目のライブ開場前、あるPさんに、そう言われまして。
これ、自分も最初に『Believe my change!』を聴いた時はそうでしたし、
おそらくかなり多くの人がこの時点でそういう印象を持っていたと思うんですね。

それもそのはずで、LTP06で美希、麗花、ジュリアの3人に混じって
マイペースのスーパーゆとりっぷりを見せていたわけです。伊吹翼という子は。
それがどういうわけだか2曲目の持ち歌に『Believe my change!』が来て、
カラダ前のめりにだとか、探せ! 新しいセカイを  本気だけが見てる
だとか歌い始めちゃった。こりゃ一体どういうことだ? ってなりますわな。

オールマイティで何でも器用にこなす、できちゃうところは美希のようであり、
性格も覚醒前の美希のようなマイペース。
それが何を、どういうきっかけでそんなマジな感じになっちゃったのか?
そこがわからない、という人はかなりいるんじゃないでしょうか。

その問いに対して、自分はこう答えました。

翼を走らせたのは未来ではないか

PSLで乙女ストームを組んだ時に、翼は未来のツッコミ&フォロー役になっていたんです。
そうなった理由はわからなかったのですが、
天真爛漫、おおらか、マイペース、ボケ、のポジションを競った結果、翼は未来に競り負けた。
これは事実として乙女ストームのストーリーの中に刻まれているわけです。
そこでまず仮説として、
翼は未来を自分より凄いヤツ、天才、大物、その類だと認識したのではないか?
という説を提案してみたのです。

すると「翼がよくわからない」と言ったPさんが、「あっ」って顔をして、言いました。
「それ、あれです! ゲッサンのミリオンの漫画で、未来が翼とごまえを歌った時の!」
自分はコミック1巻を買って読みましたが連載の最新話をチェックしていなかったので、
静香の代理で翼と一緒に『GO MY WAY!!』を歌う、というステージシーンをまだ見ておらず、
そのPさんから教えてもらったのですが、そこで未来は恐るべき才を発揮していたんです。
※気になる人はゲッサンのミリオン漫画をチェックや!

で、それを翼は未来の一番近くで見た、体感したということになる。

だとしたら、そりゃ走るよ!

翼がよほどのバカでもない限り、走りますよ。
ヤバい、今走り出さなきゃマズいって。
正しくは自分自身に危機感を覚えて、走らずにはいられなくなった、かな。

もうちょい細かく書くと、ゲッサンの(ミリオン本体でもおそらく)翼は、
なんでもできちゃう子なんですね。練習熱心な静香に、静香よりうまく踊れたら帰っていい?
なんて訊いて、本当にサッと静香以上にダンス決めて帰っちゃうぐらい。
だけども、そんな翼がただひとつだけできないことがあって、
逆に事務所に入ったばかりで何も上手にできない未来は、翼ができないそれだけができる。
それは何か?

ステージで輝くことです。

初日の『ユニゾン☆ビート』の記事で、
ステージに立ったらもううまいとかヘタじゃないんですよ。
そこでどれだけ客席の心を掴めるか、動かせるかであって、方法は問わないんです。
ルールも必勝法もない。

ということを書きました。これ、そのまんまゲッサンの翼と未来なんですよね。

翼は本当に何でもできる。歌もダンスもアピールもトークも間違いなく未来より上手い。
だけど有り余るほどの才能を持っていながら、翼はステージで未来より輝くことができなかった。
優れた能力があっても、それをどう使えばステージで輝くことができるのか?
翼はそれだけが分かっていないんです。※これはゲッサンの漫画内で、ゲーム本体だと違うかもしれません

そんな翼が、自分よりもスキルが全然低い未来が輝くのを間近で見てしまった。
だから翼はもうマイペースではいられなくなった、ということなんです。
あくまでもこれは自分の独自の解釈ですが。

ここまで読んだところで、歌詞を見ながら『Believe my change!』を聴いてみてください。
今まで謎だった歌詞の部分が次々とクリアになっていくと思いませんか?

なぜそんなに急に変わりたいと願うようになったのか?
なぜ恐いのか?
なぜ本気なんて言葉が出てきたのか?
負けない気持ちだけがここにあるの、の「負けない気持ち」は何に対してなのか?

そして多分偶然ではなく、この2ndライブのソロ最後に出てきた未来を見れば、
翼が感じた「今、走り出さなきゃダメだ」という判断が正しかったこともわかる。
この歌のセリフパートにある、あの光みたいに、きっと、私も!は、
最初は美希ことだと思ってたんですが、未来だなあ。
ゲッサンの未来のことだなあ、って思ってしまう。

そりゃね、漫画の最新話の内容に翼を理解するための重要な要素があるなんて、
そういう形式はアリエナイ、と考える、否定するのもひとつの見方なので、それもありです。
ですがこの、練習熱心な静香を軽く凌駕する能力を持つ翼が、
はるかに能力の劣る未来が見せた輝きに追い立てられるように本気で走り始める、というのが熱い。
で、その未来をアイドルになると決意させたのは静香の歌だ、というのがまたね、たまらない!
ジャンケン、三すくみみたいな関係になっているのがいい。

なので、自分はこの日の『Believe my change!』を、感情移入度200%ぐらいで見てました。
そうだ走れ! 誰よりも早く未来の天才に気付いて走り出せ! と思いながら。

そんな自分が注目していたのは、まちこ氏が「踏み出すパワー あるのはここだよ」を、
どこだと示すか? ということでした。自分の胸を指すのか、それとも?
答えは、客席でした。

そうか! なら安心だ。

これ、実はすごく難しくデリケートなことでね。
まちこ氏が指し示した通りであるなら、安心。
なぜなら美希とも、未来とも少し違うから。文字通り自分だけの翼だから。


キャラバン編が始まり、3曲目の歌が各自に渡されることになると思いますが、
全力で走り出した伊吹翼は恐いよ。そらもう恐い。
3曲目に最も意味を見出してくるはずだからね。


あまりこの日のパフォーマンスがどうだったか、書いていません。
こればかりは、この日の客席、LVのひとりひとりが何を求めて、何を見ようとして、
『Believe my change!』と向き合ったかで全然違うと思うので。
自分としては、ここまで書いてきたように、翼の本気と、そうすることの恐さと、
両方が見えたし、次へ向かって50人中最速の出足を見せたと確信しています。
だから、未来と静香をぶっちぎるんじゃないかなあ? 3曲目では。
その頭ひとつもふたつも抜けた翼を見て、次に誰がどう反応するのか? 要注目です。

いや、全然違う展開になるかもわからんけどw
10thもありますしね。

輝き方はひとつじゃないし、決まってもいない。だから楽しい。
そう、恐いのでも、難しいのでもなく楽しいんだ。
きっとそんなことは翼ならすぐにわかっちゃうはずですけどね!



21 フローズン・ワード 藤井ゆきよ

ライブレポでたまに書いているのですが、アイマス公式はわりとライブでえぐいことをします。
SSAにいぶちゃんを放り込んだりとか、あっきーとコンビであさぽんに『We just started』させたり、
あっきーの『マリオネットの心』のあとにぬーさんの初となる『Rebellion』やらせたり、
あずみんをいきなり幕張に立たせたり、
何のフォローもないままゆきんこさんにマチアソビで『あんずのうた』を歌わせたり。

でね、あんまり気付いてなかった人も多いと思うんですが、
この『フローズン・ワード』という曲はまー、無茶苦茶なわけですよ。
初日のころあずの『Catch my dream』も意地悪な曲だ、と書きましたが、
『フローズン・ワード』は意地悪どころのもんじゃない。

所恵美、LTP04ではみんなのためにと司会を(くじ引きと見せかけて)やり、
琴葉、志保、千早というクセモノをちゃんと回し、それを3人にありがとうと言われて大号泣。
自分よりも周りを目立たせることを優先し、シアターの誰かがケンカしたら私が止めると豪語する。
初の持ち歌は『アフタースクールパーリータイム』なんていう、ソロじゃ歌えないみんなの歌だ。
そんな恵美に渡された2曲目の持ち歌『フローズン・ワード』は、一番アカンやつだ。

親友と同じ人を好きになってしまった。どうする?

ですよ? これをアイドルに、よりによって恵美に歌わせるか?
現在進行形でPが大好きな琴葉の背中をせっせと押しつつ、
自分でもPをちょっといいかもと思っている、そんな恵美にこれを突きつけるか?
それをステージで歌わせるか? これは本当にアイドルがやることなのか?
恵美のPとしてはおやだかじゃないわけです。

歌は歌なんだから、別にカッコよく歌えればいいんじゃないの?
なんていう考えもあろうかと思いますが、
だったら星井美希役のあっきーが泣きながらクリスマスの夜に『relations』をうまく歌えずに
ずーっとスタジオに残り、夜空を見上げ、買ってきてもらったケーキを食べたりしながら、
あの『relations』を収録したりはしないんです。
『フローズン・ワード』はそれと同じアイドルマスターの歌なんですから。

恵美が『フローズン・ワード』を渡されたら、そりゃ考えちゃうわけですよ。
どう歌うのか? どんな感情を乗せるのか? そこから逃げることはできない。
歌詞を読みながら、よくCDの歌声を聴いてみてください。
1滴も漏らさず、感情を一言一句に乗せようと歌っていることがわかるはずです。
カッコよく歌おう、なんて気持ちは1ミリたりともないことがわかるはずです。

『relations』を引き合いに出しましたが、ゆきよさんがやろうとしたことは、
どちらかというと平田宏美さんがやる「歌を演じる」を追求することに近い。
みなさん役者さんなので演じる、声を作る部分はあるのが当たり前ですが、
そこに関しては手前味噌ながら真と平田さんはずば抜けているといえる。

「歌を演じる」の何が大変かというと、演者ががんばりすぎてアイドルの限界を越えてしまうと、
アイドルが死んでしまい、逆に臆病になって無難にこなそうとすると曲が死ぬんです。

つまり、演者とアイドルの限界を見極めて「そこ」で勝負しろ、できなきゃ死ぬぞってことなんです。

大げさすぎるだろ、というかもしれない。
それはもっとポップな歌であったり、自分自身をさらけ出すことを求められない歌ならそうです。
『フローズン・ワード』はそうじゃない。逃げたら終わり。
ちゃんと自分と向き合って、生の感情を吐き出すしかない。できなければ歌う意味が無い。

1年間でゆきよさんは強くなった、頼もしくなったと思いませんか?
おそらくほぼ『フローズン・ワード』のせいです。
こんなの渡されたら強くなるしかないじゃないですか。
そして恵美はこう考える。
自分以外にも、それこそ育ちゃんやひなたにも突然こんな曲が渡されるかもしれない。
そうなったとき、助けられる所恵美でありたい。なんて。そういうヤツなんです。
だから余計に、絶対に逃げられない。

歌詞にもそのまんま出ていますが、今のまま笑顔でいられる関係でいたいという本音と、
あなたの一番になりたいという本音が引っ張り合って、心が真っ二つに引き裂かれそうだ。
これと同じ状況を見たことがあります。
アニマス終盤の春香です。大好きな仲間がアイドルとして羽ばたいていくのを応援したい本音と、
でも一緒にいて、一緒にライブのステージに立ってほしいという本音、どっちも本当だから苦しい。
どっちがいいのか正しい答えはない。ずっと迷い続けるけど答えを出さねばならない時は確実に来る。
これね。生きていれば、一度や二度は直面することだと思います。

恵美がこの歌から逃げられない理由はもうひとつあります。
それは恵美がなぜ今の恵美になったのかということ。
仲間想い、周りのことを優先して自分のことは後回し。一歩退く。自分に自信がなく自己評価が低い。
最初からそんな人間はいないわけで、何かそうなる原因があったはずなのですが、
それはまだミリオンでは語られていません。そこにもこの歌はクリティカルに関わっている。

えぐいって言った意味、わかってきたでしょうか?

それをステージで、歌うんです。一発勝負で。恐ろしいですよ。
「歌を演じる」には、自分の表現技術で感情をどこまで演技として歌に込められるかという
難しさがあります。感情は多くの場合、昂ぶるとコントロールしきれないもの。
でね、ゆきよさんはこの幕張のステージで一回、恵美の手を離しちゃった。
感情の勢いが限界を越えてしまって。だけどすぐにもう一度恵美の手を掴まえて、歌い切った。
これは「ミス」ではなく、
むしろ本当にゆきよさんが恵美と一緒に限界を追求していた証拠であり、
これはCDのレコーディングされた歌には絶対に現れないものですから、大きな意義がある。

ひとりの恵美Pとして「どうだ、恵美とゆきよさんはすげえだろ!」と言いたい。
このえぐさに真っ向勝負を挑んで、生き残った。
結果、ゆきよさんはミリオンの姉さんになり、ドームの初日にもやってくる。
中野の頃は想像もしなかったな。

SSAの時なんて「ミンゴスに頼るな俺らに頼れ!」なんて書いてたのに、
もうミリオンを引っ張って行くひとりになっちゃってw ねえ?

Q.今、この『フローズン・ワード』を誰に見せたいですか?

A.種田梨沙さんと琴葉に見せたいです!




22 ライアー・ルージュ 雨宮天

ひさびさにいきますよ。

おい石原ァ!!

今しかないと思って天ちゃんになにさせとるんじゃあッ!!

これはね、これは言っておかねばならない。

まず想像してみてください。
アイマスのライブに戸松遥さんを呼んで、『ALIVE』を歌ってもらうとします。
とまっちゃんが幕張の小さな後方ステージに現れて、『ALIVE』を歌うでしょうか?

そんなわけはない。

では、後方ステージからトロッコに乗って移動しながら『ALIVE』を歌うでしょうか?

あるわけねーだろ!!

ってことなんですよおおおおおおおおおッ!!!!


『ライアー・ルージュ』だ。これをミリオン2nd幕張の最終ブロックでやる。
となればメインステージでドーンとやるでしょう普通は。
その方がいいパフォーマンスになるに決まってるんですから。
なのに、後ろのステージに出てきて、
トロッコで運ばれながら「ウソで隠さなくちゃ〜」なんて歌ってる。

なんなんだこれは!?


『夢色トレイン』とか『素敵なキセキ』じゃないんだから。
千早に『snow white』をトロッコで歌ってくださいっていったら今井さん「は?」って言うよね?

直系の先輩である戸松さんを例に出しましたが、
もしかしたら来年あたりには天ちゃんももうそんな存在になってる「かも」しれない。
すると、メインステージでバーンとやれる機会は今後も用意できるけど、
後方ステージからトロッコでGO! はもうできないかもしれない。
なんてことを考えると、今しかない。今しかできない『ライアー・ルージュ』だ。
と、いう意味では「よし!」なんだけど、やっぱ現地では「なんじゃこりゃー!?」でした。
これ、天ちゃんはどんだけ強靱な精神力を要求されているんだというね。
トロッコでガタゴト揺られながら、
2Fスタンド最前やアリーナの「うおおー!」って顔を流し見しながら、
集中して『ライアー・ルージュ』の世界を貫く。

エクストリーム・アイロニングというですね、
無茶なシチュエーションでワイシャツにアイロンをかけるという競技がありまして。
それを見ているような心境でした。
すげえ! でもあり、なんでやねん! とツッコミたくもあり、
席によっては「天ちゃんひゃっほい!」でもあり、
重度の志保Pは「それでこそ志保!」と会心のガッツポーズをしたかもしれない。

ちょっとだけ志保のコミカルな面というか、おかしなことに巻き込まれやすい体質を感じて
これも含めて志保なのだと思いつつも、あんたヘンな苦労人だなあ、と
苦笑いを向けてみたくなったり、
なんか志保って自分にとって不思議な存在なんですよね。
かわいいとかかっこいいとか美しいとかじゃなく、存在そのものが現象であって。
「そういうことが君には起こるのか」と、人ひとりぶんの間を開けて話す距離感。
その間のスペースには志保Pや、静香や、可奈や、百合子なんかを置いて、
主に志保の愚痴を聞く役をやりたい、というのはマニアックだろうか。

実際、トロッコの上で『ライアー・ルージュ』しているのは凄かった。
そしてその件について「プロデューサーさんは何を考えているのか」という志保の愚痴を聞きたい。
天ちゃんはどう感じていたのだろうか? オーディオコメンタリで語られたりするのかな。

あと、願わくば、何年かあともたまには今回のように「おかしなことに巻き込まれてくれる」
志保さんを演じる天ちゃんでいてくれたらいいな。



23 HOME, SWEET FRIENDSHIP 渡部優衣 村川梨衣

リコッタが家だとするならば、にぎやかしい姉ふたりによるパフォーマンス、かな。
少し父性のあるのり子、ママが春香で、しっかり者の末っ子が桃子。
ふたりの姉はだいたいいつも桃子に突っ込まれているようなね。
今回はふたりだけだけど、それも増えていくアルバムの1ページだ。

ところで、アイマスで「ユニット曲」というのは10年やってるわりには案外少ない。
パッと思いつくのはプロジェクトフェアリーの『オーバーマスター』と『KisS』に、
竜宮小町の『SMOKY THRILL』『七彩ボタン』がありますが、
ユニット名まで持つグループで歌うというものはあとはディアリースターズ、
ジュピターぐらいかな? シンデレラはアニメでやりましたね。

ユニット曲には固定メンバーでの魅力を追求するという面白さがあります。
その場合、個々の個性を出しつつも、ユニットとして求める曲の統一感というのもある。
『HOME, SWEET FRIENDSHIP』でいえば、ちょっとこじゃれた感、になるのかな?
なのでにぎやかな奈緒と亜利沙がオシャレを意識しているのがいい。
そこに奈緒と亜利沙が歌っているだけでなく、プラス春香、のり子、桃子が見え隠れする。

中でもやっぱり、春香っぽいというか、アニマスの765プロに近い感じがあるのは
春香がいるからなんでしょうね。ここはHOMEなんだと。そういう安心感。
それはアイドルマスターにおいて絶対的なものではないのですが、
LTHの10あるユニットの中のひとつとして存在しているのはイイカンジだと思う。
そのアットホーム感をこのふたりがやってるのがまたいいんじゃないか。
このふたりがやってるからユニットらしさがよく出ているんじゃないか。

ミリオン楽曲で一番安心感があるのはやはり『Thank you!』ですが、
次ぐらいに来るんじゃないのコレ。それぐらいHome感ある。

ふたりだけなのに、みんないるんだな。これはどのLTHユニット曲でもそうなんだけど。
それぐらいできるだろ、なんて言うなかれ。
『ライアー・ルージュ』のあとを受けてるんだからね?
そこにアットホーム、安心感なんていう部屋の模様替えみたいなことをパッとやってるんだから。

どっちかといえば奈緒と亜利沙は桃子にキビシイこと言われる側だったけど、
それがここで活きてビシっとシメてくるんだから面白い。ちゃんと物語は続いていたわけです。
さて、そのまた続きが10thにあるのか、それとももっと先に続くのか? どうなんでしょうね?

いつになるとしても、大事な場所になっていくんだね。



24 Eternal Harmony 愛美 末柄里恵

このアクトについては、ライブ終了直後に書きました
これね、本当に大きな塊が幕張の空間を動いていたんです。
最初は少し小さかった。それが雪球を転がすようにでっかくなっていってね。
えっ、これ声出していくんだ? 出すんだな? よし俺も! って、
だんだんだんだんボリュームが上がっていって、
「おお来るな?」「まだ来るか!」「おおすげーな!」までボルテージが上がっていく。
まさにゲームの「ハコユレ度」が上昇していくそれのように。

あいみんとすーじーは最初っから自分たちが歌う人、あなたたちがお客さん、て感覚ではなかった。
あなたも私も歌うよ騒ぐよ! のマインドできてた。
投げたものが返ってくると信じ切ってやってましたよね。

だから楽しくなる。

LVだと、きっと会場をブンブン動いてたものが実感としてわからなかったと思う。
でもLV会場によっては、その会場ごとに同じものが動いてたんじゃないかな? 想像ですけど。

もうみんなわかってるよね? 次回やべーぞ!



25 ドリームトラベラー 高橋未奈美 大関英里

このみさんは真の師匠なのです。そのことについてガッツリ書くには
『水中キャンディ』も欠かせないのですが、今回はなかったので多少そのへんも加えながら書きます。

LTHは2ユニットずつ同時に活動していましたが、BIRTHとミックスナッツだけ、
ユニット曲を交換してもいけちゃうんです。
レジェンドデイズと乙女ストームをはじめ、ユニット曲が対になってるケースの中で、
このみさんと真がリーダーを務めるユニットの曲は、同じ方向へ飛んでいる。

それがまず嬉しい。

そしてBIRTHが「空へ」と歌って、ミックスナッツが「銀河系の向こうまで」と歌っている。

これがさらに嬉しい。

このみさんは真の師匠なのです。大事なことなので2回。
ふたりともまあ、無茶をするわけです。限界なんて認めないのです。
だけども、真の場合はちゃんとドレスアップして黙って立っていれば、美少女にも見えるのに対し、
このみさんはそういう見た目だけでも、なんてことさえできないんです。
どっちがより無茶かって、このみさんなんですよね。
それをこのみさんは百も承知の上で、生きている。そういうことなんです。
『水中キャンディ』を聴きましょう。そこにこのみさんの覚悟が込められていますから。

というところまで踏まえての、『ドリームトラベラー』なんですよ。
『Birth of Color』よりも破天荒で、スケールがでかい歌です。
勢いだけで生きているとか、後先考えてないとか、そういうこと真はよく言われてきましたが、
その真以上に無茶で破天荒でポジティブすぎるほどポジティブ。それがこのみさん。

なのだけど、覚悟が重い。このみさんの覚悟は誰よりも重いんです。
だから子供扱いされてムキになることはあっても、ヘコまない。
少しも揺るがない。そして大人としてできること、やるべきことを本当にちゃんとやる。
その姿勢が、真の師匠たるゆえんなのです。
24歳。真が6年ちょい後にこのみさんと同じことができているだろうか?
そんなことを考えてしまいます。

なので『ドリームトラベラー』は『Birth of Color』と同じぐらい好きなんです。
真より少し前を走っているこのみさんの姿がそこにある。
そんなこのみさんと『HHb』や『Fu-Wa-Du-Wa』を真と一緒に歌った真美が一緒に走っている。
未知なる可能性をたっぷり秘めた育ちゃんとひなたが共に銀河系の向こうを目指している。
なりふり構わなくなった美奈子が水を得た魚のように躍動している。

一度食べ始めたら止まらなくなる、ミックスナッツだ。
会場で一緒にM・I・X! ってやりたかった。自分も何かのナッツになってまざりたいのだ。
一緒に「いぇえーっ!」って言いたいのだ。

LTHユニット曲はどれも「その歌詞をそのアイドルが言ってこそ!」というパートがあります。
その中でも『ドリームトラベラー』の、

光より早く 時空間も超えて
限りある瞬間を みんなと駆け抜けたい


これね! このみさんなんだけど。
このひとりだけ圧倒的に、それこそ焦ってる静香よりも時の流れの速さと短さを感じている、
日々の密度を大切にしている感覚に泣かされる。

大人というものは落ち着いているとか、心に余裕があるとか、一歩引いて視野を広く持つとか、
そういう一般論の真逆を全力でいっているこのみさんが、むしろちゃんとした大人のように思えます。
いや、両方併せ持っているのがいいのかな?
最年長が、わかってて一番でかい夢を見ている。いいね!

たかみなさんはこのみさんより年下なんですよね。こういうの、どんな風に理解してるんだろう?
そのへんは不思議。少しずつ24歳に近づいていってるの、面白い。


そしてお待たせしましたぜっきー。スパサイ、ハロコン、そしてコレと、ほぼフルコース!
スマいちを寝かせたことで、あの曲も一皮むけそうな予感があります。
迷いなく、ありったけの元気をぶつけてくる美奈子の今のライブスタイルは気持ちいい。
だからといって出っ張りすぎないのが不思議なところ。
シアター組ってみんなどこかしら個の強さを持ちつつも悪目立ちしないバランス感覚がある。
だからソロとユニットでだいぶ聞こえかたが違っているのかな。
たぶん美奈子もそうなんだけど、ぜっきーも相手に合わせるのがうまい。

思い……出した。(某ラノベ原作アニメ調)

ぜっきー、演劇やってたよね。それでだ!
専門用語はわからんけど、相手と「調子を合わせる」ってやつだ!
なるほど、これはなるほどだ。
いろんな背景、素養を持った人が集まってきます。
そこで持ち味を出す、活かす、ということなのかな。
よくはわからないんだけど、話すことと歌うことは似てる部分もあるよね。
さらにいうと、もてなすこと、もかな? 美奈子的には。
ダイナミックではあるけれど、決して雑ではない。いろんなことに当てはまることだけど。
そのへんがこのみさんと息が合う秘訣であるかもしれない。

大人になるということは、諦めること。……というのはまあ、ウソだ。
だったら世の中のだいたいのスゴイことは子供がやったことになるから。
大人になるということは、覚悟を決めるということではないか。
無理だ、愚かだ、バカだ、無駄だと言われても、それがどうしたといえる覚悟だ。
夢を見るより、夢を語るほうが大変で、夢を追うのはもっと大変。でも、やるのだ。
その覚悟が誰よりも必要なこのみさんが、誰よりも先に示してみせた。

ユニット曲シリーズの最後が『ドリームトラベラー』になったのも偶然ではないのだろう。



26 空想文学少女 伊藤美来

初日の26曲目『透明なプロローグ』をまずおさらいしていただきたく。

両日とも、百合子とみっくがソロ曲ラスト3の一番手という大事な位置を務めている。
このことに関して、百合子のソロってこんなライブの深い位置に置くべきなの?
という疑問を持っている人もけっこういそうな気がするんですね。

でも起用に関しては、これまでさんざんおい石原ァ!!をやってきた自分も、
全面的にディレ1に同意なのであります。

そうでなくてはいかんのです。

そのなぜか、を書いていくのですが、いろいろお覚悟くださいませ。


百合子って、すごく春香に近いんですよ。

はい! もう頭が?で埋まりましたね!
春香はずっとアイドルに憧れていた子で、百合子はなんでアイドルになったか謎な子。
真逆なように見えるのも確かだ。

だけどもふたりは「普通の人」です。才能があるからアイドルになったわけでも、
とりわけアイドル向きの性格だったわけでもない。
このへんは春香Pが大量に「おい待て」と言って特攻してきそうなとこなんですが、続けます。

春香と百合子は「普通の人」なんですが、それ以外に重要なある共通点を持っている。
それは「姿勢」なんです。

春香って、適性としてはおそらく究極的にアイドルに向いているんですよ。
なぜなら、「アイドルであることが当たり前になっているから」です。
芸能人にだってプライベートがある。そこは普通、大事にしたい。公私は分けたいものです。
しかし本当に「天職」といえるほど向いている人って、
24時間アイドルでいられるんですよね。そういう人はだいたい天下を取ります。
芸人さんでいえば横山やすしさんがそうでしたし、
プロレスラー、アントニオ猪木氏も現役時代はそういう哲学を持っていました。

春香には公私の境界線がほとんどなく、カメラの前でも千早とふたりきりの時でも、
言うこともやることもほとんど変わらない、と、思うんです。
なのでアイドルでいることが苦にならない。
どんな技能よりも、適性という意味では最強です。

そんな春香と、なんでアイドルになったのかわかんない百合子が近いといえるのか?
百合子の場合は「アイドル」を少し違う言葉に置き換えると、同じようにぴったりハマります。

百合子は「物語の主人公であることが当たり前になっている」子なんです。
百合子は14歳で、中二病なんて言われたりもしますが、
14歳は自分が何かすごい物語、世界の中心にいるのではないか、と思う年頃で、
とりわけ本が、物語が大好きな百合子は、自分が中心の妄想を思い描くわけです。

が、百合子は「普通の人」で、ただの学生だった。
ドラマティックなことなんてそんなに起こったりはしません。

百合子が愛読する作家のひとり、トールキンの「指輪物語」の中に、
「ゆきてかえりし物語」というものが出てきます。
冒険というものは、ある日どうしても避けられない理由で、
住み慣れた家で平凡に暮らしていた普通の人が旅に出て、何かを成し遂げて、
無事に我が家に戻って来て「ただいま」と言うものなんだ、
てなことを「指輪物語」の主人公フロドの従者、サムが語るのです。

英雄でもなんでもなかった普通の人(ホビット)であるフロドの従者という、
普通の人のさらに普通の人が、そんなことを語り、
その語った通りに世界を救う偉大な旅を成し遂げて、帰ってくるんですね。

つまり、七尾百合子は「ゆきてかえりし物語」の主人公なんです。
百合子という普通の人が、アイドルという不思議世界に旅立って、何かを成し遂げて帰ってくる物語。
百合子はその主人公だ。だから普通であり、普通でいいんです。

そして百合子は春香と同じように「主人公であることを当たり前」だと考えている。
自分の人生なんだから当然な気もしますが、百合子ってびっくりすぐらいに退かないんですよ。
何があっても主人公だから。物語は読み進めていくもので、決して本を途中で閉じたりしない。

いくつか百合子のセリフを紹介します。
・考えたことないですか? もしも今火星人が襲来したらどう戦うべきかって…えっ、ないんですか?
・苦境からの大逆転なんてお約束じゃないですか!
・ステージの上には、神も運命もありません。この場所に立てるのは、私たちアイドルだけ!
・小説ならこれでハッピーエンドなんでしょうけど私とプロデューサーさんの戦いは続くんですね。
そのことが私、今、すっごく嬉しいんです!


春香がアイドルであることが辛くてやめる、なんて考えもしないように、
※SPで一度やめると言いますが、本当はやめたくないけど自信がなくて迷惑かけたくない、が理由でした
百合子も前に進むことしか考えない。やめるなんてことはあり得ない。

ふたりの「姿勢」は同じなんです。普通の人だけど、なりたいものの適性があって、
それを苦にしない。当たり前のこととして振る舞える。そういう強さがある。


ここまで書いてやっと、百合子が何かとミリオン内の重要な位置に立っている理由が見えます。
百合子にとってアイドルとは物語の舞台だからです。
物語を、普通の人である百合子が「ゆきてかえる」のです。主人公として。
その主人公であることが、七尾百合子というアイドルなんです。

だから、LTP02でミリオンスターズとして最初に歌ったのが百合子(しかも春香の次に)で、
劇マスで一番ダンスがヘタだったのに、美奈子と奈緒に次ぐ3番手にまで成長する存在になり、
みっくと共にSSAに出られるかどうかの瀬戸際でステージに立つことを選び、ステージで泣き、
ミリオン1stではころあずの代打で2日目も出て、マモノにやられて七転八倒し、
この幕張までやってきた。
そういう場所にずっと百合子を置かれてきたのは、百合子の日々が物語であるためだ。

では、2ndライブのステージで『空想文学少女』をどう歌ったか?

『空想文学少女』は、あまりにも普通だ。
恋に夢見る、どこにでもいそうな女子中学生の恋の想像、それだけの歌だ。
軽やかで、穏やかで、そこまで魂を揺さぶってくるタイプの曲ではない。
なのに、この後にセミファイナルの『Precious Grain』そしてトリの『未来飛行』と続く位置にある。
この2曲と比べて、『空想文学少女』はあまりにも普通の、小さな歌だ。

さあ、どうする?

立って手を伸ばして届かない高さに手に入れたいものがあったら、背伸びをする。
背伸びをしても届かないなら、ジャンプする。
じゃあ、ジャンプしても届かないところに手に入れたいものがあったら? どうするのだろう。

これは初日の『透明なプロローグ』の記事で書いたものです。
今ここで、『空想文学少女』でどうやって『Precious Grain』につなげる?
静香と未来のために、百合子はどうする? 何ができる?

ここでね、思ったんです。
もしかしたら初めて、みっくと百合子の向いてる方向がぴったり一致したんじゃないかって。
ヘンな話、お手上げなんですよね。
気合いとか、ガッツとか、根性とか、完全燃焼とか、させてもらえない曲だから。
そういう力技や闘魂や踏ん張りでどうこうする方法がない。

自分の力ではどうすることもできない。じゃあどうする?
そしてふたりは手の内に残った最後の一枚のカードを一緒に見た、のではないだろうか。

この場所には、が吹いていた。

未来の風はいつだって 私達に向かって吹く そう歌ったのは他でもない自分自身だ。

七尾百合子と伊藤美来は風の戦士である。
風の戦士っていうのは、風を力に変えて戦うから風の戦士っていうんじゃないのかい?

そう、変身だ!

これまでもライブでみっくは「私、風の戦士になれていましたか?」と訊いて、
客席は「なれてたー!」と答えてきましたが、これね、少し付け足したいんだ。
「風の戦士になれてはいたけど、風の戦士の能力は使っていなかった」と。
だってみっくは自分の脚力で飛んでたんだもの。それは風の戦士じゃなくてもできる。
じゃあ風の戦士は、風の力を使うったってそれはどうやるんだ?

ここでひとつ思い出してもらいたいことがあります。
客席にいる我々も風の戦士なのだということを。

我々も風の戦士であるなら、風のひとつやふたつ起こせるはずだ。
百合子とみっくが風を求めるならば、そこにはいつだって風は吹く。吹かせてみせる。
ただ、風の力を使うというのは恐いことだ。
誰だって自分の力じゃなく、他人の力に身を委ねて飛ぶなんて、誰だって恐い。
これまで、みっくは客席に対する恐怖心を、少なからず持っていたと思うんです。
がんばらなきゃいけない、全力を見せなきゃいけない、がっかりさせたくない、
思えば思うほど、ステージではひとりで戦う場になってしまう。

だけど百合子はみっくにこう言った。「恐くないよ」って。
それは最後のMCで本当にみっくが言ったことです。
百合子に背中を押されて、そうしたら不安も緊張も消えたって。

初日の『透明なプロローグ』で、きっとこのページは〜の前に気合いを入れなかった。
それは予兆でした。ひとりの力で飛ぶより、もっと高く飛ぶにはどうすればいいのか?
そのためにはもっと、自然であらねばならない。風を力にして飛ぶなら力んだって仕方ない。
ひとりの力よりもっと大きな力を使うというのは、そういうことなんです。

この日の『空想文学少女』は、とても自然だった。自然で、当たり前のように輝いていた。
ステージに現れた瞬間から違っていました。歌う前から輝いてる!
力みも気負いもなく、スッと歌が始まる。歌はとても普通で、小さな歌だ。
なのに、あのね、初日の『透明なプロローグ』と飛んでる場所がまるで違うんですよ。
もっと速く、遠く、高く、自由に、幕張の風に乗って、好きなように飛び回ってる。
現地で見た人はみんな知ってるでしょう? 神々しいほど輝いてたって。
あの輝きはひとりでどうこうできるもんじゃない。

これ、大げさだって思うでしょ? どんだけみっくを持ち上げるんだお前は? って思います?
まるでフィクションだって、そうですよね。だけどこんな話はどうかな?

これと同じのを、見たことがあるんです。
7th横浜アリーナの春香と中村繪里子さんが歌った『さよならをありがとう』です。
参考の過去記事。
この7thでの『さよならをありがとう』にはたくさんの逸話がありまして。
物販で並んでいたらリハーサルの音漏れでこの歌が聴こえてきて、中村さんが音を外したと。
これをたくさんのPが聴いて、証言も残っていて、
後日、中村さん本人も「どうしよう?」ってなっていたと。
先日のニコニコ超会議の時にも『さよならをありがとう』のあとのMCで何をどう喋ればいいか、
全然イメージが出てこなくて、それをあっきーの一言で助けられて、という話をしていました。

自信、なかったと思うんです。横浜アリーナでトリを務める。
それも千早の『約束』から雪歩と貴音の『見つめて』を受けて、ステージに立つ。
そこで何ができる? 何を求められている? 自分は何がしたいんだろう?
そういうことが全部ハッキリした答えがわからないまま、本番を迎えたんじゃないかって。

ライブは生き物、といいます。実際にアリーナライブが進んでいく。
するとリハーサルやイメージの中には存在していなかったものがあの場所で生まれて、
どんどん大きくなって、そこにあることがわかる。
これね、たかが客席にいたひとりのPがそれを感じるんですから。
ステージに立ってる人が感じないわけがないんですよ。

中村さんは、アリーナの空間にある得体の知れない、巨大な何かおそらくエネルギーの類のものを
全部かき集めて、力に変えて、ぶわーって返してきたんですよ。
すごい曲じゃないんですよ『さよならをありがとう』って。
ひとりの女の子が、ありがとうって言葉にして言えないって歌。普通で、小さな歌です。
もちろん、アニメの春香を丸ごと表現できる歌なのですけど。
でもやり方がいざ本番になるまで、中村さんにはわからなかったと思うんです。

そういう不思議なことが、できる。ライブでは起こりうる。
実際にそれ、体験していますから。忘れるわけもない。
「同じ」と書きましたが、春香と百合子ではスケールはもちろん違います。
7thでの春香が持っていたものと、2ndの百合子が持っているものは全然違いますから。
でも「何をやったのか」は同じです。

ひとりの力ではできないこと、びっくりするぐらい大きな力で、何事かをやってのけた。
そういうことなんです。

百合子って、すごく春香に近いんですよ。の意味、伝わったでしょうか。

七尾百合子ってそういうアイドルだと思うんです。まる。



27 Precious Grain 田所あずさ

まるで光と影、ですよね。『空想文学少女』という光があって、『Precious Grain』という影がある。
悲しい歌ではないけれど、そこには人としての影がある。
影にもまた人を惹きつける魅力があり、アイマスの青はいつも影を任される存在であった。

なんて書き方はころさんもイヤだろうなあとw
思うのですが、一応前置きとして。

2ndの『 Precious Grain』は色んな視点からの書き方ができるので、迷います。
8th幕張との対比だとか、1st中野から今回への流れもあるし、SSAもね。
そういうのをぶった切って、全然違うことを書いてみようと思います。

最上静香と田所あずさは、「」だというお話。
2ndのパンフに対談が乗っていましたよね。千早の今井さん、志保の天ちゃん、静香のころあず。
1st中野の時も自分は志保と志保を演じる時の天ちゃんは攻撃力が高いアタッカーだと書きましたが、
千早と千早を演じる時の今井さんは守備的で、いうならば「盾」です。
これは劇マスの「眠り姫」で守りの魔法を使っていたイメージも多分にあるのですが、
「私の歌を聴け!(ガンッ!)」て、殴りつけてくるような感じがなくて、
「逆にこっちへ来い!」と引きつけてくる。
盾って、持っている人が能動的に動かして、攻撃を受けたり、受け流したりするでしょう?
そういうイメージなんですよね。

じゃあ、同じ青の静香と静香を演じる時のころあずはどういうものなのか?
というと、「鎧」だったんですね。
鎧は盾と違って、装備している人が動かしたりするものではない。
ずっと着ているもので、その役割は「盾でも防ぎきれなかった攻撃のダメージを防ぐ最後の砦」です。
鎧がなかったら死んでいた、という致命傷を防ぐ最後の守り。
絶対に破られてはいけない存在、とでもいいましょうか。

WBCという野球の国際大会で原監督が、日本代表の2大エースについて語った言葉があります。
「絶対に勝ちたい試合はダルビッシュ、絶対に負けられない試合は松坂」
静香ところあずは後者なんですよね。
ここは絶対負けられない、という時がミリオンにあったとしたら、
もし自分が監督というかPの立場であったなら静香ところあずを選びます。
勝ちたい時は未来とぴょんさん、ですね。

そういう意味において、2ndの『 Precious Grain』は正しい進化をしたんだなと思えます。
やはり歌い出しで慎重に音を探るのがわかる。
最速で、最短で幕張の今の「これだ」という音を見つけて、一気に走り出す。
もう、貫禄の世界ですよね。負けない戦いをすでにやっている。できている。
このことは初日の『Catch my dream』でも書きましたが、実に老かいで若者らしさがないw
でも慎重なころあずの持ち味なんでしょうね。
そして「もしダメでも先輩が何とかしてくれる」という命綱がないミリオン単独だからこそ、
ころあずがそこを、「負けられない戦い方」を担っている。「鎧」なんですね。

2ndのこの時点では、ベストだと思う。ころあずしかこれができないので。
だけどもそれは変わっていくのだということも忘れちゃいけない。
みんなこれから色んな方向、カタチに成長していって、
負けられない戦いを任せられる存在は増えてくるはずです。765プロもそうでした。
アイマスのライブには本当にいろんな役割、ポジションがあります。
スターター、トリだけではなく、ピンチをケアする人、空気を一変させる人、
一発勝負を狙う飛び道具もあれば、成長を期待してのハードな課題に取り組む人、などなど。
だから静香もころあずも、これからまた何回も生まれ変わっていくはずです。
もっとやんちゃなこと、しんどいこと、おかしなこと、任される時があると思う。

そういう時に「いや私はコレですから」と、今のカタチに囚われないでほしいな。
やっぱ見てる側としては、心苦しさもあるんです。
ここまで「負けない」ことを、若い子が背負うっていうことに。
これはこちら側の一方的な思い込みであるのかもしれないのですが。

それでも、8th幕張やSSAの『 Precious Grain』を思い出してしまうんですよね。
あれぐらい最初から踏み込んでいけるころあずの姿を。
もちろん、これはミリオン全体、全員の場数が解決してくれることなので心配していません。
またそういう歌いかたを必要とする時もあるだろうし、させてもらえるミリオンになると思うし。
今の2ndで歌う『 Precious Grain』はコレなんだという、そういうことなんでしょうね。

やー、最後に未来がもってっちゃったことで印象も変わるんだろうなあ。
マジメな話、デビュー1、2年の声優さんのライブでやることじゃないことをやっとる。
なのにその凄さがかき消されるほどの次が、ねえ?w

だからちょっと、ヘンな方向から「よかった」「すごかった」以外の何かが残るように、
書いてみました。鉄壁のころあずを、忘れない。これもずっと先のためだ。



28 未来飛行 山崎はるか

春香、愛、卯月、未来。今ならハッキリと「春日未来はこういうアイドルです」って言える。

少年マンガの主人公のようなアイドル

愛ちゃんもそれに近いけど、愛ちゃんはチャンピオンで未来はジャンプ。
『 Precious Grain』のところでも書きましたが、どうしても勝たねばならない時に勝つのが未来です。
9回裏2アウト満塁、一打逆転の場面でホームランを打つ能力に特化している。現時点では。

だって歌がさ、『素敵なキセキ』であり、この曲では奇跡も起こせるだからね。
奇跡のような逆転勝利が未来の持ち味みたいなもんじゃないですか。

2ndライブも、もはや最後はこの曲しか残っていない、という場面。
せりからスッと上がってきた姿は、天を指さすマスター・スパークのポーズで、

いくよーっ!!

勝った。その瞬間、確信していました。
オマエそんなん後出しジャンケンの結果論だろ、って? 違うね。

それはさておき。
逆にね、未来ってのはすごく難しいもので、ここまで状況が整わないと全力が出ない子でもある。
中野でスターターをやったらあんなに歌い込んだ『素敵なキセキ』でトチったり。
2nd初日の中盤で出したら「ふふっ」て笑っちゃったり。
なんかそういう抜けてるところも未来っぽいんだけど、
いざこのトリという場所を任せてみると、仲間もスタッフも客席も全部ひっくるめて
信じられないようなビッグアクトをやってのける。何とも型破りなアイドルだ。

さらにいうと、CDに収録されている歌には迷いのようなものがあって、
ところどころ16歳ぐらいの未来かな? と思うような大人びた歌声になっているところがあります。
きっと収録時点で、14歳の未来がそのまま歌うと変だな、と感じる部分があったのでしょう。
あるいはディレクションも迷った、悩んだ、わかんなかったのではないか、ぐらいに。
そこをごまかさずに、「未来っぽく明るくかわいく歌えばOKです」としなかったのはすごい。
そうではなく、ぴょんさんの考え得るギリギリのラインで成長した未来、というのを
採用していたのだと、そんな風に思っていました。

でも違いましたね。

そういうことじゃなかった。
もっとシンプルなことで、未来はお客さんの前じゃないと全力が出ない、それだけでした。
これは山崎さんもどこかで言ってましたね。人のいない客席に向かってリハーサルをやっても、
うまくできないというようなことを。

それぐらい未来はライブ向き、ライブ特化型で、レコーディングよりライブ、なんでしょうね。
実際、この幕張での歌声はどこをどう聴いても、春日未来14歳でした。
なんだよ! ちゃんとできるんじゃんかよ! って思っちゃいましたもんw
いつもの、よく知ってる明るく楽しく弾ける未来で『未来飛行』は歌えるんだ。
ただそのためには仮歌の入ったCDを渡してスタジオで収録する、じゃダメだっただけで。
それも何というか規格外だなあ。

進め!進め!決めた!行くよーーーーー! なんて、CDより全然パワフルに出てるしw

もちろん、収録からこの日までものすごく歌い込んできたんだということもわかります。
わかるけども、本番は練習でできた力の8〜9割出せれば上出来のはずなのに、
軽く20割ぐらい出してきてるの、おかしいでしょ! 何なのなの!

カッコイイ!とーさんジャンプ黄金期育ちだから仕方ないね。

こうなるとパワーインフレが恐いわけですがw
でもミリオンではたまたま今回は未来がトリだっただけで、
次はどうなってるかわからないし、3曲目の持ち歌がどうなるかでも変わってくるでしょう。
未来とぴょんさんも違う役割がいずれ求められる時があるだろうし、
いろんな面をビルドアップしていくことになると思います。

でも、この2ndの『未来飛行』はでっかいな。
未来にとっても、ミリオンにとっても、アイマスにとってもでかい。
『Believe my change!』のとこで書いたように、翼を本気にさせたこととか。
未来が春香の後追いじゃないぞということがハッキリしたことで見えてくる、百合子のカタチとか。
静香ところあずだって黙っちゃいない。
みんな後ろに並んで『未来飛行』を見守っていたけど、見守るだけじゃないよね。
あの景色を真後ろから見ることで、誰もが刺激を受けたはず。
ゲッサンの未来を間近で見た翼のように。

「いつか私だって!」そう思ってください。絶対に、そう思ってください。
すべてのミリオンスターズに、自分の担当アイドルを一番にしたいPがいるんですから。
夢を見てください。実現してください。それができるのがアイドルマスターです。

あとね、忘れられないことがひとつ。
『未来飛行』を歌っている最中に、客席の明かりがついて明るくなったんですよ。
うっわー! なんじゃこの演出!! ってなってね。
とんでもない燃料を未来に投入しやがった!! ってw
こんなの、リハやったって想像つくわけないじゃないですか。
その場でパッと明るくなって客席の顔が見えてみないと、
ぴょんさんと未来に何が入ってくるかわからない。おっかねえことしやがりますよ、ええ。
何かの拍子で歌えなくなっちゃったりしたら絶対にダメだってのに! 鬼! 悪魔! 浅野!
※演出の浅野さん。5thからアイマスライブを手掛けるすごい人。でも鬼。

何なんでしょうね、このアイマスライブを見ている時の、過保護になりたい気持ちと
鬼に修羅の流儀を教えられている姿を見たい気持ちのアンビバレンツは。
そういう見る側の心理的な面の揺れ動きもあるので、
ライブは2DAYSの片方でいいや、という気には全然ならないんですよね。

そんな揺さぶりにも動じない未来、山崎はるかであったことが、幸せだ。
こんなの探したってそうそういないもんなw

夏まゆみ先生という、モー娘。やAKB48の先生が著書で書いているのを読んだのですが、
「エースとセンターは違う」のだそうです。
エースは誰もが努力の仕方を間違えなければなれる。
センターという場所には天使と悪魔の両方が住んでいて、
そのどちらと出会うかは適性による。のだそうです。
どんなに才能に恵まれた子でも、センターに立つとなぜかわからないほど力を出せない子がいて、
逆にセンターに立つと水を得た魚のように力を発揮する子がいるのだと。
安倍なつみさん、前田敦子さんは両方ともそうだったというのです。

未来はきっとそうなんだろうな。今回の『未来飛行』で、そう感じました。
期待を背負っても 折れたりなんかしない
これを、あんなにも楽しそうに歌えるんだから。すげーヤツだよ。

ぴょんさんは楽しかったですか?
答えは言わなくても、西武プリンスドームでわかっちゃうのでいいです!



29 Welcome!! 全員

この前にMCらしきものがあった気もします。
が、『未来飛行』の余韻がね、すごくて。
俺は今すごいもん見たんだぞっていう実感が駆け巡っていて、そういう時は脳が仕事をしませんw

『Welcome!!』も、もうオーバーキルで、ライフはゼロで勝利確定後にまだ必殺技をくらってる気分w
だがこれが気持ちいい。温泉につかって酒呑みながらマッサージされてるようなw
もちろんちゃんと聴いているし、動いてるし、声も出てるんだけど。脳はもう働いてくれない。
30曲は近年のアイマスライブでは短いほうなんですけどね。

だけどもこの結びの曲とアンコールでまだこんな顔してたとしたら、

よつば
いかんのでは。

だからこれでいいのだ。最後は満ち足りてハネたい。



アンコール Thank you! 全員

3階席からだと、見物客の列の後ろからお祭りの御輿が練り歩くのを見てる感覚でしたw
わちゃわちゃしている。近くで見た人は、それはそれはもうイヤッホウ! だったそうでw

歌う前の挨拶では、ナンス、ゆい邸△后爾検爾函迎えにいこうー!」できた!
ゆい鼎箸后爾検爾僚个討方からして、やると打ち合わせしてたわけではなかったみたい。
どんな巡り合わせかわからないけど、

応援ください! 応援するよ! のやりとりが形だけじゃないって証明できちゃったもんね。
ナンちゃんだけじゃなく、みんなに「こっちはいつでもいける用意があるぜ」と、
思ってもらえたらいいな。


我々はプロデューサーだ、なんて思ってたり、名乗ってたりしますが、
どこまでいっても「ゴッコ遊び」の延長線上でしかないのだと思います。

だけどもさ。

一個だけあるんです。ちゃんとPとしての仕事をしているといえることが一個だけ。
それは、「勇気を出させること」です。
やってみようか、やめとこうか? 決断が必要になった時、やってみように気持ちを向かわせる。
もちろん仲間やスタッフさんたちの力のほうが支えとして大きいに決まっていますが、
少しぐらいは役に立ててるだろうと。それだけですね。

甘やかすなー、なんて言いたい人もいるんでしょうけど、
こうだからこそ公式側が冒険や実験もするし、試練や課題もバンバン与えていえるわけで。
そうすると新しいものも生まれていくし、得られる経験も大きなものになる。
形としてはベストだと思うんだけど、どうですかね。


=あとがき=


んーとですね、ライブのレポを書く時は、まずアタマの力を抜きます。
で、書き始めるんですが、すると毎回面白いことに、出演者の呼び方が変わるんですね。
こんなのメディアの記者さんがやったら全部修正されるんだと思いますがw

765プロの時でも平田宏美さんを平田さんと書いたりひろりんと書いたり。
気分とか感覚で変わるんです。1曲の記事の中でも変えたりもする。

1st中野の時は大部分を山崎さん、田所さん、と書いてました。
それが今回はだいたいぴょんさん、ころあず、という書き方になっています。
なれなれしいぞコノヤロー、って思われてしまうかもしれないのですが、
自分の中でそういう変化が確実にあったんですね。

「○○役を演じている××さん」から、「このライブを一緒に作っている△△」という感覚だろうか?
それこそこちらが参加させてもらっている側なんですから、もっと尊敬を込めるべきなんですが、
おそらく今、ここだけかもしれない。
この先はずっと、ミリオンスターズへの敬意が積み重なっていくばかりだと思います。
765プロの時と同じように。
その遠ざかっていってしまう予感へのささやかな抵抗、かな。
でもまたそのずっと先、5年10年と続いていくことで謎の戦友感、共犯感が出てきて、
いろんな感情、感覚が入り交じって、ごちゃごちゃしてくるんですけどねw 多分w


気分というものは今だけのもので、後になってから思い出せるものでもなく。
2DAYSを終えて電車に揺られて帰る間、何が頭の中をぐるぐる回っていたかというと、
どういうわけか出演者も発表されてない10thの西武プリンスドームの景色が回っていました。
翌日、ツイートしたのは
「中野の時と違って中野に戻りたいという感覚がないのは、次が見たいから」でした。
パンフに書いてあったのは「2ndのテーマは追いかける」でしたから、
もう次を見ているぐらいでちょうどいいんだなってことですかね。

余韻がなかったってことじゃないです。なかったらこんな記事は書けないしw
予感としては、10th終わった後に、ここに戻ってくる気がするんです。
その時、改めて発見することや、確認できること、あると思います。

レポは体験を記録することですが、それは過去を残すためではなく、未来のために自分は書いてます。
いつか未来の、とある瞬間に、今書き残したものが必要になることがある。
『空想文学少女』で書いた7thの『さよならをありがとう』なんて、もろにそれですよねw

当たり前のことながら、ミリオンは戦うたびに確実に強くなっていく。
2年でこの強さはもっと驚いてもいいぐらい。
でも追いかける相手が手強いからなw これぐらいでいいのかなw

何人か言ってましたけど、全員でのライブ。いつか実現するでしょう!
その時は自分ももっとおかしなレポが書けるように精進します。

394296! この場所から!


















あと全然クイックじゃなくなってスマン。〜おわり〜
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この記事へのコメント
お疲れ様でした。また機会があればお会いしましょう。
Posted by 隣にいた人 at 2015年05月21日 11:35
>>隣にいた人

人生巡り合わせなのでw
またなにかあるでしょう。
Posted by cha73 at 2015年05月22日 00:31
5
長編レポ、お疲れ様です。
両日共に相変わらずの読みごたえ・・・堪能させて頂きました〜。
以前も書いた気がしますが、みっくと百合子への思いが強くてボリューミー過ぎる!w
まぁ、そうなるのも致し方無いぐらいのものを見せてくれましたがw
私としては2ndをこなしたミリオンが、次の西武ドームで何を見せるのか楽しみです。
何故かライブで色々起こりw、それを越えてきたミリオンが猛然と追いかけてくるんだから、765もシンデレラも油断できないでしょうねw
Posted by 十六夜 at 2015年05月22日 02:26
>>十六夜さん

どういうわけだか百合子に強烈な引力を感じるんですよね。
『空想文学少女』はそんなすごいものにはならないだろう、
そういうイメージだったんですが、やられました。
なんかいつも想像と全然違うものを見せてくれるのです。
上を飛んでったり、まさかの展開を見せたり。
目が離せない存在ですねえ。

10thね。もうドキドキしてきましたw
Posted by cha73 at 2015年05月22日 03:32

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