2017年06月12日

予言的中、祝・ナダル優勝!の話

 すでにご存知と思いますが、全仏オープンでラファエル・ナダルが優勝しました。
 実を言うと、私は半年以上前からナダルの全仏復活優勝を確信していました。後付けなら何とでも言えるのが世の常ですが、私の場合は明確に後付けではないと証明できます。それがこの本です。いつものことですが、ちゃんと買って読んでください。

 http://tinyurl.com/ydadw2z7

 この本が全仏オープン中に発売になったということは、まあ五月のうちに原稿を書き終わり、ということは三月か四月から原稿を書いていた、そしてそれより前から企画を温めていたという何よりの証明です。いかにタカ大丸が天才で、圧倒的な言語能力を駆使したとしても、昨晩優勝してから本を書き始めていては先週の発売に間に合うわけがありません。

 もちろん、本の内容も素晴らしいから私がこの本を日本で送り出したわけですが、考えてみれば2012年から私は毎年勝者を予測し、ほぼ確実に当てています。ジョゼ・モウリーニョ、クリスティアーノ・ロナウド、ノバク・ジョコビッチ、レスターFC、藤井聡太、そしてラファエル・ナダル…確率で言えば90%近くに達するでしょう。下手な天気予報よりよほど正確です。五年も六年も当たり続けているということは、偶然ではないということです。

 この未来予測の手法、どこかの講演とかインタビューで話したいんですがね…いくらでもしゃべりますし、ビジネスにもめちゃくちゃ役立つと思うのですが、いかがでしょう?

 

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義務教育がなければ…

 もはや説明の要がなくなったわが師・藤井聡太四段の快進撃・連勝が続いています。つい最近北海道で札幌から稚内まで縦断してきましたが、名寄という田舎町では将棋教室に通う子供が倍以上となり、藤井先生の名声はちゃんと最北端の稚内まで鳴り響いておりました。

 ここで一つ強調しておきたいことがあります。今までに連勝記録を作ったプロ棋士は、全員デビューしてから何年かして、そして将棋に専念してから記録を作っております。藤井先生は、デビュー以来の連勝記録で、かつ義務教育中ということで学校に通いながら記録を伸ばし続けておりますので、今までの連勝記録とは意味が全く違うのです。

 彼が東京で対局するときには、ほぼいつも一対一で話します。といってもせいぜい一・二分ですが、いまやお互いにとって非常に貴重な時間となっております。申し訳ありませんが、ただいま彼には取材依頼が殺到しており完全に「一見さんお断り」状態になっておりますので、どこで話すかはここで明かすことはできません。

 ただね、不謹慎を承知で申し上げますが、もし藤井先生が学校に通う必要がなければ、40連勝すら可能でしょうね…

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2017年05月12日

天才小説家の誕生?

 最近、本二冊にかかりきりで、ブログが全く更新できておりません。

 ただ、最近折に触れてよく考えることがあります。

 http://forzastyle.com/articles/-/49847

 もしこの内容を私の完全な想像力と妄想だけで作れるなら、たぶん私は天才翻訳家でなく、天才小説家になって、又吉さん以上に売れているでしょうね…

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2017年04月17日

強者と天才の話

 ただいま六月発売の本の制作に全てをつぎ込んでいるわけですが、少しだけ息抜きを。

 先日世界最上級の大天才・李昌鎬先生の話を書きましたが、今度はその師匠で現韓国国会議員の跳溢訐萓犬亮伝を読んでみました。

 その中でいい言葉を見つけました。

 「天才とは一万時間の訓練に耐えられた者である」
 「強者とは、より立派に孤独に耐え抜いた者である」

 一部で「華やか」と誤解される私の稼業ですが、多少「華やか」なのは私の友人のみなさんであり、私自身の仕事ではありません。昨日も今日も明日も一日十数時間パソコンの前でカタカタキーボードを延々と叩くだけの孤独そのものの仕事です。

 ちなみに、上記の言葉はどちらかが私の言葉であり、もう一つが跳溢訐萓犬里潅書の中にある言葉です。どちらがどちらか、わかりますかな…?

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2017年04月12日

天才の反省の話

 昨晩は、兄事する日本将棋連盟の森下卓九段と夕食に行ってきました。ウィキペディアに「森下九段は日頃の雑談が非常に面白いと評判」と書かれていますが、正真正銘本当です。

 初めて森下先生と一対一で話したとき、将棋の話はほとんど出ませんでした。口にするのは「囲碁の厳しさ」でした。私は今も碁のルールさえ知らないのですが一体これは何だろうと思い少し囲碁の本を読むことにしました。そして出会ったのが史上最強棋士・李昌鎬先生の自伝でした。
 
 念のため付け加えると、李昌鎬は最年少で世界王者となり、世界戦で勝率九割を誇った人物です。

 この自伝を読み、私は反省しました。

 タカ大丸は天才です。言語能力と未来予知能力と多少の営業に全てを注ぎ込み、料理をはじめとした家事一般はできませんし、絵も描けなければ楽器も弾けません。会社勤めもできません。

 しかし、天才にも上中下があります。私はせいぜい「下の上」か「下の中」程度の天才です。

 李昌鎬先生はこんなものではありません。内弟子時代に師匠夫人がやってくれたからか、靴紐が結べませんし、シャンプーもできません。そこまで全てを切り捨てて囲碁に人生を捧げてきたからこそ、世界の頂点に立ち続けることができたのです。これが本物で最上級の天才です。

 私はまだまだ切り捨て方が少なすぎました。凡人と天才の差は大きいですが、最上級の天才と下の中程度の天才の差はもっと大きいのです。今はただ反省して、次の本二冊、合計約400ページを一か月以内に仕上げるばかりです。

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2017年03月21日

編集者の醍醐味?

 最近出会ったとある女子大生と私の会話:

 女子大生:最近とある出版社の就職説明会に行ったのですが、そこで講師の方が「編集者の楽しみとは、天才と一緒に仕事ができることだ」と言われていました。
 私:確かに、言いえて妙だな。なんといっても、オレと一緒に仕事ができるんだもんな…

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2017年03月16日

立派な敗軍の将の話

 ということで、本日は私が裏舞台で見たWBCの話です。

 今週に入ってからずっと、私はWBCをテレビ観戦しておりました。ただし場所が少し特殊で、私がいたのは東京ドーム内「審判控室」でした。

 ことの性格上、中立性を保つために侍ジャパンの試合で日本の審判が出るわけにはいきません。中立国から審判を呼ぶ必要があるわけですが、その中にドミニカ共和国の審判がいたということで、スペイン語通訳として私にお呼びがかかったわけです。もし判定で揉めた際にはフィールドに出ていくしかありません。私が全国ネットで今回出てこなかったということは、運営も判定もうまくいっているという何よりの証拠です。

 ことの性格上、話せることと話せないことがあることはおわかりいただけるかと思いますが、これだけは伝えておきたいということを書きたいと思います。

 昨日侍ジャパンは今大会の台風の目となっていたイスラエル代表を撃破しました。私は昔いたのでよく知っていますが、イスラエルにおいて野球の存在感は皆無に近いです。そんな中でユダヤ系アメリカ人の選手たちが世界に野球を広げるため、そしてもちろん自身の売り込みという側面も大きかったと思いますが、健闘を繰り広げて大会を大いに盛り上げてくれました。

 試合が終了すると、ほぼ同時に審判団が控室に戻ってきます。あくまでも「黒子」ですから、おそらく観客の皆さんは審判団がフィールドからいなくなったことには気付かなかったでしょう。それはそれでいいのです。

 それから諸々の手続きがあるわけですが、記者会見の前にイスラエル代表のジェリー・ウェインスタイン監督が審判控室に現れました。そして「君たち審判団はこの試合でいい仕事をしてくれた。ありがとう」とだけ言って去っていきました。

 負けた直後の監督が嬉しいはずがありません。そして負けても記者会見で話さなければなりません。そんなときにきちんと審判団に一言感謝を述べに来た監督は素直に立派だと思いました。

 これからイスラエル代表一団がどのような道を歩むのかはわかりません。しかし、あの監督の姿を見て、今後の彼らに幸あれと私は心から願ったことはこの場を借りて伝えておきたいと思います。


https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170315-00010040-fullcount-base

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2017年03月09日

アルバイトの話

 先日、確定申告が終わりました。残念ながら、今年も原稿収入が一千万円を超えることはありませんでした。そろそろ、次の仕事を考えないといけないと真剣に考える今日この頃です。

 だからかどうかわかりませんが、昨日より私はアルバイトを始めることになりました。来週後半までの短期間限定ですが、東京ドームで野球がらみの仕事に携わることになりました。

 ここで、何か新しい展開が見えてくるのでしょうか…
 

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2017年03月06日

本物の勇気の話

 突然ですが、本日は私の師・趙慶哲先生の命日です。亡くなられてもう七年がたってしまいました。
 趙先生は韓国で知らぬ者がいない人気者でした。そして今も人気は衰えることがなく、多くの人々を楽しませ続けています。
 http://contents.innolife.net/news/list.php?ac_id=13&ai_id=216954

 お会いした時と比べて、私はほんの少し売れるようになり、食えるようになりました。そんな今の私を見たら、先生はどんなことを言ってくれるのだろうと今もよく考えます。

 さて、先日西原理恵子さんの素晴らしい記事を発見しました。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170303-00000013-asahi-soci

 私もほぼ同じ環境で生まれ育ちましたから、言わんとすることが痛いほどよくわかります。もしこの記事に私が付け加えるとするなら、「損切りの勇気をもってほしい」ということです。

 株にたとえると話がわかりやすいですが、株を買うときに「下がる」と思って買う人は一人もいないでしょう。誰しも「上がる」と思うから買うわけです。
 しかし、言うまでもなく株式相場に手を出して損をする人はあとを絶ちません。これって、「損切り」ができないからでしょう。
 男選びも同じことです。好き好んでダメンズとか酒乱暴力男を選ぶ人はいないでしょう。しかし、残念ながら当たってしまったということは誰にでもありえます。そんなときに一番大切なのは、早めに損切りをしてしまうことです。そうすれば、少なくとも被害を最小限に留めることができるでしょう。
 私に言わせれば、本当に勇気がある女性とは、そんなダメ男に当たってしまったときに早めに損切りをしてしまうことができる人だと思います。それができれば、被害が子供にまで拡がることはありません。
 以上、実体験からのつぶやきでした。

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2017年02月11日

「転職のすすめ」の話

 本日、私が書いたカレン・ロバート氏の記事がアップされました。

 https://hbol.jp/127953

 これまでヤフコメで結構叩かれてきた私ですが、その中でも傑作なのを発見しました。

 「とりあえずこれ書いた記者は才能ないから転職したほうがいい」

 たぶんこの人、私がいかに儲かってないとはいえ、文章を書いて一応サラリーマン以上の年収をもらっているのを知らないんでしょうな・・・四か月の有給休暇つきでね。

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2017年01月16日

「先生」の話

 昨日のことですが、藤井聡太四段のデビュー戦について書いた私の記事が公開されました。

 https://newspicks.com/news/2001417?ref=user_158042

 その際に森下卓九段からの提言「藤井君は中卒でプロに専念しろ」がかなり大きな反響を呼んでいるようです。

 話は飛びますが、最近ときどき私がいく焼き鳥屋の店主にこんなことを言われたことがあります。

 「私は医者と弁護士を除き、絶対に自分より年下の奴なんかを”先生”と呼んでやるかと思っていたのですが、タカ大丸先生だけは別です。」

 私はこう答えました。

 「私は囲碁将棋のプロは、どんなに若くても、たとえ相手が中学生でも”先生”と呼ぶことにしてます。」

 お断りしておきますが、いかに森下先生が「将棋界は甘い」とおっしゃったとしても、年間四人しかプロになれないプロ将棋の世界が厳しいものであることは疑いの余地がありません。何度でも強調しますが、藤井先生には「先生」と呼ばれる資格があります。

 これは私の持論ですが、そもそも学歴とは「人生のスタートラインに立つため」につけるものです。たとえば、教師になろうと思ったら大学の教育学部にいって教員免許を取らなければなりません。つい最近私は福島県南相馬市に取材に行ってきました。あの近所で最近医師がいなくなって困っている病院があります。ただ残念ながら私は手助けすることができません。当たり前の話ですが、いかに私が善意に溢れたいい人だとしても、医師免許がないくせに治療行為をしたら単なる違法行為です。私は高卒だからこそ、そんな学歴のありがたみを痛いほど知っています。

 その上で言いますが、藤井先生はもう「スタートラインに立った」どころか「もうスタートを切ってしまっている」わけです。ですから、彼が中卒でプロに専念しようが高校に進学しようがどちらでもいい、彼が選べばいいというのが私の考えです。

 端的にいって、藤井聡太が加藤一二三に勝ったのはニュースではありません。今後彼が中卒の道を選ぶのか、高校進学を選ぶのか、ぜひそこを見守ってあげてください。

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2017年01月11日

歌になったら、の話

 最近、とあるアメリカ人の女友達と私が交わした会話:

 彼女:もし、あなたがテイラー・スウィフトと付き合えるチャンスがあったら、たとえ将来別れた後に歌でボロカスにけなされるとわかっていても付き合う?
 私:もしそういうことになったら、オレは絶対テイラーを裏切らないし、一生忠誠を誓うから、オレが歌の題材になることはない。だから、全然心配せずに付き合うよ・・・

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2016年12月25日

最年少記録の話

 本日はクリスマス、昨日はイブだったわけですが、私は千駄ヶ谷に行っておりました。いうまでもなく、史上最年少棋士・藤井聡太四段と最年長棋士・加藤一二三九段の対局取材です。

 これまでにも何度か触れている通り、私は藤井四段が小6のときからエセ後見人を務めております。当初、具体的には奨励会在籍中はずっと彼を「聡太」と呼んでおりました。そして、四段になった瞬間から「藤井先生」と呼び続けております。
 
 昨日の千駄ヶ谷は大混雑でした。彼が九月に昇段を決めた際には朝一番に待ち伏せているのは私だけでしたが、今回は入り口に何台ものカメラが待ちかまえ、二人が姿をあらわす瞬間をとらえようとしていました。

 世間には、彼がまだ中学生ということで「藤井君」「聡太君」と呼ぶ人がまだ沢山います。

 うろ覚えで申し訳ないのですが、かつて13歳だか14歳だかでグラミー賞最年少受賞を果たした歌手が次のようなスピーチをしたそうです。

 「きっと、皆さんは私の年齢を見てポッと出の歌手だとお思いでしょう。しかし、私は三歳のときから十年間歌い続けてきたキャリア十年のベテラン歌手なのですよ。」

 だから私はもはや冗談でも「聡太君」とは呼べないのです。彼には、年齢に関係なく「先生」と呼ばれる資格があります。確かに私は天才ですが、同じ天才の中でも藤井先生のほうがはるかに格上です。

 今私が願っているのは、いま最年少でデビューした藤井先生に、加藤先生よりも長く現役を務めて最年長棋士になるまで活躍してほしいということです。彼が76歳になるのは62年後、つまり私は99歳ということになりますのでそのころには間違いなく死んでいると思いますが、あの世からそんな藤井先生の姿を見たいと思います。

 なお、近日中にこの対局について記事を発表します。乞うご期待。

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2016年12月23日

所得倍増の話

 ということで、本日も引き続き一冊の本を紹介します。

 http://tinyurl.com/h8q6vfw

 著者のアトキンソン氏との初対面はたしか去年の夏だったと思います。
 とある媒体でのインタビューだったわけですが、編集者からの要望が「少しでも先方の日本語が怪しくなったらすぐに英語に切り替えてください」でしたので、それで私が呼ばれたのだと思います。

 心配は無用でした。氏は莫大なデータをものすごい早口の日本語でしゃべりまくり、私に口を挟む余地を与えてくれませんでした。

 本書において、アトキンソン氏は日本の生産性がいかに低いかをこれでもかと抉り出していきます。この点をみて彼を反日外国人と勘違いする人がまだいるようです。
 
 しかし、この人は私などよりはるかに日本の潜在能力と可能性を信じています。というか、私に言わせればこれでも日本を過大評価しているのではないかと思うくらいです。だいいち、本気で日本と付き合う覚悟がなければあれほど日本語を勉強するはずがありません。

 これまで何度も言ってきた通り、私は極貧の環境で生まれ育ちました。あの頃は、私のような育ちの人は本当の少数派で、なぜ自分だけが生まれつき貧乏くじをひかなければならないのかと何度も運命を呪いました。

 しかし、今私が日本について一番憂いているのは「タカ大丸が少数派でなくなっていること」「貧困が拡大・進行・固定化してしまっていること」です。

 一つだけ確かなことは、富裕層を叩いても貧乏人は救われないということです。おそらく、本書を読む人の大部分は知的にも経済的にも並以上の人たちでしょう。まずはそんな人たちからこの本を読んで現状を見つめ、貧困とデフレの脱却を目指すべきだと思います。

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2016年12月22日

アウェーでも愛されるアスリートの話

 ということで、本日は一冊の本を紹介します。

 http://tinyurl.com/zgpphoa

 日曜日に、私が敬愛する将棋の藤井聡太四段の昇段記念パーティのため名古屋に行ったのですが、その際に新幹線で読んだ一冊です。
 著者の慎さんは私もお世話になっておりますが、韓国のスポーツを20年以上取材し続け、これまでにも朴智星の自伝や在日コリアンサッカー選手の書籍などを手掛けておられる方です。

 話は少し飛びますが、私は海外で活躍する某日本人選手がテレビで「僕は引退したら次の日には飛行機に乗って日本に帰ります。別に好きでこの国にいるわけではありませんから」と発言しているのを見て愕然としたことがあります。

 「好きでいるわけではない」つまり今いる国を「嫌い」だと言っているわけです。外国暮らしがきれいごとだけではない、含むところが沢山あるのはわかります。しかし、それはテレビカメラの前で放言することではありません。日本語で話しているから油断したのかもしれませんが、今どき日本語がわかるアメリカ人などいくらでもいます。この人たちが英語の字幕をつけてYoutubeにこの映像をアップする可能性は十分にありえます。あまりにも配慮に欠けていますし、勝負師が不要なところで敵を作ってはいけないのです。

 それとは正反対というべきか、これだけ日本と韓国の関係が悪く、条件も決して良くない中でイ・ボミ選手の悪口というのは聞いたことがありません。実績についてはあらためて私が繰り返すこともないでしょう。彼女にとって日本はどう考えても「アウェー」のはずなのですが、いまや「ホーム」にしてしまっています。これはアスリートにとって大変重要な資質だと思います。

 本書は単にイ・ボミの人気・知名度にあやかっただけでなく、なぜ韓国から優秀なプロゴルファーが多数輩出されるのか、そしてなぜ数多くの韓国人女性プロゴルファーが日本を「ホーム」にできるのか、を洞察しております。手に取ったときなんとなくほかの新書より重みを感じましたが、情報量と取材内容は一新書の範囲を超えております。ぜひ、イ・ボミ選手から多くを学んでください。

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2016年12月15日

ゴーストライター

 先日、約十年ぶりにあった友人と私の会話:

 彼:ところで、大丸さんって誰か代わりに書いてくれるゴーストライターとかいるのですか?
 私:残念ながらいないんですよ。分けてあげられるほど印税をもらっているわけでもなく、天才なので私より上手くて早くて頼りにできる人がいないんですよ・・・
 彼:印税が安いのだけは、私も身をもってよく知ってますよ・・・

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2016年11月25日

キャプテンの話

 最近、Jリーグ某クラブで主将を務める友人と交わした会話:

 私:おい、キャプテンというのはどんな感じで任命されるんだ?
 彼:チーム始動二日目か三日目に、いきなり監督室に呼ばれるんですよ。何か悪いことしたかな・・・と思いつつ部屋に入ったら、”君の言動や練習態度を一年間見せてもらって、今年はキャプテンをやってもらおうと思う”とかなんとか厳かに言われたんですよ。”え、まさかオレが?”と思ったんですけど、断るに断り切れず・・・
 私:正直に言っていい?オレも、「おめぇが?」と思ったよ。目が点になって、”キャプテン”って何だったか、辞書で調べなおしたよ・・・

 追記:彼が主将を務めたチームは、今年クラブ史上最高順位を記録、観客動員も好調で、来年は優勝を狙えそうです・・・

 

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2016年11月16日

実力不足の話

 ということで、本日は一冊の本を紹介します。

 http://tinyurl.com/h7z5dvx

 最近は私が天才であることをご理解いただける場合が多くなりましたが、それでも物書きの中でどうしても勝てないと思うのが本書の著者・木村元彦さんです。

 「オシムの言葉」もそうですが、その後取り上げた「我那覇選手」や「溝畑元社長」などは、私なら絶対に企画を通すことができませんでした。つまり、木村さんには「この人がそこまで言うなら」という版元の信頼があり、私にはその信頼がまだついていないということです。上記の二人をはじめとして、木村さんのおかげで名誉回復できた人は数え切れません。

 私はここ数年、ある方の名誉回復をしようとずっと動き続けてきました。そのためならテレビでいくら「見た目が怪しすぎる」といじられようと、オンライン記事で「婚活中の珍獣」扱いされても耐えてきました。しかし、残念ながら間に合いませんでした。ひとえに、私の実力不足です。悔しさのあまり、先週は号泣するしかありませんでした。もし私が木村元彦さんなら、絶対こんなことにはならなかったでしょう。親が死ぬより辛い結末です。

 本書の中で、木村さんはサンフレッチェ広島の礎を作り上げ、数多くの指導者を育て上げてきた今西さんの姿に焦点をあて、その後岐阜でいかにひどい目にあい、不条理を押し付けられたのかを暴いていきます。本書を読むと、人を育てるというのがどういうことか、よくわかりますし、その一方で私が常々言っている「日本は都道府県で分かれているわけではない。江戸時代の藩のままだ」ということが裏付けられています。その意味で言えば、本書は日本社会の根底に流れているどす黒い何か、そして旧態依然の社会の骨格を見事に暴き出しているといえるのではないかと思います。

 まだ読んでない方は、タカ大丸の本と合わせ、今すぐ書店でお求めください。

 

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2016年11月09日

フリーランスの営業?

 最近、高校の同級生でもある友人のフリーアナウンサーと私が交わした会話:

 彼女:今度、「フリーランスの営業術」というテーマで話すんだけど・・・
 私:いいね。行くよ。というか、「フリーランスの営業術」ならオレも結構得意だから、オレもしゃべろうか?うまくいけば、オレみたいに三か月くらい働かなくてもよくなるぞ・・・
 彼女:あんたの事例は特殊すぎるから参考にならない。お願いだから、やめて・・・
 

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2016年10月03日

初めての監督の話

 本日、驚きの悲報が入ってきました。山本一義さん死去のニュースです。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161003-00000090-jij-spo

 今でこそ何人かの監督と友人付き合いさせていただいている私ですが、初めて監督経験者とじっくりと対話したのはこの方が初めてでした。まだ私が30になる前のころだったと思います。

 この方の伝説は数々ありますが、一番驚かされたのは「とある大学から講演の依頼を受けたが、講演をしたところ学長が感銘を受けてその場で授業のコマが決まった」という話でした。当たり前ですが、学長になるくらいの人物なら当然ご自身でも講演ができるでしょうし、名講演なんていくらでも聞き飽きているでしょう。その中ですぐに授業のコマが決まるというのはあるようでない話ではないでしょうか。その他の伝説は、重松清さんの「カープ1975」をお読みください。

 実際に対面した山本一義さんは期待以上の方でした。監督を務める人物というのは必ず何かしら人を引き付ける人間性や魅力を備えているものですが、その見本ともいえる方でした。

 あのときに交わした対話内容を一つだけ明かします。

 Q:最近、新井選手がFAで阪神に行って、広島でブーイングを浴びましたよね。同じくFAで阪神に行った金本選手はやじられませんでした。広島人から見て、やじれない金本とやじる新井は何が違うのですか?

 A:ええか、わしゃぁ広島人が何を勘違いしとるのか知らんが、新井はものすごいええ男じゃけえの。あいつは、金のことなんか一言も口にしたことがないんじゃ。

 山本一義さんの言葉が正しかったのはその後広島に帰ってきた新井選手を見ればおわかりでしょう。
 結局、私がこうして実際に対話できたのはあの一度だけです。しかし、この一度は今の私にもつながるかけがえのない財産です。心より、冥福をお祈りしております。

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2016年09月19日

二重国籍の話

 ということで、本日は「国籍」の話です。

 野党の党首が「二重国籍だ」という話が出ていますね。たまたま今うちにイスラエル国籍の方とドミニカ共和国出身でスペインとの二重国籍の人が泊まっているので、この件をどう思うか聞いてみました。

 先に少しだけ解説しておくと、歴代のイスラエル首相はほとんどが「外国生まれ」です。現首相のネタニヤフ氏がおそらく初の「イスラエル出身」首相でしょう。ですが、実質米国育ちでもありますから、若いころは二重国籍でした。それから同氏は特殊部隊に入り、政界入りしますので当然米国籍は放棄しております。

 「私が知る限り、イスラエルの大統領と首相は全員イスラエル国籍のはずだ。外国籍を持つ人物がそういう要職につけるとは考えられない」

 とのことでした。

 ドミニカ人の彼も同意見でした。
 「ドミニカ共和国の大統領は全員ドミニカ国籍だ。そんなの当たり前だろう。」

 私の感覚からすると、一般人が二重国籍なのはいいんですよ。一人ひとり別の背景があるのですから、それは正式に認められるべきだと思います。外国のルーツがあるのも全然いいんですよ。オバマ大統領の父親はケニア人ですが、本人は生まれついての合衆国市民ですから別に問題ありません。最近、一部で実は私が韓国人ではないかと疑惑が出ているようですが、おそらくは「在日韓国人54世」なのでしょうと答えておきます。

 ですけどね、少なくとも外交官と政治家はダメですよ。どんなに辛くても、きちんともう一つの国籍を放棄して日本国に忠誠を誓ってもらわなければなりません。野党党首ということは、次の選挙に勝てば総理大臣になる可能性もあるわけです。自衛隊の最高指揮官になりうる人物が二重国籍というのは、どう考えてもおかしいです。たとえもう一つの国籍が日本にとって最大の友邦ともいえる台湾であってもそれは同じです。

 この記事をぜひ読んでみてください。
 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160915-00177099-newsweek-int

 私の知人にも(政治家になるわけでもないのに)旧国籍を放棄して日本に帰化した人が何人かいます。中には、「旧国籍の国の機関で五時間にわたり徹底尋問された」それでも日本に賭けた人がいます。小学校のときに帰化した人もいますが、そのときのことは今も忘れられないと言います。私に言わせれば、こういう人たちと問題の野党党首は「日本人としての覚悟が違う」わけですから、一緒にするわけにはいきません。党首選で勝ったかもしれませんが、それは経歴の問題を明らかにしたうえでの話ではありませんから無効でしょう。つまり彼女は政治家としては不適格です。

 以上、世界の常識でした。

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2016年09月12日

食えるプロと食えないプロの話

 ということで、本日は一冊の本の紹介です。
 http://tinyurl.com/zylk4ay

 この本の主人公は日本で十番目、世界ランキングで300番台後半くらいの実力のテニス選手です。

 端的に言って、テニスは宣伝媒体として非常においしいスポーツです。サッカーのワールドカップは4年に1回ですが、テニスはグランドスラムが1年に4回です。男子マラソンは2時間少々ですが、5セットマッチとなる男子テニスのグランドスラムは3、4時間続くのが当たり前です。しかも団体スポーツと違いたった二人の選手がテレビ画面に映りっぱなしです。野球のシーズンはだいたい4月からポストシーズンを入れても10月くらいですが、テニスは1月から11月までほぼ毎週連戦です。しかも、テニスファンは比較的上品で可処分所得が高い人が多い。世界的な広がりも大きいですし、そう考えていくとなぜランキング上位の選手が莫大な賞金と高額の広告収入を得ているかおわかりでしょう。

 しかし、それはあくまで「光」の部分です。「陰」は全然違います。
 テニスの場合、そもそも賞金では食えません。賞金がフリーター以下で、かつ経費がかかります。仮に海外の小さな大会で優勝して賞金1500ドルを獲得したとします。しかしそこに行くための飛行機代、食費、宿泊費その他は全て自腹です。つまり完全に赤字です。それでもテニス選手として生きて順位を上げるためにはとにかくATPポイントを稼がなければなりませんから、足が出ることを承知で行くしかないのです。はっきり言って、彼の生涯獲得賞金は私の昨年の年収と大して変わりません。

 実は彼には大きな欠点があります。勝負弱いのです。飛躍の大きなチャンス、スポンサー獲得の天王山といった人生を変える大勝負で必ず負けます。考えてみれば、相撲と違いテニスには「幕下付け出し」がありませんから現在ランキング上位の選手たちも最初は2000位とかから始まっているわけですが、そういう人生を変える大勝負を確実に勝ちきっているから今の地位にたどり着いているわけです。私がことあるごとに「勝負は勝つことが全て。負けて得るものなど何一つない」と繰り返していますが、そういうことです。

 名前は伏せますが、Jリーグの監督で極端に勝負弱い人物がいます。とにかく、優勝決定の一番とか首位争いの天王山とかいった試合にことごとく敗れて「銀」ばかり集めています。ただサッカーがいいのはこういう人物でもン千万円程度の年俸は確保できるということです。テニスの場合そうはいきません。おそらく、日本人がプロテニス選手として食える確率は食える翻訳家になれる可能性といいとこどっこいではないでしょうか。

 ただ、テニス選手は上位にいけば億単位の年収も可能になります。そこが翻訳業との決定的な違いですね・・・

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2016年09月10日

積み重ねた信頼の話

 ということで、今朝は少し早起きして全米オープンの準決勝を見ておりました。ジョコビッチは順当に勝ち進み、決勝の相手はバブリンカに決まりました。正直、昨年の全仏オープン決勝でやられている一発がある相手ですから、怖いです。別の組み合わせだったらよかったと少しだけ思います。

 さて、今回のジョコビッチは三試合連続棄権で勝利という珍しい事態になっております。これを見て、したり顔で「ラッキーだ」とか「運も実力のうち」と言う方がおられますが、それは根本的に違います。勝負を全く知らない人の愚論です。

 テニスのシーズンは1月から11月まで延々と切れ目なく続きます。おそらく、ほかのどのスポーツよりも競技時間が長く、消耗度が激しいでしょう。
 しかも、今年は五輪がありました。シーズンも四分の三を消化し、無傷の選手など一人もいるはずがありません。
 ジョコビッチにしても同じで、決して体調は万全ではありません。左手首を負傷しておりますし、今日の試合を見ても普段では考えられないほどのダブルフォルトの数、そしてメディカルタイムアウトの様子を見れば右肩の状態が悪いことは明らかです。
 
 だったら、少しでも勝てる可能性があれば何が何でも粘るでしょう。今回棄権した三選手は「これ以上粘ってもノバクには勝てない」と悟った、そしてそういう「信頼」をジョコビッチが同業者の間で積み重ねてきたから棄権したのです。

 どこの業界でもそうですが、ある人の正体と実力を知りたければ同業者に聞くのが一番です。競争の世界で現場にいる人たちは相手のどこが自分より優れていてどこが劣っているのか正確に把握しています。だから、私に言わせれば相手に連続して棄権させる力こそ、ジョコビッチの実力なのです。

 私も出版業界で同じように「信頼」を積み重ねているか、自省させられた今日の朝でした。

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2016年09月09日

タイサッカーの話

 ということで、先日日本代表が対戦したタイのサッカーについての話です。

 一部には、2-0と得点が少ないことにご不満の方もおられるようですが、私に言わせれば代表のサッカーは勝つことが全てです。経過も得点差も内容もどうでもいいです。勝ち点3がとれればそれでいいのです。

 今年八月にタイを訪れた際に、私は三つのプロチームを視察し、それぞれの監督や選手たちとかなり突っ込んだ話をしてみました。
 盛り上がりは本当にすごく、人気クラブは毎試合満員です。はっきり言って、J2でくすぶるくらいなら、タイで勝負をかけたほうが絶対に楽しい日々を送ることができます。
 タイのトップリーグであるタイ・プレミアリーグですが、端的にいってレベルは上位のほうでJ2のトップと同じくらいでしょう。下のほうはもう少し落ちると思います。
 ただ、ここで忘れてはならないのは、あと数年でタイ・プレミアリーグはJ1より強くなるということです。近いうちにACLでタイと当たったときに勝てなくなる時代がもうすぐやってきます。

 一番の大きな理由は「レスター」です。タイ人オーナーが所有するレスターがプレミアリーグで優勝したわけですから、これからタイの大富豪がサッカーに目覚めて大金を投じるようになることは十分に考えられます。実際、タイの強豪・ブリーラムにもレスターのオーナーの資金が入っています。五年もしないうちに、世界中の誰もが知る名選手がタイに行く可能性も十分にあります。改善の余地があるとすれば、練習場ですね。現在優勝争いをしているチームが河川敷みたいなところで練習していることもあります。せっかくお金があって盛り上がっているのですから、そこにお金を入れればもっとよくなるでしょう。

 一つだけ問題があるとすると、タイのオーナーがクラブに対し・・・あとは、怖すぎて言えません。現地の監督や選手から実態は聞いておりますが、ちょっとブログでは書けません。もし気になる方は、私に直接会った時にそっと聞いてください。

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2016年09月04日

大人の責任の話

 ということで、昨日に続き藤井四段の話です。

 ご存知の方も多いと思いますが、私は長年「情熱大陸に出たい」と言い続けております。はっきり言って、今の私なら実績も資格も十分あると思いますし、何より番組史上有数の視聴率を記録する自信もあります。

 ではなぜこう考えるようになったのか。話は二十代半ばのころにさかのぼります。
 まだ岡山にいたころ、私が通っていた人気ラーメン店がありました。米国留学のために週七日働いていた私にとって、その店に行くのだけが唯一のオアシスでした。当時、まだ「グルテンフリー」は知りませんでしたから、それはまた別の話です。

 そして二十代半ばで久しぶりにその店に行ったとき、私のことを覚えていたおばちゃんが、こう言ったのです。
 「あんたが何を言っても、”情熱大陸”に出なければ、私は認めてあげないよ。」
 あれから15年近くたちますが、私は未だにこの言葉に縛られ続けているのです。

 藤井先生と私が知り合ったときは、あちらはまだ小学六年生でした。誰でもそうですが、小学校や中学校の時分に付き合いがある大人といえば、せいぜい親と親戚、学校の先生くらいでしょう。もちろん、藤井先生の場合はそこに将棋関係者が加わるでしょうが、どちらにしても子供のころの交友範囲は限られています。

 そう考えると、おそらく私は藤井先生にとって初めての「大人」なのです。ですから、本人が自覚する以上に私の言葉に影響を受ける可能性が高いのです。

 大人同士なら、多少の失言をしても「ごめんなさい」と言えば大体すみますが、相手が小・中学生の場合は取り返しがつかなくなることも十分ありえます。ですから、私は藤井先生に対しどのような言葉をかければ力を発揮するのか、何を言えば天狗になってしまうのか、逆に何を言えば萎縮してしまうのか、など色々考えるようになりました。

 一つだけ確かなことがあります。藤井先生が私と付き合っても将棋が強くなることはありません。ですから、邪魔だけはしないように、少なくとも”悪い大人”にだけはならないように気を付けてきました。

 まだ子供がいない私は、藤井先生のおかげで少し大人になれたのかなと思います。あらためて、感謝しております。

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2016年09月03日

わが師の話

 本日ヤフーニュースのトップで大々的に報じられましたが、将棋界に14歳のプロが誕生しました。藤井聡太四段です。厳密には10月1日付かと思いますが、もう決まった話だからよいでしょう。

 実は、藤井先生と私は彼が小6からの付き合いとなります。全国メディアとしては初だったらしいのですが、雑誌の特集で取材、以来愛知県在住の彼が東京に来る際のエセ後見人を務めております。
 
 お断りしておきますが、私が藤井先生を「育てた」わけではありませんし、何かを教えたこともありません。もう40近い私が中学生をつかまえて「先生」と呼ぶのは奇異に思われるかもしれませんが、少しでも将棋界の仕組みを知り、将棋でプロになるのがいかに難しいことかを知れば年齢に関係なく四段になった人物を「先生」と呼ぶのは当然です。

 今回は加藤一二三九段以来の最年少記録ということですが、率直に言って加藤先生の時代には「三段リーグ」もなく、棋士全体の層も今より薄かったですから、今回の大記録は比べ物にならないほどの偉業です。

 これは藤井先生の師匠である杉本七段からうかがったのですが、小学生時分から藤井先生は師匠と対局する際に本気で勝とうとして考え込み、腹痛をおこすことが何度もあったそうです。私は個人的に何人も将棋のプロ棋士を知っておりますが、こんな話は前代未聞です。

 つまり、藤井先生には生まれつきアイルトン・セナやノバク・ジョコビッチに勝るとも劣らぬ異常なまでの勝利への執念が備わっているのです。これは勝負師として生きていくうえで最も大切な要素です。

 私は初対面のときに一泊二日で密着し、その後我が家にも泊まってもらいましたが、藤井先生を「子供」だと思ったことはありません。一体、世の大人の中で藤井先生ほど自らが選んだ職業・分野において全身全霊を捧げ、執念を燃やしている人がどれだけいるのでしょうか。今まではあちらも修行の身でしたから決して公言しませんでしたが、私にとって藤井先生こそが師なのです。

 今回の三段リーグが始まる前に一度杉本・藤井両先生と私の三人で会食の機会がありました。そのときに、私は「今回三段リーグに入ったら、”こいつだけは上がらせたくない”の”こいつ”になるんだよ。だからこそ、そうやって睨まれている間に勝つことが今後の強さになる」と話しました。そうやって周囲ににらまれる中で三段リーグ一期抜け、最年少四段を達成したことの意義はどれほど強調しても強調しきれません。

 藤井聡太先生、あらためましておめでとうございます。そして、今後のタイトル獲得を心から楽しみにしております。

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2016年08月25日

嫌な質問の話

 数日前のことですが、厚切りジェイソン氏の秀逸なインタビューを拝読しました。ぜひ読んでみてください。

 http://president.jp/articles/-/19946

 ジェイソン氏は示唆に富む言葉をいくつも発しておられるわけですが、その上でもう一つ注目していただきたいのは「質問者のおかしな質問」です。「こんなんだから台湾の企業に買収されるんだ」とバッサリ切られていますが、別にこの質問者だけがおかしいのではなく、この人は「日本人全体のおかしな感覚」を代表しているだけなのだと思います。

 さて、私がこのインタビューの中で一番共感したのは冒頭の「本業という言葉が嫌いだ」という一言です。実は私も同じで、「本業」という言葉に加えて、「副業」という言葉はさらに大嫌いです。

 ご存知の通り、私は複数の収入源を確保しています。書籍翻訳の印税、オンライン・紙媒体の雑誌原稿料、Airbnb、会議等の通訳、ごくたまにテレビ出演などもあるわけですが、そうすると必ず「メインは?」「本業は何?」と聞く人があらわれます。

 私の答えは、「全てメインです」。お金が発生する案件に対し全部本気で取り組むのは当たり前です。

 よく早合点して、「ああ、あなたは翻訳が本業で、副業でAirbnbをやっているのですね」と決めつける人がいますが、「副業」で夜中の二時までお客さんと付き合えますか?荷物を京都に忘れて、警察に東京まで送ってもらう手続きや書類作業をしなければならないこともあります。これからAirbnbをやろうとお思いの方は、「副業」とか「余暇」でやろうとは考えないほうがいいですよ。ついでに言っておくと、私は「翻訳」の仕事は嫌いではありませんが、「翻訳家」という人種は大嫌いです。私の活動範囲はどう考えても「翻訳家」の枠を超えていることはお忘れなく。
 
 私に言わせれば、「本業」「副業」という言葉を使う人は、人生を真剣に生きていないのです。仕事で手抜きができる思考回路の持ち主なのです。こういう人とは私はお友達になりたくありません。

 私は仕事として引き受ける以上、かかわった書籍は全力で増刷を目指しますし、オンライン媒体に書くならページビューを稼げるものにするよう力を尽くし、テレビに出るときは「見た目が怪しい」とコケにされてでも高視聴率を目指し、Airbnbで旅人を迎えるときは相手が求めるなら夜中12時過ぎまで付き合います。

 仕事に関して、私はいつも本気で真剣なのですよ。

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2016年08月18日

日本における親の教育の話

 このブログをお読みいただいているのは、現住所がどこであれ大部分が日本生まれの日本人ではないかと思います。そうであれば、99%以上の方は必ず子供のころに「人に迷惑をかけるな」と教わったのではないでしょうか。
 
 ただ、私はこの言葉・考え方が実は間違っているのではないかと考えるようになりました。

 最近、色々な場面でプロサッカー関係者と会います。選手もいれば監督もいますし、スタッフの方もいます。そして一つ痛感したのは、「サッカーを仕事にするということは、絶対家族に迷惑がかかる」ということです。

 シーズン前のキャンプで家をあけ、しょっちゅう遠征で家に帰ることができず、全員どこかの場面で必ずクビになります。
 実際に私が目の前で見た範囲でも、結婚式の直後に移籍で引っ越しすることになったというのは序の口で、せっかく初めての子供が生まれるのに海外にいて出産に立ち会うことができなかったとか、一年に二回は引っ越しをしていて、実家で暮らして別居生活とか、そんな話ばかりです。かといって、仕事を辞めてしまってはなかなかサッカー選手のときほどの収入も得られませんから、やっぱり働くしかないわけです。仕事もせずに家でごろごろしていたら、さらに迷惑でしょう。

 そもそも論から言って、人間として生まれてこのかた一度も他の人に迷惑をかけたことがない人などどこにいるのでしょう?

 そう考えると、子供に教えるべきは「人に迷惑をかけるな」ではなく、「生きている以上必ず誰かに迷惑をかけるのだから、その分どこかで埋め合わせをしなさい」ではないでしょうか。

 以上、まだ(たぶん)子供がいない(はずの)タカ大丸のつぶやきでした。

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2016年08月16日

夢を与える男の話

 先日のタイに行ってきた、東部のブリーラムという田舎町に行き、ブリーラム・ユナイテッドのアフシン・ゴトビ監督とお会いしてきました。実は、ゴトビ監督からは日本全体を揺るがしかねない大スクープを預かっています。たぶん、来月初頭くらいには発表できるでしょう。

 さて、ゴトビ監督はかつて日本でも清水エスパルスで監督を務めておられましたが、今年からはタイにいるわけです。当然というべきか、タイ語は話せません。したがって、通訳がいつもついています。

 私はプレスパスをもらって試合後の監督記者会見にも行きました。私もタイ語は文字通り一言もわかりませんが、職業柄通訳者がいい仕事をしているかどうかは言葉がわからなくてもすぐにわかります。かなり若い方ですが、非常に有能な人材であることがすぐにわかりました。

 試合翌日に監督と対面した私はそのことを伝えました。

  私「あなたの通訳は相当にできる人物ですね。どうやって見つけたのですか?」 
 監督「私が見つけたのではない。クラブが事前に任命していた。私の前にはエリクソンの通訳もやっていたとのことだが、君の言う通り大変優秀な男だ。今は二十代後半だが、将来はモウリーニョになりたいとのことだ」

 この言葉を聞いて思いました。モウリーニョ監督に毀誉褒貶があるのは誰もが知る通りです。しかし、一つだけ誰にも否定できない事実があります。「この男が、全世界の通訳者にとって希望の星となっている」ということです。前にも言いましたが、私は「翻訳者のイチロー」と呼ばれても嬉しくありません。凄腕の外科医か何かが「手術室のタカ大丸」とでも呼ばれるほうがよほど嬉しいです。そして、50代前半のイラン系アメリカ人と30代後半の日本人がタイで交わした対話で「次のモウリーニョ」といえば何を指しているのか言わなくてもわかる、これが男の目指すべき究極の姿ではないでしょうか。

 10年後くらいに、「あの男は次のタカ大丸を目指している」と言うのが通り相場になっているのが、私の一つの目標です。
 あの日、監督と私は直接二人だけで対話しましたので、この場にかの通訳君はいませんでした。私は、まだ名前も知らないあのゴトビ監督の通訳が15年後に「タイのモウリーニョ」になっていることを確信しています。

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2016年08月11日

華やかな生活の話

 先日のバンコクで、書店でトークショーをさせていただきました。
 Q&Aコーナーで、お決まりの質問が飛んできました。
 「翻訳の技術的な問題について、答えたくなければ答えなくていいのですが…」
 こういう質問が来るときには、本当はこの質問はどうでもいいのです。一番知りたいことは、次にやってきます。

 「で、翻訳って儲かりますか?」

 もう耳にタコだと思いますが、全く儲かりません。はっきり言って、現在の私は間違いなく日本で十本、いや五本の指に入る売れっ子訳者です。で、これしか入ってこないわけですから、それ以下だともう悲惨の一言です。しかも、こういうのって、「ロングテールの法則」というか、一位に極端に集まり、二位がその半分で、三位がその半分で・・・というのが普通です。ということは、13位と103位は本当に横一線のゼロに等しい収入しか得られないでしょう。とても子供に勧められる職業ではありません。

 つい先日も、翻訳業に興味があるという方が相談に来られました。「何でなりたいの?」と聞いてみると、「今の仕事に不満があって、しかもタカさんの華やかな生活がうらやましくて・・・」とくるわけです。

 私はこう答えておきました。「今の仕事に不満なら、営業部に配属してもらって売り上げ一億くらい記録すれば?そしたら、いくらでもボーナス要求できるよ」そういえば、物書きにボーナスはありませんでした。

 それから、翻訳の仕事なんて毎日毎日変わることなく築六十年以上の自宅兼事務所で延々とキーボードを打っているだけです。「派手」なところも「華やか」なところも皆無です。追い込みの時期に入ると1日19時間くらい書きますからデートもできません。酒も飲みませんから夜の街でどんちゃん騒ぎすることもありません。たまに友人のサッカーをはじめとするプロスポーツ選手とランチに行くことはありますが、男二人でぼそぼそしゃべっているだけですよ。どこが華やかなんですかね・・・

 私の実態をご存知の皆さん、いったいタカ大丸の生活のどこが「華やか」なのか教えていただけませんか?

chairmantaka at 14:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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