川内原発再稼働にまつわる「活断層と火山のリスク」

2014.07.30

7月17日に原子力規制委員会の審査を通過し、早ければ10月にも再稼働するとも言われている鹿児島県の川内原発。ということは最も安全なのかと思いきや、すでに各種報道がなされているとおり、実は“日本一危険”な原発だった!! 問題点をおさらいしよう。

◆原発直下に活断層の可能性!予想マグニチュードは7以上!!

川内原発の直下に活断層の可能性。今年2月、新潟大学の立石雅昭名誉教授(当時)、地元の研究者や住民らによる「川内原発活断層研究会」が会見を開いた。立石氏は「断層は原子炉の北東約800mの山中の崖に露出し、地表近くから3本がそれぞれ垂直に延びている」と解説した。
 
BK2_140722_03-300x199

「断層の粘土は非常に軟らかく、13万〜12万年前以降に動いた新しい活断層の可能性があり、再び地震を起こす危険性がある」と警告した。発見された断層のうち、ひとつは川内原発の敷地のほうに延びていたと立石氏は言う。

「地表に出てきている部分はごくわずかで、地下で原発直下に延びている可能性が高い」

これに対し九州電力は「調査を行った結果、活断層ではなかった」との報告を行った。

「3つの断層のうち九電が調査したのは北側の断層1つだけ。それなのに3つとも『活断層ではない』ということにしています。川内原発直下に延びている可能性が高い断層について調査されていない」

BK2_140722_05

◆放射性物質が火山灰とともに東京、北海道にも

この断層が危険性の高い活断層だとしたら、どの程度の規模の地震が発生しうるのか?

「震源の深さにもよりますが、川内原発はマグニチュード7以上の大地震に見舞われる可能性が高い」と立石氏。九電の想定している地震規模はマグニチュード5.7。マグニチュードは1上がることにエネルギーは32倍となる。川内原発が直下の大地震に耐えられるかは大いに疑問がある。

ほかにもこの地域には、政府の地震調査委員会が発表した「マグニチュード7.5以上」の地震を引き起こす可能性のある2本の活断層が、それぞれ原発敷地方面に延びているとの指摘もある。爆弾をいくつも抱えている状態なのだ。

さらに、この原発がほかの原発より危険だと言われる大きな理由が、火山の噴火リスクだ。

「川内原発は間違いなく日本一火山リスクの高い原発です。これは日本の火山学者の大半の考え。再稼働以前に、あんな場所に原発があること自体が間違いです」

井村隆介・鹿児島大学准教授はそう警告する。

「九電は『火山を監視して危険な兆候があれば、核燃料等を移動させる』としており、再稼働の是非を審査する規制委もそれを受け入れました。しかし、カルデラ噴火がいつ起きるのかを正確に予測するのは不可能だというのが、現在の火山学の常識。それに、規制委には火山の専門家がいないのに、火山リスクを審査しているということ自体が重大な問題です」

参照元 : 日刊SPA


川内原発が事故を起こせば「汚染水」は本州にも拡散!?

2014.08.11

7月17日に原子力規制委員会の審査を通過し、早ければ10月にも再稼働するとも言われている鹿児島県の川内原発。ということは最も安全なのかと思いきや、すでに各種報道がなされているとおり、実は“日本一危険”な原発だった!! 問題点をおさらいしよう。

◆汚染水が対馬海流、黒潮に乗って本州側にも

BK2_140722_02-300x168

川内原発が破局的な噴火により破壊されることは、首都圏の人々にとっても他人事ではない。

「約3万年前の姶良カルデラ噴火の火山灰は広範囲に飛び、北海道まで届きました。東京では10cm以上積もった形跡があります。川内原発の事故による放射性物質も、火山灰とともに九州以北の全国に飛散する恐れがあるのです」

火山灰だけではない。川内原発が事故を起こした場合、放射能汚染水が日本沿岸に広範囲に拡散していく恐れもある。九州大学応用力学研究所の広瀬直毅教授らは、川内原発が福島第一原発と同規模の事故を起こしたことを想定、海中における放射性物質の拡散シミュレーションを行った。

「自然条件は’11年3月11日と同じ、放出される放射性物質も福島第一原発の事故と同じ10ペタベクレル(1京ベクレル)と設定。1か月間放出が続いた場合、川内原発の周辺の海は1リットル当たり200ベクレル(Bq)の状態が1か月続き、その後長崎で13Bq、博多付近でも1.5Bq。有明海では最大5Bq。このような高濃度の水塊が、日本の沿岸域を北上していくことになります。事故時の気象条件によって拡散の仕方が異なります。何パターンか予測してみましたが、対馬海流に乗って日本海側に拡散していく確率が高かった。黒潮に乗って太平洋側に拡散していく可能性もあります」

BK2_140722_04

0.01〜0.1Bqの範囲も含めると、日本海だけでなく、太平洋から瀬戸内海の広い範囲、さらには韓国の沿岸にも放射性物質を含む海水が到達することになる。

「川内原発の場合、複雑に入りくんだ海岸線がすぐ北にあります。有明海では半年以上1Bq以上の状況が続くなど、場所によっては長く放射性物質がとどまる可能性もある。川内原発で事故が起これば、福島第一原発の事故よりも日本の海への影響ははるかに大きいと言えるでしょう」

これだけの危険性をはらむ川内原発、このまま再稼働に突き進んでしまっていいものだろうか?

取材・文/志葉 玲 図/futomoji

参照元 : 日刊SPA

【関連記事】
【閲覧注意】チェルノブイリ原発事故・1986の真実 「突然変異によって生まれてきた人間」

福島県の某病院で、7人の妊婦のうち、5人の胎児が流産、ダウン症、奇形児

原発ゼロなのに東京電力など6社は経常損益が黒字 赤字の4社は原発に頼る割合が大きかった

専門家たちが「公式見解の矛盾」を暴く 福島の子どもに「甲状腺がん」 今の段階で、これだけは断言できる

ダウン症で生まれる赤ちゃんの数が過去15年間で約2倍に増加

原発作業員の甲状腺に小さな「しこり」などがある割合が高いことが判明

東日本大震災の発生から2年半 高放射線量地域で生物に異変!奇形が疑われるツバメや魚、蝶や毛虫