2013年07月31日

西アフリカ「物流覇権」 ガーナが挑む

6b9d3059.jpg西アフリカ「物流覇権」 ガーナが挑む

日本経済新聞カイロ支局 押野真也

2013年7月31日、日本経済新聞

西アフリカのガーナが地域の物流の中心となる「ハブ化」構想を進めている。ギニア湾に面する同国が、経済発展が続く西アフリカ諸国の玄関口として物流拠点の役割を担おうというものだ。近年、ガーナでは石油開発が進み、海外からの直接投資も増加傾向にある。ただ、隣国のコートジボワールも同様の構想を進めており、西アフリカ地域のハブ化を巡る競争は激しさを増しそうだ。

 ガーナの首都アクラから東方約25キロメートルに同国最大の港湾・テマ港がある。約390万平方メートルの港湾内には欧州や中国などからの積み荷があふれる。同港のコンテナ取扱量は64万3000TEU(2011年実績、20フィートコンテナ換算)で、3年間で約55%増加した。港湾を管理する行政当局者は「ガーナでは経済成長に伴ってコンテナの取扱量は今後も拡大基調が続く」と話す。

 ガーナは07年にギニア湾で油田が見つかり、油田開発が本格化。石油や天然ガス分野を中心に海外からの直接投資が増える傾向にある。同国の実質国内総生産(GDP)の伸び率は11年に14.4%、12年は7.1%。国際通貨基金(IMF)は13年以降に6%以上の成長が続くと予測している。

 フランス語を公用語とする国々が多い西アフリカで、ガーナは英語を公用語とする国の一つ。国際的なビジネス展開には有利とされているほか、民主的な選挙も実施されており「アフリカの民主主義の優等生」と評価する声も多く、成長期待も高い。

一方、物流拠点としての課題があるのも事実だ。主な課題は2点ある。1つは港湾の規模。隣国のコートジボワールのコンテナ取扱量はガーナの約3倍の規模を誇る。ガーナでは内陸部分と沿岸部分を拡張して将来の規模拡大を目指しているが、コートジボワールとの激しい競争にさらされている。

 もう1点は通関体制がコンテナ取扱量の増加に追いついていないことだ。港湾内では検査待ちのため、コンテナを積んだトラックが長い列を作っている。行政当局によれば、通関にかかる時間は「短い時で数時間、長ければ2日かかることもある」と話す。

 港湾内には長期間放置されたとみられるコンテナも見かけられ、積み荷の鋼材がさびている光景も目にする。ハブ化には港湾の拡張による取扱量の拡大だけでなく、通関体制の強化や積み荷の保管体制など、ハード面とソフト面の整備が急務になっている。





cheelend at 09:22│Comments(0)TrackBack(0)Diary 

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ラテンアメリカ研究者。民間セクター開発専門家。趣味は歌・絵画・小説・旅行・スポーツ全般。5言語(英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、日本語)を駆使して仕事を行う。現在アンゴラ、ルアンダ市在住。
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