研究ノート

2006年10月27日

過去ログベストテン

c148fc68.bmp過去ログベスト10

さて、このブログを僕が書き始めてから1年半が経ちました。そこで、今まで書いた記事の中で、検索でヒットした数が多かったものを振り返ってみようと思い立ちました。もし、これらの過去ログで関心をひかれるような記事があったら、是非たどってみてください。

第10位 メキシコ大統領選挙
中南米をテーマにしているにも関わらず、ベスト10圏内に入った数少ない中南米関連の記事の一つです。今年の夏、大接戦が繰り広げられ、メキシコの大統領選挙制度の進歩と課題を見せつけられました。

第9位 浮世絵
これは、昨年の記事です。縁があり、浮世絵を詳しく勉強することとなりました。「べろ藍」、北斎の55歳からの成功、浮世絵の評価ポイントなど、覚書のつもりで書き溜めた記事です。雑学の種として、是非どうぞ。

第8位 靴
銀座のBEAMS斜め前にある一見、地味な「ミラノ靴店」しかし、その実態は高級靴を割引価格で提供するお得な店なのでした。あまり、雑誌にも載らないので、発見した喜びみたいなものも味わえます。

第7位 ユダヤ人大富豪の教え
軽薄で反発すら覚えるようなタイトルとは裏腹に、含蓄に富むお金に対する教訓がいっぱいでした。自らを知るために家族を分析したり、人に喜ばれるお金の流れを作り出すことで豊かになる、と説くなどハウツーものというより、新たな視点を与えられ刺激になる本でした。

第6位 JICAマイクロファイナンス報告会出席
開発関係の記事としては、唯一ランクインした理由として、リンクしてくださっている方々の傾向と、JICAの文字で検索に引っかかったことがあげられると思います。今振り返ると、一部恥ずかしくて赤面するようなことを発表してしまったことを反省します。

第5位 スペイン語検定
今年の夏に受験したスペイン語検定受験・合格記を実況形式、本音ベースで綴りました。スペイン語検定に関するWEB上でのこうした受験記は少ないのが、ヒットの理由だと思います。ニッチ開拓の好例というのは、自画自賛でしょうか。

第4位 フジモリ氏(片岡都美との結婚)
何を思ったか、突如ペルーの大統領選に向け、日本を離れたものの、チリ当局に拘束されたフジモリ元大統領。彼を追い、スペイン語をまったく話せないにも関わらず、ペルーに入国し、フジモリ支持派の選挙陣営でフジモリ氏との結婚宣言を行った39歳の女性実業家片岡氏。あまり深く突っ込んだ記事ではありませんが、彼女の不思議な経歴を簡潔にまとめてあります。

第3位 スペイン・モロッコ
ブログ記事を書き始めた昨年5−6月に書いていた一連の旅行記。全体では、かなり長編になるのですが、読みやすいように一つ一つの記事をA4版2枚くらいの長さにまとめました。その中でも、劇的な部分のヒット率が高いです。そしてこれはまた、当時21歳だった時点での今の僕の原型を示すものでもあります。

第2位 僕の友人ルベンと某人気女優の結婚
ちょっとミーハーかつ、明らかなヒット狙いで書いたこの記事は、狙い通り堅実なヒットを今でも続けています。メキシコ時代に知り合った友人ルベンは、カナダに渡りいろいろな仕事をした後、英語講師をしていたときに、日本のある中堅女優と知り合い、結婚しました。本人の口から直接、いろいろなことを聞き、どのメディアよりも僕が詳しく知っている内容をWEB上に書ける部分だけ、記しました。

第1位 黒坂勉(ライブドア主要株主)
驚くのは、いまだに「黒坂勉」という名前での検索がとても多いことです。ライブドアに関する一次資料にあたってまとめた一連の記事は、衰えぬ人気を誇っています。

以上、僕の過去ログベスト10を振り返ってみました。一部は、狙ったとおりのヒットでしたが、半分以上は自分自身でも、こうした記事に人気が集まるのだなあ、と考えさせられる結果でした。希望としては、昨年BLOGを書き始めた頃の自分自身の趣味に関する記事がもう少し、ヒットしてくれると嬉しいのですが、やはりそうしたものよりは、一般に関心を呼びやすいテーマの方がヒット数は多いのでしょう。しかし、友人と楽しんでいたバンド「用心棒」でのスペイン語でのオリジナル・ブルース「La calle olvidada(忘れられた小道)」の歌詞など、もう少しヒットさせたいなー。メキシコの映画監督ルイス・ブニュエルの作品に感化され、随所にその画像の断片を意識した歌詞を韻律に配慮しながらちりばめたので、関心のある方は是非、どうぞ。



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2005年09月13日

民主党と自民党:次世代のパラダイム(2005年選挙総括)

48bdb169.bmp民主党と自民党:次世代のパラダイム(2005年選挙総括)

2005年衆議院選挙が、9月11日に行われ、自民党の圧勝に終わった。以下、今回の結果と今後の展望をまとめておきたい。

1. 選挙結果
自民党が、単独で、過半数はおろか、安定多数(常任委員会の議長職をすべて与党が占められるだけの議席獲得数)以上の絶対安定多数(すべての常任委員会の議長職に加え、すべての常任委員会で過半数を得られる議席獲得数)を占める議席数を獲得した。

自民党:212から296議席、公明党:34から31議席、その他 33から19議席、民主党 177から113議席、共産党 9議席変わらず、社民党 5から7議席、国民新党 党結成前4議席から4議席、新党日本 党結成前 3から1議席 

公明党とあわせると連立政権の与党は、議席数の三分の二を占めるに至った。衆議院の3分の2以上の議席数を獲得する意味は、法案が参議院で否決されても、それを再度、衆議院でひっくり返して可決できることである。参議院の存在を衆議院の与党が、無意味にできる議席数である。また、同時に憲法改正を国民投票で問うための議決も可能な議席数である。

逆に、民主党は、議席数を60近くも減らした。特に、民主党が強いと言われていた都心部(東京、名古屋、大阪)で有力議員が軒並み、敗れた。特に東京の小選挙区では、菅直人氏が、激戦の末、自民党推薦の元武蔵野市長から、選挙区を守った以外は、すべて落とす事態となった。

刺客と呼ばれた、郵政反対派の選挙区に投入された落下傘候補は、軒並み当選した。落選した場合でも、かなりの善戦を見せて、前回までの選挙からの大きな変化が見られた。

今回の選挙結果により、政党、特に自民党における党議拘束は、強化される。また、今回、自民党本部による公認を取り消された郵政反対派は、落選または、当選した場合でも、かなり苦戦した。

また、自民党の中の派閥に関して言えば、橋本派が、最大派閥から、一気に小派閥に転落した。その一方で、新しく公募で集められた議員は、ほとんどが小泉首相の改革路線を支持している。

2. 今後の展開
小泉首相は、今回、公募で立候補し、当選した各議員に対して、派閥に入らないで独自の判断で動くよう、求めている。ただし、その一方で、今回の当選者は、ほとんどが、素人であり、選挙区の地元の自民党議員の助けがなければ、当選に至らなかったであろうことも、事実である。今回の選挙を助けた議員は、新人の当選議員を自らの派閥に迎えることを目論んでおり、新人はいきなり厳しい選択に向き合うこととなっている。

もっとも、派閥そのものが、もはや「首相を派閥から送り出すことを至上の目標とし、金とポストと利権を分配する外部から閉ざされた団体」から、政策研究グループへと転換しつつある。

3. コメント
自民党の大勝の原因を「小選挙区制」に、求める論調が多く見られる。しかし、そのロジックは弱い。二者択一で有力な二大政党の候補が僅差で競っていても、全体のちょっとした支持の差が、一人の当選者だけ当選することから、強調されやすい。つまり、第二党や、やや弱い政党が、大量の票を各選挙区で集めながら、負けて議員を選出できない、というのがその論拠だ。

しかし、逆に小選挙区であれば、議員の個性を少ない費用で、訴えやすくもあるわけで一概に上記の意見が正しいとは、言えない。実際に今までは、小選挙区制のもとでも僅差だったし、例に挙げられる英国でも、大差がついたりつかなかったりで、有意な議論とは思えない。

むしろ、僕は、今回の民主党の大敗を次のように見る。まず、今の民主党では、勝てないことがはっきりした。なぜなら、アイディオロギーの党内の違いが、自民党よりも大きい上、それらを纏め上げる旗印を掲げ挙げられなかったからだ。

小泉首相の「郵政民営化は是か非か」という問いに真正面から答えず、自らの党で答えをまとめられなかった問題を棚上げして、小手先だけで、横から「年金や保険」の問題を問うているのだから、勝てなくて当たり前だとすら思う。

もし、民主党が真剣に政権をとりたいのなら、その存在理由を明確にすべきである。存在理由を長期にわたって示し続けるには、パラダイムを示さねばならない。パラダイムとは、政治の対立軸である。

90年代は、日本にとって、バブル崩壊の後処理に追われた、「失われた10年」であった。しかし、長いデフレスパイラルから、脱却し、リストラを含む民間の競争力強化のための対策が一段落した今、どのような対立軸で政治を構築していくのか、明確にするべきである。

そうでなければ、間違いなく民主党は、政権選択を担う政党には、なり得ないと断言できる。それでは、どのような対立軸がありえるのだろうか。僕としては、「国家」対「個人」ではないか、と思う。

「大きい政府」対「小さい政府」でも、「国家」対「個人」でも、かなりの政策論議の中身は、似たようなものになるが、「国家」対「個人」の方が、より大きなテーマを含み、安定した二大政党制に寄与すると思われる。

また、僕の描く理想的な政策とは、ある軸にそって右や左に舵をとって柔軟性をもちながらも、しかし、あくまでもその軸の目指す方向性は守り続ける、というものである。その意味で、「個人」対「国家」という対立軸は、その二つの間でバランスをとることで、両極である「個人」と「国家」の軸にそった政策の持つ弊害をやわらげられると思う。

そして、「個人」対「国家」という2大政党の中で、「伝統」と「進歩」といった色分けがなされ、政策決定のスピードが調整されるのが、国の成長と安定のバランスを保つ上で、有効だと僕は、見る。

具体的に、「個人」の軸の政策とは、どんなことだろう。それは、「個人」の自己責任を主体にした社会を構築することである。「労働市場での競争」により、収入やポストを配分する。その一方で、収入が低くてものんびり過ごしたいのであれば、それを地方などで、実現できる社会である。

ただし、個人の競争を肯定するため、勝者と敗者の差を調整することは、しない。人生は、競争の連続である。そのため、競争を降りて不戦敗を選んだ人や、勝つために努力しない人は、人生の選択肢が、どんどん少なくなる。

一方、「国家」による軸とは、「国家」の介入を求める立場である。年金、保険といった社会的なサービスにも行政の関与を求める。この立場に立てば、最低限の生活は、保障されるし、いわゆる社会的弱者は、保護される。

しかし、その一方で、高い税負担を受け入れねばならない。昔の社会党の主張のように、増税反対と高福祉を同時に両立することはできない。この制度だと、貧富の格差はなくなるが、ビジネスの成功者に対する報酬は、国に吸い上げられてしまうため、いわゆる頭脳流出がおきやすくなる。

どちらも、一長一短であり、どちらかにかたより過ぎるのは、問題であると思う。国民が、成熟して、時期に応じた問題点を把握し、選挙で、最適な政党を選ぶことができるのであれば、「個人」と「国家」の間で、政権選択をするのが、もっともよいと思う。そして、僕は、日本国民は、それができるレベルに達していると思う。

「安全保障」の問題に関しては、このモデルだと、同じような選択肢に収斂されていくと思う。また、「安全保障」が政局となり、「個人」と「国家」という軸から他の対立軸にシフトし、もう一度政界再編成が、起きるようだと危険だと思う。


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韓国・中米首脳級会談

acee433a.jpg中米・韓国首脳級会談

現在、ニューヨークでの国連年次総会にあわせ、ブラジル、韓国、および中国首脳が、メキシコまたは、中米を訪問し、首脳会談を行っています。

なお、予告までに、今年の下四半期で、ラテンアメリカに関する重要なニュースは、下記の通りです。明日13日の中米・ブラジルサミット(グアテマラ・シティー)、10月にコロンビア、ペルー、エクアドルと米国の自由貿易協定が、合意、調印にいたるかどうか、そして12月のボリビアの同日選挙が、無事に行われるかどうか、の三点です。

また、12月のボリビアの大統領選挙および知事選挙では、サンタクルス州知事として、ミチアキ・ナガタニ氏が世論調査で有力視されています。

(中米・韓国首脳会談)
9月12日、コスタリカの首都サンホセで、韓国とSICA(中米統合機構)加盟国のコスタリカ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンデュラス、ニカラグア、パナマ、ベリーズおよびドミニカ(共)の計8ヶ国の首脳級会談が行われた。会合の概要は、以下の通り。

1) アジェンダ
a)貿易、投資会談
アジアの中では、もっとも中米と関わりが深い日本、台湾、韓国からの投資促進、技術移転、および貿易促進を図る中米諸国の意向とCAFTA による中米から米国輸出拡大の機会を最大限、活かしたい韓国の意見交換。

b)2014年冬季オリンピックへの韓国立候補支持依頼
2014年の冬季オリンピック・ホスト国(市)は、2007年7月にグアテマラで発表される予定になっていることから、機運を盛り上げるためにも、ROH大統領は、今回の中米訪問を韓国・PYONGCHANG市へのオリンピック招致活動に、利用した。

c) UFC(Uniting for Consensus Group)による国連改革案支持依頼
UFC(韓国、イタリア、メキシコ、パキスタン)は、G4(日本、ドイツ、ブラジル、インド)に対抗して国連改革案を提出するために結成されたグループ。G4の推す常任理事国枠拡大でなく非常任理事国枠拡大を目指して、活動している。
2005年7月26日、UFC提出国連改革案詳細http://www.un.org/News/Press/docs/2005/ga10371.doc.htm 

d)中米経済統合銀行(CABEI)への韓国の加盟
域外協力国として、韓国がCABEI加盟の意思を表明し、SICA加盟国は、韓国の加盟を承諾した。

e)経済協力
「経済開発協力基金」の拡充が、韓国大統領によって表明された。また、韓国と中米首脳の間で、各種経済協力が署名された。ニカラグアとの間では、水道公社向けの1700万ドルのソフト・ローンが、署名された。コスタリカに対しては、生物多様性研究所に対して研究費として、600万ドルを提供した。 

f)ビジネス交流
12日、CAFTAを利用して米国への輸出拡大に関心を持つ韓国の有力企業80社が、コスタリカで、中米企業とのビジネス対談を行った。現在、中米では、260の韓国企業が、22億ドルの輸出を行っている。

2) 今次サミット概要
韓国にとって、中米とのサミットは、金泳三元大統領が、1996年のグアテマラで行われたSICA(中米統合機構)の会合に出席して以来、9年振りである。

今回のコスタリカへの外遊は、Roh Moo - Hyon大統領にとって、3つの大きな外遊日程の一環である。まず、8日から10日までは、メキシコとの間で自由貿易協定(Strategic Economic Cooperation Agreement)を協議した。11日から12日までは、中米とのサミットを行い、14日からは、国連年次総会に出席する。

今次会合の下書きは、既に官僚レベルの話し合いで決着がついており、特に難しい案件はなかった。どのアジェンダも紛糾することなく、つつがなく成功裏に終わったサミットだった、と言ってよい。

また本次会合には、ホスト国のコスタリカに加え、パナマ、エルサルバドル、グアテマラ、およびニカラグアからは、大統領が出席した。

ただし、他国からは、中米でのサミットであるにも関わらず、韓国大統領訪問にプロトコルを合わせない対応を見せた。ホンデュラスは、フォルティン外務大臣、ドミニカ(共)もモラーレス外務大臣、ベリーズからは、カル在コスタリカ・ベリーズ大使が出席した。

3) 菊地隆男のコメント

(韓国のラテンアメリカ政策)
2005年、韓国は、積年の悲願であった米州開発銀行理事国入りを果たしたのをはじめ、今回のSICA加盟、チリとの自由貿易協定、メキシコとの自由貿易協定交渉など、積極的に関わりを深めている。

ただし、ほとんどの韓国のラテンアメリカ政策は、日本の後追いの感が否めない。また、韓国の外交ツールも、乏しい。日本のようにラテンアメリカ各国のほとんどに公館をもつわけでもなく、ODAの額でも、貿易額でも、日本よりはるかに低い。

それが、実際に、中米で9年ぶりに行われた韓国とのサミットであるにも関わらず、SICA加盟国のうち、半数近くの国が、プロトコルを尊重した対応を見せなかった理由でも、あると見られる。

韓国のラテンアメリカ政策関与増大は、大きな戦略があるというより、むしろ、OECD加盟国としての先進国の役割強化の側面と、対米輸出強化、日本外交の後追いという3つの意味から、読み込める。

日本としては、ラテンアメリカでの韓国の動きをライバル視するよりも、むしろ、ドナー協調の形で、ドナー新参者の韓国を迎え入れ、日本のODAのリーダーシップを発揮する良い機会と捉えることが、肝要である。

(自由貿易協定)
現在、韓国がメキシコと交渉中の協定は、ほとんど骨抜きで、日本とメキシコの協定よりも、更に自由化への踏み込みが弱いものとなっている。

WTOのカンクン・サミットにおいて、焼身自殺デモで、悪い意味でサミットの失敗を劇的に演じた韓国の労働組合や、農業セクターは、その先鋭的な活動で有名である。国内の地域格差も含め、大きな国内問題を抱える韓国で、どこまで、自由化を進められるかというのは、日本よりはるかに難しい舵取りを迫られている。

(国連改革案とUFC)
国連改革案に対して中米諸国は、予想通り、日本のG4案に対しても、韓国のUFC案に対しても、理解を表明し、「二枚舌外交」を見せている。明日のブラジルとのサミットでは、G4案支持を表明すると思われる。

ただし、非常任理事国枠拡大を訴えるUFC案の内容は、周知されていない。例えば、エルサルバドル・サカ大統領が、「韓国は、UFC案で、常任理事国入りの可能性があるだろう。」と述べるなど、サミットですら、意思の疎通が十分になされていなかった。

日本は、G4案をほぼあきらめ、今後の戦略として「国連分担予算比率見直し」に戦略を切り替えたが、UFC諸国を味方につけられるかどうかは、今後の課題である。

以上


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2005年09月11日

5年後の日記2(2010年の日本)

812784d4.gif5年後の日記2(2010年の日本)

5年後の日本は、どうなるのであろうか。特に今回の選挙(2005年9月11日第44回衆議院議員選挙)は、いろいろな意味で、5年後の形を決定付ける選挙だったと思う。一言で言えば、「自由化・小さい政府・機会の平等」への動きが加速すると思う。僕自身は、今の日本が、政府の言う構造改革およびその意味する「自由化・小さい政府・機会の平等」を支持する。

ただし、同時にそうした変化がもたらすであろう否定的な影響も、予想している。今回の「5年後の日記」では、あえてそうした部分に焦点を当てたものを書こうと思う。

それらの否定的な影響に対する答えは、「市民の自立」しか、ないと思う。「政治的な市民の自立」とは、市民社会の構築であると思う。これは、大げさなものでなくても、隣近所との結びつきによる助け合いなども、含まれる。

経済的な「市民の自立」とは、従来、経営資源とされてきた「金、人、情報、技術」の管理を個人レベルで行うように、一人一人が自ら勉強することが、あげられる。

(政治)
政治に関しては、社民党および民主党の中の労組の組織票の影響力低下が、進む。失業率増加、労働者間所得格差増大に対して、何ら効果的な手を打てない硬直化した労組は、集票力低下もあわせ、弱体化が進む。

米国一の機関投資家であるCALPERS(カリフォルニア公務員年金組合)の場合、資本主義の制度を逆手にとって、組合員の巨額な積立金をCSRに基づいた株式投資で、年率26%の利率を稼ぎ出し、資本市場での影響力を持つに至った。

いわゆる「政治による所得分配」でなく「金による政治力増大」という手法である。しかし、日本の労働組合は、こうした変身を遂げられなかった。労働者の受け皿としての組織を持たない日本では、浮動票が増加していく。

民主党は、自民党に対して善戦するものの三分の一の勢力にとどまり、政権交代が可能な位置には、なかなか届かない。理由として、民主党が「プチ自民党」にとどまり、何が対抗軸なのかわかりやすく説得力のあるパラダイムを描けていないことが大きい。つまり、なぜ、民主党に投票するべきか、その存在意義を説明できていないことが大きい理由である。

(郵政民営化)
金融に関しては、「郵政民営化」の段階的導入は、まだ2010年の段階では、劇的に短期的な効果をもたらしては、いない。理由としては、「財政投融資」に関しては、2005年の時点で、既に原資であった郵便貯金に縛りが、かけられていたことが、あげられる。また、その一方で、郵貯の扱う金融商品の多様化は、国債購入をゼロにすることではないこと、が挙げられる。

特に、リスク商品を扱ったことのない郵便貯金は、民間の金融セクターからの担当者受け入れを進め、高リスク商品を扱うためのリスク・ポートフォリオ管理の手法開発、および組織作りが効果を出すまであと2−3年後の2012年まで、かかるものと見られている。

また、世界一の残高である郵便貯金の貯蓄額は、少しずつ、民間に流れ始めたが、まだ、様子見の感は、否めない。リスク・マネーの管理手法が、浸透するまで時間がかかることも大きな理由である。そして、貯蓄者が、主に退職した高齢者および農村部の保守的な人たちであることから、他に貯蓄を振り分けるより、自らの支出を減らし、あくまでも慣れた郵貯に預金を預け続けている、と見られる。

(経済)
グローバリゼーションの拡大と深化を読みきって、対応できた企業とそうでない企業との間で大きく差が出始める。2005年の時点で「勝ち組」とされていた企業の中ですら、差が出始める。いわゆる「勝ち組の中の勝ち組」とそれ以外に大きく分かれるようになる。

経営資源といわれる「人、金、技術、情報」分配の世界戦略を的確にとったトヨタは、いわゆる「勝ち組の中の勝ち組」の代表例である。東アジアに進出した製造業で、人と技術の分配をアジアの中でしか、捉えられず、資金調達と情報公開の重要さに対応できなかった企業は、「負け組」の代表例である。よくて、M&Aで吸収合併されたし、悪い場合、国際レベルでの競争の流れを読めず、市場から消えていった。

失業率は、増加の一途を辿る。もはや失業率が、5%以下というのは、はるか昔の話である。特に若年失業率の高止まりは、深刻な問題である。国際競争力を維持するため、労働力の賃金は引き下げられている。

団塊世代の大量退職による労働市場への影響も大きい。熟練労働者の不足に対して、次世代のリーダーや、労働・サービスの担い手を育てる余裕のなかった製造業各社は、彼らに引き続き勤務を依頼している。そのため、団塊世代の引退が、労働力需要の拡大には、つながらなかった。

また、コーポレートガバナンスの変化の象徴である「株主価値の増大」と「個人株主保護」の流れにより、「経営者と株主」の利益を高める一方で、「労働者」の位置が低められた。従来の「経営者と労働者」対「株主」という構図からのシフトは、静かに、かつ着実に進んでいる。

更に、労働者間の所得格差も拡大する。個人レベルで、能力啓発とビジネス競争力強化に努める人が報われ、日本経済の支えになっているのは、「機会の平等」による変化である。しかし、いわゆる労働者間の競争の激化と「結果としての不平等」は、さまざまな社会的問題を生み出した。

(社会)
構造改革の否定的影響をもっとも強く受けたのが、社会的な部分である。大量の負け組企業と負け組労働者による、モラル低下と犯罪は、増加しつづけ、社会不安をあおっている。

「小さな政府」に加え、過去の国債発行による債務という縛りが政府には、大きくかかっている。極端な企業への増税よりは、低い法人の課税率により、経済成長を促し、結果としての税収拡大を促すほうが効率的である。しかし、それにより、消費税増大しか、選択肢がなくなる。

消費税増大は、納税者である消費者の税負担見返りとしての行政サービス増加への期待を高める。しかし、増税による税収増加も、国債の債務返済から、行政サービスは、それほど改善しない。その期待と実際の行政サービスのギャップが、政治家の公約への不信とつながっていく。

また、労働者の所得差拡大は、「小さな政府」による所得格差改善撤廃とあわせ、深刻な貧富差拡大につながっていく。いわゆる、「結果の平等」から、「機会の平等」が現実となり、「結果としての不平等(貧困)」に耐えられない人々により、さまざまな問題が引き起こされていく。

「結果としての不平等(貧困)」は、子供にも影響をもたらす。子供が子供でいられる時間は少なくなり、幼いうちから成熟することが求められる。競争に敗れ、傷つき、立ち直れない幼い大人の増加と、反比例するように、成熟した子供が増えていく。

こうした動きは、女性が社会的に強く進出していくことと軌を一にする。男たちは、不十分ながらも成熟した子供に魅かれ、淫行により摘発される割合が増えていく。また、あるものは、現実と向き合わず、オタク化が進行していく。または、同性愛に走り、社会との隔絶を選び、自らの職業で競争の傷を癒すものも増加する。自殺率の増加も進んでいる。一方、女性は、魅力の薄い国内の男性から、目を海外の男性に向けたり、キャリアに向ける流れが進んでいく。

豊かな高齢者層が、自らの子供や孫が、競争に敗れた姿をいたわり、受け入れることにより、彼らの受け皿となっている。猛烈に働いた高齢者世代は、社会を豊かにした自負心がある一方で、家庭を顧みなかった負い目があるため、失われた家庭の時間を取り戻している、といえる。しかし、その一方で、NIETの拡大に対して根本的な対策とは、なりえない。


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5年後の日記1(世界)

0d229d24.png5年後の日記1(世界)

自分が、どこから来て、どこに行くのか。過去により、現在は、決まり、また未来により、現在すべきことが決る。つまり、現在は、過去と未来に規定される。そこで、僕は、今まで、まず、自らの過去を語り、なぜ、僕が今、かくあるのか、を明らかにしようとした。

それが、一段落したので、今度は、未来を語り、自分がそのために何をしているのか、を語ろうと思う。未来、といっても何十年も先のことだと、誤差も大きくなる。そんな先のことは、自分の生き方の方向感と価値観が定まっている限り、大雑把につかんでいれば、僕はよしとする。

今回は、5年後の自分の未来日記を書こうと思う。自分の未来を描くに当たって、世界と日本の5年後のビジョンも示しておきたい。なぜなら、僕の5年後は、こうしたビジョンに基づいて計画したものだからだ。もし、これが、他の方の未来を描く上での参考になれば、それはそれで嬉しいと思う。

まず、5年後の国際情勢から、書きはじめたい。大きな枠での投資・貿易自由化の流れは、変わらない。ただし、先進国と途上国間の意見対立は、より深刻になる。特に途上国の中の大国であるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)の交渉力は、大きく増す。

理由として、彼らの国内市場の成長可能性が実現しつつあること、競争力のある労働力、そしてそれらの条件に魅かれた多国籍企業による海外直接投資の存在があげられる。多国籍企業は、よく言えば、先進国と途上国の橋渡しとして機能する。しかし、その一方、半分、こうした途上国に人質としてとられたようなものでもある。

先進国が、外交ツールとして「アメと鞭」のうち、鞭を振るおうとすると、それは、同時にこうした先進国の多国籍企業を締め付けることにもつながる。また、これらの企業は、自らの貿易拡大を狙って、先進国の市場開放を訴える途上国側の応援団となる。

そのため、こうした途上国の中の大国は、ますます影響力をもつようになる。BRICSに限らず、インドネシア、メキシコ、南アフリカなどの諸国も同様の力を獲得するであろう。

先進国にとっては、二つの共通の悩みがある。少子高齢化による国内の働き手不足の影響と産業戦略である。少子高齢化により、年金、保険などのサービスを必要とする年代が大きくなる一方で、サービスや労働の担い手となる若年層が、圧倒的に不足する状態に既に陥っている。

その問題が深刻化するのは、まさにこれからである。大きな経済成長を前提に、世代間での負担先送りの従来のシステムは、低い税率では、維持できない。また、製造業に関しては、サービスの担い手の若年層が不足し、質の高くない労働力ですら高賃金である現状から、東南アジア諸国に進出して、空洞化を招き始めた。

欧州諸国や米国は、移民の増加を許し、特に3Kといわれる低賃金労働力の担い手を海外からの移民に求めた。日本で報道されるのは、こうした国々の移民締め付け策ばかりである。しかし、現状で、移民の自然増加の割合が、既に高いことやテロ後の移民締め付けの後ですら、米国は依然として、移民受け入れ比率が日本よりも、はるかに高いことには、触れられていない。

こうした問題に対処する一つの先進国共通の切り札は、知的所有権である。映画などの著作権、ブランドの商標権、そして何よりも新しい発明の対価として保護されるパテントである。

特にパテントのための発明を先進国で進め、新商品投入によるマーケットの主導権を握ること。そして、もっとも利益率の高い部分をパテント保護により、先進国の多国籍企業が握り、付加価値の低い労働集約的な部分を途上国に任せること。それが、現在、先進国が描こうとしている今後の世界の姿である。

テロ対策に関しては、取締りのコストが、年々、上昇していく。既に、ジョージ・オーウェルの「1984年」は、現実のものになっている。公共の場での警察官の増強。スパイカメラによる公共の場の監視。そしてそれらの画像や情報の分析。先進国におけるテロ対策の人件費は、国家予算を圧迫し、増税圧力を高める。






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2005年09月06日

政治家III(議員立法)

7d9f4969.jpg政治家 III(議員立法)

政治家は、立法府を担う存在であるのに、議員立法は、驚くほど少ない。その少ない議員立法ですら、その多くが、行政府の官僚に構成のほとんどを委ねている。そのため、国会会期中に、関連法案を審議中の役所とその部署は、ほぼ24時間体制で国会会期日数の間、泊りがけで仕事をすることも多い。法案の文面を作成したのは、官僚で、その法案審議の影響を受けるのも官僚だからこそ、彼らは、それだけ法案審議に、深く関わるのである。

しかし、なぜ、それでは、日本の政治家は、法案作成能力に欠けるのだろう。米国だと、国会議員は、選挙区に帰るたびに、どれだけの法案を国会に提出し、どんな考えを示そうとしたのかを選挙区の投票者に示す。一方、日本では、議員が選挙区の盆暮れの挨拶、各種イベントの参加に追われ、政策らしい政策を報告することは、少ない。なぜ、このような彼我の違いは、もたらされるのだろう。

原因の一つは、「政治家II」に書いた「後援会」の存在のためである。後援会が選挙ブローカーとして暗躍し、政治家は、後援会の利益に政治活動を制約されるためである。後援会は、後援会の利益に関心があるが、そのことがあからさまになることは、嫌う。だから、わざわざ、情報公開して、高らかに後援会の利益誘導となる法案を通しました、というような報告は避けたいのである。

二つ目の原因は、事務所スタッフの違いである。米国では、秘書22人まで国の予算でまかなえるのに対し、日本では、3人までである。22人対3人。この差は、非常に大きい。米国の議員が、政策テーマごとに異なるプロフェッショナルを雇えるのに対して日本では、政策秘書と第1秘書、第2秘書だけである。

これらの三人の秘書も実態としては、後援会のどのメンバーからいつ、いくらくらいの付け届けがあったとか、何日は、誰の息子の結婚式だとか、いったロジに追われ、とてもまともに政策を研究できてはいない。せいぜい、議員が自費で雇ったその他の秘書がいる場合には、あまった時間で議員用のスピーチの原稿に、キーワードをちりばめるくらいである。

そのようなわけで、国会議員が自らリードやコーディネートして法案作成する場合を除いては、議員立法がつくられる余地は、ない。日本では、秘書から、法案が作成されるのを期待するのは、ほとんど無理である。だからこそ、シンクタンクとしての官僚組織にどっぷり依存してしまう。官僚の側でも、それが自らの自律性を高め、政策を誘導できるので法案作成のインセンティブが高まるわけである。

三つ目の原因は、選挙区民の質である。選挙区民は、自分のレベルを超えた政治家は選べない。誠実で長期的に物事を見据えて、その上で短期的に苦い政策を訴える政治家を選べないのであれば、それは、選挙区民の質が低いのだと思う。

話を横道に、ちょっとそらそう。僕が、コスタリカにいたときに面白い政治家に会った。彼は、50年以上続いたコスタリカの二大政党制を三大政党制に変えたはじめての政治家である。彼は、中道左派の「国民解放党」を割り、リベラルの「市民行動党」をつくった。

農民相手の選挙演説での彼のスピーチが、面白かった。第一声が、「俺は、お前たちに補助金をやらーん。」会場の農民は、この一言で、ざわめきだした。農民の票が欲しいであろうのに、「補助金をあげない」とは、何たることであろうか。
以下、煩雑になるのを避けるため、彼のスピーチの要旨を以下に掲載したい。

「俺は、お前たちに補助金をやらーん、無条件では。まず、働け。汗水たらして働け。朝5時に起きて、夜7時まで働く。畑に出て働く。誠実に働く。それが、俺たち、コスタリカ人の姿じゃ、なかったのか。それを補助金を不当に手にする輩が出てからは、楽に金を稼ごうとする連中が出てきてしまった。そんなことは、許さーん。」

しかし、その後、彼は条件付で、補助金の意味を認める。「でも、市場も天気も俺たちの意のままには、ならーん。天候による不作、国際市場の価格長期低迷は、お前たちの責任ではない。そのときには、生活は、守られなければならない。ただし、正直な働き者だけ、生活を保障する。」

農民たちは、当初、驚いていたが、納得していた。そして、この新しいリーダーの率いる政党は、ほぼ三分の一の国会議員を送り出す躍進を見せた。彼自身も大統領選挙で善戦し、コスタリカの大統領選を史上初の再選挙に導く立役者となった。

農民に、わかりやすくお説教をした政治家は、偉い。しかし、そんな政治家およびその政党を選んだコスタリカの農民には、感服する。日本だと、国家による福祉増加を訴える人が、同時に減税を訴えたりする。あり得ないことである。減税をすれば、国によるサービスを厚くするのは厳しい。

それた横道で説明したコスタリカの例では、米国の選挙区民の気質を説明したことには、ならない。では、米国ではどうだろうか。これは、一概に言うのは、難しい。米国でも実際、日本と同じような問題を抱えているのも事実だからだ。ただ、米国の場合、多元主義とでもいうのか、さまざまな市民社会が、積極的に政治に関わり、監視の目を加えていることが、規律をもたらしている面がある。これは、それこそ、200年以上前の米国建国の頃から、フランス人トクビルが、賞賛していた部分である。

「後援会」の存在、事務所スタッフの違い、選挙区民の質。以上が、主な日本と米国での議員立法の量の差の違いの原因であると思う。あえて、四つ目の理由をあげれば、それは選挙制度かもしれない。米国では、下院議員、上院議員、大統領と三種類の政治家を選出する。そして、その選挙区も下院議員は、州の一部、上院議員は州全体、大統領は、米国全土の投票で選出される。

つまり、ステイタスが高くなればなるほど、より大きい行政単位でのビジョンを示す必要に迫られるわけである。もし、大統領候補が、ネブラスカ州の雇用問題だけに、こだわっていたら、とても当選できない。上院議員が、カリフォルニア州のサンディエゴの小学校の問題だけに関わっていても、当選できない。

一方、日本では、どうであろう。小選挙区制は、小さい政党の泡沫候補にも少ない政治資金で政治に加わる道を開いた。しかし、そのため、参議院議員や、衆議院議員の選挙区と県議会議員の選挙区の大きさは、ほとんど変わらない。本来、県など地方自治体のことは、そこの地方議員が担うべきなのに、国会議員がそこまで口出しをして本来の国政で選挙区民にアピールできないのは、選挙区の大きさと選挙制度のデザインにも影響されている。

最後に、マスコミの質の違いを上げたい。今年の世界の十大新聞社に日本からは、唯一、朝日新聞が選ばれた。しかし、その朝日ですら、選挙の分析は、十分でないように見える。また、新聞を補完する雑誌やテレビの選挙報道も、表面的なものに流れがちである。

政策の論点を比較しても、代案を示すようなものは、ほとんどない。それどころか、候補者のスキャンダル暴きに血道を挙げたり、表面的な観察に追われている。そうしたものもあるのならよいが、そうしたものしかない、というのでは問題である。マスコミが、「社会の公器」や「第四の権力」を自認するのであれば、その役割をきちんと果たすべきである。






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2005年09月04日

政治家 I

5e790fc4.jpg政治家 I

9月11日は、衆議院選挙。まれにみる面白い選挙である。直接、問われているのは、「郵政民営化」への賛否である。しかし、それ以上に、今回の選挙には意味が、ある。まず、投票者が、政権選択の意思も、示せること。そして、スキャンダルや政治的策略による衆議院解散でなく、政策本位の解散による選挙であったことである。最後に、こうした変化を海外メディアが、とても注目していることである。

僕の親戚は、政治家であることもあって、僕は、政治について思うところも多い。時宜にかなったテーマとして、政治家について、僕が思うところを述べようと思う。後援会や家族といった、まるっきりインサイダーではなく、かといって縁もゆかりもないアウトサイダーでもない、面白い位置に僕は、いた。そこから面白い政治家の観察記が、書ければよいな、と思う。

まず、その親戚のことについて、若干、説明したい。彼は、地元の青年団長から市議会議員になり、市長となった。その後、衆議院議員に挑戦したが、二度落選。裕福な家庭であったが、二度の落選から、経営していた商売の広大な不動産のうち、半分を抵当にとられる経済的危機に至った。

最後の挑戦として、鞍替えした参議院選挙で当選。以後、県民の信頼を得て、再選を重ねていった。彼は、自民党分裂直前の第二次宮沢内閣で閣僚に選ばれた。もっとも、本人は、参議院が、閣僚に選ばれる目安である三期目(一期6年X3期=18年のキャリア)も、ポストを求めず、自民党内で「人柄」と評されていた。

所属派閥は、高村派(元・河本派)。弱小派閥である。派閥の主が、首相経験者でないと、インパクトは弱い。また、政治的信条は、自民党内におけるリベラルで、民主党右派より、よほどリベラルだと思う。本人も、社会的弱者向けの法案で活躍し、名前を売っていた。しかし、悲しいかな。安全保障、経済構造などの大きなテーマでは、他のリベラル同様、具体的に絵を描ききれなかった感は、否めない。

彼自身は、自民党スタンダードで、清潔な政治家だと、マスコミに評されていた。ただ、後で述べようと思うが、日本、特に地方部において、政治家というのは、政治的意思をもつ政治家個人である一方で、長く後援会など狭いグループの利益代弁者であった。本人がいくら清潔でも、後援会次第では、泥まみれにさせられる部分が、多々あった。

選挙は、金も使うが、体力も消耗する。年をとった政治家が選挙に出馬していくのは、当選がほぼ確約されているごく一部の政治家を除いては、かなり厳しいものである。また、彼の場合は、選挙区に時代の波が押し寄せてきたことに対応できないとの判断が、90年代後半の引退につながった。

東京から、100KM圏内の地方都市。そこは、それまで、東京に比較的近い、地方都市のひとつでしかなかった。住民も、地元に住み続けている人が圧倒的に多く、伝統と風習が、色濃く残っていた。そのような動きが少ない保守的な地域では、後援会を通じて蓄積した選挙地盤は、政治家として当選するための大きな財産であった。

しかし、インフラ整備により、そこですら、東京への通勤圏、または、民間企業の東京本社の研究拠点となり、住人が、都市型へとシフトしていった。都市住民流入の比率が高まるにつれ、それまでの選挙地盤の価値は、どんどん下がっていく。かつての後援会ネットワークによる地盤だけでは、当選できなくなる。そして、狭い後援会ネットワークの利益だけでなく他のグループ、個人の支持も得るよう努力せねばならない。

これが、とても難しい。選挙運動の核になる後援会の利益は、確保したい。しかし、それだけでは、もはや当選できない。手を握れる相手とは、既に握っているので、グループとして大量な組織票が、見込める相手は、もはや残っていない。残るは、政策で個人票を地道に積み上げていくだけだ。

しかし、多くの政策は、直接、間接に支持母体である後援会の利益と衝突することが多い。ここで政治家は、一つの決断を迫られる。それまで、政治家人生を支えてくれた後援会を説得して、「政策本位」に切り替え、「人情」を犠牲にできるかどうか、である。彼は、「引退」の道を選んだ。そして、昨年、亡くなった。


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2005年08月27日

開発援助版「ALL JAPAN」をより、魅力的なものにするために

bed7badb.gif開発援助版「ALL JAPAN」をより、魅力的なものにするために

本日は、ラテンアメリカネタでなく、開発援助版「ALL JAPAN」をより、魅力的なものにするのに、思ったことを書かせていただきました。「ALL JAPAN」という発想は、開発援助を目指す人にとっても、一つの目標になりうるし、開発援助ステークホルダーの協力関係を示す言葉としても、良いものになりうると思います。

なお、「なり得る」と微妙な言い回しで書いたのは、皮肉でなく開発援助における「ALL JAPAN」を検証してみたかったからです。単なるレトリックに陥らないよう、ここでは、サッカーのALL JAPANと比較してみたいと思います。

1) 役割分担
サッカーも、開発援助も、各プレイヤーの役割分担が、あります。両者を比較してみると、僕の考えるところ、下記のような感じでしょうか。
中田(ゲームの組み立て、見通し、戦略)外務省
俊輔(ボールのゴール前への的確な供給)JICA
川口(ゴールポスト.‐インフラの守護神)JBIC
大黒(状況に応じてゴールを決めるために選ばれるスーパーサブ)民間コンサル各社
宮本(守備の職人。ただし、ほとんどゴールには、からまない)農水省
財務省は、今のサッカーALL JAPANで適当な人材が見つからなかったので、省かせていただきました。

2) レフリー
サッカーには、レフリー(審判)がつきもの。たまに、ミスジャッジをしますが、ほとんど判定がひっくり返ることは、ありません。ただし、ジャッジは、何度もテレビを含むマス・メディアで分析されたうえで、繰り返し、放映され、批評の対象となります。

それでは、開発援助におけるレフリーとは、だれでしょう。一部のNGOは、その候補足りうると思います。しかし、実際に、プレイに参加する(ODAを受注する)NGOが、レフリーもするというのは、草サッカーでは、ありえても、ワールドカップでは、ありえません。

また、開発援助においては、監査会社とコンサル会社が、それぞれ、異なった形で、プロジェクト評価を行っています。彼らは、サッカーにおけるレフリーと同等でしょうか。これも、少し、条件が違うと思います。

中田がレフリーとけんかして、レフリーに退場させられることは、あると思います。でも、中田に例えた外務省が、レフリーに例えた民間コンサル会社の評価に激しく文句をつけた場合に、退場させられる(次の仕事が受注できなくなる)のは、民間コンサル会社のように思えます。もっとも、これは、文句の内容によりますが。(問題発言?)

3) サッカーと開発援助のALL JAPANの違い
その他に、サッカーと開発援助のALL JAPANの違いは、あるでしょうか。一つは、ワールドカップのように国民中が、熱狂して、細部にまでこだわり情報収集するような大会がないことだと思います。

二国間援助は、国別対抗戦だという言い方をします。しかし、サッカーの試合は、その場で、明確に試合状況と結果が、でます。二国間援助の場合、援助当事者には、試合状況がわかりますが、サポーター(納税者)には、ほとんどわかりません。また、対抗相手(他国ドナー)にも、同じ結果が伝わっているわけではありません。

かなり、時間をおいて報告書などの形で、ODA各プロジェクトの様子が、サポーターに伝えられます。しかし、ワールドカップのようなわかりやすいイベントが、ないため、納税者であるサポーターは、今ひとつ、試合結果(各プロジェクトの評価)に対して、熱狂的でありません。また、場合によっては、各ドナーが、まったく違う結果(評価)を下していることも、大いにあります。

そして、そのことが、プレイヤー(援助開発ステークホルダー)間の関係にも、影響してくると思います。中田(外務省)や俊輔(JICA)は、スタープレーヤーです。その一方で、彼らに、大黒(民間コンサル会社)が、意見を言って、がんがんぶつかっていくことは、奨励されます。そして、その話し合いやぶつかり合いの結果が、正しいかどうかは、試合内容および結果で判定されます。

開発援助の場合は、どうでしょうか。外務省やJICAに民間コンサル会社が、意見をがんがん述べることは、果たして歓迎されるのでしょうか。援助プロジェクトの評価が、サッカーほど白黒明白に結果が出にくいことや、評価がすぐに広くサポーター(納税者)に知られることの少ない現状だと、援助ステークホルダー間の上下の力関係が、固定されがちな気がします。

開発援助では、仕事を発注する立場、受注する立場という埋めようのない上下関係のもたらす弊害をいかにして減らして自由闊達で前向きな話し合いを可能にできるのか、が大切だと思います。

4) まとめ
以上、文字通り、好き勝手なことを書かせていただきました。でも、ALL JAPANと言う発想を僕は、嫌いではありません。開発援助にもっと人材を集めるためにも、国際機関での仕事に挑戦するコンサルタントのような個人契約のスタイルだけでなく、ALL JAPANという形で、日本でも、より魅力ある活躍の場を開発援助関係者が、作っていくことは、意味があると思います。

ただし、それが、かつてのインフラプロジェクトにありがちだった、悪い意味での「開発援助版護送船団」を隠す美名にとどまることを潔しとしません。更に、それが、よく言われるサプライ・ドリブンの開発援助に陥らないよう、気を配るべきでは、あると思います。

今回、開発援助版ALL JAPANを実のあるものに、したくてお話申し上げました。もし、開発援助版ALL JAPANのユニフォームがあったら、是非、メンバーに選ばれる実力をつけて、背番号5を希望します。








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2005年08月24日

ラテンアメリカ左翼勢力会合

ab3798d9.jpgラテンアメリカ・左翼勢力会合

本日は、ラテンアメリカ左翼勢力の動きを追いながら、その示唆することを考えてみたいと思います。中米といったサブ・リージョナルな話題でなくラテンアメリカの全地域的な話題で、しかも米国を含んだ内容なので、より多くの方に興味を持っていただけると、嬉しく思います。

21日、キューバのラテンアメリカ医科大学の卒業式に、カストロ議長の他、ベネズエラ・チャべス大統領、パナマ・トリホス大統領をはじめ、エルサルバドル・アンダルFMLN党首およびニカラグア・オルテガ、サンディニスタ党首が、一堂に会した。当日は、パナマとキューバの国交が回復した他、ベネズエラのテレビ放送生中継で、問題発言が数々、飛び出した。ラテンアメリカの有名な左翼キャラクターが揃った当日の様子を以下の通り、報告いたします。

1)キューバ・ベネズエラ
キューバとの関係強化を進めているベネズエラのチャベス大統領(51)は21日、毎週自ら司会を務めるテレビ・ラジオ番組「アロー・プレジデンテ(こんにちは、大統領)」を初めてキューバから生中継し、カストロ国家評議会議長をゲストに約5時間40分にわたる“トークショー”を繰り広げた。

反米で“師弟関係”にある二人は、揃って緑色の戦闘服姿で登場。番組でチャベス大統領は、先週南米(パラグアイとペルー)を歴訪したラムズフェルド米国防長官がボリビアの政情不安にキューバとベネズエラが関与していると非難したことに触れ、「世界を破壊しているのは米国の帝国主義だ」などと反論した。

2)エルサルバドル・ニカラグア

同プログラムには、エル・サルバドルFMLNのシャフィック・アンダル党首、ニカラグア・サンディニスタ党のダニエル・オルテガ党首も、同席した。なお、チャベス、カストロを含む4人のラテンアメリカの左翼リーダーは、ラテンアメリカ25ヶ国から集めた貧困孤児1,610人が医者の卵として巣立つラテンアメリカ医科大学の卒業式に出席するのが、今回の会合の名目であった。

アンダルFMLN党首は、前述のベネズエラの生中継プログラムで、アメリカが、ベネズエラに侵攻した場合、十分に訓練した兵力を送り、侵攻したアメリカ軍と戦う十分な用意があると述べ、物議をかもしている。

3)パナマ

また、同大学の卒業式典に出席したもう一人の賓客、パナマのマルティン・トリホス大統領と、キューバのカストロ国家評議会議長の間で、昨年より断絶していた両国間の国交が回復した。ミレヤ・モスコソ、パナマ前政権が、2000年のパナマでのイベロアメリカ・サミットで、カストロ議長を暗殺しようとしたルイス・ポサダ・カリーレスを含む4人に恩赦を与えたことが、キューバとパナマの国交断絶につながっていた。

マルティン・トリホス大統領は、左翼でなく、むしろ穏和な中道派である。同大統領の父は、パナマ運河返還をカーター政権のときに実現させたオマール・トリホス将軍(軍事政権代表)である。爽やかな甘い雰囲気に加え、パナマの士気を高め、運河交渉でも成功を収めたオマールは、ラテンアメリカの人気者の一人である。しかし、1981年、謎の飛行機墜落事故で亡くなっている。

イラクなど他国の例に漏れず、当事、アメリカは、傀儡政権樹立を企てていた。パナマにおいても、ノリエガを支持し、オマール・トリホス失脚を狙っていた。(なお、後に、そのノリエガも89年12月に、米国から追われる身となる。)
そのため、マルティン・トリホス大統領の父であるオマールの不慮の死についても、証拠はないものの大方の人が、どの国の仕業であったか、共通の見方をしている。

4)米国の反応

アンダルFMLN党首の過激発言に対して、駐エルサルバドル米国大使館は、ノーコメントを貫いている。

ロジャー・パルド・モイラー西半球防衛次官補は、チャベスとカストロは、(ボリビア反体制派のエボ・モラーレスを中心に)ボリビア革命を働きかけている、としている。また、その動きが、マルクス主義者の勢力を南米一帯に広げうるとの懸念を表明している。

米国は、米国の輸入する石油の13%をベネズエラに依存している。そのベネズエラでチャベスが、8月13日に、79歳を迎えたカストロのラテンアメリカ域内における後継者となることを危惧している。

元大統領候補の宗教家であるパット・ロバートソン大統領候補は、チャベス暗殺を公の場で呼びかけ、騒ぎを大きくしている。

5)私の分析

6月30日に開催されたカリブ地域首脳によるエネルギー・サミットでは、ベネズエラの主唱による「PETROCARIBE社」設立に向けて、参加各国が、支持を表明した。これは、米国のオイルメジャーを締め出し、ラテンアメリカの資本だけで、ラテンアメリカ域内に正当な(格安な)価格で、石油供給を行う石油会社を設立しようとするものである。

既に、ベネズエラは、ラテンアメリカの小国であるカリブや中米を中心に、石油価格高騰時に、格安で優先的に石油を供給する協定を結んでいる。いわば、こうした国々は、急所を握られているに等しい。そのため、こうした国々は、親米国でありながらも、米州機構など公の場で、踏み込んだ反ベネズエラ決議を支持できない。

南米では、次々と左翼政権が立てられ、反米機運が高まっている。また、親米政権の揃う中米も、国内の反米グループが、力をつけ始めている。

第二期ブッシュ政権は、明らかに第一期政権と比べて外交政策が、変わってきている。かつての一国強行突破路線から、多国間協調路線への動きは、顕著である。しかし、一度、ハードラインで揺り起こしてしまった反米勢力は、協調路線への転換でも、懐柔できそうにもない。

ラテンアメリカは、「失われた80年代」から「民主化と市場経済化、および貿易自由化の90年代」を経て安定してきたため、米国の要注意リストから外れつつあったが、舵の取り方によっては、また嫌な驚きが、ありうる状況である。

米国外交の基調は、自由貿易推進と民主化定着援助であることには、かわりない。そして、貧困層の周縁化を防ぐための社会開発援助も世銀を巻き込み、進めていくと思われる。しかし、それでも消せないであろう反米機運または、反米活動支持層になりうる貧困層をどう鎮めるのか、が問われる。米国外交および援助政策を踏まえ、日本の援助およびラテンアメリカ外交のあり方を考えながら、ラテンアメリカを見ていきたい。

(参考資料:La Prensa Grafica(El Salvador) Pravda(Russia) 読売新聞)



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2005年08月20日

日本・中米首脳級会談「東京宣言」  

612ae1e5.jpg日本・中米首脳級会談「東京宣言」  

本日、8月19日は、「中米の日」。18日の日本・中米首脳会談および「東京宣言」を報告させていただきます。

18日、中米と日本の首脳会合が、首相官邸で開催された。同会合は、9年ぶり2回目で中米地域の経済統合促進および日本の国連常任理事国入りが話し合われた。グアテマラ、ホンデュラス、コスタリカの大統領およびエルサルバドル、ニカラグア、パナマ、ドミニカ(共)の副大統領が、出席した。

18日の会談後、参加各国首脳が「東京宣言」に署名した。また、「東京宣言」の他に、総額1億1千万ドル(最大1億4千万ドル)の日本の政府開発援助(ODA)の広域プロジェクトの活用などを協議し、具体的な協力策をまとめた「共同行動計画」も発表された。

なお、9月12日には、韓国と中米首脳の間で会合が、予定されている。

I.会合要点

1)概略
日本側の目標であった中米・カリブ7ヶ国からの日本及び立候補国(G4)の国連常任理事国入りへの支持を取り付けたことは、成功だと評価してよい。

また、2004年9月の小泉首相のブラジル訪問時の「日本・中南米新パートナーシップ」構想や毎年開かれる中南米大使会議を踏まえ、CAFTA発効前に、時宜を得た首脳会談を日本で開いたことも意味がある。

ただし、「東京宣言」そのものには、特に目新しいものは、含まれていない。もっとも、中米各国の首脳が、揃って、国境をまたがるプロジェクトにコミットしたことには、意味がある。「日本・中南米新パートナーシップ」も含め、今後、地道な外交によって魂をいれる筋のものであるので、今後の活動を定期的に観測し、チェックする必要がある。

また、中米首脳は、今回の訪問を利用して、積極的に日本の産業界との接触をもち、投資・貿易促進につなげる努力を見せていた。

2)「東京宣言:未来への投資のための指針(日本と中米:未来に向けた友情)」要旨
• 対話と協力
グローバルな課題(国連改革、貿易、投資、環境、ミレニアム開発目標)の協力 及び 東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)による地域間協力

• 平和と民主主義の定着
民主主義強化、安全対策および汚職対策
 
• 経済、開発、観光及び防災における協力
中米統合強化、プエブラ・パナマ計画、中小企業競争力強化と生産性向上、投 
資及び貿易促進

• 教育、文化交流、スポーツ交流

• 国際場裡における協力
国連改革、安保理改革、「人間の安全保障」、環境問題、WTO(2005年12月香港閣僚会議協力)

3)共同計画
「東京宣言」でうたわれている重点事項に関わるプロジェクト一覧。下記リンク参照。http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/latinamerica/j_latin05/k_keikaku.html 

II.菊地隆男コメント

1) 前回の会合との比較
日本・中米首脳会談は、1996年橋本首相が初めて、コスタリカで開催した。橋本首相は、政治家になる前、呉羽紡績に勤めていたが、その子会社が、エルサルバドルとコスタリカにある。その縁で、中米との首脳会談を開催した。

ただし、前回のサミットは、橋本首相のメキシコからブラジルへの移動の間、中継地のコスタリカの空港で、わずか、一時間弱の間、行われたものであり、開催したことのみに意義があった会合であった。

今回は、「日本・中米交流70周年記念」にあわせ、日本に、中米5カ国およびパナマ、ドミニカ(共)首脳を招待して、会合は、華々しく行われた。

ODAの他、主な目的が、日本の常任理事国入り支持を訴えることとは言え、CAFTAにあわせ、日本の産業界に中米への関心を訴える意味でも、時宜を得た催しであった。

なお、今回の中米首脳の訪問では、他に、日本の産業界との交流、天皇、皇后両陛下への謁見、中米も出展している愛知万博への出席が、主なアジェンダである。

また、18日には、JBIC,JETRO,JATA主催の投資セミナーが、帝国ホテルで中米首脳および日本企業を集めて開催された。

2) 大統領出席の意義
中米という小国の集まりとはいえ、大統領を招集できる意義は大きい。中米各国の報道振りも、参加首脳のプロトコルに比例している。大統領が出席したグアテマラ、コスタリカでの報道振りは、日本の貢献を大きく扱っている。特に、援助額のもっとも大きいグアテマラでは、連日、見出しのトップで日本の援助を報道している。

対日関係の良好なエルサルバドルも、好意的な記事を掲載している。副大統領とはいえ、エスコバル女史は、対日外交の顔とも言える存在である。親日家で、JICAとの共同実務経験がある上、美人で気立てがよく日本の関係者にはすこぶる評判がよい。

大統領が欠席したニカラグアとドミニカ(共)は、相当な理由があると言える。ニカラグアのボラーニョス大統領は、高齢である上に、7月27日に脳梗塞で息子を亡くしたばかりで、心労がたまり、出席をキャンセルしたことにも同情の余地がある。また、ドミニカ(共)は、17日(日本時間18日)が、フェルナンデス大統領の大統領就任式であり、出席は、不可能であった。

パナマは、日本からの援助額も少ないのに、国連常任理事国入りの要請を受けるために呼ばれているので、今次参加国の中で、もっとも冷めている。実際、会合では、唯一、異議を唱えていた。

3) 今後の戦略
日本としては、常任理事国入り要請を日本・中米交流70周年記念にあわせた会合で中米統合へのODA増額とともに、アピールしたかったわけで、その目的は、達成できた。

しかし、ラテンアメリカを単なる中南米局の関心事に終わらせるべきではない。「アジア戦略」と「国連中心主義」は、多極間外交の一つである「ラテンアメリカ戦略」があってこそ、両立し得る。

日本企業が、アジアに集中しているとはいえ、アジアの支持だけでは、国連常任理事国入りは、難しい。また仮にそれが可能になったとしても、他地域からの支持を受ける基盤なくして有効な国連外交は、展開できない。

特に、FTA戦略を有効にODAを含む地域外交に結びつけるべきだと思われる。今次会合で、いみじくも坂場中南米局長が、「CAFTAは、日本の自動車産業などの中米への輸出に悪影響を及ぼす。」と述べている。

NAFTAで明らかになったように、近隣国間の自由貿易協定では、自動車、重機、鉄鋼など重く輸送コストのかかる産業に特に有利に働く。自動車に関して言えば、日本からの輸出は、アジア各国とのFTAで伸ばすべきものである。

米国金融市場での資本調達と貿易による米国の市場シェア拡大を考えたときに、
中南米に経営資源を投入し、育てることは、今後、より大きな意味を持ちうる。既に米国の人口の12%は、ヒスパニックであり、人のつながりによる影響も見逃せない。

なお、貿易に関しては、日本の貿易黒字がつづいている。94年の日本から中米への輸出は、11億ドル。日本への中米からの輸入は、8000万ドルである。主な日本の輸出品目は、自動車および自動車部品、家電製品である。中米からの輸入品目は、繊維製品と農産品である。

また、パナマは、日本の貿易物流において、特別重要な国である。パナマ運河を通る物流の40%が、日本関連のものである。


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2005年08月15日

暑気払い中米スペシャル1:CAFTA中間報告

暑気払い中米スペシャル1:CAFTA中間報告

お盆の暑気払いに、中米の話題2連発を打ち上げさせてをいただこうと思います。まず、1発目で、「CAFTAの中間報告」をさせていただいて、2発目で、「日本のODA及び台湾と中米からの教訓」を打ち上げたいと思います。

1) 米国側のCAFTA交渉チームのチーフである米国通商代表部(USTR)レジーナ・バーゴ(REGINA VARGO)女史は、CAFTA発効が、2005年1月1日になるであろうとの見通しをグアテマラの産業貿易促進大臣宛てのE−MAILで明らかにした。

2) 既に、CAFTAは、米国のほか、グアテマラ、エルサルバドル、ホンデュラスの三カ国では、国会で批准されている。

3) これら中米北部三カ国では、いずれも大差でCAFTA法案が可決された。しかし、農民などCAFTAで不利になると見られるセクターを中心にCAFTA反対デモが、グアテマラやホンデュラスでは、見られた。

4) 批准していない残り三カ国の状況
ニカラグア:野党の連携により、CAFTA法案は、9月まで国会日程に上げられないことが決まっている。オルテガの率いるサンディニスタなどの反対勢力に対して十分な対話を持たず、政治的切り崩しだけで強行採決を図っても、CAFTAを実効性のある開発計画に育てていけない。OASが、アルゼンチンの元外務大臣を特使として、6月にニカラグアのセクター間の対話促進を取り持つなど、ニカラグア内部の政治状況は、不安定であり、性急にCAFTA可決に走るべきではない。

コスタリカ:パチェコ大統領は、CAFTA法案の採決を急がず、まだ国会に法案を提出する時機でないとしている。これは、パチェコ大統領が、中道右派の社会キリスト教統一党(PUSC)の中では、リベラルであり、カルデロン元大統領の影響の強い同党において、少数派であることが、影響している。前回の選挙で、2大政党制が崩れ三大政党制に移ったこと、来年の大統領選挙および国会議員選挙なども同法案を提出するタイミングに影響を及ぼしている。

ドミニカ(共):主力の繊維製品貿易でホンデュラスとの間で懸案を抱えたり、コスタリカとの自由貿易協定発効日前日に、協定延期を申し入れるなどして、ドミニカ(共)の中米各国との関係は、必ずしも良くない。大統領の政治基盤が弱いことから、CAFTA早期批准は、難しいと見られる。

5) 今後の手続き

CAFTA協定では、中米域内各国のうち、1カ国でも、批准すれば、その国と米国との間で、批准後90日以降、発効するものとされている。既に、米国および中米北部三カ国でCAFTA法案は、批准されているので、2005年11月以降、発効させることは、可能である。

ただし、同協定は、発効日に関して話し合いで柔軟に対応する旨、規定している。事務手続きの余裕も見て、USTRバーゴ女史の見通しどおり、2006年1月1日発効と見る向きは多い。

今後、CAFTAは、参加国により、米州機構(OAS)およびWTOに通報される。

以上


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2005年08月10日

コスタリカ方式

0dcbbf3d.gif「コスタリカ方式」

このたび、衆議院解散に伴う選挙で、「コスタリカ方式」という言葉が、飛び交っています。この言葉は、「選挙のたびに選挙区と比例区を交代する」方式として、日本でのみ、使われています。

しかし、実際は、コスタリカの選挙における「コスタリカ方式」とは、まったく違ったものです。そもそも、コスタリカは、一院制であるうえに、選挙区からの立候補は、ありません。どの政治家も、比例区からの出馬となります。

「コスタリカ方式」の名付け親は、政治家の森喜郎氏です。彼が、首相に選ばれる前に、コスタリカの政治家が、再選禁止であることを知りました。しかも、コスタリカには、前述のように、比例区しか、存在しません。これを彼は、「一度出て、一度休み」と理解しました。

選挙において、政党の名に乗っかって、(順位が上位であれば)、少し楽が出来る比例区と毎回ガチンコ勝負を強いられる選挙区とでは、選挙の負担が大きく異なります。比例区から出たがる自民党の政治家を仕切るために、「一回出て、一回休む」つまり、比例区で一回楽をしたら、次は、選挙区で、少し苦しむことで、裁定をしました。

各議員を説得する上で、理由付けとして、このたすきがけのやり方は、「民主主義の定着したコスタリカから学んだ方式」ということにされました。そのうち、言葉が一人歩きして、「コスタリカ方式」と名づけられました。

ですから、もし、皆様が、海外で、政治の話をされ、「Costa Rica’s election system」と言う言い方で、日本の選挙方式を説明されても、おそらく先方には、「???」だと思われます。実際には存在しない「コスタリカ方式」。時機にかなった話題かと思い、投稿させていただきました。

なお、コスタリカでは、政治家再選禁止であるため、職業政治家でいることは、出来ません。そのため、皆、副業を持っています。医者、学者、弁護士、経営者などが、一般的な職種です。



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2005年08月05日

CAFTA追加情報

CAFTA追加情報

1)DR−CAFTAの今後

まだ、DR−CAFTA法案は、ニカラグア、コスタリカ、ドミニカ(共)では、批准されていません。ただし、既に中米北部三カ国では、批准されています。協定では、たとえ中米の一カ国でも、批准した場合は、米国と中米の対象国が批准した日から、90日後に、発効するものとしています。

現時点では、11月から、中米北部3ヶ国と米国の間で、CAFTAが発効することになります。ただし、これは、中米各国の話し合いで融通が利く、ともされています。この点については、8月第2週に中米首脳が協議して、決めることになっています。

ニカラグアは、2006年1月から発効するように、言い換えれば、9月いっぱいまで、国内世論を説得する時間を欲しいと、批准した中米各国に対して、言っています。米国から見て、たいしたことなくても、また、既に80%の品目は税制優遇措置を受けていたとしても、中米では、CAFTAは、やはり、インパクトを持ちます。

ましてや、中米他国が批准して、自国だけバスに乗り遅れ、CAFTAを批准するタイミングを逸するとなると、損害も計り知れなくなります。時期を確認しないといけませんが、CAFTA発効と同時に、かつてのさまざまな中米向け税制優遇プログラムも、順次、撤廃されてゆく予定なので、CAFTAを批准しないと、既得権益を失うことにも、なります。

2)メキシコ
メキシコは、NAFTAによる外資流入をてこに、(情報を含む)技術移転を促進し、競争力を高めた。同時に、米国との政策協調が、国の信用力を高めた。それらをてこに、米国への輸出を拡大した。

上記のようなコメントを前回、MLに載せさせていただきました。ただ、そのあと、UNCTADの2004年レポートを読んだところ、一部、補足する必要を感じたので、下記に掲載させていただきます。

上記の指摘は、テキーラショック回復から、2000年までは、正しいと思います。ただ、2000年から、2004年に関しては、深刻な「マキラ」流出を招き、2820社および220,000人の雇用が、失われ、海外に流出しました。

主な理由は、メキシコの賃金上昇が、生産性上昇をはるかに上回ったこと、メキシコ政府が、給与税(ISCAS)導入をしたことが、あげられます。特に繊維産業、電気産業の多くは、中国へ流れていきました。

2005年1月の多角的繊維協定(MFA)の輸入割当制度撤廃は、更にメキシコのこうした産業にダメージを与えました。巻き返し策として、メキシコ政府が、とった政策は、下記の通りです。

1)給与税(ISCAS)撤廃
2)マキラ企業の所得税免税
3)利益のメキシコでの再投資への免税

こうした税制優遇を取り入れた他に、人材育成プログラム、情報ネットワーク構想などもあると思うのですが、寡聞にしてしりません。もし、ご存知の方が、いらっしゃったら、教えていただけますでしょうか。


cheelend at 05:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2005年08月01日

CAFTA米国下院議会通過

CAFTA米国下院議会通過

米国と中米5ヶ国および、ドミニカ共和国の自由貿易協定法案が、7月28日、米国下院議会にて、217票対215票の僅差で可決された。既に6月29日に同法案は、上院で可決されているため、8月一週に予定されている大統領の書名をもって、批准される。

I.今回の法案通過の意義
1)FTAA
米国議会貿易委員会のCAFTAレポートに指摘してあるように、米国にとっての今回の自由貿易協定は、発効したとしても、長期的に見て、大きな経済的な影響はないものと思われる。

中米およびドミニカ(共)は、6ヶ国あわせて、米国にとって、輸出で12位、輸入で15位の相手であり、大きな貿易相手国ではない。しかも、既に80%の貿易品目は、各種の貿易優遇策で免税または、優遇税制のもと、米国に輸入されており、今回の自由貿易協定の影響は、一部の産業に限定される。

むしろ、今回の協定は、FTAAを米国の主導権のもと、達成するための一歩としての意味が大きい。ブッシュ大統領も、この協定で「貿易」が、地域の生活を改善し、「民主化」に寄与し、ひいては、「米国の安全保障」に有益であるとして、議員を自ら、説得してまわった。

2)米国内の反対勢力対策
今次法案の主な反対勢力は、一部の農業品目輸出の盛んな州、および砂糖業界と労働組合であった。

砂糖業界:オーストラリアやメキシコなど、一連の自由貿易協定において、強硬派と目されてきた砂糖業界は、米国のもっとも大きな政治寄付金拠出団体でもある。CAFTAレポートでも、砂糖業界を説得して、協定を受け入れさせるための記述が、多く散見された。実際、砂糖および砂糖加工商品の米国への輸入は、15年かけて、徐々に関税が下げられ、しかも、中米への割り当て量を課すというものであり、当面、米国砂糖業界は、保護される。

労働組合:AFL−CIOは、CAFTAにより、米国内での労働が確保されないとして、FTAAおよび一連の自由貿易協定に表面上、一貫して反対を貫いてきた。しかし、米国の労働組合は、AFL−CIOにせよ、CALPERS(カリフォルニア公務員年金組合)にせよ、積極的に米国企業に株式投資し、ラテンアメリカを含む世界の金融市場にも投資しているため、表の反対表明ほどには、自由貿易による成長機会拡大に反対できない背景がある。そのため、組合内の強硬派と目されるトラッカーズなどの組合と指導部の間の溝が深まり、事実上、内部分裂していた。

また、その一方で、AFL−CIOは、中米各国の労働組合と共同歩調をとって、CAFTAおよびFTAAに対しての圧力をかけることも、模索していた。しかし、これも、米国労働者の権利拡大を求めるAFL−CIOと、米国の労働者に比べ、劣悪な中米の労働者の労働条件の格差から、折り合いをつけることは出来ず、話は、具体的な進展を見せなかった。

3)対アジア(中国)戦略
7月28日、CAFTA法案が通過したことだけが、華々しく報道された。その一方で、中国貿易政策を厳しくモニタリングする法律が、通過したことも、目を留めておくべきである。CAFTAを通過させるために、中国への圧力を強めるということは、日本から中国への投資、及び、中国から日本製品の米国への輸出に対する牽制でもある。

なお、FTAA締結目標とされている2005年という指標は、APECのボゴール宣言によるAPEC域内先進国の貿易自由化目標2010年に対して、より早い米州域内の自由化を達成しようということで、設定されている。

II.今後の課題
1) 長期戦が予想される法案発効
今回、米国にて、CAFTA法案が、通過し、批准されることとなった。しかし、中米各国で批准されるまで、どのくらいの時間がかかるのか、いまだに不透明である。ちなみに、メキシコと中米北部三カ国(グアテマラ、エルサルバドル、ホンデュラス)との自由貿易協定は、合意から発行まで、数年かかっている。

今回のCAFTAが、FTAAを念頭においていること、また、貿易相手国が、メキシコよりも、はるかに影響力の大きい米国であることから、中米域内でも早く批准されるという見方もある。しかし、下記の社会的課題に対しての取り組みが、見られないと、長期戦も予想しうる。

2) NAFTAの残した社会的課題
NAFTAは、特に米国からメキシコへの直接投資増加をてこに、メキシコから米国への製造業の輸出を飛躍的に増加させた。そのことが、より、緊密なメキシコと米国の政策協力を促し、メキシコの信用力向上にも、寄与した。

その一方で、メキシコの貧しい農業セクターは、米国の農産品輸出に対してなすすべなく廃業に、いたった。彼らは、大都市へのあてなき国内移動、または、米国への不法移民としての入国を選び、社会不安、失業率増大などを引き起こしている。

既に、各研究機関のCAFTA分析でも、同様の社会的課題が、指摘されており、中米各国でCAFTAを批准するためには、政治家の政治的リスクを受け入れたリーダーシップが必要となる。各国のカトリック、学者などの有力なグループの反対に対しての説得も必要である。

3) 対南米政策
FTAAを進めていくうえで、必要なメキシコ及び中米を自由貿易協定でまとめるのは、第一歩であり、今後、難しい南米の切り崩しが、待ち構えている。今年の米州機構(OAS)事務総長選では、最終的に南米の推すチリのインスルサ内相に鞍替えして、米国は、自国擁立候補が、敗れるという事態を防いだ。7月末の米州開発銀行総裁選は、危なげなくコロンビアのルイス・アルベルト・モレーノ駐米大使が選出されたが、チリとコロンビアを除く南米グループを切り崩す道のりは、平坦でない。

III.コメント
1) 中米にとっての米国との自由貿易協定の意義
既に8割の米国への輸出は、各種優遇税制のため、恩恵を受けており、短期での目覚しい中米諸国にとっての影響は、ないと推定される。しかし、長期的には、米国からの直接投資をてこにした技術移転および輸出拡大が、期待されている。

従来の優遇税制は、あくまでも米国からの一方的な恩恵供与であり、いつ米国議会で撤回されるかわからない不安定なものであり、投資誘致には、効果的でなかった。しかし、今回の協定は、二国間の取り決めであり、また、米国の駐米への関与を公言するものでもあることから、中米の信用改善に寄与するものとされる。

2) 国際機関の協力
上記のような積極的な側面の反面、NAFTAにおけるメキシコ農民の生活が不安定になったことと、同様な問題が中米で起きるものとされている。そのため、世界銀行の中米ユニットでは、昨年、CAFTAの中米農業・水産セクターへの否定的な見解を発表している。

しかし、今年6月のウォルフォビッツ総裁への交代により、「CAFTAは、教育、保健といった社会的側面に配慮し、農業セクターの競争力を高めることで、地域の成長に寄与する。」とし、CAFTAを成功させるために弱点とされた分野への援助を強化する方向に論調が動いている。

3) 小国の開発戦略
中米のような小国が開発戦略を描く上で、どのように世界市場につながり、経営資源(技術、情報、資金、人材)の競争力を高めていくか、というテーマは、重要課題である。BRICSまたは、それに順ずる大国(例:メキシコ)と異なり、国際社会での発言力をもたない小国は、機動力を生かして機を見るに敏な政策決定を行うことが、数少ない武器の一つである。今回のCAFTAも、米国での批准を受けて、ボールは、中米諸国に渡った。批准を引き伸ばして、批准のための対価を高めるのもよいが、延ばしすぎて、機を逸すると、まったく外交カードとしての意味を失う。


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2005年07月10日

Export promotion of agricultural products from Central America to Japan: Cut flowers

Export promotion of agricultural products from Central America to Japan: Cut flowers

As of FDI and trade, Central American countries are highly dependent on the United States. Generally speaking, more than 50% of the origin of FDI along with trade comes from the North America. CAFTA may strengthen this tendency further.

Different from Chile, Peru, and Brazil, Central America has not made enough effort to diversify the origin of FDI along with trade. Risk management such as diversification of trade partner and export products will work to mitigate economic volatility which has deteriorated the life of the poor in the region.

Agricultural products have been one of the main export goods of Central America. However, terms of trade haven’t benefited the poor rural workers. On the other hand, protective tariff rate prevented Central American farmers to penetrate into the market of developed countries deeply. Further, information asymmetry worked unfavorably against the farmers of the region. Especially, lack of marketing and updated information of consumers’ preference in the global market made regional workers less competitive. In addition, lack of access to finance and technology are the other important issues to be improved.

While Central America struggled to survive in this area, other developing countries succeeded in promoting the export of agricultural products. For instance, Chile’s entrepreneurs promoted the linkage with value chains of multinational foreign companies like Wal - mart. Chilean agricultural entrepreneurs made use of IC –chips to fix the information asymmetry between farmers and multinational companies and gained credibility from consumers of developed countries. Chile was also successful for diversifying the products and destiny.

Here, I propose the export promotion of cut flowers from Central America to Japan. There are several facts that make the idea reasonable. Interestingly, cut flowers are the less protected products among agricultural products in Japan. Cut flowers are imported under the lower tariff rate compared with the other crops in Japan.

In addition, Japanese flower market is one of the biggest in the world next to EU and the U.S. Flower market growth is significantly correlated with the income per capita. After a decade of economic slump, Japanese economy is expected to grow steadily. It, therefore, will benefit wage workers and expand flower market further.
Finally, Japanese market pays more favorably to cut flowers’ exporters compared with the other flower markets of the world. While the biggest flower market in the world, Dutch Aalsmeer Auction, pays US$0.15 per stem of a rose, Japanese counterpart pays US$0.60 to the same one.

Colombia and Ecuador have already increased the export of cut flowers three folds in Japan in these five years. Central America can compete with Ecuador in Japanese market if there is efficient guidance and coordination in the region. Infrastructure, flight schedule, marketing information and technology transfer will be one of the keys for success.


cheelend at 11:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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Cheel
ラテンアメリカ研究者。民間セクター開発専門家。趣味は歌・絵画・小説・旅行・スポーツ全般。5言語(英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、日本語)を駆使して仕事を行う。現在アンゴラ、ルアンダ市在住。
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