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明日は七夕・・・
本日のお稽古でお師匠さんから「よく覚えたね」のお言葉を頂きました。
その曲は 清元「流星」。七夕の夜の物語。
技術的には まだまだ。
やや短縮して24分の曲を暗譜できただけ。
この曲を9月25日、文楽劇場小ホールにて演奏します。まだまだ精進いたします。

七夕の日は 寄席三味線のお師匠さんに入門した、言わば三味線の道を歩み始めた記念日です。
繁昌亭近くの喫茶店で面接して頂き、帰りに梅田まで歩く途中、太融寺に立ち寄りました。
七夕飾りがザワザワと風に揺れ、小雨模様。
この日の願い事は決まっています。「三味線が上達しますように」
帰宅すると、ものすごい雷。三味線の前途多難を示すかのようでした。
流星を弾くと、ふとこの日の風景を思い出すことがあります。

「流星」は とても楽しいユーモアたっぷりの曲です。
まあ、肩の力を抜きなさいよ・・・と、私にとっては応援してくれるかのような曲です。

彦星と織姫が年に1度の逢瀬を楽しむ七夕の夜。
そこへ流星が「ご注進!ご注進!!」とやってきて、隣の家で勃発した事件の話し始めます。
隣の家に住まいするのは雷一家。
雷の亭主がゴロゴロ!と落ちた先は端唄のお師匠さんのお家。
亭主は しばらく、そこへ居候。
天上へ帰ってからも、亭主は すっかり端唄が口癖に。
♪エエ〜ごろごろごろ〜と、のろけた鳴りよう。
そこで女房は腹を立て、ゴロゴロゴロ! ピカピカピカ!! ピシャリ〜
(これ、本当に歌詞に入っています)
夫婦喧嘩が始まる。
小雷が コヨコヨコヨコヨ〜と泣き出すと、
婆雷が「夫婦喧嘩は雷獣もくわぬ・・・」と仲裁に。
それでも夫婦喧嘩はエキサイト!
止めるはずみに婆雷がウーンと倒れる!
「これはコロリではあるまいか?!」と家族は心配する。
(この時代:安政9年、伝染病コレラは蔓延した)
婆雷は入れ歯を飲み込み、胸がつかえたのだった〜!?
これは おかしや〜!と仲直りしたよ〜
「はや おさらば〜!!」と流星は去っていった・・・・


ね、おもしろい曲でしょ。
明日の七夕も願いを込めながら、稽古に励みます。

三味線、これから・・・

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雀まつばら寄席や九雀師匠落語教室生徒さん発表会などの本番で弾かせていただくこと今月の雀まつばら寄席で67回。
下手な出囃子やハメモノに演者の皆さん、お客様のお耳汚しはいかほどか・・・と、
弾けなくて悔しくて何度も涙しました。
ハメモノの唄も下手くそで悩みに悩み、1年半ぐらい経過した頃、寄席三味線に加えて小唄を習うことにしました。
ネット検索で2件ヒット。その内の一つ、なんとなく選んだのが今のお師匠さん。
ふるさとの千日前にほど近い島之内に稽古場がありました。
せっかくだから、唄だけでなく弾き唄い。

小唄のお師匠さんに習い始め2年ほどして
「そんなに一生懸命に稽古するなら、清元で名前(芸名)をとってくれない?」
とお声がけを頂きました。
お師匠さんは小唄だけでなく、清元のお師匠さんでもありました。
「素人稽古ではなく厳しくなるけれど、三味線がぐっと上手になるよ」と。
・・・・
「ぐっと上手になるよ」これが魔法の言葉でした。
とにかく上手くなりたい、落語会でまともに弾きたい・・・
そして目指すところが高いに越したことないかな・・・と、その時は清元が何なのかもよくわからず・・・・
三味線音楽も色々なジャンルがあり、
長唄、地唄、小唄、新内、義太夫、常磐津、清元、津軽・・・など。
寄席囃子はこの様々なジャンルの曲を寄席囃子特有のアレンジで弾く。
こんなこともよくわかっていなかったのですよ。
三味線の種類は太棹、中棹、細棹・・・それぞれに音色が違う。これぐらいはわかっていて好みはありましたが、とにかく三味線が上手になりたい!だけを考えていました。


さて、そこから名取試験を受けるまで1年かかりました。(三味線を初めて4年半)
お師匠さんの師匠、すなわち大師匠清元菊輔師の稽古を受け、大師匠のお許しを得て、家元清元延太夫のもとへ受験。
大師匠に試験を受けていいよ・・・と、お許しをいただいた日は平成最後の2月13日・・・奇しくも誕生日、
稽古場近くの蕎麦屋で師匠にお祝いをして頂き、忘れられない日となりました。


桜の花が咲く頃、東京歌舞伎座近くのお家元お稽古場にて菊輔師匠、延菊笑師匠の付き添いのもと、家元の前で「神田祭」を弾かせていただきました。

そして令和元年5月1日、宗家清元お家元よりお許しを頂き、清元延菊笑鶴として社中の末席に並ばせて頂くこととなりました。


全く落語を知らぬまま落語教室に飛び込み、三味線をいただいたことから始まり、
えらいこっちゃ・・・と思いながらも笑顔です。
親友は「落語してたから、・・・笑鶴なの?」
と言っていましたが、ちゃいます。 お家元、お師匠さん方のお名前の一文字をいただいて、私の鶴を。
未知であった落語が大好きになったように清元も好きなんです。
おもしろいですよ。
ところが「好き」と「できる」は違って、「これができます」と胸を張って言えるには まだまだで、一生の残り時間をかけても、どれぐらいのことができるだろうか?と心許ないのですが、一生懸命に三味線を弾きます。そして楽しみます。


令和3年11月30日、文楽劇場にて初めて延菊笑鶴として演奏をさせていただきます。
延菊笑師匠の師籍二十周年の会・・・
「私の夢に付き合ってね」とお師匠さん。
大きな舞台に乗せていただきます。
そして、演奏会の司会は落語の先生、桂九雀師匠です。 たいへんに心強いです。
精一杯に務めて、最初の第1歩を踏みしめます。
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清元のユニフォーム
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名取試験。弾き終わってホッとしている図。
撮影:菊輔師匠

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名取式
左から千鶴、家元清元延寿太夫、延菊笑師匠











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